JPH0968573A - モノパルスレーダ装置 - Google Patents

モノパルスレーダ装置

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JPH0968573A
JPH0968573A JP7225240A JP22524095A JPH0968573A JP H0968573 A JPH0968573 A JP H0968573A JP 7225240 A JP7225240 A JP 7225240A JP 22524095 A JP22524095 A JP 22524095A JP H0968573 A JPH0968573 A JP H0968573A
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正伸 行松
Kunihiko Sasaki
佐々木  邦彦
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順志 宇津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波を発生する他の通信装置との間で生じる
電波の相互干渉を抑圧して、常に良好な物標検知能力が
得られるモノパルスレーダ装置を提供する。 【解決手段】 発振器22からの送信信号を90度ハイ
ブリッド回路28a〜28cを介して2端子給電型のア
ンテナセル2a〜2cに供給して、アンテナセル2a〜
2cから円偏波の電波を放射させると共に、アンテナセ
ル2a〜2cにて送信時とは異なる旋回方向の電波(物
標からの反射波)が受信されると、その受信信号を90
度ハイブリッド回路28a〜28cを介して取り込み、
各受信信号の振幅,位相等から障害物を検出する。また
90度ハイブリッド回路28a〜28cからアンテナセ
ル2a〜2cに至る一方の経路には、位相変化量を0度
又は180度に切換可能な移相器30a〜30cを設
け、この位相変化量を切り換えることにより、送受信可
能な円偏波の旋回方向を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射パターンの一
部が重なるように配設された複数のアンテナ素子を備
え、各アンテナ素子を用いて所定電波を送受信させ、各
アンテナ素子にて得られた受信信号に基づき、外部に存
在する物標の方位等を検出する、モノパルスレーダ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の衝突を未然に防ぐた
めに運転者の視覚を補助する手段として、電波を伝送媒
体とした障害物検出レーダの実現が期待されている。ま
たこの種のレーダ装置において、前を走行する車両等,
障害物の水平方向の位置を判別することは、衝突の可能
性予測にきわめて重要な技術である。このため、こうし
た自動車用のレーダ装置としては、例えば特開昭61−
167890に開示されているようなモノパルスレーダ
装置が有効であると考えられる。
【0003】つまり、モノパルスレーダ装置は、一般
に、航空機追尾用レーダとして用いられているが、水平
或は垂直方向の位置を判別するのに優れたレーダ装置で
あることから、自動車の走行環境のような多くの障害物
が存在する状況において、きわめて有効に機能すると考
えられるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうしたモノ
パルスレーダ装置を利用した衝突防止システムが普及
し、これを搭載した車両が増加すると、各システム間の
送受信電波の電波干渉は避けられないものとなり、障害
物等の物標検知能力が低下することが予想される。
【0005】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、電波を発生する他の通信装置との間で生じる電波
の相互干渉を抑圧して、常に良好な物標検知能力が得ら
れるモノパルスレーダ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、放射パターンの
一部が重なるように配設された複数のアンテナ素子と、
送信信号を発生する信号発生手段と、該信号発生手段か
らの送信信号を各アンテナ素子に入力して各アンテナ素
子から電波を放射させると共に、各アンテナ素子にて受
信された受信信号を各々取り出す信号入出力手段と、該
信号入出力手段を介して得られた各アンテナ素子からの
受信信号に基づき外部の物標を検出する物標検出手段
と、を備えたモノパルスレーダ装置において、前記各ア
ンテナ素子を円偏波の電波を送受信可能な円偏波用アン
テナ素子にて構成し、更に、各アンテナ素子が送受信す
る円偏波の旋回方向を切り換える偏波切換手段を設けた
ことを特徴とする。
【0007】このように構成された請求項1に記載のモ
ノパルスレーダ装置においては、信号入出力手段が、信
号発生手段からの送信信号を、放射パターンの一部が重
なるように配設された複数のアンテナ素子の各々に入力
して、各アンテナ素子から電波を放射させると共に、各
アンテナ素子にて受信された受信信号を各々取り出し、
物標検出手段が、その取り出された受信信号に基づき外
部の物標を検出する。そして、特に、この装置では、各
アンテナ素子に、円偏波の電波を送受信可能な円偏波用
アンテナ素子が使用され、偏波切換手段が、各アンテナ
素子が送受信する円偏波の旋回方向を切り換える。
【0008】つまり、モノパルスレーダ装置は、放射パ
ターンの一部が重なるように配設された複数のアンテナ
素子から電波を放射させ、その放射電波が外部の物標に
当たって反射してきた反射波を各アンテナ素子にて受信
することにより、各アンテナ素子にて得られた受信信号
の振幅又は位相の差から物標の方位を検出するものであ
るが、当該装置近傍に、同一規格の他のモノパルスレー
ダ装置が存在したり、当該装置が送受信する電波と略同
じ周波数帯の信号を送信或は受信する通信装置が存在す
ると、これら他の装置との間で電波干渉が発生して、そ
の干渉波により物標の検知能力が低下してしまう。
【0009】そこで請求項1に記載のモノパルスレーダ
装置では、各アンテナ素子に、円偏波の電波を送受信可
能な円偏波用アンテナ素子を使用し、偏波切換手段にて
各アンテナ素子が送受信する円偏波の旋回方向を切り換
