JPH05147090A - 射出成形機における樹脂流動物性変動制御方法および装置 - Google Patents

射出成形機における樹脂流動物性変動制御方法および装置

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JPH05147090A
JPH05147090A JP3337887A JP33788791A JPH05147090A JP H05147090 A JPH05147090 A JP H05147090A JP 3337887 A JP3337887 A JP 3337887A JP 33788791 A JP33788791 A JP 33788791A JP H05147090 A JPH05147090 A JP H05147090A
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time
injection pressure
resin
pressure
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雅治 畑
Akira Nonomura
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂物姓(とくに流動性)の変動にかかわら
ず,常に一定品質の成形品を成形できるようにする。 【構成】 射出圧力センサ31の出力信号をサンプリング
回路33でサンプリングし,処理装置35において射出圧力
データから射出圧力波形を求める。射出圧力波形におい
て,射出時間が変動していれば定圧射出プロセスと,射
出圧力の最大値が変動していれば定速射出プロセスと判
断する。定圧射出プロセスにおいては射出時間の変動に
応じて,定速射出プロセスにおいては射出圧力の最大値
の変動に応じて,温度設定器46の設定温度を変え,温度
制御装置41〜44を介してヒータ51〜54を制御することに
より樹脂温度を制御する。これにより,射出時間または
射出圧力の最大値を常にほぼ一定に保ち,樹脂の流動性
をほぼ一定に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,射出成形機,とくにホットラ
ンナ成形用金型を用いる射出成形機において,樹脂の流
動物性の変動にかかわらず常に一定の品質の成形品が得
られるように成形条件を制御するための方法および装置
に関する。
【0002】
【背景技術】最近の射出成形機においては,制御回路を
構成するハードウェアの応答性の改善,およびクローズ
ドループ制御の採用により,成形機自体の繰返し動作精
度,安定性が大幅に向上している。
【0003】しかしながら,射出成形に使用されるプラ
スチック材料は複雑な重合反応により生成されるもので
あるため,多種に及ぶ原料のばらつきや重合反応の制御
の困難さに起因してその物性に多少のばらつきが生じる
のは不可避である。とくにバッチ方式で生産される樹脂
材料においては,バッチ間で材料物性を一定に保つこと
はきわめて困難なこととされている。
【0004】たとえば射出成形に最も大きな影響を及ぼ
す樹脂の流動性を表わす一指標であるMFI(メルトフ
ローインデックス)の値を見てみると,かなり高度な管
理の下で製造された樹脂でさえ実際のMFI値はカタロ
グに表示された値に対して±10%程度ふれているという
のが現実である。さらに,着色した材料では,色顔料の
違いおよびそれによる添加剤配合の違いに起因して各色
間の物性のばらつきはもちろん,同じ色であっても変動
要因が増えることによりばらつきは大きくなる傾向にあ
る。
【0005】射出成形機自体の制御精度がたとえ向上し
たとしても,樹脂物性の変動に起因して成形品の品質に
ばらつきが生じる。特に樹脂ロットの切替えのさいに発
生する成形品の品質(寸法,重量,そりなど)の変動は
避けることができない。したがって現場の技術者は常時
成形機を監視して樹脂物性の変動を検知し,成形品の品
質を一定に保つように成形条件を調整せざるを得ない。
同一金型を用いる場合であっても異なる色の樹脂を使用
するときには成形条件の変更が必ず必要であるというの
が現場の常識とさえなっている。いずれにしても成形条
件の変更は試行錯誤を繰返しながら行なっているのが現
状であり,そのための時間と労力はたいへんなものであ
った。
【0006】
【発明の概要】この発明は,樹脂材料の流動物性の変動
の検知,および成形条件の調整を自動化ないしは半自動
化することによって現場技術者の労力を軽減するもので
ある。
【0007】この発明はまた,樹脂材料の流動物性の変
動を統一的手法により検知し,成形のための最適条件を
統一的手法により設定できるようにし,成形品の品質の
安定化を図るものである。
【0008】この発明はまず,射出成形機における樹脂
流動物性変動の制御のために,成形プロセスの性質を判
定する方法を提供している。
【0009】発明者は射出成形プロセスには定圧射出プ
ロセスと定速射出プロセスとがあることを発見した。こ
の発明は成形プロセスがいずれのものであるかを判定す
るものである。
【0010】この発明による成形プロセスの判定方法
は,射出成形機の成形サイクルにおける射出圧力波形を
複数の成形サイクルについて測定し,供給される樹脂材
料の流動物性の変動が,射出圧力波形における射出時間
の変動として現われているか,射出圧力の最大値の変動
として現われているかを検査し,射出時間の変動として
現われている場合には定圧射出プロセスであると,射出
圧力の最大値の変動として現われている場合には定速射
出プロセスであるとそれぞれ判定するものである。
【0011】後述するように定圧射出プロセスに適した
樹脂流動物性変動制御方法と定速射出プロセスに適した
樹脂流動物性変動制御方法とがある。この発明によると
成形プロセスが定圧射出プロセスであるか定速射出プロ
セスであるかを判定することができるので,そのプロセ
スに適した制御方法を選択することが可能となる。
【0012】この発明は定圧射出プロセスに適した樹脂
流動物性変動制御方法および装置を提供している。
【0013】この発明による射出成形機における樹脂流
動物性変動制御方法は,射出成形機の成形サイクルにお
ける実際の射出時間を測定し,測定した実際の射出時間
の標準射出時間に対する変動の程度を求め,求めた変動
の程度が所定値を超えているかどうかを判定し,求めた
変動の程度が所定値を超えている場合に,実際の射出時
間が標準射出時間に近づく方向に樹脂温度を制御するも
のである。
【0014】この発明による射出成形機における樹脂流
動物性変動制御装置は,射出成形機の射出圧力を検出
し,この射出圧力を表わす信号を出力する射出圧力セン
サ,上記射出圧力センサの出力信号に基づいて,射出成
形機の成形サイクルにおける実際の射出時間を計測する
射出時間計測手段,射出成形機内の樹脂を加熱する加熱
手段,射出成形機内の樹脂の温度を計測する温度計測手
段,上記射出時間計測手段によって計測された実際の射
出時間の標準射出時間に対する変動の程度を求め,この
変動の程度が所定範囲外であることを判定する手段,な
らびに上記判定手段による判定があったときに実際の射
出時間が標準射出時間に等しくなる方向に,上記温度計
測手段によって計測された樹脂温度,および射出時間と
樹脂温度との関係を用いて上記加熱手段を制御する温度
制御手段を備えている。
【0015】この発明によると射出成形機において樹脂
に実際に加わる射出圧力が検出され,この射出圧力の変
化に基づいて射出時間を計測している。実際の射出時間
は樹脂の実際の流動物性を反映している。溶融樹脂の流
動性が高いと射出時間が短くなり,逆に流動性が低いと
射出時間が長くなる。樹脂の流動性は成形品の品質(寸
