JPH0985586A - 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法 - Google Patents

回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法

Info

Publication number
JPH0985586A
JPH0985586A JP25164795A JP25164795A JPH0985586A JP H0985586 A JPH0985586 A JP H0985586A JP 25164795 A JP25164795 A JP 25164795A JP 25164795 A JP25164795 A JP 25164795A JP H0985586 A JPH0985586 A JP H0985586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
torque
cutting torque
tool
cutting tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP25164795A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Ozeki
宏夫 大関
Akihiro Masune
昭洋 増根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP25164795A priority Critical patent/JPH0985586A/ja
Publication of JPH0985586A publication Critical patent/JPH0985586A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
  • Drilling And Boring (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削トルクの変化が小さい場合でも切削状態
の変化を高精度で検出することが可能であり、またびび
り振動等による瞬間的な切削トルクの増大を、工具摩耗
によるものとして誤って検出したりすることのない検出
装置および検出方法を提供する。 【解決手段】 エンドミル1に作用する切削トルクを磁
歪式トルクセンサ14によって測定し、この切削トルク
を、波形面積演算装置19によってエンドミル1の一回
転当たりの時間で積分して切削トルク積分値を算出す
る。また、こうして得られた切削トルク積分値を、比較
装置20において、記憶装置22に予め設定されて記憶
された閾値と比較し、切削トルク積分値が閾値を越えた
場合には、工作機械の制御装置21に警告信号を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドミルやドリ
ル等の回転切削工具を用いた切削加工において、工具摩
耗等による切削状態の変化を監視するための回転切削工
具による切削状態の検出装置および検出方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の、回転切削工具による切削状態
を監視するための検出方法としては、例えば工具摩耗等
による回転式刃具の折損予知方法として、特開平6−1
98547号公報に記載されたものが知られている。こ
の公報に記載された検出方法は、図4に示すように、ま
ず新しい工具(刃具)でテストワークを試験的に切削し
て、切削トルクを、好ましくは時間変化を含んだ切削ト
ルクパターンAとして検知し、これに基づいて工具の折
損に至る手前の大きさの折損危険トルクレベルBを設定
する。そして、実際の切削時の切削トルクパターンCの
変動を、この折損危険トルクレベルBと比較して、実際
の切削トルクパターンCが鎖線で示すように上記折損危
険トルクレベルBよりも大きくなったことが検知された
なら、折損の危険があるものと判断し、工具を回転する
モータを停止させたり、ステップバックを行ったり、あ
るいは回転駆動系のクラッチを切ったりして、それ以上
切削トルクが大きくなるのを防止する。なお、図中に符
号Dで示すのは、上記切削トルクパターンAに基づいて
実際に工具が折損すると予測されるトルクレベルであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
回転式切削工具においては、その種類や切削条件等によ
っては、摩耗に伴う切削トルクの変化が比較的小さい場
合がある。例えば図5は、超硬合金製の切刃を有する外
径10mmの一枚刃のエンドミルによって炭素鋼材(SN
CM439)の肩削り切削を行った場合の、切刃の逃げ
面摩耗幅VBと切削トルクとの関係を示したものである
が、この図5に示されるように切削トルクは、摩耗幅V
Bに関わらず略一定である。ただし、この図5に示した
肩削り切削の切削条件は、以下の通りである。 ・切削速度:150m/min (主軸回転数 3000r.
