JPH0979131A - 斜板式コンプレッサ - Google Patents

斜板式コンプレッサ

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Publication number
JPH0979131A
JPH0979131A JP7237086A JP23708695A JPH0979131A JP H0979131 A JPH0979131 A JP H0979131A JP 7237086 A JP7237086 A JP 7237086A JP 23708695 A JP23708695 A JP 23708695A JP H0979131 A JPH0979131 A JP H0979131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
piston
sliding shoe
crank chamber
compressor
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7237086A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Umemura
幸生 梅村
Keigo Okawa
圭吾 大川
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH0979131A publication Critical patent/JPH0979131A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組付け性が良く、加工精度も低く設定でき、
隙間も少なく振動や騒音が低減できる斜板式コンプレッ
サを提供すること。 【解決手段】 斜板11のみそすり回転運動をピストン
13の往復直線動に変換するように連結する斜板式コン
プレッサの連結機構Rを、係合部材18の球状凹面18
aに嵌合される球状凸面15b及び平坦面15aを有す
るスライディングシュー15と、前記係合部材19に取
付けられかつ先端が斜板11の端面11aに当接するよ
うに球状凸面50aとされた当接棒50とから構成した
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板式コンプレッサに
関し、特に斜板とピストンとを連結する連結機構の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車用空気調和装置に使用さ
れるコンプレッサとして斜板式コンプレッサがある。こ
の斜板式コンプレッサは、みそすり回転運動する斜板に
よりピストンを軸方向に往復動させ、冷媒を圧縮するよ
うにしたものであるが、この斜板式コンプレッサには、
駆動軸に対し斜板の傾斜角度が固定の容量固定式のもの
や、駆動軸に対し斜板の傾斜角度が変化するように構成
された容量可変式のものがある。
【0003】容量可変式の斜板式コンプレッサは、図3
に示すように、シャフト10により回転される斜板11
をクランク室12内に傾斜角度可変に設け、該斜板11
とピストン13の後端部14とをスライディングシュー
15,16などを有する連結機構Rを介して連結し、斜
板11のみそすり回転運動をピストン13のシリンダ室
17内での往復直線動に変換するとき、該斜板11の傾
斜角を変化させ、これによりピストン13のストローク
量を調節し、吐出される冷媒量を変化させるようにした
ものである。
【0004】この連結機構Rのスライディングシュー1
5,16は、図4に示すように、それぞれが斜板11の
両端面11aに当接する平坦面15a,16aと、略半
球状に膨出した凸面15b,16bとを有しており、こ
の平坦面15a,16aが斜板11の両端面11aを挟
持し、略半球状の凸面15b,16bがピストン13の
後端部14に設けられた係合部材18,19の球面状凹
部18a,19aに嵌合するように取付けられ、斜板1
1のみそすり回転運動をピストン13の往復直線動に変
換している。
【0005】したがって、スライディングシュー15,
16は、斜板11の表裏両端面11aに対しては円滑に
摺動し、ピストン13の係合部材18,19との関係は
係合状態が維持されるように構成しなければならないの
で、ミクロンオーダーという高精度で成形されている。
また、スライディングシュー15,16は、製造の容易
さ両者同一形状であることが好ましいとされている。
【0006】このようなスライディングシュー15,1
6が、斜板11のみそすり回転運動をピストン13の往
復直線動に円滑に変換し得るようにするには、両スライ
ディングシュー15,16が斜板11の中心軸線上の一
