JPH0958846A - 小ねじ類の整列装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から、皿小ねじ等の小ねじ類を整列する
ための整列装置（パーツフィーダ）が提供されていた
が、特に比較的長い小ねじ類の場合に確実な整列ができ
なくなる場合があったので、本発明ではより確実な整列
がなされる整列装置を提供する。 【解決手段】 整列ガイド２に対して上下動するリフタ
３を設け、該リフタ３の下方位置でその上面３ｂに小ね
じ類Ｓ〜Ｓを整列方向に沿った横倒し姿勢で載置し、該
載置状態を保持つつリフタ３を上昇して上方位置で整列
ガイド２の上面に小ねじ類Ｓ〜Ｓを供給する構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば小ねじ、
ボルト、リベットあるいは釘といった頭部付き締結具
（以下、単に「小ねじ類」という）を一定の姿勢に整列
するための小ねじ類の整列装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の整列装置には、例えば図
８に示すような構成のものがあった。この従来の整列装
置５１は、ケース５２内に、２枚のガイド板５３ａ，５
３ａを一定の間隔をおいて平行に対向させてなる整列ガ
イド５３を上下に揺動可能に設けた構成としたもので、
これによれば、整列ガイド５３を上下に揺動させて、ケ
ース５２内に投入した小ねじ類Ｓ〜Ｓをその絡み合いを
解きながら適宜本数づつその上面に乗り上げて分離し、
分離した小ねじ類Ｓ〜Ｓについて、図９に示すように各
小ねじ類Ｓの頭部Ｓａを整列ガイド５３の上面に載せ掛
けて軸部Ｓｂだけをその自重により整列ガイド５３の両
ガイド板５３ａ，５３ａ間に落とし込ませて縦姿勢に
し、この縦姿勢で傾斜状態の整列ガイド５３上を自由滑
動させて順次整列させることができた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の整列装置１は、整列ガイド５３を直接上下に揺動さ
せる構成であったので、絡み合いが完全に解かれないま
ま整列ガイド５３の上面に乗り上げられる小ねじ類Ｓを
避けえず、このため比較的長い小ねじ類Ｓを整列させる
場合にその軸部Ｓｂが両ガイド板５３ａ，５３ａ間に落
ち込まず、確実な整列がなされないという問題があっ
た。

【０００４】本発明は、かかる従来の問題に鑑みなされ
たもので、より確実な整列を行うことができる小ねじ類
の整列装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、請求項１記載
の発明は、それぞれ上面が整列方向に下傾し、板厚方向
に一定の間隔をおいて相互に対向配置された一対のガイ
ド板を有し、該両ガイド板の上面に供給された小ねじ類
を、その軸部を該両ガイド板間に落とし込ませ、その頭
部を該両ガイド板の上面に引掛けた縦姿勢に保持しつ
つ、前記整列方向に滑動させて当該小ねじ類を整列させ
る整列ガイドと、該整列ガイドに対して上下動し、下降
位置で上面に小ねじ類を整列方向に沿った横倒し姿勢で
載置し、該載置状態を保持つつ上昇して上昇位置で前記
両ガイド板の上面に小ねじ類を供給するリフタを備えた
ことを特徴とする。

【０００６】上記構成によれば、リフタが上下動するこ
とによって整列ガイドの上面に小ねじ類が供給されるの
であり、従来のように整列ガイド自体が上下動すること
によりその上面に小ねじ類を載せ上げる構成とはなって
いない。しかも、リフタは、その上面に小ねじ類を予め
整列方向に沿った横倒し姿勢で載置し、この姿勢のまま
小ねじ類を整列ガイドの上面に供給する。このように、
整列ガイドの上面には小ねじ類が予め横倒し姿勢に整列
（予備整列）された状態で供給されるので、供給された
小ねじ類は整列ガイドの上面において確実に縦姿勢にな
り、その後整列ガイドの上面を整列方向に滑動して順次
整列されていく。

