JPH0986110A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH0986110A JPH0986110A JP7266504A JP26650495A JPH0986110A JP H0986110 A JPH0986110 A JP H0986110A JP 7266504 A JP7266504 A JP 7266504A JP 26650495 A JP26650495 A JP 26650495A JP H0986110 A JPH0986110 A JP H0986110A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chafer
- outer end
- folded
- bead
- stretchable
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 折返し部16の半径方向外端部における亀
裂、セパレーションを効果的に抑制し、ビード部耐久性
を向上させる。 【解決手段】 折返し部16の軸方向外側に、円周方向
に延び波状に屈曲した同位相の非伸張性コード33が多数
本埋設されているチェーファー31を配置したので、タイ
ヤの負荷転動時におけるビード部の軸方向外側への倒れ
込み変形が、前記非伸張性コード33自身によって効果的
に制限され、この結果、折返し部16の半径方向外端部を
囲むゴムに生じる剪断歪が効果的に低減される。
裂、セパレーションを効果的に抑制し、ビード部耐久性
を向上させる。 【解決手段】 折返し部16の軸方向外側に、円周方向
に延び波状に屈曲した同位相の非伸張性コード33が多数
本埋設されているチェーファー31を配置したので、タイ
ヤの負荷転動時におけるビード部の軸方向外側への倒れ
込み変形が、前記非伸張性コード33自身によって効果的
に制限され、この結果、折返し部16の半径方向外端部を
囲むゴムに生じる剪断歪が効果的に低減される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビード部耐久性
を向上させた空気入りタイヤに関する。
を向上させた空気入りタイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、空気入りタイヤを負荷転動させ
ると、接地領域に対応するビード部が軸方向外側に倒れ
込んで変形するが、このような変形は該部位に位置する
カーカス層の折り返し部を円周方向に引き伸ばすため、
折返し部内に埋設されている補強コードを囲むゴムに半
径方向外側に向かうに従い大きくなる周方向剪断歪が発
生し、これにより、該折り返し部の半径方向外端部のゴ
ムに亀裂が生じ、最終的にはセパレーションを引き起こ
してタイヤ故障を招いてしまうことがあった。
ると、接地領域に対応するビード部が軸方向外側に倒れ
込んで変形するが、このような変形は該部位に位置する
カーカス層の折り返し部を円周方向に引き伸ばすため、
折返し部内に埋設されている補強コードを囲むゴムに半
径方向外側に向かうに従い大きくなる周方向剪断歪が発
生し、これにより、該折り返し部の半径方向外端部のゴ
ムに亀裂が生じ、最終的にはセパレーションを引き起こ
してタイヤ故障を招いてしまうことがあった。
【０００３】従来、このような亀裂発生を抑制するた
め、例えば、図３、４に示すように少なくともカーカス
層 2の折返し部 5の軸方向外側に、子午線方向に対して
60度の角度で傾斜している多数本の直線状に延びるスチ
ールコード 3が埋設され、その半径方向外端が折返し部
5の半径方向外端より半径方向内側に位置するワイヤー
チェーファー 4を配置し、これにより、ビード部 1の曲
げ剛性を高めて変形を抑制するようにしたものが提案さ
れている。
め、例えば、図３、４に示すように少なくともカーカス
層 2の折返し部 5の軸方向外側に、子午線方向に対して
60度の角度で傾斜している多数本の直線状に延びるスチ
ールコード 3が埋設され、その半径方向外端が折返し部
5の半径方向外端より半径方向内側に位置するワイヤー
チェーファー 4を配置し、これにより、ビード部 1の曲
げ剛性を高めて変形を抑制するようにしたものが提案さ
れている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】このようなワイヤーチ
ェーファー 4はビード部耐久性をある程度向上させるこ
とができが、近年開発された重荷重で用いられる高性能