えることにより、干渉波による検知能力の低下を、各ア
ンテナ素子が有する偏波識別によって防止するようにし
ているのである。
【0010】この結果、請求項1に記載のモノパルスレ
ーダ装置によれば、例えば車両に搭載して障害物等を検
出するシステムに適用したとしても、他の装置からの送
信電波に影響されることなく障害物等の物標を正確に検
出できるようになり、物標検知能力を高めて車両の走行
安全性を向上することが可能になる。
【0011】なお、各アンテナ素子の円偏波の旋回方向
を切り換える偏波切換手段としては、例えば、各アンテ
ナ素子から電波を送信させて物標の検出を行う物標検出
動作を1回或は複数回行う度に、円偏波の旋回方向を交
互に切り換えるようにしてもよく、或は乱数に基づきラ
ンダムに切り換えるようにしてもよい。また、例えば、
通常は任意の旋回方向の円偏波を用いて物標検出動作を
行い、各アンテナ素子にて得られた受信信号が通常有り
得ない信号レベルとなったときに、円偏波の旋回方向を
切り換えるようにしてもよい。
【0012】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のモノパルスレーダ装置において、前記各アンテ
ナ素子は、2端子給電型の円偏波用アンテナ素子からな
り、前記信号入出力手段は、前記各アンテナ素子毎に設
けられ、前記送信信号を位相差90度の送信信号に分配
してアンテナ素子の2つの給電端子に出力すると共に、
アンテナ素子の各給電端子から入力される一対の受信信
号のうち、前記分配した送信信号とは逆方向に90度の
位相差を有する受信信号を合成して装置内に取り込む、
複数の90度ハイブリッド回路からなり、前記偏波切換
手段は、前記90度ハイブリッド回路とアンテナ素子の
給電端子とを接続する一対の信号経路の一方に設けら
れ、位相変化量を0度及び180度のいずれかに切り換
え可能な位相変化量可変型の移相器からなることを特徴
とする。
【0013】即ち、90度ハイブリッド回路は、入力端
子に入力された信号を位相差90度の信号に分配して一
対の入出力端子から出力し、入出力端子に信号出力時と
は逆方向の位相差(−90度)を有する信号が入力され
たときに、その信号を合成して出力端子から出力するも
のであるため、請求項2に記載のモノパルスレーダ装置
では、各アンテナ素子に、位相差90度の信号を受けて
所定旋回方向の円偏波を送信する2端子給電型の円偏波
用アンテナ素子を用い、各アンテナ素子の一対の給電端
子と、90度ハイブリッド回路の一対の入出力端子とを
各々接続して、90度ハイブリッド回路の入力端子に信
号発生手段からの送信信号を入力することにより、各ア
ンテナ素子の一対の給電端子に位相差90度の送信信号
を給電して、各アンテナ素子から所定旋回方向の円偏波
の電波を放射させるのである。
【0014】そして、このように各アンテナ素子から所
定旋回方向の円偏波の電波を放射させ、その放射電波が
外部の物標に当たって反射すると、反射波の旋回方向が
送信時とは逆方向になって、各アンテナ素子に入射し、
各アンテナ素子の一対の給電端子には、送信時とは逆方
向の位相差(−90度)を有する信号が誘起されるた
め、各アンテナ素子にて物標からの反射波が受信された
場合には、その受信信号が90度ハイブリッド回路にて
合成されて、その出力端子から物標検出手段に出力され
ることになり、各アンテナ素子の偏波識別により、物標
に当たって反射してきた電波のみを受信して物標検出を
行うことができる。
【0015】また、90度ハイブリッド回路とアンテナ
素子の給電端子とを接続する一対の信号経路の一方に
は、位相変化量を0度又は180度のいずれかに切換可
能な移相器が設けられているため、この移相器の位相変
化量を切り換えることにより、アンテナ素子の給電端子
に入力する送信信号の位相差を90度及び−90度のい
ずれかに切り換え、アンテナ素子から放射させる電波の
旋回方向を右旋回及び左旋回のいずれかに切り換えるこ
とができる。
【0016】従って、請求項2に記載のモノパルスレー
ダ装置によれば、請求項1に記載のモノパルスレーダ装
置を、比較的簡単な構成にて実現でき、また電波の旋回
方向の切り換えも簡単に行うことができる。つまり、請
求項1に記載のモノパルスレーダ装置は、例えば、各ア
ンテナ素子を導波管円偏波アンテナとこのアンテナへの
供給電力に定められた方向の磁界を与えて電波を旋回さ
せるポラライザとから構成し、信号入出力手段をサーキ
ュレータにより構成し、偏波切換手段をポラライザが発
生する磁界の方向を切り換えて円偏波の旋回方向を切り
換えるように構成しても実現できるが、この場合、フェ
ライト回路であるサーキュレータ等を使用するので装置
が大型化し、また装置構成も複雑になってしまう。
【0017】これに対して、請求項2に記載のモノパル
スレーダ装置によれば、アンテナ素子,信号入出力手段
及び偏波切換手段からなる高周波回路部を、2端子給電
型円偏波用アンテナ素子,90度ハイブリッド回路及び
位相変化量可変型移相器から構成しているため、これら
各部をフェライト回路を用いることなく実現でき、装置
構成を簡素化して小型化を図ることができるようになる
のである。
【0018】次に、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載のモノパルスレーダ装置において、前記アンテナ
素子,90度ハイブリッド回路,及び移相器からなる送
受信用の高周波回路部が、所定の基板上に導電パターン
にて形成した平面回路からなることを特徴とする。
【0019】このように、請求項3に記載のモノパルス
レーダ装置では、高周波回路部を、所定の基板上に導電
パターン(マイクロストリップライン)からなる平面回
路にて構成しているので、モノパルスレーダ装置をより
小型化することができ、装置の利用範囲を拡大できる。
【0020】なお、高周波回路部を平面回路にて構成す
るには、例えば、90度ハイブリッド回路を、ラットレ
ース電力合成回路,ウィルキンソン電力合成回路等のマ
イクロストリップラインにて構成可能なハイブリッド回
路にて構成するようにすればよい。
【0021】一方、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜請求項3いずれか記載のモノパルスレーダ装置におい
