JPH0958750A - 積層剥離容器における初期デラミ空気の排出方法と排出装置 - Google Patents
積層剥離容器における初期デラミ空気の排出方法と排出装置Info
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- JPH0958750A JPH0958750A JP7232038A JP23203895A JPH0958750A JP H0958750 A JPH0958750 A JP H0958750A JP 7232038 A JP7232038 A JP 7232038A JP 23203895 A JP23203895 A JP 23203895A JP H0958750 A JPH0958750 A JP H0958750A
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Abstract
充填した後、ポンプディスペンサの取付時に、初期デラ
ミにより剥離させた内側層を元の状態に戻し外側層に接
合するようにすること、およびヘッドスペースの容積を
調節して、内容液の液面を所望する位置まで上昇させる
ことを技術的課題とする。 【解決手段】 一定量の初期デラミ空気を吹き込み、内
側層の一部を外側層から剥離させて膨出部を形成した積
層剥離容器において、内容液充填後のポンプディスペン
サの取付時に、ポンプディスペンサのシリンダと容器口
部との間をシール部材で密封し、シリンダを下降させた
ときに所定のデラミ空気量を膨出部から排出するように
し、初期デラミ空気量を調節することにより膨出部に残
存するデラミ空気量を設定し、ポンプディスペンサを取
着した容器のヘッドスペースの容積を調節するようにし
たを特徴とする。
Description
積層剥離容器における初期デラミ空気の排出方法と排出
装置に関する。
剥離容器にポンプディスペンサを取着して使用すること
は、従来より一般に実施されている。そして、積層剥離
容器の初期デラミ方法として、容器口部の外側層に形成
した大気導入孔より内側層と外側層との間に強制的に空
気を送り込んで両層を全面的に剥離させ、次いで容器の
口部から空気を圧入し、先に大気導入孔から送り込んだ
空気を排出するようにした初期デラミ方法と、該方法で
処理した容器は、従来より知られている。(例えば、特
開平6ー345069号公報参照)
軟性のある樹脂材料を採用し、容器口部の外側層に形成
した大気導入孔より空気を導入し、外側層と内側層の一
部を剥離させ、次いで、容器口部より空気を圧入し、先
に内外両層の間に導入されたデラミ空気を排出するよう
にした初期デラミ方法と、該方法で処理した積層剥離容
器が提案されている。
従来技術はいずれも初期デラミ工程において、内外両層
の間に導入された初期デラミ空気を排出し、剥離された
内側層を元の状態に戻して外側層に接着するようにして
おり、そのため剥離工程に続いて空気圧入工程を必要と
し、空気圧入のための装置を備える必要があった。
は、ほぼ一定であるから、容器の容量が大きくなると、
相対的にヘッドスペースが大きくなり、液面が容器肩部
の下端部或いは、容器胴部の上端部分まで下がることも
あった。とくにポンプディスペンサを取着する場合に
は、ポンプ部材によって排除される内容液の容積、ポン
プ取付時のトラブルを考慮して、ヘッドスペースを多く
とるようにしており、そのため液面が低下することが助
長されている。上記従来の容器に内容液を充填し、ポン
プディスペンサを取着した場合には、ポンプ部材の挿入
により液面が上がるが、容量の大きい容器では液面が容
器肩部の下端付近まで下がることは免れなかった。
器口部より以下、容器肩部の下端付近まで低下すると、
容器の運搬時に液面の揺れ、内容液の揺動などが大きく
なり、内容液によっては泡立ち、ガスの発生などの原因
にもなった。また、液面が容器肩部の下端付近まで下が
っていると、表示された所定量の内容液が充填されてい
ても、透明、半透明容器では外観からみて、不透明容器
でも容器を揺すった場合内容液が揺動し、充填量が不十
分で表示より少ないかのような印象を消費者に与えると
