JPH0975007A - 大豆蛋白質及びゲル状食品 - Google Patents

大豆蛋白質及びゲル状食品

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JPH0975007A
JPH0975007A JP7231753A JP23175395A JPH0975007A JP H0975007 A JPH0975007 A JP H0975007A JP 7231753 A JP7231753 A JP 7231753A JP 23175395 A JP23175395 A JP 23175395A JP H0975007 A JPH0975007 A JP H0975007A
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JP
Japan
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globulin
soybean protein
preheating
protein
gel
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JP7231753A
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English (en)
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Takao Nagano
隆男 長野
Takeshi Akasaka
武志 赤坂
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱脂大豆から分画により得た新規な加熱ゲル物
性を有する大豆蛋白質及びそれを用いたゲル状食品を提
供する。 【解決手段】水系下において予備加熱し、変性させた7
Sグロブリン(β−コングリシニン)を60%以上含む
大豆蛋白質及び、この大豆蛋白質と塩とを含んだ半調理
冷凍食品や畜産水産食品等のゲル状食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規な大豆蛋白
質及び加塩ゲル状食品に関するもので,特に歯切れが良
い食感を付与することができる新規な大豆蛋白質とそれ
を原料とするゲル状食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大豆には栄養的に良質な蛋白質が約35
%含まれ,その蛋白質は保水性,吸水性,粘着性,乳化
性,ゲル形成性,起泡性,フィルム形成性等の多様な機
能性を有しているため,脱脂大豆から工業的に蛋白質を
分取した分離大豆蛋白質として様々な食品に利用されて
いる。
【0003】この中で,特にゲル形成性を必要とする食
品に利用しようとすると食感において歯切れが悪く,ね
とついてくるので使用に制約があった。
【0004】一方,大豆蛋白質の主成分が11Sグロブ
リン(グリシニン)と7Sグロブリン(β−コングリシ
ニン)の混合物であることは良く知られており,各々の
性質に関して多くの研究がなされている。(「大豆とそ
の加工」著 齋尾恭子等)
【0005】しかしこれらの研究は学術的に興味ある知
見ではあるが,いずれも未加熱の11Sグロブリンと7
Sグロブリンに関してであった。
【0006】最近,予備加熱が各種蛋白質のゲル形成能
に及ぼす影響について報告がなされているが,それも卵
白(J.Agri.Food.Chem.,Vol.3
8,No1,Page32〜37,1990),乳ホエ
ー(B.B.B,Vol.59,No5,Page83
4〜840,1995),SPI(日本食品工業学会
誌,Vol.28,No8,Page451〜456,
1981)であって大豆蛋白質の主成分である11Sグ
ロブリン,7Sグロブリンの各々については知られてい
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大豆
蛋白質をゲル形成性を必要とする食品に利用する際に食
感において歯切れが良く,ねとつかない大豆蛋白質を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明の一つは,
水系下において予備加熱された7Sグロブリン(β−コ
ングリシニン)を60重量%以上含む大豆蛋白質にあ
る。
【0009】更にこの発明は、塩及び水系下において予
備加熱された7Sグロブリン(β−コングリシニン)を
60重量%以上含む大豆蛋白質を含んだゲル状食品にあ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは,大豆蛋白質の主成
分である11Sグロブリン,7Sグロブリンを分画し,
それぞれについて予備加熱がゲル形成性に及ぼす影響を
種々検討する中で,7Sグロブリンの多い画分(好まし
くは85%以上)が塩の存在下で歯切れのよい食感のゲ
ルを形成するため,ゲル状食品用として好適であるとい
う知見を得た。
【0011】従来の大豆蛋白質の中では11グロブリン
の方が7Sグロブリンよりもゲルに与える影響が大きい
