JPH0971438A - 被膜形成用組成物 - Google Patents

被膜形成用組成物

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JPH0971438A
JPH0971438A JP22764195A JP22764195A JPH0971438A JP H0971438 A JPH0971438 A JP H0971438A JP 22764195 A JP22764195 A JP 22764195A JP 22764195 A JP22764195 A JP 22764195A JP H0971438 A JPH0971438 A JP H0971438A
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zirconium
film
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zirconium alkoxide
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JP22764195A
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Koichiro Nakamura
浩一郎 中村
Koichi Maeda
浩一 前田
Katsuhiko Kinugawa
勝彦 衣川
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/22Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with other inorganic material
    • C03C17/23Oxides
    • C03C17/25Oxides by deposition from the liquid phase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/20Materials for coating a single layer on glass
    • C03C2217/21Oxides
    • C03C2217/22ZrO2

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒に対する溶解性が良くコーティング
液を容易に調製でき、水分に対する保存安定性に優れ、
コーティング作業性の良い被膜形成用組成物を提供す
る。 【解決手段】 β−ケトエステル化合物およびβ−ジケ
トン化合物でキレート化したジルコニウムアルコキシド
キレート化物を含有する被膜形成用組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被膜形成用組成
物、特にガラス、金属、半導体などの基板に被膜を形成
するコーティング性、保存安定性に優れた組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】湿式法により、ガラス、金属、半導体な
どの基板に機能性薄膜、例えば紫外線遮蔽薄膜、熱線反
射薄膜、反射防止膜などの光学薄膜を形成する方法が提
案されてきている。このような機能性薄膜に化学的、機
械的保護機能を付与するために、これらの被膜の組成に
はZiO2 を含むものが多く使われている。ジルコニウ
ムの酸化物の出発原料として、ジルコニウムアルコキシ
ドを主成分としたコーティング液組成が用いられてい
る。ジルコニウムアルコキシドは反応性が高いためゲル
化が速く、粘度が急激に上昇するため、調合後短期間内
に使用しない限りコーティング作業性が困難となる。ま
た高湿度の雰囲気下でコーティング作業を行うと膜面が
白化し、そのために透明な外観が必要とされる用途には
使用できない。さらにコーティング液中に含まれる水分
が原因で保存中に沈殿物が生じるため、コーティング液
の保存安定性に劣るという問題がある。
【0003】このような問題点を解決するために、β−
ジケトン化合物またはβ−ケトエステル化合物でキレー
ト化したジルコニウムアルコキシドを原料とするコーテ
ィング液組成物を用いることが開示されている〔峠登ら
の論文Jpn. J. Appl. Phys.Vol.33(1994) pp.L1181-L11
84、およびJournal of Sol-Gel Science and Technolog
y, 2, 581-585(1994)など〕。しかしながら安定性を高
めるため、β−ジケトン化合物としてアセチルアセトン
2分子を、1分子のジルコニウムアルコキシドに配位さ
せたキレート化合物は有機溶媒に対する溶解性が小さ
く、コーティング液の濃度を任意に調整し難いため使用
範囲が著しく限定される。またβ−ケトエステル化合物
をキレート試薬として用いた場合についても、水分に対
する安定性は充分とはいえなかった。
【0004】以上のように従来では、水に対する安定性
と有機溶媒に対する溶解性の両者を充分に満足するジル
