JPH0954216A - 光ファイバフィルタ - Google Patents

光ファイバフィルタ

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JPH0954216A
JPH0954216A JP7207109A JP20710995A JPH0954216A JP H0954216 A JPH0954216 A JP H0954216A JP 7207109 A JP7207109 A JP 7207109A JP 20710995 A JP20710995 A JP 20710995A JP H0954216 A JPH0954216 A JP H0954216A
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JP
Japan
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optical fiber
light
wavelength
grating
optical
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Application number
JP7207109A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sakai
哲弥 酒井
Satoshi Okude
聡 奥出
Akira Wada
朗 和田
Ryozo Yamauchi
良三 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線路監視システムに用いられる光フィルタと
しての性能を満たし、かつ低価格で信頼性が高い光ファ
イバフィルタを提供する。 【解決手段】 1本のシングルモード光ファイバの一端
側に監視光を選択的に反射するグレーティング部2を設
け、他端側に監視光を選択的曲げ損失により減衰させる
屈曲部3を設けて光ファイバフィルタ1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信網の監視シ
ステムにおいて、監視用の光を選択的にカットするため
の光フィルタとして好適に用いられる光ファイバフィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムを構築する際には、線路
の保守管理が大きな問題の1つである。そこで、波長
1.3μm帯の通信光を用いた光通信システムに対し
て、波長1.55μm帯の光を監視光として、バックス
キャタリング法による測定器(以下、OTDRという)
を用いて線路を監視するシステムが提案されている。図
8はこのような線路監視システムを示した概略構成図で
ある。図中符号20は通信光送信装置、21は伝送線路
(被測定光ファイバ)、22は光受信器、23は光フィ
ルタ、24は波長合分波光ファイバカプラ、25はOT
DRである。このシステムは、伝送線路21の一端側か
ら1.3μm帯の通信光を入射させるとともに、OTD
R25により1.55μm帯の監視光を入射させ、この
監視光がレーリー散乱によって伝送線路21から戻って
くる戻り光パワーをOTDR25で測定するように構成
されている。また伝送線路21と光受信器22の間に
は、監視光をカットして通信光のみを透過させる光フィ
ルタ23が設けられている。
【0003】図9は図8の線路監視システムによる伝送
線路および周辺光部品の観察波形の例を示したグラフで
あり、線路に異常がない場合を示している。このグラフ
において、横軸はOTDR25からの距離、縦軸は戻り
光パワーをそれぞれ示している。この例のグラフでは、
OTDR25に近い場所での反射(図中符号Aで示す)
は送信部機器の接続部、例えば光ファイバカプラ24と
伝送線路21との接続部等での反射を示し、遠い場所で
の反射は伝送線路21と光フィルタ23との接続部での
反射を示している。図10は伝送線路21に何等かの障
害が生じた場合の観察波形の例を示したものである。こ
のように伝送線路21の異常は戻り光パワーの乱れとし
て観察され、異常発生地点が認知できるようになってい
る。このような、OTDR25を用いた線路監視システ
ムの利点は、監視光として通信光と波長が異なる光を用
いるために通信光に影響を及ぼさない点と、伝送線路2
1における異常の有無だけでなく異常発生地点をも認知
できる点と、監視光として通信光よりも長波長の光を用
いた場合には、光ファイバの特性上、監視光の方が光フ
ァイバにおける曲げ等の外乱の影響を受け易いため、通
信光に悪影響が及ぶ前に外乱を発見できる点にある。
