JPH0976511A - インクジェットプリンターヘッド用ノズル板およびその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンターヘッド用ノズル板およびその製造方法

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JPH0976511A
JPH0976511A JP24136295A JP24136295A JPH0976511A JP H0976511 A JPH0976511 A JP H0976511A JP 24136295 A JP24136295 A JP 24136295A JP 24136295 A JP24136295 A JP 24136295A JP H0976511 A JPH0976511 A JP H0976511A
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JP
Japan
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ink ejection
nozzle plate
coating
ink
hard carbon
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Application number
JP24136295A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥液性被膜を保護することが可能であり、イ
ンク滴を安定に吐出させる。そして、インクジェットプ
リンターの信頼性を向上させる。 【解決手段】 インク吐出面を一方に有する平板状部材
からなり、平板状部材の所定の位置にインクが吐出され
る貫通したインク吐出孔2と、インク吐出面3のインク
吐出孔2周囲に被覆する撥液性被膜4と、インク吐出孔
2周囲の外側に撥液性被膜4よりも膜厚が厚い硬質カー
ボン膜7とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンターヘッドに用いるノズル板の構造とその製造方法と
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ出力を印字する分野
におけるノンインパクトプリンターの一方式であるイン
クジェットプリンターにおいて、圧電体の圧電作用をイ
ンク吐出の駆動力として応用する手段が、たとえば特公
平4−48622号公報や特開昭63−247051号
公報などに提案されている。
【0003】これらの公報に記載のインクジェットプリ
ンター製造方法および構造は、圧電性基板にインク流路
のための微細な貫通した溝の加工を施した後、その圧電
性基板表面に電極膜を形成し、そして表面を研磨加工を
行い溝内部に電極膜を残すように形成する。
【0004】さらにその後、溝内面に絶縁膜として気相
合成法によるポリパラキシリレン樹脂からなるパリレン
膜を形成する。この絶縁膜はインクの不安定吐出の原因
となるインクの電気分解による気泡発生と、インクの変
質を防ぐための重要な構成体として位置づけられてい
る。
【0005】以上のように作製した圧電性基板の溝を有
する面どうしを対向させて接着、あるいは溝を有する面
上にガラスやセラミックや金属もしくはプラスチック製
の平板状の蓋を接着することによってインク流路を形成
する。
【0006】さらにインク流路の一方の端部に直径30
〜60ミクロンのインク吐出孔を有する厚さ0.1mm
のノズル板を接着した後、電極膜に駆動回路を接続する
ことによってインクジェットプリンターヘッドを構成す
る。このとき、ノズル板の材質としては、金属やプラス
チックやセラミックスなどのノズル板が使われる。
【0007】圧電作用を利用するインクジェットプリン
ターヘッドの駆動原理を、以下に説明する。各溝中に形
成する電極膜に電圧を印加すると、溝を形成する隔壁が
その圧電作用のためにインク流路の容積を増大または減
少させるように変形する。そして、このインク流路の容
積減少の変形によって生じる力が溝内部に充填したイン
クに伝播し、インク吐出孔からインク滴として吐出する
ことができる。
【0008】一般にインク滴を安定してまっすぐ吐出さ
せるために、ノズル板においては吐出後のインク吐出孔
周囲への残留インクの付着を防止し、さらに水性あるい
は非水性インクに対して化学的に安定でなければならな
いことが要求されている。
【0009】そのための手段として、インク吐出面にイ
ンクに対して撥液性の表面を形成することが提案されて
おり、その撥液性材料としてはシリコーン樹脂やフッ素
樹脂や、あるいはテフロン共析メッキ被膜などが知られ
ている。
【0010】さらにたとえば特開昭60−184852
号公報や特開昭63−9550号公報に記載されている
ように、インク吐出面のインク吐出孔周囲をその外側領
域よりもより撥水性にすることが提案されている。この
ことによってインク吐出孔周囲に付着したインク滴をそ
の外側に誘導し、インク吐出孔周囲におけるインクの残
留を防ぐ工夫がなされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなインク吐出面を有するノズル板を用いても完全に
インクを回収できない。このため、乾燥によってインク
吐出孔周囲にインクが付着し、この結果、インク滴の不
安定吐出を生ずるという現象が発生する。
【0012】このインク付着対策としてインクジェット
プリンターには、一般にクリーニング機構が組み込まれ
ている。このクリーニング機構はゴム材料からなるブレ
ードでインク吐出面をワイピングするものである。
【0013】このブレードでインク吐出面を多数回ワイ
ピングすると、徐々に吐出面の撥液性表面が摩耗し、つ
いには撥液性が消失する。その結果、インク滴の方向が
曲がり、印字が正常に行われなくなる。さらに摩耗して
剥離した撥液性材料の破片がインク吐出孔を塞ぎ、イン
ク滴の吐出が不可能なる問題を有している。またさらに
印字用紙をプリンターから手動で引き出す際に、印字用
紙によるインク吐出面の摩耗を生じ、ブレードでインク
吐出面を多数回ワイピングする結果と同様の現象が発生
する。
【0014】本発明の目的は、上記課題を解決して、イ
ンクに対して充分な撥液性を備え、インク吐出面のワイ
ピングに対しても優れた耐久性を有し、インク滴を安定
に吐出させるためのインクジェットプリンターヘッド用
ノズル板の構造と、この構造を形成するための製造方法
とを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェットプリンターヘッド用ノズル
板の構造とその製造方法では、下記記載の手段を採用す
る。
【0016】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板は、インク吐出面を一方に有する平板状部材
からなり、平板状部材の所定の位置にインクが吐出され
る貫通したインク吐出孔と、インク吐出面のインク吐出
孔周囲に被覆する撥液性被膜と、インク吐出孔周囲の外
側に撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬質カーボン膜とを有
することを特徴とするものである。