いう問題があった。
ディスペンサ付積層剥離容器において、内容液を充填し
た後、ポンプディスペンサの取付時に、初期デラミによ
り剥離させた内側層を元の状態に戻し外側層に接合する
ようにすること、およびヘッドスペースの容積を調節し
て、内容液の液面を所望する位置まで上昇させることを
技術的課題とし、そのための方法と装置を提供すること
を目的とする。
題を達成するため、積層剥離容器における初期デラミ空
気の排出方法として、初期デラミ形成工程で一定量の初
期デラミ空気を吹き込み、内側層の一部を剥離させて膨
出部を形成した積層剥離容器において、内容液充填後の
ポンプディスペンサの取付時に、ポンプディスペンサの
シリンダと容器口部との間をシール部材で密封し、シリ
ンダを下降させたときに、所定のデラミ空気量を膨出部
から排出させるようにしたことを特徴とする方法を採用
し、初期デラミ空気量を調節することにより膨出部に残
存するデラミ空気量を設定し、ポンプディスペンサを取
着した容器のヘッドスペースの容積を調節するようにす
る。
部側に設けられ、シリンダ側に設ける場合には、シリン
ダの下端に鍔状シール部を形成し、膨出部から排出され
るデラミ空気量を容器口部内における口部上端から所定
位置までの容積によって設定する。シール部材を容器口
部側に設ける場合には、容器口部に嵌着する中栓に環状
シール部を形成し、排出されるデラミ空気量を、ポンプ
ディスペンサ取着後におけるシリンダのシール部から最
下端までのシリンダの容積によって設定する。
形成工程で剥離された内側層を元の状態に戻し外側層に
接合するようにするためには、初期デラミ空気量を、膨
出部から排出される所定のデラミ空気量に等しく設定す
る。
として、キャップと、内部にピストン部材と弁装置を装
着し、下端に吸上げ管を取着したシリンダと、ピストン
操作部材とからなるポンプディスペンサにおいて、シリ
ンダ外周下端に積層剥離容器の容器口部に圧接する鍔状
シール部を設けたことを特徴とするポンプディスペンサ
を採用するか、もしくは、キャップと、内部にピストン
部材と弁装置を装着し、下端に吸上げ管を取着したシリ
ンダと、ピストン操作部材とからなるポンプディスペン
サと、該ポンプのシリンダ外周に圧接する環状シール部
を設け、容器口部に嵌着可能の中栓とを備えたことを特
徴とする積層剥離容器における初期デラミ空気の排出装
置を採用する。容器内の圧縮空気を逃がすための手段と
して、シリンダ外周面、もしくはシール部の係合面に細
条または粗面を形成したことを特徴とする環状シール部
を採用するか、中栓のシール部を内側上方に突出する断
面鈎状の可撓シール部としたことを特徴とするシール部
を採用する。
形態について、図面を参照して説明する。図1におい
て、Aは、外側層1、内側層2を有する積層内袋剥離容
器であり、Bは、積層剥離容器に取着されたポンプディ
スペンサ(以下単にポンプということもある)である。
るものであり、高密度ポリエチレン樹脂を用いるのが好
ましい。内側層2は、外側層から剥離自在且つ変形自在
の内袋であり、ナイロン、EVOH等の柔軟性のある樹
脂が用いられている。容器の内外層の材料は、上記の機
能を有する樹脂材料であればよく、実施例の樹脂に限定
されないことはいうまでもない。3は容器胴部、4は容
器肩部、5は容器口部であり、容器は、積層押し出しブ
ロー成形によって成型されている。6は、容器口部5の
外側層1に穿孔された大気導入孔で、外側層1と内側層
2との間に大気を導入し、ブロー容器の外観形状を維持
しつつ内側層剥離の進行をスムーズに行い、内容液を完
全に注出する作用効果を有する。
係合片で、ブロー成形時に吹き込み装置のマンドレルに
よって成形されるが、外側層1と内側層2との一部を接
着帯などで接着する場合にはなくてもよい。8は、初期
デラミにあたって、デラミ空気の吹き込みによって剥離
された外側層と内側層の間に形成される空隙である。9
は、デラミ空気の吹き込みによって剥離された内側層2
aの膨出部である。
と、図2において、10はデラミ空気吹き込み部材で、
内側に通孔11が穿孔され、先端部にノズル12が形成
されている。ノズル12の端面には開口11aと、ノズ