法,重量,そり等)に大きな影響を与える。
【0016】この発明によると,射出時間が標準射出時
間に比べてある程度短くなった場合には樹脂温度を相対
的に低くして樹脂流動性を相対的に低下させ,逆に射出
時間が長くなった場合には樹脂温度を高くするように制
御している。これによって射出時間(すなわち樹脂流動
性)を常にほぼ一定に保つようにしている。ここで標準
射出時間とは良好な品質の成形品が得られる成形条件下
で測定される射出時間である。したがって,樹脂の物性
に変動があっても常に良好な品質の成形品が得られるよ
うになる。
【0017】この発明は定速射出プロセスに適した樹脂
流動物性変動制御方法および装置を提供している。
【0018】この発明による射出成形機における樹脂流
動物性変動制御方法は,射出成形機の成形サイクルにお
ける実際の射出圧力の最大値を測定し,測定した実際の
射出圧力最大値の標準射出圧力最大値に対する変動の程
度を求め,求めた変動の程度が所定値を超えているかど
うかを判定し,求めた変動の程度が所定値を超えている
場合に,実際の射出圧力最大値が標準射出圧力最大値に
近づく方向に樹脂温度を制御するものである。
【0019】この発明による射出成形機における樹脂流
動物性変動制御装置は,射出成形機の射出圧力を検出
し,この射出圧力を表わす信号を出力する射出圧力セン
サ,上記射出圧力センサの出力信号に基づいて,射出成
形機の成形サイクルにおける実際の射出圧力の最大値を
検出する射出圧力最大値検出手段,射出成形機内の樹脂
を加熱する加熱手段,射出成形機内の樹脂の温度を計測
する温度計測手段,上記射出圧力最大値検出手段によっ
て検出された実際の射出圧力最大値の標準射出圧力最大
値に対する変動の程度を求め,この変動の程度が所定範
囲外であることを判定する手段,ならびに上記判定手段
による判定があったときに,実際の射出圧力最大値が標
準射出圧力最大値に等しくなる方向に,上記温度計測手
段によって計測された樹脂温度,および射出圧力最大値
と樹脂温度との関係を用いて上記加熱手段を制御する温
度制御手段を備えている。
【0020】この発明によると射出成形機において樹脂
に実際に加わる射出圧力が検出され,この射出圧力の最
大値が検出されている。実際の射出圧力の最大値は樹脂
の実際の流動物性を反映している。溶融樹脂の流動性が
高いと射出圧力の最大値は低くなり,逆に流動性が低い
と射出圧力の最大値は高くなる。樹脂の流動性は成形品
の品質に大きな影響を与える。
【0021】この発明によると,射出圧力最大値が標準
射出圧力最大値に比べてある程度低くなった場合には樹
脂温度を相対的に低くして樹脂流動性を相対的に低下さ
せ,逆に射出圧力最大値が高くなった場合には樹脂温度
を高くするように制御している。これによって射出圧力
最大値(すなわち樹脂流動性)を常にほぼ一定に保つよ
うにしている。ここで標準射出圧力最大値とは良好な品
質の成形品が得られる成形条件下で測定される射出圧力
最大値である。したがって,樹脂の物性に変動があって
も常に良好な品質の成形品が得られるようになる。
【0022】この発明はさらに検出した射出圧力から射
出時間を計測する方法および装置を提供している。
【0023】この発明による射出成形機における射出時
間計測方法は,射出圧力センサから出力される射出圧力
を表わす信号を,成形サイクルの射出工程開始直前付近
から,ありうる射出時間を超える時間範囲にわたってサ
ンプリングし,サンプリングにより得られた射出圧力デ
ータの立上りを検出し,この立上りに相当する時点を射
出開始時点と判定し,この射出開始時点の直後に現われ
ることのある射出圧力データのピークを除いて,射出圧
力データのピーク値を検出し,このピーク値に相当する
時点を射出終了時点と判定し,判定された射出開始時点
から射出終了時点までの時間を射出時間として算出する
ものである。
【0024】この発明による射出成形機における射出時
間計測装置は,射出成形機の射出圧力を検出し,この射
出圧力を表わす信号を出力する射出圧力センサ,上記射
出圧力センサの出力信号を,成形サイクルの射出工程開
始直前付近から,起りうる射出時間を超える時間範囲に
わたってサンプリングするサンプリング手段,上記サン
プリング手段によって得られる射出圧力データの立上り
を検出する立上り検出手段,上記サンプリング手段によ
って得られる射出圧力データのうち立上り直後のデータ
をマスクし,起りうる射出時間の後半部分において現わ
れる射出圧力データのピーク値を検出するピーク検出手
段,および上記立上り検出手段によって検出された立上
りに相当する時点から上記ピーク検出手段によって検出
されたピーク値に相当する時点までの時間を射出時間と
して算出する手段を備えている。
【0025】この発明の一実施態様においては,サンプ
リングにより得られた射出圧力データがサンプリングの
順序にしたがって一旦メモリに記憶され,その後これら
の射出圧力データがメモリからサンプリングの順序にし
たがって読出されながら立上り検出処理およびピーク値
検出処理が行われる。
【0026】定圧射出プロセスにおいて,射出圧力波形
を子細に観察すると,射出時間の開始にあたって射出圧
力は急峻に立上り,その立上り切ったところで第1のピ
ークを示し,その後,射出時間の終了の時点で小さな鋭
い第2のピークを示す。成形品によっては上記第1のピ
ークが現われないこともある。この発明は射出圧力の立
上りによって射出時間の開始を検出し,現われる可能性
のある上記第1のピークを排除して上記第2のピークを
検出することにより射出時間の終了を検出している。
【0027】このように,立上り検出およびピーク検出
によって射出時間の始点と終点を定めているので,射出
時間を再現性よく正確に検出することが可能となる。
【0028】
【実施例の説明】
(1) 射出成形機とその制御装置 図1は射出成形機とその制御装置の構成の概要を示して
いる。
【0029】バレル12内にはホッパ15から樹脂材料が供
給される。バレル12内に配置されたスクリュ13は射出シ
リンダ10内のピストン11に回転自在に支持され,ピスト
ン11とともにバレル12内を進退する。また,スクリュ13
はピストン11のシリンダ10外に突出したロッド部分に固
定されたモータ14によって回転駆動される。バレル12の
周囲にはバレル・ヒータ51が設けられ,バレル12内の樹
脂材料が加熱される。バレル12内の樹脂材料はヒータ51
による加熱とスクリュ13の回転により溶融される。
【0030】ピストン11は油圧回路20から供給される油
圧によってシリンダ10内を進退する。モータ14はモータ
駆動回路21によって回転駆動される。スクリュ13は回転
しながら所定位置まで後退し,次に回転することなく進
出することにより,バレル12内の溶融樹脂をその先端か
ら押出す。これにより1回(1ショット)の射出成形サ
イクルが終了し,スクリュ13は再び回転しながら後退す
る。このような射出成形機の繰返し動作が高精度に安定
して行なわれるように,成形機駆動系制御装置22は油圧
回路20とモータ駆動回路21を制御する。上述した射出成
形機の繰返し動作と駆動系の制御装置22は公知のもので
ある。
【0031】バレル12からスクリュ13によって押出され
た溶融樹脂は,バレル12の先端に配置されたスプルー
(延長ノズル)16を経て,金型17B内のマニホールド19
に供給され,さらに金型17Aと17Bによって形成される
キャビティ18内に充填される。
【0032】射出成形機における樹脂流動物性変動の制
御装置は射出油圧センサ31を含んでいる。油圧センサ31
は射出シリンダ10または油圧回路20に設けられる。射出
油圧センサ31によって検出される圧力をこの実施例では
射出圧力という。射出圧力は,破線で示すように,金型