【0017】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板は、インク吐出面を一方に有する平板状部材
からなり、平板状部材の所定の位置にインクが吐出され
る貫通したインク吐出孔と、インク吐出面のインク吐出
孔周囲に被覆する撥液性被膜と、インク吐出孔周囲の外
側に撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬質カーボン膜とを有
し、硬質カーボン膜は撥液性被膜上に形成する中間層の
上に被覆することを特徴とする。
【0018】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板は、インク吐出面を一方に有する平板状部材
からなり、平板状部材の所定の位置にインクが吐出され
る貫通したインク吐出孔と、インク吐出面のインク吐出
孔周囲に被覆する撥液性被膜と、インク吐出孔周囲の外
側に撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬質カーボン膜とを有
し、硬質カーボン膜はインク吐出面上に形成する中間層
の上に被覆することを特徴とする。
【0019】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板は、インク吐出面を一方に有する平板状部材
からなり、平板状部材の所定の位置にインクが吐出され
る貫通したインク吐出孔と、インク吐出面のインク吐出
孔周囲に被覆する撥液性被膜と、インク吐出孔周囲の外
側に撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬質カーボン膜とを有
し、硬質カーボン膜は撥液性被膜上に被覆することを特
徴とする。
【0020】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板は、インク吐出面を一方に有する平板状部材
からなり、平板状部材の所定の位置にインクが吐出され
る貫通したインク吐出孔と、インク吐出面のインク吐出
孔周囲に被覆する撥液性被膜と、インク吐出孔周囲の外
側に撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬質カーボン膜とを有
し、硬質カーボン膜はインク吐出面上に被覆することを
特徴とする。
【0021】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の製造方法は、インク吐出面のインク吐出孔
周囲に撥液性被膜を被覆する工程と、インク吐出孔周囲
の外側に撥液性被膜の膜厚よりも厚く硬質カーボン膜を
形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0022】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の製造方法は、インク吐出面のインク吐出孔
周囲に撥液性被膜を被覆する工程と、インク吐出孔周囲
の外側に撥液性被膜の膜厚よりも厚く硬質カーボン膜を
形成する工程とを備え、インク吐出面に撥液性被膜を被
覆する工程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコ
ート後、露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲
をマスクする工程と、インク吐出面全域に中間層、硬質
カーボン膜を順次積層する工程と、感光性樹脂フィルム
と感光性樹脂フィルム上に積層した中間層と硬質カーボ
ン膜を除去する工程とを有することを特徴とする。
【0023】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の製造方法は、インク吐出面のインク吐出孔
周囲に撥液性被膜を被覆する工程と、インク吐出孔周囲
の外側に撥液性被膜の膜厚よりも厚く硬質カーボン膜を
形成する工程とを備え、インク吐出面に撥液性被膜を被
覆する工程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコ
ート後、露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲
をマスクする工程と、露出している撥液性被膜を除去す
る工程と、インク吐出面全域に中間層、硬質カーボン膜
を順次積層する工程と、感光性樹脂フィルムと感光性樹
脂フィルム上に積層した中間層と硬質カーボン膜を除去
する工程とを有することを特徴とする。
【0024】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の製造方法は、インク吐出面のインク吐出孔
周囲に撥液性被膜を被覆する工程と、インク吐出孔周囲
の外側に撥液性被膜の膜厚よりも厚く硬質カーボン膜を
形成する工程とを備え、インク吐出面に撥液性被膜を被
覆する工程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコ
ート後、露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲
をマスクする工程と、インク吐出面全域に硬質カーボン
膜を形成する工程と、感光性樹脂フィルムと感光性樹脂
フィルム上に形成する硬質カーボン膜を除去する工程と
を有することを特徴とする。
【0025】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の製造方法は、インク吐出面のインク吐出孔
周囲に撥液性被膜を被覆する工程と、インク吐出孔周囲
の外側に撥液性被膜の膜厚よりも厚く硬質カーボン膜を
形成する工程とを備え、インク吐出面に撥液性被膜を被
覆する工程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコ
ート後、露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲
をマスクする工程と、露出している撥液性被膜を除去す
る工程と、インク吐出面全域に硬質カーボン膜を形成す
る工程と、感光性樹脂フィルムと感光性樹脂フィルム上
に形成する硬質カーボン膜を除去する工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0026】本発明のインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板で使用する硬質カーボン膜は、一般にビッカ
ース硬度の値が約3000から5000kg/mm2
ダイヤモンドに次ぐ硬度をもち、水素を含有する非晶質
炭素膜である。その高硬度特性により硬質カーボン膜は
耐摩耗性にも優れている。そしてこの硬質カーボン膜は
炭化水素ガスのプラズマ化学的気相成長法によって形成
することができる。
【0027】このような特性を備える硬質カーボン膜を
インク吐出孔周囲に形成する撥液性被膜の外側に、撥液
性表被膜の膜厚より厚く形成する。このことにより、イ
ンク吐出面のクリーニング時におけるゴム材料からなる
ブレードのワイピングに対して撥液性被膜を保護するこ
とが可能になる。
【0028】すなわちゴム材料からなるブレードは、優
