JPH0969667A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents
半導体レーザ装置およびその製造方法Info
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Abstract
特性の劣化を防ぎ、素子寿命にも優れた半導体レーザ装
置を制御性および歩留り良く製造する。 【解決手段】 p型AlGaAs第2クラッド層105
とn型GaAs電流阻止層109との間に、Cドープ層
106が形成されている。n型電流阻止層109で生成
した格子間Gaの拡散がCドープ層106により抑制さ
れるので、p型第2クラッド層105中のZnの異常拡
散を抑止できる。活性層104に隣接するp型第2クラ
ッド層105にはZnがドープされてCがドープされて
いないので、結晶欠陥が導入されにくい。
Description
に用いられる半導体レーザ装置およびその製造方法に関
する。
置等を中心として広く用いられており、用途に応じて様
々なレーザ構造が提案され、また、実現されている。以
下に、このような半導体レーザ装置の一般的な構造につ
いて説明する。
を示す。この半導体レーザ装置は、n型GaAs基板4
01上に、n型AlGaAs第1クラッド層402、A
lGaAs活性層403、p型AlGaAs第2クラッ
ド層404およびn型GaAs電流阻止層405が形成
されている。このn型電流阻止層405には、p型第2
クラッド層404に達するようにストライプ状の溝部4
08が形成され、その溝408を埋め込むように、p型
AlGaAs第3クラッド層406が形成されている。
さらにその上には、p型GaAsコンタクト層407が
形成されている。
阻止層405は、電流狭窄機能および光閉じ込め機能を
兼ね備えており、比較的単純な構造と少ない作製手順と
により良好な電気光学特性を得ることができる。
法として有機金属気相成長(MOCVD)法、液相成長
(LPE)法、または分子ビームエピタキシャル(MB
E)法等を用いることができる。これらの方法のうち、
MOCVD法では、原料ガスとして例えばトリメチルガ
リウム(TMG、(CH3)3Ga)、トリメチルアルミ
ニウム(TMA、(CH3)3Al)、アルシン(AsH
3)等が用いられる。また、n型ドーパントとしてはS
e、Si等が用いられ、p型ドーパントとしてはZn、
Mg等が用いられる。これらのドーパントの原料として
は、各々の金属の水素化物や有機化合物等が用いられ、
各々の導電型の半導体層を成長する際にキャリアガスに
より希釈されて成長装置内に導入される。
導体レーザ装置には、結晶成長またはその後の製造プロ
セスにおける熱履歴により、p型AlGaAs第2クラ
ッド層にドープされたZnやMg等が活性層方向に向か
って拡散してしまい、以下のような問題が生じることが
あった。
Mg等により結晶欠陥や深い準位が形成され、素子寿命
や発光効率等が劣化することである。
界面から離れてしまうので、電流閉じ込め効率の低下や
立ち上がり電圧の増大が起こることである。
て、活性層近傍のキャリア濃度が減少するため、活性層
からp型第2クラッド層へのキャリア漏れが生じて閾値
電流が増大し、素子の温度特性が劣化することである。
れたZnやMg等が拡散する原因としては、GaAsお
よびAlGaAs結晶中におけるZnやMg等の拡散係
数が大きいということが考えられる。そこで、ZnやM
g等に比べて拡散係数が非常に小さく、かつ、良好な電
気特性を有するp型ドーパントとして、炭素(C)を用
いる方法が提案されている。例えば、特開平6−163
985号公報には、n型ドーパントとしてSiを用い、
p型ドーパントとしてCを用いて急峻なpn接合界面を
形成する方法が開示されている。
場合には、以下のような問題がある。半導体層にCをド
ープする方法としては、その半導体層の原料であるトリ
メチルガリウムやトリメチルアルミニウム等の有機金属
を熱分解することによって半導体層中にCを取り込む方
法が一般的である。この場合、これらの有機金属の構成
基であるメチル基((CH3)−)やエチル基((C2H
5)−)等のアルキル基は、通常の成長条件下では熱分
解が促進されないため、ドーピング効率が低い。一方、
Cがドープされるp型第2クラッド層は、活性層に対し
て高効率のキャリア注入を行うために、キャリア濃度を