て、前記信号発生手段は、所定周期で周波数が変化する
周波数変調信号を前記送信信号として発生する周波数可
変発振器からなり、更に、前記信号入出力手段を介して
入力される前記各アンテナ素子からの受信信号を前記送
信信号と混合して、各受信信号を中間周波信号に変換
し、前記物標検出手段に出力する周波数変換手段を設け
たことを特徴とする。
【0022】即ち、請求項4に記載のモノパルスレーダ
装置は、従来より一般に知られているモノパルスレーダ
装置に、アンテナ素子から周波数が連続的に上昇又は下
降する送信信号を放射させ、アンテナ素子にて受信され
た受信信号と現在送信している送信信号とをミキサ回路
等からなる周波数変換手段を用いて混合して、受信信号
を、受信信号の周波数と送信信号の周波数との偏差に対
応した周波数の中間周波信号に周波数変換することによ
り、その中間周波信号の周波数から、アンテナ素子から
放射した送信信号が物標に当たってアンテナ素子に戻っ
てくるまでの時間,延いてはアンテナ素子から物標まで
の距離を検出するFM−CWレーダの技術を適用したも
のである。
【0023】従って、請求項4に記載のモノパルスレー
ダ装置によれば、周波数変換手段にて中間周波信号に変
換された各アンテナ素子からの受信信号を受ける物標検
出手段側では、これら各受信信号(中間周波信号)から
物標の方位及び物標までの距離を容易に且つ正確に求め
ることができるようになる。このため、車両に搭載し
て、障害物を検出するようにすれば、障害物の方位及び
障害物までの距離を正確に検出して、車両の障害物への
衝突の危険性を車両運転者に速やかに報知して、車両走
行時の安全性を向上することができる。
【0024】また次に、請求項5に記載の発明は、請求
項4に記載のモノパルスレーダ装置において、前記周波
数変換手段は、前記各アンテナ素子からの受信信号を前
記送信信号を用いて各々周波数変換する複数の周波数変
換部と、該複数の周波数変換部にて周波数変換された中
間周波信号を順次選択して前記物標検出手段に出力する
出力スイッチ手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】即ち、この請求項5に記載のモノパルスレ
ーダ装置では、請求項4に記載のFM−CW方式のモノ
パルスレーダ装置を実現するに当たって、周波数変換部
にて周波数変換された中間周波信号を、出力スイッチ手
段により、時分割で物標検出手段に順次入力するのであ
る。
【0026】このため、請求項5に記載のモノパルスレ
ーダ装置によれば、物標検出手段において、各アンテナ
素子に対応した中間周波信号から物標の方位及び距離を
正確に求めるために、入力された中間周波信号を増幅し
たり波形整形するための信号処理回路を、各アンテナ素
子に対応して複数設ける必要がなく、装置構成を簡素化
することができる。
【0027】また、請求項6に記載の発明は、請求項4
に記載のモノパルスレーダ装置において、前記周波数変
換手段は、前記各アンテナ素子からの受信信号を順次選
択して取り込む入力スイッチ手段と、該入力スイッチ手
段から順次入力される受信信号を前記送信信号を用いて
順次周波数変換し、前記物標検出手段に出力する周波数
変換部とを備えたことを特徴とする。
【0028】即ち、この請求項6に記載のモノパルスレ
ーダ装置では、請求項4に記載のFM−CW方式のモノ
パルスレーダ装置を実現するに当たって、信号入出力手
段を介して入力される各アンテナ素子からの受信信号
を、入力スイッチ手段により、時分割にて取り込み、そ
の取り込んだ受信信号を周波数変換部にて中間周波信号
に変換するのである。
【0029】このため、請求項6に記載のモノパルスレ
ーダ装置によれば、請求項5に記載の装置と同様、物標
検出手段に信号処理回路を複数設ける必要がなく、装置
構成を簡素化できると共に、周波数変換手段において受
信信号を中間周波数に変換する周波数変換部について
も、アンテナ素子に対応して複数設ける必要がないた
め、装置構成をより簡素化することができる。
【0030】また、周波数変換部において受信信号を中
間周波信号に変換するには、周波数可変発振器から出力
された送信信号を、各アンテナ素子に対応した信号入出
力手段だけでなく、周波数変換部にも分配する必要があ
るが、請求項6に記載の装置では、この周波数変換部を
アンテナ素子の個数に関係なく、1つにすることができ
るので、周波数変換部を各アンテナ素子に対応して複数
設けた場合に比べて、送信信号の分配に伴う送信信号の
電力低下を抑制でき、周波数可変発振器の出力電力を小
さくすることができる。
【0031】また次に、請求項7に記載の発明は、請求
項4に記載のモノパルスレーダ装置において、前記アン
テナ素子を少なくとも3個以上備え、しかも、前記周波
数変換手段は、該アンテナ素子に対応して、各アンテナ
素子からの受信信号を前記送信信号を用いて各々周波数
変換する3個以上の周波数変換部を備えると共に、該各
周波数変換部から出力される中間周波信号の中から一対
の中間周波信号を選択して前記物標検出手段に出力する
信号選択手段を備え、該信号選択手段が選択する中間周
波信号の変更により、物標検出に使用するアンテナ素子
の間隔を調整可能に構成してなることを特徴とする。
【0032】つまり、モノパルスレーダ装置は、基本的
には、2個のアンテナ素子を放射パターンの一部が重な
るように各アンテナ素子を所定間隔で配置し、各アンテ
ナ素子にて得られた受信信号の振幅又は位相の差から物
標の方位を検出するものであるため、2個のアンテナ素
子を備えていれば、本発明のモノパルスレーダ装置を実
現できる。しかし、単に2個のアンテナ素子のみで物標
の方位及び距離をしようとすると、例えば、アンテナ素
子の間隔が狭いと、物標までの距離が短い場合には、各
アンテナ素子の受信信号の振幅又は位相の差から物標の
位置を良好に検出できるものの、物標までの距離が長い
場合には、各アンテナ素子にて得られた受信信号の振幅
や位相の差が極めて小さくなって、物標の位置を良好に
検出できなくなるといったことがある。
【0033】そこで、請求項7に記載のモノパルスレー
ダ装置では、アンテナ素子を少なくとも3個以上設け
て、周波数変換部にて中間周波信号に変換した各アンテ
ナ素子からの受信信号の中から、信号選択手段を用いて