れた耐摩耗性を有する硬質カーボン膜表面のみをワイピ
ングする。このため撥液性被膜の摩耗を生じることはな
く、しかも撥液性材料の破片がインク吐出孔を塞ぐこと
も発生しない。同様の理由によって印字用紙とインク吐
出面の接触に起因する撥液性被膜の摩損も防ぐことが可
能である。
【0029】さらに硬質カーボン膜は親液性の性質を有
することから、撥液性被膜表面に付着したインクは硬質
カーボン膜側へ引き寄せられる。このため本発明のイン
クジェットプリンターヘッド用ノズル板は、撥液性被膜
におけるインクの残留を防止する効果も備えている。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板
の構造とその製造方法を説明する。まずはじめにインク
吐出孔の周辺領域を拡大して示す図6の断面図を用い
て、本発明の第1の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造を説明する。
【0031】図6に示すように、インクジェットプリン
ターヘッド用のノズル板1は、インク吐出面3のインク
吐出孔2周囲に撥液性被膜4を被覆するように設けてい
る。さらにその撥液性被膜4の外側には、この撥液性被
膜4上に設ける中間層8を介して硬質カーボン膜7を設
ける。
【0032】この硬質カーボン膜7をインク吐出面3側
で撥液性被膜4に対して段差をもって設ける構造によ
り、クリーニング時におけるゴム材料からなるブレード
のワイピングに対して撥液性被膜4を保護することが可
能になる。
【0033】つぎにこの図6に示す構造のノズル板を形
成するための製造方法を、図1から図6を用いて説明す
る。図1は本発明の実施例における製造方法を適用する
薄板状のインクジェットプリンターヘッド用ノズル板を
示す斜視図である。図2から図6は本発明の第1の実施
例におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板
の製造方法を示し、インク吐出孔の周辺領域を拡大して
示す断面図である。以下、図1の斜視図と、図2から図
6の工程断面図に沿って説明する。
【0034】はじめに図1と図2に示すように、本発明
によるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板を作
製するためには、まず長さ50mm、幅5mm、厚さ
0.1mmのインク吐出のための円形の貫通した孔を有
するノズル板1のインク吐出面3上の全面に撥液性被膜
4を形成する。ノズル板1は電鋳法によって作製し、そ
の材質はニッケルからなる。
【0035】インク吐出面3側でのインク吐出孔2の直
径は35ミクロンとし、その裏面の直径は100ミクロ
ンのテーパー状となっている。これはインクをスムーズ
に供給し、まっすぐに吐出させるため、そのインク吐出
孔2の断面形状はこのようにテーパー状とする。
【0036】撥液性被膜4材料としてはフッ素樹脂や、
シリコーン樹脂や、あるいはテフロン共析メッキなどが
適用可能である。そしてその形成方法としてはスピンコ
ート法や、浸漬法や塗布法やメッキなどのウェット法に
よる方法や、真空蒸着法などのドライ法による撥液性被
膜4形成方法がある。
【0037】本発明の第1の実施例の撥液性被膜4にお
いては、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂であ
る商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロン
の膜厚でインク吐出面3表面に被覆し、その後温度15
0℃で1時間加熱して形成する。この撥液性被膜4を形
成するときサイトップがインク吐出孔2の内部へ侵入し
ないように、インク吐出面3の裏面側よりエアーを吹き
付けながらスピンコートを行う。
【0038】つぎに図3に示すように、厚さが25ミク
ロンのネガ型の感光性樹脂フィルム11であるドライフ
ィルムレジストを、あらかじめ温度60℃〜80℃に加
熱したノズル板1の撥液性被膜4の上にラミネーターを
用いてコートする。
【0039】その後、感光性樹脂フィルム11がインク
吐出孔2周囲に残るようにインク吐出孔2周囲を除いた
インク吐出面3の領域をマスクし、インク吐出面3側よ
り垂直方向に光量150〜200mJ/cm2 の紫外線
(UV)照射を行って露光処理を行い、さらに現像処理
する。
【0040】この結果、感光性樹脂フィルム11は、図
4に示すようにインク吐出孔2周囲の撥液性被膜4上を
マスクする形状にパターン形成することができる。
【0041】つぎに図5に示すように、中間層8と硬質
カーボン膜7とをインク吐出面3側の全域に順次積層す
る。
【0042】ここで中間層8は撥液性被膜4と硬質カー
ボン膜7との密着性を改善するために導入するものであ
る。本発明の実施例では、チタンとシリコンの組み合わ
せによる積層構造の中間層8を採用する。すなわちスパ
ッタリング法によって中間層下層を膜厚0.3ミクロン
のチタンで形成し、中間層上層を膜厚0.5ミクロンの
シリコンからなる積層構造からなる中間層8を形成す
る。
【0043】硬質カーボン膜7は、炭化水素系ガス、具
体的にはメタンを用いるプラズマ化学的気相合成(CV
D)法によって、図24に示す装置を用いて形成する。
ガス導入口25と排気口26とを有する真空槽21内に
ノズル板1を配置するカソード電極22を設ける。さら
にこのカソード電極22には高周波電源24を接続し高
周波電力を印加する。
【0044】プラズマ化学的気相合成(CVD)法によ
って形成する硬質カーボン膜7形成条件を以下に示す。
この条件で形成する硬質カーボン膜7の膜厚は5ミクロ
ンとした。 原料ガス:メタン 励起法:高周波(13.56MHz) 励起出力:200W ガス圧:0.1Torr 膜形成速度:20nm/min. 処理温度:<150℃
【0045】つぎに図6に示すように、感光性樹脂フィ
ルム11を温度30℃の濃度1%の水酸化ナトリウム水
溶液中に浸漬し、超音波を照射する。この結果、感光性
樹脂フィルム11はノズル板1のインク吐出孔2側より
侵入する水酸化ナトリウム水溶液によって溶解する。こ
の溶解によって感光性樹脂フィルム11の上面と側面と
に形成する中間層8と硬質カーボン膜7とは、その支持
体がなくなるため破壊される。
【0046】さらに感光性樹脂フィルム11は、中間層
8と硬質カーボン膜7の膜厚と比較するとはるかに厚
い。このために、撥液性被膜4上に残る中間層8と硬質
カーボン膜7の側面部のエッジパターン精度は、感光性
樹脂フィルム11のエッジパターン精度とほぼ等しくな
る。
【0047】感光性樹脂フィルム11を除去すると、図
6に示すようなインク吐出面3のインク吐出孔2周囲に
撥液性被膜4を形成し、その撥液性被膜4外側には撥液
性被膜4の上に中間層8を介して硬質カーボン膜7を形
成するインクジェットプリンターヘッド用ノズル板が完
成する。
【0048】図1から図6を用いて説明した本発明の実
施例の効果を確認するために、本発明の実施例により形
成した試料と、これと比較するための比較用サンプル1
と比較用サンプル2との3種類の試料を製造した。
【0049】比較用サンプル1としては、塗布型のフッ
素樹脂である商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.
