JPH0971646A - ポリイミドの製造方法 - Google Patents

ポリイミドの製造方法

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JPH0971646A
JPH0971646A JP23009495A JP23009495A JPH0971646A JP H0971646 A JPH0971646 A JP H0971646A JP 23009495 A JP23009495 A JP 23009495A JP 23009495 A JP23009495 A JP 23009495A JP H0971646 A JPH0971646 A JP H0971646A
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aminophenoxy
polyimide
bis
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hydrocarbon
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Application number
JP23009495A
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English (en)
Inventor
Miyoshi Shirasaki
美佳 白崎
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】除去が容易で、吸湿性が低く、低沸点で安価な
溶媒中で、ポリイミドを製造する方法を提供すること。 【解決手段】炭化水素溶媒中でテトラカルボン酸二無水
物あるいはそのジエステルジカルボン酸誘導体とジアミ
ノ化合物を反応させることを特徴とするポリイミドの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリイミドの新規な
製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、高耐熱
性、高接着性、良絶縁性、低吸湿性、低誘電特性等の諸
物性および加工性に優れたポリイミドを、炭化水素溶媒
中でテトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体とジ
アミノ化合物を反応させることにより、安易かつ安価な
製造条件で得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドはその高耐熱性に加え、機械
的強度や電気絶縁性に優れた特性を活かして、電気、電
子分野において多用されている。ポリイミドの従来の製
法は、テトラカルボン酸二無水物あるいはジアルキルエ
ステルジカルボン酸に代表されるテトラカルボン酸二無
水物の官能性誘導体と、ジアミノ化合物あるいはジイソ
シアネートとを有機溶媒中で反応させるというものであ
るが、ポリイミドやその前駆体であるポリアミド酸は一
般に溶解性が悪く、反応溶媒には溶解性の高い極性溶
媒、例えばN―メチル―2―ピロリドンやN、N―ジメ
チルアセトアミド等のアミド系溶媒、ジグライム、1,
4―ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶
媒、クレゾールやクロロフェノール等のフェノール系溶
媒、γ―ブチロラクトン等のラクトン類、ニトロベンゼ
ン、ベンゾニトリル、ピリジン等が使用されている。だ
がこれらの溶媒は好ましくない点が多々ある。例えば、
ポリイミド合成に通常使われるアミド系溶媒は、ポリイ
ミドやその前駆体であるポリアミド酸と親和性が高いた
め成形後のポリイミドより完全に除去するためには高温
乾燥が必要で作業性に難があり、残留溶媒により発泡す
る恐れがある他、吸湿性が高いため成形時に白化が起き
やすい点や、溶媒自体が高価な点が好ましくない。フェ
ノール系溶媒は激しい刺激臭を有し、皮膚に付着すると
炎症を起こす。また塩素含有溶媒においては、電気、電
子用途の場合含有する塩素により腐食の危険性があり好
ましくない。
【0003】また可溶性のポリイミドの簡便な合成方法
であるワンポット合成法で合成する場合には、イミド化
を完結し高分子量のポリイミドを得るため、高沸点の反
応溶媒、例えばN―メチル―2―ピロリドン、m―クレ
ゾール、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン等を使用し
て、200℃内外の高温で副生する水を系外に除去しな
がら反応させなければならない。この場合反応温度が高
温のため作業上や合成装置面で手間がかかり、また溶媒
自体が高価なので、工業的にはより安易かつ安価な方法
が望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶媒
除去が容易で、吸湿性が低く、低沸点で安価な溶媒中
で、ポリイミドを製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、反応溶媒として炭化水素を用いることにより上
記目的を果たすことができること、また特定な構造を有
するポリイミドが変性を行わずともイミド化後も溶媒可
溶性を保持し、特に炭化水素溶媒にも良く溶解すること
を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、炭
化水素溶媒中でテトラカルボン酸二無水物あるいはその
ジエステルジカルボン酸誘導体とジアミノ化合物を反応
させることを特徴とするポリイミドの製造方法に関する
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で製造されるポリイミド
は、一般式(1)
【0007】
【化5】 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または硫黄原
子を表す。Rはハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素
基または炭素数1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、
aは0〜4の整数で置換基の数を表す。但し、複数のR
およびaはそれぞれ独立に異なった置換基および値をと
りうる。)で表されるジアミノ化合物と、一般式(2)
【0008】
【化6】 (式中、Yは炭素数2以上の4価の有機基を表す。)で
表されるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られ
るものであることが望ましい。
【0009】一般式(1)において、Rとして使用され
るハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨ
ウ素が挙げられ、炭素数1〜6の炭化水素基および炭素
数1〜6の含ハロゲン化炭化水素基としては、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの直鎖
または分鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基等の炭化水素基およびこれらの炭化水素基の水素原
子の一つ以上をハロゲン原子で置換した基が挙げられ
る。
【0010】一般式(1)において、Xとして使用され
る炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜6
のアルキレン基、炭素数2〜14のアルキリデン基、炭
素数7〜20のフェニルアルキリデン基または脂環構造
を含む炭素数5〜20の炭化水素基が挙げられる。炭素