ル側部に連通する開口11bが設けられ、開口11bか
ら下方に空気を吹き入れるようにしている。
吹き込み部材のノズル12を容器口部の大気導入孔6に
挿入し、一定量のデラミ空気を吹き込むと、先ず容器口
部の導入孔周辺の内側層が剥離し、次いで容器肩部4、
容器胴部3上部と剥離が進行し、図3に示す線2bに囲
まれた部分の内側層2aが外側層1から剥離され、膨出
部9が形成させる。デラミ空気吹き込み部材は、デラミ
空気量調整器を備えた空気供給装置に接続されており、
デラミ空気量は、前記調整器によって一定の範囲内で簡
単に調整されるようにしている。
部5の外側層1に穿孔されている。そのことによりポン
プを容器に取着したとき、大気導入孔がキャップに被わ
れるという効果があるが、大気導入孔6を容器肩部上
端、或いは肩部または胴部の適宜の場所に設けてもよ
い。初期デラミ形成には、上記実施例と同様にデラミ空
気吹き込み部材により大気導入孔6から一定量の初期デ
ラミ空気を吹き込み、導入孔周辺の一定部分の内側層2
aを外側層1から剥離させ膨出部9を形成する。
せた後に、容器口部より空気を圧入してデラミ空気を排
出し、剥離した内側層2aを図2の2cに示すよう元の
状態に戻すようにしていたが、本発明では、剥離された
内側層2aにより形成された膨出部9をそのままの状態
に維持させている。
膨出部9の大きさに応じてヘッドスペースが減少し、液
面Lbは膨出部9を形成していない場合の液面Laに比
較して、膨出部9によって排除された容量に対応する分
だけ上昇する。膨出部9における液圧は極めて僅かであ
り、柔軟性のある内側層であってもある程度の保形性を
有しているから、デラミ空気の排出は極く僅かで、膨出
部9の形状はほぼ維持されている。
プディスペンサBを取着するのであるが、まず、ポンプ
Bについて図1、図4を参照して説明する。ポンプB
は、キャップ20と、内部にピストンと弁装置を装着し
たシリンダ21と、ピストンの操作部材22とから構成
されている。前記シリンダ21の上端には、ピストン杆
を挿通する通孔を設けた蓋23が嵌着されており、上部
外周には、取付鍔24が設けられている。シリンダ21
の下端には、外方に膨出した鍔状シール部25が設けら
れており、該シール部25は、ポンプBの取着時に容器
口部内周面5aに圧接し、容器口部との間で気密を保つ
ように形成されている。図において、26は弁座筒、2
7は吸上げ管、28は内容液の吐出管、30はパッキン
グである。
であるから図面を示して詳しく説明しないが、操作部材
22の押圧操作と、シリンダ内に弾装された圧縮バネの
復元力によりピストンが上下動され、操作部材22の操
作に応じて一定量の内容液を吐出するように構成されて
いる。そして、操作部材22を下降位置で回動し、蓋体
23に螺着すると、ピストンを最下降位置に保持すると
ともにシリンダ底部に設けた弁部材を閉位置に固定し、
ポンプBの取付時および不使用時に吸上げ管27とシリ
ンダ21との間の液体の流動を阻止するようにされてい
る。ポンプBの取付は、通常のものと同様にシリンダの
取付鍔24、パッキング30を介して、キャップ20を
容器口部5に被嵌することによって行われる。
25の作用、液面の変動について図4を参照して説明す
る。図4(a)は、容器内に吸上げ管27等のポンプ部
材を挿入し、シリンダ21のシール部25が、容器口部
内周上端5bに圧接し、容器が密封されたときの状態を
示しており、(b)は、ポンプBの取付完了時の状態を
示している。
は、ヘッドスペースは、取付前と比較して容器内に挿入
されたポンプ部材の容積だけ減少し、液面L1 は、液中
に挿入された吸上げ管の容積に相当する分だけ、取付前
の液面Lbより僅か上昇している。
からポンプを押し下げていくと、シール部25が容器口
部の内周面5aに沿って下降し、大気導入孔6に対応す
る位置に達するまで、膨出部9の空隙8内に存在するデ
ラミ空気を排出するとともに液面を降下させる。シール
部25が大気導入孔6に対応する位置に達すると、内側
層2を介して大気導入孔6を塞ぐことになり、デラミ空
気の排出が停止される。次いでシール部25が容器口部
の内周下端5cに達するまでの間は、デラミ空気は排出