タイヤに対しては十分なビード部耐久性を与えることが
できなかった。その理由は、前述のようにワイヤーチェ
ーファー 4内のスチールコード 3は子午線方向に対して
60度の角度で傾斜しているため、ビード部 1が軸方向外
側へ変形しようとするとき、このワイヤーチェーファー
4はそのスチールコード 3間のゴムが伸びて該変形をあ
る程度許容し、この結果、折り返し部 5の半径方向外端
部のゴムに生じる剪断歪がかなりの程度残存してしまう
からである。
ェーファー 4はビード部耐久性をある程度向上させるこ
とができが、近年開発された重荷重で用いられる高性能
タイヤに対しては十分なビード部耐久性を与えることが
できなかった。その理由は、前述のようにワイヤーチェ
ーファー 4内のスチールコード 3は子午線方向に対して
60度の角度で傾斜しているため、ビード部 1が軸方向外
側へ変形しようとするとき、このワイヤーチェーファー
4はそのスチールコード 3間のゴムが伸びて該変形をあ
る程度許容し、この結果、折り返し部 5の半径方向外端
部のゴムに生じる剪断歪がかなりの程度残存してしまう
からである。
【０００５】この発明は、ビード部耐久性を十分に向上
させることができる空気入りタイヤを提供することを目
的とする。
させることができる空気入りタイヤを提供することを目
的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このような目的は、折返
し部の軸方向外側に少なくとも配置され、その半径方向
外端が折返し部の半径方向外端より半径方向内側に位置
しているチェーファー内に、波状に屈曲しながら円周方
向に延びる同位相の非伸張性コードを多数本埋設するこ
とにより達成することができる。
し部の軸方向外側に少なくとも配置され、その半径方向
外端が折返し部の半径方向外端より半径方向内側に位置
しているチェーファー内に、波状に屈曲しながら円周方
向に延びる同位相の非伸張性コードを多数本埋設するこ
とにより達成することができる。
【０００７】前述の空気入りタイヤを負荷転動させる
と、接地領域に対応するビード部が軸方向外側に倒れ込
んで変形しようとするが、該折返し部の軸方向外側に少
なくとも配置したチェーファー内に波状に屈曲しながら
円周方向に延びる同位相の非伸張性コードを多数本埋設
したので、このような変形に対してこれら非伸張性コー
ド自身が抵抗し、該変形が効果的に制限される。この結
果、折返し部の半径方向外端部のゴムに生じる剪断歪は
効果的に低減し、該部位のゴムに生じる亀裂が効果的に
抑制される。これにより、近年開発された重荷重で用い
られる高性能タイヤに対しても十分なビード部耐久性を
与えることができる。また、前述のようなタイヤに制動
力を付与したとき、チェーファー内のコードが従来技術
のように直線状に延びていると、該コードに長手方向の
圧縮歪が作用して座屈破壊することがあるが、この発明
のようにチェーファー内の非伸張性コードが波状に屈曲
するとともに円周方向に延びている場合には、前述のよ
うな圧縮歪を受けても該非伸張性コードが波長が短くな
る方向に収縮することでこれを吸収するため、破損する
ようなことはない。
と、接地領域に対応するビード部が軸方向外側に倒れ込
んで変形しようとするが、該折返し部の軸方向外側に少
なくとも配置したチェーファー内に波状に屈曲しながら
円周方向に延びる同位相の非伸張性コードを多数本埋設
したので、このような変形に対してこれら非伸張性コー
ド自身が抵抗し、該変形が効果的に制限される。この結
果、折返し部の半径方向外端部のゴムに生じる剪断歪は
効果的に低減し、該部位のゴムに生じる亀裂が効果的に
抑制される。これにより、近年開発された重荷重で用い
られる高性能タイヤに対しても十分なビード部耐久性を
与えることができる。また、前述のようなタイヤに制動
力を付与したとき、チェーファー内のコードが従来技術
のように直線状に延びていると、該コードに長手方向の
圧縮歪が作用して座屈破壊することがあるが、この発明
のようにチェーファー内の非伸張性コードが波状に屈曲
するとともに円周方向に延びている場合には、前述のよ
うな圧縮歪を受けても該非伸張性コードが波長が短くな
る方向に収縮することでこれを吸収するため、破損する
ようなことはない。
【０００８】ここで、前記非伸張性コードとしては、ス
チール等からなる撚線あるいは単線フィラメントを用
い、これら非伸張性コードを正弦波、方形波、三角波等
の波状に屈曲させて使用する。また、前記折返し部の半
径方向外端から、チェーファーに埋設されている非伸張