17A,17Bのキャビティ18に充填された樹脂の圧力を直
接に検出する型内圧力センサ32を用いて検出することも
できる。
【0033】いずれにしても圧力センサ31または32から
出力される射出圧力を表わす信号はサンプリング回路33
において一定周期(たとえば1msec )でサンプリング
され,かつディジタル・データに変換されてメモリ34に
一旦記憶される。処理装置35はCPUおよびその周辺回
路を含み,メモリ34に記憶された射出圧力データに基づ
いて,後に詳述するように,射出時間または射出圧力の
最大値を測定する。また,射出圧力データによって表わ
される射出圧力波形は圧力波形出力装置36から可視情報
として出力される。圧力波形出力装置36はプリンタ,表
示装置等によって実現される。
【0034】射出成形機における樹脂流動物性変動の制
御装置はさらに,バレル・ヒータ51,スプルー・ヒータ
52,マニホールド・ヒータ53,チップ・ヒータ54,バレ
ル温度センサ61,スプルー温度センサ62,マニホールド
温度センサ63およびチップ温度センサ64を含んでいる。
バレル・ヒータ51は上述したようにバレル12内の樹脂を
加熱するものであり,バレル12内の溶融樹脂温度はバレ
ル温度センサ61によって検出される。スプルー・ヒータ
52は基本的にはスプルー16内の溶融樹脂を保温するもの
であり,その温度はスプルー温度センサ62によって検出
される。マニホールド・ヒータ53は金型17Bのマニホー
ルド19内の溶融樹脂の保温と溶融樹脂のキャビティ18へ
の流量制御のためのもので,その温度はマニホールド温
度センサ63によって検出される。マニホールド19の先端
部に配置されたヒータ54をこの明細書ではとくにチップ
・ヒータと呼ぶ。チップ・ヒータ54は溶融樹脂の保温,
その流量制御,および成形品のゲートの仕上り状態の制
御を行なうもので,その温度はチップ温度センサ64によ
って検出される。
【0035】これらのヒータ51,52,53および54の加熱
制御のためにバレル温度制御装置41,スプルー温度制御
装置42,マニホールド温度制御装置43,チップ温度制御
装置44および温度設定器46が設けられている。温度設定
器46は,バレル設定温度,スプルー設定温度,マニホー
ルド設定温度およびチップ設定温度をそれぞれ別個に設
定するものである。バレル温度制御装置41は,バレル温
度センサ61によって検出されたバレル温度が温度設定器
46において設定されたバレル設定温度に等しくなるよう
にバレル・ヒータ51への通電を制御する。スプルー温度
制御装置42,マニホールド温度制御装置43およびチップ
温度制御装置44も同じように,スプルー温度センサ62,
マニホールド温度センサ63およびチップ温度センサ64に
よってそれぞれ検出された温度が,温度設定器46におい
て設定された対応する設定温度にそれぞれ等しくなるよ
うにスプルー・ヒータ52,マニホールド・ヒータ53およ
びチップ・ヒータ54への通電をそれぞれ制御するもので
ある。
【0036】必要ならば温度設定器46において金型設定
温度を設定できるようにする。そして,金型内部に配置
された金型温度センサ65によって検出された金型温度が
金型設定温度に等しくなるように,金型17A,17Bに設
けられた金型冷却水管55に流す冷却水の温度または流量
を金型温度制御装置45によって制御する。
【0037】(2) 定圧射出プロセスと定速射出プロセス 射出成形機における射出成形プロセスは,溶融樹脂を金
型のキャビティ内に高い圧力で充填する射出工程と,射
出された樹脂が金型内で収縮して金型と樹脂との間に隙
間が発生することにより所望の形状が得られなくなる事
態を防ぐために,射出後,隙間にさらに樹脂を流入させ
るように圧力をかける保圧工程と,圧力をかけずに樹脂
を取り出し可能な温度まで冷やす冷却工程に分けて考え
ることができる。
【0038】発明者は射出成形プロセスにおける射出圧
力の時間的な変化を,種々の大きさ,形状の製品に関し
て子細に観測した結果,図2(A) および(B) に示すよう
に,2つのパターンに大別できることが分った。図2
(A) ,(B) は2つのパターンの特徴を端的に表現するた
めに,射出圧力の時間変化を典型的に表わしたものであ
る。
【0039】図2(A) に示す射出成形プロセスでは射出
工程において射出圧力がほぼ一定に保たれるので,これ
を定圧射出プロセスと呼ぶ。
【0040】定圧射出プロセスでは溶融樹脂の物性(主
に流動性)の変動に起因して射出工程の時間(これを射
出時間という)が破線で示すように変動する。溶融樹脂
の流動性が高いと射出時間が短く,逆に流動性が低いと
射出時間が長い。後に詳述するが,射出時間が変化する
と溶融樹脂が金型のキャビティ内に充填されるさいの固
化層発達状態が変化し,その結果,樹脂の充填状態に変
動が生じる。これは成形される製品の品質(重量や寸
法)に大きな影響を与える。製品の品質変動を少なくす
る,または無くするためには射出時間を一定に保持する
必要がある。
【0041】図2(B) に示す射出成形プロセスでは射出
工程において射出速度がほぼ一定に保たれるので,これ
を定速射出プロセスと呼ぶ。
【0042】定速射出プロセスでは溶融樹脂の物性(主
に流動性)の変動に起因して射出工程における射出圧力
の最大値が破線で示すように変動する。溶融樹脂の流動
性が高いと射出圧力の最大値は低くなり,逆に流動性が
低いと射出圧力の最大値が高くなる。射出圧力の最大値
が変化すると充填される樹脂の密度が変化し,成形され
る製品の品質(重量や寸法)が変動する。製品の品質の
変動を少なく抑える,または無くするためには射出圧力
の最大値を一定に保持する必要がある。
【0043】一般に,定圧射出プロセスは肉厚の薄い製
品,または形状の大きな製品を成形する場合に現われ易
い。この場合には射出成形機の持つ能力によって定まる
最大射出圧力で射出成形が行なわれることが多い。すな
わち,射出工程において射出圧力はこの最大射出圧力に
保持される。これに対して,定速射出プロセスは相対的
に小さな形状の製品を成形する場合に現われる。射出工
程における射出圧力の最大値は,射出成形機の持つ能力
によって定まる最大射出圧力よりも一般に低い。
【0044】射出成形のための樹脂材料がバッチ生産さ
れる場合には,バッチごとに樹脂の物性が異なる。異な
るバッチで生産された樹脂のように,物性が異なる(も
ちろん差異は僅かである)樹脂を用いて同じ金型で同じ
製品を多数個射出成形する。このとき,射出成形サイク
ル(プロセス)ごとの射出圧力波形を測定する。得られ
た多くの射出圧力波形を観察して,射出時間に変動があ
るか,射出工程における射出圧力の最大値に変動がある
かを判断する。射出時間に変動があれば定圧射出プロセ
スと判定し,射出圧力の最大値に変動があれば定速射出
プロセスと判定する。
【0045】射出圧力波形を測定することに代えて,射
出時間および射出圧力の最大値を測定して上述の判定を
行なうようにしてもよいのはいうまでもない。
【0046】(3) 射出圧力波形,射出時間および射出圧
力の最大値の測定 図3は定圧射出プロセスにおいて圧力センサ31から実際
に得られる射出圧力波形の一例を示すものである。
【0047】射出成形サイクルの射出工程開始前におい
ては圧力センサ31の出力信号はほぼ一定の初期圧力を示
す。
【0048】射出工程が開始されると圧力センサ31の出
力信号の示す射出圧力は急激に上昇し,その後,射出工
程の間ほぼ一定に保たれる。この射出工程において射出
圧力を子細に検討すると,射出圧力が立上りきった付近
においてなだらかな第1のピークAが現われ,射出工程
の最後において鋭い第2のピークBが現われる。第2の
ピークBは金型内に充填された樹脂による反動に起因す