任意の2つを選択できるように構成することにより、物
標の検出に使用するアンテナ素子の間隔を調整(切換)
できるようにしているのである。
【0034】この結果、請求項7に記載のモノパルスレ
ーダ装置によれば、例えば当該装置から物標までの距離
や、物標の検出状態等に応じて、信号選択手段が選択す
る中間周波信号を切り換えることにより、物標検出に用
いるアンテナ素子の間隔を、物標を最も良好に検出可能
な値に切り換えることができるようになり、物標(特に
その方位)の検出精度をより向上して、角度測定分解能
に優れたレーダ装置を実現することが可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に本発明が適用された実施例
の車両用障害物検出装置について説明する。 (第1実施例)図1は第1実施例の車両用障害物検出装
置の構成を表わすブロック図である。
【0036】図1に示す如く、本実施例の車両用障害物
検出装置は、複数(本実施例では3個)の2端子給電型
円偏波用アンテナ素子(以下単にアンテナセルという)
2a,2b,2cと誘電体レンズ4とからなるマルチビ
ーム誘電体レンズアンテナ(以下単にアンテナ装置とい
う)6、アンテナ装置6の各アンテナセル2a〜2cか
ら所定旋回方向の円偏波の電波を放射させると共に、各
アンテナセル2a〜2cからの受信信号に基づき誘電体
レンズ4の前方に存在する障害物の位置を検出し、車両
が障害物に衝突する虞がある場合には警報装置12を動
作させて、車両運転者にその旨を報知する電子制御装置
(以下単にECUという)10、及び、ECU10から
の出力信号に応じて各アンテナセル2a〜2cから円偏
波の電波を放射させると共に、各アンテナセル2a〜2
cにて得られた受信信号を処理してECU10に入力す
る送受信回路20、を備えている。
【0037】ここで、アンテナ装置6において、各アン
テナセル2a〜2cは水平方向に所定間隔で配設されて
おり、各アンテナセル2a〜2cの放射パターン(指向
性)は、誘電体レンズ4によって、図2(a)〜(c)
に示す如く、水平方向に各々異なり、しかも一部が重な
り合った放射パターンとなるようにされている。
【0038】つまり、3個のアンテナセル2a〜2cの
内、中央のアンテナセル2bは、図2(b)に示す如
く、図に点線で示す誘電体レンズ4の中心軸に沿って略
左右対称となる放射パターンとなり、左右のアンテナセ
ル2a,2cは、図2(a),(c)に示す如く、図に
点線で示す誘電体レンズ4の中心軸に対して右又は左側
に偏った放射パターンとなるようにされている。
【0039】なお、アンテナ装置6全体の放射パターン
(指向性)は、これら各アンテナセル2a〜2cの放射
パターンを合成した図2(d)に示す放射パターンとな
る。次に、送受信回路20には、ECU10から出力さ
れる電圧制御された制御信号に応じて、所定周波数の送
信用高周波信号(送信信号)を発生する電圧制御型の周
波数可変発振器(以下単に発振器という)22と、発振
器22からの送信信号を、各アンテナセル2a〜2cに
供給するための給電用信号と各アンテナセル2a〜2c
にて得られた受信信号を周波数変換するための3つのロ
ーカル信号とに4分配する第1電力分配器24と、第1
電力分配器24にて給電用信号として分配された送信信
号を、各アンテナセル2a〜2cに各々供給するための
給電用信号として更に3分配する第2電力分配器26と
が備えられている。
【0040】そして、第2電力分配器26にて分配され
た各アンテナセル2a〜2cに対する送信信号は、各ア
ンテナセル2a〜2cに対応して設けられた90度ハイ
ブリッド回路28a〜28cの入力端子Bに夫々入力さ
れる。90度ハイブリッド回路28a〜28cは、入力
端子Bに入力された送信信号を、90度の位相差で夫々
半分づつに振り分けて一対の入出力端子C,Dから出力
し、逆に、入出力端子C,Dに送信信号とは逆位相(位
相差−90度)の信号を受けると、この信号を合成して
出力端子Aから出力する周知のものであり、一対の入出
力端子C,Dの内、一方の入出力端子Cは、対応するア
ンテナセル2a〜2cの一方の給電端子Hに直接接続さ
れ、他方の入出力端子Dは、対応するアンテナセル2a
〜2cの他方の給電端子Vに、位相変化量Φを0度又は
180度に切換可能な位相変化量可変型移相器(以下単
に移相器という)30a〜30cを介して接続されてい
る。
【0041】従って、第2電力分配器26から90度ハ
イブリッド回路28a〜28cに入力された送信信号
は、90度の位相差を有する送信信号として、各アンテ
ナセル2a〜2cの一対の給電端子に夫々供給され、各
アンテナセル2a〜2cからは、夫々、所定旋回方向の
円偏波の電波が放射されることになる。
【0042】また、各アンテナセル2a〜2cに放射電
波とは逆旋回の円偏波電波が受信されると、各アンテナ
セル2a〜2cの給電端子に、送信時とは逆方向に90
度の位相差(−90度)を有する受信電力が発生するた
め、90度ハイブリッド回路28a〜28cにおいて
は、各アンテナセル2a〜2cにて送信電波と逆旋回の
電波が受信されたとき(換言すれば送信電波が外部の物
標に当たって反射してくる反射電波が受信されたとき)
に、その受信信号が合成され、出力端子Aからその合成
した受信信号が出力されることになる。
【0043】また、90度ハイブリッド回路28a〜2
8cの一方の入出力端子Dとアンテナセル2a〜2cの
一方の給電端子Vとの間には、夫々、移相器30a〜3
0cが設けられているが、この移相器30a〜30c
は、位相変化量Φを0度又は180度に切り換え可能で
あるため、この移相器30a〜30cの位相変化量Φを
切り換えることにより、アンテナセル2a〜2cを介し
て送受信可能な円偏波の旋回方向を切り換えることがで
きる。なお、この移相器30a〜30cの位相変化量Φ
は、ECU10により切り換えられる。
【0044】次に、90度ハイブリッド回路28a〜2
8cの出力端子Aは、夫々、ミキサ回路32a〜32c
に接続されており、ミキサ回路32a〜32cには、第
1電力分配器24によりローカル信号として3つに分配
された送信信号が夫々入力されている。つまり、本実施
例では、ミキサ回路32a〜32cにて、90度ハイブ
リッド回路28a〜28cの出力端子Aから出力される