【0004】ところで、このような線路監視システムに
おいて用いられる光フィルタ23は、以下の性能を満た
すことを要求されている。すなわち、 1.通信光を低損失で透過でき、かつほとんど反射させ
ないこと、 2.監視光をほとんど透過させず、かつ規定の反射率で
反射すること、 3.低価格で、小型で、信頼性が高いこと、である。こ
こで、光フィルタ23で監視光を全反射させると、OT
DR25で測定する際に、伝送線路21の終端付近の破
断等による異常を識別することができず、また光受信器
22の位置を把握できない。このため、監視光が伝送線
路21の終端付近で規定の反射率で反射されるように、
光フィルタ23における監視光の反射率が規定されてい
る。
【0005】したがって、このような光フィルタ23で
は、監視光の一部が透過して光受信器に受光されるのを
防ぐために、監視光の透過率が50dB程度必要であ
り、従来は光フィルタ23として図11に示すような光
ファイバの中途に誘電体多層膜フィルタを挿入してなる
光デバイスが用いられていた。図11において、符号3
0は光ファイバ、31は誘電体多層膜フィルタ、32は
屈折率整合樹脂をそれぞれ示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘電体
多層膜フィルタ31を用いた光デバイスは、監視光の反
射率を規定の値に設定するとともに透過率を極力抑え、
かつ通信光の反射率を抑えるとともに透過率を極力増大
させるように構成するのが極めて困難であった。すなわ
ち、このような光デバイスにおける反射率および透過率
の制御は、誘電体多層膜フィルタ31の光ファイバ30
への挿入角度を調整したり、誘電体多層膜フィルタ31
と光ファイバ30との間に屈折率整合用の樹脂32を充
填することによって行なわれるが、いずれにしても光フ
ァイバ30に対して機械的加工を行なう方法であるので
精度や信頼性の点で不満があり、製造コストも高かっ
た。また、このタイプの光デバイスを製造する際には、
光ファイバ30と誘電体多層膜フィルタ31のアライメ
ントを一製品毎に行なわなければならないことから、製
造効率が悪く、大量生産による製造コストの低減が困難
であった。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、線路監視システムに用いられる光フィルタとしての
性能を満たし、かつ低価格で信頼性が高い光ファイバフ
ィルタを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の請求項1記載の光ファイバフィルタは、特定
の波長の光を選択的に反射する波長選択反射部と、該波
長選択反射部を透過した前記特定の波長の光を選択的に
曲げ損失により減衰させる波長選択曲げ損失発生部とを
備えてなることを特徴とするものである。また請求項2
記載のものは請求項1記載の光ファイバフィルタであっ
て、1本のシングルモード光ファイバの一端側に前記波
長選択反射部としてグレーティング部を有し、他端側に
前記波長選択曲げ損失発生部として屈曲部を有してなる
ことを特徴とするものである。
【0009】請求項3記載のものは請求項2記載の光フ
ァイバフィルタであって、前記シングルモード光ファイ
バがコアにゲルマニウムを添加してなり、前記グレーテ
ィング部が、周期的な紫外光照射によりコア屈折率の周
期的変化を形成してなること特徴とするものである。請
求項4記載のものは請求項2記載の光ファイバフィルタ
であって、前記グレーティング部における目標とする反
射率、および前記屈曲部における目標とする曲げ損失を
定め、これらの値が得られるように構造パラメータを決
定してなることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の光ファイバフィルタの第1の実施形態を
示す概略構成図である。図中符号1は光ファイバフィル
タである。本実施形態の光ファイバフィルタ1は、1本
の光ファイバの一端側にグレーティング部(波長選択反
射部)2が形成され、他端側に屈曲部(波長選択曲げ損
失発生部)3が形成されてなり、この光ファイバがケー
ス4に収容され、固定されている。
【0011】光ファイバフィルタ1を構成する光ファイ
バとしては、石英系単一モード光ファイバが用いられ、
少なくともグレーティング部2においてコアにゲルマニ
ウム(Ge)が添加されている。Geの添加量は、Ge
の欠陥により生じる後述の紫外線誘起屈折率変化を好ま
しく得るために、10重量%以上であることが望まし
い。グレーティング部2は、コアの屈折率が周期的に変
化している部分であり、特定の波長の光のみを選択的に
反射するように構成されている。本実施形態では、1.