性コードのうち、半径方向最外側に位置している非伸張
性コードの波の基準線までの折返し部に沿っての距離Ｌ
を 9〜13mmの範囲とし、かつ、前記非伸張性コードの振
幅Ｈを 3〜 5mmの範囲、波長Ｍを24〜50mmの範囲とする
ことが好ましい。さらに、前記チェーファーは折返し部
の軸方向外側に少なくとも配置されていればよいため、
半径方向内端がビードヒール、ビードトウ近傍のビード
コアの周囲において端止めされていてもよいが、ビード
コアの回りを内側に折返し部の半径方向外端近傍まで巻
き上げられていてもよい。
チール等からなる撚線あるいは単線フィラメントを用
い、これら非伸張性コードを正弦波、方形波、三角波等
の波状に屈曲させて使用する。また、前記折返し部の半
径方向外端から、チェーファーに埋設されている非伸張
性コードのうち、半径方向最外側に位置している非伸張
性コードの波の基準線までの折返し部に沿っての距離Ｌ
を 9〜13mmの範囲とし、かつ、前記非伸張性コードの振
幅Ｈを 3〜 5mmの範囲、波長Ｍを24〜50mmの範囲とする
ことが好ましい。さらに、前記チェーファーは折返し部
の軸方向外側に少なくとも配置されていればよいため、
半径方向内端がビードヒール、ビードトウ近傍のビード
コアの周囲において端止めされていてもよいが、ビード
コアの回りを内側に折返し部の半径方向外端近傍まで巻
き上げられていてもよい。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図１、２において、11は空気入り
ラジアルタイヤであり、このタイヤ11は一対のビードコ
ア12とカーカス層13とを有し、このカーカス層13は少な
くとも１枚、ここでは１枚のカーカスプライ14から構成
されている。このカーカス層13は、両方のビードコア12
間に配置されトロイダル状に延びる本体部15と、ビード
コア12の回りを囲みながら軸方向内側から軸方向外側に
向かって巻き上げられることにより、本体部15の軸方向
外側に配置されるとともに、ほぼ半径方向外側に向かっ
て該本体部15とほぼ平行に延びる折返し部16とから構成
されている。そして、前記カーカス層13の内部にはスチ
ールワイヤ等からなるラジアル方向（子午線方向）に延
びた補強コード17が多数本埋設されている。本体部15の
軸方向外側にはビードコア12から本体部15に沿ってこれ
に密着しながらほぼ半径方向外側に延びる一対のスティ
フナー20が設置され、これらスティフナー20の半径方向
内側部は前記折返し部16と本体部15との間に配置されて
おり、また、これらスティフナー20の半径方向外端はタ
イヤ最大幅位置の近傍まで延びている。前記カーカス層
13の半径方向外側にはベルト層22が設けられ、このベル
ト層22は内部にスチールコード等が埋設されたベルトプ
ライ23を少なくとも２枚（ここでは３枚）積層すること
により構成している。そして、これらベルトプライ23に
それぞれ埋設されたコードは、タイヤ赤道面Ｓに対して
所定の角度で交差している。前記ベルト層22の半径方向
外側にはトレッド24が配置され、このトレッド24の外表
面には周方向に延びる複数本（ここでは４本）の主溝25
および該主溝25に交差する図示していない複数本の横溝
が形成されている。
に基づいて説明する。図１、２において、11は空気入り
ラジアルタイヤであり、このタイヤ11は一対のビードコ
ア12とカーカス層13とを有し、このカーカス層13は少な
くとも１枚、ここでは１枚のカーカスプライ14から構成
されている。このカーカス層13は、両方のビードコア12
間に配置されトロイダル状に延びる本体部15と、ビード
コア12の回りを囲みながら軸方向内側から軸方向外側に
向かって巻き上げられることにより、本体部15の軸方向
外側に配置されるとともに、ほぼ半径方向外側に向かっ
て該本体部15とほぼ平行に延びる折返し部16とから構成
されている。そして、前記カーカス層13の内部にはスチ
ールワイヤ等からなるラジアル方向（子午線方向）に延
びた補強コード17が多数本埋設されている。本体部15の
軸方向外側にはビードコア12から本体部15に沿ってこれ
に密着しながらほぼ半径方向外側に延びる一対のスティ
フナー20が設置され、これらスティフナー20の半径方向
内側部は前記折返し部16と本体部15との間に配置されて
おり、また、これらスティフナー20の半径方向外端はタ
イヤ最大幅位置の近傍まで延びている。前記カーカス層
13の半径方向外側にはベルト層22が設けられ、このベル
ト層22は内部にスチールコード等が埋設されたベルトプ