p.m.) ・送り :0.05mm/rev ・切り込み:4.0mm ・切削幅 :2.0mm ・ダウンカット、乾式切削
【0004】しかるに、このように工具摩耗に伴う切削
トルクの変化が小さい場合には、上記従来の検出方法に
おいては、実際の切削トルクパターンCが折損危険トル
クレベルBを越えることはなく、このため切削が中断さ
れたりすることはない。すなわち、切削トルクが工具の
折損に至る直前の大きさになるまでの間は、工具摩耗し
たままの切刃によって切削が行われることとなり、この
ため、仕上げ面精度の劣化を招いたりしてしまうことは
避けられない。また、その一方で上記検出方法では、切
削時に工具摩耗等に起因しないびびり振動などが工具に
発生したりすると、切削トルクが瞬間的に著しく増大し
て上記実際の切削トルクパターンCが折損危険トルクレ
ベルBを越えてしまい、これが工具の摩耗によるものと
して検出されて、実際にはまだ折損の危険がないにも関
わらず、切削が中断されてしまったりするという問題も
あった。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、切削トルクの変化が小さい場合でも工具摩耗
等による切削状態の変化を高精度で検出することが可能
であり、またびびり振動等による瞬間的な切削トルクの
増大を、摩耗によるものとして誤って検出したりするこ
とのない回転切削工具による切削状態の検出装置および
検出方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明の請求項1に係
る検出装置は、回転切削工具に作用する切削トルクを測
定する測定手段と、この測定手段によって測定された切
削トルクを、回転切削工具の所定回転回数当たりの時間
で積分して切削トルク積分値を算出する演算手段とを備
えて成るものであり、また本発明の請求項5に係る検出
方法は、このような検出装置を用いて、回転切削工具に
作用する切削トルクを測定し、この切削トルクを、回転
切削工具の所定回転回数当たりの時間で積分して切削ト
ルク積分値を算出することを特徴とする。しかるに、本
発明によれば、こうして回転切削工具の所定回転回数当
たりの切削トルクの積分値に基づいて切削状態を検出す
ることにより、切削トルク自体の変化は僅かな場合であ
っても、切削トルク積分値としてはその変化を確実に検
出することが可能となる一方、びびり振動等による瞬間
的な切削トルクの増大は、その作用時間が極短くて切削
トルク積分値に与える影響が少ないため、これが工具摩
耗等によるものとして検出されるのを防ぐことができ
る。
【0007】ここで、上記検出装置において、演算手段
によって算出された切削トルク積分値を、予め設定され
た閾値と比較する比較手段を備えることにより、あるい
は上記検出方法において、切削トルク積分値を予め設定
された閾値と比較することにより、この閾値を切削トル
ク積分値が越えた場合には、工具摩耗等によって切削状
態が所定の危険域に達したものと判断して切削の中断等
を促すことができる。また、上記検出装置において測定
手段として磁歪式トルクセンサを採用し、あるいは上記
検出方法において、回転切削工具に作用する切削トルク
を磁歪式トルクセンサによって測定することにより、切
削工具に対して非接触で、従って切削トルクの測定に影
響を及ぼすことなく、直接的に高精度で切削トルクの測
定を行うことが可能となる。さらに、上記検出装置にお
いて、上記演算手段を、回転切削工具の一回転当たりの
時間で切削トルクを積分して上記切削トルク積分値を算
出するように構成し、あるいは上記検出方法において、
切削トルクを、回転切削工具の一回転当たりの時間で積
分して上記切削トルク積分値を算出することにより、切
削状態の変化をより細かい時間単位で測定して一層厳密
な検出を行うことが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1を用いて、本発明の検
出装置の一実施形態、および該検出装置を用いて行われ
る本発明の検出方法の一実施形態について説明する。こ
の図1において符号1で示すのは、本実施形態における
回転切削工具としての一枚刃のスローアウェイ式エンド
ミルであり、このエンドミル1は、その基端部がホルダ
2によって保持され、さらにこのホルダ2が工作機械の
主軸3に取り付けられることにより、これらホルダ2お
よび主軸3とともにその軸線O回りに回転されつつ該軸
線Oおよび該軸線Oに直交する送り方向に送られ、該エ
ンドミル1の先端に取り付けられたスローアウェイチッ
プ4の切刃5によって、工作機械のテーブル6上に載置
された被加工物Wの切削を行う。一方、上記ホルダ2の
先端部には円筒壁状の延出部2aが形成されており、こ
の延出部2aと該延出部2aに収容されるエンドミル1
の胴周部との間には、工作機械の主軸頭7から延びるア
ーム8に連結された円筒状の支持体9がベアリング10
…を介して介装されていて、この支持体9は、一体に回
転するエンドミル1およびホルダ2に対しては相対的に
回転可能に、かつ主軸頭7に対しては固定的に支持され
