JPH0968644A - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

Info

Publication number
JPH0968644A
JPH0968644A JP7223946A JP22394695A JPH0968644A JP H0968644 A JPH0968644 A JP H0968644A JP 7223946 A JP7223946 A JP 7223946A JP 22394695 A JP22394695 A JP 22394695A JP H0968644 A JPH0968644 A JP H0968644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image plane
lens
time
diagram
driving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7223946A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ogasawara
昭 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP7223946A priority Critical patent/JPH0968644A/ja
Publication of JPH0968644A publication Critical patent/JPH0968644A/ja
Priority to US08/943,203 priority patent/US5862417A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、移動被写体の像面の移動を予測し
て合焦状態を維持するように撮影レンズを駆動する追尾
サーボをより理想的な状態で行える自動焦点調節装置に
関する。 【解決手段】 駆動手段1は、被写体の像面の移動速度
あるいは移動予測線図を、演算手段4が過去に算出した
複数のデフォーカス量、合焦状態検出手段3の蓄積時
刻、及びレンズ移動量検出手段5から取得したレンズ位
置の各データから回帰計算して求め、その計算結果に基
づき未来の像面位置を推定しレンズ駆動を行うことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラなどで採用
される自動焦点調節装置に係り、特に被写体の移動を検
出し、その移動被写体の像面の移動を予測して合焦状態
を維持するように撮影レンズを駆動する予測フォーカス
方式の自動焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動焦点調節機能(オートフォーカス機
能)を有する一眼レフカメラでは、被写体が運動してい
ることを検出すると、その運動を考慮したデフォーカス
量を形成し、それに基づき撮影レンズを駆動し、合焦状
態を維持しようとする予測フォーカス方式(以下「追尾
サーボ」という)が各種提案されている(例えば、特開
平4−133016号公報、特開平5−2127号公
報、特開平3−80235号公報、特開平1−1072
24号公報等)。
【0003】一般に、デフォーカス量の検出は次のよう
にして行われる。即ち、撮影レンズを透過した光束の一
部を専用の焦点検出光学系によってCCD(電荷蓄積素
子)などの電荷蓄積型センサ(以下「AFセンサ」と言
う)上に導き、適当な時間内光像の照度分布に応じた電
荷を蓄積した後に読み出し、A/D変換器でディジタル
データに変換してマイクロコンピュータ(以下「CP
U」と言う)に入力し、CPUが所定のアルゴリズムを
実行して合焦状態を判定し、デフォーカス量をフィルム
面と被写体像面との相対的な距離として演算検出する。
【0004】なお、デフォーカス量の演算方式として
は、例えば特開昭58−142306号公報、特開昭5
9−107313号公報等で提案されている。ここに、
AFセンサの蓄積時間は、被写体照度に応じて、例えば
10μs〜数100msの時間を要し、またアルゴリズ
ムによる演算にも数10msの時間がかかるので、デフ
ォーカス量は、少なくとも30msの周期で間欠的に検
出される離散的データである。
【0005】従って、追尾サーボでは、このように間欠
的に検出されるデフォーカス量から被写体像面の移動速
度を算出することが重要な課題となる。本発明者は、A
Fセンサの蓄積と撮影レンズの駆動とを並行して行う、
いわゆるオーバラップサーボ方式の自動焦点調節装置を
開発し先に出願した(特開平4−133016号公
報)。そこで採用した被写体像面の移動速度を算出する
方式は図12に示すようなものである。
【0006】図12は、本発明者の提案に係る被写体像
面の移動速度を検出する原理説明図である。図12にお
いて、横軸tは時間であり、縦軸zは光軸上の距離であ
る。また、図中Qで示す線図は、フィルム面と共役な合
焦位置であり、被写体が動くにつれてその位置が時間と
共に動いて行く様子を示す。図中Lで示す線図は、撮影
レンズによる実際の結像面の位置である。従って、Qと
Lの差は、デフォーカスの大きさDを示し、直接測定さ
れる量である。
【0007】また、横軸上に示すt(n)、t(n-1)・・等
の点は、AFセンサの各蓄積時間の中央時刻であり、こ
れを挟んで上方へQまたはLまで引いた2本の縦線で挟
まれる期間が蓄積時間である。以後、他の図においても
縦軸、横軸、線図Q、線図Lは、同じ意味を持つものと
する。また例えば時刻t(n-1)、t(n)等でのデフォーカ
ス量をD(n-1)、D(n)のように表す。
【0008】なお、今後は、AFセンサ蓄積時間を時刻
t(n) などと表すが、実際には蓄積電荷型センサを用い
る限り、蓄積時間が必要である点、注意する必要があ
る。さて、図12おいて、時刻t(n)での測距で得られ
るデフォーカス量D(n)と前回のデフォーカス量D(n-
1)、及び、この間の撮影レンズの移動量M(n)から、時刻
t(n-1)から時刻t(n)までの被写体の結像面の移動量P
(n)は、図12から P(n)=D(n)+M(n)−D(n-1) ・・・・(1) となる。これから被写体像面の移動速度S(n)は、 S(n)=P(n)/{t(n-1)−t(n)} ・・・・(2) と計算される。
【0009】デフォーカス量Dは、光軸に沿った距離の
単位として測定される。一方、撮影レンズの移動量は、
レンズ駆動モータの回転を検出するエンコーダの出力パ
ルス数として検出される。被写体像面速度を単位時間当
たりの光軸に沿った移動距離として得たい場合は、エン
コーダの出力パルス数に撮影レンズの撮影倍率から決ま
る比例定数を乗じて計算すれば良く、また単位時間当た
りのエンコーダパルス数として得たい場合は、逆にデフ
ォーカス量をパルスに換算すれば良い。
【0010】ところが、間欠的に測定されるデフォーカ
ス量には、AFセンサの信号ノイズや被写体の測距領域
の奥行きの入り方によって誤差が必ず含まれている。被