受信信号と、発振器22からの送信信号とを混合するこ
とにより、受信信号を、送信信号をローカル信号とし
て、これら各信号の周波数の差の周波数を有する中間周
波信号(IF信号)に変換するのである。
【0045】そして、これら各ミキサ回路32a〜32
cからの出力信号(IF信号)は、IF回路34a〜3
4cに夫々入力され、各IF回路34a〜34cにおい
て、増幅・波形整形された後、ECU10に夫々入力さ
れる。次に、ECU10は、CPU,ROM,RAM等
を中心とする周知のマイクロコンピュータにより構成さ
れており、障害物の検出を行う測定モードにあるときに
は、所定の測定周期毎に、FM−CWレーダとしての送
信制御を行う。即ち、発振器22に出力する制御信号の
電圧を所定の測定周期毎に、所定の下限電圧から上限電
圧まで除々に変化させることにより、発振器22から出
力される送信信号の周波数を予め設定された下限周波数
から上限周波数まで除々に変化させる、送信制御を実行
するのである。
【0046】この結果、各アンテナセル2a〜2cから
は、順次周波数が変化する送信信号(周波数変調信号)
が、移相器30a〜30cの位相変化量Φ(0度又は1
80度)に対応した旋回方向の円偏波の電波として、所
定の測定周期毎に繰返し放射されることになる。
【0047】また、ECU10は、この送信制御の実行
中、IF回路34a〜34cからの出力信号(IF信
号)を、図示しないA/D変換器を介して各々取り込
み、その取り込んだ各IF信号の振幅又は位相或はその
両方を比較することにより、アンテナ装置6の外部に存
在する障害物の位置(方位)を検出すると共に、I/F
信号を周波数分析することにより障害物までの距離及び
相対速度を検出する、障害物検出処理を実行する。
【0048】そして、このように、送信制御の実行中
に、障害物検出処理にて、障害物の方位,障害物までの
距離,及び障害物との相対速度が検出されると、次に送
信制御を開始するまでの間に、その検出結果から、車両
が障害物に衝突する危険な状況にあるかどうかを判断
し、衝突の危険性が高いと判断すると、警報装置12を
動作させて、車両運転者にその旨を報知する、衝突警報
処理を実行する。
【0049】つまり、各アンテナセル2a〜2cから放
射した電波が障害物に当たって反射すると、その電波の
旋回方向は送信時とは逆旋回となり、障害物からの反射
電波がアンテナセル2a〜2cにて受信された場合に
は、90度ハイブリッド回路28a〜28c,ミキサ回
路32a〜32c,及びIF回路34a〜34cを介し
て、IF信号として、ECU10に入力されるため、E
CU10においては、これら各部を介して各アンテナセ
ル2a〜2cから入力される受信信号(IF信号)に基
づき、障害物の有・無、並びに障害物の方位,障害物ま
での距離,障害物との相対速度等を検出して、車両が障
害物に衝突する危険な状況にある場合には、車両運転者
にその旨を報知し、車両走行時の安全性を向上するので
ある。
【0050】ところで、本実施例においては、各アンテ
ナセル2a〜2cに円偏波用アンテナ素子を用いている
ため、各アンテナセル2a〜2cによる偏波識別によ
り、自己が送信した電波が障害物に当たって反射してく
る反射波のみを比較的良好に受信して障害物の検出を行
うことができるようになるが、こうしたモノパルスレー
ダ装置を適用した車両用障害物検出装置が普及し、この
装置を搭載した車両が多くなると、各車両間にて障害物
検出用電波の電波干渉が発生し易くなり、この電波干渉
によって、障害物の検出精度が低下するおそれがある。
【0051】そこで、本実施例では、ECU10におい
て、図3又は図4に示す如き偏波切換処理を実行するこ
とにより、他の装置との電波干渉によって障害物の検出
精度が低下するのを防止するようにされている。即ち、
図3に示す偏波切換処理では、S100(S:ステップ
を表わす)にて、当該装置が障害物の検出動作を行う測
定モードを終了しているか否か(測定終了?)を判断
し、測定モードを終了していれば、そのまま当該処理を
終了し、測定モードを終了していなければ、S110に
移行して、上記送信制御及び障害物検出処理を実行する
1測定ターンが終了するのを待つ。
【0052】そして、この1測定ターンが終了すると、
S120に移行して、CPUに組込まれたランダム関数
の演算回路に乱数Ran#を発生させて、その値Ran#を
読み込み、続くS130にて、乱数Ran#が偶数か否か
を判断し、乱数Ran#が奇数であり偶数でなければ、S
140にて、移相器30a〜30cの位相変化量Φを0
度に設定して、S100に移行し、逆に乱数Ran#が偶
数であれば、S150にて、移相器30a〜30cの位
相変化量Φを180度に設定して、S100に移行す
る。
【0053】つまり、図3に示す偏波切換処理では、上
述の送信制御及び障害物検出処理の実行後、次にこの制
御を開始するまでの間に、乱数Ran#を発生させて、そ
の乱数Ran#が偶数か奇数かによって、移相器30a〜
30cの位相変化量Φを0度又は180度にランダムに
切り換えるのである。
【0054】この結果、例えば、S140にて、移相器
30a〜30cの位相変化量Φを0度に設定した場合
に、他の装置からの送信電波又はその反射電波波がアン
テナセル2a〜2cにて受信され、その受信信号が、9
0度ハイブリッド回路28a〜28c,ミキサ回路32
a〜32c,及びIF回路34a〜34cを通って、E
CU10に入力され、ECU10において各IF信号に
基づき障害物を検出できなくなった場合であっても、そ
の後、S150にて移相器30a〜30cの位相変化量
Φが180度に切り換えられると、当該装置にて送受信
可能な円偏波の旋回方向が右旋回から左旋回(或はその
逆)に変化するため、他の装置からの電波がアンテナセ
ル2a〜2cにて受信されても、その受信信号は、90
度ハイブリッド回路28a〜28cにてカットされ、E
CU10には各アンテナセル2a〜2cから放射した電
波の反射電波に対応した受信信号のIF信号のみが入力
されることになり、ECU10側では、このとき入力さ
れる各IF信号に基づき、障害物を正確に検出できるよ
うになる。
【0055】一方、図4に示す偏波切換処理では、図3
に示した処理と同様、S100にて、当該装置が障害物