ている。
【0009】そして、上記エンドミル1の胴周部には、
Fe−Ni−Mo−Bよりなる磁歪膜をプラズマ溶射法
を用いて成膜してなる磁歪層11…,12…が形成され
ており、一方これらの磁歪層11…,12…に対向する
上記支持体9の内周部には、一対のコイル13,13が
軸線O方向に並んでエンドミル1の胴周部を取り囲むよ
うに配設されていて、これら磁歪層11…,12…とコ
イル13,13とにより、本実施形態における測定手段
としての磁歪式トルクセンサ14が構成されている。こ
こで本実施形態では、図1に示されるように上記磁歪層
11…,12…は軸線O方向に対してそれぞれ±45°
の方向に螺旋状に形成されて形状異方性が付与されてお
り、切削時にエンドミル1に切削トルクが印加されて捩
れの応力が作用すると、磁歪層11…,12…には互い
に引張応力と圧縮応力とが発生してその透磁率が変化
し、これに比例してコイル13,13の自己インダクタ
ンスも変化するため、これら二つのコイル13,13の
インダクタンスの差からエンドミル1に印加された切削
トルクが測定される。
【0010】一方、上記コイル13,13は、上記アー
ム8に内蔵されたプリアンプ15を介してセンサアンプ
16に接続されており、このセンサアンプ16は、さら
にローパスフィルタ17およびA/D変換器18を介し
て、本実施形態における演算手段としての波形面積演算
装置19に接続されていて、上記磁歪式トルクセンサ1
4によって測定された切削トルクの出力値が、時間に対
する切削トルクの波形としてこの波形面積演算装置19
に入力されるようになされている。しかして、この波形
面積演算装置19においては、入力された上記切削トル
クの波形から、この切削トルクをエンドミル1の所定回
転回数当たりの時間で積分して、その切削トルク積分値
を算出するように構成されており、特に本実施形態で
は、上記切削トルクをエンドミル1の一回転当たりの時
間で積分して上記切削トルク積分値を算出するようにな
されている。
【0011】さらに本実施形態では、上記波形面積演算
装置19は、本実施形態における比較手段としての比較
装置20に接続されており、この比較装置20はさらに
上記工作機械の制御装置21に接続されている。一方、
この比較装置20には、別に記憶装置22が接続されて
おり、この記憶装置22には、切削工具の種類や切削条
件等に応じて予め設定された切削トルク積分値の閾値が
データベース化されて記憶されている。そして、上記比
較装置20においては、波形面積演算装置19から出力
された切削トルク積分値と記憶装置22に記憶された上
記閾値とを比較して、切削トルク積分値が閾値を越えた
場合には上記制御装置21に警報信号を出力し、これに
より当該工作機械のモータを停止させたり、ステップバ
ックを行ったり、あるいは回転駆動系のクラッチを切っ
たりして、それ以上切削トルクが大きくなるのを防止す
るように構成されている。なお、これら比較装置20、
記憶装置22、および上記波形面積演算装置19等によ
る処理は、具体的にはコンピュータ等によって行われ
る。
【0012】しかるに、このように構成された検出装置
および該検出装置を用いて行われる検出方法では、エン
ドミル1の切刃5が被削材Wを切削することにより該エ
ンドミル1に印加される切削トルクは、磁歪層11…,
12…に作用する引張・圧縮応力によりコイル13,1
3のインダクタンスの変化として磁歪式トルクセンサ1
4により測定されて出力され、プリアンプ15、センサ
アンプ16、ローパスフィルタ17、およびA/D変換
器18を介して波形面積演算装置19に、時間に対する
切削トルクの変動波形として入力される。そして、この
波形面積演算装置19においては、入力された上記切削
トルクから、エンドミル1の所定回転回数当たり(本実
施形態では一回転当たり)の切削トルクの積分値、すな
わち上記変動波形の所定回転回数当たりの時間の面積が
逐次計算されて出力される。さらに、本実施形態におい
ては、この結果は比較装置20に入力され、ここで記憶
装置22に記憶されている予め設定された切削トルク積
分値の閾値と比較されて、入力された切削トルク積分値
がこの閾値を越えた場合には、制御装置21に警報信号
が出力されて切削トルクを低減する措置がとられる。
【0013】このように、上記検出装置および検出方法
においては、測定手段としての磁歪式トルクセンサ14
により測定された切削トルクを、演算手段としての波形
面積演算装置19において、エンドミル1の所定回転回
数当たりの積分値として算出するから、切刃5の工具摩
耗等による切削状態の変化に対して測定される切削トル
クの変動が比較的小さな場合であっても、切削トルク積
分値としてはこの変動を確実に把握することができ、切
削状態の変化を高精度で検出することが可能となる。ま
た、その一方で、びびり振動などにより瞬間的に切削ト
ルクが増大することがあっても、算出される切削トルク
積分値全体に与える影響は抑えることができるので、か
かる瞬間的な切削トルクの増大だけをもって切削状態の
異常が検出されることを避けることができる。従って、