5ミクロンの膜厚でインク吐出面3表面に被覆して撥液
性被膜4を形成してノズル板とした。すなわち図2に示
すようなノズル板1のインク吐出面3の全面に平坦に撥
液性被膜4を形成して、比較用サンプル1とする。
【0050】比較用サンプル2としては、インク吐出面
3側にあらかじめインク吐出孔2周囲領域に5ミクロン
の高さで段差部を形成し、この段差部よりインク吐出孔
2周辺領域が5ミクロン低位置になるように成型し、そ
の後、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である
商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの
膜厚でインク吐出面3全面に被覆して撥液性被膜4を形
成した。すなわちインク吐出孔2周辺は5ミクロン低く
形成してブレードが直接インク吐出孔2周辺に接触しな
いように構成して、比較用サンプル2とする。
【0051】そして、ゴム製ブレードによって20g/
cm2 の接触圧でカーボンブラックを含有する顔料系イ
ンクをインク吐出面側に滴下しながらインク吐出面側を
一方向に10000回摺動するワイピング試験を行っ
た。さらにその後、このワイピング試験に用いたノズル
板を用いて、インクジェットヘッドを組み立てて、顔料
系インクを注入し、吐出試験を行った。
【0052】その結果は、硬質カーボン膜を形成した本
発明の実施例によって形成したインクジェットプリンタ
ーヘッド用ノズル板は、ワイピング試験後のインク吐出
孔周囲の撥液性の劣化を生じていない。さらに、インク
吐出試験もまったく異常はみられなかった。
【0053】しかしながら、インク吐出面3側に平坦形
状に撥液性被膜4を形成した比較用サンプル1では、ワ
イピング試験後、撥液性が消失し、さらにインク吐出孔
内部に異物の付着が観察された。さらにインク吐出試験
では、まったくインクは吐出しなかった。
【0054】段差を形成した全面に撥液性被膜4を形成
した比較用サンプル2では、ワイピング試験後、撥液性
は良好であったものの、インク吐出孔内部に異物の付着
が観察され、吐出試験ではインクの吐出方向が曲がって
しまう現象が観察された。
【0055】以上の結果からわかるように、硬質カーボ
ン膜を形成した本発明によるインクジェットプリンター
ヘッド用ノズル板は、耐ワイピング性に優れ、撥液性の
劣化を生じず、インクの安定吐出を可能にすることが確
認できた。
【0056】つぎに図面を用いて本発明の第2の実施例
におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板の
構造とその製造方法を説明する。まずはじめにインク吐
出孔部を拡大して示す図12の断面図を用いて本発明の
第2の実施例におけるインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の構造を説明する。
【0057】図12に示すように、インクジェットプリ
ンターヘッド用のノズル板1は、インク吐出面3のイン
ク吐出孔2周囲に撥液性被膜4を被覆している。さら
に、その撥液性被膜4の外側にはインク吐出面3の表面
上に中間層8を設け、さらにこの中間層8を介して硬質
カーボン膜7を形成する。
【0058】この図12に示す撥液性被膜4に対して段
差をもって硬質カーボン膜7を設ける構造によって、ク
リーニング時におけるゴム材料からなるブレードのワイ
ピングに対して撥液性被膜4を保護することが可能にな
る。
【0059】つぎにこの図12に示すノズル板1を形成
するための製造方法を、図1と図7から図12を用いて
説明する。図1は本発明の実施例における製造方法を適
用する薄板状のインクジェットプリンターヘッド用ノズ
ル板を示す斜視図である。図7から図12は本発明の第
2の実施例におけるインクジェットプリンターヘッド用
ノズル板の製造方法を示し、インク吐出孔周辺領域を拡
大した工程断面図である。以下、図1の斜視図と、図7
から図12の断面図を用いて説明する。
【0060】はじめに図1と図7に示すように、本発明
によるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板を作
製するためには、まず長さ50mm、幅5mm、厚さ
0.1mmのインク吐出のための円形の貫通した孔を有
するノズル板1のインク吐出面3上の全面に撥液性被膜
4を形成する。ノズル板1は電鋳法によって作製し、そ
の材質はニッケルである。
【0061】インク吐出面3側でのインク吐出孔2の直
径は35ミクロンであり、その裏面の直径は100ミク
ロンのテーパー状となっている。これはインクをスムー
ズに供給し、まっすぐに吐出させるため、そのインク吐
出孔2の断面断面はこのようにテーパー状になってい
る。
【0062】本発明の第2の実施例では撥液性被膜4と
して、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である
商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの
膜厚でインク吐出面3表面に被覆するように形成し、そ
の後温度150℃で1時間加熱し、撥液性被膜4を形成
する。このときサイトップがインク吐出孔2の内部へ侵
入しないように、インク吐出面3の裏面よりエアーを吹
き付けながらスピンコートを行う。
【0063】つぎに図8に示すように、膜厚が25ミク
ロンのネガ型の感光性樹脂フィルム11であるドライフ
ィルムレジストを、あらかじめ温度60℃〜80℃に加
熱したノズル板の撥液性被膜4の上面にラミネーターを
用いてコートする。
【0064】その後、感光性樹脂フィルム11がインク
吐出孔2周囲領域に残るように、インク吐出孔2周囲を
除いてインク吐出面3の領域をマスクし、インク吐出面
3側より垂直方向に光量150〜200mJ/cm2
紫外線(UV)照射を行って露光処理を行い、さらに現
像処理する。
【0065】この結果、感光性樹脂フィルム11は、図
9に示すようにインク吐出孔2周囲の撥液性被膜4をマ
スクする形状にパターン形成することができる。
【0066】つぎに図10に示すように、感光性樹脂フ
ィルム11をエッチングマスクとして使用して、酸素ガ
ス雰囲気でのプラズマエッチングによって、インク吐出
面3で感光性樹脂フィルム11から露出している撥液性
被膜4をエッチングして除去する。
【0067】つぎに図11に示すように、中間層8と硬
質カーボン膜7をインク吐出面3側の全域に順次積層す
る。
【0068】ここで中間層8は撥液性被膜4と硬質カー
ボン膜7との密着性を改善するために形成するものであ
る。本発明の第2の実施例では、中間層8としてチタン
とシリコンの組み合わせによる積層膜を採用する。すな
わちスパッタリング法によって、中間層下層の膜厚0.