高くする必要がある。従って、上述のような原料を用い
て熱分解によりCを高濃度にドープするには、結晶成長
条件を通常条件から大幅に変化させて、水素ラジカルに
よる不活性化を防ぐ必要がある。例えば、基板温度が通
常条件で700℃〜800℃程度である場合には、Cド
ープ層の成長の際にはV/III(V族元素とIII族元素と
の供給量の比)を極端に下げると共に、500℃〜60
0℃の低温で成長させる必要がある。このような低温で
結晶成長を行うと、結晶中に欠陥が生じ易くなり、特
に、活性層近傍に結晶欠陥が生じると、素子特性の劣化
を招く大きな原因となる。
ド層中のZnやMg等の拡散により生じる問題を防ぐた
めに、p型ドーパントとしてのZnやMg等をCに完全
に置き換えることは、結晶成長条件の制御性および半導
体レーザ装置の素子特性の維持という観点からは困難で
あった。
決すべくなされたものであり、p型クラッド層中のZn
やMg等の拡散に起因する素子特性の低下を防ぐことが
でき、素子寿命に優れ、歩留り良く、かつ制御性良く製
造できる半導体レーザ装置およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
した結果、p型第2クラッド層中にドーピングされたZ
nやMg等の異常拡散が生じるのは、その上に積層され
たn型GaAs電流阻止層で生成された格子間Gaがp
型第2クラッド層に拡散することに起因しており、この
格子間Gaの拡散を阻止することによりZnやMg等の
拡散を防止できるとの着想を得た。さらに、格子間Ga
の拡散を阻止するためには、p型第2クラッド層とn型
電流阻止層との間に、不純物としてCをドープした半導
体層を形成することにより達成されることを見い出し、
本発明に到達した。
基板上に、n型第1クラッド層と活性層とp型第2クラ
ッド層とが基板側からこの順に形成され、該第2クラッ
ド層上に、ストライプ状溝部を有するn型電流阻止層が
形成され、該ストライプ状溝部上および該電流阻止層上
に渡ってp型第3クラッド層が形成されている半導体レ
ーザ装置において、該第2クラッド層と該電流阻止層と
の間に、不純物として少なくとも炭素を含有する半導体
層が形成されており、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
基板上に、n型第1クラッド層と活性層とp型第2クラ
ッド層とが基板側からこの順に形成され、該第2クラッ
ド層上に、少なくともp型第3クラッド層がメサストラ
イプ状凸型に形成され、該第2クラッド層上における第
3クラッド層の両外側に、n型電流阻止層が形成されて
いる半導体レーザ装置において、該第2クラッド層と該
電流阻止層との間に、不純物として少なくとも炭素を含
有する半導体層が形成されており、そのことにより上記
目的が達成される。
とが、厚み方向に0.1μm以上離隔して形成されてい
るのが望ましい。
ア濃度が1×1016cm-3以上1×1019cm-3以下で
あるのが望ましい。
前記第2クラッド層と前記電流阻止層との間に、アルキ
ル基を有する有機金属化合物を原料ガスとして用いる気
相成長法により、該アルキル基の熱分解過程で生じる炭
素を不純物として含有する半導体層を成長させており、
そのことにより上記目的が達成される。
n型電流阻止層との間に、Cドープ層が形成されている
ので、Znの異常拡散の原因となる格子間Gaの拡散が
抑制される。従って、活性層近傍に形成されるp型第2
クラッド層には、従来通りZnやMg等のドーパントを
用いることができる。
1μm以上離隔して形成すると、Cドープ層成長時の組
成比変更や成長温度変更に伴う結晶欠陥の影響が及ばな
い。Cドープ層中の炭素キャリア濃度は、1×1016c
m-3以上1×1019cm-3以下であれば、Znの拡散を
十分抑制でき、結晶性の劣化も生じない。
属化合物を原料ガスとして用いる気相成長法により成長
させることにより、アルキル基の熱分解過程で生じる炭
素を不純物として含有させて、所望の位置に制御性良く
形成できる。
図面を参照しながら説明する。尚、本発明は以下の実施
形態に限定されるものではない。
自己整合型半導体レーザ装置に本発明を適用した例につ
いて示す。
13の断面図を示す。
As基板101上に、厚み0.5μmのn型GaAsバ
ッファ層102が形成され、その上に、厚み1.0μm
のAl0.5Ga0.5As第1クラッド層103、厚み0.