と思われていた(Jounal of Texture Studies,9(1978)1
35〜157)。本発明者の研究結果では、確かにゲルが破断
する強度は11グロブリンの方が大きいが、変形の初期
の段階での同一変形(mm)に対する荷重(g)の値が
大きくなっており(図1)、このことが歯切れの悪さ、
ねとつきの要因と考えられる。一方、7Sグロブリンの
方は上記値が小さいため歯切れのよい食感のゲルを形成
することができる。即ち、破断するまでの割合(荷重÷
変形)が大きい程歯切れがよく、ねとつかず、ゲル状食
品に適していると言える。
【0012】7Sグロブリンの含有量としては、通常の
分離大豆蛋白質にはおよそ25〜35重量%含まれてい
るが、これを分画によって60重量%以上(好ましくは
85重量%以上)にすることにより前記ゲル状食品に適
した大豆蛋白質になる。
【0013】前記7Sグロブリンの分画方法としては、
Thanhらの方法(J.Agr.Food.Che
m.,(1986)24.1117)あるいは広塚らの
方法(特開昭61−23679)等がある。長野らの方
法(特開平5−43597)が簡便に純度の良い7Sグ
ロブリンを分画できるので好ましいが、もちろんこれら
の分画方法にとらわれるものではない。
【0014】予備加熱の条件としては、ゲル化力を増大
するために7Sグロブリンが変性を受ける程度の熱履歴
があればよく、VTISの如き瞬間滅菌機を通して12
0〜150℃(好ましくは130℃〜150℃)の高温
蒸気により60秒〜数秒(好ましくは30秒〜数秒)程
度加熱する。上記7Sグロブリンの変性は、示差走査熱
量計による吸熱ピークのエンタロピーの値が小さくなる
ことや赤外吸収測定計によるアミドIのバンドの吸収が
低下することによって確認できる。
【0015】前記ゲル状食品とは特に限定されない。例
えば半調理冷凍食品(ハンバーグ,肉だんご,シュウマ
イ,グラタン,てりやきチキン,メンチカツ,ビーフカ
ツ等)や水産畜産製品(ハム,ソーセージ,ウィンナ
ー,焼豚,ベーコン,蒲鉾,ちくわ,さつま揚げ,はん
ぺん,つみれ等)を挙げることができる。
【0016】この7Sグロブリン大豆蛋白質を含んだ上
記ゲル状食品には塩が必須で、好ましくはゲル状食品中
に0.5重量%以上含まれているものである。
【0017】塩を構成するものとしてナトリウム塩,カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩,マグネシ
ウム塩等のアルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩等が
挙げられる。特にナトリウム,カリウムの一価のアルカ
リ金属の塩が風味の点で好ましい。
【0018】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を掲げてこの発明
を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの
例示に限定されない。なお、例中に示す部及び%は重量
基準を意味する。
【0019】実施例1 脱脂大豆(粗蛋白:46.2%,NSI:87)1部に
15部の水を加え、ホモミキサーにて室温下に低速で攪
拌、20%水酸化ナトリウム溶液でpH7.5に維持し
ながら30分間抽出した。しかる後、抽出液をろ布でろ
過し、次いで9200Gで20分間遠心分離して不溶物
を除去した。
【0020】このようにして得た抽出液(豆乳)に、1
0mMになるように亜硫酸水素ナトリウム(SO2 含量
60〜69%のものを豆乳1リットルに対し0.98
g)を加え、20%の塩酸でpH6.4に調製した後、
氷水中で一夜放置して沈殿した蛋白画分を6760Gで
20分間遠心分離することにより11S蛋白画分を分離
した。
【0021】次に、得られた上澄液が0.25Mの溶液
(即ち、イオン強度0.25)になるように塩化ナトリ
ウムを添加し、20%塩酸でpH5.0に調整した。調
整後30分間,4℃に放置後、6760Gで20分間遠
心分離することにより不溶性部分を分離した。その後、
上澄液を冷水で2倍希釈し、イオン強度0.125,p
H4.8に調整して、6760Gで20分間遠心分離す
ることにより7S蛋白画分を得た。この7S蛋白画分の
純度はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で得ら
れたパターンのデンシトメトリーによる面積比で求めた
ら90%であった。
【0022】次に、この7S蛋白画分をNaOHにて中
和し、蛋白質濃度10%の物をプレート式連続殺菌機
(アルファーラバル社のVTIS)にて140℃,15
秒間加熱殺菌後、7Sグロブリンがリッチな分離大豆蛋
白質(7S−SPIという)を得た。
【0023】7S−SPIの含量を変えたSPIを調整
し、蛋白質濃度16%,食塩濃度2.5%の条件で加熱
ゲルを作製した。ゲルは、直径20mm,高さ20mm
のモールド中で、80℃,30分の加熱により形成させ
た。ゲルの物性は、レオナー(株式会社山電製)で測定
した。ジグは、直径3mmの棒の先に直径5mmのフッ
素樹脂加工の球が付いたものを使用し、300mm/m