るものと思われる。
【0049】ここでは(本項すなわち第(3) 項では),
射出圧力が初期圧力から立上りを開始した時点ts から
第2のピークBが現われる時点te までの時間を定圧射
出プロセスにおける射出時間と定義する。
【0050】射出時間を射出圧力波形の立上り時点ts
から第2のピークBが現われる時点te までと定義する
ことにはいくつかの利点がある。
【0051】第1はこれらの時点ts ,te の検出が容
易であるということである。時点ts はほぼ一定値に保
たれた初期圧力から圧力が急激に立上る時点であり,比
較処理により容易に検出できる。また第2のピークB
は,第1のピークAさえ除外できれば,最大値検出処理
により容易に検出可能である。
【0052】第2は射出成形機内の樹脂に実際に加わる
圧力を検出しているので射出圧力波形が樹脂の物性を忠
実に表わしているということである。成形機の駆動系制
御装置22が出力する油圧回路20に対する射出加圧開始,
保圧開始等の指令信号を取出して射出時間を求めること
も可能ではある。しかしながら制御装置22から油圧回20
に与えられる各種指令の出力時点と実際に樹脂に圧力が
加わるまたは加わっている圧力が低下する時点との間に
油圧回路20によるかなり大きな遅れがあり,この遅れも
また一定していない。したがって後者の方法によると樹
脂に実際に加わる圧力の変化を忠実に検出することがで
きない。
【0053】もっとも,射出時間を制御回路22から出力
される加圧開始指令の出力時点から保圧開始指令の出力
時点までと定義することも可能である。また,射出時間
を図3に示すような実際に樹脂に加わる圧力波形の立上
り時点から立下り時点までと定義することもできる。そ
して,上述した第(2) 項および後述する第(4) 項におけ
る議論は,本項における定義に加えて,それ以外の上記
の各種の定義によって定められる射出時間を用いても有
効である。
【0054】圧力センサ31の出力信号をサンプリングす
る期間は射出時間とその前後の初期圧力の期間および保
圧時間のそれぞれの一部とを含むように設定される。サ
ンプリング期間内の初期圧力の期間の一部において,初
期圧力の平均値Po を算出するための時間帯TA があら
かじめ設定される。この期間TA は射出開始時点ts
含まれないように選定される。また,射出時間の終了時
点付近において,第2のピークB(射出終了時点te
を検出するための時間帯TB があらかじめ設定される。
この時間帯TB は射出時間の変動を考慮して,起りうる
すべての射出終了時点をその範囲内に含むようにかつ第
1のピークAを含まないように定められる。射出成形す
べき製品の種類,使用樹脂の種類等によっておおよその
射出時間は定まるので,このような時間帯TB を定める
ことは可能である。時間帯TB はその開始時点tb1と終
了時点tb2とによって規定される。これに代えて,後述
する標準射出時間の射出終了時点を中心としてその前後
に適当な時間幅を設定することによっても時間帯TB
定めることが可能である。
【0055】図4はメモリ34の構造を示すものである。
メモリ34には連続番号を用いて相対アドレスが割当てら
れた多数の記憶場所があり,各記憶場所にサンプル・デ
ータが格納される。サンプル・データは,サンプリング
回路33によるサンプリングの順序とメモリ34の相対アド
レスの順序とが一致するようにメモリ34の記憶場所に格
納される。したがって,相対アドレスを用いてその相対
アドレスの記憶場所に格納されているサンプル・データ
のサンプリング時点を算出することができる。たとえば
(1msec のサンプリング周期で0.6secにわたって600
回のサンプリングが行なわれる。一例として,標準射出
時間は0.27sec 付近にあり,これを中心として射出時間
は±0.03sec 程度変動する。
【0056】図5は処理装置35に含まれるCPUによる
サンプリング回路33のサンプリング動作を制御する処理
手順の一例を示している。
【0057】成形機の駆動系制御装置22は射出成形サイ
クルの初期の時点において射出スタンバイ信号を出力す
る。この射出スタンバイ信号は処理装置35に与えられ
る。射出スタンバイ信号の発生時点から油圧回路20によ
る加圧動作が開始されるまでの間に待ち時間および遅れ
時間がある。サンプリング回路33による圧力センサ31の
出力信号のサンプリングは油圧回路20による加圧動作の
直前から開始されればよい(もちろん時間帯Taを確保
することは必要である)ので,サンプリングは出射スタ
ンバイ信号の発生時点から一定時間経過した後に開始さ
れる。
【0058】処理装置35のCPUは制御装置22から射出
スタンバイ信号が与えられると(ステップ101 ),上記
の一定時間が経過するのを待ち(ステップ102 ),サン
プリング回路33に対してサンプリング開始指令を与える
(ステップ103 )。これにより,サンプリング回路33は
一定のサンプリング周期で圧力センサ31から与えられる
信号をサンプリングし,かつディジタル・データに変換
して出力する。圧力を表わすサンプル・データはサンプ
リングされた順序でメモリ34に与えられ,その記憶場所
にその順序で順次記憶されていく。
【0059】サンプリング時間(上述した例でいうと0.
6sec)が経過すると(ステップ104),処理装置35のC
PUはサンプリング回路33にサンプリング終了指令を与
えるので(ステップ105 ),サンプリング回路33はサン
プル動作を停止する。
【0060】ステップ101 の射出スタンバイ信号によっ
て処理装置35のCPUに割込みをかけ,この割込信号に
よって図5に示す処理を開始させることもできる。ま
た,ステップ102 および104 の時間の計時処理をタイマ
を用いて実行し,このタイマのタイム・アップ信号によ
ってCPUに割込をかけるようにしてもよいのはいうま
でもない。さらに,図5に示すソフトウェア処理および
後述する図6に示すソフトウェア処理は,ハードウェア
回路によっても実現できる。
【0061】このようにしてメモリ34に蓄えられ1ショ
ット分の圧力データを処理装置35を介して圧力波形出力
装置36によって出力することができる。圧力波形出力装
置36によって,図3に示すような圧力波形プリント・ア
ウトまたは表示される。このようにして出力された圧力
波形から操作者が射出時間や射出圧力を読取ることもで
きる。
【0062】図6は,メモリ34に蓄えられたサンプル・
データを用いて処理装置35のCPUが射出時間と射出圧
力を測定する処理の手順の一例を示すものである。
【0063】メモリ34から時間帯TA に属するサンプル
・データが読出され,その平均値が算出される(ステッ
プ111 )。算出された平均値は初期圧力平均値Po であ
る。
【0064】続いて,時間帯TA に続くサンプル・デー
タPi がサンプリング(アドレス)の順序で読出され,
この平均値Po と順次比較される。平均値Po よりも僅
かに大きな値をもつサンプル・データPi が検出される
と(ステップ113 ),そのサンプル・データPi に対応
する時点が射出開始時点ts と判定される(ステップ11
4 )。具体的にはα=1.01程度の値として,Pi >αP
o を満たすサンプル・データがアドレスの順序で順次サ
ーチされることになる。
【0065】初期圧力として平均値Po が算出され,こ
の平均値Po がサンプル・データと比較されている。し
たがって初期圧力データに多少のノイズ成分が含まれて
いても平均化されているので正確な射出開始時点検出が
可能である。上記の係数αは射出圧力の立上り付近にお
いて生じるサンプリング周期(1msec )間の圧力差
分,ノイズの大きさ等を考慮して定めればよい。