写体像面速度を算出するには、数式(1)から明らかな
ように、2つのデフォーカス量の差分を計算しているの
で、この測距誤差が大きな影響を与える。特に、2つの
デフォーカス測定時刻t(n)、t(n-1)が接近していれ
ば、差分が極めて小さいので、被写体像面速度の算出結
果は極めて不正確かつ不安定となる。
【0011】そこで、これに対する対策として本発明者
は、先に示した特開平4−133016号公報におい
て、被写体像面速度を、連続する2回のデフォーカス量
の差分から求めるのではなく、適当な間隔を持った数世
代前のデフォーカス量と新しいデフォーカス量との差分
から求めることを提案している。図13を参照して概要
を説明する。
【0012】図13は、2世代前のデフォーカス量D(n
-2)と最新のデフォーカス量D(n)から被写体像面速度を
検出する原理説明図である。図13において、このとき
の被写体の結像面の移動量P(n)は、 P(n)=D(n)+M2(n)−D(n-2) ・・・・(3) となる。また、被写体像面の移動速度S(n)は、 S(n)=P(n)/{t(n)−t(n-2)} ・・・・(4) となる。但し、数式(3)においてM2(n)は、時刻t(n
-2)から時刻t(n)までの間に撮影レンズが移動した距離
を表す。
【0013】勿論、もっと過去のデフォーカス量と測距
時刻のデータを使って結像面の移動量を求めれば、デフ
ォーカス量の差よりも撮影レンズの移動量の方が相対的
に大きくなり、測定精度が上がる。しかし、被写体速度
が時々刻々変化する状況下では、応答性が落ちるので、
何世代前のデータを用いてレンズ速度を計算するかは、
その間の結像面の移動量Pの大きさによって動的に選ん
だ方が良い。
【0014】つまり、結像面の移動速度が早いときに
は、何世代も前の過去のデータを用いる必要はなく、逆
に遅いときには、かなり前のデータまで遡る必要があ
る。実際には、応答性上例えば300ms程度が限度で
あり、この間に可能なデフォーカス量の測定回数は、被
写体照度やCPUの演算速度に影響される。従ってこの
範囲の過去の測定データのうちから適当なものを選ぶこ
とになる。
【0015】また、特開平3−80235号公報では、
レリーズ開始時にそれまでのデフォーカス量と測距時刻
とからなるバックアップデータを用いて1次回帰線図を
算出しする方式を提案している。但し、この公報では、
被写体は静止している、つまり合焦位置は固定している
場合を想定し、これに対しオーバラップサーボで合焦さ
せようとするときに、レンズ駆動中に繰り返し測定され
るデフォーカス量に対して、その時間変化を予測する1
次回帰線図を計算している。この予測線図を y=a+bt ・・・・(5) とすると、デフォーカス量をD(k)、これに対応するAF
センサ蓄積時間をt(k)と表すと、2つのパラメータ
a、bは、 b={Σt(k)−(Σt(k)・D(k)/n}/{Σt(k)2−(Σt(k)2/n} ・・・・(6) a={ΣD(k)−bΣt(k)}/n ・・・・(7) で与えられる。但し、Σは、k=1からnまでのn個に
ついて加算する。
【0016】図14は、1次回帰線図を求める方式の原
理説明図である。数式(5)の予測デフォーカス量が0
となる時刻を求めれば、それがフィルム露光タイミング
に最適な時刻を与えるので、上記特開平3−80235
号公報では、これに合わせて露光開始することを提案し
ている。また、特開平1−107224号公報では、結
像面の移動軌跡を1次関数ではなく、例えば2次関数の
ような曲線で予測することを提案している。
【0017】図15は、結像面の移動軌跡を曲線で予測
する場合の原理説明図である。この公報では、レンズ駆
動と、AFセンサの蓄積やデフォーカス量の演算を時間
的にオーバラップさせておらず、DF1を前々回のデフ
ォーカス量、DF2を前回のデフォーカス量、DF3を
今回のデフォーカス量とし、前々回と前回の間のレンズ
駆動量をDL1、前回と今回の間のレンズ駆動量をDL
2とし、像面を X=at2+bt+c ・・・・(8) なる2次関数で表した場合に、3つのパラメータa、
b、cが a={(DF3+DL2−DF2)/(TM1+TM2)TM2} +{(DF1−DL1−DF2)/(TM1+TM2)TM1} ・・・・(9) b=(DF2+DL1−DF1−a・TM12)/TM1 ・・・ (10) c=DF1 ・・・ (11) で与えられることが示されている。
【0018】この公報では、通常の(レリーズシーケン
ス以前の)AFレンズ駆動において、毎回のデフォーカ
ス量検出直後のレンズ駆動目標を、レンズ駆動に当てる
所定の時間とレリーズシーケンスにおけるフィルム露光
までの遅延時間(レリーズタイムラグと呼んでいる)の
合計時間の経過後における数式(8)で計算される合焦
位置としている。
【0019】つまり、レリーズシーケンスの開始を毎回
のレンズ駆動終了直後に強制的に同期させることで、フ
ィルム露光タイミングには合焦位置となるように制御し
ている。従って、レリーズシーケンスの開始は、毎回の
レンズ駆動終了時にしか受付られない。図15は、以上
の説明を図示したものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−25667
7号公報に記載のものでは、像面速度の検出精度を上げ
るために数世代前の測定データとの差分を用いている
が、間引かれた他のデータを考慮しておらず、情報をフ
ルに利用できていない。その点、特開平3−80235
号公報に開示された1次回帰線図を求める手法は、より
正確で優れていると言える。しかし、静止被写体だけを
考慮している上に、レリーズシーケンス開始後の最適な
露光タイミングを得るために用いられているのみであ
る。
【0021】しかも、撮影レンズの駆動速度が等速で測
距の時間(AFセンサの蓄積時間)の間隔が毎回等しい
ことを暗黙に仮定しており、実用性に乏しい。また、こ
の特開平3−80235号公報に記載のものでは、レリ
ーズシーケンスに入る前の追尾サーボには、回帰線図を
用いて像面位置の予測を行う基本的な考えが全くないの
で、移動被写体に対するレンズ駆動には適用できない。
【0022】次に、特開平1−107224号公報に記
載のものでは、数式(8)の2次関数のような曲線で像
面を予測している点は、実際の像面の運動が線形ではな
く、加速的になることを考慮したもので、数式(5)の
1次関数によるよりも予測合焦位置をより正確に求めら
れる可能性がある。しかし、AFセンサ蓄積とレンズ駆
動をオーバラップさせておらず、デフォーカス量検出の
度にレンズ駆動のために使う時間は、レンズ駆動量の大
きさに拘わらず一定とし、この駆動時間内にレンズ駆動
が終了することを前提としている。あるいは、通常のレ
ンズ駆動が終了する程度に駆動時間を制限している。
【0023】従って、この特開平1−107224号公
報に記載のものでは、レンズ駆動のために使われる時間
だけ必ず次回のAFセンサの蓄積が遅れ、単位時間当た
りのデフォーカス検出回数が、オーバラップサーボさせ