の測定を終了するかどうかを判断し、測定を終了する場
合には、そのまま当該処理を終了し、測定を継続する場
合には、S110にて1測定ターンが終了するのを待
つ。
【0056】そして、この1測定ターンが終了すると、
S220に移行して、1測定ターンの間に取り込んだ各
IF信号の振幅に基づき、その間に受信した受信信号の
中に、予め設定された設定レベルよりも高い受信電力の
ピークがある受信信号が存在するかどうかを判断し、設
定レベルよりも高い受信電力のピークがある受信信号が
存在する場合には、その受信信号は何等かの電波干渉の
影響を受けていると判断して、S230に移行し、移相
器30a〜30cの位相変化量Φを、現時点の位相変化
量から反転して、S100に移行し、そうでなければ、
そのままS100に移行する。
【0057】つまり、図4に示す偏波切換処理では、上
述の送信制御及び障害物検出処理の実行後、この制御を
実行中に取り込んだIF信号に基づき、設定レベルより
も高い受信電力のピークがある受信信号が存在したかど
うかを判断することにより、今まで受信した受信信号は
他の装置からの電波の影響を受けているかどうかを判定
し、受信電力が異常に大きい場合には、何等かの電波干
渉の影響を受けているものとして、各移相器30a〜3
0cの位相変化量Φを今までの位相変化量(0度又は1
80度)から180度反転させた位相変化量(180度
又は0度)に切り換えるのである。この結果、図3に示
した偏波切換処理と同様、障害物を、他の装置からの送
信電波に影響されることなく、正確に検出できるように
なる。
【0058】以上説明したように、本実施例の車両用障
害物検出装置によれば、アンテナ装置6を構成するアン
テナセル2a〜2cに、2端子給電型の円偏波用アンテ
ナ素子を用いると共に、各アンテナセル2a〜2c毎に
送信信号の供給及び受信信号の取り出しを行う信号入出
力回路に、90度ハイブリッド回路28a〜28cを用
いることにより、各アンテナセル2a〜2cから所定旋
回方向の円偏波の電波を送信させ、各アンテナセル2a
〜2cにて、送信時とは異なる旋回方向の電波が受信さ
れた場合にのみ、その受信信号を取り込むように構成さ
れ、しかも、その送受信時の電波の旋回方向を、移相器
30a〜30cを用いて切り換えるようにされている。
【0059】従って、本実施例によれば、当該装置と同
様の車両用障害物検出装置を搭載した車両や当該装置と
は異なる他の通信装置との間で、電波干渉が発生して
も、その干渉波による影響を受けることなく、障害物を
検出することが可能になり、障害物の検出精度を向上す
ることができる。そして、このように障害物の検出精度
を向上できるため、車両の障害物への衝突の危険性を極
めて正確に予測して、車両運転者に警報を与えることが
でき、車両の走行安全性を高めることができる。
【0060】また、本実施例の車両用障害物検出装置
は、モノパルスレーダ装置に、FM−CWレーダの技術
を適用して、障害物の方位,障害物との距離,及び障害
物との相対速度を検出するようにされているため、車両
が障害物に衝突する危険性を正確且つ速やかに検出する
ことができ、これによっても車両の走行安全性を高める
ことができる。
【0061】また、90度ハイブリッド回路28a〜2
8cを、例えば、ラットレース電力合成回路,ウィルキ
ンソン電力合成回路等にて構成すれば、90度ハイブリ
ッド回路28a〜28cを、アンテナセル2a〜2c及
び移相器30a〜30cと共に、所定の基板状にマイク
ロストリップラインにて構成して、これら各部を、所謂
平面アンテナとして実現することができるため、装置の
小型・軽量化を図ることもできる。
【0062】なお、本実施例では、90度ハイブリッド
回路28a〜28cの入出力端子D側に移相器30a〜
30cを設けるものとして説明したが、この移相器30
a〜30cは、90度ハイブリッド回路28a〜28c
の入出力端子C,Dのいずれに設けてもよい。
【0063】また、本実施例では、アンテナ装置6に3
個のアンテナセル2a〜2cを設けた車両用障害物検出
装置について説明したが、モノパルスレーダ装置では、
最低2個のアンテナ素子を備えていれば、外部の物標を
検出することができるため、アンテナセルを2個備えた
アンテナ装置を使用してもよい。また、アンテナセルを
更に増やして、隣接するアンテナセルにて得られた受信
信号の振幅や位相等から各々障害物の方位や距離を各々
検出し、その検出結果から、障害物の位置を特定するよ
うにしてもよく、この場合には、障害物の位置をより高
精度に検出することが可能になる。 (第2実施例)ここで、上記実施例では、ミキサ回路3
2a〜32cにて周波数変換された各アンテナセル2a
〜2cの受信信号の中間周波信号(IF信号)を、夫
々、IF回路34a〜34cを用いて信号処理し、EC
U10に入力するように構成したが、例えば、図5に示
す第2実施例の車両用障害物検出装置のように、各ミキ
サ回路32a〜32cから出力される3種のIF信号の
中から一つのIF信号を選択して出力する出力スイッチ
回路36を設け、この出力スイッチ回路36が選択する
IF信号をECU10側にて高速に切り換えるように構
成してもよい。つまり、3種のIF信号を時分割にて高
速に取り込むようにしてもよい。
【0064】そして、このようにすれば、IF信号を信
号処理するIF回路34及びECU10内にてIF信号
をA/D変換するA/D変換器を、アンテナセルの個数
に関係なく1個にすることができ、第1実施例の装置に
比べて、装置構成をより簡素化して、装置の小型・軽量
化を図ることができる。 (第3実施例)また、例えば、図6に示す第3実施例の
車両用障害物検出装置のように、各90度ハイブリッド
回路28a〜28cの出力端子Aと、ミキサ回路32と
の間に、各90度ハイブリッド回路28a〜28cから
の出力信号(つまり各アンテナセル2a〜2cによる受
信信号)の中から、受信信号を一つ選択して取り込む入
力スイッチ回路38を設け、この入力スイッチ回路38
が選択する受信信号をECU10側にて高速に切り換え
るように構成してもよい。つまり、90度ハイブリッド
回路28a〜28cを介して得られる各アンテナセル2
a〜2cからの受信信号を、時分割にて高速に取り込む
ようにしてもよい。そして、このようにすれば、IF回
