JP3432160B2 - オフセット印刷装置および方法 - Google Patents

オフセット印刷装置および方法

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JP3432160B2 JP35544098A JP35544098A JP3432160B2 JP 3432160 B2 JP3432160 B2 JP 3432160B2 JP 35544098 A JP35544098 A JP 35544098A JP 35544098 A JP35544098 A JP 35544098A JP 3432160 B2 JP3432160 B2 JP 3432160B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷版に形成され
た原版パターンを被印刷物の上に大面積で高精度に転写
印刷形成するオフセット印刷装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パターンを高精度に形成する技術として
はフォトリソグラフィ法が一般的である。しかし、パタ
ーン形成を大面積で行なおうとすると、フォトリソグラ
フィ法ではコストが高くなるという問題がある。一方、
パターン形成技術として、スクリーン印刷、オフセット
印刷などの印刷技術を転用してパターンを高精度に大面
積で形成する方法が考えられる。印刷法は多数のパター
ンを基板上に形成するのに適し、コスト的にもフォトリ
ソグラフィ法より有利である。特にオフセット印刷技術
は薄膜のパターンを形成するのに適している。
【0003】従来の技術における電極パターンやカラー
フィルタ等を形成するための一般的なオフセット印刷装
置および印刷方法について説明する。図8は特開平6−
312499号公報における、オフセット印刷法を行な
うオフセット印刷装置を示す図である。同図において、
101は凹版102を固定する版定盤である。また10
3は被印刷物であるワーク104を固定するワーク定盤
であり、ステージ105の上に固定配置されている。こ
の一列に並んだ2つの定盤を配置したステージ105
は、ステージモータ106と連結されたボールスクリュ
107によって摺動走行可能になっている。ブランケッ
ト胴108の片側には、変速機109を介してブランケ
ットモータ110が設けられ、これによってブランケッ
ト胴108が回転される。これらステージ105の走行
とブランケット胴108の回転を行なうためのステージ
モータ106とブランケットモータ110は制御装置に
よって同期動作制御されている。またブランケット胴1
08はエアシリンダによって昇降可能に構成した定圧装
置111によって支持されている。ブランケット胴10
8は、ステージ105の後進時には定圧装置111に設
けられた昇降機構によって上昇するため、凹版102お
よびワーク104と接触摺動することはない。インキン
グはディスペンサ装置112によって行なわれ、その
後、ステージ105の進行方向側に配置されたドクタ装
置113によってインキ充填と掻き取りが行なわれる。
ブランケット胴108の表面にはゴム状のブランケット
が巻き付けてある。115はアライメントスコープであ
り、ワーク104上に印刷されたインキパターンの位置
情報を取り込み、ワーク交換毎にステージ105の微調
整によりワーク104を所定の位置にアライメントする
ためのものである。
【0004】図9はオフセット印刷工程を示す図であ
る。同図において、102は凹版、104はワークとな
るガラス基板であり、これらは同一平面に直列に配置さ
れている。112はインキディスペンサ装置であり、イ
ンキを凹版102上に塗布する(図102(a))。1
13はドクタ装置であり、凹版102上面を摺動して、
塗布したインキのうちの凹版に充填されたインキ以外を
掻き取る(図102(b))。108はブランケット胴
であり、凹版102およびガラス基板104上面に順に
回転接触することにより、凹版102の凹部に充填され
たインキを受理し(図102(c))、ガラス基板10
4上に凹版102の有するパターン状にインキを転移す
る(図102(d))。
【0005】以上により印刷工程が終了する。印刷イン
キは作製するパターンの機能によって適宜選択すること
