JPH0972556A - 浴室の暖房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの低減を図り、入室前に暖房を行うこ
とのできる浴室の暖房装置を提供する。 【解決手段】 給湯器(３)からの廃ガスは、熱交換ユニ
ット(５)を通して温度が低くなり、外部に排出される。
一方、換気扇（11）に取り入れられた浴室(２)の排気
が、廃熱交換ユニット(５)に送られ、この廃熱交換ユニ
ット(５)で、給湯器(３)からの廃熱を熱源として熱交換
されて温められ、浴室(２)内に温風となって吹き出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、浴室を暖房する
ために用いられる暖房装置に関する。

【０００２】

【従来技術】浴室が寒いという意見は大きいものの、従
来では、それを解決する具体的技術としてはバス乾燥機
のみである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
バス乾燥機は値段が高いので設置率が低く、また実際設
置されていても、電気の使用量が大きくなり、ランニン
グコストが高いといった意識からか、利用される割合は
低い。

【０００４】また、実際の利用面での問題点として、浴
室に入る時が最も暖房が必要な時であるため、事前に暖
房を入れる必要があり、浴室につかった後には、暖房の
必要性が薄れるのであるが、現実には、入浴時に暖房ス
イッチを入れるため、暖房の立ち上がりに時間が必要と
なり入浴時の寒さの解消とはなっていない。

【０００５】したがって、本発明の目的は、イニシャル
及びランニングコストの低減を図り、入室前に暖房を行
うことのできる浴室の暖房装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、浴室の換気
用排気の一部又は全部が、給湯器の廃熱との熱交換によ
り温められて、浴室内へ送り込まれることを特徴とする
浴室の暖房装置である。

【０００７】

【作用】この発明に従えば、給湯器から排出される廃熱
は、熱交換されて温度が低くなり、一方、換気扇から取
り入れられた排気の一部又は全部が、熱交換されて温め
られ、暖房用空気として浴室内に送り込まれる。

【０００８】

【実施例】図１は、この発明の一実施例の浴室の暖房装
置(１)の概略的構成を示す断面図であり、図２は、図１
の暖房装置(１)の運転状況を説明するための系統図であ
る。浴室(２)の外側には、給湯器(３)が設置されてい
る。この給湯器(３)としては、スイッチを押すと、浴槽
(４)にお湯が溜まって自動的に止まり、お湯が少なくな
ったりするとお湯を入れることができる自動お湯張り機
能を有するものや、湯温が下がったときに追い焚きする
ことができる自動追い焚き機能を有するものが好まし
い。

【０００９】また、浴室(２)の外側には、前記給湯器
(３)と連結される廃熱交換ユニット(５)が設置される。
この廃熱交換ユニット(５)には、給湯器(３)からの排ガ
スが浴室(２)内に侵入しないことを考慮すると、気密に
仕上げられており、汚染空気との混合が無い、効率が高
い、取扱い容易などの特徴を有するヒートパイプ型のも
のが望ましい。

【００１０】廃熱交換ユニット(５)下部には、排気調整
弁(10)が設置されており、この弁(10)を調整することに
よって、循環される排気の量が０〜１００パーセントの
間で調節される。

【００１１】浴室(２)の天井部分には、換気扇(11)が取
り付けられる。図３は、換気扇(11)を説明するための簡
略化した拡大断面図である。換気扇(11)は、たとえばシ
ロッコファン等と呼ばれるファン(12)を使用しており、
このファン(12)は、排気パイプ(14)を有するファンケー
ス(15)に収納されて支持されており、排気を軸心方向か
ら取り入れて外周方向に流す。ファンケース(15)は、排
気パイプ(14)を外側に突出させた状態で、下部に開口の
ある箱形の外部ケース(16)に支持されて収納され、ファ
ン(12)の上流側の給気口(18)を形成する外側周端部には
吸気管(19)の上端が固定されている。この吸気管(19)の
下端には、グリルプレート(20)が、このグリルプレート
(20)に設けられる網部(21)に吸気管(19)の口部を合致さ
せた状態で固定される。このとき、グリルプレート(20)
と外部ケース(16)との間には、間隙が形成される。ま
た、外部ケース(16)には、前記排気を循環させるための
給気パイプ(23)が接続されている。(24)は浴室(２)の天
井壁である。

