JPH0966259A - 帯状体の乾燥装置 - Google Patents

帯状体の乾燥装置

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JPH0966259A
JPH0966259A JP24848395A JP24848395A JPH0966259A JP H0966259 A JPH0966259 A JP H0966259A JP 24848395 A JP24848395 A JP 24848395A JP 24848395 A JP24848395 A JP 24848395A JP H0966259 A JPH0966259 A JP H0966259A
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JP
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drying
strip
heating roll
belt
small
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JP24848395A
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Kazutaka Oda
和孝 小田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の乾燥装置の問題点及び限界を一挙に解決
する新しい乾燥装置を提供すること。 【解決手段】連続走行する帯状体1の塗膜非形成面に接
触し前記帯状体1を案内する直径300mm以下の小径
加熱ロール48〜56を隣接して配置して成る小径加熱
ロール群と、前記帯状体の塗膜に熱風を供給する給気ボ
ックス41、42を有する帯状体の乾燥装置。 【効果】この乾燥装置によれば、連続走行する帯状体に
液状体を塗布し乾燥する乾燥プロセスにおける塗膜の乾
燥温度プロフィールを精巧に制御することができ、これ
により乾燥終了後の塗膜の物理的特性、層構造、残留溶
剤量等を制御することができ、製品の品質向上につなげ
ることができる。また同時に最近の多品種少量生産のた
めの頻繁かつ大幅な乾燥条件変更の要求に対しても迅速
に対応可能であり、高い生産性を実現でき、経済性に優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、帯状体に液状体
を塗布して形成された塗膜を乾燥する帯状体の乾燥装置
に関する。
【0002】
【発明の背景】走行する帯状体に液状体を塗布乾燥する
技術は、カラー鉄板、PS版(アルミニウム、紙、プラ
スチック等の版材に感光液を塗布した平板印刷用原
液)、写真フィルムなどの製造には必須であり、広く産
業上利用されており、研究開発も盛んである。
【0003】特にPS版は連続走行するアルミ等の帯状
体の表面に、機械的、化学的、電気化学的処理を施し、
砂目状表面、陽極皮膜表面、親水化表面が作られ、その
後感光性樹脂の有機溶媒溶液を塗布され、乾燥後裁断さ
れ製品とされる。乾燥工程は、感光性皮膜の生成過程と
して重要なプロセスである。
【0004】
【従来の技術】この種の乾燥装置では、一般に有機溶媒
を蒸発させるだけでなく、高沸点成分の残留量のコント
ロールが必要である。
【0005】残留溶剤量は、皮膜強度および使用時の現
像適性に影響するからである。即ち、不適正な乾燥条件
は、現像不良による印刷ヨゴレ、膜強度不良による耐刷
性不良の原因となり、PS版としての機能を著しく低下
させることになる。
【0006】乾燥工程は、大きく2つのステップから成
り立っている。
【0007】第1ステップでは、主に溶剤の蒸発に伴い
溶液の濃度アップが起こり、軟膜状態の皮膜が生成され
る。この段階では、有機溶剤の乾燥故障として知られて
いるオレンジピールやブラッシング故障の発生を抑える
べくマイルドな乾燥条件にて操作されるのが普通であ
る。
【0008】第2ステップは皮膜の硬膜化段階であり、
残留溶剤量のコントロールが重要である。この段階では
溶剤の蒸発は、皮膜内の拡散移動速度が律速となる。
【0009】乾燥設備としても、このように第1ステッ
プと第2ステップに分けられ乾燥条件が異なっている。