数1〜6のアルキレン基の代表例としては、メチレン
基、エチレン基等、炭素数2〜14のアルキリデン基の
代表例としては、エチリデン基、プロピリデン基、ブチ
リデン基、ペンチリデン基、ヘキシリデン基、ヘプチリ
デン基等の直鎖または分鎖状のアルキリデン基、炭素数
7〜20のフェニルアルキリデン基の代表例としては、
フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニ
ルプロピリデン基等の直鎖または分鎖状のフェニルアル
キリデン基を挙げることができる。また、脂環構造を含
む炭素数5〜20の炭化水素基の代表例としては、式
(b)、(c)、(d)、(e)、(f)または(g)
【0011】
【化7】 等で表される基およびこれらの脂環中の水素原子の1つ
以上をメチル基、エチル基等のアルキル基で置換した基
が挙げられる。この中でも式(b)、(c)および
(d)で表される基が好ましい。更に一般式(1)で表
されるジアミノ化合物のうち、式(a)
【0012】
【化8】 (式中、Xはブチリデン基または硫黄原子を表す。)で
表されるものも好ましい化合物の一群である。
【0013】一般式(1)で表されるジアミノ化合物の
代表例を示すと次の通りである。ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニ
ル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)
−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕スルフィド、
1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−t
−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン、1,1−ビス
〔3−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6
−メチルフェニル〕ブタン、1,1−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェ
ニル〕ペンタン、1,1−ビス〔3−(4−アミノフェ
ノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ペン
タン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−
3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ヘキサン、1,
1−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブ
チル−6−メチルフェニル〕ヘキサン、1,1−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6
−メチルフェニル〕ヘプタン、1,1−ビス〔3−(4
−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフ
ェニル〕ヘプタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕メンタン、ビス〔2−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メンタン、1−〔2−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−8−〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メンタン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕メンタン、ビス〔2−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メンタン、1−〔2−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕−8−〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メンタン、ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕メンタ
ン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル〕メンタン、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕メンタ
ン、ビス〔4−(4−アミノ−5−メチルフェノキシ)
−3−メチルフェニル〕メンタン、ビス〔4−(4−ア
ミノ−5−メチルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル〕メンタン、ビス〔4−(4−アミノ−5−メチル
フェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕メン
タン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3−メチ
ルフェニル〕メンタン、1−〔2−(4−アミノフェノ
キシ)−3−メチルフェニル〕−8−〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕メンタン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔2−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ[5,2,1,0
2,6 ]デカン、〔2−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕トリ
シクロ[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ[5,2,
1,02,6 ]デカン、ビス〔2−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカ
ン、〔2−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕トリシク
ロ[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕
トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔4−
(4−アミノ−5−メチルフェノキシ)−3−メチルフ
ェニル〕トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカン、ビ
ス〔4−(4−アミノ−5−メチルフェノキシ)−3,
5−ジメチルフェニル〕トリシクロ[5,2,1,0
2,6 ]デカン、ビス〔4−(4−アミノ−5−メチルフ
ェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕トリシ
クロ[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス〔2−(4−
アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デカン、〔2−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−メチルフェニル〕−〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デカン等が例示される。これら