3ミクロンのチタンを形成し、さらに中間層上層の膜厚
0.5ミクロンのシリコンからなる積層構造の中間層8
を形成する。
【0069】硬質カーボン膜7は、炭化水素系ガス、具
体的にはメタンを用いるプラズマ化学的気相合成(CV
D)法によって、図24に示す装置を用いて形成する。
ガス導入口25と排気口26とを有する真空槽21内に
ノズル板1を配置するカソード電極22を設ける。さら
にこのカソード電極22には高周波電源24を接続し高
周波電力を印加する。
【0070】プラズマ化学的気相合成(CVD)法によ
って形成する硬質カーボン膜7形成条件を以下に示す。
この条件で形成する硬質カーボン膜7の膜厚は5ミクロ
ンとした。 原料ガス:メタン 励起法:高周波(13.56MHz) 励起出力:200W ガス圧:0.1Torr 膜形成速度:20nm/min. 処理温度:<150℃
【0071】つぎに図6に示すように、感光性樹脂フィ
ルム11を温度30℃の濃度1%の水酸化ナトリウム水
溶液中に浸漬し、超音波を照射する。この結果、感光性
樹脂フィルム11はノズル板のインク吐出孔2側より侵
入する水酸化ナトリウム水溶液によって溶解する。この
溶解によって感光性樹脂フィルム11の上面と側面に形
成する中間層8と硬質カーボン膜7とは、その支持体が
なくなるため破壊される。
【0072】さらに感光性樹脂フィルム11は、中間層
8と硬質カーボン膜7の膜厚と比較するとはるかに厚
い。このために、インク吐出面3上に残る中間層8と硬
質カーボン膜7の側面部のエッジパターン精度は、感光
性樹脂フィルム11のエッジパターン精度とほぼ等しく
なる。
【0073】以上のような処理工程の結果、図12に示
すようなインク吐出面3のインク吐出孔2周囲に撥液性
被膜4を被覆し、その撥液性被膜4の外側領域にはイン
ク吐出面3の上に中間層8を形成し、この中間層8を介
して硬質カーボン膜7を形成するインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板が完成する。
【0074】この図7から図12を用いて説明する本発
明の第2の実施例では、中間層8はインク吐出面3上に
直接形成し、その中間層8を介して硬質カーボン膜7を
形成している。このため中間層8と硬質カーボン膜7と
は、より強固な密着性が得られる。
【0075】図1と図7から図12を用いて説明した本
発明の第2の実施例の効果を確認するために、本発明の
第2の実施例により形成した試料と、これと比較するた
めの比較用サンプル1と比較用サンプル2との3種類の
試料を製造した。
【0076】比較用サンプル1としては、塗布型のフッ
素樹脂である商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.
5ミクロンの膜厚でインク吐出面3表面に被覆して撥液
性被膜4を形成してノズル板とした。すなわち図7に示
すようなノズル板1のインク吐出面3の全面に平坦に撥
液性被膜4を形成して、比較用サンプル1とする。
【0077】比較用サンプル2としては、インク吐出面
3側にあらかじめインク吐出孔2周囲領域に5ミクロン
の高さで段差部を形成し、この段差部よりインク吐出孔
2周辺領域が5ミクロン低位置になるように成型し、そ
の後、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である
商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの
膜厚でインク吐出面3全面に被覆して撥液性被膜4を形
成した。すなわちインク吐出孔2周辺は5ミクロン低く
形成してブレードが直接インク吐出孔2周辺に接触しな
いように構成して、比較用サンプル2とする。
【0078】そして、ゴム製ブレードによって20g/
cm2 の接触圧でカーボンブラックを含有する顔料系イ
ンクをインク吐出面側に滴下しながらインク吐出面側を
一方向に10000回摺動するワイピング試験を行っ
た。さらにその後、このワイピング試験に用いたノズル
板を用いて、インクジェットヘッドを組み立てて、顔料
系インクを注入し、吐出試験を行った。
【0079】その結果は、硬質カーボン膜を形成した本
発明の第2の実施例によって形成したインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板は、ワイピング試験後のイン
ク吐出孔周囲の撥液性の劣化を生じていない。さらに、
インク吐出試験もまったく異常はみられなかった。
【0080】しかしながら、インク吐出面3側に平坦形
状に撥液性被膜4を形成した比較用サンプル1では、ワ
イピング試験後、撥液性が消失し、さらにインク吐出孔
内部に異物の付着が観察された。さらにインク吐出試験
では、まったくインクは吐出しなかった。
【0081】段差を形成した全面に撥液性被膜4を形成
した比較用サンプル2では、ワイピング試験後、撥液性
は良好であったもののインク吐出孔内部に異物の付着が
観察され、吐出試験ではインクの吐出方向が曲がってし
まう現象が観察された。
【0082】以上の結果からわかるように、硬質カーボ
ン膜を形成した本発明の第2の実施例におけるインクジ
ェットプリンターヘッド用ノズル板は、耐ワイピング性
に優れ、撥液性の劣化を生じず、インクの安定吐出を可
能にすることが確認できた。
【0083】つぎに図面を用いて本発明の第3の実施例
におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板の
構造とその製造方法を説明する。まずはじめにインク吐
出孔部を拡大して示す図17の断面図を用いて本発明の
第3の実施例におけるインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の構造を説明する。
【0084】図17に示すように、インクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板はインク吐出面3のインク吐出
孔2周囲に撥液性被膜4を被覆している。さらにその撥
液性被膜4の表面上に硬質カーボン膜7を直接形成して
いる。
【0085】この図17に示す撥液性被膜4に対して段
差をもって硬質カーボン膜7を設ける構造によって、ク
リーニング時におけるゴム材料からなるブレードのワイ
ピングに対して、撥液性被膜4を保護することが可能に
なる。
【0086】つぎにこの図17に示す構造のノズル板を
形成するための第3の実施例の製造方法を、図1と図1
3から図17を用いて説明する。図1は本発明の実施例
における製造方法を適用する薄板状のインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板を示す斜視図である。図13
から図17は本発明の第3の実施例におけるインクジェ
ットプリンターヘッド用ノズル板の製造方法を示し、イ