時には、間に中間条件を設け3つのステップから成り立
つ。
【0010】一般的には、最初から順次温度を上げてい
く。設備的にも乾燥初期の風むら(ウインドマーク)防
止や熱伝達係数を上げるためなど、風吹き出し部の形状
などに工夫がなされている。
【0011】通常、第1ステップでは熱風乾燥でマイル
ドな条件が採用され、第2ステップは熱風乾燥による場
合もあれば、熱伝達効率の高い加熱ロールが採用される
ケースもある。
【0012】図1に、第1ステップに熱風加熱、第2ス
テップに加熱ロールを採用した従来型の乾燥装置の一例
として、特開平6−63487号公報に記載の装置を示
す。
【0013】連続走行する帯状体1は、塗布部2によ
り、溶媒を含有する塗布液を塗布され垂直に立ち上がり
乾燥室3に導かれる。乾燥室3は、帯状体入り口部の給
気吹き出しボックス4、5からなる第1ステップ乾燥部
と、それに続く案内ロールを兼ねた加熱ロール6からな
る第2ステップ乾燥部より構成されている。
【0014】帯状体はまず乾燥室3の入り口部で給気吹
き出しボックス4、5より塗布面及びその裏面に熱風を
受け乾燥を開始する。この部分での塗布面側の吹き出し
風速は0.5〜5m/s程度である。温度は通常60〜
100℃に設定される。
【0015】この部分である程度乾燥が進行した塗膜
は、第2ステップ乾燥部となる加熱ロール6に帯状体の
裏面が接触し、そのため急激な帯状体への熱移動により
急速に乾燥が行われる。
【0016】これらの乾燥プロセスにおいて蒸発した溶
剤ガスは、移動する給気風に同伴し排気口20より排出
される。
【0017】給気風の風量は、防爆上の観点より乾燥室
内で発生する溶剤ガスの濃度が爆発下限濃度の1/4以
下になるように給気することが望ましい。
【0018】加熱ロール6には、蒸気パイプ15より減
圧弁16を経て圧力1〜7kg/cm2の範囲で所定の
圧力の蒸気が供給される。
【0019】帯状体上の塗膜は、加熱ロールと帯状体と
の接触により急激に乾燥が進行し、同時に塗膜の硬化が
起こり、加熱ロールから帯状体が離れる前で乾燥が終了
する。
【0020】その後帯状体は、ガイドロール9を経て乾
燥室3より外部へ導かれる。
【0021】これらの過程で、非接触型温度計13によ
り乾燥室出側での塗膜の表面温度を計測し、通常100
〜150℃の所定の表面温度になるようにコントローラ
ー14を介してパルスモーター10でネジ付きロッド1
1を回転させることにより、ガイドロール9の位置を変
えることができるから(例えば9’の位置に変更できる
から)、帯状体とのラップ角が変わり、帯状体への供給
熱量を制御することが自動的に行われる。
【0022】なお、図2はガイドロールの他の一例を示
す図である。1対のガイドロール39aと39bをネジ
付きロッド11上を移動可能なように設け、これらのロ
ールの間に帯状体を走行させる。ラップ角度を大きくす
る場合には、ガイドロールを矢Lの向きに移動させ帯状
体をガイドロール39bにより案内する。逆にラップ角
度を小さくする場合には、ガイドロールを矢Rの向きに
移動させ帯状体をガイドロール39aで案内する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところが最近、多品種
少量生産のための頻繁な条件変更と共に品質向上の観点
から、従来になく乾燥過程即ち塗膜形成過程における塗
膜の精巧な温度プロフィール制御が要求されるようにな
ってきた。
【0024】また、条件変更幅も大幅に変えなければな
らないというニーズが高まってきており、従来の乾燥装
置では対応が困難となってきている。
【0025】即ち従来の乾燥装置においては、第2ステ
ップ部が一つの大径の加熱ロールからなっているため塗
膜形成過程における自由度の高い温度プロフィール制御
が不可能であるばかりでなく、熱容量も大きいため大幅
な温度変更に対しては長時間を要することになりその間
ラインを停止せざるを得ず、著しく生産効率を低下させ
るという問題が生じている。
【0026】従来の乾燥装置も第2ステップの乾燥条件
を即座に変えるべく帯状体と加熱ロールの接触角を短時
間に変える装置を具備しているのであるが、最近の乾燥
過程において要求されている条件の大幅な変更、及び精
巧な温度プロフィール制御は従来の設備の能力を越えて