の中でも、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メンタ
ンおよびビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5
−ジメチルフェニル〕トリシクロ[5,2,1,
2,6 ]デカンが好ましい。
【0014】一般式(1)で表されるジアミノ化合物
に、他のジアミノ化合物を混合して使用してもよい。他
のジアミノ化合物の代表例としては、以下のものが挙げ
られる。m―フェニレンジアミン、p―フェニレンジア
ミン、2,4―ジアミノトルエン、2,6―ジアミノト
ルエン、3,3’―ジアミノジフェニルエーテル、3,
4’―ジアミノジフェニルエーテル、4,4’―ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3’―ジアミノジフェニル
メタン、3,4’―ジアミノジフェニルメタン、4,
4’―ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’
―テトラブロモ―4,4’―ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3’―ジアミノジフェニルスルフィド、3,
4’―ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’―ジア
ミノジフェニルスルフィド、3,3’―ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,4’―ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン、1,3―
ビス(4―アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4―ビス
(4―アミノフェノキシ)ベンゼン等が例示される。こ
れらジアミノ化合物は単独あるいは2種以上混合して良
いが、良好な溶解性を得るためには、ジアミノ化合物全
量のうち一般式(1)で表されるジアミノ化合物が70
%以上占めることが望ましい。
【0015】一般式(2)で表されるテトラカルボン酸
二無水物は上記のジアミノ化合物と縮合反応しうるもの
であれば如何なるものも適用可能であるが、代表例とし
ては、以下のものが挙げられる。エチレンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピ
ロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェ
ニルヘキサフルオロイソプロピリデンテトラカルボン酸
二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,7,8−フェナントラセンテトラカ
ルボン酸二無水物、4−(1,2−ジカルボキシルエチ
ル)−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,2−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビ
ス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン二無水物、5−(1,2−ジカルボキシル
エチル)−3−メチル−1,2,5,6−テトラハイド
ロフタル酸二無水物、6−メチル−トリシクロ[6,
2,2,02,7 ]−ドデカ−6,11−ジエン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物等が例示され
る。これらテトラカルボン酸二無水物は、単独あるいは
2種以上混合して使用される。
【0016】本発明で使用される炭化水素としてはシク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キ
シレン、o―キシレン、m―キシレン、p―キシレン、
メシチレン、クメン、o―シメン、m―シメン、p―シ
メン、ソルベントナフサ等が挙げられる。これらの中で
もキシレン類が特に好ましい。これらの溶媒は単独ある
いは2種以上混合して使用しても良い。濃度は、ジアミ
ノ化合物とテトラカルボン酸二無水物の重量の和で1〜
50重量%、好ましくは5〜30重量%程度となるよう
に調製する。
【0017】本発明で使用される炭化水素には、溶解性
や反応温度の調節のため、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジグライム、メチルイソブチルケトン、
m−クレゾール、γ−ブチロラクトン等の相溶する極
性溶媒を混合してもよいが、本発明の趣旨を考えると、
混合の割合は溶媒全量のうち30%程度までに留めたほ
うがよい。
【0018】本発明におけるポリイミドの合成方法とし
ては、ポリイミドを合成可能な方法ならいかなる方法で
も適用可能であるが、中でも、ジアミノ化合物とテトラ
カルボン酸二無水物を溶媒中熱的に反応させる、いわゆ
るワンポット合成法が好ましい。生成する水は反応溶媒
と共沸により系外に排出する。ポリイミドの合成に先だ
って原料中の水分を公知の方法で十分に除去しておき、
反応中は乾燥窒素気流下で行うことが好ましい。反応圧
力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間
は用いるジアミノ化合物およびテトラカルボン酸二無水
物の種類、溶媒、反応温度により異なるが、通常5〜2
4時間である。
【0019】ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水
物のモル比は1/0.5から1/2の範囲から選ばれ、
高分子量体を得たい場合には1/1に近いモル比で反応
が行われる。また分子量を制御するために、芳香族モノ
アミノ化合物や芳香族ジカルボン酸無水物を添加して、
末端を非反応性にする方法も用いることができる。反応
を促進させる触媒として、安息香酸やイソキノリン等を
添加することもできる。また得られるポリイミドの耐燃
性や接着性付与等の物性改良のため、反応型あるいは非
反応型の適当な添加剤を加えることもできる。
【0020】得られたポリイミドは、反応溶液をそのま
まフィルム等の成形に供することができる。または反応
溶液をメタノール等の貧溶媒に注いで生成したポリイミ
ドを沈澱させて粉末とした後、粉末をそのまま、または
適当な溶媒に再溶解させて、成形に供することもでき
る。
【0021】得られたポリイミドの用途としては、電気
・電子部品の各種保護膜や層間絶縁膜、フレキシブルプ
リント基板やTABテープのベースフィルム、耐熱性接
着剤、液晶表示素子の配向膜、ガス分離膜や透過膜、成
型用樹脂等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限される
ものではない。尚、本実施例および比較例にて用いた測
定方法および装置は次の通りである。 固有粘度ηinh.:0.5g/dlのo−キシレン溶液を
調製し、ウベローデ粘度計を使用して30℃の恒温槽中
で落下時間を測定し、次式により算出した。 ηinh.=〔ln(t/t0)〕/0.5〔dl/g〕 ただし、t :粘度計で測定される溶液の落下時間
(秒) t0 :同様に測定される溶媒の落下時間(秒) 赤外吸収スペクトル:日本分光工業社製 IR−700
装置を使用して測定した。
【0023】実施例1 窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置、o―キシレンを満
たしたディーン・スターク管を備えた100ml4つ口
フラスコに、ピロメリット酸二無水物2.18g(0.