点を中心Oとする実質的に球体を形成するように配置し
なければならないとされている(特公昭64−1668
号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、両スライディ
ングシュー15,16をピストン13の係合部材18,
19間において、斜板11の中心軸線上の一点を中心O
とする実質的に球体を形成するように組み込むことはき
わめて面倒な作業となる。
【0008】しかも、この斜板11とピストン13の連
結機構Rは、1対のスライディングシュー15,16
と、斜板11の表裏両端面11a、係合部材18,19
の球面状凹部18a,19aという多数箇所をそれぞれ
高精度で成形しなければならないという不具合もある。
【0009】また、斜板11とスライディングシュー1
5,16を係合部材18,19間に組込むと、そこには
ある程度の隙間が生じることは避けられず、この隙間が
異音発生の原因にもなる。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、組付け性が良く、加工精度も低く
設定でき、隙間も少なく振動や騒音が低減できる斜板式
コンプレッサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載の発明は、クランク室と、該クランク室に配
置された斜板と、シャフトによって回転される前記斜板
と連結されそれぞれがシリンダ室内に往復直線動可能に
設けられた複数のピストンと、該ピストンの後端部に形
成され内部に前記斜板が位置する二股状の係合部材と、
該係合部材と前記斜板とを前記斜板のみそすり回転運動
をピストンの往復直線動に変換するように連結する連結
機構とを有する片頭ピストンの斜板式コンプレッサにお
いて、前記連結機構は、前記係合部材の一方に取付けら
れかつ先端が前記斜板の一方の端面に当接するように球
状凸面とされた当接棒と、前記係合部材の他方に形成さ
れた球状凹面に嵌合される球状凸面及び、前記斜板の他
方の端面と摺動可能に当接する平坦面を有するスライデ
ィングシューとから構成したことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、連結機構におい
て、当接棒を係合部材の一方に進退自在に取付けたこと
を特徴とする。請求項3に記載の発明は、連結機構にお
いて、斜板の端面の内、反圧縮側端面に前記当接棒の先
端に形成された球状凸面が当接し、圧縮側端面に前記ス
ライディングシューが当接するようにしたことを特徴と
する。請求項4に記載の発明は、前記斜板が、圧力調整
手段によって調整されたクランク室内の圧力に応じて傾
斜角が予め定められた範囲で変化するようにヒンジ機構
を介してシャフトに支持されていることを特徴とする。
【0013】
【作用】このように構成した請求項1に記載の発明にあ
っては、ピストンの後端部に形成された係合部材の球状
凹面に、スライディングシューを嵌合した状態で、当接
棒とスライディングシューとの間に斜板が位置するよう
に斜板に取付けると、スライディングシューが落下する
ことなく連結機構を組立てることができ、組付け作業性
が極めて向上する。この場合、請求項2に記載の発明の
ように、当接棒を係合部材の一方に、例えばねじにより
進退自在に取付けると、当接棒を係合部材にねじ込むこ
とにより、係合部材の球状凹面に嵌合したスライディン
グシューを斜板を介して押圧することができるので、一
層連結機構の組立て作業が容易となり、しかも係合部
材、スライディングシュー及び斜板との間に隙間が生じ
ることは少なく、隙間が原因となる振動や騒音を大幅に
低減できる。隙間の発生が防止できれば、連結機構を構
成する係合部材の球面状凹部、スライディングシュー及
び斜板などを極めて高精度に仕上げる必要もなく、ある
程度これらの精度を低下させることもできる。また、請
求項3に記載の発明のように、斜板の端面の内、反圧縮
側端面に当接棒先端の球状凸面が当接するように、圧縮
側端面にスライディングシューが当接するように構成す
れば、斜板を回転させてピストンを往復直線動させたと
きには、大きな力である圧縮反力は、比較的大きな面積
のスライディングシューが支持し、小さな力のピストン
慣性力は、当接棒が支持することになる。請求項4の記
載のように斜板の傾斜角が変化する容量可変式のコンプ
レッサに前記連結機構を組み込んだ場合でも、当接棒先
端の球状凸面とスライディングシューとにより斜板を隙
間なく支持することができるので、同様に組付け性が良
く、加工精度も低く設定でき、隙間なく組付けることが
でき、この結果、振動や騒音が低減でき、スライディン
