JPH0970948A - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】印刷用ドラムと台車を精度良く同期移動させる
ことができ、高い同期性を得て、印刷精度の向上を図れ
る印刷装置を提供する。 【構成】基台１に水平方向に往復動自在に支持される台
車３と、この台車に互いに所定間隔を存して載設され、
被印刷物であるガラス基板６を支持する定盤７および印
刷パターンが設けられる版８を支持する版定盤９と、版
にインクを供給し、かつ印刷パターンに均一に供給する
インク供給部１７と、その周面にブランケット１５が巻
装されて回転自在に支持され、版と転接してインクを転
移させ、ガラス基板に転写する印刷用ドラムとを具備
し、台車を往復駆動する台車用モータ４と、印刷用ドラ
ムを回転駆動するドラム用モータ１４と、台車と印刷用
ドラムの位置および移動状態を監視して、上記各モータ
の駆動制御をなし、台車と印刷用ドラムとの同期ずれ監
視と補正を行うメイン制御装置１９を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、液晶用
カラ−フィルタを製造するために、被印刷物であるガラ
ス基板に対して、いわゆるオフセット印刷をなす印刷装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、液晶カラ−フィルタを製造す
るために、ガラス基板にフィルタ材料（インク）を所定
のパタ−ンで印刷する印刷装置がある。この種の印刷装
置は、一般に、円筒形の印刷用ドラムを具備し、この印
刷用ドラムの外周面にブランケットが巻装される一方、
水平方向に往復駆動される台車に、基板定盤と版定盤と
が互いに所定間隔を存して載設される。

【０００３】上記基板定盤および版定盤と台車との間に
は、それぞれテーブル上下機構が介設されており、回転
駆動源に連結される印刷用ドラムとタイミングをとっ
て、台車の水平方向の位置と、基板定盤および版定盤の
上下位置と、印刷用ドラムの回転位置が設定されるよう
になっている。

【０００４】上記基板定盤上には、被印刷物であるガラ
ス基板が載置され、上記版定盤上には版が載置されて、
この版にはインク供給部からインクが供給される。印刷
用ドラムに対して版定盤が上昇し、印刷用ドラムと転接
することにより、ブランケットには版からインクが転移
される。ついで、台車が移動し、タイミングを合わせて
基板定盤を上昇させ、ガラス基板にインクを転移する。
すなわち、版の印刷パターンがガラス基板に転写され
る。

【０００５】このような印刷装置において、特に重要な
ことは、印刷用ドラムに対する版およびガラス基板の位
置決めである。すなわち、印刷用ドラムが版から印刷パ
ターンを転移しても、このパターンをガラス基板に転写
する際にいずれかの位置ずれがあれば、精度の高い印刷
ができない。

【０００６】このような位置決めのための要素として、
印刷用ドラムの回転速度と、基板定盤および版定盤を支
持する台車の移動速度との相対関係を常に正確に設定し
なければならない。すなわち、印刷用ドラムと台車とは
完全に同期した回動および移動でなければならなし、同
期ずれがあれば、印刷パターンが歪んで、精度の高い印
刷ができない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来、印刷用ドラムの
回転と台車の移動との同期をとるための手段として、ド
ラム側にピニオンギヤを設け、台車側にラックを設け
て、互いを噛合させる。このピニオンギヤとラックとの
いずれか一方を駆動源に連結することにより、互いの同
期がとれることになる。

【０００８】しかしながら、上述のピニオンギヤとラッ
クの噛合状態は、これら部品の加工精度に支配されると
ころが大である。たとえ、いずれか一方のみの精度が劣
ってしまっていても、動作中に周期的な誤差が発生して
しまう。

【０００９】その反面、高い加工精度が得られても、長
期の使用に亘ると各部品の噛合部分が摩耗して、摩耗屑
（ゴミ）が生じる。メンテナンスし難い部位であるの
で、そのまま摩耗屑が滞積し易く、円滑な運動が阻害さ
れて確実な同期が得られない虞れがある。