おり、実質上、対応困難な状況となってきている。
【0027】本発明の目的は、これら従来の乾燥装置の
問題点及び限界を一挙に解決する新しい乾燥装置を提供
することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、連続走
行する帯状体の塗膜非形成面に接触し前記帯状体を案内
する少なくとも2本の直径300mm以下の小径加熱ロ
ールを隣接して配置して成る小径加熱ロール群と、前記
帯状体の塗膜に熱風を供給する熱風供給手段を有する帯
状体の乾燥装置(請求項1、以下基本的特徴という)に
より上記目的を達成することができる。
【0029】本発明は、かかる基本的特徴により、小径
加熱ロール群による直接接触加熱と熱風供給手段による
間接加熱を組み合わせた帯状体の加熱が可能であると共
に、小径加熱ロールの温度を任意に設定できるので、時
間軸に対する加熱の程度を任意に変更することができ
る。
【0030】従って、連続走行する帯状体に液状体を塗
布し乾燥する乾燥プロセスにおける塗膜の乾燥温度プロ
フィールを精巧に制御することができ、これにより乾燥
終了後の塗膜の物理的特性、層構造、残留溶剤量等を制
御することができ、製品の品質向上につなげることがで
きる。また同時に最近の多品種少量生産のための頻繁か
つ大幅な乾燥条件変更の要求に対しても迅速に対応可能
であり、高い生産性を実現でき、経済性に優れている。
【0031】好ましくは、前記帯状体の走行方向断面が
前記小径加熱ロール群によって略弧状になるように前記
小径加熱ロールを隣接して配置する(請求項2)。この
場合には、上述の本発明の効果がより一層顕著である。
即ち、このように小径加熱ロールを配置した場合は、帯
状体の走行方向を変化させることにより、小径加熱ロー
ルとの接触面積を容易に変更し帯状体への供給熱量を制
御することができ、塗膜の乾燥温度プロフィールをより
一層精巧に制御することができる。
【0032】好ましくは、前記小径加熱ロールのうちの
少なくとも1本は独立して温度制御できるものにする
(請求項3)。この場合には、小径加熱ロールの温度変
更を短時間で容易に行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】上述の本発明の帯状体の乾燥装置
によれば、従来の乾燥装置では不可能であった塗膜の乾
燥プロセスにおける自由度の高い精巧な温度プロフィー
ル制御を可能とすることができる。
【0034】本発明の帯状体の乾燥装置は、小径加熱ロ
ール群と熱風供給手段を有する。
【0035】小径加熱ロール群は、連続走行する帯状体
の塗膜非形成面に接触し前記帯状体を案内する少なくと
も2本の直径300mm以下の小径加熱ロールを隣接し
て配置して成るものである。
【0036】好ましくは、帯状体の走行方向断面が前記
小径加熱ロール群によって略弧状になるように前記小径
加熱ロールを隣接して配置する。例えば、小径の加熱ロ
ールを略円周ないし半円に沿って配置する。
【0037】略弧状の当該略弧の長さは、全円周の長さ
の10%以上あるいは25%以上〜90%程度にするこ
とができ、40〜75%あるいは50〜75%にするこ
とができる。
【0038】熱風供給手段は、帯状体の塗膜に熱風を供
給するものである。熱風供給手段は、好ましくは、帯状
体の塗膜に熱風を吹き付けるノズルを備えるものにする
ことができ、例えばスリット等の熱風供給口を穿設した
箱形の熱風供給ボックスにすることができる。
【0039】本発明による乾燥装置は、第1ステップ部
は従来の乾燥装置とはほぼ同様でよいが、第2ステップ
部は従来のような大径の1本の加熱ロールからなるので
はなく、隣接する直径が300mm以下(好ましくは1
00〜300mm)の小径の複数本の加熱ロールから構
成されており、好ましくは小径加熱ロールのうちの少な
くとも1本は独立して温度制御できるものにし、最も好
ましくは加熱ロール1本ずつ独立に温度制御できるよう
にしたことが本発明による乾燥装置の特徴の一つであ
る。
【0040】このように加熱ロール1本ずつ独立に温度
制御することにより、乾燥プロセス中の塗膜に所望の温
度プロフィールをより一層簡単に実現することができ、
例えば塗膜の残留溶剤量のみならず塗膜の膜物性や層構
造をより一層簡単に制御することが可能となり、これに