【００１２】上述のような構成において、暖房運転は、
たとえば自動お湯張りを開始すると、これに連動して換
気扇(11)が運転され、給湯器(３)から排出される排ガス
は、廃熱交換ユニット(５)を通して温度が低くなり、矢
符(30)方向に示すように外部に排出される（図１参
照）。

【００１３】一方、図１及び図３を参照して、浴室(２)
内の排気は、矢符(31)に示すように、吸気口である網部
(21)から吸気管(19)によって形成される給気通路(22)を
通過してファン(12)に取り入れられ、矢符(32)で示すよ
うに、ファンケース(15)の排気パイプ(14)から排出さ
れ、廃熱交換ユニット(５)で、給湯器(３)からの廃熱を
熱源として熱交換されて温められる。そして、廃熱交換
ユニット(５)下部の弁(10)で、前記排気の循環される量
が調整され（循環されない排気は、ベントキャップ(25)
を介して外部に排出される。）、この温められた排気
は、矢符(34)で示すように、給気パイプ(23)を通って外
部ケース(16)に取り入れられ、外部ケース(16)とファン
ケース(15)周辺との間に形成される空間(26)をチャンバ
ーとして、矢符(33)で示すように浴室(２)内に温風とな
って吹き出される。

【００１４】さらに、上述の運転状況を図２で説明する
と、換気扇(11)の排気は矢印ａ、ｂの方向に進み、廃熱
交換ユニット(５)で熱交換されて温められ、矢印ｃの方
向に進んで弁(10)によって調整され、排気の一部又は全
部が矢印ｄ、ｅ、ｆの方向に進み換気扇(11)から浴室
(２)内に吹き出されて循環される。

【００１５】これによって、自動お湯張り機能を有する
ものは、自動お湯張り時間中に暖房が行われるように構
成され、スイッチを押してからお湯が溜まって自動的に
止まるまでは２０分くらいかかるので、浴室(２)に入る
前に適度な浴室(２)内の暖房を行うことができる。

【００１６】なお、暖房が不要な場合は、排気調整弁(1
0)を切換えて、排気パイプ(14)の排気を全量ベントキャ
ップ(25)から排出すればよい。

【００１７】また、自動追い焚き機能を有するものは、
自動追い焚き時間中に暖房が行われるように構成され、
前記お湯張り機能にこれが加わると、より一層効果的に
なる。

【００１８】なお、自動お湯張り時間中や自動追い焚き
時間中だけでなく、シャワー使用時等を含む給湯器運転
時間中に暖房を行うように構成してもよく、また普通の
給湯器を使用して給湯器運転中に暖房を行うようにして
もよい。

【００１９】このように給湯器(３)で燃焼させる際に排
出される廃熱を熱源として浴室(２)内の暖房が行われる
ので、ランニングコストの低減を図ることができる。ま
た、お湯張り時に熱源を供給するため、浴室(２)に入る
前に浴室(２)内を暖める事ができる。

【００２０】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、給湯器
で燃焼させる際に排出される廃熱を熱源として用いるた
め、換気扇のみのランニングコストにより浴室内を暖房
することが可能になり、大幅なコストの低減を図ること
ができる。

【００２１】しかも、お湯張り時に熱源を供給するた
め、浴室に入る前に浴室内を暖める事ができ、従来の問
題点であった浴室に入る際の寒さを解消することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の浴室の暖房装置(１)の概
略的構成を示す断面図である。

【図２】図１の暖房装置(１)の運転状況を説明するため
の系統図である。

【図３】換気扇を説明するための簡略化した拡大断面図
である。

【符号の説明】

(１) 浴室の暖房装置 (２) 浴室 (３) 給湯器 (５) 廃熱交換ユニット (11) 換気扇

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 公良 大阪市北区大淀中一丁目１番88号 積水ハ ウス株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴室の換気用排気の一部又は全部が、給
   湯器の廃熱との熱交換により温められて、浴室内へ送り
   込まれることを特徴とする浴室の暖房装置。