ンク吐出孔の周辺領域を拡大する工程断面図である。以
下、図1の斜視図と、図13から図17の断面図を用い
て説明する。
【0087】はじめに図1と図13に示すように、本発
明の第3の実施例によるインクジェットプリンターヘッ
ド用ノズル板を作製するためには、まず長さ50mm、
幅5mm、厚さ0.1mmのインク吐出のための円形の
貫通した孔を有するノズル板1のインク吐出面3上の全
面に撥液性被膜4を形成する。ノズル板1は電鋳法によ
って作製し、このノズル板1の材質はニッケルとする。
【0088】インク吐出面3側のインク吐出孔2の直径
は35ミクロンとし、その裏面の直径は100ミクロン
とテーパー状となっている。これはインクをスムーズに
供給して、まっすぐに吐出させるため、その断面形状は
このようにテーパー状としている。
【0089】本発明の第3の実施例の撥液性被膜4で
は、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である商
品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの膜
厚でインク吐出面3表面に被覆し、その後温度150℃
で1時間加熱し、撥液性被膜4を形成する。この撥液性
被膜4を形成するときサイトップがインク吐出孔2の内
部へ侵入しないように、インク吐出面3の裏面よりエア
ーを吹き付けながらスピンコートを行う。
【0090】つぎに図14に示すように、厚さ25ミク
ロンのネガ型の感光性樹脂フィルムである感光性樹脂フ
ィルム11を、あらかじめ温度60℃〜80℃に加熱し
たノズル板の撥液性被膜4の上にラミネーターを用いて
コートする。
【0091】その後、感光性樹脂フィルム11がインク
吐出孔2周囲に残るようにインク吐出孔2周囲を除いた
インク吐出面3の領域をマスクし、インク吐出面3側よ
り垂直方向に光量150〜200mJ/cm2 の紫外線
(UV)照射を行って露光処理を行い、さらに現像す
る。
【0092】この結果、感光性樹脂フィルム11は、図
15に示すようにインク吐出孔2周囲の撥液性被膜4上
をマスクする形状にパターン形成することとなる。
【0093】つぎに、酸素ガス雰囲気でのプラズマ処理
によって、インク吐出面3上の感光性樹脂フィルム11
から露出している撥液性被膜4の表面に水酸基やカルボ
ニル基を導入して、撥液性被膜4を親液性に改質する。
【0094】この結果、硬質カーボン膜7はインク吐出
面3上に露出している撥液性被膜4上に直接形成可能と
なる。そして図16に示すように、硬質カーボン膜7を
インク吐出面3側の全域に形成する。
【0095】硬質カーボン膜7は、炭化水素系ガス、具
体的にはメタンを用いるプラズマ化学的気相合成(CV
D)法によって、図24に示す装置を用いて形成する。
ガス導入口25と排気口26とを有する真空槽21内に
ノズル板1を配置するカソード電極22を設ける。さら
にこのカソード電極22には高周波電源24を接続し高
周波電力を印加する。
【0096】プラズマ化学的気相合成(CVD)法によ
って形成する硬質カーボン膜7形成条件を以下に示す。
この条件で形成する硬質カーボン膜7の膜厚は5ミクロ
ンとした。 原料ガス:メタン 励起法:高周波(13.56MHz) 励起出力:200W ガス圧:0.1Torr 膜形成速度:20nm/min. 処理温度:<150℃
【0097】その後、感光性樹脂フィルム11を温度3
0℃の濃度1%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、
超音波を照射する。この結果、感光性樹脂フィルム11
はノズル板のインク吐出孔2側より侵入する水酸化ナト
リウム水溶液によって溶解する。この溶解によって感光
性樹脂フィルム11の上面と側面に形成する硬質カーボ
ン膜7は、支持体がなくなるため破壊される。
【0098】さらに感光性樹脂フィルム11は、硬質カ
ーボン膜7の膜厚と比較するとはるかに厚い。このため
に、撥液性被膜4上に残る硬質カーボン膜7の側面部の
エッジパターン精度は感光性樹脂フィルム11のエッジ
パターン精度とほぼ等しくなる。
【0099】以上のような処理工程によって、図17に
示すようなインク吐出面3のインク吐出孔2周囲に撥液
性被膜4が被覆されており、その撥液性被膜4の上面に
は硬質カーボン膜7を形成するインクジェットプリンタ
ーヘッド用ノズル板が完成する。
【0100】図1と図13から図17を用いて説明した
本発明の実施例の効果を確認するために、本発明の実施
例により形成した試料と、これと比較するための比較用
サンプル1と比較用サンプル2との3種類の試料を製造
した。
【0101】比較用サンプル1としては、塗布型のフッ
素樹脂である商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.
5ミクロンの膜厚でインク吐出面3表面に被覆して撥液
性被膜4を形成してノズル板とした。すなわち図13に
示すようなノズル板1のインク吐出面3の全面に平坦に
撥液性被膜4を形成して、比較用サンプル1とする。
【0102】比較用サンプル2としては、インク吐出面
3側にあらかじめインク吐出孔2周囲領域に5ミクロン
の高さで段差部を形成し、この段差部よりインク吐出孔
2周辺領域が5ミクロン低位置になるように成型し、そ
の後、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である
商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの
膜厚でインク吐出面3全面に被覆して撥液性被膜4を形
成した。すなわちインク吐出孔2周辺は5ミクロン低く
形成してブレードが直接インク吐出孔2周辺に接触しな
いように構成して、比較用サンプル2とする。
【0103】そして、ゴム製ブレードによって20g/
cm2 の接触圧でカーボンブラックを含有する顔料系イ
ンクをインク吐出面側に滴下しながらインク吐出面側を
一方向に10000回摺動するワイピング試験を行っ
た。さらにその後、このワイピング試験に用いたノズル
板を用いて、インクジェットヘッドを組み立てて、顔料
系インクを注入し、吐出試験を行った。
【0104】その結果は、硬質カーボン膜を形成した本
発明の実施例によって形成したインクジェットプリンタ
ーヘッド用ノズル板は、ワイピング試験後のインク吐出
孔周囲の撥液性の劣化を生じていない。さらに、インク
吐出試験もまったく異常はみられなかった。
【0105】しかしながら、インク吐出面3側に平坦形
状に撥液性被膜4を形成した比較用サンプル1では、ワ
イピング試験後、撥液性が消失し、さらにインク吐出孔
内部に異物の付着が観察された。さらにインク吐出試験
ではまったくインクは吐出しなかった。
【0106】段差を形成した全面に撥液性被膜4を形成
した比較用サンプル2では、ワイピング試験後、撥液性