【０００７】この点、従来は、整列ガイドが上下動して
直接その上面に小ねじ類を載せ上げる構成であったの
で、整列方向に沿った横倒し姿勢でない小ねじ類も整列
ガイド上面に載せ上げられてしまい、このため小ねじ類
が整列ガイドの上面において絡み合って整列がなされな
いという不具合があった。

【０００８】請求項２記載の発明は、請求項１記載の整
列装置において、両ガイド板の上面を板厚方向内側に下
傾する傾斜面に形成したことを特徴とする。

【０００９】上記構成によれば、整列ガイドの上面には
整列方向に沿った断面すり鉢状の溝部が形成され、この
溝部が横倒し姿勢で供給された小ねじ類のガイド面とし
て機能する。すなわち、リフタから横倒し姿勢で供給さ
れた小ねじ類が両ガイド板の傾斜面に案内されて整列ガ
イドの上面から脱落することなく確実に載置されるの
で、効率のよい整列がなされる。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の整列装置において、下降位置でその上面に小ねじ
類を整列方向に沿った横倒し姿勢で載置し、該載置状態
を保持しつつ上昇して、前記リフタの上面に供給するた
めの小ねじ類を前記横倒し姿勢で待機させる補助リフタ
を付加したことを特徴とする。

【００１１】上記構成によれば、補助リフタの上面に小
ねじ類が横倒し姿勢で載せ上げられ、これがリフタの上
面に供給されるため、整列ガイドの上面に横倒し姿勢で
供給するための予備整列がリフタおよび補助リフタによ
り段階的になされ、この点で効率のよい整列がなされ
る。

【００１２】請求項４記載の発明は、請求項３記載の整
列装置において、リフタおよび／または補助リフタの上
面を整列ガイド側に向けて下傾する傾斜面に形成したこ
とを特徴とする。

【００１３】上記構成によれば、平板形状のリフタを整
列ガイドの側面に重ね合わせ状態で上下動可能に設け、
かつ同じく平板形状の補助リフタをリフタの外側面に同
じく重ね合わせ状態で上下動可能に設けることにより、
リフタおよび／または補助リフタの上面の傾斜面が小ね
じ類を横倒し姿勢に保持するためのガイド面として機能
し、この点で効率のよい予備整列がなされる。また、こ
のリフタおよび補助リフタの傾斜面は、リフタから整列
ガイドに小ねじ類が供給されるときの案内面として機能
し、小ねじ類を傾斜面からガイド面を経てスムーズに隙
間に供給できる。

【００１４】請求項５記載の発明は、請求項１ないし４
のいずれかに記載の整列装置において、リフタまたはリ
フタおよび補助リフタを整列ガイドに対して左右対称に
配置したことを特徴とする。

【００１５】上記構成によれば、整列ガイドの上面には
左右両側から横倒し姿勢に予備整列された小ねじ類が供
給され、この点で当該整列装置の効率が一層高まる。

【００１６】請求項６記載の発明は、請求項１ないし５
のいずれかに記載の整列装置において、両ガイド板の上
面に沿って上傾方向に移動しつつ、縦姿勢に整列されて
いない小ねじ類を上傾方向に強制的に押し戻し、然る
後、該小ねじ類の下傾方向への自由滑動の速度よりも速
い速度で下傾方向に移動する絡み解除手段を付加したこ
とを特徴とする。

【００１７】上記構成によれば、整列ガイドの上面にお
いて縦姿勢に整列されていない小ねじ類が縦姿勢に矯正
され、または整列ガイドの上面から排除される。例え
ば、整列方向前後の小ねじ類に挟まれて、縦姿勢よりも
頭部が上方に飛び出した状態にある小ねじ類が、絡み解
除手段の移動によって反整列方向に押し戻され、然る
後、該絡み解除手段が小ねじ類の自由滑動速度よりも速
い速度で整列方向に戻されるので、反整列方向に押し戻
された小ねじ類は再び整列方向に自由滑動する。この段
階で、上記頭部が飛び出した小ねじ類はその軸部を両ガ
イド板間に落とし込んで頭部を両ガイド板の上面に引掛
けた縦姿勢に矯正される。