されず、容器内の空気が圧縮されるだけである。シール
部25が下端5cから下方に離れると容器の密封が解か
れ、圧縮されていた空気はシリンダ21と容器口部5と
の間から流出する。
いる場合には、ポンプの押し下げに応じて、シール部2
5が容器口部の下端5cに達するまで、膨出部9の空隙
8内に存在するデラミ空気が排出され、シール部25が
下端5cから下方に離れると容器の密封が解かれ、デラ
ミ空気の排出が停止される。
端5cに達した位置から、さらに押し下げていくと、液
内に挿入されるシリンダの容積に相当する分だけ液面が
上昇し、キャップ20を容器口部に被嵌したときには液
面はL2 となる。ポンプ取着後は容器が固く密封される
のでデラミ空気の排出はなくなり、ヘッドスペース、液
面は一定に保たれ変動しない。
関係について述べ、上記実施形態の作用について説明す
る。まず、デラミ空気量について説明すると、いま 初
期デラミ空気量をQa、排出されるデラミ空気量をQ
b、膨出部9の空隙8に残存するデラミ空気量をQcと
すると、初期デラミ空気量Qaは、吹き込み部材の空気
供給装置に設けられたデラミ空気量調整器によって設定
され調節自在である。
状、寸法から求められる。いま、密封された容器内の空
気は、シリンダの押し下げに応じて圧縮されるが、大気
導入孔が塞がれていない場合には、容器内の空気は内側
層2aを介して大気圧に連通しているので、空気の圧縮
量は殆ど無視できるものとし、容器口部内周5aの半径
をr、容器口部内周の上端5bから大気導入孔6までの
高さをh、ポンプ取付時に膨出部9の空隙8から排出さ
れる空気量をQbとすると、Qb=πr2h である。
いる場合では、容器口部内周5aの半径をr、容器口部
内周5aの上端5bから下端5cまでの高さをhaとす
ると、Qb=πr2ha となる。ここで、r、h、h
aは、容器の設計から決定されている規定の数値である
から、排出量Qbは一定値となる。
cは、Qc=Qa−Qbと求められるが、Qbは一定値
であるから、残存するデラミ空気量Qcは、初期デラミ
空気量Qaを調節することによって任意に設定すること
ができる。
付時におけるヘッドスペース、液面の変動について定量
的に解析することもできるが複雑となり、詳細な解析は
不要でもあるので、取付後のおけるヘッドスペースにつ
いて従来の容器と比較して本発明の作用効果を明らかに
する。
容器の容積から、充填した内容液の容積と容器内に挿入
されているポンプ部材(吸上げ管、シリンダ等)の容積
とを差し引いたものである。
層が元の状態に戻された容器のヘッドスペースの容積を
V0 とすると、容器の容積、内容液の容積は既知であ
り、ポンプ部材の容積はその形状と寸法とから決められ
る値であるから、V0 は一定値となる。
容積をVとすると、内容液の容積と容器内に挿入されて
いるポンプ部材の容積は、従来のものと変わらないか
ら、ヘッドスペースの容積は、膨出部があることによ
り、その空隙内に存在するデラミ空気量だけ少なくなっ
ている。したがって V=V0 −Qc =V0 −(Qa
−Qb) として求められる。上記数式において、V0
は一定値であり、Qbも一定値であるから、ヘッドスペ
ースVは、初期デラミ空気量Qaに応じて変化するもの
として求めることができる。
になることは、容器口部から内容液が溢れることを意味
し、V>0になるようQaを設定しなければならないこ
とはいうまでもない。また、Qa<Qbと設定する場合
には、シリンダの下降途中で排出されるデラミ量がQa
と等しくなつた時点から、鍔状シール部25が容器口部
内周面下端5cに達するまでは空気が圧縮されるだけと
なるが、内容液は非圧縮性であるから、ポンプ挿入時の
ヘッドスペースの容積は、容器口部の容積から初期デラ
ミ量Qaを差し引いた値より以上であることが必要であ
る。
る。初期デラミ空気量Qaは、デラミ空気量調整器によ
って設定され調節自在であるから、Qaを調節すること
によってポンプを取着したときのヘッドスペースの容積
V、したがってまた液面の高さは所望する位置に容易に
調節することができる。
等しくしたときには、空隙8a内のデラミ空気が完全に