コニウム酸化物原料を含むコーティング液組成物は知ら
れていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題を解決して、有機溶媒に対する溶解性が良くコ
ーティング液を容易に調製することができ、水分に対す
る保存安定性に優れ、コーティング作業性の良い被膜形
成用組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては有機溶媒に対して溶解性の良いβ
−ケトエステル化合物と安定性に優れたβ−ジケトン化
合物で、同時にキレート化したジルコニウムアルコキシ
ドキレート化物を含有する被膜形成用組成物を用いる。
【0007】本発明で使用されるジルコニウムアルコキ
シドとして、テトラメトキシジルコニウム、テトラエト
キシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウ
ム、テトライソプロポキシジルコニウムイソプロパノー
ル錯体、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライ
ソブトキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニ
ウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム 、テトラt−
ブトキシジルコニウムなどのようなジルコニウムテトラ
アルコキシド類が好便に使用できる。ジルコニウムモノ
クロリドトリアルコキシド、ジルコニウムジクロリドジ
アルコキシドなどのジルコニウムハロゲン化物のアルコ
キシドなどを使用することもできる。また上記のジルコ
ニウムアルコキシドのアルコキシ基のうちの少なくとも
一つが酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、アクリル酸、メ
タクリル酸などの有機酸類で置き換わったアルコキシジ
ルコニウム有機酸塩類を用いることも可能である。
【0008】上記ジルコニウムアルコキシドをキレート
化するためのキレート試薬について説明する。β−ケト
エステル化合物としては、アセト酢酸メチル、アセト酢
酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、ア
セト酢酸フェニルのようなアセト酢酸エステルを列挙す
ることができ、これらの中でアセト酢酸アルキルエステ
ル、特にアセト酢酸メチルおよびアセト酢酸エチルが比
較的に安価に入手できるので好適である。またβ−ジケ
トン化合物としては、アセチルアセトン、2,2,6,6-テト
ラメチル-3,5-ヘプタンジオン、ビニルアセチルアセト
ン などが挙げられるが、安価に入手できる点でアセチ
ルアセトンが好ましい。
【0009】次に、ジルコニウムアルコキシドに対する
キレート化剤の混合割合について説明する。ジルコニウ
ムアルコキシドとβ−ケトエステル化合物とβ−ジケト
ン化合物のモル比を(ジルコニウムアルコキシド):
(β−ケトエステル化合物):(β−ジケトン化合物)
=x:y:zで表したとき、1≦y/x≦3,1≦z/x≦3
の範囲にあることが好ましい。さらには、x=y=z=1
であることがより好ましい。
【0010】本発明の被膜形成用組成物中には、上記の
ジルコニウムアルコキシドのキレート化物のほかに、珪
素、チタン、セリウム、亜鉛などの酸化物の原料となる
組成物を含んでいてもよい。膜特性、屈折率を調節する
ために、二酸化珪素の原料化合物である有機シリコン化
合物を含んでいてもよい。使用される有機シリコン化合
物としては、Si(OR)4 、(ここでRはメチル基、
エチル基、プロピル基、またはブチル基)で表されるテ
トラアルコキシシランおよびこれらの加水分解縮合物が
好適に用いられる。あるいは SiR'4-n(OR)n、
(ここでRはメチル基、エチル基、プロピル基、または
ブチル基、R' はメチル基、エチル基、プロピル基、ビ
ニル基、γ−クロロプロピル基、γ−アミノプロピル
基、γ−メタクリロキシプロピル基、またはγ−メルカ
プトプロピル基、nは1〜3の整数)のような、いわゆ
るシランカップリング剤なども使用できる。
【0011】本発明の組成物は、前記したように有機シ
リコン化合物を含有していてもよく、珪素とジルコニウ
ムは任意の割合で混合できる。テトラアルコキシシラン
を二酸化珪素の原料として用いた場合には、ガラス、金
属、半導体基板表面に対する濡れ性を向上させるため、
アルコキシシランを加水分解させたものが好適に用いら
れる。アルコキシシランの加水分解には、酸触媒と水が
用いられる。モル比Si/Zrの値が大きい場合には、
相対的にジルコニウムキレート化物に対する酸触媒と水
の割合が大きくなり、加水分解縮合反応によりゲル化を
生じ易くなるが、本発明で用いられるジルコニウムキレ
ート化合物は水に対する安定性が著しく高いため、アル
コキシシラン加水分解物の量を増やしても何ら問題はな
い。通常は有機シリコン化合物とジルコニウムアルコキ
シドのキレート化物とをモル比Si/Zrの値で表し
て、0.2〜5.0の混合したものが使用される。