る場合に比べて少なくなる。
【0024】本発明は、このような従来の課題を解決す
べく創作されたもので、AFセンサ蓄積とレンズ駆動を
オーバラップさせて、単位時間当たりのデフォーカス検
出回数をなるべく多くし、更にそれらのデフォーカス量
を記憶しておき、像面が運動していることを検出して追
尾サーボに入った場合は、応答性を損なわない範囲にお
いてなるべく多くのバックアップデータから像面の運動
関数を予測する回帰線図を計算し、これにより理想的な
追尾サーボを可能にする自動焦点調節装置を提案するこ
とを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の自動焦点調節装置は次の如き構成を有する。図
1は、請求項1乃至請求項10に記載の発明の原理ブロ
ック図である。請求項1に記載の発明は、図1に示すよ
うに、撮影レンズ1の合焦状態を電荷蓄積型センサ2を
用いて検出する合焦状態検出手段3と、合焦状態検出手
段3の出力デ−タを処理して合焦位置までのズレ量とズ
レ方向からなるデフォ−カス量を算出する演算手段4
と、演算手段4が算出したデフォーカス量またはレンズ
駆動量に基づき撮影レンズ1の相対的位置と実際の移動
量を逐次検出するレンズ移動量検出手段5と、演算手段
4が算出したデフォ−カス量に従って撮影レンズ1を合
焦位置に駆動することをレンズ移動量検出手段5からの
検出移動量を参照して行う駆動手段6とを備える自動焦
点調節装置において、駆動手段1は、被写体の像面の移
動速度あるいは移動予測線図を、演算手段4が過去に算
出した複数のデフォーカス量、合焦状態検出手段3の蓄
積時刻、及びレンズ移動量検出手段5から取得したレン
ズ位置の各データから回帰計算して求め、その計算結果
に基づき未来の像面位置を推定しレンズ駆動を行うこと
を特徴とする。
【0026】請求項2に記載の発明は、図1に示すよう
に、請求項1に記載の自動焦点調節装置において、駆動
手段1の撮影レンズ駆動の最中に電荷蓄積型センサ2へ
の電荷蓄積をオ−バラップして行うオーバラップ制御手
段7を備えることを特徴とする。
【0027】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の自動焦点調節装置において、駆動手段
1が回帰計算に用いる過去のデータは、所定の時間内に
検出されたものからなり、そのデータ個数は動的に変化
するものであることを特徴とする。請求項4に記載の発
明は、請求項1または請求項2に記載の自動焦点調節装
置において、駆動手段1は、像面の移動予測線図を、毎
回の回帰計算によって求めた像面速度の変化量から像面
の加速度を検出して求め、それを未来の像面の位置の推
定に利用することを特徴とする。
【0028】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の自動焦点調節装置において、駆動手段1は、像面の移
動予測線図を、回帰計算に用いたデータの重心と、次回
の蓄積時刻の像面の予測点とを通るように決定すること
を特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項4に記
載の自動焦点調節装置において、駆動手段1は、像面の
移動予測線図を、回帰計算に用いたデータの重心と、次
々回の蓄積時刻の像面の予測点とを通るように決定し、
この線図に基づくレンズ駆動を次回の蓄積が終了した後
に行うことを特徴とする。
【0029】請求項7に記載の発明は、請求項4に記載
の自動焦点調節装置において、駆動手段1は、像面の移
動予測線図を、最新の蓄積時刻の像面位置と次回の蓄積
時刻の像面の予測点とを通るように決定することを特徴
とする。請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の自
動焦点調節装置において、駆動手段1は、像面の移動予
測線図を、最新の蓄積時刻の像面位置と、次々回の蓄積
時刻の像面の予測点とを通るように決定し、この線図に
基づくレンズ駆動を次回の蓄積が終了した後に行うこと
を特徴とする。
【0030】請求項9に記載の発明は、請求項4に記載
の自動焦点調節装置において、駆動手段1は、レリーズ
シーケンス起動時には、最新の蓄積時刻の像面位置とフ
ィルム露光開始時刻における像面位置とを通るように移
動予測線図を修正してレンズ駆動を行うことを特徴とす
る。
【0031】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の自動焦点調節装置において、駆動手段1は、フィル
ム露光開始以後も所定の時間が経過するまでは、修正し
た移動予測線図に基づきレンズ駆動を行うことを特徴と
する。
【0032】
【作用】次に、前記の如く構成される本発明の自動焦点
調節装置の作用を説明する。
【0033】請求項1に記載の発明では、図1におい
て、駆動手段1が、被写体の像面の移動速度あるいは移
動予測線図を、演算手段4が過去に算出した複数のデフ
ォーカス量、合焦状態検出手段3の蓄積時刻、及びレン
ズ移動量検出手段5から取得したレンズ位置の各データ
から回帰計算して求め、その計算結果に基づき未来の像
面位置を推定しレンズ駆動を行う。
【0034】従って、応答性を損なわない範囲で、過去
の測距データ(デフォーカス量とセンサ蓄積時刻)をな
るべく多く用いて合焦位置の予測関数を回帰演算するの
で、常に、像面予測位置に合焦するように撮影レンズを
駆動でき、ファインダ上でピントの合った状態を維持で
きる。請求項2に記載の発明では、図1において、オー
バラップ制御手段7が、駆動手段1の撮影レンズ駆動の
最中に電荷蓄積型センサ2への電荷蓄積をオ−バラップ
して行うので、単位時間当たりのデフォーカス検出回数
を多くすることができる。
【0035】従って、測定誤差の影響を最小限にできる
他、また被写体の動きに対する応答性が向上する。ま
た、常時レンズ駆動していることになるので、像面移動
速度の速い被写体も十分に追尾して撮影レンズを駆動し
合焦状態を維持できる。請求項3に記載の発明では、駆
動手段1は、過去の所定の時間内に検出されたデータを
用いて回帰計算を行うが、そのデータ個数は動的に変化
するので、間引かれた他のデータも考慮でき情報をフル
に利用できる。
【0036】請求項4に記載の発明では、駆動手段1
は、像面の移動予測線図を、毎回の回帰計算によって求
めた像面速度の変化量から像面の加速度を検出して求
め、それを未来の像面の位置の推定に利用するので、未
来の測距時のデフォーカス量が0となるように予測関数
を補正してそれに基づきレンズ駆動ができる。請求項5
乃至請求項8に記載の発明では、時間と共に合焦位置が
変わる像面の予測関数に対し、常に位置制御を行うこと
ができるので、レンズ駆動を滑らかに行え、撮影者に不
快感を与えないようにできる。
【0037】請求項9及び請求項10に記載の発明で
は、レリーズシーケンスではフィルム露光開始までの遅
延時間が長いが、この間の像面の予測関数から外れた加
速的な移動に対し適当な近似補正を行うので、露光時刻