本実施形態によれば、上述した従来技術の問題点を解決
して、工具摩耗量等の切削状態の検出精度向上を図るこ
とができる。また、このように切削中に逐次切削トルク
積分値を算出して出力することにより、リアルタイムで
切削状態を検出して工具摩耗量の推定等を行うことがで
きるので、これに基づいて、例えば切削加工中にパス変
更などの補正を行うことにより、加工精度の維持を図る
ことも可能となる。
【0014】また、本実施形態では、上記波形面積演算
装置19は比較装置20に接続されており、波形面積演
算装置19によって算出された切削トルク積分値は、こ
の比較装置20において記憶装置22に予め設定された
閾値と比較されるように構成されている。従って、工具
の種類や切削条件等に応じてこの閾値を適当に設定して
おくことにより、工具摩耗の進行等による切削トルクの
増大に伴い、切削トルク積分値が増大して当該閾値を越
えた場合に、これを、工具の折損等が起こり得るような
危険な切削状態であると判断し、上述のように制御装置
21に警告信号を出力して切削トルクの低減や切削作業
そのものの中断を図り、かかる危険な状態を回避するこ
とが可能となる。また、このように切削トルク積分値を
比較装置20において予め設定された閾値と比較し、そ
の結果を工作機械の制御装置21にフィードバックして
該工作機械の制御を行うようにすることにより、切削作
業の自動化、無人化の一層の拡大を促すことも可能とな
る。なお、本実施形態では、このように比較装置20を
工作機械の制御装置21に接続してその制御を図るよう
にしているが、これに代えて、あるいはこれに併せて、
上記警告信号により作動する警報装置を用いて作業者に
警告を促すようにしてもよい。
【0015】一方、本実施形態においては、切削トルク
の測定手段として上述のように磁歪式トルクセンサ14
が用いられており、エンドミル1に印加された切削トル
クを、磁歪層11…,12…に作用する引張・圧縮応力
から、コイル13,13のインダクタンスの変化として
測定するようになされている。すなわち、エンドミル1
に対して非接触ながら直接的に切削トルクの測定を行う
ことができ、従って測定子等の接触による切削トルク測
定への影響を防ぐことができて、より高精度の測定を行
うことが可能となり、こうして測定された切削トルクに
基づいて切削トルク積分値を算出することにより、切削
状態の検出精度の一層の向上を図ることが可能となる。
【0016】さらに、本実施形態では、上記波形面積演
算手段19において、測定された切削トルクをエンドミ
ル1の一回転当たりの時間で積分して切削トルク積分値
を算出するようにしており、すなわち切削工具の単位回
転を基準とした切削トルク積分値を得ることにより、切
削状態の変化をより細かい時間毎に厳密に検出すること
ができるという利点を得ている。また、本実施形態のエ
ンドミル1のように、回転切削工具の切刃5が一枚の場
合には、一回転当たりの切削トルク積分値を求めること
により、そのまま当該切刃5の摩耗等の状況を検出し
て、切削状態を確実に把握することが可能である。ただ
し、回転切削工具の種類や刃数、あるいは切削条件など
によっては、一回転以上の回転回数当たりの時間で切削
トルクを積分したり、逆に1/2回転、1/3回転な
ど、一回転以下の回転回数当たりの時間で積分したりし
て、切削トルク積分値を算出するようにしてもよい。例
えば、周方向に等間隔に配置された2枚刃のエンドミル
による肩削りの場合などでは、両切刃による切削トルク
の波形が1/2回転毎に交互に表れるので、これに合わ
せて1/2回転当たりの時間で切削トルク積分値を算出
し、交互に得られる積分値の傾向を分析することによ
り、何れの切刃に工具摩耗が生じているかなど一層細か
い切削状態の検出を行うことが可能となる。
【0017】
【実施例】次に、実施例として、上述した実施形態の検
出装置を用いて、エンドミル1による肩削り切削を行っ
た場合の、切削状態としての切刃5の逃げ面摩耗の進行
に伴い、切削トルクおよびその積分値がどのように変化
するかを調べた。ただし、本実施例における切削条件
は、図5に示した肩削り切削の条件と同一であり、従っ
て本実施例により得られる逃げ面摩耗幅VBに対する切
削トルクの関係も、図5と同じ結果となる。また、これ
らの切削においては、切刃5の軸線O方向の切り込みの
1/2の位置における逃げ面摩耗幅VBを光学式工具顕
微鏡により測定している。
【0018】図2(a)〜(f)は、それぞれ逃げ面摩
耗幅VBごとに測定された切削トルクを、1.5kHzのロ
ーパスフィルタを通して得られた波形を示すものであ
り、これに基づいて逃げ面摩耗幅VBと切削トルクとの
関係を示したのが上述の図5である。しかるに、逃げ面
摩耗幅VBの増大に伴い、切刃5の刃先と被加工物との
接触面積が増加することによる切削トルク自体の増大は
僅かであり、これから逃げ面摩耗幅VBを検出すること
は困難である。
【0019】これに対して、図3は、図2の結果から、
エンドミル1の一回転当たりの切削トルクを積分して得
られた切削トルク積分値と、逃げ面摩耗幅VBとの関係