【0012】また本発明で用いられるジルコニウムキレ
ート化合物は、有機溶媒に対する溶解性も著しく高いた
め、ジルコニア含量を増すために、ジルコニウムキレー
ト化合物濃度を上げることが可能である。このコーティ
ング液組成物は高い湿度、例えば相対湿度70%の雰囲
気中でコーティングしても白化することなく、膜の透明
性が損なわれることがない。コーティングに際しては、
全固形分換算濃度の値を3〜15%の範囲内に入るよう
に有機溶媒で希釈することにより、液の粘度を調節して
使用される。
【0013】本発明の組成物に用いられる有機溶媒は、
コーティング方法に依存する。例えば、グラビアコート
法、フレキソ印刷法、ロールコート法の有機溶媒として
は、蒸発速度の遅い溶媒が好適である。これは蒸発速度
が速い溶媒では、充分にレベリングが行われないうちに
溶媒が蒸発してしまうためである。溶媒の蒸発速度は、
酢酸ブチルのそれを100とした相対蒸発速度指数で一
般的に評価されている。この値が40以下の溶媒は”き
わめて遅い”蒸発速度をもつ溶媒として分類されてお
り、このような溶媒がグラビアコート法、フレキソ印刷
法、ロールコート法の有機溶媒として好ましい。例え
ば、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブ
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、へキシレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リプロピレングリコール、ジアセトンアルコール、テト
ラヒドロフルフリルアルコールなどが挙げられる。本発
明のコーティング液組成物は、このような溶媒を少なく
とも1種を含むことが望ましいが、コーティング液の粘
度、表面張力などを調節するために上記の溶媒を複数用
いても構わない。蒸発速度が速くて100を超える相対
蒸発速度指数を有する溶媒、例えばメタノール(61
0)、エタノール(340)、n−プロパノール(11
0)、イソプロパノール(300)、ブタノールのよう
な溶媒(カッコ内の数字は上記相対蒸発速度指数値を表
す)を上記の40以下の相対蒸発速度指数を有する溶媒
と混合して使用する場合には、全体の溶媒中で、40以
下の相対蒸発速度指数を有する溶媒が50体積%含有さ
せることが好ましい。
【0014】本発明の被膜形成用組成物は、次のように
して調製する。所定量のジルコニウムアルコキシド、β
−ケトエステル化合物およびβ−ジケトン化合物を、有
機溶媒に20〜80重量%の濃度になるように加えて室
温で1〜5時間攪拌する。これにより、ジルコニウムア
ルコキシドキレート化物を含む被膜形成用組成物が得ら
れる。
【0015】被膜形成用組成物中にジルコニウムアルコ
キシドのキレート化物のほかに、珪素、チタン、セリウ
ム、亜鉛などの酸化物の原料となる組成物を含有させる
場合、例えば有機シリコン化合物を含有させる場合は、
アルコキシシランおよび酸触媒を有機溶媒に順次加え
て、室温で1〜5時間攪拌してアルコキシシランを部分
加水分解させた溶液を得た後、これに、有機溶媒、ジル
コニウムアルコキシド、β−ケトエステル化合物および
β−ジケトン化合物を加えて室温で1〜5時間攪拌する
ことにより、ジルコニウムアルコキシドキレート化物お
よびアルコキシシラン加水分解物を含む被膜形成用組成
物が得られる。
【0016】コーティング方法としては、特に限定され
るものではないが、例えば、スピンコート法、ディップ
コート法、スプレーコート法、印刷法等が挙げられる。
特に、グラビアコート法、フレキソ印刷法、ロールコー
ト法、スクリーン印刷法などの印刷法は、生産性が高く
コーティング液組成物の使用効率が良いので好適であ
る。
【0017】本発明の被膜形成用組成物は、上記コーテ
ィング法により基板上に塗布され、その後、酸化性雰囲
気中で100〜300℃の温度で5〜200分乾燥した
後、500〜700℃以上の温度で10秒〜5分間焼成
することにより、厚みが20〜200nmの、ジルコニ
アを含む酸化物の薄膜が製造される。
【0018】以下に、本発明で用いられるジルコニウム
化合物の作用について述べる。本発明で用いられるジル
コニウム化合物は水に対する安定性に優れ、一方、有機
溶媒に対する溶解性に優れている。この理由は、推定の
域を出ないが次のように説明できる。ジルコニウムアル
コキシドのキレート化剤として用いているβ−ジケトン
化合物は、アセチルアセトンを例にとると、以下に示す
ようなケト形とエノール形の平衡混合物として溶液中で
存在している。 CH3COCH2COCH3(ケト形) CH3COCH=C(OH)CH3(エノール形)
【0019】有機溶媒中のような中性条件下では、アセ
チルアセトンの場合70%がエノール型として存在して
いることが知られている。このエノール形は金属イオン
と強く結合し、キレート錯体を形成し、加水分解反応を
抑制する。これに対しβ−ケトエステル化合物の場合
は、アセト酢酸エチルを例にとると、以下のようにアセ
チルアセトンの場合と同様に平衡混合物が存在するが、