ライ23を少なくとも２枚（ここでは３枚）積層すること
により構成している。そして、これらベルトプライ23に
それぞれ埋設されたコードは、タイヤ赤道面Ｓに対して
所定の角度で交差している。前記ベルト層22の半径方向
外側にはトレッド24が配置され、このトレッド24の外表
面には周方向に延びる複数本（ここでは４本）の主溝25
および該主溝25に交差する図示していない複数本の横溝
が形成されている。
【００１０】31は折返し部16の軸方向外側に少なくとも
配置されている、この実施例では、軸方向外側部31ａが
折返し部16の軸方向外側に配置され、軸方向内側部31ｂ
がビードコア12の回りを軸方向内側に向かって巻き上げ
られることにより、本体部15の軸方向内側に配置された
チェーファーであり、これらのチェーファー31の軸方向
外側部31ａの半径方向外端32ａは折返し部16の半径方向
外端16ａより半径方向内側に位置している。ここで、チ
ェーファー31は軸方向外側部31ａだけから構成されてい
てもよく、この場合には、チェーファー31（軸方向外側
部31ａ）の半径方向内端はビードヒール、ビードトウ近
傍のビードコア12の周囲において端止めされることにな
る。一方、チェーファー31が前述のように軸方向外側、
内側部31ａ、31ｂから構成されているときには、該軸方
向内側部31ｂの半径方向外端32ｂを折返し部16の半径方
向外端16ａの近傍まで、詳しくは半径方向外端16ａより
若干半径方向内側まで延在させる。
配置されている、この実施例では、軸方向外側部31ａが
折返し部16の軸方向外側に配置され、軸方向内側部31ｂ
がビードコア12の回りを軸方向内側に向かって巻き上げ
られることにより、本体部15の軸方向内側に配置された
チェーファーであり、これらのチェーファー31の軸方向
外側部31ａの半径方向外端32ａは折返し部16の半径方向
外端16ａより半径方向内側に位置している。ここで、チ
ェーファー31は軸方向外側部31ａだけから構成されてい
てもよく、この場合には、チェーファー31（軸方向外側
部31ａ）の半径方向内端はビードヒール、ビードトウ近
傍のビードコア12の周囲において端止めされることにな
る。一方、チェーファー31が前述のように軸方向外側、
内側部31ａ、31ｂから構成されているときには、該軸方
向内側部31ｂの半径方向外端32ｂを折返し部16の半径方
向外端16ａの近傍まで、詳しくは半径方向外端16ａより
若干半径方向内側まで延在させる。
【００１１】前記チェーファー31内には円周方向に延び
る非伸張性コード33が多数本埋設され、これらの非伸張
性コード33としてはスチール等からなる撚線あるいは単
線フィラメントが用いられる。そして、これら非伸張性
コード33はチェーファー31の表裏面に平行な平面内にお
いて同位相で波状、例えば正弦波、方形波、三角波状に
屈曲している。ここで、折返し部16の半径方向外端16ａ
から、チェーファー31に埋設されている非伸張性コード
33のうち、半径方向最外側に位置している非伸張性コー
ド33ａの波の基準線Ｄ（振幅が零の中央線）までの距離
Ｌを 9〜13mmの範囲とし、かつ、前記非伸張性コード33
の振幅Ｈを 3〜 5mmの範囲、波長Ｍを24〜50mmの範囲と
することが好ましい。このことから折返し部16の半径方
向外端16ａからチェーファー31の半径方向外端32ａまで
の距離Ｋは 6.5ーαmmから11.5ーαmmの範囲が好ましい
ことになるが、その理由は、距離Ｋが 6.5ーαmm未満で
あると、折返し部16の半径方向外端16ａとチェーファー
31の半径方向外端32ａとが近接配置されることとなる
が、このような場合には半径方向外端16ａの周囲のゴム
に亀裂が発生したとき、該亀裂が半径方向外端32ａに向
かって早期に延びて拡大するおそれがあるからであり、
一方、距離Ｋが11.5ーαmmを超えると、チェーファー31
による折返し部16の軸方向外側への変形を十分に抑制す
ることができないことがあるからである。ここで、αは
前記半径方向最外側に位置している非伸張性コード33ａ
の波の頂上からチェーファー31の半径方向外端32ａまで
の距離をいい、通常 0.5mm程度である。また、前記非伸
張性コード33の振幅Ｈを 3〜 5mmの範囲、波長Ｍを24〜
50mmの範囲とすることが好ましいのは、非伸張性コード
33の振幅Ｈが 3mm未満でかつ波長Ｍが50mmを超えている
と、波打ちの程度が小さくなって直線に近付くため、非
伸張性コード31間のゴムが伸びてビード部40の軸方向外