を示したものであり、摩耗幅VBが比較的小さいうちか
ら、その増大に伴って切削トルク積分値も漸次増大して
いることが分かる。従って、この図3の結果に基づい
て、切削トルク積分値から逃げ面摩耗に代表される切削
状態を検出することは十分に可能であり、また、切削条
件等に応じて図3に符号Xで示すような閾値を設定し、
これと算出された切削トルク積分値とを比較して、切削
状態が工具の破損を招くような危険な状態か否かを判別
することも可能である。なお、本実施例においては、切
削中に生じたびびり振動により切削トルクが瞬間的に増
大することもあったが、これが切削トルク積分値に与え
た影響は極僅かであった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転切削工具による切削状態を切削トルクの積分値から
検出することができ、これにより、切削状態の変動に対
する切削トルクの変動が小さな場合でも、確実に切削状
態を把握することが可能となるとともに、びびり振動等
によって瞬間的に多大な切削トルクが作用しても、これ
を工具の損耗に起因するものと誤認してしまうような事
態を避けることができるので、検出の高精度化を図るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出装置の一実施形態を示す図であ
る。
【図2】本発明による実施例において、逃げ面摩耗幅V
Bごとに測定された切削トルクの波形を示す図である。
【図3】本発明による実施例において、図2に示した結
果に基づいた逃げ面摩耗幅VBと切削トルク積分値との
関係を示す図である。
【図4】従来の切削状態の検出方法を示す図である。
【図5】逃げ面摩耗幅VBと切削トルクとの関係を示す
図で、本発明による実施例において図2に示した結果に
基づいて得られるものと同様である。
【符号の説明】
1 エンドミル(回転切削工具) 2 ホルダ 3 主軸 5 切刃 9 支持体 11,12 磁歪層 13 コイル 14 磁歪式トルクセンサ(測定手段) 19 波形面積演算装置(演算手段) 20 比較装置(比較手段) 22 記憶装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転切削工具に作用する切削トルクを測
    定する測定手段と、この測定手段によって測定された切
    削トルクを、上記回転切削工具の所定回転回数当たりの
    時間で積分して切削トルク積分値を算出する演算手段と
    を備えて成ることを特徴とする回転切削工具による切削
    状態の検出装置。
  2. 【請求項2】 上記演算手段によって算出された上記切
    削トルク積分値を、予め設定された閾値と比較する比較
    手段を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の回
    転切削工具による切削状態の検出装置。
  3. 【請求項3】 上記測定手段は、磁歪式トルクセンサで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    回転切削工具による切削状態の検出装置。
  4. 【請求項4】 上記演算手段は、上記切削トルクを、上
    記回転切削工具の一回転当たりの時間で積分して、上記
    切削トルク積分値を算出することを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の回転切削工具による
    切削状態の検出装置。
  5. 【請求項5】 回転切削工具に作用する切削トルクを測
    定し、この切削トルクを、上記回転切削工具の所定回転
    回数当たりの時間で積分して切削トルク積分値を算出す
    ることを特徴とする回転切削工具による切削状態の検出
    方法。
  6. 【請求項6】 上記切削トルク積分値を、予め設定され
    た閾値と比較することを特徴とする請求項5に記載の回
    転切削工具による切削状態の検出方法。
  7. 【請求項7】 上記回転切削工具に作用する切削トルク
    を、磁歪式トルクセンサにより測定することを特徴とす
    る請求項5または請求項6に記載の回転切削工具による
    切削状態の検出方法。
  8. 【請求項8】 上記切削トルクを、上記回転切削工具の
    一回転当たりの時間で積分して上記切削トルク積分値を
    算出することを特徴とする請求項5ないし請求項7のい
    ずれかに記載の回転切削工具による切削状態の検出方
    法。
JP25164795A 1995-09-28 1995-09-28 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法 Withdrawn JPH0985586A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25164795A JPH0985586A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25164795A JPH0985586A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0985586A true JPH0985586A (ja) 1997-03-31