【００１８】また、整列ガイドの上面において整列方向
前後の小ねじ類に乗り上がって横倒し姿勢のままである
小ねじ類についても、同様に反整列方向に押し戻された
後自由滑動する段階で、縦姿勢に矯正されるか、若しく
は整列ガイドの上面から排除される。

【００１９】請求項７記載の発明は、請求項５記載の整
列装置において、整列ガイドの左右両側に単一の駆動モ
ータで回転する駆動軸を配置し、両駆動軸にそれぞれ偏
心円板を偏心して、かつ相互に回転方向にずれて取付
け、該両偏心円板に前記駆動軸とは偏心してクランク部
材を取付け、両駆動軸の回転による、前記偏心円板の回
転動作を利用して補助リフタを上下動させ、かつ前記ク
ランク部材の前記駆動軸を中心とする公転動作を利用し
てリフタを上下動させる構成としたことを特徴とする。

【００２０】上記構成によれば、整列ガイドの左右両側
にそれぞれ配置されたリフタおよび補助リフタが、単一
の駆動モータを駆動源として時間差をおいて上下動され
る。この時間差は左右の両偏心円板の回転方向のズレを
適当に設定することにより任意に設定でき、この時間差
を適切に設定することにより整列ガイドの上面に対して
左右交互に効率よく小ねじ類を供給でき、また、補助リ
フタからリフタに対して小ねじ類を供給できる。

【００２１】請求項８記載の発明は、請求項７記載の整
列装置に、請求項６記載の絡み解除手段を付加した整列
装置において、該絡み解除手段が、請求項７記載の整列
装置における駆動モータにより回転するカムを介して移
動する構成としたことを特徴とする。

【００２２】上記構成によれば、左右のリフタおよび補
助リフタと絡み解除手段が単一の駆動モータで動作さ
れ、三者の動作タイミングを適切に連動させることによ
り一層効率のよい整列装置とすることができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、従来よりも一層確実に
かつ効率よく小ねじ類の整列を行うことができる。

【００２４】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図１ない
し図７に基づいて説明する。尚、以下の説明において、
「整列方向」とは、整列された小ねじ類Ｓ〜Ｓが整列状
態で移動する方向（図２において左方）をいう。また、
図２において左右（図３において左右）を当該整列装置
の前後とし、図１において左右（図３において上下）を
当該整列装置の左右または幅とする。

【００２５】図中１は、本例の整列装置のケースを示
し、このケース１は上方開放の箱体をなし、その内部に
は整列ガイド２、リフタ３、補助リフタ４、絡み解除手
段５等が内装されている。以下、各構成について説明す
る。

【００２６】ケース１内の上下方向ほぼ中程には台座６
が取付けられて、当該ケース１の内部が概ね上下二段に
区画されており、上側がワーク投入部１ａとされ、下側
には当該整列装置の駆動機構が収容されている。台座６
はケース１の左右側壁および前壁からそれぞれ内方に向
けて張出し状に取付けられており、それぞれ支持柱６ａ
により支持されている。左右の台座６，６の間に整列ガ
イド２、左右のリフタ３，３、左右の補助リフタ４，４
およびリフタ３と補助リフタ４を上下方向移動可能に支
持するためのガイド部材７が挟み込み状に配置されてい
る。各台座６〜６の上面はそれぞれ内方に向けて下傾状
に形成されており、投入された多数の小ねじ類Ｓ〜Ｓが
順次中央すなわち整列ガイド２に向かって移動されるよ
うになっている。

【００２７】整列ガイド２は、平板状をなす２枚のガイ
ド板２ａ，２ａとベース２ｂから構成されている。ベー
ス２ｂは、ケース１の底部中央に前後方向に沿って立ち
上げ状に固定され、このベース２ｂの上端からさらに立
ち上げ状にして両ガイド板２ａ，ａが一定の間隔をおい
て平行に固定されている。この両ガイド板２ａ，２ａの
上面すなわち当該整列ガイド２の上面が、小ねじ類Ｓ〜
Ｓを整列するためのガイド面２ｃとされている。このガ
イド面２ｃは、図２に示すように整列方向に向けて下傾
しているため、ガイド面２ｃ上に整列された小ねじ類Ｓ
〜Ｓは整列方向に向けて自由滑動するようになってい
る。整列ガイド２の前端側は当該ケース１の外部に突き
出されており、図示は省略したが例えば他の機器のシュ
ータに接続されるようになっている。