より品質のコントロールをより一層容易に行うことがで
きる。
【0041】加熱ロールの本数が多ければ多いほど精巧
な温度プロフィール制御が可能となることは言うまでも
ないが、少なくとも3本以上の加熱ロールを配置するこ
とが望ましい。
【0042】本発明の乾燥装置のもう一つの特徴は、帯
状体の塗膜に熱風を供給する熱風供給手段を有すること
である。好ましくは、隣接する該小径加熱ロール群と対
抗する位置に給気ボックスを設け熱風を乾燥過程の塗膜
に送風できるようする。
【0043】このことにより第1ステップ部でいまだ充
分に未乾燥状態で溶剤成分の多くが残存している状態で
本発明による乾燥装置の第2ステップ部に帯状体が導か
れたとしても、加熱ロール群に対抗して設置された給気
ボックスから吹き出された熱風により、これらの溶剤は
安全かつ効率的に蒸発させることができる。このことは
第1ステップ部の乾燥負荷を大幅に低下させ得ること、
即ち第1ステップ部の大幅な条件変更を可能とすること
を意味している。従って本発明による乾燥装置は第2ス
テップ部のみならず乾燥初期の第1ステップ部を含めた
全プロセスにおいて自由度の高い精巧な乾燥パターンを
設定することが可能となる。
【0044】もし給気ボックス等の熱風供給手段がなく
かつ未蒸発溶剤の多くが未だ帯状体上に残存する状態で
第2ステップ部に帯状体が導かれたならば、加熱ロール
近傍の溶剤ガス濃度が上昇し、爆発の危険が生じるばか
りでなく、溶剤の拡散速度が著しく低下し効率的に乾燥
を行うことができない。
【0045】また本発明による乾燥装置は、従来の乾燥
装置の問題点であった第2ステップ部の大幅な温度変更
に対して長時間を要していた点についても解決を与える
ものである。
【0046】即ち本発明による乾燥装置は、前記特定の
小径加熱ロール群を有しているので、これを塗膜の第2
ステップの乾燥用として使用できる。かかる小径加熱ロ
ール群は、隣接して配置された小径の加熱ロールから成
っており、加熱ロール1本あたりの熱容量は従来の乾燥
装置の大径の加熱ロールと比べ極めて小さく、さらに各
加熱ロールは独立に温度制御可能なように加熱源を有す
ることもできるので、各加熱ロールの大幅な温度変更も
短時間で行うことができる。
【0047】以上のように本発明は従来の乾燥装置の問
題点を解決する優れた新しいタイプの連続走行する帯状
体の乾燥装置を提供するものである。
【0048】
【実施例】以下図3により本発明による乾燥装置の一実
施例を詳細に説明する。
【0049】連続走行するPS版用アルミ帯状体1は、
塗布部2で溶剤を含有する液状体を塗布され乾燥室40
の第1ステップ部に導かれ、給気ボックス4、5から吹
き出された乾燥風により初期の乾燥がスタートする。給
気ボックス4、5は、送風ファン43から気体を送風さ
れている。
【0050】塗布直後の液状体はまだ蒸発が進行してお
らず粘性が低いため液が流動しやすく風むらが生じやす
いため、低風速(0.5〜5m/s)かつ比較的低温度
で乾燥を行うことが良好な面質を得るために必要であ
る。
【0051】さらに安定した膜特性を得るためには給気
風の湿度のコントロールが必要である。
【0052】通常、露点で5〜50℃の範囲内のある値
に制御されるが、液状体の特性により5℃以下に制御さ
れる場合もある。
【0053】第1ステップ部では全溶剤量の10〜80
%の範囲で品種による所望の比率の溶剤を蒸発させる。
【0054】この後、9本の小径加熱ロール(48〜5
6)を隣接して配置した小径加熱ロール群からなる第2
ステップ部に帯状体が導かれる。これら9本の小径加熱
ロールは略円周に沿って配置されており、それらのうち
で小径加熱ロール48〜53が帯状体1の塗膜非塗布面
に接触し帯状体1を案内する。帯状体の走行方向断面は
前記小径加熱ロール48〜53によって略弧状になって
いる。
【0055】前記9本の加熱ロールは、各々独立に温水
あるいは圧力調節弁を具備した蒸気供給パイプとドレイ
ン排出パイプ(図示しない)が接続されており、独立に
温度制御される。また帯状体と加熱ロールとの接触角は
1本あたり10〜30度程度である。なお、帯状体と加
熱ロールとの接触角とは、加熱ロールの外周の全長をA
とし、加熱ロールと接触する帯状体の走行方向断面の長
さをBとした場合における、360×B÷Aのことであ