グシューも脱落することなく、斜板の回転をピストンの
往復動に円滑に変換することができる。
【0014】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る容量
可変斜板式コンプレッサの概略断面図、図2は、図1の
要部拡大図であり、図3,4に示す部材と共通する部材
には同一符号を付している。
【0015】図1に示す容量可変斜板式コンプレッサ
は、シリンダケーシング20の右端側にシリンダ室17
が形成されたシリンダブロック21が設けられ、左端側
の開口部にはフロントハウジング22が設けられてい
る。このフロントハウジング22の中央部には、シャフ
ト10を挿入するための貫通孔23が穿設され、この貫
通孔23には、シャフト10を回転可能に支持するラジ
アル軸受24が圧入され、これに近接して、オイルシー
ル25が配置されている。
【0016】また、フロントハウジング22の内壁とシ
リンダブロック21の間は、クランク室12とされ、ク
ランク室12内のシャフト10のフロントハウジング側
には、先端部26aに長孔26bが開設された回転アー
ム26が嵌着されている。
【0017】シャフト10には、回転アーム26との間
にばね27を介して球面ブッシュ28がシャフト10上
を滑動可能に設けられ、この球面ブッシュ28の球面上
には、斜板11の中心に開設された中心孔11aの内周
面11bが滑動可能に当接されている。
【0018】さらに、斜板11の背面には回転アーム2
6の先端部26aに向って突出された従動アーム29が
設けられており、前記長孔26bに対応する孔29bが
開設され、この長孔26b、孔29bをピン30が挿通
され、ヒンジ機構Hを構成している。
【0019】なお、フロントハウジング22の内壁面と
回転アーム26との間にはスラスト軸受31t が設けら
れている。
【0020】シャフト10の他端は、シリンダブロック
21まで突出され、ラジアル軸受31r により回転可能
に支持され、さらにシャフト10の端面には、スラスト
軸受32及び板ばね33を介して調整ねじ34が設けら
れている。
【0021】前記斜板11上にはピストン13が複数本
設けられているが、斜板11と個々のピストン13とは
それぞれ連結機構Rにより連結されている。
【0022】この連結機構Rは、斜板11の圧縮側端面
11a上を摺動するように平滑に仕上げられた平坦面1
5a及び、ピストン13の係合部材18と凹凸嵌合する
球状凸面15bを有するスライディングシュー15や、
係合部材19に取付けられ、先端が斜板11の端面11
aに当接する球状凸面50aとされた当接棒50などか
ら構成され、斜板11のみそすり回転運動をピストンの
往復直線動に変換するようになっている。
【0023】つまり、ピストン13の後端部14は、二
股状の係合部材18,19が設けられ、図2に示すよう
に、一方の係合部材18は、内側面に球面状凹部18a
が形成され、この球面状凹部18aにスライディングシ
ュー15の略半球状の凸面15bが嵌合し、該スライデ
ィングシュー15の平坦面15aが斜板11の端面11
aに当接するようになっている。他方の係合部材19
は、該係合部材19と直交するねじ孔51が開設され、
このねじ孔51に当接棒50のねじ部52が螺合され、
該当接棒50の後端にはナット53が螺合され、当接棒
50を位置固定に保持するようになっている。
【0024】この当接棒50は、先端が斜板11の反圧
縮側端面11aに点接触するように球状凸面50aとさ
れているが、この球状凸面50aの曲率半径r1 は、前
記スライディングシュー15の曲率半径r2 に比べると
相当小さいものである。
【0025】この曲率半径r1 ,r2 の大小は、当接棒
50とスライディングシュー15がピストン13から受
ける力を考慮したものである。つまり、ピストン13が
前進し冷媒を圧縮した時に生じる大きな圧縮反力を主と
して受ける側(以下、圧縮側)は、大きな面積のスライ
ディングシュー15によりこれを支持し、ピストンが後
退する時に生じる比較的小さなピストン慣性力を主とし
て受ける側(以下、反圧縮側)は、当接棒50の球状凸
面50aが支持するようにしている。
【0026】一般に、連結機構に作用する力は、ピスト
ン13が前進し冷媒を圧縮した時に生じる圧縮反力と、
ピストンが後退する時に生じるピストン慣性力が作用す
ることになるが、前者の圧縮反力は、約300〜400
kgという大きな力であるのに対し、ピストン慣性力の
値は、約30kg程度で、圧縮反力に比し1/10程度
である。
【0027】したがって、大きな圧縮反力に対抗する圧
縮側は、大きな面積のスライディングシュー15によ
り、小さなピストン慣性力に対抗する反圧縮側は、小さ