【００１０】さらにまた、一旦、駆動状態に入れば、印
刷用ドラムや、基板定盤および版定盤の加工誤差を補正
することができない等の不具合がある。本発明は、この
ような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、印刷用ドラムと台車を、それぞれ専用の駆
動装置で駆動するとともに、印刷用ドラムと台車の位置
および回転移動を検知して、各駆動装置の制御を別個に
なすことにより、印刷用ドラムと台車を精度良く同期移
動させることができ、高い同期性を得て、印刷精度の向
上を図れる印刷装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このような目的を満足す
るため本発明の印刷装置は、請求項１記載として、装置
本体と、この装置本体に水平方向に往復動自在に支持さ
れる台車と、この台車に互いに所定間隔を存して載設さ
れ、被印刷物を支持する定盤および印刷パターンが設け
られる版を支持する版定盤と、上記版定盤上の版に対し
てインクを供給し、かつ印刷パターンに均一に供給する
インク供給部と、その周面にブランケットが巻装され、
水平方向に往復駆動される定盤および版に対して回転自
在に支持され、上記版と転接してここに供給されるイン
クを転移させ、上記基盤上の被印刷物に転写する印刷用
ドラムとを具備し、上記台車を往復駆動する台車駆動装
置と、上記印刷用ドラムを回転駆動するドラム駆動装置
と、上記台車と印刷用ドラムの位置および移動状態を監
視して、上記台車駆動装置およびドラム駆動装置の駆動
制御をなし、台車と印刷用ドラムとの同期ずれ監視と補
正を行う制御手段とを具備したことを特徴とする。

【００１２】請求項２として、請求項１記載の上記被印
刷物はガラス基板であることを特徴とする。このような
請求項１および請求項２記載の発明によれば、制御手段
が、台車と印刷用ドラムの位置および移動状態を監視し
て、台車駆動装置およびドラム駆動装置の駆動制御をな
し、台車と印刷用ドラムとの同期ずれ監視と補正を行う
ので、常時、印刷用ドラムと台車との同期をとることが
できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１に示すように、この印刷装置
は、上方に開放する断面コ字状の装置本体である基台１
を具備する。この基台１の底壁の上面には、この基台１
の長手方向に沿ってガイドレ−ル２，２が設けられてい
る。

【００１４】そして、このガイドレ−ル２，２上には、
同じく上方に開放する断面コ字状の台車３がスライド自
在に設けられている。上記台車３には、台車駆動装置で
ある１軸サーボモータ（以下、台車用モータと称する）
４が連結される。

【００１５】そして、この台車３の長手方向一端部上に
は、上面に被印刷物であるガラス基板６を保持する基板
定盤７が設けられている。台車３の他端部上には、所定
の印刷パタ−ンが刻印された版８を上面に保持する版定
盤９が設けられている。

【００１６】したがって、上記台車用モータ４を駆動す
ることにより、台車３は基板定盤７と版定盤９を載設し
た状態で、ガイドレール２，２に沿って往復駆動される
ようになっている。

【００１７】なお、基板定盤７および版定盤９は、台車
３に対して、ここでは図示しないテーブル上下機構を介
して設けられており、それぞれ別個に上下動させられる
ようになっている。

【００１８】上記基台１の一側部で、台車３と基板定盤
７および版定盤９の移動と、基板定盤７および版定盤９
の上下動とに支障とならない部位には、基板定盤７およ
び版定盤９の位置を検出する位置検出装置１０が設けら
れる。

【００１９】一方、上記基台１の長手方向中途部の両側
面の外側には、後述する印刷用ドラム１２を回転自在に
支持するドラム支持柱１３，１３が立設されている。こ
のドラム支持柱１３の上端部に、上記印刷用ドラム１２
が軸線を水平にして架設されている。

【００２０】この印刷用ドラム１２は、一方の支持柱１
３に設けられたドラム駆動装置である１軸サーボモータ
（以下、ドラム用モータと称する）１４に連結され、回
転駆動されるようになっている。そして、印刷用ドラム
１２は、図示しないテーブル上下機構に駆動される基板
定盤７と版定盤９の上下位置によっては、上記ガラス基
板６および版８に接離するようになっている。