【0066】射出開始時点ts が検出されたのちは第2
のピークBの検出処理に進む。メモリ34から読出すべき
サンプル・データのアドレスを時間帯TB の開始点tb1
に相当するアドレスまでジャンプする(ステップ115
)。これにより,時点ts からtb1までのサンプル・
データは無視される。この間には第1のピークAがあ
り,この第1のピークAを表わすサンプル・データを無
視することにより,第1のピークAの時点を射出終了時
点と誤検知することが防止される。
【0067】処理装置35には処理の各時点における圧力
最大値を表わすサンプル・データを格納するMAXレジ
スタとこのMAXレジスタに格納されたサンプル・デー
タのメモリ34における相対アドレスを記憶するアドレス
・メモリ・エリアとが設けられている。もちろん,これ
らのMAXレジスタとアドレス・メモリ・エリアはメモ
リ34内の所定の記憶場所を用いて実現してもよい。
【0068】第2のピークBの検出処理の開始にあたっ
てMAXレジスタに最小値,たとえば0がセットされる
(ステップ116 )。時間帯TB に相当するメモリ34のア
ドレス範囲においてアドレスの順番にしたがってサンプ
ル・データPi が読出され(ステップ117 ),このサン
プル・データPi がMAXレジスタに記憶されているデ
ータP(M) と順次比較される。Pi >P(M) を満たせば
(ステップ118 ),そのサンプル・データPi がMAX
レジスタに記憶されることによりMAXレジスタの内容
が更新され,かつそのサンプル・データPi のアドレス
がアドレス・メモリ・エリアに記憶される(ステップ11
9 )。Pi ≦P(M) の場合にはステップ119 の処理はス
キップされる。
【0069】時点tb2に対応するアドレスのサンプル・
データについて終了するまで上記の処理がアドレスを順
次更新しながら続けられる(ステップ120 )。この処理
により,MAXレジスタには時間帯TB における射出圧
力の最大値(第2のピークBの値)が格納され,かつア
ドレス・メモリ・エリアにはその最大値を記憶している
メモリ34の記憶場所のアドレスが格納されることにな
る。アドレス・メモリ・エリアのアドレスに対応する時
点が射出終了時点te である(ステップ121 )。
【0070】このようにして求められた射出開始時点t
s と射出終了時点te との差,すなわちte −ts が射
出時間として算出される(ステップ122 )。また,初期
圧力平均値Po とMAXレジスタに記憶されている圧力
の最大値PM との差PM −Po が射出圧力として算出さ
れる(ステップ123)。最後に次の射出サイクルにおけ
る測定処理のためにメモリ34がクリアされる(ステップ
124 )。
【0071】射出圧力の第2のピークBの圧力値は,一
般的に,射出成形機の能力によって定まる最大射出圧力
にほぼ等しい。したがって,この最大射出圧力よりも大
きい値がピークB以外において得られることは現実には
あり得ない。もしサンプル・データが上記最大射出圧力
よりも大きい値を示しているとすればそれはノイズによ
るものである。したがって,上述した第2のピークBの
検出処理において,Pi >P(M) の条件を満たしたとき
に,サンプル・データPi が上記最大射出圧力を超えて
いるかどうかをチェックし,超えている場合にはMAX
レジスタとアドレス・メモリ・エリアの更新処理をスキ
ップするようにすることによりノイズの混入に起因する
誤検知を排除することができる。
【0072】上記の説明においては,サンプル・データ
を一旦メモリに格納し,その後,射出開始時点や射出終
了時点の検出処理をしているが,サンプル・データをメ
モリに格納することなく,サンプリングをしながら得ら
れたサンプル・データに対して図6に示す処理を施して
各時点の検出を行なうようにすることもできるのはいう
までもない。また,射出圧力の立上り時点ts や第2の
ピークB(最大値)の検出処理は上記以外にも種々の方
法があり,それらを採用することもできる。
【0073】図5および図6に示す処理は定速射出プロ
セスにおける射出圧力の最大値を求めるためにもそのま
ま適用することができる。なぜなら,定速射出プロセス
における射出圧力の最大値もまた射出工程の終了時点で
現われ,第2のピークBと同じように最大値検出処理に
よって検出できるからである。射出圧力の最大値は検出
されたピーク圧力PM として得られる。最大値PMから
初期圧力の平均値Po を減算した射出圧力PM −Po
射出圧力の最大値として用いてもよい。
【0074】(4) 樹脂流動物性変動の制御 (4-1) 制御の全体的な流れ これまでに説明した射出プロセスの種類の判定(第(2)
項),射出時間または射出圧力の最大値の測定(第(3)
項),および本項で説明する射出樹脂の温度制御の流れ
についてまとめたのが図7である。
【0075】物性が僅かに異なる樹脂を用いて同じ金型
で同じ製品を多数個射出成形しながら射出圧力波形を観
察する(ステップ130 )。多くの射出圧力波形において
射出時間に変動があるか,射出圧力の最大値に変動があ
るかにしたがって定圧射出プロセスか定速射出プロセス
かを判定する(ステップ131)。
【0076】これは技術者が時間をかけて行なってもよ
いし,処理装置35に射出時間および射出圧力の最大値の
測定を行なわせてこれに基づいて判定させるようにして
もよい。
【0077】定圧射出プロセスであると判定された場合
には射出時間の測定が行なわれる(ステップ132 )。定
速射出プロセスであると判定された場合には射出圧力の
最大値の測定が行なわれる(ステップ135 )。これらの
測定は,好ましくは上述したようにサンプリング回路3
3,メモリ34および処理装置35によって実行される。射
出時間または射出圧力の最大値の測定は射出成形サイク
ルごとに行なってもよいし,一定時間ごとに行なっても
よいし,技術者が任意に指定した射出成形サイクルにお
いて行なうようにしてもよい。いずれにしても,複数回
の測定を行ない,その平均値を求めておくことが好まし
い。
【0078】定圧射出プロセスにおいて,測定した射出
時間(好ましくはその平均値)が標準射出時間(標準射
出時間については後に説明する)と比較され,許容範囲
内にあるかどうかが判定される(ステップ133 )。射出
時間の標準射出時間に対する変動率がたとえば±10%未
満であれば適正な射出成形が行なわれていると判断さ
れ,±10%以上であれば樹脂流動物性が許容範囲外にま
で変動していると判定される。
【0079】測定した射出時間が許容範囲外と判定され
た場合には,射出時間の変動の方向および量に応じて,
射出時間が標準射出時間に近づくように成形樹脂の温度
が調整される(ステップ134 )。
【0080】上記の判定および温度調整は技術者が行な
うようにしてもよいし,処理装置35によって自動的に行
なわせるようにしてもよい。温度の調整は,たとえば温
度設定器46における設定温度を変えることによって実現
される。
【0081】測定した射出時間が許容範囲内にある場
合,および樹脂温度調整ののち,必要ならば,再び射出
時間の測定に移る。ステップ132 〜134 の繰返しによっ
て,樹脂流動物性が常にほぼ一定範囲内保たれ,良好な
製品の生産が確保される。
【0082】定速射出プロセスにおいて,測定した射出
圧力の最大値(好ましくはその平均値)が標準射出圧力
最大値(標準射出圧力最大値については後に詳述する)
と比較され,同じように許容範囲内にあるかどうかが判
定される(ステップ136 )。測定した射出圧力最大値の
標準射出圧力最大値に対する変動率がたとえば±10%未
満であれば樹脂流動物性の変動は小さく射出成形は適切
に行なわれており,±10%以上の場合には樹脂流動物性
の変動が許容範囲外であって製品に好ましくない影響を