08μmのAl0.14Ga0.86As活性層104、厚み
0.25μmのp型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
105、厚み0.1μmのp型Al0.5Ga0.5As C
ドープ層106、厚み0.003μmのp型GaAs第
1エッチングストップ層107、厚み0.01μmのp
型Al0.6Ga0.4As第2エッチングストップ層108
および厚み0.6μmのn型GaAs電流阻止層109
が形成されている。
第1エッチングストップ層107に達するようにストラ
イプ状溝部112が形成され、その溝部112を埋め込
むように、n型GaAs電流阻止層109上に厚み1.
0μmのp型Al0.5Ga0.5As第3クラッド層110
が形成されている。さらにその上には、厚み1.5μm
のp型GaAsコンタクト層111が形成されている。
うにして作製できる。
ピタキシャル成長により、n型GaAs基板101上
に、n型バッファ層102、n型第1クラッド層10
3、活性層104、p型第2クラッド層105、p型C
ドープ層106、p型第1エッチングストップ層10
7、p型第2エッチングストップ層108およびn型電
流阻止層109を順次成長する。この時、原料ガスとし
ては、TMG、TMAおよびアルシンを用いる。ドーピ
ングは、n型バッファ層102およびn型第1クラッド
層103には水素化セレンを用いてSeを1×1018c
m-3ドープし、p型第2クラッド層105、p型第1エ
ッチングストップ層107、p型第2エッチングストッ
プ層108にはジエチル亜鉛を用いてZnを1×1018
cm-3ドープする。p型Cドープ層106にはTMGお
よびTMAからの取り込みを利用してCを1×1018c
m-3ドープし、n型電流阻止層109には水素化セレン
を用いてSeを3×1018cm-3ドープする。成長条件
としては、成長温度を、p型Cドープ層106の成長時
のみ650℃とし、他の層は全て750℃とする。
ング技術とを用いてn型電流阻止層109およびp型第
2エッチングストップ層108を順次エッチング除去し
てストライプ状溝部112を形成する。まず初めに、G
aAsのエッチングレートがAl0.6Ga0.4Asのエッ
チングレートよりも十分大きなエッチング溶液、例えば
アンモニア水溶液と過酸化水素水との混合液により、n
型GaAs電流阻止層109のみを選択的にエッチング
除去する。次に、Al0.6Ga0.4Asのエッチングレー
トがGaAsのエッチングレートよりも十分大きなエッ
チング溶液、例えばフッ化水素酸の水溶液により、p型
Al0.6Ga0.4As第2エッチングストップ層108の
みを選択的にエッチング除去する。
エピタキシャル成長により、n型電流阻止層109上お
よびストライプ状溝部109上に、p型第3クラッド層
110およびp型コンタクト層111を順次成長する。
この時の原料ガスとしてもTMG、TMAおよびアルシ
ンを用い、ドーピングはジエチル亜鉛を用いてp型第3
クラッド層110にはZnを1×1018cm-3ドープ
し、p型コンタクト層111にはZnを5×1018cm
-3ドープする。以上により半導体レーザ装置113が完
成する。
て、p型Al0.5Ga0.5As Cドープ層106をZn
ドープ層とした以外は、実施形態1と全く同様にして半
導体レーザ装置を作製した。また、比較例1−2とし
て、p型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層105全体
をZnドープする代わりにCドープした以外は、実施形
態1と全く同様にして半導体レーザ装置を作製した。
の半導体レーザ装置について、p型第2クラッド層中1
05におけるZnの深さ方向のプロファイルをSIMS
(2次イオン質量分析法)により測定した結果を示す。
−1の半導体レーザ装置においては、p型第2クラッド