【００２８】図５に示すように両ガイド板２ａ，２ａ間
の隙間２ｄは、小ねじ類Ｓの軸部Ｓｂは何ら抵抗なく両
ガイド板２ａ，２ａ間に落とし込まれるが、その頭部Ｓ
ａは入り込まない寸法に設定されており、これにより小
ねじ類Ｓはその頭部Ｓａを両ガイド板２ａ，２ａのガイ
ド面２ｃに載せ掛け、軸部Ｓｂを両ガイド板２ａ，２ａ
間に落とし込んだ縦姿勢に保持されるようになってい
る。また、両ガイド板２ａ，２ａのガイド面２ｃは、そ
れぞれ板厚方向内方に向けて下傾状に形成されているた
め、図６（イ）（ロ）に示すようにガイド面２ｃ上に、
軸部Ｓｂを整列方向に沿わせた姿勢（以下、「横倒し姿
勢」という）で供給された小ねじ類Ｓは、その軸部Ｓｂ
を自重により両ガイド板２ａ，２ａ間の隙間２ｄに落と
し込んで図６（ハ）に示す縦姿勢に効率よく矯正され
る。

【００２９】次に、上記整列ガイド２の左右両側面に
は、リフタ３，３が左右対をなして重ね合わせ状に配置
され、さらに両リフタ３，３の外側面には、補助リフタ
４，４が同じく左右対をなして重ね合わせ状に配置され
ている。リフタ３，３および補助リフタ４，４の後端部
は、略コ字形をなすガイド部材７により上下動可能に支
持されており、後述する駆動機構によりそれぞれ定めら
れたタイミングで上下動するようになっている。

【００３０】図２に示すようにリフタ３および補助リフ
タ４の上部は整列ガイド２のほぼ後ろ側半分の範囲に沿
う前後方向の長さを有しており、それぞれの上面が小ね
じ類Ｓを整列方向に沿って倒した姿勢（以下、「横倒し
姿勢」という）で載置するための予備整列面３ｂ，４ｂ
とされている。この予備整列面３ｂ，４ｂの幅（板厚）
はそれぞれ小ねじ類Ｓを１本のみ載置可能な寸法に設定
されており、２本以上並列には載置されないようになっ
ている。また、この予備整列面３ｂ，４ｂは図１に示す
ようにそれぞれ整列ガイド２の両ガイド板２ａ，２ａと
同様に内方すなわち整列ガイド２に向けて下る傾斜面に
形成されており、載置された小ねじ類Ｓの頭部Ｓａおよ
び軸部Ｓｂが内方へ案内されるようになっている。これ
により一旦横倒し姿勢で載置された小ねじ類Ｓが脱落す
ることなくリフタ３あるいは補助リフタ４の予備整列面
３ｂ，４ｂ上に確実に保持されるようになっている。

【００３１】次に、リフタ３および補助リフタ４を上下
動させるための駆動機構について説明する。図２〜図４
において、１０は駆動モータを示している。この駆動モ
ータ１０は、ブラケット１１を介してケース１の前壁下
部に取付けられている。一方、ケース１の前壁にはブラ
ケット１２，１２を介して駆動主軸１３が回転可能に支
持されている。この駆動モータ１０の出力軸と駆動主軸
１３の端部にはプーリー１４，１５が取付けられ、両プ
ーリー１４，１５間にはタイミングベルト１６が掛け渡
されており、駆動モータ１０の起動により駆動主軸１３
が回転する。駆動主軸１３には、上記プーリー１５の他
に、３個のプーリー１７〜１９が所定の間隔をおいて取
付けられている。