エノール形はわずか約8%しか存在しない。 CH3COCH2COOCH2CH3(ケト形) CH3C(OH)=CHCOOCH2CH3(エノール
形)
【0020】従って、アセト酢酸エチルに比してアセチ
ルアセトンの方が、安定な金属キレート錯体を形成す
る。一方、アセト酢酸エチルのようなβ−ケトエステル
化合物は、おそらく、それが疎水性のエチル基その他の
アルキル基、フェニル基を有していることに起因して、
有機溶媒に対して高い溶解性を有する。β−ケト(アル
キル)エステル化合物は、一般的に有機溶媒に対して親
和性の大きいアルキル基を有するため、溶解性が大き
い。このような理由で本発明で用いられるジルコニウム
化合物は水に対する安定性に優れ、有機溶媒に対する溶
解性に優れていると説明される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を挙げて説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。 実施例1 エチルセロソルブ75.0g、テトラエトキシシランの
多量体(単量体〜6量体の混合物、コルコート社製、商
品名「エチルシリケート40」)67.0g、濃度が
0.1mol/lの塩酸8.0gを順次加えて室温で2
時間攪拌した。反応終了後、室温に冷却した後、エチル
セロソルブ437.4g、アセト酢酸エチル77.3
g、アセチルアセトン59.3g、テトラn−ブトキシ
ジルコニウム276.0gを加えて2時間室温にて攪拌
して、被膜形成用コーティング液組成物とした。この組
成物はSi/Zr=3/4(モル比)で固形分10%で
あり粘度は4cp(25℃)であった。この組成物を4
0℃に保った恒温槽に60日保存したが、なんら変化は
無かった。また室温でコーティング液組成物10gに純
水を1gずつ加えていき、水に対する安定性を評価した
ところ、8g加えてもゲル化は観測されなかった。$グ
ラビアコート法により、3.4mm厚みのソーダライム
ガラス板上に、前記組成物(調製後10日経過のもの)
を相対湿度70%の雰囲気中でコーティングした。組成
物はコーティング後に良いレベリング性を示し、コーテ
ィング後1分以内に外観上、平滑で均一な膜となった。
260℃で120分乾燥後、コーティング膜付ガラスを
720℃の電気炉に2分間入れて焼成を行った。電気炉
中のガラスの最高到達温度は610℃であった。焼成後
のシリカ−ジルコニア層の厚みは70nmであり、ヘー
ズ率は0.1%で白化のない透明性に優れた光反射性能
を有するコーティング膜付ガラスが得られた。
【0022】実施例2 実施例1におけるアセト酢酸エチルのかわりにアセト酢
酸メチルを用いた以外は、同様にしてコーティング液組
成物を作製した。固形分10%であり粘度は4cpであ
った。この組成物を40℃にした恒温槽に60日保存し
たが、外観上変化がなかった。また室温でコーティング
液組成物10gに純水を1gずつ加えていき、水に対す
る安定性を評価したところ、8g加えてもゲル化は観測
されなかった。
【0023】グラビアコート法により、3.4mm厚み
のソーダライムガラス上に前記組成物(調製後10日経
過のもの)を相対湿度70%の雰囲気中でコーティング
した。組成物はコーティング後に良いレベリング性を示
し、コーティング後1分以内に外観上、平滑で均一な膜
となった。260℃で120分乾燥後、コーティング膜
付ガラスを720℃の電気炉に2分間入れて焼成を行っ
た。電気炉中のガラスの最高到達温度は610℃であっ
た。焼成後のシリカ−ジルコニア層の厚みは70nmで
あり、ヘーズ率は0.1%で白化のない透明性に優れた
コーティング膜付ガラスが得られた。
【0024】実施例3 実施例1におけるテトラn−ブトキシジルコニウムのか
わりにテトラn−プロポキシジルコニウムを用いた以外
は、同様にしてコーティング液組成物を作製した。固形
分10%であり粘度は4cpであった。この組成物を4
0℃にした恒温槽に60日保存したが、外観上変化がな
かった。また室温でコーティング液組成物10gに純水
を1gずつ加えていき、水に対する安定性を評価したと
ころ、8g加えてもゲル化は観測されなかった。
【0025】グラビアコーティング法により、3.4m
m厚みのソーダライムガラス上に前記組成物(調製後1
0日経過のもの)を相対湿度70%の雰囲気中でコーテ
ィングした。組成物はコーティング直後は刷毛目様のス
ジ状未乾燥塗膜表面となったが、時間の経過とともに良
いレベリング性を示し、コーティング後1分以内に外観
上、平滑で均一な膜となった。260℃で120分乾燥
後、コーティング膜付ガラスを720℃の電気炉に2分
間入れて焼成を行った。電気炉中のガラスの最高到達温
度は610℃であった。焼成後のシリカ−ジルコニア層
の厚みは70nmであり、ヘーズ率は0.1%で白化の
ない透明性に優れたコーティング膜付ガラスが得られ
た。
【0026】比較例1 エチルセロソルブ75.0g、テトラエトキシシランの
多量体(コルコート社製、商品名「エチルシリケート4
0」)67.0g、濃度が0.1mol/lの塩酸8.