は良好であったものの、インク吐出孔内部に異物の付着
が観察され、吐出試験ではインクの吐出方向が曲がって
しまう現象が観察された。
【0107】以上の結果からわかるように、硬質カーボ
ン膜を形成した本発明によるインクジェットプリンター
ヘッド用ノズル板は、耐ワイピング性に優れ、撥液性の
劣化を生じず、インクの安定吐出を可能にすることが確
認できた。
【0108】つぎに図面を用いて本発明の第4の実施例
におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板の
構造とその製造方法を説明する。まずはじめにインク吐
出孔部を拡大して示す図23の断面図を用いて本発明の
第4の実施例におけるインクジェットプリンターヘッド
用ノズル板の構造を説明する。
【0109】図23に示すように、インクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板は、インク吐出面3のインク吐
出孔2の周囲に撥液性被膜4を被覆している。さらに、
その撥液性被膜4外側領域にはインク吐出面3の表面上
に硬質カーボン膜7を直接形成している。
【0110】この図23に示す構造のノズル板に撥液性
被膜4より厚く硬質カーボン膜7を設ける段差を有する
構造を採用することによって、クリーニング時における
ゴム材料からなるブレードのワイピングに対して、撥液
性被膜4を保護することが可能になる。
【0111】つぎにこの図23に示す構造のノズル板を
形成するための第4の実施例の製造方法を、図1と図1
8から図23を用いて説明する。図1は本発明の実施例
における製造方法を適用する薄板状のインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板を示す斜視図である。図18
から図23は本発明の第4の実施例におけるインクジェ
ットプリンターヘッド用ノズル板の製造方法を示し、イ
ンク吐出孔部を拡大する工程断面図である。以下、図1
の斜視図と、図18から図23の断面図を用いて説明す
る。
【0112】はじめに図1と図18に示すように、本発
明の第4の実施例によるインクジェットプリンターヘッ
ド用ノズル板を作製するためには、まず長さ50mm、
幅5mm、厚さ0.1mmのインク吐出のための円形の
貫通した孔を有するノズル板1のインク吐出面3上全面
に撥液性被膜4を形成する。ノズル板1は電鋳法によっ
て作製し、このノズル板1はニッケル板で構成する。
【0113】インク吐出面3側のインク吐出孔2の直径
は35ミクロンとし、その裏面の直径は100ミクロン
とテーパー状となっている。これはインクをスムーズに
供給し、まっすぐに吐出させるため、その断面はこのよ
うにテーパー状にしている。
【0114】本発明の第4の実施例の撥液性被膜4で
は、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である商
品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの膜
厚でインク吐出面3表面に被覆し、その後温度150℃
で1時間加熱し、撥液性被膜4を形成する。この撥液性
被膜4を形成するとき、サイトップがインク吐出孔2の
内部へ侵入しないように、インク吐出面3の裏面よりエ
アーを吹き付けながらスピンコートを行う。
【0115】つぎに図19に示すように、厚さ25ミク
ロンのネガ型の感光性樹脂フィルム11であるドライフ
ィルムレジストを、あらかじめ温度60℃〜80℃に加
熱したノズル板の撥液性被膜4の上にラミネーターを用
いてコートする。
【0116】その後、感光性樹脂フィルム11がインク
吐出孔2周囲に残るようにインク吐出孔2周囲を除いた
インク吐出面3の領域をマスクし、インク吐出面3側よ
り垂直方向に光量150〜200mJ/cm2 の紫外線
(UV)照射を行い露光処理を行い、さらに現像する。
【0117】この結果、感光性樹脂フィルム11は、図
20に示すようにインク吐出孔2周囲の撥液性被膜4上
をマスクする形状にパターニングすることができる。
【0118】つぎに図21に示すように、酸素ガス雰囲
気でのプラズマエッチングによってインク吐出面3上で
感光性樹脂フィルム11から露出している撥液性被膜4
をエッチングし除去する。このとき撥液性被膜4を除去
したインク吐出面3の表面には、プラズマエッチングに
よって微小な凹凸が形成される。
【0119】この結果、つぎの工程で形成する硬質カー
ボン膜7は、アンカー効果によって直接インク吐出面3
上に形成可能となる。つぎに図22に示すように、硬質
カーボン膜7をインク吐出面3の全域に形成する。
【0120】硬質カーボン膜7は、炭化水素系ガス、具
体的にはメタンを用いるプラズマ化学的気相合成(CV
D)法によって、図24に示す装置を用いて形成する。
ガス導入口25と排気口26とを有する真空槽21内に
ノズル板1を配置するカソード電極22を設ける。さら
にこのカソード電極22には高周波電源24を接続し高
周波電力を印加する。
【0121】プラズマ化学的気相合成(CVD)法によ
って形成する硬質カーボン膜7形成条件を以下に示す。
この条件で形成する硬質カーボン膜7の膜厚は5ミクロ
ンとした。 原料ガス:メタン 励起法:高周波(13.56MHz) 励起出力:200W ガス圧:0.1Torr 膜形成速度:20nm/min. 処理温度:<150℃
【0122】その後、感光性樹脂フィルム11を温度3
0℃の濃度1%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、
超音波を照射する。この結果、感光性樹脂フィルム11
はノズル板のインク吐出孔2側より侵入した水酸化ナト
リウム水溶液によって溶解する。この溶解によって感光
性樹脂フィルム11の上面と側面に形成する硬質カーボ
ン膜7は、支持体がなくなるため破壊される。
【0123】さらに感光性樹脂フィルム11は、硬質カ
ーボン膜7の膜厚と比較するとはるかに厚い。このため
に、インク吐出面3上に残る硬質カーボン膜7の側面部
のエッジパターン精度は、感光性樹脂フィルム11のエ
ッジパターン精度とほぼ等しくなる。
【0124】以上のような処理工程によって、図23に
示すようなインク吐出面3のインク吐出孔2周囲に撥液
性被膜4が被覆されており、その撥液性被膜4外側には
インク吐出面3の上に硬質カーボン膜7が形成するイン
クジェットプリンターヘッド用ノズル板が完成する。
【0125】図1と図18から図23を用いて説明した
本発明の実施例の効果を確認するために、本発明の実施
例により形成した試料と、これと比較するための比較用
サンプル1と比較用サンプル2との3種類の試料を製造
した。
【0126】比較用サンプル1としては、塗布型のフッ
素樹脂である商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.