【００３２】一方、ケース１の底部にはブラケット２
０，２０を介して２本の駆動軸２１，２１が回転可能に
支持されており、両駆動軸２１，２１の外側端部にはそ
れぞれプーリー２２，２３が取付けられている。プーリ
ー２２とプーリー１７との間、およびプーリー２３とプ
ーリー１８との間にもそれぞれタイミングベルト２４，
２５が掛け渡されている。このため、駆動モータ１０の
起動による駆動主軸１３の回転により、両駆動軸２１，
２１がそれぞれ回転する。

【００３３】両駆動軸２１，２１の内側端部には偏心円
板３０が偏心して取付けられ、両偏心円板３０の内側面
の端部には、それぞれクランク部材３１が取付けられて
いる。両クランク部材３１は、当該偏心円板３０の中心
に対して駆動軸２１とは１８０°反対側に取付けられて
いる。クランク部材３１にはローラー付きフォロワが用
いられている。

【００３４】また、図１によく示されているように両偏
心円板３０，３０は、駆動軸２１を中心とする回転方向
へ相互に１８０°ずれて取付けられている。

【００３５】次に、前記したリフタ３，３の下部には、
それぞれ整列方向に長いガイド孔３ａが形成されてお
り、両ガイド孔３ａにはそれぞれクランク部材３１のロ
ーラ部が挿入されている。また、補助リフタ４，４の下
部にも整列方向に長いガイド孔４ａがそれぞれ形成され
ており、両ガイド孔４ａにはそれぞれ偏心円板３０が挿
入されている。かかる構成によれば、駆動モータ１０の
起動により両駆動軸２１，２１が回転すると両偏心円板
３０，３０が該駆動軸２１を中心として回転し、これに
より両補助リフタ４，４が上下方向に平行移動する。し
かも、両偏心円板３０，３０は相互に回転方向に１８０
°ずれているので、両補助リフタ４，４の上下動作は逆
になっている。すなわち、図１に示すように一方の補助
リフタ４が上昇位置に至ったときに他方の補助リフタ４
は下降位置に至り、従って一方の補助リフタ４が上昇す
るときには他方の補助リフタ４は下降する。

【００３６】また、偏心円板３０，３０が駆動軸２１を
中心として回転することによりクランク部材３１，３１
が駆動軸２１を中心とする円周上を公転し、これにより
リフタ３，３が上下に平行移動する。そして、両クラン
ク部材３１，３１も公転方向に１８０°ずれているの
で、一方のリフタ３が上昇位置に至ったときに他方のリ
フタ３が下降位置に至り、一方のリフタ３が上昇すると
には他方のリフタ３が下降する。なお、リフタ３および
補助リフタ４は、整列ガイド２と台座６との間で重ね合
わせ状態で摺接され、かつその後端縁をガイド部材７に
支持されることによりスムーズに上下動する。

【００３７】リフタ３が上昇位置に至るとその予備整列
面３ｂが整列ガイド２のガイド面２ｃにほぼ面一に一致
する状態となり、下降位置に至ると補助リフタ４の予備
整列面４ｂとともに台座６の上面にほぼ面一に一致する
状態となる。なお、補助リフタ４はリフタ３のほぼ半分
程度上昇し、下降位置に至ると台座６の上面にほぼ面一
に一致する。

【００３８】このようにリフタ３および補助リフタ４が
下降位置に至ってその予備整列面３ｂ，４ｂが台座６の
上面と一致すると、台座６上に投入された小ねじ類Ｓ〜
Ｓが予備整列面３ｂ，４ｂ上に載置され、然る後リフタ
３および補助リフタ４が上昇することにより横倒し姿勢
の小ねじ類Ｓのみが予備整列面３ｂ，４ｂに残る。すな
わち、この段階で小ねじ類Ｓ〜Ｓが横倒し姿勢に予備整
列される。