排出され、内側層の剥離部2aが元の状態に復元し、剥
離された内側層2aを外側層1に接合するようにでき
る。したがつて、本発明によれば、初期デラミ形成工程
において、デラミ空気導入後に、容器口部から空気を圧
入しなくとも、初期デラミ空気量の所定値に設定してお
けば、ポンプ取着時に内側層を元の状態に復元させるが
できるのである。
膨出部に残存する空気量Qcが大きくなり、内側層2a
を元の状態に復元させたときに比較してヘッドスペース
が減少し、液面は上昇する。いま、ヘッドスペ−スの容
積Vを、容器口部の容積から口部内に存在するポンプの
シリンダの容積を差し引いた数値、またはそれより少な
くなるように初期デラミ空気量Qaを設定しておくと、
液面を口部内に位置させることも容易にできるのであ
る。
スペースが大きくなって、液面が、容器肩部の下端付近
まで低下している容器であっても、液面を容器口部まで
上昇させることが簡単にでき、容器の運搬時における液
面の揺れ、内容物の揺動を少なくし、泡立ちやガスの発
生を阻止することができるのである。
5を参照して説明する。本実施形態において第1実施形
態と異なる点は、ポンプのシリンダ外周下端にシール部
25を設けることに換えて、シール部材を、容器口部に
嵌着する中栓Cに形成したところにある。中栓Cは、合
成樹脂製で、上端にフランジ31を設けた円筒部32
と、円筒部32の下端に設けられ内方に突出する環状シ
ール部33とからなっている。環状シール部33内周の
係合面34は、シリンダ21の外周に圧接し、ポンプ取
付時に容器を密封するよう作用する。
を容器口部に嵌着し、次いでポンプBのシリンダ21を
中栓C内に挿入する。シリンダ21下端が環状シール部
33に係合すると容器内が密封され、さらにポンプBを
押し下げていくと、シール部33から挿入されるシリン
ダ21の容積に応じて膨出部9の空隙8からデラミ空気
が排出される。
下降とともに液面が降下し、液面はL1 からL2 になる
が、シリンダが液面に達すると液内に挿入されるシリン
ダの容積は膨出部からの排出空気量に置き換えられ液面
が変化しなくなる。シリンダを最下降位置まで押し下げ
た後、キャップ20を容器口部に被嵌してポンプを容器
に取り付ける。ポンプ取着後は容器が固く密封されるの
でデラミ空気の排出はなくなり、ヘッドスペース、液面
は一定に保たれ変動しない。
ラミ空気量との関係について述べる。第1の実施形態と
同様に、初期デラミ空気量をQa、排出されるデラミ空
気量をQb、膨出部の空隙8に残存するデラミ空気量を
Qc、膨出部のない従来の容器のヘッドスペースの容積
をV0 、膨出部を形成した容器のヘッドスペースの容積
をVとすると、(但し、ヘッドスペースは、第1の実施
形態と異なり中栓シール部より下側の容器内側とす
る。) 排出されるデラミ空気量Qbは、ポンプが容器に取着さ
れた時の環状シール部からシリンダ下端までの長さを
l、シリンダの半径をrcとし、容器内の空気の圧縮を
無視すると、排出されるデラミ空気量Qbは、Qb=π
rc2lとなる。排出量Qbは、ポンプ部材の寸法から
求められるもので一定値である。
態と同様にV=V0 −Qc =V0 −(Qa−Qb)
として求められる。ここで、V0 は一定値であり、Qb
も一定値であるから、ヘッドスペースVは、Qaに応じ
て変化するものとして求めることができる。したがっ
て、第2の実施形態も初期デラミ空気量Qaを調節する
ことによって前記第1の実施形態と同様の作用効果がも
たらされるのである。
することにより、第1の実施形態に比較してヘッドスペ
ースは小さくなっている。ポンプの取付時、ポンプを降
下させた時に、前記したようにシリンダ下端が環状シー
ル部に係合し液面に達するまでの間は液面が降下する
が、それ以降は液面が変化しなくなる。内容液を中栓の
シール部近くまで充填した場合は、液面は吸上げ管等の
挿入により僅か上昇するが、その後の液面の移動は僅か
であるから、内容液の充填時に液面の高さを予め予測す
ることができるという作用効果がもたらされる。
bと設定した場合の問題について述べると、その場合
は、Qa=Qbとなったときからシリンダの降下に応じ