での合焦状態をよりよいものにすることができ、即ち、
常時レリーズシーケンスを開始することができ、シャッ
タチャンスを逃しにくくする。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図2は、請求項1乃至請求項10
に記載の発明の実施の形態の自動焦点調節装置の構成ブ
ロック図である。図2において、この自動焦点調節装置
は、撮影レンズ11、焦点検出光学系12、電荷蓄積型
センサ(AFセンサ)13、マイクロコンピュータ(C
PU)14、レンズ駆動モータ・モータドライバ15、
エンコーダ16等を備える。
【0039】前述したように、撮影レンズ11を透過し
た光束の一部が焦点検出光学系12によってAFセンサ
13上に導かれ、AFセンサ13に被写体光像の照度分
布に応じた電荷が蓄積される。AFセンサ13に蓄積さ
れた電荷は、適当な時間間隔で読み出され、図示しない
A/D変換器でディジタルデータに変換されてCPU1
4に与えられる。
【0040】CPU14は、取り込んだ光像データに所
定のアルゴリズムを適用して合焦状態を判定し、デフォ
ーカス量をフィルム面と被写体像面との相対的な距離と
して演算検出し、それに基づきレンズ駆動モータ・モー
タドライバ15を制御し、撮影レンズ11の合焦状態を
実現する。そして、レンズ駆動モータ・モータドライバ
15におけるレンズ駆動モータの回転数がエンコーダ1
6で検出され、レンズ駆動量を示すパルスがCPU14
に与えられる。CPU14は、デフォーカス量またはパ
ルス数から撮影レンズの11の駆動位置を逐一求め、レ
ンズ駆動に反映させる。
【0041】CPU14は、以上の一般的な動作に加
え、「被写体の像面の移動速度あるいは移動予測線図
を、過去に算出した複数のデフォーカス量、AFセンサ
13から取り込んだの蓄積時刻、及び、撮影レンズ11
のレンズ位置の各データから回帰計算して求め、その計
算結果に基づき未来の像面位置を推定し、それに基づき
レンズ駆動モータ・モータドライバ15を制御し、レン
ズ駆動を行う動作」と、「レンズ駆動の最中にAFセン
サ13への電荷蓄積をオ−バラップして行う動作」とを
行う。
【0042】以上の構成において、請求項1乃至請求項
10に記載の発明との対応関係は次のようになってい
る。撮影レンズ1には撮影レンズ11が対応し、電荷蓄
積型センサ2にはAFセンサ13が対応する。そして、
合焦状態検出手段3と演算手段4とオーバラップ制御手
段7にはCPU14が対応する。また、駆動手段6に
は、CPU14とレンズ駆動モータ・モータドライバ1
5の全体が対応し、レンズ移動量検出手段5にはCPU
14とエンコーダ16との全体またはCPU14が対応
する。
【0043】以下、本発明の実施の形態の動作を図3〜
図11の各図を参照して説明する。まず、オーバラップ
サーボで複数の測距データから像面の動きを予測する1
次回帰線図の計算方法を説明する。
【0044】図3は、オーバラップサーボ中の測定デフ
ォーカス量D(n)、AFセンサ蓄積時間t(n)、蓄積時刻
間のレンズ移動量M(n)の関係図である。デフォーカス
量は、QとLの差分として検出されるのが理想である
が、前述したように実際には測定誤差が乗るために、検
出したデフォーカス量D(n)から求めた合焦位置は、Q
(t)とは少しずつ異なり、図中に各蓄積時間に点で示し
た位置のようになる。これらのデータから真の合焦位置
Q(t)を予測するのが第1の課題である。
【0045】前述したように、デフォーカス量Dは光軸
上の距離の次元、つまりmm単位で検出される。一方、
撮影レンズの位置は、レンズ駆動モータの回転量検出用
に用いられるエンコーダの出力パルスの積算量として検
出できる。結像面と撮影レンズの位置は必ずしも並行移
動しないが、その積算比率は毎回撮影レンズから可変デ
ータとして入力できるので、各AFセンサ蓄積時刻間の
レンズ移動量Mは、結像面の移動量(mm単位)に変換
できる。
【0046】従って、デフォーカス量Dと結像面の移動
量Mとは、共に光軸に沿った長さの単位で表現できる。
また逆に、デフォーカス量Dを前述した撮影レンズから
の入力データでパルス数へ変換することもできる。どち
らの単位系を用いるかで、像面速度は[mm/sec]
または[パルス/sec]で算出されるが、本発明の論
点ではなく、どちらでも良い。
【0047】図3において、各AFセンサ蓄積時刻t
(k)における結像位置をL(k)とすると、時刻t(k−
1)から時刻t(k)までの結像位置の移動量M(k)は、 M(k)=L(k)−L(k-1) ・・・ (12) と表せる。M(k)は、この間の撮影レンズの移動量にお
よそ等しい。結像位置L(k)で検出したデフォーカス量
がD(k)であるから、検出された合焦位置F(k)は F(k)=L(k)+D(k) ・・・ (13) となる。
【0048】AFセンサ蓄積時刻t(k)と合焦位置F
(k)とから合焦位置の時間変化を1次関数 Qr(t)=α+βt ・・・ (14) として回帰1次線図を求めると、 β={Σt(k)・F(k)−(Σt(k)・ΣF(k))/n}/{Σt(k)2−(Σt(k)2/n} ={Σt(k)・F(k)−n・tave・Fave}/{Σt(k)2−n・tave 2} ・・・ (15) α=(ΣD(k)−β・Σt(k))/n =(ΣD(k)−β・n・tave)/n ・・・ (16) となる。ここで、 tave(n)=Σt(k)/n : t(k)の平均時刻 ・・・ (17) Fave(n)=ΣF(k)/n : F(k)の平均位置 ・・・ (18) である。
【0049】このようにして合焦位置を時間関数Qr(t)
で推定すれば、真の像面の移動関数Q(t)の良い近似を
得ることができる。勿論、デフォーカス量D(k)に乗っ
ている誤差が大きい場合は、Qr(t)とQ(t)の違いは
大きくなるが、特開平4−133016号公報に記載の
ように2つのデフォーカス量によって像面の速度βを求
めるよりは遙かに良い推定速度が求まる。
【0050】なお、何世代まで遡って回帰計算を行うか
は、先に述べたようにAFセンサの応答性を考慮して、
実用上は数100ms程度の過去まで遡っても良い。こ
の間に何回のデフォーカス測定ができるかは、オーバラ
ップサーボの場合、(AFセンサの蓄積時間)+(デフ
ォーカス量の演算時間)にほぼ反比例する。次に、図4
は、像面速度の加速性に対する対処方法の説明図であ
る。先に示した1次関数による像面の時間変化の推定
は、像面がゆっくり動いていればその時刻の周辺では良
い近似を与える。しかし、被写体が等速度でカメラに近
づいて来る場合でもカメラに接近して来れば、像面は図
4にQ(t)で示したように加速的に移動する。
【0051】回帰線図は1次線図に限る必要はなく、2
次関数以上の高次関数でも良く、また若干の工夫を行え
ばその他の関数でも像面の推定を行うことができる。従
って適当なより近似度の高い関数によって像面の推定を
行うことは、当然考えられることである。例えば、特開
平1−107224号公報に記載のものでは、2次関数