【００３９】リフタ３の予備整列面３ｂ上に横倒し姿勢
で載置された小ねじ類Ｓは、リフタ３が上昇位置に至る
と、横倒し姿勢のまま整列ガイド２のガイド面２ｃ上に
移動する。ガイド面２ｃ上に供給された小ねじ類Ｓは前
記したように縦姿勢に矯正され、然る後該ガイド面２ｃ
上を整列方向に滑動して順次整列されていく。以上の動
作が、整列ガイド２の左側と右側において交互になさ
れ、これにより整列ガイド２に対して左右交互に小ねじ
類Ｓ〜Ｓが供給されて、順次整列されていく。

【００４０】次に、整列ガイド２の前端寄りには絡み解
除手段５が配置されている。この絡み解除手段５は略ブ
ロック体状をなし、ケース１の前壁の内面に取り付けた
支持ブロック５ａを介して整列ガイド２のガイド面２ｃ
との間にわずかな隙間をおいた状態で同ガイド面２ｃに
沿って移動可能に支持されている。絡み解除手段５と整
列ガイド２のガイド面２ｃとの間の隙間Ｄは、ガイド面
２ｃ上において縦姿勢に整列された小ねじ類Ｓ〜Ｓに対
しては整列方向への滑動を許容するが、例えば図７
（Ａ）に示すように頭部Ｓａが上方に飛び出して縦姿勢
に整列されていない状態の小ねじ類Ｓ′に対してはその
頭部Ｓａが後面（図示右端面）５ｂに当接して整列方向
への滑動を阻止する寸法に設定されている。このため、
図７（Ｂ）に示すように当該縦姿勢にない小ねじ類Ｓ′
およびこれよりも後方の小ねじ類Ｓ〜Ｓの滑動が阻止さ
れる。

【００４１】ガイド面２ｃ上において縦姿勢に整列され
ないケースとしては上記の他、例えば図７（Ｄ）に示す
ように横倒し姿勢のまま整列状態にある小ねじ類Ｓ〜Ｓ
に乗り上げられた場合が考えられるが、かかる場合であ
っても、頭部Ｓａが絡み解除手段５の後面５ｂに当接し
てそれ以降の小ねじ類Ｓ′，Ｓ〜Ｓの滑動が阻止される
ことは同様である。

【００４２】図２に示すように絡み解除手段５は、支持
ブロック５ａとの間に介装された圧縮コイルバネ５ｃに
よって整列方向に付勢されている。一方、この絡み解除
手段５は、カム４０によって反整列方向（図２において
右方）に所定距離だけ押し戻されるようになっている。
カム４０は、ケース１の前壁の外面に、ブラケット４
１，４１を介して回転可能に支持されたカム軸４２に取
付けられている。カム軸４２にはカム４０の他に、プー
リー４３が取付けられており、このプーリー４３と前記
駆動主軸１３に取付けられたプーリー１９との間にはタ
イミングベルト４４が掛け渡されている。このため、駆
動モータ１０の起動による駆動主軸１３の回転により、
前記したようにリフタ３および補助リフタ４が上下動す
る他、カム４０がこれに同期して回転する。

【００４３】カム４０にはリフト部４０ａが設けられて
おり、当該カム４０が回転すると、このリフト部４０ａ
が絡み解除手段５の前面５ｄに当接して当該絡み解除手
段５を上記圧縮コイルバネ５ｃに抗して反整列方向に押
し戻す。絡み解除手段５が反整列方向に押し戻される
と、図７（Ｂ）に示すように縦姿勢に整列されていない
小ねじ類Ｓ′およびそれ以降の小ねじ類Ｓ〜Ｓが反整列
方向に押し戻される。

【００４４】こうして絡み解除手段５を後退させつつカ
ム４０が回転し、リフト部４０ａが絡み解除手段５の前
面５ｄから外れると、絡み解除手段５は圧縮コイルバネ
５ｃによって整列方向に押し戻される。圧縮コイルバネ
５ｃの付勢力を適切に設定することにより、絡み解除手
段５は、小ねじ類Ｓ〜Ｓの滑動速度よりも速い速度で整
列方向に戻されるようになっている。このため、図７
（Ｃ）に示すように反整列方向に押し戻された縦姿勢に
整列されていない小ねじ類Ｓ′は、前側の小ねじ類Ｓに
よる引っ掛かりを解除されることにより縦姿勢に矯正さ
れ、この状態で整列方向に滑動する。