層105中のZnが活性層104方向に拡散し、活性層
104近傍におけるp型第2クラッド層105のキャリ
ア濃度が大きく減少している。また、Znプロファイル
は急峻ではなく、pn接合界面が不明瞭になっている。
た実施形態1の半導体レーザ装置においては、活性層1
04近傍においてもp型第2クラッド層105のキャリ
ア濃度が高く、また、Znプロファイルも急峻である。
このようにn型電流阻止層109とp型第2クラッド層
105との間にCドープ層106を形成することによ
り、p型第2クラッド層中のZnの拡散を抑止できる理
由は、C原子がn型電流阻止層109から拡散してくる
格子間Gaを捕獲して複合物を形成し、拡散速度の速い
格子間Znの生成を阻止するためと考えられている。
の半導体レーザ装置について、電極形成、劈開および端
面コーティングの各プロセスを同一条件で行った後、発
光素子用ステムに実装した。これらに対してDC駆動に
よる光出力5mWでの特性評価、および80℃で100
0時間の寿命試験とを行った結果を下記表1に示す。
尚、以下の表において、エージング歩留りは、1000
時間の寿命試験後、駆動電流の上昇が初期値に対して2
0%以内であったものの割合を表す。
層のドーパントを完全にZnからCに置き換えた比較例
1−2の半導体レーザ装置は、p型第2クラッド層のド
ーパントがZnでCドープ層が無い比較例1−1の半導
体レーザ装置に比べて、動作電圧、素子抵抗および特性
温度等の素子特性は改善されている。しかし、比較例1
−2の半導体レーザ装置では、Cドープ時に成長温度を
下げる必要があるため活性層近傍に結晶欠陥生じ、これ
が駆動時間の経過と共に拡大するので、素子寿命は逆に
低下している。一方、実施形態1の半導体レーザ装置
は、p型第2クラッド層とn型電流阻止層との間にのみ
Cドープ層を設けているので、活性層近傍には結晶欠陥
が導入されにくく、素子特性および素子寿命の両方が大
きく改善されている。
図1に示した半導体レーザ装置におけるp型第1エッチ
ングストップ層107およびp型第2エッチングストッ
プ層108の形成を省略し、p型Cドープ層106上に
n型電流阻止層109をエピタキシャル成長したこと以
外は、実施形態1と全く同様にして半導体レーザ装置を
作製した。
p型Al0.5Ga0.5As Cドープ層106をZnドー
プ層とした以外は、実施形態2と全く同様にして半導体
レーザ装置を作製した。
置について、電極形成、劈開および端面コーティングの
各プロセスを同一条件で行った後、発光素子用ステムに
実装した。これらに対してDC駆動による光出力5mW
での特性評価、および80℃で1000時間の寿命試験
とを行った結果を下記表2に示す。
導体レーザ装置は、p型第2クラッド層とn型電流阻止
層との間にエッチングストップ層が形成されていない
が、実施形態1の半導体レーザ装置と同様に、素子特性
および素子寿命の改善の効果が十分発揮されている。
Cドープ層をZn拡散阻止層としての機能とp型クラッ
ド層としての機能とを兼ね備えた層として形成した。即
ち、図1に示した半導体レーザ装置におけるp型Cドー
プ層106のキャリア濃度を1×1017cm-3とすると
共にZnを1×1018cm-3ドープしたこと以外は、実
施形態1と全く同様にして半導体レーザ装置を作製し
た。
p型Al0.5Ga0.5As Cドープ層106にZnのみ
をドープした以外は、実施形態3と全く同様にして半導
体レーザ装置を作製した。
置について、電極形成、劈開および端面コーティングの
各プロセスを同一条件で行った後、発光素子用ステムに
実装した。これらに対してDC駆動による光出力5mW
での特性評価、および80℃で1000時間の寿命試験
とを行った結果を下記表3に示す。
Cドープ層106のキャリア濃度を低くすると共にZn
がドーピングされているが、後述するように、n型電流