3μm波長帯の通信光を低損失で透過し、かつ1.55
μm波長帯の監視光を規定の反射率で選択的に反射する
ように構成されている。
【0012】屈曲部3は、光ファイバ1が好ましくはS
字状に屈曲されている部分であり、特定の波長の光のみ
を選択的に曲げ損失により減衰させるように構成されて
いる。屈曲部3における光ファイバ1の曲げ方は特に限
定されるものではなく、後述の如く所望の曲げ損失が得
られるように設定された曲げ半径および曲げ長さを満た
せばよいものである。本実施形態では、1.3μm波長
帯の通信光を低損失で透過し、かつ1.55μm波長帯
の監視光を選択的に減衰するように構成されている。
【0013】ケース4は、グレーティング部2を直線状
に保持するとともに、屈曲部3を所定の曲げ長さおよび
所定の曲げ半径で屈曲させた状態に保持するガイド溝4
aを備えてなり、このガイド溝4a内に光ファイバフィ
ルタ1が接着剤5で固定されている。ここで、通常、線
路監視システムの光フィルタに要求される性能は、光フ
ィルタ全体における通信光の反射率が−40dB以下、
透過損失が2dB以下で、監視光の反射率が−10dB
程度、透過損失が50dB以上である。
【0014】本実施形態の光ファイバフィルタ1は、線
路監視システムの光フィルタとして好適に用いることが
でき、その場合には、光ファイバフィルタ1のグレーテ
ィング2に近い一方の端部が伝送線路に続く他の光ファ
イバ6に接続され、屈曲部3に近い他方の端部が光受信
器へ続く他の光ファイバ7に接続される。ここで、これ
らの他の光ファイバ6,7としては、通信光の曲げ損失
が小さくなるように設計されたものを用いるのが好まし
い。また光ファイバフィルタ1と他の光ファイバ6,7
との接続位置は、ケース4内でも、ケース4外でもよ
く、光ファイバフィルタ1の全長とケース4の大きさと
の関係によりいずれかの構成に好ましく設計することが
できる。そしてケース4の両端面には光ファイバフィル
タ1または他の光ファイバ6,7の端部が挿通される貫
通孔が設けられており、この貫通孔の外方の光ファイバ
には、取り扱い時にケース4と光ファイバとの境界部分
で屈曲による光ファイバの断線が生じるのを防ぐために
ゴム製の被覆部材(ゴムブーツ)8が取り付けられてい
る。
【0015】このような光ファイバフィルタ1は、Ge
添加石英系単一モード光ファイバの一端部にグレーティ
ング部2を形成し、これをケース4のガイド溝4aに挿
入し、固定することによって作製することができる。光
ファイバフィルタ1の各構造パラメータは、光ファイバ
フィルタ1の得ようとする透過反射特性に対して、グレ
ーティング部2における目標とする反射率、および屈曲
部3における目標とする曲げ損失を定め、これらの値が
得られるように決定する。
【0016】まず、屈曲部3における曲げ損失に影響を
与える構造パラメータについて説明する。光ファイバの
基本モードの単位長さ当りの曲げ損失は、下記数式
(I)で表わされ、図2に示すように波長に対しておよ
そ指数関数的に増加することが知られている(シンク゛ルモート
゛光ファイハ゛, リューク ヘ゛ー シ゛ュノーム著, マルセル テ゛ッカー(株)発行,
第88〜94頁:SINGLE-MODE FIBER OPTICS, Luc B. Jeunh
omme, MARCEL DEKKER,INC.)。
【0017】
【数1】 この式に示されるように、光ファイバの単位長さ当りの
曲げ損失は、波長、曲げ半径、カットオフ波長およびコ
ア−クラッド比屈折率差(以下、比屈折率差という)に
よって変化する。したがって、これらの各構造パラメー
タおよび屈曲部3における曲げ長さを適宜設定すること
によって、屈曲部3で所望の波長の光を所望の量だけ減
衰させることができる。
【0018】グレーティング部2は、例えば、紫外光に
より誘起される屈折率変化を利用して光ファイバのコア
に周期的な屈折率変化を生じさせることにより作製する
ことができる。この現象は、強い紫外光をGeが添加さ
れた石英ガラスに照射すると、照射量に依存して屈折率
の上昇が生じるものである。このような紫外光誘起屈折