て液面が上昇し、容器内の空気は圧縮される。第1の実
施形態ではシール部が口部の下端5cから下がったとき
に密封状態が解かれ、圧縮されている空気が流出して何
等の問題も生じないが、第2の実施形態では密封状態が
最後まで維持されているので、容器内の空気が圧縮さ
れ、容器内の圧力が上がるという問題点が生じる。
がマイナスにならないようにQaを調節しなければなら
ないことは当然のこととして、圧縮空気を逃がす手段を
構じる必要がある。そのための実施例として、ポンプの
シリンダと中栓Cを改変したものについて以下説明す
る。
もしくは中栓の係合面に細条または粗面を形成した実施
例について図6を参照して説明する。図6(a)にはシ
リンダ外周面に細条を形成したものが示されており、
(d)には中栓の係合面に細条または粗面を形成したも
のが示されている。ポンプディスペンサにおいて、図
(c)に示すように、内容液を最後まで注出するために
シリンダ21の外周面に空気が流通する細条21aを刻
設したものは従来から知られている。
リンダ下端からの高さは、図(b)(c)からも分かる
ように中栓のシール部まで達していなかった。そこで本
実施例では、図(b)に示すようシリンダの下端から少
なくともシール部までのシリンダ21外周面に細条21
aを刻設した。細条の外周には中栓の環状シールの係合
面が圧接しているから、シリンダとシール部との間では
空気は流通するが、内容液については粘性があるため流
通が阻止される。したがって、Qa≦Qbとなって容器
内の空気が圧縮されるとき、圧縮空気は細条21aを通
じて流出され、容器内の圧力が上昇することはない。上
記実施例では、シリンダ外周面に細条を刻設したが、細
条に変え表面にブラスト処理を施し、粗面を形成しても
よい。
たが、図(d)に示すように反対に中栓Cの係合面に細
条または粗面34aを設けてもよい。この場合は、シリ
ンダとして細条の有無にかかわらず従来のものがそのま
ま使用できるという利点がある。
施例について図面を参照して説明する。図6(c)にお
いて、31はフランジ、32は円筒部である。シリンダ
に係合するシール部として、円筒部32の下端に内側上
方に突出する断面鈎状の可撓シール部35が設けられて
いる。中栓Cは、軟質の合成樹脂で形成されており、可
撓シール部35は、容器内の圧力が上昇したときには弾
性変形して先端のシール部35aが拡張され、シリンダ
外周面との間に間隙が形成される。したがって、該間隙
を通じて圧縮空気、内容液が流出することができ、Qa
≦Qbとなって容器内の空気が圧縮されるとき、圧縮空
気は間隙から流出されるようになる。
した場合について説明したが、Qa≧Qbの場合には、
本発明の実施形態において説明した作用効果がもたらさ
れることはいうまでもない。特に上記第2の変形実施例
では、シール部が内側上方に突出しているから、内容液
充填時のヘッドスペースの容積を、ポンプの弁座当筒と
吸上げ管との容積に等しく設定しておけば、ポンプ挿入
時にはシール部にまで液面が上昇し、それ以降は液面が
変化しないから、図7(d)に示すよう中栓Cの内部で
内容液を完全に充満させることが容易にできるという格
別の作用効果がもたらされる。この場合、シール部より
液面が上昇するようなことがあっても隙間から逃げ出す
から僅かの量であれば支障はない。
スペンサとして一般に使用されている形式のポンプを示
したが、実施形態記載のポンプに限定されることはな
く、ポンプのシリンダ部材を容器内に挿入し、操作部材
の操作により一定量の内容液を吸上げ、吐出するもので
あれば本発明のポンプディスペンサに包含される。
から、次の効果を奏する。ポンプディスペンサの取着時
に、膨出部の空隙に保持されていた初期デラミ空気を排
出するようにしたから、初期デラミ形成工程において、
容器内部への空気の圧入工程を省くことができ、容器の
製造工程が簡易となった。
膨出部の空隙に残存するデラミ空気量を設定できるか
ら、初期デラミ空気量を調節することによってヘッドス
ペースの容積を調節できるようになった。
しくなるように調節すると、膨出部の空隙内に残存する
デラミ空気量は0となり、膨出部を形成している内側層
を元の状態に戻して外側層に接合させることができた。