ができる。すなわち、記録用サーマルヘッド等の電極パ
ターンには、主にAuレジネートペーストと呼ばれる有
機Au金属を含むインキを用い、また、液晶表示装置等
に用いられるカラーフィルタであればR、G、B各色の
顔料を分散したインキや有機要素を含んだインキ等が用
いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の技術によるオフセット印刷装置を用いて大面積に
渡って印刷パターンを形成する場合、版と被印刷体を配
置する移動テーブル105を、印刷方向に長く構成する
必要が生じる。このため、印刷装置の全長Lの増大はも
とより、移動テーブル105の走行精度の悪化が容易に
予測される。
【0007】また、この従来の技術において特徴として
開示されているところの、印圧を一定にして印刷パター
ン形状を高品質にするためにワーク高さに伴ってブラン
ケット胴108の支持高さを可変とする装置構造におい
ては、ブランケット胴108の左右の支持部を同時に同
量の高さ移動するためには、少なくとも2つのパルス制
御可能なモータを左右の支持部に各々配置するか、もし
くは1つの駆動モータの動きを左右に分配し連動させる
構造が必要である。このブランケット胴108の可動部
分のガタや変形は印刷位置精度悪化にダイレクトに影響
するため、約1000kgfの印圧領域での印刷の装置
に適用する場合、支持部の移動機構に剛性と精度が要求
され、装置自体が大型化することが避けられない。
【0008】さらに、印刷面積が大きくなるに伴ってブ
ランケット胴108の全長が長くなり、印刷時の印圧に
よって、両端軸支持で保持されているブランケット胴自
身の変形量が大きくなるため、印刷するワークの場所に
よって印圧値にバラツキが生じるという問題となる。
【0009】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、オフセット印刷装置および方法において、
大面積印刷における印圧によるブランケット胴の変形を
抑えて、印刷範囲全域にわたって一定の印圧値で印刷で
きるようにし、もって印刷パターン形状の高品質化を図
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明では、回転可能に支持されたブランケット胴と、
これに対し一定の距離を置いて相対的に移動可能で、印
刷版および被印刷物が固定される印刷テーブルとを備
え、ブランケット胴と印刷テーブルを相対的に移動させ
ることにより、印刷テーブル上の印刷版に充填されたイ
ンキをブランケット胴に巻かれたブランケットに受理
し、受理したインキを印刷テーブル上の被印刷物に転移
させるオフセット印刷装置において、ブランケット胴
は、前記受理または転移を行なう間、ブランケット胴の
変位または変形を防止するために版圧または印圧の方向
と逆方向にブランケット胴を支持するための受け面部を
外周に沿って具備することを特徴とする。
【0011】また、回転可能に支持されたブランケット
胴と、これに対して一定の距離を置いて相対的に移動可
能な印刷テーブルとを相対的に移動させることにより、
前記印刷テーブル上の印刷版に充填されたインキを前記
ブランケット胴に巻かれたブランケットに受理し、受理
したインキを前記印刷テーブル上の被印刷物に転移させ
るオフセット印刷方法において、前記受理または転移を
行なう間、ブランケット胴を、ブランケット胴の変位ま
たは変形を防止するために版圧または印圧の方向と逆方
向に支持することを特徴とする。
【0012】これによれば、ブランケット胴の外周上に
構成された受け面部を、受理または転移の間、版圧また
は印圧の方向と逆方向に支持するようにしたため、大面
積印刷における版圧または印圧によるブランケット胴の
変形や変位が抑えられ、印刷範囲全域にわたって一定の
印圧値で印刷が行なわれる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態におい
ては、印刷テーブルは印刷版および被印刷物が同一位置
に固定され、インキの受理に際しては印刷版が固定さ
れ、インキの転移に際しては被印刷物が固定されるもの
である。これによれば、印刷版と被印刷物の印刷工程に
関わる走行が、1つの印刷テーブルを兼用して行なわれ