側への変形をある程度許容してしまい、一方、振幅Ｈが
5mmを超えかつ波長Ｍが24mm未満であると、非伸張性コ
ード33が引き伸ばされる際、変曲点に大きな表面歪が発
生して該非伸張性コード33に疲労破断が発生するおそれ
があるからである。また、前記距離Ｌは10〜12mmの範囲
とすることがさらに好ましい。
る非伸張性コード33が多数本埋設され、これらの非伸張
性コード33としてはスチール等からなる撚線あるいは単
線フィラメントが用いられる。そして、これら非伸張性
コード33はチェーファー31の表裏面に平行な平面内にお
いて同位相で波状、例えば正弦波、方形波、三角波状に
屈曲している。ここで、折返し部16の半径方向外端16ａ
から、チェーファー31に埋設されている非伸張性コード
33のうち、半径方向最外側に位置している非伸張性コー
ド33ａの波の基準線Ｄ（振幅が零の中央線）までの距離
Ｌを 9〜13mmの範囲とし、かつ、前記非伸張性コード33
の振幅Ｈを 3〜 5mmの範囲、波長Ｍを24〜50mmの範囲と
することが好ましい。このことから折返し部16の半径方
向外端16ａからチェーファー31の半径方向外端32ａまで
の距離Ｋは 6.5ーαmmから11.5ーαmmの範囲が好ましい
ことになるが、その理由は、距離Ｋが 6.5ーαmm未満で
あると、折返し部16の半径方向外端16ａとチェーファー
31の半径方向外端32ａとが近接配置されることとなる
が、このような場合には半径方向外端16ａの周囲のゴム
に亀裂が発生したとき、該亀裂が半径方向外端32ａに向
かって早期に延びて拡大するおそれがあるからであり、
一方、距離Ｋが11.5ーαmmを超えると、チェーファー31
による折返し部16の軸方向外側への変形を十分に抑制す
ることができないことがあるからである。ここで、αは
前記半径方向最外側に位置している非伸張性コード33ａ
の波の頂上からチェーファー31の半径方向外端32ａまで
の距離をいい、通常 0.5mm程度である。また、前記非伸
張性コード33の振幅Ｈを 3〜 5mmの範囲、波長Ｍを24〜
50mmの範囲とすることが好ましいのは、非伸張性コード
33の振幅Ｈが 3mm未満でかつ波長Ｍが50mmを超えている
と、波打ちの程度が小さくなって直線に近付くため、非
伸張性コード31間のゴムが伸びてビード部40の軸方向外
側への変形をある程度許容してしまい、一方、振幅Ｈが
5mmを超えかつ波長Ｍが24mm未満であると、非伸張性コ
ード33が引き伸ばされる際、変曲点に大きな表面歪が発
生して該非伸張性コード33に疲労破断が発生するおそれ
があるからである。また、前記距離Ｌは10〜12mmの範囲
とすることがさらに好ましい。
【００１２】そして、前述のような空気入りタイヤ11を
負荷転動させると、接地領域に対応するビード部40が軸
方向外側に倒れ込んで変形しようとするが、折返し部16
の軸方向外側に配置されたチェーファー31内には波状に
屈曲した円周方向に延びる同位相の非伸張性コード33が
多数本埋設されているため、このような変形はこれら非
伸張性コード33自身が抵抗し効果的に制限する。この結
果、折返し部16の半径方向外端部のゴムに生じる剪断歪
は効果的に低減し、該部位のゴムに生じる亀裂が効果的
に抑制される。これにより、近年開発された重荷重に用
いられる高性能タイヤに対しても十分なビード部耐久性
を与えることができる。また、前述のようなタイヤ11に
制動力を付与したとき、チェーファー31内のコードが従
来技術のように直線状に延びていると、該コードに長手
方向の圧縮歪が作用して座屈破壊することがあるが、こ
の実施例のようにチェーファー31内の非伸張性コード33
が波状に屈曲するとともに円周方向に延びている場合に
は、前述のような圧縮歪を受けても該非伸張性コード33
が波長が短くなる方向に収縮することでこれを吸収する
ため、破損するようなことはない。
負荷転動させると、接地領域に対応するビード部40が軸
方向外側に倒れ込んで変形しようとするが、折返し部16
の軸方向外側に配置されたチェーファー31内には波状に
屈曲した円周方向に延びる同位相の非伸張性コード33が
多数本埋設されているため、このような変形はこれら非
伸張性コード33自身が抵抗し効果的に制限する。この結
果、折返し部16の半径方向外端部のゴムに生じる剪断歪
は効果的に低減し、該部位のゴムに生じる亀裂が効果的
に抑制される。これにより、近年開発された重荷重に用
いられる高性能タイヤに対しても十分なビード部耐久性
を与えることができる。また、前述のようなタイヤ11に
制動力を付与したとき、チェーファー31内のコードが従