inの速度で突き刺し試験を行なった。結果を以下の表
1に示す。食感評価は、以下の基準に従い行なった。 (歯切れの良さ,ねとつきの無さ) +++:非常に良い −−−:非常に劣る ++:かなり良い −−:かなり劣る +:やや良い −:やや劣る ±:コントロール(市販のSPIと同等)
【0024】
【表1】 表1 ───────────────────────────────── 7S含量 % 90 75 60 45 30 ───────────────────────────────── (A) 破断荷重 g 401 402 401 405 408 (B) 破断変形 mm 12.1 12.5 13.0 13.5 14.1 (A)÷ (B) 33.14 32.16 31.07 30.00 28.93 食 感 +++ ++ ++〜+ + ± ───────────────────────────────── 上記の表1に示された結果から明らかなように、7Sの
含量が増えるに従い(A÷B)の値が大きくなってお
り、このことが官能的に歯切れがよく、ねとつかないゲ
ルになることを示している。
【0025】実施例2 上記実施例1と同様にして得た7Sの含量が85%のS
PIを調製し、食塩濃度を変える以外は同様に行なっ
た。結果を以下の表2に示す。
【0026】
【表2】 表2 ───────────────────────────────── 食塩濃度 % 0 0.05 0.5 1.5 2.5 ───────────────────────────────── (A) 破断荷重 g 502 495 404 403 404 (B) 破断変形 mm 18.1 17.1 12.4 12.2 12.3 (A)÷ (B) 27.73 28.94 32.58 33.03 32.80 食 感 −− − +++ +++ +++ ───────────────────────────────── 上記の表2に示された結果から明らかなように、食塩を
少量添加することによって(A÷B)の値が大きくなっ
ており、このことが官能的に歯切れがよく、ねとつかな
いゲルになることを示している。
【0027】実施例3及び比較例1 下記配合のソーセージ生地を常法により、折り径48m
mの塩化ビニール製のケーシングに詰め、中心温度が7
2℃になるまで加熱して製造した。
【0028】 ────────────────────────────── 実施例3 比較例1 ────────────────────────────── 豚肉赤身 52部 52部 豚脂 25 25 氷 21 21 7Sが85%のSPI 2 ─ フジプロSE(不二製油株製) ─ 2 食塩 1.4 1.4 重合リン酸塩 0.4 0.4 亜硝酸Na 0.01 0.01 MSG 0.3 0.3 ホワイトペッパー 0.2 0.2 ──────────────────────────────
【0029】上記の方法で得たソーセージのゲルの物性
をレオナー(株山電製)で測定した。ジグは直径10m
mの円柱の棒を使用し300mm/minの速度で突き
刺し試験を行なった。官能評価基準は実施例1と同様に
行なった。結果を以下の表3に示す。
【0030】
【表3】 表3 ───────────────────────────── 実施例3 比較例1 ───────────────────────────── A)破断荷重 g 1209±70 989±43 B)破断変形 mm 7.0±0.3 6.7±0.2 (A)÷(B) 172.71 147.61 食 感 ++ ± ─────────────────────────────
【0031】上記の表3に示された結果から明らかなよ
うに、本発明に従う7S含量が85%になるように調整
したSPIを添加した場合には、通常のSPIを添加し
た場合より(A÷B)の値が大きくなっており、官能的
にも歯切れがよく、ねとつかないソーセージが得られ
た。
【0032】
【発明の効果】水系下において予め加熱された7Sグロ
ブリンが60%以上含まれたSPIをゲル状食品に使用
することにより、従来のSPIに比べて官能的に歯切れ
がよく、ねとつかない食感の食品が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】)食塩濃度2.5%,蛋白質濃度16%の溶液
を80℃,30分間加熱して得たゲルで、各々の蛋白質
が7S,11S画分から調整したSPIと分画前のSP
I(コントロール)の破断変形曲線である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系下において予備加熱し、変性させた7
    Sグロブリン(β−コングリシニン)を60重量%以上
    含む大豆蛋白質。
  2. 【請求項2】塩及び請求項1記載の大豆蛋白質を含んだ
    ゲル状食品。
JP7231753A 1995-09-08 1995-09-08 大豆蛋白質及びゲル状食品 Pending JPH0975007A (ja)

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