るため、ブランケットに対して同一条件での走行が実現
される。このため、原版パターンに対する印刷パターン
の相対位置精度の安定化および高精度化が図られる。
【0014】また、受理および転移を行なう間、ブラン
ケット胴の変位または変形を防止するために、版圧また
は印圧の方向と逆方向にブランケット胴を前記受け面部
において支持するバックアップ手段を有する。このバッ
クアップ手段は、ブランケット胴の回転軸の両端をそれ
ぞれ支持する支柱の間に渡された部材に取り付けられて
いる。すなわち門型構造部材に取り付けられている。こ
れによれば、印刷時に印刷版または被印刷物をブランケ
ットに押し付けることによって発生する版圧または印圧
によるブランケット胴の変位または変形に対して、ブラ
ンケット胴の外周上に構成された受け面部を、印刷中の
印刷版または被印刷物とブランケットとが接触するブラ
ンケットの円弧区間、版圧または印圧の方向と逆方向に
支持することにより、曲げ変形に対する剛性は、ブラン
ケット胴自身の剛性と門型構造部材の剛性を合わせた剛
性値となる。したがってブランケット胴を支持しない場
合に比べて変位量が減少する。
【0015】また、前記バックアップ手段は、前記受け
面部に接する接触部材と、この接触部材が取り付けられ
たクサビ機構と、このクサビ機構を駆動して前記接触部
材を前記受け面部に接触させおよび離間させるモータと
を有する。印圧の大小によってブランケット胴および門
型構造部材の変形具合が異なり、これに応じて受け面部
の高さ位置が変化するが、クサビ機構はこれに追従する
ように接触部材を変位させる。また、ブランケット胴
が、接触部材が受け面部以外の位置にあるような回転位
置にあるときは、ブランケットに接触しないように接触
部材を逃がす。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係るオフセット印
刷装置を示す斜視図であり、図2はその一部を拡大して
示す斜視図である。図1において、1は本体ベースであ
り、左右に平行に2本のリニアガイド3を取り付けてあ
る。リニアガイド3の移動ブロック上には移動テーブル
4が固定されており、移動テーブル4は、装置後方の駆
動モータ5で回転駆動されるボールネジ6によって前後
に移動走行することができる。7は移動テーブル4上面
の左右に固定して取り付けられたラックギヤである。8
は円筒状のブランケット胴であり、ブランケット胴8の
外周には、ブランケットテンション機構によってブラン
ケット10が所望の張力を与えられた状態で固定して配
置されている。図2に示すように、ブランケット胴8に
おいて、ブランケット10が取り付けられる部分と対向
する位置の円周には、受け面51が同芯円上に精度良く
構成されている。
【0017】ブランケット胴8の両端部は軸受け12に
よって支持され、さらにこの軸受け12は本体ベース1
から立ち上がっている門型の支柱11で固定されてい
る。このブランケット胴8は駆動モータ26と減速機2
7の駆動により正逆回転可能に制御駆動される。駆動モ
ータ26と減速機27は門型の支柱11側面に固定され
ている。門型に構成された支柱11のブリッジ部分52
には図2に示すように、バックアップ手段53が取り付
けられている。このバックアップ手段53は、ブランケ
ット胴8の受け面51に当接している当接部材56、当
接部材56が固定されたクサビ機構54、およびクサビ
機構54を上下動させるモータ55を有する。ブランケ
ット胴8の左右両端部にはギヤ13が固定されており、
ラックギヤ7とそれぞれ噛み合うことができるようにな
っている。移動テーブル4上に位置決めして固定される
版16およびワーク18の外形寸法長さを、ギヤ13と
ラックギヤ7が噛み合って移動する最小長さに設定して
ある。
【0018】図3に示すように、移動テーブル4の走行
とブランケット胴8の回転は、制御装置30によって制
御される。ただし、印刷範囲における版とブランケット
10およびワークとブランケット10の接触はギヤ13
とラックギヤ7の噛合い移動動作によって行なわれる。
このギヤ13とラックギヤ7の噛合いは、移動テーブル
4が走行する全ストロークの内の印刷範囲のみに限られ
ており、それ以外の位置に移動テーブル4がある場合
は、ブランケット胴8を自由に回転させる制御が可能と