路34及びA/D変換器のみならず、ミキサ回路32を
も、アンテナセルの個数に関係なく1個にすることがで
き、第2実施例の装置よりも更に装置構成を簡素化する
ことができ、装置の小型・軽量化を図ることができる。
また、この場合、第1電力分配器24では、発振器22
からの送信信号を、第2電力分配器26側とミキサ32
側とに2分配すればよく、第1電力分配器24を通過す
る各送信信号の減衰量を少なくすることができる。従っ
て、発振器22からの送信信号の出力電力を低減するこ
ともできる。
【0065】なお、この場合、受信信号が選択されない
(換言すればミキサ回路32に接続されない)90度ハ
イブリッド回路において、出力端子Aに出力された受信
信号が入出力端子C,D側に反射することのないよう
に、入力スイッチ回路38には、各90度ハイブリッド
回路28a〜28cの出力端子Aを、所定の回路インピ
ーダンスにて終端する終端抵抗Ra〜Rcを設け、出力
端子Aをミキサ回路32に接続しない90度ハイブリッ
ド回路の出力端子Aは、対応する終端抵抗Ra〜Rcに
て終端できるようにする必要はある。 (第4実施例)また次に、上記各実施例では、90度ハ
イブリッド回路28a〜28cを介して得られた各アン
テナセル2a〜2cからの受信信号を中間周波信号(I
F信号)に周波数変換し、これを同時に或は時分割にて
ECU10に各々入力して、ECU10側で、これら3
種のIF信号を用いて、障害物の位置(方位,距離等)
を検出するように構成したが、例えば、図7に示す第4
実施例の車両用障害物検出装置のように、ミキサ回路3
2a〜32cにて中間周波信号に周波数変換された各ア
ンテナセル2a〜2cからの受信信号(IF信号)の中
から、任意の一対のIF信号を選択する受信信号選択回
路40を設け、この受信信号選択回路40にて選択され
た一対のIF信号を、夫々、一対のIF回路34-1,3
4-2を用いて信号処理し、ECU10に入力するように
構成し、更に、ECU10側にて、受信信号選択回路4
0が選択するIF信号を変更することにより、障害物検
出に使用するアンテナセルの間隔を切り換えるようにし
てもよい。
【0066】つまり、モノパルスレーダ装置は、基本的
には、一対のアンテナ素子にて得られた受信信号の振幅
又は位相の差から物標の方位を検出するものであるた
め、2個のアンテナ素子を備えていれば、本発明のモノ
パルスレーダ装置を実現できるが、単に2個のアンテナ
素子のみで物標の方位及び距離をしようとすると、例え
ば、図8(a)に示す如く、一対のアンテナ素子a,b
の間隔D1が狭いと、物標Xまでの距離Lが短い場合に
は、各アンテナ素子a,bと物標Xとを結ぶ直線にて形
成される角度θ1が比較的大きくなって、受信信号の振
幅又は位相の差から物標の位置を良好に検出できるもの
の、物標Xまでの距離Lが長い場合には、上記角度θ1
が小さくなり、各アンテナ素子a,bにて得られた受信
信号の振幅や位相の差(図に示す△L1に対応する)も
小さくなるため、物標Xの位置を良好に検出できなくな
る。しかし、例えば、図8(b)に示す如く、物標Xの
検出に使用する使用するアンテナ素子を、間隔D1の狭
いa,bから、間隔D2の広いa,cに切り換えれば、
物標Xまでの距離Lが長い場合でも、各アンテナ素子
a,cと物標Xとを結ぶ直線にて形成される角度θ2が
比較的大きくなって、各アンテナ素子a,cにて得られ
る受信信号の振幅や位相の差(図に示す△L2に対応す
る)を大きくすることができ、物標の位置を良好に検出
できるようになる。
【0067】そこで、本実施例では、受信信号選択回路
40により、ミキサ回路32a〜32cにて周波数変換
した3種のIF信号の中から任意の一対のIF信号を選
択して、ECU10に入力できるようにし、ECU10
側にて、受信信号選択回路40が選択するIF信号,延
いては障害物検出に使用するアンテナセルの間隔を切り
換えることにより、ECU10において、障害物の位置
を常に良好に検出できるようにしているのである。
【0068】なお、ECU10において、受信信号選択
回路40が選択するIF信号を実際に切り換える場合に
は、例えば、図9に示す如き受信信号切換処理を実行す
るようにすればよい。即ち、図9に示す受信信号切換処
理においては、前述の図3及び図4に示した偏波切換処
理と同様、S100にて、当該装置が障害物の測定を終
了するかどうかを判断し、測定を終了する場合には、そ
のまま当該処理を終了し、測定を継続する場合には、S
110にて1測定ターンが終了するのを待つ。そして、
この1測定ターンが終了すると、S320に移行して、
1測定ターンの間に取り込んだIF信号の周波数が非常
に大きく、予め設定された設定距離以上の点に物標(障
害物)が存在するか否かを判定し、障害物が設定距離以
上の点に存在する場合(つまり障害物までの距離が長い
場合)には、S330に移行して、受信信号を取り込む
アンテナの間隔を広くするために、受信信号選択回路4
0の一方のスイッチSW1をアンテナセル2aに対応し
たミキサ32a側に、他方のスイッチSW2をアンテナ
セル2cに対応したミキサ32c側に、夫々切り換え
て、S100に移行し、逆に、障害物が設定距離以上の
点に存在しない場合(つまり障害物までの距離が短い
か、障害物を検出できていない場合)には、受信信号を
取り込むアンテナの間隔を狭くするために、受信信号選
択回路40の一方のスイッチSW1をアンテナセル2a
に対応したミキサ32a側に、他方のスイッチSW2を
アンテナセル2bに対応したミキサ32b側に、夫々切
り換えて、S100に移行する。
【0069】この結果、本実施例によれば、当該装置か
ら障害物までの距離に影響されることなく、障害物の方
位を常に正確に検出できるようになり、角度測定分解能
に優れた障害物検出装置を実現できる。以上、本発明
を、第1〜第4実施例を挙げて具体的に説明したが、本
発明は、こうした実施例に限定されるものではなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記各実施例で
は、車両に搭載されて障害物の検出を行う車両用障害物
検出装置について説明したが、本発明は、こうした障害
物検出用のレーダ装置以外にも、例えば、車両を他の車
両や目標物に追従させて自動走行させる無人搬送車誘導