0gを順次加えて室温で2時間攪拌した。反応終了後、
室温に冷却したあとエチルセロソルブ419.4g、ア
セト酢酸エチル154.6g、テトラn−ブトキシジル
コニウム276.0gを加えて2時間室温にて攪拌し
て、被膜形成用コーティング液組成物とした。この組成
物はSi/Zr=3/4(モル比)で固形分10%であ
り粘度は4cp(25℃)であった。室温でコーティン
グ液組成物10gに純水を1gずつ加えていき、水に対
する安定性を評価したところ、1g加えた時点で沈殿物
を生じ3g加えた時点で完全にゲル化した。
【0027】グラビアコート法により、3.4mm厚み
のソーダライムガラス上に前記組成物(調製後10日経
過のもの)を相対湿度70%の雰囲気中でコーティング
した。組成物はコーティング後5分以上経過しても外観
上、平滑で均一な塗膜とならずスジが残った。260℃
で120分乾燥後、コーティング膜付ガラスを720℃
の電気炉に2分間入れて焼成を行った。電気炉中のガラ
スの最高到達温度は610℃であった。焼成後のシリカ
−ジルコニア層の厚みは70nmであり、スジ部分に白
化が生じ、透明性に劣ったコーティング膜付ガラスが得
られた。
【0028】比較例2 ジルコニウムテトラブトキシド115gをエチルセロソ
ルブ200gに溶解した溶液にアセチルアセトン60g
を添加して、ジルコニウムテトラブトキシドをアセチル
アセトンによりキレート化したが、エチルセロソルブに
対する溶解性が不十分であるため、沈殿物を生じた。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、水に対し
て安定で保存安定性に優れた被膜組成物が得られ、コー
ティング時の白化も無い優れた被膜を形成することがで
きる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウムアルコキシドをβ−ケトエ
    ステル化合物およびβ−ジケトン化合物でキレート化し
    たジルコニウムアルコキシドキレート化物を含有する被
    膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 前記ジルコニウムアルコキシドとβ−ケ
    トエステル化合物とβ−ジケトン化合物のモル比を(ジ
    ルコニウムアルコキシド):(β−ケトエステル化合
    物):(β−ジケトン化合物)=x:y:z で表したと
    き、 1≦y/x≦3,1≦z/x≦3の範囲にある請求項1
    記載の被膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】 前記β−ケトエステル化合物がアセト酢
    酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、ま
    たはアセト酢酸ブチルである請求項1記載の被膜形成用
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記β−ジケトン化合物がアセチルアセ
    トンである請求項1記載の被膜形成用組成物。
  5. 【請求項5】 前記ジルコニウムアルコキシドがジルコ
    ニウムテトラアルコキシドである請求項1記載の被膜形
    成用組成物。
  6. 【請求項6】 前記ジルコニウムアルコキシドキレート
    化物の他に有機シリコン化合物を含有する請求項1記載
    の被膜形成用組成物。
  7. 【請求項7】 前記有機シリコン化合物と前記ジルコニ
    ウムアルコキシドとを、珪素とジルコニウムのモル比S
    i/Zrで表して、0.2〜2の割合で含有する請求項
    6記載の被膜形成用組成物。
  8. 【請求項8】 前記有機シリコン化合物は、シリコンア
    ルコキシドである請求項6記載の紫外線吸収被膜形成用
    中間層組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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