で像面の変化を近似しようとしているが、4点以上の測
定データに対し次の2次関数 F(t)=α+βt+γt2 ・・・ (19) で像面予測関数を回帰計算すると、α、β、γは、L
(k)、D(k)によって計算できる。
【0052】しかし、次数を上げると、CPUの計算時
間は飛躍的に長くなるので、本実施の形態では、1次線
図による予測に留めることとする。次に、図5は、像面
が加速運動している場合の予測精度の説明図である。図
5に示すように、像面の加速性を無視した線形予測で
は、予測精度が劣化する。回帰理論から回帰線図である
数式(14)は、データの重心G[tave、Fave]を通り、
数式(15)で算出した像面速度は、この平均時刻にお
ける速度を代表している考えて良い。
【0053】つまり、像面速度が加速している場合、数
式(15)求めた像面速度は、時刻t(n)よりも過去の
taveにおけるものであり、時刻t(n)以後の像面の位置
の予測に用いるには好ましくない。数式(14)〜数式
(16)で求めた像面予測線図では、像面が加速してい
る場合では時刻t(n)では既に遅れていることが分か
る。この欠点を補い像面の加速度を考慮したレンズ駆動
を行うために、像面速度の加速度を計算し、予測に利用
することを考える。
【0054】勿論、例えば数式(19)のような高次の
予測関数を計算するのは正当な理論的発展ではあるが、
データの処理にかなりのパワーを要するので、ここでは
数式(15)で予測した像面速度の履歴を持つことと
し、数式(15)による像面速度βを改めてβ(n)と表
せば、このβ(n)の履歴を調べれば像面速度の加速状態
が分かる。例えば、β(n)−β(n−1)>0ならば像面
は加速していることを表す。
【0055】そこで、本実施の形態では、時刻t(n)で
のAFセンサ蓄積によるデフォーカス量を算出したなら
ば、次回の蓄積時刻t(n+1)で合焦状態になるような
1次線図を求めることを考える。そのためには、像面の
加速度を検出して像面の予測に考慮することが必要であ
る。各区間の加速度γ(k)は、以下のように計算でき
る。
【0056】 γ(n)={β(n)−β(n−1)}/{tave(n)−tave(n−1)} γ(n−1)={β(n−1)−β(n−2)}/{tave(n−1)−tave(n−2)} γ(n−2)={β(n−2)−β(n−3)}/{tave(n−2)−tave(n−3)} ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・ (20) 合焦位置Q(t)が2次曲線ならばこれらは一定値にな
る。実際には、合焦位置Q(t)は、(1/X)のような双
曲線に近い関数になるので、厳密には一定とはならない
が、仮にこれらがほぼ一定値σとすると、次回の蓄積時
刻t(n+1)での合焦予測位置F(n+1)は、 F(n+1)=Fave(n)+{β(n)+σ・(t(n+1)-tave(n))/2}・{t(n+1)-tave(n)}・・(21) と求まる。
【0057】図6は、重心G[tave(n)、Fave(n)]か
ら{t(n+1)−tave(n)}後の位置を平均速度{β(n)+σ・(t
(n+1)−tave(n))/2}で移動する予測線図の説明図であ
る。図6に示す予測線図F(t)は、 F(t)={β(n)+σ・(t(n+1)-tave(n))/2}{t-tave(n)}+Fave(n) ・・・ (22) と表せる。
【0058】次回のAFセンサ蓄積時刻は未知である
が、時刻t(n+1)は過去の蓄積時刻の間隔から大凡の
想像が付く。例えば、 t(n+1)−t(n)=t(n)−t(n-1) ・・・ (23) として t(n+1)=t(n)+{t(n)−t(n-1)} =2・t(n)−t(n-1) ・・・ (24) とすれば良い。あるいは、過去数回のAFセンサ蓄積の
平均周期を用いても良い。
【0059】なお、被写体がカメラに近づいて来る一般
的な場合には、像面は加速的に移動するが、加速度γ
(k)の履歴が+−にばらついているような場合は、像面
の加速性に信頼性がないので、加速度を0として数式
(14)〜数式(16)による単純な1次回帰線図を像
面予測線図とする方が安全である。この例では、1次回
帰線図を計算したデータの重心G[tave(n)、Fave(n)]
を通り、次回の蓄積時刻t(n+1)でデフォーカス量D
(n+1)が0となるように加速度を考慮した傾きを持つ
1次線図を求めた。
【0060】しかし、デフォーカス量D(n)の計算が終
わるのは次回のAFセンサ蓄積の直前であり、折角数式
(21)による予測線図が求められても、目標時刻のt
(n+1)までには殆ど時間的余裕がない。よって、新しい
予測線図に対してレンズ駆動を行おうとしても制御時間
が足りず、遂に時刻t(n+1)では目標線図に到達でき
ない。実質的に新しい予測線図でレンズ駆動制御が行わ
れるのは、時刻t(n+1)でのAFセンサ蓄積に続くデ
フォーカス量D(n+1)の計算時間中である(図6中の
F(t)の太線部)。
【0061】この改善策として撮影レンズの駆動目標点
を時刻t(n+2)での合焦位置とし、予測線図F(t)の
更新は次回のAFセンサ蓄積終了後とすることができ
る。本発明者は、追尾サーボのレンズ駆動方式は異なる
ものの、この問題を解決するため同様の提案を行った
(特開平5−2127号公報)。
【0062】図7は、本発明者が提案した予測線図の説
明図である。詳細は、特開平5−2127号公報を参照
して貰うして説明は割愛するが、図7から理解できるよ
うに、時刻t(n+2)に達するまでは予測線図が像面よ
りもやや先に出るため、レリーズ後のレンズ駆動に余裕
があることを考慮すると、前の方式よりも好ましいと言
える。この時の予測線図は、 F(t)={β(n)+σ・(t(n+2)-tave(n))/2}{t-tave(n)}+Fave(n) ・・・ (25) と算出できる。
【0063】以上の2つの例は、回帰計算を行ったデー
タの重心G[tave(n)、Fave(n)]を通る1次線図を予測
線図とした。そして、その傾きは、過去の回帰線図の傾
きの変化から像面の加速性を考慮して決めた。次に、図
8は、応答性を重視する立場から求めた像面の予測線図
の一例を示す図である。
【0064】即ち、応答性を重視する立場から、例え算
出したデフォーカス量D(n)に多少の誤差が含まれてい
ようとも、最新の合焦位置F(n)=L(n)+D(n)を通
る1次予測線図により像面の予測線図を求めることもで
きる。図8は、[t(n)、F(n)]を通り、t(n)とt
(n+1)の間の平均像面速度を β(n)+σ・(t(n)−tave(n)+t(n+1)−tave(n))/2 =β(n)+σ・{(t(n+1)+t(n))/2−tave(n)} ・・・ (26) と予測し、この傾きを持ち[F(n)、t(n)]を通る1
次線図F(t) F(t)=F(n)+[β(n)+σ・{(t(n+1)+t(n))/2-tave(n)}]{t-t(n)} ・・・ (27) を描いたものである。