な面積の当接棒50の球状凸面50aで支持するように
すれば、ピストン13から受ける力の支持が好ましいコ
ンプレッサとなる。
【0028】このような力が作用する斜板11のみそす
り回転運動がピストン13の往復運動に円滑に変換され
るには、スライディングシュー15の曲率半径r2 の中
心と当接棒50の球状凸面54の曲率半径r1 の中心が
同一の点Oとなっていることが好ましい。
【0029】なお、この中心一致に関しては、固定容量
式のコンプレッサに関しては問題とする必要はない。
【0030】また、前記シリシダ室17の一端面には、
冷媒を吸入するための吸入孔35と冷媒を吐出するため
の吐出孔36が開設され、吸入孔35、吐出孔36への
冷媒の流通を制御するように吸入弁及び吐出弁が形成さ
れたバルブプレート37が設けられ、圧縮した冷媒は、
このバルブプレート37の吐出弁部分より吐出室38に
導かれ、帰還冷媒は、吸入室39よりバルブプレート3
7の吸入弁部分をへてシリンダ室17内に導かれるよう
になっている。
【0031】さらに、クランク室12内の圧力状態を調
整し、斜板11の傾斜角を調節するコントロールバルブ
Cv が、シリンダブロック21の連通路40内に設置さ
れている。この連通路40は、吸入室39とクランク室
12を連通している。
【0032】コントロールバルブCv は、連通路40の
クランク室12側に弁座部41が設けられ、この弁座部
41は、所定圧力のガスが封入されたベローズ43の先
端に設けられたニードル弁42により開閉するようにな
っている。
【0033】次に、作用を説明する。まず、容量可変式
コンプレッサにおける連結機構Rを組立てるには、ピス
トン13の後端部14に形成された係合部材18の球状
凹面18aに、スライディングシュー15の半球状凸面
15bを嵌合した状態で、当接棒50とスライディング
シュー15との間に斜板11が位置するように斜板11
に取付けると、スライディングシュー15が落下するこ
となく、極めて簡単に連結機構Rを組立てることができ
る。
【0034】この場合、係合部材19に対して当接棒5
0を一旦後退位置にセットしておき、スライディングシ
ュー15と斜板11とを組立てた状態で、これを前進す
ると、スライディングシュー15の取付けが簡単になる
のみでなく、スライディングシュー15と斜板11ある
いはピストン13の係合部材18,19との間、斜板1
1と当接棒50の先端球状凸面50aとの間に、殆ど隙
間が存在していない状態にすることができ、振動や騒音
の少ない運転が可能となる。
【0035】次に、コンプレッサの作動について説明す
る。図外の電磁クラッチがオンされ、シャフト10がベ
ルト及びプーリを介してエンジン(いずれも図示せず)
により回転されると、それに伴って回転アーム26が回
転し、ヒンジ機構Hを介して斜板11も回転する。斜板
11がシャフト10に対して傾斜状態にあれば、斜板1
1はみそすり運動的に回動し、これに伴なってピストン
23が往復動し、吸入孔35からシリンタ室17内に吸
入された冷媒は、圧縮されて吐出孔36より吐出室38
に吐出される。
【0036】なお、スライディングシュー15及び当接
棒50は、斜板11が回転しても斜板11の端面11
a,11a上を摺動するのみであるので、ピストン13
に回転力が伝達することはなく、斜板11の回転力はピ
ストン13の往復動に変換される。
【0037】ここに、冷房サイクルにおける熱負荷が、
予め定められた設定温度よりも高い場合には、冷媒の吸
入圧力が高くなり、吸入室39に帰還する冷媒の圧力も
高くなり、吸入室39と連通している連通路40内の圧
力も高くなる。
【0038】この連通路40内のベローズ43には、予
め定められ設定温度に対応する吸入圧力よりも若干圧力
が高くなるようにガス封入されているので、熱負荷が設
定温度よりも高いと、ベローズ43は収縮し、ニードル
弁42が弁座部41から離れ、吸入室39とクランク室
12は連通し、クランク室12内の圧力は吸入室27の
圧力とほぼ等しくなる。
【0039】このため、吸入工程にあるピストン13で
も前後の圧力差がほとんどなくなり、ピストン13はシ
リンダ室17内でスムーズに後退し得る状態となり、ヒ
ンジ機構Hの周りのモーメントによりピストン13のス
トロークは増大する。
【0040】つまり、斜板11には、等角度間隔で複数
のピストン13が設けられているので、圧縮行程にある
ピストン13から冷媒圧縮に伴う反力が斜板11に加わ
り、この各ピストン13に作用する反力によりヒンジ機
構Hの回りにモーメントM1が作用する。このモーメン
トM1 は、斜板11のピン30より遠い位置に位置する
ピストン13によるモーメントの方が大きいから、図1