与えていると判定される。
【0083】測定した射出圧力最大値が許容範囲外と判
定された場合には,射出圧力最大値の変動の方向および
量に応じて,射出圧力最大値が標準射出圧力最大値に近
づくように成形樹脂の温度が調整される(ステップ137
)。
【0084】上記の判定および温度調整は技術者が行な
うようにしてもよいし,処理装置35によって自動的に行
なわせるようにしてもよい。温度の調整は,たとえば温
度設定器46における設定温度を変えることによって実現
される。
【0085】測定した射出圧力最大値が許容範囲内にあ
る場合,および樹脂温度調整ののち,必要ならば,再び
射出圧力最大値の測定に移る。ステップ135〜137 の繰
返しによって,樹脂流動物性の変動が最小限の範囲外に
保たれ,良好な射出成形品の生産が保証される。
【0086】(4-2) 樹脂流動物性の変動が製品に与える
影響 定圧射出プロセスにおいて射出時間の変動が成形品に及
ぼす影響について説明しておく。
【0087】図8(A) およぴ(B) はそれぞれ,射出時間
が相対的に短い場合における射出圧力の時間的変化およ
び金型のキャビティ内での樹脂の流れを示すものであ
る。
【0088】これに対して,図9(A) および(B) はそそ
れぞれ,射出時間が相対的に長い場合における射出圧力
の時間変化および金型のキャビティ内での樹脂の流れを
示すものである。
【0089】これらの図を参照して,溶融した樹脂(12
0 〜300 ℃程度)は金型17のキャビティ18内に流入する
と,金型17が冷却(30〜80℃程度)されているため,金
型との境界から固化していく(固化温度:100 〜180 ℃
程度)。つまり溶融樹脂の流入と固化が同時に進行して
いく。図において,固化した樹脂すなわち固化層(非流
動層)が符号RSで,流入する溶融樹脂が符号RFでそ
れぞれ示されている。
【0090】上述したように樹脂の流動性が高いと射出
時間が短く,樹脂の流動性が低いと射出時間が長い。射
出時間が短いと,溶融樹脂がキャビティ18の先端まで流
れる間に発達する固化層の厚みは比較的薄く,キャビテ
ィ内の流動抵抗が小さいため,成形品の末端まで圧力が
かかりやすい。
【0091】図10は,樹脂温度と比容積(密度の逆数)
との関係を圧力をパラメータとして示すものである。圧
力が高いと比容積(=1/密度)が小さくなり,成形品
は重くなる。また常温常圧状態との比容積差が小さくな
るため金型から取出した後の樹脂の後収縮率が小さく,
成形品の寸法は相対的に大きくなる。射出時間が長い場
合には上記と逆の結果を生じる。
【0092】定速射出プロセスにおいて射出圧力の最大
値の変動が成形品に及ぼす影響について説明する。
【0093】溶融樹脂の流動性が高いと射出圧力の最大
値は低くなり,逆に流動性が低いと射出圧力の最大値は
高くなる。図10を参照して,射出圧力が低いと比容積
(=1/密度)が大きくなり成形品は軽くなる。また常
温常圧状態との比容積差が大きくなるため,金型から取
出した後の樹脂の後収縮率が大きく,成形品の寸法は相
対的に小さくなる。射出圧力が高い場合には上記と逆の
結果となる。
【0094】(4-3) 標準射出時間および標準射出圧力最
大値の決め方 まず定圧射出プロセスにおける標準射出時間の決め方に
ついて説明する。
【0095】図11は定圧射出プロセスにおける成形状態
線図を示している。横軸は射出時間,縦軸は成形品の寸
法(重量)である。パラメータはショット・サイズ(1
回の射出成形プロセスにおけるスクリュの移動量;通
常,射出前のスクリュの位置によって測定される),お
よび樹脂温度である。ショット・サイズについてはS3
>S2>S1の関係にあり,温度についてはT3>T2
>T1の関係にある。
【0096】樹脂温度を変更すると成形状態は右下り
(左上り)の線上を移動する。樹脂温度によって樹脂の
流動性が変化し,温度が高くなれば流動性も高くなる。
ショット・サイズを変更すると成形状態は右上り(左下
り)の線上を移動することになる。
【0097】このように,樹脂温度およびショット・サ
イズを変えながら成形状態線図上の多くの点の成形条件
で射出成形を試行する。これにより得られた成形品の寸
法,重量,そり(平面性)を測定または検査し,最も良
い成形品を選択する。最も良い成形品の成形条件を標準
状態とし,そのときの射出時間を標準射出時間とする。
【0098】成形条件として,簡単のために,樹脂温度
およびショット・サイズを挙げてあるが,成形条件には
この他にも多くの要因があり,それらを変更して試行し
てもよいのはいうまでもない。
【0099】図12は成形状態線図の実測図を示してい
る。+10℃,+20℃,−10℃等の温度は標準状態におけ
る樹脂温度(温度センサの検出温度)との温度差を示
し,標準状態を±0℃としている。
【0100】次に,定速射出プロセスにおける標準射出
圧力最大値の決め方について説明する。
【0101】図13は定速射出プロセスにおける成形状態
線図を示している。横軸は射出圧力最大値,縦軸は成形
品の寸法(重量)である。パラメータはショット・サイ
ズ(S3>S2>S1)および樹脂温度(T3>T2>
T1)である。
【0102】樹脂温度およびショット・サイズを変えな
がら成形状態線図上の多くの点の成形条件で射出成形を
試行する。これにより得られた成形品の寸法,重量,そ
り(平面性)を測定または検査し,最も良い成形品を選
択する。最も良い成形品の成形条件を標準状態とし,そ
のときの射出圧力最大値を標準射出圧力最大値とする。
【0103】(4-4) 樹脂温度制御 上述のように樹脂の流動性は温度に強く依存する。ショ
ット・サイズを一定(標準状態のときのショット・サイ
ズ)に保ったまま,樹脂温度を制御することにより,樹
脂の流動物性の変動にかかわらず標準状態と等価な状態
を保ち成形品の品質の安定化を図るようにしている。
【0104】制御の対象は,図1に示すように,バレル
温度,スプルー温度,マニホールド温度およびチップ温
度であり,これらの部分における樹脂温度をそれぞれT
b ,Ts ,Tm およびTt とする。センサ61〜64によっ
て測定される温度はこれらの部分における樹脂温度を表
わしているものとする。
【0105】溶融樹脂が指数法則(Power Law )モデル
に従う流体であると仮定する。バレル,スプルー,マニ
ホールド,チップおよびキャビティからなる流路内を流
れる流体についての流動基礎式を考え,標準状態と同じ
射出時間になるように現在の状態を変更した場合におけ
る流動基礎式と,現在の状態における流動基礎式との比
をとる。
【0106】定圧射出プロセスにおいては,上記流動基
礎式の比を表わす式に,流路の両端間における流体圧力
損失の比(標準状態と同じ射出時間になる状態と,現在
の状態とにおける比)が1であるという条件(射出圧力
が一定)を加え,かつ流量Q=(A・L)/t(Aは射
出シリンダの断面積,Lはショット・サイズ,tは射出
時間である)を代入すると,次式を得る。
【0107】 tP /tD =(LP /LD ) ・[(Kb BTb +Ks BTs +Km BTm +Kt BTt +Kc BTt P n /(Kb BTb +Ks BTs +Km BTm +Kt BTt +Kc BTt D n ] ‥式1 n,B:樹脂流動物性定数 Kb ,Ks ,Km ,Kt ,Kc:バレル,スプルー,マ
ニホールド,チップ,キャビティの樹脂流路形状により
定まる定数 添字D,P:標準状態と同じ射出時間になる状態,現在
の状態をそれぞれ表わす
【0108】式1を満足するように,すなわち射出時間
が標準状態と等しくなるように右辺の現在の温度(Tb
,Ts ,Tm ,Tt )D が標準状態と同じ射出時間に