5ミクロンの膜厚でインク吐出面3表面に被覆して撥液
性被膜4を形成してノズル板とした。すなわち図18に
示すようなノズル板1のインク吐出面3の全面に平坦に
撥液性被膜4を形成して、比較用サンプル1とする。
【0127】比較用サンプル2としては、インク吐出面
3側にあらかじめインク吐出孔2周囲領域に5ミクロン
の高さで段差部を形成し、この段差部よりインク吐出孔
2周辺領域が5ミクロン低位置になるように成型し、そ
の後、スピンコート法により塗布型のフッ素樹脂である
商品名サイトップ(旭硝子(株))を0.5ミクロンの
膜厚でインク吐出面3全面に被覆して撥液性被膜4を形
成した。すなわちインク吐出孔2周辺は5ミクロン低く
形成してブレードが直接インク吐出孔2周辺に接触しな
いように構成して、比較用サンプル2とする。
【0128】そして、ゴム製ブレードによって20g/
cm2 の接触圧でカーボンブラックを含有する顔料系イ
ンクをインク吐出面側に滴下しながらインク吐出面側を
一方向に10000回摺動するワイピング試験を行っ
た。さらにその後、このワイピング試験に用いたノズル
板を用いて、ヘッドを組み立てて、顔料系インクを注入
し、吐出試験を行った。
【0129】その結果は、硬質カーボン膜を形成した本
発明の実施例によって形成したインクジェットプリンタ
ーヘッド用ノズル板は、ワイピング試験後のインク吐出
孔周囲の撥液性の劣化を生じていない。さらに、インク
吐出試験もまったく異常はみられなかった。
【0130】しかしながら、インク吐出面3側に平坦形
状に撥液性被膜4を形成した比較用サンプル1では、ワ
イピング試験後、撥液性が消失し、さらにインク吐出孔
内部に異物の付着が観察された。さらにインク吐出試験
では、まったくインクは吐出しなかった。
【0131】段差を形成した全面に撥液性被膜4を形成
した比較用サンプル2では、ワイピング試験後、撥液性
は良好であったもののインク吐出孔内部に異物の付着が
観察され、吐出試験ではインクの吐出方向が曲がってし
まう現象が観察された。
【0132】以上の結果からわかるように、硬質カーボ
ン膜を形成した本発明によるインクジェットプリンター
ヘッド用ノズル板は、耐ワイピング性に優れ、撥液性の
劣化を生じず、インクの安定吐出を可能にすることが確
認できた。
【0133】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明によるインクジェットプリンターヘッド用ノ
ズル板は、インク吐出面のインク吐出孔周囲に撥液性被
膜を形成し、その外側に撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬
質カーボン膜を形成している。このことによって本発明
のノズル板は、撥液性被膜を保護することが可能であ
り、インク吐出面のワイピングに対しても優れた耐久性
を付与させることが可能となる。その結果、インクジェ
ットプリンターの信頼性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における薄板状のインクジェッ
トプリンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を示す
斜視図である。
【図2】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図4】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図5】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図6】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図7】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図8】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図9】本発明の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図で
ある。
【図10】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図11】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図12】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図13】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図14】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図15】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図16】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図17】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図18】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図19】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図20】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図21】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図22】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図23】本発明の実施例におけるインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の構造と製造方法を表す断面図
である。
【図24】本発明の実施例における硬質カーボン膜を形
成するための処理装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ノズル板 2 インク吐出孔 3 インク吐出面 4 撥液性被膜 7 硬質カーボン膜 8 中間層 11 感光性樹脂フィルム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出面を一方に有し、平板状部材
    からなる平板状部材の所定の位置にインクを吐出する貫
    通したインク吐出孔と、インク吐出面のインク吐出孔周
    囲に被覆する撥液性被膜と、インク吐出孔周囲の外側に
    設け撥液性被膜よりも膜厚が厚い硬質カーボン膜とを有
    することを特徴とするインクジェットプリンターヘッド
    用ノズル板。
  2. 【請求項2】 硬質カーボン膜は、撥液性被膜上に形成
    する中間層の上に被覆することを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェットプリンターヘッド用ノズル板。
  3. 【請求項3】 硬質カーボン膜は、インク吐出面上に形
    成する中間層の上に被覆することを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェットプリンターヘッド用ノズル板。
  4. 【請求項4】 硬質カーボン膜は、撥液性被膜上に被覆
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    プリンターヘッド用ノズル板。
  5. 【請求項5】 硬質カーボン膜は、インク吐出面上に被
    覆することを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    トプリンターヘッド用ノズル板。
  6. 【請求項6】 インク吐出面のインク吐出孔周囲に撥液
    性被膜を被覆する工程と、インク吐出孔周囲の外側に撥
    液性被膜の膜厚よりも厚く硬質カーボン膜を形成する工
    程とを有することを特徴とするインクジェットプリンタ
    ーヘッド用ノズル板の製造方法。
  7. 【請求項7】 インク吐出面に撥液性被膜を被覆する工
    程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコート後、
    露光処理と現像処理を行いインク吐出孔周囲をマスクす
    る工程と、インク吐出面全域に中間層と硬質カーボン膜
    とを順次積層する工程と、感光性樹脂フィルムと感光性
    樹脂フィルム上に積層した中間層と硬質カーボン膜を除
    去する工程とを有することを特徴とする請求項6に記載
    のインクジェットプリンターヘッド用ノズル板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 インク吐出面に撥液性被膜を被覆する工
    程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコート後、
    露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲をマスク
    する工程と、露出している撥液性被膜を除去する工程
    と、インク吐出面全域に中間層と硬質カーボン膜とを順
    次積層する工程と、感光性樹脂フィルムと感光性樹脂フ
    ィルム上に積層した中間層と硬質カーボン膜を除去する
    工程とを有することを特徴とする請求項6に記載のイン
    クジェットプリンターヘッド用ノズル板の製造方法。
  9. 【請求項9】 インク吐出面に撥液性被膜を被覆する工
    程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコート後、
    露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲をマスク
    する工程と、インク吐出面全域に硬質カーボン膜を形成
    する工程と、感光性樹脂フィルムと感光性樹脂フィルム
    上に形成する硬質カーボン膜を除去する工程とを有する
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリ
    ンターヘッド用ノズル板の製造方法。
  10. 【請求項10】 インク吐出面に撥液性被膜を被覆する
    工程と、感光性樹脂フィルムを撥液性被膜上にコート
    後、露光処理と現像処理とを行いインク吐出孔周囲をマ
    スクする工程と、露出している撥液性被膜を除去する工
    程と、インク吐出面全域に硬質カーボン膜を形成する工
    程と、感光性樹脂フィルムと感光性樹脂フィルム上に形
    成する硬質カーボン膜を除去する工程とを有することを
    特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリンター
    ヘッド用ノズル板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0899110A3 (en) * 1997-08-28 2000-07-12 Hewlett-Packard Company Improved printhead structure and method for producing the same
JP2006297688A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd ノズル板の製造方法、そのノズル板の製造方法を用いたノズル板およびそのノズル板を用いたインクジェットヘッド

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