01mol)およびo―キシレン24.3gを仕込み、
窒素気流下135℃まで昇温し溶解させたところへ、
1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−t
−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン5.64g
(0.01mol)をo―キシレン20.0gに溶解さ
せた溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下と同時に
ポリアミド酸が析出したが、5分程で析出物は溶解し均
一な溶液になった。イミド化に伴い生成した水を共沸に
より系外へ除きながら窒素気流下140℃で8時間撹拌
した。赤外吸収スペクトルを測定したところ、5員環イ
ミド基の特性吸収帯である1720cm-1および178
0cm-1付近の吸収が認められるが、アミド基に由来す
る1650cm-1付近の吸収は認められず、イミド化完
結を確認した。得られたポリイミドの固有粘度は0.6
0dl/gであった。
【0024】実施例2 窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置、o―キシレンを満
たしたディーン・スターク管を備えた100ml4つ口
フラスコに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物2.94g(0.01mol)および
o―キシレン28.6gを仕込み、窒素気流下135℃
まで昇温したところ(酸二無水物は溶けきらず懸濁状
態)へ、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン5.6
4g(0.01mol)をo―キシレン20.0gに溶
解させた溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下と同
時にポリアミド酸が析出したが、20分程で析出物は溶
解し均一な溶液になった。イミド化に伴い生成した水を
共沸により系外へ除きながら窒素気流下140℃で8時
間撹拌し、赤外吸収スペクトルを測定してイミド化完結
を確認した。得られたポリイミドの固有粘度は0.55
dl/gであった。
【0025】比較例1 窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置を備えた100ml
4つ口フラスコに、1,1−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブ
タン5.64g(0.01mol)およびN―メチル―
2―ピロリドン44.3gを仕込み溶解させたところ
へ、ピロメリット酸二無水物2.18g(0.01mo
l)を仕込み、窒素気流下室温で一晩撹拌してポリアミ
ド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸の固有粘度は、
0.5g/dlのN―メチル―2―ピロリドン溶液を調
製して同様に測定したところ0.63dl/gであっ
た。次にポリアミド酸溶液を140℃まで昇温し、窒素
気流下生成した水を窒素と共に系外へ除きながら20時
間撹拌したが、イミド化完結に至らなかった。
【0026】比較例2 比較例1と同様にポリアミド酸溶液を得て、実施例1と
同じ8時間でイミド化が完結する反応温度を調べたとこ
ろ、190℃の反応温度が必要であった。このとき得ら
れたポリイミドの固有粘度は0.57dl/gであっ
た。
【0027】実施例1、2および比較例2にて得られた
ポリイミドの反応溶液をガラス板上にキャストした。比
較例2で得られた溶液はキャスト後3分もすると白化が
見られたが、実施例1および2で得られた溶液では白化
は見られなかった。実施例1および2で得られた溶液を
キャストしたものは通風オーブン中150℃で1時間、
比較例2で得られた溶液をキャストしたものは減圧下2
00℃で3時間それぞれ乾燥後剥離し、それぞれ30μ
m厚のポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの
外観はどれもボイドや白濁等が観測されず良好であっ
た。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明におけるポリイミ
ドの製造方法は、炭化水素溶媒中で反応させることによ
り低温短時間で反応完結させることが可能となり、また
溶媒除去が容易なため作業性や信頼性が向上し、製造そ
の他に関わる装置も簡便にできて、工業的に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成例1のポリイミドの赤外吸収スペ
クトルを示すものである。
【図2】本発明の合成例2のポリイミドの赤外吸収スペ
クトルを示すものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素溶媒中でテトラカルボン酸二無水
    物あるいはそのジエステルジカルボン酸誘導体とジアミ
    ノ化合物を反応させることを特徴とするポリイミドの製
    造方法。
  2. 【請求項2】ジアミノ化合物が、一般式(1) 【化1】 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または硫黄原
    子を表す。Rはハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素
    基または炭素数1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、
    aは0〜4の整数で置換基の数を表す。但し、複数のR
    およびaはそれぞれ独立に異なった置換基および値をと
    りうる。)で表される化合物であり、テトラカルボン酸
    二無水物が一般式(2) 【化2】 (式中、Yは炭素数2以上の4価の有機基を表す。)で
    表される化合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(1)のジアミノ化合物が式(a) 【化3】 (式中、Xはブチリデン基または硫黄原子を表す。)で
    表されるものである請求項2記載のポリイミドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】一般式(1)において、Xが式(b)、
    (c)または(d) 【化4】 で表されるものである請求項2記載のポリイミドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】一般式(1)中のエーテル酸素原子の置換
    位置に対するアミノ基のそれがパラ位である請求項2、
    3または4記載のポリイミドの製造方法。
  6. 【請求項6】炭化水素溶媒がトルエンまたはキシレンで
    ある請求項1、2、3、4または5記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002023276A1 (en) * 2000-09-12 2002-03-21 Pi R & D Co., Ltd. Negative photosensitive polyimide composition and method of forming image from the same
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