なる。
【0019】この同期した噛合せ動作に際しては、ま
ず、図4に示すように、ブランケット胴8を噛合い初期
位置に角度制御し、停止させ、待機させる。そこに移動
テーブル4を前進させ、ラックギヤ7の前端がギヤ13
との噛合い位置に到達した時点で停止させる。この状態
が噛合せの初期状態となる。次にブランケット胴8のギ
ヤ13を、駆動モータ26と減速機27で移動テーブル
4のラックギヤ7の進行面31に押し付ける方向(移動
テーブル4の前進方向32と逆方向)に回転させて変位
量△θを与える。この後、印刷範囲の終点、すなわちラ
ックギヤ7の噛合い終端まで移動テーブル4の前進移動
量X1とブランケット胴8の回転移動量X2が同一とな
るように制御装置30で制御し、駆動する。その制御
は、例えば目標移動指令値と駆動モータの回転量の差を
零にするセミクローズド制御によって行なわれる。上記
変位量△θの押付けによりギヤ13とラックギヤ7の噛
合せ時に生じるバックラッシの防止を行なっている。こ
の時、ギヤ13を△θ量片寄せしていることで発生する
駆動モータ26の駆動電流値変化を、監視して規定範囲
内に収まるように制御している。
【0020】図1に戻り、20は移動テーブル4の走行
前端部に設けられた版・ワーク供給エリアであり、版お
よびワークを供給するためのエリアである。21はイン
キング・ドクタリングエリアであり、供給エリア20と
ブランケット胴8の間に設置されている。22は印刷イ
ンキを版上に供給するディスペンサ、23は金属薄板を
版に対して押圧し摺動させて版の印刷パターンにインキ
を充填するドクタである。24は版およびワークの排出
エリアである。1枚のワークの印刷工程が終了する毎に
版・ワーク排出エリア24において版およびワークを排
出し、移動テーブル4を走行前端部に戻して次の版およ
びワークを供給する。
【0021】40は移動テーブル4上に設けられた、版
およびワークが固定されるステージであり、クサビ下側
プレート42およびその上のクサビ上側プレート41に
より構成されている。クサビ上側プレート41は上下動
可能に案内されており、クサビ下側プレート42を駆動
モータ43で前後に移動させることにより、版およびワ
ークが固定されるクサビ上側プレート41の高さを調節
できるようになっている。19は移動テーブル4上に版
およびワークを固定する際に、版およびワークを突き当
てて位置決めするための突当て部材である。
【0022】図5はこのオフセット印刷装置の連続した
印刷工程順を示す概念図である。図中の図1と同一の符
号は同一の要素を示す。この印刷工程では、図5(a)
において破線で示されるように、まず、移動テーブル4
は走行前端の供給エリア20に位置しており、クサビ下
側プレート42を駆動モータ43によって前後させてク
サビ上側プレート41を昇降移動させることにより、ス
テージ40は受理工程高さに設定されている。この供給
エリア20において、ステージ40上面の吸着面に版1
6を移動テーブル4上の位置決め突き当て部材19を基
準に配置し、吸着して固定する。その後、版16をイン
キングドクタリングエリア21へ移動させ、その位置で
移動テーブル4を停止させ、ディスペンサ22により版
16の上にインキ25を供給する。次に、図5(a)に
示すように、ドクタ23を版16上面に押圧し、移動テ
ーブル4を前進走行させ、ドクタ23を摺動させること
により、版16上の原版パターンにインキを充填すると
同時に非原版パターン部のインキを掻き取る。
【0023】この版16へのインキングおよびドクタリ
ングが終了すると、移動テーブル4を駆動用モータ5と
ボールネジ6の駆動によって前進させ、移動テーブル4
上面のラックギヤ7の前端がブランケット胴8両端部の
ギヤ13に噛み合う位置に達したら、停止させる。この
位置からブランケット胴8と移動テーブル4を、ギヤ1
3とラックギヤ7の間に生じるバックラッシを除去する
動作で制御し、噛合い移動させる。これと同時に、図5
(b)に示すように、印圧によって生じるブランケット
胴8の曲げ変形を抑えるため、受け面51をバックアッ
プ手段53の当接部材56で押えるように、当接部材5
6の高さをクサビ機構54により制御する。これにより
ブランケット10は版16の上面と接触回転し、版16