来技術のように直線状に延びていると、該コードに長手
方向の圧縮歪が作用して座屈破壊することがあるが、こ
の実施例のようにチェーファー31内の非伸張性コード33
が波状に屈曲するとともに円周方向に延びている場合に
は、前述のような圧縮歪を受けても該非伸張性コード33
が波長が短くなる方向に収縮することでこれを吸収する
ため、破損するようなことはない。
【００１３】次に、試験例を説明する。この試験に当た
っては、図３、４に示すようなワイヤーチェーファー 4
を設けるとともに、該ワイヤーチェーファー 4の半径方
向外端から折返し部 5の半径方向外端までの距離を10mm
とした従来タイヤと、図１、２に示すようなチェーファ
ー31を設けるとともに、該チェーファー31内に振幅Ｈが
4mm、波長Ｍが32mmの非伸張性コード33を埋設した供試
タイヤ１、２、３、４、５とを準備した。ここで、供試
タイヤ１は前記距離Ｌが 9mm（Ｋが 6.5mm）、供試タイ
ヤ２は前記距離Ｌが10mm（Ｋが 7.5mm）、供試タイヤ３
は前記距離Ｌが11mm（Ｋが 8.5mm）、供試タイヤ４は前
記距離Ｌが12mm（Ｋが 9.5mm）、供試タイヤ５は前記距
離Ｌが13mm（Ｋが10.5mm）であった。また、これら各タ
イヤのサイズはいずれも11Ｒ22.5であった。次に、この
ような各タイヤに7.0kgf/cm2の内圧を充填するとともに
ＪＡＴＭＡ規格の 100％の荷重を作用させた後、ドラム
に押し付けながら85km/hで折返し部16の半径方向外端16
ａを囲むゴムに故障が発生するまで走行させた。このと
きの従来タイヤの走行距離を指数 100とすると、供試タ
イヤ１では 110と、供試タイヤ２では 115と、供試タイ
ヤ３では 120と、供試タイヤ４では 115と、供試タイヤ
５では 110となり、ビード部耐久性が向上した。
っては、図３、４に示すようなワイヤーチェーファー 4
を設けるとともに、該ワイヤーチェーファー 4の半径方
向外端から折返し部 5の半径方向外端までの距離を10mm
とした従来タイヤと、図１、２に示すようなチェーファ
ー31を設けるとともに、該チェーファー31内に振幅Ｈが
4mm、波長Ｍが32mmの非伸張性コード33を埋設した供試
タイヤ１、２、３、４、５とを準備した。ここで、供試
タイヤ１は前記距離Ｌが 9mm（Ｋが 6.5mm）、供試タイ
ヤ２は前記距離Ｌが10mm（Ｋが 7.5mm）、供試タイヤ３
は前記距離Ｌが11mm（Ｋが 8.5mm）、供試タイヤ４は前
記距離Ｌが12mm（Ｋが 9.5mm）、供試タイヤ５は前記距
離Ｌが13mm（Ｋが10.5mm）であった。また、これら各タ
イヤのサイズはいずれも11Ｒ22.5であった。次に、この
ような各タイヤに7.0kgf/cm2の内圧を充填するとともに
ＪＡＴＭＡ規格の 100％の荷重を作用させた後、ドラム
に押し付けながら85km/hで折返し部16の半径方向外端16
ａを囲むゴムに故障が発生するまで走行させた。このと
きの従来タイヤの走行距離を指数 100とすると、供試タ
イヤ１では 110と、供試タイヤ２では 115と、供試タイ
ヤ３では 120と、供試タイヤ４では 115と、供試タイヤ
５では 110となり、ビード部耐久性が向上した。
【００１４】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、折返し部の半径方向外端部における亀裂、セパレー
ションが効果的に抑制され、ビード部耐久性を十分に向
上させることができる。
ば、折返し部の半径方向外端部における亀裂、セパレー
ションが効果的に抑制され、ビード部耐久性を十分に向
上させることができる。
【図１】この発明の一実施例を示す子午線断面図であ
る。
る。
【図２】一部が破断された図１のＩーＩ矢視図である。
【図３】従来の空気入りタイヤの子午線断面図である。
【図４】一部が破断された図３のIIーII矢視図である。
11…空気入りタイヤ 12…ビードコア 13…カーカス層 15…本体部 16…折返し部 16ａ…半径方向外端 22…ベルト層 24…トレッド 31…チェーファー 32ａ…半径方向外端 33…非伸張性コード
Claims (2)
- 【請求項１】一対のビードコアと、これらビードコア間
に配置されたトロイダル状の本体部およびビードコアの
回りに内側から外側に向かって巻き上げられた折返し部
からなるカーカス層と、本体部の半径方向外側に配置さ
れたベルト層およびトレッドと、前記折返し部の軸方向
外側に少なくとも配置され、その半径方向外端が折返し