において時計方向回りに作用する。
【0041】また、ばね27の弾撥力によりモーメント
M2 が反時計方向に作用する。さらに、クランク室12
と吸入室39の圧力差によって生じるモーメントM3 も
あるが、このモーメントM3 は、吸入室39の圧力とク
ランク室1aの圧力がほぼ等しくなっているため、無視
できる。
【0042】ここに、ばね27の弾撥力は、M1 >M2
となるように設定されているので、斜板11は、ヒンジ
機構Hを中心として時計方向に作用するモーメントによ
って傾斜角が大きくなる。斜板10は、ヒンジ機構Hの
ピン30が長孔26bの上端に当接するまで傾斜する。
【0043】この結果、ピストン13のストロークが大
きくなり、吐出冷媒量は増大し、冷房サイクル内を循環
する冷媒流量が増大し、熱負荷に応じた適正な冷媒流量
が吐出され、コンプレッサの吸入圧が次第に下降し、最
終的には一定の吸入圧に保たれることになる。
【0044】次に、冷房サイクルにおける熱負荷が、小
さくなるかあるいはコンプレッサが高速回転することに
より冷媒が過剰になると、帰還冷媒の圧力は十分スーパ
ーヒート量が得られず、低圧で帰還し、吸入室39の圧
力が低くなる。
【0045】これにより連通路40の圧力も低下し、ベ
ローズ43は伸び、ニードル弁42が弁座部41を閉塞
し、吸入室39とクランク室12は遮断される。
【0046】この結果、コンプレッサの圧縮によりシリ
ンタ室17からクランク室12へ漏れたブローバイガス
によってクランク室12内の圧力は上昇し、前述したモ
ーメントは、ある時点で、M1 <M2 +M3 となって、
斜板11は、ヒンジ機構Hを中心として反時計方向に作
用するモーメントにより、傾斜角が小さくなる。したが
って、ピストン13のストロークが小さくなり、吐出冷
媒量は減少する。
【0047】このように斜板11を回転させてピストン
を往復直線動させる場合に、斜板11の圧縮側端面11
aをスライディングシュー15により、反圧縮側端面1
1aを当接棒50の先端球状凸面50aによりそれぞれ
当接支持すれば、ピストン圧縮時に生じる大きな圧縮反
力は、主としてスライディングシュー15が受け、ピス
トン後退時に生じる小さなピストン慣性力は、主として
反圧縮側の当接棒50が受けることになり、斜板11の
回転をピストン13の往復動に円滑に変換することにな
る。
【0048】この場合、スライディングシュー15、斜
板11、ピストン13の係合部材18,19の間、斜板
11と当接棒50の先端球状凸面50aの間には、当接
棒50の押圧力により隙間は殆ど存在していないので、
振動や騒音の少ない運転が可能となる。
【0049】なお、本発明は、上述した実施の形態のみ
に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において
種々改変することができるものである。例えば、上述し
た実施の形態に係る連結機構は、容量可変式コンプレッ
サに関するものであるが、これのみでなく、片頭ピスト
ンの固定容量式コンプレッサの連結機構ついても実施で
きる。
【0050】また、前記容量可変式コンプレッサにおい
ては、クランク室12内の圧力を調整するための調整手
段として、ベローズ内に所定圧のガスが封入された構造
のコントロールバルブを使用しているが、本発明はこれ
のみでなく、吸入圧に応じてベローズが伸縮し、この動
作により弁を開閉し、高圧の吐出圧をクランク室12内
に導入すると同時に吸入室への連通を遮断したり、高圧
の吐出圧を遮断してクランク室を吸入室へ連通してクラ
ンク室圧力を下げる方式のものとか、冷凍サイクルの熱
負荷に応じて電子制御式にクランク室12内に導入する
圧力を制御する方式のものなども使用することができ
る。また、吸入室とクランク室はオリフィスで常に連通
していて高圧の吐出圧力がクランク室に導入される量を
制御する方式も使用できる。
【0051】さらに、上記実施の形態は、当接棒50を
係合部材19に係合させ、軸方向に進退可能に取付けて
いるが、この当接棒50は、必ずしも進退可能とする必
要はなく、コーキングあるいは接着剤等により係合部材
19に固着してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、スラ
イディングシューが落下することなく連結機構を組立て
ることができ、組付け作業性が極めて向上する。請求項
2に記載の発明によれば、係合部材、スライディングシ
ュー及び斜板との間に隙間が生じることは少なく、隙間
が原因となる振動や騒音を大幅に低減でき、これにより
係合部材の球面状凹部、スライディングシュー及び斜板
などを極めて高精度に仕上げる必要もなく、ある程度こ
れらの精度を低下させることもできる。請求項3に記載