上の原版パターン内に充填されたインキをブランケット
10の表面に受理する。このときに版16がブランケッ
ト10にかける圧力すなわち版圧はクサビ構造で設定さ
れるステージ40の高さによって決定され、この版圧に
よるブランケット胴8の曲げ変形はバックアップ手段5
3で抑えられる。
【0024】この印刷範囲での移動を終え、ギヤ13と
ラックギヤ7の噛合いの終端位置まで移動テーブル4が
移動すると、移動テーブル4を停止させ、バックラッシ
を除去する動作制御を解除する。同時にバックアップ手
段53の当接部材56を、クサビ機構54によってブラ
ンケット10に当たらないように逃がす。その後、図5
(c)に示すように、移動テーブル4を走行後端まで前
進させ、版16を排出エリア24で取り除く。その後、
移動テーブル4をブランケット10と接触摺動させるこ
となく走行前端部へ後退させる。
【0025】この後、移動テーブル4が走行前端の供給
エリア20に位置したとき、クサビ下側プレート42を
駆動モータ43によって前後させてクサビ上側プレート
41を昇降移動させることにより、ステージ40は転移
工程高さに設定されている。この供給エリア20におい
て、移動テーブル4上の位置決め突当て部材19を基準
にしてステージ40上面の吸着面に新規ワーク18を配
置し、吸着して固定する。
【0026】次に、図5(d)に示すように、駆動用モ
ータ5とボールネジ6の駆動によって移動テーブル4を
前進させ、移動テーブル4上面のラックギヤ7の前端が
ブランケット胴8両端部のギヤ13に噛み合う位置に達
したら、停止させる。この位置からブランケット胴8と
移動テーブル4を、ギヤ13とラックギヤ7の間に生じ
るバックラッシを除去する動作で制御し、噛合い移動さ
せる。これと同時に、印圧によって生じるブランケット
胴8の曲げ変形を抑えるため、受け面51をバックアッ
プ手段53の当接部材56で押えるように、当接部材5
6の高さをクサビ機構54で制御する。ワーク18は噛
合い移動とともにブランケット10の表面と順次接触す
る。これにより、ブランケット10上に受理していたイ
ンキはワーク18の上面に転移する。これにより、版1
6上面の原版パターンがブランケット10を介してワー
ク18の上に印刷パターンとして形成される。この間、
ワーク18がブランケット10にかける圧力すなわち印
圧はクサビ構造で設定されるステージ40の高さによっ
て決定され、この印圧によるブランケット胴8の曲げ変
形はバックアップ手段53で抑えられる。
【0027】印刷範囲の移動を終え、ギヤ13とラック
ギヤ7の噛合いの終端位置まで移動すると、移動テーブ
ル4を停止させてバックラッシを除去する動作制御を解
除する。同時にバックアップ手段53の当接部材56
を、クサビ機構54によってブランケット10に当たら
ない位置に逃がす。その後、図5(e)に示すように、
移動テーブル4を走行後端まで前進させ、ワーク18を
排出エリア24で取り除き、そして、ブランケット10
と接触摺動させることなく走行前端部へ後退させる。
【0028】これにより1枚のワーク18についての印
刷工程が終了する。ワークは印刷工程毎に供給エリア2
0で新規のものに交換される。上記工程の繰返しによ
り、連続印刷が行なわれる。版圧を決定するステージ4
0の高さおよび印圧を決定するステージ40の高さは、
各々クサビ構造の駆動モータ43によって設定される。
また、ステージ40上に、位置決め突き当て部材19を
基準にして配置され固定される版16とワーク18の外
形寸法は同一であるため、位置決め突き当て部材19を
基準として、版16とワーク18のブランケット10に
対する接触面の外形および位置が同一の状態で印刷が実
施される。
【0029】以下、本実施例の特徴について詳細に述べ
る。上記のように、このオフセット印刷装置によれば、
版16とワーク18の印刷工程に関わる走行が1つの移
動テーブル4で兼用されているため、インキ受理とイン
キ転移が同一条件で実施されて印刷され、印刷パターン
の相対位置精度の高精度化が可能である。そしてこのオ
フセット印刷装置において、図6に示すように、ブラン
ケット胴8は、印刷領域を面積的にカバーし、回転軸と
同芯円上に精度良く構成された平滑な円筒面62を有
し、この部分にブランケット10が張力を与えられて巻