なる状態の温度(Tb ,Ts,Tm ,Tt )P に設定変
更(制御)される。
【0109】n=2.2 ,B=−0.0137,LP =LD と置
き,かつTb =Ts =Tm =Tt =Tとしたときの式1
の関係が図14に表わされている。横軸は現在の樹脂温度
P と標準状態と同じ射出時間になる状態の樹脂温度T
D との差dT=TP −TD ,縦軸は現在の射出時間tP
と標準状態の射出時間tD との比tP /tDである。
【0110】上述したように現在の射出時間tP が測定
される。標準状態の射出時間tD は既知である。tP
D が1.1 〜0.9 の範囲外になったときに,式1または
図14のグラフから標準状態と同じ射出時間になる状態の
温度TD (=新しい設定温度Tr )を求める。温度設定
器46において,バレル,スプルー,マニホールドおよび
チップの設定温度をTr に変更する。これにより,樹脂
流動物性の変動にもかかわらず,樹脂の流動性を標準状
態と等価にすることができる。たとえばtP =0.324se
c,tD =0.27sec の場合,tP /tD =1.2 となる。
図14または式1からdT=−6.0 ℃を得る。Tr =TD
=TP −dT=TP −(−6.0 )=TP +6となる。設
定温度を6℃高くするように設定変更を行えばよい。
【0111】温度設定器46における設定温度の変更は手
動で行なってもよいし,処理装置35の制御の下に自動的
に行なわせるようにすることも可能である。
【0112】上述した式1および図14のグラフは理想的
な条件下でのものである。実際にはこれらの式1または
図14のグラフは実測値によって修正される。この修正は
たとえば式1に適当な係数を乗じる,図14のグラフの傾
きを変える(横軸または縦軸の目盛に係数を乗じる)こ
と等によって行なうことができる。または図14に代えて
実測により得られるグラフを用いてもよい。
【0113】上記において,バレル,スプルー,マニホ
ールドおよびチップの温度を制御しているが,これらの
うちの1または2以上を除いて温度制御するようにして
もよい。たとえばチップを除いて,バレル,スプルーお
よびマニホールドの温度制御のみを行なうようにしても
よい。逆に上述したように,金型温度制御装置45を利用
して金型の温度の制御を加えるようにすることもでき
る。
【0114】定速射出プロセスにおいては,上記流動基
礎式の比を表わす式に,流量の比(標準状態と現在の状
態とにおける比)が1であるという条件(流量が一定す
なわち流速が一定)を加えると次式を得る。
【0115】 ΔPP /ΔPD =(LP /LD 1/n [(Kb BTb +Ks BTs +Km BTm +Kt BTt +Kc BTt P /(Kb BTb +Ks BTs +Km BTm +Kt BTt +Kc BTt D ] ‥式2
【0116】ここでΔPは流体圧力損失であり,射出圧
力の最大値を表わす。
【0117】式2を満足するように,すなわち射出圧力
が標準状態と等しくなるように右辺における現在温度
(Tb ,Ts ,Tm ,Tt )D が標準状態と同じ射出圧
力になる状態の温度(Tb ,Ts ,Tm ,Tt )P に設
定変更(制御)される。
【0118】n=2.2 ,B=−0.0137と置き,かつTb
=Ts =Tm =Tt =Tとしたときの式2の関係が図15
に表わされている。横軸は温度差dT=TP −TD ,縦
軸は現在の射出圧力最大値ΔPP と標準状態の射出圧力
最大値ΔPD との比ΔPP /ΔPD である。
【0119】上述のように現在の射出圧力最大値ΔPP
が測定される。標準状態の圧力最大値ΔPD は既知であ
る。ΔPP /ΔPD が1.1 〜0.9 の範囲外になったとき
に,式2または図15のグラフから標準状態と同じ射出圧
力最大値になる状態の温度TD (=新しい設定温度
r )を求める。温度設定器46において,バレル,スプ
ルー,マニホールドおよびチップの設定温度をTr に変
更する。これにより,樹脂流動物性の変動にかかわら
ず,樹脂の流動性を標準状態と等価にすることができ
る。たとえば,ΔPP =2000Kgf /cm2 ,ΔPD =1800
Kgf/cm2 の場合,ΔPP /ΔPD =1.11となる。図15
または式2からdT=−7.6 ℃を得る。Tr =TD =T
P −dT=TP −(−7.6 )=TP +7.6 となる。設定
温度を7.6 ℃上げるように設定変更を行えばよい。
【0120】温度設定器46における設定温度の変更は手
動で行なってもよいし,処理装置35の制御の下に自動的
に行なわせるようにしてもよいのはいうまでもない。ま
た上述した式2および図15のグラフは実際には実測値に
よって修正されることが好ましい。さらに,バレル,ス
プルー,マニホールドおよびチップのうちの1または2
以上を除いて温度制御するようにしてもよいし,金型の
温度制御を加えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形機とその制御装置の構成を示すもので
ある。
【図2】射出成形プロセスにおける射出圧力の時間的な
変化を示すグラフであり,(A)は定圧射出プロセス,(B)
は定速射出プロセスをそれぞれ示す。
【図3】定圧射出プロセスにおいて圧力センサから得ら
れる射出圧力波形の一例を示すグラフである。
【図4】メモリの構造を示すメモリ・マップである。
【図5】サンプリング回路のサンプリング動作を制御す
る処理手順を示すフロー・チャートである。
【図6】射出時間と射出圧力を測定する処理手順を示す
フロー・チャートである。
【図7】射出樹脂の温度制御に関する全体的な手順の流
れを示すフロー・チャートである。
【図8】(A) および(B) はそれぞれ,射出時間が相対的
に短い場合における射出圧力の時間的変化を示すグラフ
および金型のキャビティ内での樹脂の流れを示す断面図
である。
【図9】(A) および(B) はそれぞれ,射出時間が相対的
に長い場合における射出圧力の時間変化を示すグラフお
よび金型のキャビティ内での樹脂の流れを示す断面図で
ある。
【図10】樹脂温度と比容積との関係を圧力をパラメー
タとして示すグラフである。
【図11】定圧射出プロセスにおける成形状態線図を示
す。
【図12】成形状態線図の実測図を示す。
【図13】定速射出プロセスにおける成形状態線図を示
す。
【図14】定圧射出プロセスのための樹脂温度制御のや
り方を示すグラフである。
【図15】定速射出プロセスのための樹脂温度制御のや
り方を示すグラフである。
【符号の説明】
10 射出シリンダ 11 ピストン 12 バレル 13 スクリュ 14 モータ 16 スプルー 17A,17B 金型 18 キャビティ 19 マニホールド 20 油圧回路 21 モータ駆動回路 22 成形機の駆動系制御装置 31 油圧センサ(射出圧力センサ) 32 型内圧力センサ(射出圧力センサ) 33 サンプリング回路 34 メモリ 35 処理装置 36 圧力波形出力装置 41 バレル温度制御装置 42 スプルー温度制御装置 43 マニホールド温度制御装置 44 チップ温度制御装置 45 金型温度制御装置 46 温度設定器 51 バレル・ヒータ 52 スプルー・ヒータ 53 マニホールド・ヒータ 54 チップ・ヒータ 55 金型冷却水管 61 バレル温度センサ 62 スプルー温度センサ 63 マニホールド温度センサ 64 チップ温度センサ 65 金型温度センサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】測定した射出圧力最大値が許容範囲内にあ
る場合,および樹脂温度調整ののち,必要ならば,再び
射出圧力最大値の測定に移る。ステップ135〜137
の繰返しによって,樹脂流動物性の変動が最小限の範囲