る。
【0056】加熱ロールのサイズは直径100〜300
mm程度であり面長は500〜2000mm程度であ
る。
【0057】加熱ロールの表面は、通常はステンレス
鋼、鉄などの母材にハードクロムメッキを施し鏡面仕上
げが行われるが、必要によりアルマイト加工やセラミッ
クコーティングを行う場合もある。また帯状体の材質が
柔らかく疵の付き易い時は、加熱ロール表面に極薄い樹
脂あるいはゴム層を設ける場合もある。さらに帯状体と
のホールド力等の調整のため、表面に微細な凹凸状や溝
状の形状加工を行うこともできる。
【0058】加熱ロールへの熱エネルギーの供給手段と
しては、加熱蒸気、温水、各種熱媒体等による方法が可
能である。これら熱媒体は温度調節器(図示しない)に
より所望の温度に設定されたのち該加熱ロールに供給さ
れる。また加熱ロールの内部に誘導加熱装置を組み込ん
で電気的に加熱する方法も可能である。
【0059】この第2ステップ部では、各加熱ロールは
通常50〜200℃の範囲で順次低温から高温に設定さ
れる。帯状体の裏面(塗膜非形成面)と各加熱ロールが
接触し熱エネルギーが順次加熱ロールから帯状体に供給
され、帯状体塗膜温度を各加熱ロールの設定温度に対応
させて所望の温度プロフィールを得ることができる。
【0060】同時に加熱ロール群に対向して設置した給
気ボックス41、42により、帯状体上の塗膜に送風す
る。即ち、給気ボックス41、42の熱風送風口は、帯
状体1の塗膜形成面に沿って設けており、当該熱風送風
口から帯状体1の塗膜形成面に熱風を送風することがで
きる。
【0061】送風する風の温度は通常50〜150℃で
ある。給気ボックス41、42は、それぞれ送風ファン
44、45から気体を送風されている。
【0062】なお給気ボックス41、42の風の温度
は、それぞれ独立に設置された熱交換器(図示しない)
により所望の温度に別個に設定することができる。また
風速は通常3〜25m/s程度であり、給気ボックス4
1、42の各系統独立に設定される。
【0063】これらの給気風の効果により溶剤の蒸発を
より効率的にかつ安全に行わせしめることができる。
【0064】第1ステップ部及び第2ステップ部の各給
気ボックス4、5、41、42より給気された乾燥風
は、排気ファン46により系外に排出される。
【0065】PS版の場合、乾燥終了時点での塗膜中の
残留溶剤量は通常50〜200mg/m2が好適範囲で
あり、この範囲の所望の残留溶剤量になるように上記各
加熱ロール温度、乾燥風の風量、温度が設定される。
【0066】さらに最近では、塗膜の物理的特性や塗膜
の層構造を制御するため、第2ステップ部の途中で急激
に乾燥途中の塗膜の温度を上げたりあるいは下げたりし
て様々な温度プロフィールで乾燥させる場合がある。こ
れらは各加熱ロールの設定温度を任意に変えることによ
り容易に実現できる。温度を下げる場合は、所定の加熱
ロールに低温の温水、水、或いは冷媒を通液するだけ
で、容易に冷却ロールとして利用することができる。
【0067】加熱ロール表面がハードクロームメッキで
帯状体がPS版用アルミ板の場合の熱伝達係数Hは10
00〜5000kcal/Hrm2℃であり、熱風の強
制対流の熱伝達係数H(20−50kcal/Hrm2
℃)と比較すると約100倍程度大きく、加熱ロールに
よれば極めて高効率に熱エネルギーの移動を行うことが
できる。
【0068】以上詳細に説明したように、PS版用アル
ミ帯状体は第2ステップ部で制御された所望の温度プロ
フィールで乾燥され、好適な塗膜の物理的特性、層構
造、残留溶剤量等を実現し、最終接触加熱ロールを離れ
た直後に乾燥プロセスを終了しガイドロール9を経て次
工程に導かれる。
【0069】本発明の実施例でも当然、次工程に導かれ
る過程で従来装置にも示したように非接触式温度計13
により乾燥室出側での塗膜の表面温度を計測し、通常1
00〜150℃の所定の温度になるようにコントローラ
ー14を介してパルスモーター10でネジ付きロッド1
1を回転させることにより、ガイドロール9の位置を変
えることができるから(例えば9’の位置にできるか
ら)、帯状体が接触する加熱ロール本数あるいは接触面
積を変え帯状体への供給熱量を制御する機構を兼備させ
ることができる。このことにより温度プロフィールの制