き付けられる。この平滑円筒面62と同じ寸法径の面で
構成された受け面51がブランケット胴の長さに応じて
少なくとも1ヶ所以上設けられている。ブランケット胴
8の内部は軽量化のため、印圧に対応した肉厚の外殻6
3を残して通常は肉抜きされ、断面形状は略C字型をし
ている。そして受け面51が、印圧がかかったときの剛
性部材としての機能を果たすために断面形状が円盤状の
隔壁64上に構成されていることに特徴がある。
【0030】図7は、本実施例の特徴であるバックアッ
プ手段53の詳細を示す斜視図である。同図に示すよう
に、ブランケット胴8の受け面51に対向する位置にバ
ックアップ手段53の当接部材56が配置され、これを
保持する部材は、断面がクサビ形状の上下2枚の板状部
材すなわちクサビ上側プレート58およびクサビ下側プ
レート59を重ねたクサビ構造となっており、それら板
状部材はクサビ合せ面57において全面で接触し、大き
な印圧によって変形が生じない剛性のある構造になって
いることを特徴とする。クサビ上側プレート58は駆動
モータ55と連結されたボールネジ60と係合し、例え
ばパルス制御される駆動モータ55の回転により前後に
動かされる。この移動は、クサビ合せ面57の勾配量設
定による移動比率でクサビ下側プレート59の上下動作
に変換される。このとき、クサビ下側プレート59は、
ガイドポストによってガタなく昇降案内される。このク
サビ構造による制御動作によって、ブランケット胴8の
受け面51に対する当接部材56の接触具合を制御する
とともに、印刷工程以外の回転位置において、ブランケ
ット10に当接部材56が接触しないように当接部材5
6を逃がす。
【0031】図8に示す従来例との違いを述べると、従
来例におけるブランケット胴108は軸両端において支
持されており、印圧を一定にして印刷パターン形状を高
品質にするために、ワーク高さに伴ってブランケット胴
108の支持高さが変わり得るようにする装置構造等が
設けられているが、印刷するワークが大面積になるとブ
ランケット胴108の幅が大きくなり、このため、両端
が支持されたブランケット胴108自身の印圧による曲
げ変形量が大きく、大面積全域における印圧の一定化が
困難である。
【0032】これに対し、本実施例によれば、ブランケ
ット胴8を支持する門型の支柱11のブリッジ部分52
に取り付けられているバックアップ手段53がクサビ機
構であるため、高い剛性と微妙な押込み量の制御管理が
可能である。このようなバックアップ手段53によれ
ば、印圧がかかったときの曲げ変形に対する剛性は、ブ
ランケット胴8自身の剛性と門型構造部材52の剛性を
合わせた剛性値となるため、バックアップしない場合に
比べて変位量を減少させることができ、したがってより
大面積印刷での印圧の一定化が可能となる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
ランケット胴の外周上に構成された受け面部を、受理ま
たは転移の間、版圧または印圧の方向と逆方向に支持で
きるようにしたため、版圧または印圧によるブランケッ
ト胴の変形や変位を抑え、印刷範囲全域にわたって一定
の印圧値で印刷を行なうことができる。
【0034】また、受け面部の支持を、ブランケット胴
を支持する門型構造部分に取り付けたバックアップ手段
によって行なうことにより、ブランケット胴の変形や変
位はブランケット胴自身の剛性と門型構造部材の剛性を
合わせた剛性値に依存するものとなり、このため、ブラ
ンケット胴を支持しない場合に比べて変位量を減少させ
ることができる。これによって大面積印刷でのブランケ
ット胴の変形による印圧の変化が無く、高精細で大面積
に渡るパターン形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るオフセット印刷装置
を示す斜視図である。
【図2】 図1の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】 図1の装置における移動テーブルの走行とブ
ランケット胴の回転を制御するための構成を示す概略図
である。
【図4】 図1の装置におけるギヤの噛合せ状態を示す
図である。
【図5】 図1の装置による印刷工程を示す図である。
【図6】 図1の装置のブランケット胴の構造を示す斜