【００４５】なお、図７（Ｄ）に示すように横倒し姿勢
のままガイド面２ｃ上に位置する小ねじ類Ｓにあって
は、上記のように縦姿勢に矯正される場合の他、ガイド
面２ｃ上から排除される場合も考えられる。

【００４６】このように、本例における絡み解除手段５
は、縦姿勢に整列されていない小ねじ類Ｓの整列方向へ
の滑動を阻止するとともに、これを反整列方向に押し戻
して縦姿勢に矯正し、またはガイド面２ｃ上から排除す
る機能を果たす。この結果、ガイド面２ｃ上における小
ねじ類Ｓ〜Ｓの絡みが確実に防止され、効率のよい整列
がなされる。

【００４７】以上説明したように、本例の整列装置は、
リフタ３および補助リフタ４を上下動させることによ
り、台座６上の小ねじ類Ｓ〜Ｓをその予備整列面３ｂ，
４ｂ上に乗せ上げて順次横倒し姿勢に予備整列し、この
横倒し姿勢の状態で整列ガイド２のガイド面２ｃ上に小
ねじ類Ｓ〜Ｓを供給する構成となっている。横倒し姿勢
で供給された小ねじ類Ｓ〜Ｓはその自重により確実に縦
姿勢に矯正され、結果的に効率よく整列される。この
点、従来の整列装置５１は、整列ガイド５３を上下動さ
せて小ねじ類Ｓ〜Ｓを直接ガイド面上に載せ上げる構成
であったので、ガイド面上に供給された小ねじ類Ｓ〜Ｓ
の姿勢はばらばらであり、このためガイド面上で縦姿勢
に矯正されない小ねじ類Ｓを避け得ず、結果的に整列効
率は必ずしもよくないものであった。

【００４８】また、本例の整列装置にあっては、両ガイ
ド板２ａ，２ａの上面（ガイド面２ｃ）が内方に傾斜し
ており、またリフタ３および補助リフタ４の上面（予備
整列面）３ｂ，４ｂも内方に傾斜しているため、小ねじ
類Ｓ〜Ｓのガイド面２ｃ上への確実な供給、あるいはリ
フタ３およぴ補助リフタ４による予備整列が効率よくな
される。

【００４９】しかも、本例の整列装置は絡み解除手段５
を備えているので、整列ガイド２のガイド面２ｃ上にお
いて縦姿勢に整列されていない小ねじ類Ｓを確実に排除
でき、この点で当該整列装置の整列効率を一層高めるこ
とができる。

【００５０】なお、以上説明した実施例では、両偏心円
板３０，３０を回転方向に１８０°のずれを設けて取り
付けた構成を例示したが、両者間のずれは任意に変更し
て設定でき、その他、リフタ３，３、補助リフタ４，４
および絡み解除手段５の動作タイミングについては適宜
変更して実施することが可能である。

【００５１】また、必要に応じて補助リフタ４，４を廃
止することも可能であり、さらにリフタ３あるいはリフ
タ３と補助リフタ４を整列ガイド２の片側のみに設定す
る構成とすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示し、ケースの前壁を外した
状態における整列装置の正面図である。

【図２】整列装置の内部構成を示す側面図である。

【図３】整列装置の平面図である。

【図４】ケースの前壁に配置された、整列装置の駆動機
構の正面図である。

【図５】図２のＡ矢視図であって、縦姿勢に整列された
小ねじ類の正面図である。

【図６】整列ガイドのガイド面上における小ねじ類を示
す側面図であり、（イ）（ロ）は横倒し姿勢、（ハ）は
縦姿勢の状態を示す。

【図７】絡み解除手段の作用を示す側面図であり、
（Ａ）は縦姿勢に整列されていない小ねじ類の滑動を阻
止した状態、（Ｂ）はかかる小ねじ類を反整列方向に押
し戻した状態、（Ｃ）は絡み解除手段が戻されて小ねじ
類が縦姿勢に矯正された様子を示す。また、（Ｄ）は縦
姿勢に整列されていない小ねじ類であって、横倒し姿勢
のままガイド面上に供給された小ねじ類を示す側面図で
ある。