したがって、初期デラミ形成工程で、内側層を元の状態
に戻す必要をなくすことができた。
て、ヘッドスペースの容積を所定の数値にすることが容
易にでき、そのことによって液面を所望する高さまで上
昇させることが容易にできるようになった。さらに、中
栓のシール部まで内容液を完全に充満させることも可能
となった。
せたときには、運搬時における液面の揺れ、内容液の揺
動等を少なくでき、泡立ちやガスの発生を阻止すること
ができるようになった。また、消費者が容器を手にした
場合にも、内容液の動揺がないから充実感をあたえ、商
品価値を高めることができる。
縦断面図である。
容器の一部断面正面図、(b)は吹き込み部材の説明図
である。
(a)は平面図、(b)は側面図である。
で、(a)は密封開始時、(b)はポンプ取付完了時を
示す図面である。
で、(a)は密封開始時、(b)はポンプ取付完了時を
示す図面であり、(c)は中栓の正面図である。
で、(a)は密封開始時、(b)はポンプ取付完了時を
示す図面であり、(c)は従来のポンプの断面図、
(d)は中栓の正面図である。
図面で、(a)は密封開始時、(b)はポンプ取付完了
時を示す図面であり、(c)は中栓の正面図、(d)は
内容液を充満させたときの説明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】一定量の初期デラミ空気を吹き込み、内側
層の一部を外側層から剥離させて膨出部を形成した積層
剥離容器において、内容液充填後のポンプディスペンサ
の取付時に、ポンプディスペンサのシリンダと容器口部
との間をシール部材で密封し、シリンダを下降させたと
きに所定のデラミ空気量を膨出部から排出するようにし
たことを特徴とする積層剥離容器における初期デラミ空
気の排出方法。 - 【請求項2】初期デラミ空気量を調節することにより膨
出部に残存するデラミ空気量を設定し、ポンプディスペ
ンサを取着した容器のヘッドスペースの容積を調節する
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の初期デラミ
空気の排出方法。 - 【請求項3】シール部材をシリンダ外周に形成し、膨出
部から排出されるデラミ空気量を、容器口部内における
口部上端から所定位置までの容積によって設定したこと
を特徴とする請求項1記載の初期デラミ空気の排出方
法。 - 【請求項4】シール部材を容器口部に嵌着する中栓に形
成し、膨出部から排出されるデラミ空気量を、ポンプデ
ィスペンサ取着後におけるシリンダのシール部から最下
端までのシリンダの容積によって設定したことを特徴と
する請求項1記載の初期デラミ空気の排出方法。 - 【請求項5】初期デラミ空気量を、膨出部から排出され
る所定のデラミ空気量に等しく設定して、剥離された内
側層を元の状態に戻し外側層に接合するようにしたこと
を特徴とする請求項1記載の初期デラミ空気の排出方
法。 - 【請求項6】キャップと、内部にピストン部材と弁装置
を装着したシリンダとを有するポンプディスペンサにお
いて、シリンダ外周に積層剥離容器の容器口部内周面に
圧接する鍔状シール部を設けたことを特徴とするポンプ
ディスペンサ。 - 【請求項7】キャップと、内部にピストン部材と弁装置
を装着したシリンダとを有するポンプディスペンサと、
該ポンプのシリンダ外周に圧接する環状シール部を設
け、容器口部に嵌着可能な中栓とを備えたことを特徴と
する積層剥離容器における初期デラミ空気排出装置。 - 【請求項8】ポンプディスペンサ取着後におけるシリン
ダの下端からシール部上方部分に至るシリンダ外周面
に、細条または粗面を形成したことを特徴とする請求項
7記載の初期デラミ空気排出装置。 - 【請求項9】中栓の環状シール部の係合面に細条または
粗面を形成したことを特徴とする請求項7記載の初期デ
ラミ空気排出装置。 - 【請求項10】中栓のシール部を内側上方に突出する断
面鈎状の可撓シール部としたことを特徴とする請求項7
記載の初期デラミ空気排出装置。
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