視図である。
【図7】 図1の装置のバックアップ手段を示す斜視図
である。
【図8】 従来のオフセット印刷装置を示す斜視図であ
る。
【図9】 従来のオフセット印刷工程を示す図である。
【符号の説明】
1:本体ベース、4:移動テーブル、5:移動テーブル
駆動用モータ、6:ボールネジ、7:ラックギヤ、8:
ブランケット胴、10:ブランケット、13:ギヤ、1
6:版、18:ワーク、19:位置決め突当て部材、2
2:ディスペンサ、23:ドクタ、26:ブランケット
胴駆動モータ、30:制御装置、51:受け面、52:
ブリッジ部分、53:バックアップ手段、54:クサビ
機構、55:モータ、56:当接部材、57:クサビ合
せ面、58:クサビ上側プレート、59:クサビ下側プ
レート、60:ボールネジ、62:ブランケット胴平滑
円筒面、63:ブランケット胴外殻、64:ブランケッ
ト胴隔壁。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能に支持されたブランケット胴
    と、これに対し一定の距離を置いて相対的に移動可能
    で、印刷版および被印刷物が固定される印刷テーブルと
    を備え、前記ブランケット胴と印刷テーブルを相対的に
    移動させることにより、前記印刷テーブル上の印刷版に
    充填されたインキを前記ブランケット胴に巻かれたブラ
    ンケットに受理し、受理したインキを前記印刷テーブル
    上の被印刷物に転移させるオフセット印刷装置におい
    て、前記ブランケット胴は、前記受理または転移を行な
    う間、前記ブランケット胴の変位または変形を防止する
    ために版圧または印圧の方向と逆方向に前記ブランケッ
    ト胴を支持するための受け面部を外周に沿って具備する
    ことを特徴とするオフセット印刷装置。
  2. 【請求項2】 前記印刷テーブルは前記印刷版および被
    印刷物が同一位置に固定されるものであり、前記インキ
    の受理に際しては前記印刷版が固定され、前記インキの
    転移に際しては前記被印刷物が固定されるものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記受理および転移を行なう間、前記ブ
    ランケット胴の変位または変形を防止するために、版圧
    または印圧の方向と逆方向に前記ブランケット胴を前記
    受け面部において支持するバックアップ手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット印
    刷装置。
  4. 【請求項4】 前記バックアップ手段は、前記ブランケ
    ット胴の回転軸の両端をそれぞれ支持する支柱の間に渡
    された部材に取り付けられていることを特徴とする請求
    項3に記載のオフセット印刷装置。
  5. 【請求項5】 前記バックアップ手段は、前記受け面部
    に接する接触部材と、この接触部材が取り付けられたク
    サビ機構と、このクサビ機構を駆動して前記接触部材を
    前記受け面部に接触させおよび離間させるモータとを有
    することを特徴とする請求項3または4に記載のオフセ
    ット印刷装置。
  6. 【請求項6】 回転可能に支持されたブランケット胴
    と、これに対して一定の距離を置いて相対的に移動可能
    な印刷テーブルとを相対的に移動させることにより、前
    記印刷テーブル上の印刷版に充填されたインキを前記ブ
    ランケット胴に巻かれたブランケットに受理し、受理し
    たインキを前記印刷テーブル上の被印刷物に転移させる
    オフセット印刷方法において、前記受理または転移を行
    なう間、前記ブランケット胴を、前記ブランケット胴の
    変位または変形を防止するために版圧または印圧の方向
    と逆方向に支持することを特徴とするオフセット印刷方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかのオフセット印
    刷装置を用いることを特徴とする請求項6に記載のオフ
    セット印刷方法。
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