部の半径方向外端より半径方向内側に位置しているチェ
ーファーと、を備えた空気入りタイヤにおいて、前記チ
ェーファー内に波状に屈曲しながら円周方向に延びる同
位相の非伸張性コードを多数本埋設するようにしたこと
を特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項２】前記折返し部の半径方向外端から、チェー
ファーに埋設されている非伸張性コードのうち、半径方
向最外側に位置している非伸張性コードの波の基準線Ｄ
までの折返し部に沿っての距離Ｌを 9〜13mmの範囲と
し、かつ、前記非伸張性コードの振幅Ｈを 3〜 5mmの範
囲、波長Ｍを24〜50mmの範囲とした請求項１記載の空気
入りタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7266504A JPH0986110A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7266504A JPH0986110A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0986110A true JPH0986110A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17431838
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7266504A Pending JPH0986110A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0986110A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6758253B2 (en) * | 2000-01-14 | 2004-07-06 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire with spirally wound reinforcing cord layer |
| CN103317972A (zh) * | 2012-03-19 | 2013-09-25 | 东洋橡胶工业株式会社 | 充气子午线轮胎 |
| US20180037068A1 (en) * | 2016-08-08 | 2018-02-08 | Hankook Tire Co., Ltd. | Tire having chafer structure for enhancing bead endurance |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP7266504A patent/JPH0986110A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6758253B2 (en) * | 2000-01-14 | 2004-07-06 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire with spirally wound reinforcing cord layer |
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| JP2018024409A (ja) * | 2016-08-08 | 2018-02-15 | ハンコック タイヤ カンパニー リミテッド | ビーズ耐久性を向上させたチェーファー構造を備えるタイヤ |
| EP3281808B1 (en) * | 2016-08-08 | 2020-06-03 | Hankook Tire Co., Ltd. | A tire having a chafer structure for enhancing bead endurance |
| US10766315B2 (en) * | 2016-08-08 | 2020-09-08 | Hankook Tire Co., Ltd. | Tire having chafer structure for enhancing bead endurance |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050301 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050628 |