【0065】像面の移動関数が2次曲線で、[t(n)、
F(n)]が正確に合焦位置Q(n)に一致していれば、時
刻t(n+1)では、F(t)とQ(t)とは一致する。図
9は、像面の予測線図の更新を次回のAFセンサ蓄積終
了後とし、更に次の蓄積時刻t(n+2)で合焦状態とな
るようにする1次線図の例を示す図である。図9に示す
方法は、図7に示す方法と同様の考えに立つものであ
る。このとき、t(n)とt(n+1)の間の平均像面速度
は、 β(n)+σ・(t(n)−tave(n)+t(n+2)−tave(n))/2 =β(n)+σ・{(t(n+2)+t(n))/2−tave(n)} (=β(n)+σ・{(t(n+1)−tave(n)}) ・・・ (28) の傾きを持ち、[F(n)、t(n)]を通る1次線図F
(t)は、 F(t)=F(n)+[β(n)+σ・{(t(n+2)+t(n))/2-tave(n)}]{t-t(n)} (=F(n)+[β(n)+σ・{t(n+1)−tave(n)}]{φ-t(n)} ・・・ (29) と表せる。
【0066】図9に示す方法は、図7に示す方法と同様
に、予測線図の方が幾分合焦位置よりも少し前に出る。
従って、この意味で図8に示す方法よりも利点があると
言える。更に、図7や図9のように、像面の予測線図の
更新を次回のセンサ蓄積終了後とすると、その次の蓄積
時刻t(n+2)における駆動目標位置を、故意に合焦位置Q
(t)より先に設定することで、結像面を焦点よりも先に
出すことも可能である。
【0067】次に、図10は、図9に示す方法で更にオ
フセットした場合の説明図である。即ち、図10は、図
9に更にオフセットξをのせてt(n+2)での焦点位置
を F(t)=F(n)+[β(n)+σ・{(t(n+2)+t(n))/2-tave(n)}]{tーt(n)}+ξ (=F(n)+[β(n)+σ・{t(n+1)-tave(n)}]{tーt(n)}+ξ) ・・・ (30) とした場合を示している。
【0068】オフセットξをのせると像面の加速度が大
きい場合にも、レリーズ時の露光時刻までのレンズ駆動
量が小さくなるので、合焦することのできる移動被写体
の最大速度、加速度の限界を広めることができる。次
に、図11は、レリーズシーケンス開始後に用いる予測
線図の説明図である。撮影者がレリーズボタンを押して
写真撮影が開始されると、一般に、実際にフィルム露光
が始まるまでには、絞りの制御やメインミラーのアップ
のための遅延時間が入る。
【0069】この遅延時間は、カメラ固有の機構によっ
て決まるが、ここでは、tdと表す。レリーズボタンの
オンを検出して、レリーズシーケンスを開始する時刻
を、trとすると、最後に算出されたデフォーカス量D
(n)に対応するAFセンサ蓄積時刻t(n)から実際にフィ
ルム露光が始まるまでの時間は、tr−t(n)+tdで
ある。時刻t(n)の像面位置F(n)を通り、フィルム露光
時の像面を通過する一次線図v(t)は、その間の平均速
度を β(n)+σ・{(t(n)−tave(n))+(tr−tave(n)+td)}/2 =β(n)+σ・{(t(n)+tr+td)/2}−tave(n) ・・・ (31) として F(t)=F(n)+[β(n)+σ・{(t(n)+tr+td)/2)-tave(n)}]{tーt(n)} ・・・ (32) と表せる。
【0070】レリーズシーケンス開始前に一次回帰線図
による像面予測に用いたデータの重心G[tave(n)、F
ave(n)]を通り、露光時刻に合焦を与える像面位置を通
る線図も同様に計算できる。フィルム露光はシャッタ時
間だけ行われるので、この間も予測線図によるレンズ駆
動を行うのなら、[t(n)、F(n)]を通る線図の方がよ
り露光開始時の実際の像面速度近い。
【0071】但し、長時間露光中にレンズ駆動をずっと
行うことは撮影者に違和感を与えるので、露光開始後、
例えば数10分の1秒程度で駆動を打ち切った方がよ
い。最後に、本実施の形態では、未来のある時刻におけ
る像面位置を予測するのに、像面の加速度が一定である
として計算を行ったが、先にも述べたように実際には像
面の動きはもっと加速的に動く場合が多い。
【0072】これを補正するため、数式(20)の加速
度の変化速度(γ(k)−γ(k-1))まで計算し、目標とす
る未来の時刻の予測位置及びこの位置を通る一次線図を
求めることは、デフォーカス量D(k)の検出精度上困難
な場合が多い。そこで、簡易的に数式(20)による加
速度σ(例えばσ=γ(n)−γ(n-1))に対し適当な係数
gにより σm=g・σ (1≦g≦1.5程度) ・・・ (32) と補正して、これまでの計算方法を特に変更しない方法
がある。補正計数gは、像面速度βをパラメータとして
レンズ特性に応じて実験的に決めるのが現実的である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び請求
項2に記載の発明では、記憶されている過去のデフォー
カス測定量データを応答性に悪影響を与えない範囲でな
るべく多く用いて未来の像面の位置を予測するため、常
に、測定誤差の影響を最小限にした状態で、像面予測位
置に合焦するように撮影レンズを駆動でき、ファインダ
上でピントの合った状態を維持できる。
【0074】また、常時、レンズ駆動していることにな
るので、被写体の動きに対する応答性が向上し、像面移
動速度の速い被写体でも十分に追尾して撮影レンズを駆
動し合焦状態を維持できる。請求項3に記載の発明で
は、間引かれた他のデータも考慮でき情報をフルに利用
できる。
【0075】請求項4に記載の発明では、像面速度の履
歴からその加速状態も考慮して像面位置を予測するの
で、合焦位置にレンズを駆動する精度を上げることがで
きる。請求項5乃至請求項8に記載の発明では、時間と
共に合焦位置が変わる像面の予測関数に対し、常に位置
制御を行うことができるので、レンズ駆動を滑らかに行
え、撮影者に不快感を与えないようにできる。
【0076】請求項9及び請求項10に記載の発明で
は、レリーズシーケンスではフィルム露光開始までの遅
延時間が長いが、この間の像面の予測関数から外れた加
速的な移動に対し適当な近似補正を行うので、露光時刻
での合焦状態をよりよいものにすることができ、即ち、
常時レリーズシーケンスを開始することができ、シャッ
タチャンスを逃しにくくする。
【0077】以上要するに、本発明では、電荷蓄積型セ
ンサの蓄積とレンズ駆動とをオーバラップさせて、単位
時間あたりのデフォーカス検出回数をなるべく多くし、
更にそれらのデフォーカス量を記憶しておき、像面が運
動していることを検出して追尾サーボに入った場合は、
応答性を損なわない範囲でなるべく多くのバックアップ
データから像面の運動関数を予測する回帰線図を計算す
るので、追尾サーボをより理想的なものにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項10に記載の発明の原理ブ
ロック図である。
【図2】請求項1乃至請求項10に記載の発明の実施の