用のレーダ装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の車両用障害物検出装置の構成を
表わすブロック図である。
【図2】 アンテナ装置の指向特性を説明する説明図で
ある。
【図3】 ECUにおいて実行される偏波切換処理の一
例を表わすフローチャートである。
【図4】 同じくECUにおいて実行される偏波切換処
理の他の例を表わすフローチャートである。
【図5】 第2実施例の車両用障害物検出装置の構成を
表わすブロック図である。
【図6】 第3実施例の車両用障害物検出装置の構成を
表わすブロック図である。
【図7】 第4実施例の車両用障害物検出装置の構成を
表わすブロック図である。
【図8】 アンテナ素子の間隔と物標の検出精度との関
係を説明する説明図である。
【図9】 第4実施例のECUにおいて実行される受信
信号切換処理を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
2a〜2c…アンテナセル(2端子給電型円偏波用アン
テナ素子) 4…誘電体レンズ 6…アンテナ装置(マルチビーム
誘電体レンズアンテナ) 10…ECU(電子制御装
置) 12…警報装置 20…送受信回路 22…発振器 24…第1電力分配器 26…第2
電力分配器 28a〜28c…90度ハイブリッド回路 30a〜30c…移相器(位相変化量可変型移相器) 32,32a〜30c…ミキサ回路 34,34a〜
34c…IF回路 36…出力スイッチ回路 38…入力スイッチ回路 40…受信信号選択回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射パターンの一部が重なるように配設
    された複数のアンテナ素子と、 送信信号を発生する信号発生手段と、 該信号発生手段からの送信信号を各アンテナ素子に入力
    して各アンテナ素子から電波を放射させると共に、各ア
    ンテナ素子にて受信された受信信号を各々取り出す信号
    入出力手段と、 該信号入出力手段を介して得られた各アンテナ素子から
    の受信信号に基づき外部の物標を検出する物標検出手段
    と、 を備えたモノパルスレーダ装置において、 前記各アンテナ素子を円偏波の電波を送受信可能な円偏
    波用アンテナ素子にて構成し、 更に、各アンテナ素子が送受信する円偏波の旋回方向を
    切り換える偏波切換手段を設けたことを特徴とするモノ
    パルスレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記各アンテナ素子は、2端子給電型の
    円偏波用アンテナ素子からなり、 前記信号入出力手段は、前記各アンテナ素子毎に設けら
    れ、前記送信信号を位相差90度の送信信号に分配して
    アンテナ素子の2つの給電端子に出力すると共に、アン
    テナ素子の各給電端子から入力される一対の受信信号の
    うち、前記分配した送信信号とは逆方向に90度の位相
    差を有する受信信号を合成して装置内に取り込む、複数
    の90度ハイブリッド回路からなり、 前記偏波切換手段は、前記90度ハイブリッド回路とア
    ンテナ素子の給電端子とを接続する一対の信号経路の一
    方に設けられ、位相変化量を0度及び180度のいずれ
    かに切り換え可能な位相変化量可変型の移相器からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のモノパルスレーダ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ素子,90度ハイブリッド
    回路,及び移相器からなる送受信用の高周波回路部が、
    所定の基板上に導電パターンにて形成した平面回路から
    なることを特徴とする請求項2に記載のモノパルスレー
    ダ装置。
  4. 【請求項4】 前記信号発生手段は、所定周期で周波数
    が変化する周波数変調信号を前記送信信号として発生す
    る周波数可変発振器からなり、 更に、前記信号入出力手段を介して入力される前記各ア
    ンテナ素子からの受信信号を前記送信信号と混合して、
    各受信信号を中間周波信号に変換し、前記物標検出手段
    に出力する周波数変換手段を設けたことを特徴とする請
    求項1〜請求項3いずれか記載のモノパルスレーダ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記周波数変換手段は、前記各アンテナ
    素子からの受信信号を前記送信信号を用いて各々周波数
    変換する複数の周波数変換部と、該複数の周波数変換部
    にて周波数変換された中間周波信号を順次選択して前記
    物標検出手段に出力する出力スイッチ手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項4に記載のモノパルスレーダ装
    置。
  6. 【請求項6】 前記周波数変換手段は、前記各アンテナ
    素子からの受信信号を順次選択して取り込む入力スイッ
    チ手段と、該入力スイッチ手段から順次入力される受信
    信号を前記送信信号を用いて順次周波数変換し、前記物
    標検出手段に出力する周波数変換部とを備えたことを特
    徴とする請求項4に記載のモノパルスレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記アンテナ素子を少なくとも3個以上
    備え、 しかも、前記周波数変換手段は、 該アンテナ素子に対応して、各アンテナ素子からの受信
    信号を前記送信信号を用いて各々周波数変換する3個以
    上の周波数変換部を備えると共に、 該各周波数変換部から出力される中間周波信号の中から
    一対の中間周波信号を選択して前記物標検出手段に出力
    する信号選択手段を備え、 該信号選択手段が選択する中間周波信号の変更により、
    物標検出に使用するアンテナ素子の間隔を調整可能に構
    成してなることを特徴とする請求項4に記載のモノパル
    スレーダ装置。
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