阻止層から拡散する格子間Gaの総量と同程度のC原子
を含んでいれば、第2クラッド層からのZnの拡散を抑
止できる。従って、本実施形態3の半導体レーザ装置の
ような低濃度のCドープであっても、表3に示すよう
に、素子特性および素子寿命の改善効果が十分発揮され
ている。
プ層は機能的に独立した層として形成する必要はなく、
p型クラッド層成長中にその一部をCドープ層とするこ
とにより、p型クラッド層とZn拡散阻止層との機能を
兼ね備えた層とすることができる。
p型Cドープ層をZn拡散阻止層としての機能と電流阻
止層の機能とを兼ね備えた層として形成した。即ち、図
1の半導体レーザ装置におけるp型Cドープ層106を
省略してp型第2クラッド層105の層厚を0.35μ
mにすると共に、n型GaAs電流阻止層109の成長
開始から層厚0.1μmまでの領域に、Seを3×10
18cm-3ドープすると共にCを1×1017cm-3ドープ
したこと以外は、実施形態1と全く同様にして半導体レ
ーザ装置を作製した。
n型電流阻止層成長中にCドープを行わなかった以外
は、実施形態4と全く同様にして半導体レーザ装置を作
製した。
置について、電極形成、劈開および端面コーティングの
各プロセスを同一条件で行った後、発光素子用ステムに
実装した。これらに対してDC駆動による光出力5mW
での特性評価、および80℃で1000時間の寿命試験
とを行った結果を下記表4に示す。
電流阻止層の下側界面近傍にCドープ層を形成したが、
n型電流阻止層のSeキャリア濃度は3×1018cm-3
と高いので、低濃度のCドープを行っても導電型の反転
は起こらない。従って、電流阻止機能には何等影響を及
ぼすことはなく、素子特性および素子寿命の改善を行う
ことができる。
プされるn型不純物のキャリア濃度とCのキャリア濃度
とを、 (n型不純物のキャリア濃度)>(Cのキャリア濃度) となるように設定すれば、Cドープ層をn型電流阻止層
とZn拡散阻止層との機能を兼ね備えた層とすることが
できる。
は、実施形態1に示したようなストライプ溝部112形
成プロセスにおいて溝部のCドープ層が除去されるの
で、表4に示すように、実施形態1〜3に比べて更に特
性が改善されている。
p型第2エッチングストップ層108をCドープ層とし
て形成した。即ち、図1の半導体レーザ装置におけるp
型Cドープ層106を省略してp型第2クラッド層10
5の層厚を0.35μmにすると共に、p型Al0.6G
a0.4As第2エッチングストップ層108のドーパン
トとしてZnの代わりにCを5×1018cm-3ドープし
たこと以外は、実施形態1と全く同様にして半導体レー
ザ装置を作製した。
p型第2エッチングストップ層108をZnドープとし
たこと以外は、実施形態5と全く同様にして半導体レー
ザ装置を作製した。
置について、電極形成、劈開および端面コーティングの
各プロセスを同一条件で行った後、発光素子用ステムに
実装した。これらに対してDC駆動による光出力5mW
での特性評価、および80℃で1000時間の寿命試験
とを行った結果を下記表5に示す。
第2クラッド層とn型電流阻止層との間に形成されたp
型エッチングストップ層にCをドープして、Zn拡散阻
止層としての機能とエッチングストップ層としての機能
とを併せ持つ層としたが、このように薄い層でも比較的
高濃度にドーピングを行うことにより、素子特性と素子
寿命の改善を十分に行うことができる。
は、実施形態1に示したようなストライプ溝部112形
成プロセスにおいて溝部のCドープ層が除去されるの
で、表5に示すように、実施形態1〜3に比べて更に特
性が改善されている。
リッジストライプ型半導体レーザ装置に本発明を適用し
た例について示す。
11の断面図を示す。
As基板201上に、厚み0.5μmのn型GaAsバ
ッファ層202が形成され、その上に、厚み1.0μm
のAl0.5Ga0.5As第1クラッド層203、厚み0.