形態の自動焦点調節装置の構成ブロック図である。
【図3】オーバラップサーボ中の測定デフォーカスD
(n)、AFセンサ蓄積時間t(n)、蓄積時刻間のレンズ移
動量M(n)の関係図である。
【図4】像面速度の加速性に対する対処方法の説明図で
ある。
【図5】像面が加速運動している場合の予測精度の説明
図である。
【図6】重心G[tave、Fave]から{t(n+1)−t(n)}後の位
置を平均速度{β(n)+σ・(t(n+1)−tave(n))/2}で
移動する予測線図の説明図である。
【図7】本発明者が提案した予測線図の説明図である。
【図8】応答性を重視する立場から求めた像面の予測線
図の一例を示す図である。
【図9】像面の予測線図の更新を次回のAFセンサ蓄積
終了後とし、更に次の蓄積時刻t(n+2)で合焦となる
ようにする1次線図の例を示す図である。
【図10】図9に示す方法に更にオフセットした場合の
説明図である。
【図11】レリーズシーケンス開始後に用いる予測線図
の説明図である。
【図12】本発明者の提案に係る被写体像面の移動速度
を検出する原理説明図である。
【図13】2世代前のデフォーカス量D(n−2)と最新
のデフォーカス量D(n)とから被写体像面移動速度を検
出する原理説明図である。
【図14】1次回帰線図を求める方式の原理説明図であ
る。
【図15】結像面の移動軌跡を曲線で予測する場合の原
理説明図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 2 電荷蓄積型センサ 3 合焦状態検出手段 4 演算手段 5 レンズ駆動量検出手段 6 駆動手段 7 オーバラップ制御手段 11 撮影レンズ 12 焦点検出光学系 13 AFセンサ 14 マイクロコンピュータ(CPU) 15 レンズ駆動モータ・モータドライバ 16 エンコーダ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの合焦状態を電荷蓄積型セン
    サを用いて検出する合焦状態検出手段と、 前記合焦状態検出手段の出力デ−タを処理して合焦位置
    までのズレ量とズレ方向からなるデフォ−カス量を算出
    する演算手段と、 前記演算手段が算出したデフォーカス量またはレンズ駆
    動量に基づき撮影レンズの相対的位置と実際の移動量を
    逐次検出するレンズ移動量検出手段と、 前記演算手段が算出したデフォ−カス量に従って撮影レ
    ンズを合焦位置に駆動することを前記レンズ移動量検出
    手段からの検出移動量を参照して行う駆動手段と、 を備える自動焦点調節装置において、 前記駆動手段は、被写体の像面の移動速度あるいは移動
    予測線図を、前記演算手段が過去に算出した複数のデフ
    ォーカス量、前記合焦状態検出手段の蓄積時刻、及び前
    記レンズ移動量検出手段から取得したレンズ位置の各デ
    ータから回帰計算して求め、その計算結果に基づき未来
    の像面位置を推定しレンズ駆動を行うことを特徴とする
    自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自動焦点調節装置にお
    いて、 前記駆動手段の撮影レンズ駆動の最中に前記電荷蓄積型
    センサへの電荷蓄積をオ−バラップして行うオーバラッ
    プ制御手段を備えることを特徴とする自動焦点調節装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の自動焦
    点調節装置において、 前記駆動手段が回帰計算に用いる過去のデータは、所定
    の時間内に検出されたものからなり、そのデータ個数は
    動的に変化するものであることを特徴とする自動焦点調
    節装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の自動焦
    点調節装置において、 前記駆動手段は、像面の移動予測線図を、毎回の回帰計
    算によって求めた像面速度の変化量から像面の加速度を
    検出して求め、それを未来の像面の位置の推定に利用す
    ることを特徴とする自動焦点調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の自動焦点調節装置にお
    いて、 前記駆動手段は、前記像面の移動予測線図を、回帰計算
    に用いたデータの重心と、次回の蓄積時刻の像面の予測
    点とを通るように決定することを特徴とする自動焦点調
    節装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の自動焦点調節装置にお
    いて、 前記駆動手段は、前記像面の移動予測線図を、回帰計算
    に用いたデータの重心と、次々回の蓄積時刻の像面の予
    測点とを通るように決定し、この線図に基づくレンズ駆
    動を次回の蓄積が終了した後に行うことを特徴とする自
    動焦点調節装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の自動焦点調節装置にお
    いて、 前記駆動手段は、前記像面の移動予測線図を、最新の蓄
    積時刻の像面位置と次回の蓄積時刻の像面の予測点とを
    通るように決定することを特徴とする自動焦点調節装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の自動焦点調節装置にお
    いて、 前記駆動手段は、前記像面の移動予測線図を、最新の蓄
    積時刻の像面位置と、次々回の蓄積時刻の像面の予測点
    とを通るように決定し、この線図に基づくレンズ駆動を
    次回の蓄積が終了した後に行うことを特徴とする自動焦
    点調節装置。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の自動焦点調節装置にお
    いて、 前記駆動手段は、レリーズシーケンス起動時には、最新
    の蓄積時刻の像面位置とフィルム露光開始時刻における
    像面位置とを通るように移動予測線図を修正してレンズ
    駆動を行うことを特徴とする自動焦点調節装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の自動焦点調節装置に
    おいて、 前記駆動手段は、フィルム露光開始以後も所定の時間が
    経過するまでは、前記修正した移動予測線図に基づきレ
    ンズ駆動を行うことを特徴とする自動焦点調節装置。
JP7223946A 1995-08-31 1995-08-31 自動焦点調節装置 Pending JPH0968644A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7223946A JPH0968644A (ja) 1995-08-31 1995-08-31 自動焦点調節装置