【００２１】この印刷用ドラム１２の外周面には、周方
向の約半分に亘って、シ−ト状のブランケット１５が巻
装されている。このブランケット１５は、巻装方向の両
端部を印刷用ドラム１２に設けられた張設機構１６によ
り保持され、張設されることで印刷用ドラムの外周面に
密着させられている。

【００２２】なお、一方の支持柱１３の内側面で、印刷
用ドラム１２とブランケット１５の回転に支障のない部
位には、印刷用ドラムの回転位置を検知する位置検出装
置１１が設けられている。

【００２３】上記基台１の長手方向他端部には、インク
供給部１７が設けられている。このインク供給部１７
は、インク供給用シリンダ１７ａと、ドクタブレード１
７ｂおよびスキ−ジ１７ｃとから構成される。

【００２４】上記インク供給用シリンダ１７ａには、印
刷に必要なインクが充填され、かつ版定盤９上の版８に
対して供給される。上記ドクタブレード１７ｂは、その
下端縁が版８に接離自在であり、少なくとも接触部分が
鋭利な金属片からなる。スキージ１７ｃは、その下端縁
が版８とは狭小の間隙を存する、合成樹脂材の板片から
なる。

【００２５】以上説明した全ての構成部品の駆動装置
４，１４他と、検知装置１０，１１等は、基台１の手前
側面に設けられる操作盤１８と電気的に接続され、かつ
ここに収容されるメイン制御装置１９によって、後述す
るような制御がなされる。

【００２６】なお、図２は、実質的にオフセット印刷に
必要な構成のみを模式的に表し、図３（Ａ）ないし
（Ｄ）は、オフセット印刷の動作チャートを表す。以
下、同図にもとづいてオフセット印刷を説明する。

【００２７】はじめ、インク供給部１７に版定盤９に載
置した版８を対向させて台車３を停止し、インク供給用
シリンダ１７ａから版へインクを供給する。ついで、ド
クタブレード１７ｂの下端縁を版８に接触させるととも
に台車用モータ４を駆動して台車３を移動させる。

【００２８】版８上に供給されたインクは、版の印刷パ
ターンに充填される、いわゆる図３（Ａ）に示すドクタ
リンクがなされる。ドクタブレード１７ｂによって掻き
出されたインクは版８の一側部に集中させられる。

【００２９】台車３の移動が継続され、版８が印刷用ド
ラム１２に巻装されるブランケット１５に接触する。図
３（Ｂ）に示すように、印刷用ドラム１２がタイミング
をとって回転し、かつ後述するようにしてドラムの回転
と台車３の移動とが同期をとるよう制御される。

【００３０】版８に対するブランケット１５の接触によ
り、版の印刷パターンに充填されたインクがそのままブ
ランケットに転移する。版８からブランケット１５に、
印刷パターンの全てのインクが転移した後、図３（Ｃ）
に示すように、印刷用ドラム１２から版が離間する。台
車３の移動が継続されて、版８にスキージ１７ｃが対向
する。スキージ１７ｃの下端縁は版８と狭小の間隙を存
するところから、それまで版の一側部に集中させられて
いたインクが再び版上に均一な厚さにならされる。

【００３１】図３（Ｄ）に示すように、印刷用ドラム１
２の下方部位にガラス基板６端部が対向したところで、
印刷用ドラムに巻装されインクが転移したブランケット
１５がガラス基板に接触する。

【００３２】印刷用ドラム１２の回転と台車３の移動と
が同期をとるよう制御されて、ガラス基板６に印刷パタ
ーンが転写される、いわゆるインク転写を終了する。そ
して、上記ガラス基板６を取り替えるとともに、同様の
動作を繰り返すことで、順次、連続的に印刷が行なわれ
ていく。

【００３３】ところで、上記操作盤１８に収容されるメ
イン制御装置１９には、図４に示すように、印刷用ドラ
ム１２をはじめとして台車３、基板定盤７、ガラス基板
６、版定盤９、版８などの構成部品の加工誤差データが
インプットされている。