08μmのAl0.14Ga0.86As活性層204、厚み
0.25μmのp型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
205、厚み0.1μmのp型Al0.5Ga0.5As C
ドープ層206および厚み1.0μmのp型Al0.5G
a0.5As第3クラッド層207が形成されている。
にリッジストライプ状に形成され、その両外側を埋め込
むようにp型Cドープ層206上に厚み0.6μmのn
型GaAs電流阻止層208が形成されている。さらに
その上には、基板全面を覆うように厚み1.5μmのp
型GaAsコンタクト層209が形成されている。
うにして作製できる。
ピタキシャル成長により、n型GaAs基板201上
に、n型バッファ層202、n型第1クラッド層20
3、活性層204、p型第2クラッド層205、p型C
ドープ層206、p型第3クラッド層207を順次成長
する。エピタキシャル成長における原料ガス、成長条件
およびドーピング条件等は実施形態1の半導体レーザ装
置の製造工程に準じて行うことができる。
パッタリング法等の公知の技術を用いてSiNx膜を形
成し、これをフォトリソグラフィー技術とエッチング技
術とを用いてストライプ状にエッチングする。このスト
ライプ状SiNx膜およびレジストをマスクとして、p
型第3クラッド層207をリッジストライプ状にエッチ
ングする。この時、硫酸系水溶液またはフッ化水素酸水
溶液等を用いて時間制御エッチングを行う。あるいは、
p型Cドープ層206とp型第3クラッド層207との
間にp型GaAs層を薄く成長させて、これをエッチン
グストップ層として用いてもよい。ここで、ストライプ
状SiNx膜はレジストで保護されているのでエッチン
グされない。
し、MOCVD法を用いた第2回目のエピタキシャル成
長により、p型Cドープ層206上にn型電流阻止層2
08を形成する。この時、所謂選択成長によりSiNx
膜上にはGaAsが堆積せず、n型電流阻止層208は
リッジストライプ状のp型第3クラッド層207の両側
面を埋めるように積層される。
法を用いた第3回目のエピタキシャル成長により、基板
全面にp型コンタクト層208を積層形成する。以上に
より半導体レーザ装置211が完成する。
p型Al0.5Ga0.5As Cドープ層206をZnドー
プ層とした以外は、実施形態6と全く同様にして半導体
レーザ装置を作製した。
置について、電極形成、劈開および端面コーティングの
各プロセスを同一条件で行った後、発光素子用ステムに
実装した。これらに対してDC駆動による光出力5mW
での特性評価、および80℃で1000時間の寿命試験
とを行った結果を下記表6に示す。
導体レーザ装置は、半導体レーザ装置の構造および製造
方法を変化させてもそれに左右されずに、素子特性およ
び素子寿命の両方が大きく改善されている。
の第3クラッド層207は、第2クラッド層とは別にエ
ピタキシャル成長させたが、第2クラッド層のエッチン
グにより形成してもよい。
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
TMG−TMA−アルシンの組み合わせを用いたが、他
の原料ガスを用いてもよい。例えば、アルキル基を有す
る有機金属化合物としてトリエチルガリウム、トリエチ
ルアルミニウムを用いてもよく、As源としてトリメチ
ルアルシン((CH3)3As)等を用いてもよい。ま
た、n型ドーパントとしては、Seの代わりにSiを用
いてもよく、p型ドーパントとしては、Znの代わり
に、Znと同様の挙動を示すMgを用いてもよい。成長
法については、MOCVD法以外にMBE法、LPE
法、MOMBE法、ALE(原子線エピタキシャル)法
等、他の方法を用いてもよい。
形態に示したように、原料ガスに含まれる有機金属アル
キル基の熱分解過程で生成されるCを、結晶成長中に取
り込む方法が最も適している。その他の方法、例えばイ
オン注入法や拡散法のように結晶成長後に不純物をドー
ピングする方法では界面にCドープ層を形成することは
困難である。それに対して、MOCVD法では結晶成長
中にドーピングを行うので、所望の位置にCドープ層を
形成することができ、ドーピングの制御性にも優れてい
るからである。
有機金属化合物以外に四塩化炭素(CCl4)を用いる
方法(Applied Physics Letters vol.56,No9,p836(199
0))も提案されているが、有機ハロゲン化物は環境に与
える悪影響が深刻なため、実用的ではない。
濃度、成長条件は、実施形態に示した以外のものを用い
てもよい。
型電流阻止層から拡散する格子間Gaの総量と同じ程度
のC原子を含んでいれば、Zn拡散を抑止できる。一
方、Cをあまり高濃度にドーピングすると、結晶性の劣
化が顕著になる。従って、通常の結晶成長条件の範囲内
で制御可能なキャリア濃度1×1016cm-3以上1×1