US08/943,203 US5862417A (en) 1995-08-31 1997-10-03 Automatic focus adjustment apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7223946A JPH0968644A (ja) 1995-08-31 1995-08-31 自動焦点調節装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0968644A true JPH0968644A (ja) 1997-03-11

Family

ID=16806185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7223946A Pending JPH0968644A (ja) 1995-08-31 1995-08-31 自動焦点調節装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5862417A (ja)
JP (1) JPH0968644A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013460A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Canon Inc 光学機器
KR20200042754A (ko) * 2018-10-16 2020-04-24 현대자동차주식회사 Hud 시스템의 이미지 왜곡 보정 방법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002063367A1 (en) * 2001-02-02 2002-08-15 Cellomics, Inc. Method for estimating the best initial focus position
JP2008107657A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Canon Inc 撮像装置及びその制御方法及びプログラム及び記憶媒体
JP4850692B2 (ja) * 2006-12-27 2012-01-11 キヤノン株式会社 光学機器及び撮像システム
US7924405B2 (en) * 2007-07-27 2011-04-12 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Compensation of reticle flatness on focus deviation in optical lithography
JP5411568B2 (ja) * 2009-04-30 2014-02-12 キヤノン株式会社 自動焦点調整装置
US10834309B2 (en) * 2017-11-16 2020-11-10 Canon Kabushiki Kaisha Lens control apparatus and control method for tracking moving object

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59107313A (ja) * 1982-12-11 1984-06-21 Canon Inc 焦点検出信号処理方法
JPS58142306A (ja) * 1982-02-18 1983-08-24 Canon Inc 焦点検出方法
JP2597961B2 (ja) * 1987-10-21 1997-04-09 キヤノン株式会社 自動焦点調節装置
JP2682713B2 (ja) * 1988-12-27 1997-11-26 田辺製薬株式会社 光学活性テトラヒドロフランの製法
JP3001590B2 (ja) * 1989-08-23 2000-01-24 株式会社ニコン カメラ
JPH04133016A (ja) * 1990-09-25 1992-05-07 Nikon Corp カメラのオートフォーカス装置
JP3136661B2 (ja) * 1991-06-24 2001-02-19 株式会社ニコン 自動焦点調節装置
JP3218730B2 (ja) * 1992-10-19 2001-10-15 株式会社ニコン 予測機能を有する焦点調節装置
JPH0875988A (ja) * 1994-09-07 1996-03-22 Nikon Corp 自動焦点調節装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013460A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Canon Inc 光学機器
KR20200042754A (ko) * 2018-10-16 2020-04-24 현대자동차주식회사 Hud 시스템의 이미지 왜곡 보정 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US5862417A (en) 1999-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3218730B2 (ja) 予測機能を有する焦点調節装置
JP2597961B2 (ja) 自動焦点調節装置
US5270763A (en) Auto-focusing device
JP2001021794A (ja) 自動焦点調節装置および光学機器
JPH0862484A (ja) 焦点調節装置
JP3010681B2 (ja) 自動焦点調節装置
JPH0968644A (ja) 自動焦点調節装置
US5239332A (en) Automatic focusing device of camera for moving object photography
JP2516203B2 (ja) カメラの自動焦点調節装置
JP2004085843A (ja) カメラ
JPH0868934A (ja) 自動合焦装置
JP2920652B2 (ja) 自動焦点調整装置
US6282379B1 (en) Autofocus apparatus of a camera
JP3028563B2 (ja) カメラのオートフォーカス装置
JP3757470B2 (ja) 自動合焦装置
JPH0876003A (ja) 自動焦点調節装置
JP3834874B2 (ja) カメラの自動焦点調節装置
JPH05173219A (ja) 手ぶれ補正機能付きカメラ
JPH0540291A (ja) 手ぶれ補正機能付きカメラ
JP2718367B2 (ja) 自動焦点調節装置
JPH09230229A (ja) 予測合焦装置
JPH10142486A (ja) 予測測距装置及び撮影装置
JP2769603B2 (ja) 自動焦点調節カメラ
JPH09127407A (ja) 焦点調節装置及び光学装置
JPH05196861A (ja) 予測合焦装置