の発明によれば、ピストンから受ける力状態が好ましい
コンプレッサとなる。請求項4の記載の発明によれば、
斜板の傾斜角が変化する容量可変式のコンプレッサに前
記連結機構を組み込んだ場合でも、当接棒先端の球状凸
面とスライディングシューとにより斜板を隙間なく支持
することができ、同様に組付け性が良く、加工精度も低
く設定でき、隙間なく組付けることができ、この結果、
振動や騒音が低減でき、スライディングシューも脱落す
ることなく、斜板の回転をピストンの往復動に円滑に変
換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る容量可変斜板式コ
ンプレッサの概略断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 従来の容量可変斜板式コンプレッサの概略断
面図である。
【図4】 同コンプレッサの要部拡大図である。
【符号の説明】
10…シャフト、 11…斜板、11a…斜板
の端面、 12…クランク室、13…ピストン、
14…ピストンの後端部、15…スライディン
グシュー、15a…スライディングシューの平坦面、1
5b…スライディングシューの球状凸面、17…シリン
ダ室、 18,19…係合部材、18a…球状凹
面、 50…当接棒、50a…当接棒の球状凸
面、Cv …圧力調整手段、H…ヒンジ機構、
O…中心、R…連結機構。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室(12)と、該クランク室(12)に
    配置された斜板(11)と、シャフト(10)によって回転され
    る前記斜板(11)と連結されそれぞれがシリンダ室(17)内
    に往復直線動可能に設けられた複数のピストン(13)と、
    該ピストン(13)の後端部(14)に形成され内部に前記斜板
    (11)が位置する二股状の係合部材(18,19)と、該係合部
    材(18,19)と前記斜板(11)とを前記斜板(11)のみそすり
    回転運動をピストン(13)の往復直線動に変換するように
    連結する連結機構(R)とを有する片頭ピストンの斜板式
    コンプレッサにおいて、 前記連結機構(R)は、前記係合部材(18,19)の一方に取
    付けられかつ先端が前記斜板(11)の一方の端面(11a)に
    当接するように球状凸面(50a)とされた当接棒(50)と、
    前記係合部材(18,19)の他方に形成された球状凹面(18
    a) に嵌合される球状凸面(15b)及び、前記斜板(11)の
    他方の端面(11a)と摺動可能に当接する平坦面(15a)を
    有するスライディングシュー(15)とから構成したことを
    特徴とする片頭ピストンの斜板式コンプレッサ。
  2. 【請求項2】 前記連結機構(R)は、前記当接棒(50)を
    前記係合部材(18,19)の一方に進退自在に取付けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の斜板式コンプレッサ。
  3. 【請求項3】 前記連結機構(R)は、前記斜板(11)の端
    面(11a)の内、反圧縮側端面(11a)に前記当接棒(50)の
    先端に形成された球状凸面(50a)が当接し、圧縮側端面
    (11a)に前記スライディングシュー(15)が当接するよう
    にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の斜板式
    コンプレッサ。
  4. 【請求項4】 前記斜板(11)は、圧力調整手段(Cv)によ
    って調整された前記クランク室(12)内の圧力に応じて傾
    斜角が予め定められた範囲で変化するようにヒンジ機構
    (H)を介して前記シャフト(10)に支持されていることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の斜板式コ
    ンプレッサ。
JP7237086A 1995-09-14 1995-09-14 斜板式コンプレッサ Withdrawn JPH0979131A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10231212B4 (de) * 2001-07-21 2014-06-05 Volkswagen Ag Taumelscheibenkompressor

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Effective date: 20021203