【００３４】制御装置１９は、これらのデータをもとに
同期駆動指令データを、１軸モータ駆動制御装置２０
Ａ，２０Ｂに送る。一方の駆動制御装置２０Ａは、台車
用として備えられ、上記台車駆動装置である台車用モー
タ４に制御信号を送る。他方のの駆動制御装置２０Ｂ
は、印刷用ドラム１２用として備えられ、上記印刷用ド
ラム駆動装置であるドラム用モータ１４に制御信号を送
る。

【００３５】同時に、各位置検出装置１０，１１は、そ
れぞれの駆動制御装置２０Ａ，２０Ｂへ台車３もしくは
印刷用ドラム１２の位置を検出して、その信号を送る。
各駆動制御装置２０Ａ，２０Ｂは、これらの位置検出信
号を判断材料として、台車用モータ４もしくはドラム用
モータ１４へ制御信号を送る。

【００３６】その結果、台車３と印刷用ドラム１２との
同期ずれを相互に監視できるとともに、ずれが生じた場
合は直ちに補正するよう制御される。印刷用ドラム１２
に対して版８とガラス基板６の位置が常に正確に設定さ
れ、版に設けられる印刷パターンがそのまま、位置ずれ
することなくガラス基板６に転移して、精度の高いオフ
セット印刷がさなれる。

【００３７】なお、本発明は、上述した一実施例に限定
されるものではなく、発明の要旨を越えない範囲内で種
々の構成を採用することができ、同様の効果を得ること
が可能である。

【００３８】

【発明の効果】以上述べたように請求項１および請求項
２の発明によれば、台車駆動装置と、ドラム駆動装置を
備え、かつ台車と印刷用ドラムの位置および移動状態を
監視して、各駆動装置の駆動制御をなし、台車と印刷用
ドラムとの同期ずれ監視と補正を行うようにしたから、
印刷用ドラムと台車を精度良く同期駆動することがで
き、高い同期性を得て、被印刷物であるガラス基板に対
する印刷精度の向上を図れ、印刷の作業性が向上する効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す、オフセット印刷機
の一部切欠した斜視図。

【図２】同実施の形態の、印刷機構部の概略の側面図。

【図３】（Ａ）ないし（Ｄ）は、同実施の形態の、印刷
動作チャート図。

【図４】同実施の形態の、同期制御ブロック図。

【符号の説明】

１…装置本体（基台）、３…台車、６…被印刷物（ガラ
ス基板）、７…定盤、８…版、９…版定盤、１７…イン
ク供給部、１２…印刷用ドラム、４…台車駆動装置（台
車用モータ）、１４…ドラム駆動装置（ドラム用モー
タ）、１９…メイン制御装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 嘉教 神奈川県川崎市川崎区日進町７番地１ 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小野塚 剛 神奈川県川崎市川崎区日進町７番地１ 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体と、 この装置本体に水平方向に往復動自在に支持される台車
   と、 この台車に互いに所定間隔を存して載設され、被印刷物
   を支持する定盤および印刷パターンが設けられる版を支
   持する版定盤と、 上記版定盤上の版に対してインクを供給し、かつ印刷パ
   ターンに均一に供給するインク供給部と、 その周面にブランケットが巻装され、水平方向に往復駆
   動される上記定盤および上記版に対して回転自在に支持
   され、上記版と転接してここに供給されるインクを転移
   させ、上記定盤上の被印刷物に転写する印刷用ドラムと
   を具備し、 上記台車を往復駆動する台車駆動装置と、 上記印刷用ドラムを回転駆動するドラム駆動装置と、 上記台車と印刷用ドラムの位置および移動状態を監視し
   て、上記台車駆動装置およびドラム駆動装置の駆動制御
   をなし、台車と印刷用ドラムとの同期ずれ監視と補正を
   行う制御手段とを具備したことを特徴とする印刷装置。
2. 【請求項２】上記被印刷物は、ガラス基板であることを
   特徴とする請求項１記載の印刷装置。