Family

ID=17225939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25164795A Withdrawn JPH0985586A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0985586A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100420532C (zh) * 2004-01-12 2008-09-24 山东法因数控机械股份有限公司 自控行程数控钻削动力头及其控制方法
JP2011161588A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Nsk Ltd 工作機械用荷重測定装置
JPWO2021152831A1 (ja) * 2020-01-31 2021-08-05
JP2021154476A (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 アイシン高丘株式会社 切削装置及びその切削制御方法
JP2022176183A (ja) * 2021-05-13 2022-11-25 住友電気工業株式会社 加工条件管理システム、加工制御装置、加工システム、および加工プログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100420532C (zh) * 2004-01-12 2008-09-24 山东法因数控机械股份有限公司 自控行程数控钻削动力头及其控制方法
JP2011161588A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Nsk Ltd 工作機械用荷重測定装置
JPWO2021152831A1 (ja) * 2020-01-31 2021-08-05
JP2021154476A (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 アイシン高丘株式会社 切削装置及びその切削制御方法
JP2022176183A (ja) * 2021-05-13 2022-11-25 住友電気工業株式会社 加工条件管理システム、加工制御装置、加工システム、および加工プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU545733B2 (en) Rotating tool wear monitoring apparatus
US9211624B2 (en) Vibration determination method and vibration determination device
US6565293B2 (en) Pneumatic machine tool
CN101354578A (zh) 机床的数值控制装置
JP4081596B2 (ja) 工作機械
JP6700061B2 (ja) 旋削加工方法及びそれを用いた工作機械
JP2019188540A (ja) 判定装置、及び工作機械システム
JP6637689B2 (ja) 工作機械の工具状態判定装置
JP6489889B2 (ja) 表面加工装置
JPH09174383A (ja) 回転工具の異常検出方法および装置
JPH0985586A (ja) 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法
JPH0985587A (ja) 回転切削工具による切削状態の検出装置および検出方法
JP6808038B2 (ja) 工具寿命検出装置および工具寿命検出方法
JP3446518B2 (ja) 回転工具の異常検出方法およびその装置
JP2748889B2 (ja) 工具の摩耗補正装置
JP2020055052A (ja) 工作機械及びその作動方法
JP2010069540A (ja) 穴あけ加工の異常検知装置および異常検知装置を備えた工作機械、異常検知方法
JP2010052053A (ja) 工具の切刃測定方法及び測定装置
JP2004042208A (ja) 工作機械
JP2020082270A (ja) 工作機械
JP3305732B2 (ja) 平面研削盤の制御方法
JP6466804B2 (ja) 工作機械の加工異常検出装置及び加工異常検出方法
WO2020067065A1 (ja) 工作機械及びその作動方法
JPH0788746A (ja) 歯車加工機械における切削異常検出と非常戻し方法
JP4665383B2 (ja) スピニング加工装置およびスピニング加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021203