に保たれ,良好な射出成形品の生産が保証される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機の成形サイクルにおける射出
    圧力波形を複数の成形サイクルについて測定し,供給さ
    れる樹脂材料の流動物性の変動が,射出圧力波形におけ
    る射出時間の変動として現われているか,射出圧力の最
    大値の変動として現われているかを検査し,射出時間の
    変動として現われている場合には定圧射出プロセスであ
    ると,射出圧力の最大値の変動として現われている場合
    には定速射出プロセスであるとそれぞれ判定する,射出
    成形機における樹脂流動物性変動制御のための成形プロ
    セス判定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成形プロセス判定方法
    によって定圧射出プロセスであると判定された場合にお
    いて,実際の射出時間を測定し,測定した実際の射出時
    間の標準射出時間に対する変動率を求め,求めた変動率
    が所定値を超えているかどうかを判定し,求めた変動率
    が所定値を超えている場合に,実際の射出時間が標準射
    出時間と実質的に等しくなるように射出樹脂温度を調整
    する,射出成形機における樹脂流動物性変動制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の成形プロセス判定方法
    によって定速射出プロセスであると判定された場合にお
    いて,実際の射出圧力の最大値を測定し,測定した実際
    の射出圧力最大値の標準射出圧力最大値に対する変動率
    を求め,求めた変動率が所定値を超えているかどうかを
    判定し,求めた変動率が所定値を超えている場合に,実
    際の射出圧力最大値が標準射出圧力最大値と実質的に等
    しくなるように射出樹脂温度を調整する,射出成形機に
    おける樹脂流動物性変動制御方法。
  4. 【請求項4】 射出圧力センサから出力される射出圧力
    を表わす信号を,成形サイクルの射出工程開始直前付近
    から,ありうる射出時間を超える時間範囲にわたってサ
    ンプリングし,サンプリングにより得られた射出圧力デ
    ータの立上りを検出し,この立上りに相当する時点を射
    出開始時点と判定し,この射出開始時点の直後に現われ
    ることのある射出圧力データのピークを除いて,射出圧
    力データのピーク値を検出し,このピーク値に相当する
    時点を射出終了時点と判定し,判定された射出開始時点
    から射出終了時点までの時間を射出時間として算出す
    る,射出成形機における射出時間計測方法。
  5. 【請求項5】 サンプリングにより得られた射出圧力デ
    ータをサンプリングの順序にしたがって一旦メモリに記
    憶し,射出圧力データをメモリからサンプリングの順序
    にしたがって読出しながら上記の立上り検出処理および
    ピーク値検出処理を行なう,請求項4に記載の射出時間
    計測方法。
  6. 【請求項6】 射出成形機の射出圧力を検出し,この射
    出圧力を表わす信号を出力する射出圧力センサ,上記射
    出圧力センサの出力信号を,成形サイクルの射出工程開
    始直前付近から,起りうる射出時間を超える時間範囲に
    わたってサンプリングするサンプリング手段,上記サン
    プリング手段によって得られる射出圧力データの立上り
    を検出する立上り検出手段,上記サンプリング手段によ
    って得られる射出圧力データのうち立上り直後のデータ
    をマスクし,起りうる射出時間の後半部分において現わ
    れる射出圧力データのピーク値を検出するピーク検出手
    段,および上記立上り検出手段によって検出された立上
    りに相当する時点から上記ピーク検出手段によって検出
    されたピーク値に相当する時点までの時間を射出時間と
    して算出する手段,を備えた射出成形機における射出時
    間計測装置。
  7. 【請求項7】 上記サンプリング手段によって得られる
    射出圧力データをサンプリングの順序にしたがって記憶
    し,サンプリングされたすべての射出圧力データの記憶
    ののち,記憶されている射出圧力データをサンプリング
    の順序にしたがって読出して上記立上り検出手段および
    ピーク検出手段に与えるメモリ手段,をさらに備えた請
    求項6に記載の射出時間計測装置。
  8. 【請求項8】 射出成形機の成形サイクルにおける実際
    の射出時間を測定し,測定した実際の射出時間の標準射
    出時間に対する変動の程度を求め,求めた変動の程度が
    所定値を超えているかどうかを判定し,求めた変動の程
    度が所定値を超えている場合に,実際の射出時間が標準
    射出時間に近づく方向に樹脂温度を制御する,射出成形
    機における樹脂流動物性変動制御方法。
  9. 【請求項9】 射出成形機の射出圧力を検出し,この射
    出圧力を表わす信号を出力する射出圧力センサ,上記射
    出圧力センサの出力信号に基づいて,射出成形機の成形
    サイクルにおける実際の射出時間を計測する射出時間計
    測手段,射出成形機内の樹脂を加熱する加熱手段,射出
    成形機内の樹脂の温度を計測する温度計測手段,上記射
    出時間計測手段によって計測された実際の射出時間の標
    準射出時間に対する変動の程度を求め,この変動の程度
    が所定範囲外であることを判定する手段,ならびに上記
    判定手段による判定があったときに実際の射出時間が標
    準射出時間に等しくなる方向に,上記温度計測手段によ
    って計測された樹脂温度,および射出時間と樹脂温度と
    の関係を用いて上記加熱手段を制御する温度制御手段,
    を備えた射出成形機における樹脂流動物性変動制御装
    置。
  10. 【請求項10】 射出成形機の成形サイクルにおける実
    際の射出圧力の最大値を測定し,測定した実際の射出圧
    力最大値の標準射出圧力最大値に対する変動の程度を求
    め,求めた変動の程度が所定値を超えているかどうかを
    判定し,求めた変動の程度が所定値を超えている場合
    に,実際の射出圧力最大値が標準射出圧力最大値に近づ
    く方向に樹脂温度を制御する,射出成形機における樹脂
    流動物性変動制御方法。
  11. 【請求項11】 射出成形機の射出圧力を検出し,この
    射出圧力を表わす信号を出力する射出圧力センサ,上記
    射出圧力センサの出力信号に基づいて,射出成形機の成
    形サイクルにおける実際の射出圧力の最大値を検出する
    射出圧力最大値検出手段,射出成形機内の樹脂を加熱す
    る加熱手段,射出成形機内の樹脂の温度を計測する温度
    計測手段,上記射出圧力最大値検出手段によって検出さ
    れた実際の射出圧力最大値の標準射出圧力最大値に対す
    る変動の程度を求め,この変動の程度が所定範囲外であ
    ることを判定する手段,ならびに上記判定手段による判
    定があったときに,実際の射出圧力最大値が標準射出圧
    力最大値に等しくなる方向に,上記温度計測手段によっ
    て計測された樹脂温度,および射出圧力最大値と樹脂温
    度との関係を用いて上記加熱手段を制御する温度制御手
    段,を備えた射出成形機における樹脂流動物性変動制御
    装置。
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