【図８】従来の整列装置の概略の構成を示す側面図であ
る。

【図９】従来の整列装置において、小ねじ類が整列ガイ
ドに整列された状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…ケース ２…整列ガイド ２ａ…ガイド板、２ｃ…ガイド面 ３…リフタ、３ｂ…予備整列面 ４…補助リフタ、４ｂ…予備整列面 ５…絡み解除手段 ６…台座 １０…駆動モータ ３０…偏心円板 ３１…クランク部材 ４０…カム、４０ａ…リフト部 Ｓ…小ねじ類（皿子ねじ）、Ｓａ…頭部、Ｓｂ…軸部 Ｓ′…縦姿勢に整列されていない小ねじ類

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ上面が整列方向に下傾し、板厚
   方向に一定の間隔をおいて相互に対向配置された一対の
   ガイド板を有し、該両ガイド板の上面に供給された小ね
   じ類を、その軸部を該両ガイド板間に落とし込ませ、そ
   の頭部を該両ガイド板の上面に引掛けた縦姿勢に保持し
   つつ、前記整列方向に滑動させて当該小ねじ類を整列さ
   せる整列ガイドと、 該整列ガイドに対して上下動し、下降位置で上面に小ね
   じ類を整列方向に沿った横倒し姿勢で載置し、該載置状
   態を保持つつ上昇して上昇位置で前記両ガイド板の上面
   に小ねじ類を供給するリフタを備えたことを特徴とする
   小ねじ類の整列装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の整列装置において、両ガ
   イド板の上面を板厚方向内側に下傾する傾斜面に形成し
   たことを特徴とする小ねじ類の整列装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の整列装置におい
   て、下降位置でその上面に小ねじ類を整列方向に沿った
   横倒し姿勢で載置し、該載置状態を保持しつつ上昇し
   て、前記リフタの上面に供給するための小ねじ類を前記
   横倒し姿勢で待機させる補助リフタを付加したことを特
   徴とする小ねじ類の整列装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載の整列装置において、リフ
   タおよび／または補助リフタの上面を整列ガイド側に向
   けて下傾する傾斜面に形成したことを特徴とする小ねじ
   類の整列装置。
5. 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれかに記載の整
   列装置において、リフタまたはリフタおよび補助リフタ
   を整列ガイドに対して左右両側に配置したことを特徴と
   する小ねじ類の整列装置。
6. 【請求項６】 請求項１ないし５のいずれかに記載の整
   列装置において、両ガイド板の上面に沿って上傾方向に
   移動しつつ、縦姿勢に整列されていない小ねじ類を上傾
   方向に強制的に押し戻し、然る後、該小ねじ類の下傾方
   向への自由滑動の速度よりも速い速度で下傾方向に移動
   する絡み解除手段を付加したことを特徴とする小ねじ類
   の整列装置。
7. 【請求項７】 請求項５記載の整列装置において、整列
   ガイドの左右両側に単一の駆動モータで回転する駆動軸
   を配置し、両駆動軸にそれぞれ偏心円板を偏心して、か
   つ相互に回転方向にずれて取付け、該両偏心円板に前記
   駆動軸とは偏心してクランク部材を取付け、両駆動軸の
   回転による、前記偏心円板の回転動作を利用して補助リ
   フタを上下動させ、かつ前記クランク部材の前記駆動軸
   を中心とする公転動作を利用してリフタを上下動させる
   構成としたことを特徴とする小ねじ類の整列装置。
8. 【請求項８】 請求項７記載の整列装置に、請求項６記
   載の絡み解除手段を付加した整列装置において、該絡み
   解除手段が、請求項７記載の整列装置における駆動モー
   タにより回転するカムを介して移動する構成としたこと
   を特徴とする小ねじ類の整列装置。