019cm-3以下とするのが望ましい。このキャリア濃度
の範囲であれば、Cドープ位置またはCドープ層厚を最
適化することにより、素子特性および素子寿命が改善さ
れた半導体レーザ装置を歩留りおよび制御性よく製造で
きる。
型第2クラッド層の層厚を0.25μmとしてその上に
Cドープ層を形成し、実施形態4、5ではp型第2クラ
ッド層の層厚を0.35μmとしてその上にCドープ層
を形成したが、Cドープ層と活性層との間は、厚み方向
に0.1μm以上離れているのが望ましい。これは、C
ドープ時には成長温度を変更したり、V/IIIを変更し
たりする必要があるので、これに伴う結晶欠陥の影響が
活性層に及ぶのを防ぐためである。
s系材料に本発明を適用したが、それ以外の材料につい
ても適用可能であり、例えば、InGaAsやGaAs
P、更にこれらの4元混晶系材料にも適用することがで
きる。
によれば、第1導電型の電流阻止層と第2導電型の第2
クラッド層との間にCドープ層が形成されているので、
結晶成長中に電流阻止層で生成される格子間Gaのp型
第2クラッド層への拡散を抑制でき、p型第2クラッド
層中のZnの異常拡散を抑止できる。従って、(1)活
性層中にZnが拡散して素子寿命や発光効率等を劣化さ
せたり、(2)pn接合位置がヘテロ接合界面から離れ
て電流閉じ込め効率の低下や立ち上がり電圧の増大が生
じたり、(3)p型第2クラッド層中で活性層近傍のキ
ャリア濃度が減少して閾値電流の増大や素子の温度特性
の劣化を引き起こしたり、という問題を防ぐことができ
る。よって、素子特性に優れた半導体レーザ装置を歩留
り良く製造することができる。
ラッド層には、従来通りZnやMg等のドーパントを用
いることができ、結晶成長条件を大幅に変化させる必要
がない。従って、素子特性および素子寿命に優れた設計
通りの半導体レーザ装置を制御性および歩留り良く製造
できる。
に0.1μm以上離隔して形成すると、Cドープ層成長
時の組成比変更や成長温度変更に伴う結晶欠陥の影響が
活性層近傍に及ばないので望ましい。
1016cm-3以上1×1019cm-3以下の範囲が望まし
く、Cドープ位置またはCドープ層の層厚を最適化する
ことによりZnの拡散を十分抑制でき、結晶性の劣化も
生じない。
属化合物を原料ガスとして用いる気相成長法により成長
させて、アルキル基の熱分解過程で生じる炭素を不純物
として含有させることができるので、所望の位置に制御
性良く形成でき、環境に悪影響を及ぼす心配もない。
ディスク等を中心に広い分野に用いることができる。
面図である。
面図である。
装置について、Zn拡散のSIMS分析を行った結果を
示す図である。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 n型半導体基板上に、n型第1クラッド
層と活性層とp型第2クラッド層とが基板側からこの順
に形成され、該第2クラッド層上に、ストライプ状溝部
を有するn型電流阻止層が形成され、該ストライプ状溝
部上および該電流阻止層上に渡ってp型第3クラッド層
が形成されている半導体レーザ装置において、 該第2クラッド層と該電流阻止層との間に、不純物とし
て少なくとも炭素を含有する半導体層が形成されている
半導体レーザ装置。 - 【請求項2】 n型半導体基板上に、n型第1クラッド
層と活性層とp型第2クラッド層とが基板側からこの順
に形成され、該第2クラッド層上に、少なくともp型第
3クラッド層がメサストライプ状凸型に形成され、該第
2クラッド層上における第3クラッド層の両外側に、n
型電流阻止層が形成されている半導体レーザ装置におい
て、 該第2クラッド層と該電流阻止層との間に、不純物とし
て少なくとも炭素を含有する半導体層が形成されている
半導体レーザ装置。 - 【請求項3】 前記炭素を含有する半導体層と前記活性
層とが、厚み方向に0.1μm以上離隔して形成されて
いる請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項4】 前記半導体層中に含有される炭素のキャ
リア濃度が1×1016cm-3以上1×1019cm-3以下
である請求項1、2または3に記載の半導体レーザ装
置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
半導体レーザ装置を製造する方法であって、 前記第2クラッド層と前記電流阻止層との間に、アルキ
ル基を有する有機金属化合物を原料ガスとして用いる気
相成長法により、該アルキル基の熱分解過程で生じる炭
素を不純物として含有する半導体層を成長させる半導体
レーザ装置の製造方法。
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-
1995
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