御範囲をより広くすることができる。
【0070】
【発明の効果】請求項1〜3の帯状体の乾燥装置は、連
続走行する帯状体の塗膜非形成面に接触し前記帯状体を
案内する少なくとも2本の直径300mm以下の小径加
熱ロールを隣接して配置して成る小径加熱ロール群と、
前記帯状体の塗膜に熱風を供給する熱風供給手段を有す
るので、連続走行する帯状体に液状体を塗布し乾燥する
乾燥プロセスにおける塗膜の乾燥温度プロフィールを精
巧に制御することができ、これにより乾燥終了後の塗膜
の物理的特性、層構造、残留溶剤量等を制御することが
でき、製品の品質向上につなげることができる。
【0071】また同時に最近の多品種少量生産のための
頻繁かつ大幅な乾燥条件変更の要求に対しても迅速に対
応可能であり、高い生産性を実現でき、経済性に優れて
いる。
【0072】請求項2の帯状体の乾燥装置は、帯状体の
走行方向断面が前記小径加熱ロール群によって略弧状に
なるように前記小径加熱ロールを隣接して配置するの
で、上述の本発明の効果がより一層顕著である。即ち、
このように小径加熱ロールを配置した場合は、帯状体の
走行方向を変化させることにより、小径加熱ロールとの
接触面積を容易に変更し帯状体への供給熱量を制御する
ことができ、塗膜の乾燥温度プロフィールをより一層精
巧に制御することができる。
【0073】請求項3の帯状体の乾燥装置は、小径加熱
ロールのうちの少なくとも1本は独立して温度制御でき
るものなので、小径加熱ロールの温度変更を短時間で容
易に行うことができる。従って、最近の多品種少量生産
のための頻繁かつ大幅な乾燥条件変更の要求に対しても
より一層迅速に対応可能であり、高い生産性を実現で
き、経済性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の帯状体の乾燥装置の概略断面図である。
【図2】従来の帯状体の乾燥装置におけるガイドロール
の他の一例を示す図である。
【図3】本発明の帯状体の乾燥装置の一実施例の概略断
面図である。
【符号の説明】
1 PS版用長尺アルミ帯状体 2 塗布部 3 乾燥室 4 給気吹き出しボックスA 5 給気吹き出しボックスB 6 加熱ロール 7 給気ファン 8 排気ファン 9 ガイドロール 10 パルスモーター 11 ネジ付きロッド 12 ガイドロッド軸受けブロック 13 非接触式表面温度計 14 コントローラー 15 蒸気供給パイプ 16 圧力調節弁 17 圧力計 18 蒸気トラップ 19 蒸気ドレインパイプ 20 排気口 40 乾燥室 41 給気吹き出しボックスC 42 給気吹き出しボックスD 43 送風ファンA 44 送風ファンB 45 送風ファンC 46 排気ファン 48 加熱ロールA 49 加熱ロールB 50 加熱ロールC 51 加熱ロールD 52 加熱ロールE 53 加熱ロールF 54 加熱ロールG 55 加熱ロールH 56 加熱ロールI

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続走行する帯状体の塗膜非形成面に接触
    し前記帯状体を案内する少なくとも2本の直径300m
    m以下の小径加熱ロールを隣接して配置して成る小径加
    熱ロール群と、前記帯状体の塗膜に熱風を供給する熱風
    供給手段を有することを特徴とする帯状体の乾燥装置。
  2. 【請求項2】前記帯状体の走行方向断面が前記小径加熱
    ロール群によって略弧状になるように前記小径加熱ロー
    ルを隣接して配置することを特徴とする請求項1に記載
    の帯状体の乾燥装置。
  3. 【請求項3】前記小径加熱ロールのうちの少なくとも1
    本は独立して温度制御できることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の帯状体の乾燥装置。
JP24848395A 1995-08-31 1995-08-31 帯状体の乾燥装置 Withdrawn JPH0966259A (ja)

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Cited By (17)

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