率変化を利用して光ファイバのコアに周期的な屈折率の
変化を形成する手法としては、位相格子法(米国特許第
5,351,321号)を好ましく用いることができる。 ある
いはこの方法に限らず、光ファイバ裸線のクラッドを除
去した部分に、露光によって屈折率が変化する感光性物
質を充填し、この感光性物質に対して二方向から平行ビ
ームを照射して、これらの干渉波によって感光性物質を
露光させることによって、屈折率変化を周期的に変化さ
せる手法など、公知のグレーティングの作製方法を用い
ることもできる。
【0019】図3は、本実施形態におけるグレーティン
グ部2の形成工程の例を示す説明図である。図中符号1
0はGe添加石英系光ファイバ裸線、10aはコア、1
1は位相マスクをそれぞれ示している。位相マスク11
は石英ガラス板の上面に周期的に溝を形成したもので、
この面に垂直に紫外線を照射すると溝の周期と石英ガラ
スの屈折率に対応した干渉縞が−1次回折光と1次回折
光とにより、これらの回折光が重なる領域(図中符号B
で示す)に発生する。したがって、このような位相マス
ク11を介して光ファイバ裸線10に紫外光を照射する
と、コア10aに屈折率が増大された部分と変化しない
部分とが交互に形成されることになる。
【0020】そして、このようにして形成されるグレー
ティング部2は、例えば図4に示すような透過率波長特
性(図4(a))および反射率波長特性(図4(b))
を示すものとなる。ここで、グレーティング部2で選択
的に反射される光の中心波長(反射中心波長)λB、波
長の幅(反射帯域波長幅)△λB、および反射中心波長
における反射率RBは次の数式(II)〜(IV)でそれぞ
れ表わされる。
【0021】
【数2】
【0022】この式に示されるように、コア10aの屈
折率n、屈折率変化のピッチP、グレーティング部の長
さL、紫外光照射による屈折率の増加量△nを適宜設定
することによって、グレーティング部2で所望の波長の
光を所望の反射率で選択的に反射させることができる。
尚、コア10aのグレーティングにおける屈折率の周期
的変化のピッチPは、位相マスク11における溝のピッ
チを適宜設定することによって、調整することができ
る。また、コア10aにおける屈折率の増加量△nは、
照射される紫外光の照射時間および/または照射強度に
よって調整することができる。尚、紫外光の照射強度は
小さ過ぎると紫外光誘起屈折率変化が得られず、大き過
ぎると光ファイバに紫外線が吸収されて光ファイバが溶
けてしまうので、10W/cm2〜100W/cm2程度
とするのが望ましい。
【0023】したがって、光ファイバフィルタ1の作製
にあたっては、グレーティング部2における反射率の目
標値、および屈曲部3における曲げ損失の目標値を同時
に満たすように上記の各構造パラメータを適宜設定す
る。尚、光ファイバ自身の構造パラメータは、光ファイ
バフィルタ1と接続される他の光ファイバ6,7との整
合性をも加味して設計することが好ましい。
【0024】図5は、光ファイバの比屈折率差、カット
オフ波長、曲げ半径を変化させたときの波長と曲げ損失
との関係を示したものである。また図6は、反射中心波
長λBが1.55μmとなるようにコアの屈折率nおよ
び屈折率変化のピッチPを設計した場合に、グレーティ
ング部の長さL、紫外光照射による屈折率の増加量△n
を変化させたときの反射帯域波長幅△λB、および反射
率RBの変化を示したものである。
【0025】本実施形態においては、線路監視システム
に用いられる光フィルタとして要求される透過反射特性
を満たすために、光ファイバの比屈折率差を0.25〜
0.35%、カットオフ波長を1.0〜1.2μmと
し、屈曲部3の曲げ半径を15〜25mmに好ましく設
定することにより、屈曲部3における1.3μm帯の光
の曲げ損失を1〜2dB程度に抑えつつ、1.55μm
帯の光の曲げ損失を50dB以上に設定することができ
る。またグレーティング部2については、コアの屈折率
nが1.454〜1.464に対して、屈折率変化のピ
ッチPを0.529〜0.533μmとし、グレーティ
ング部の長さLを3〜10mm、紫外光照射による屈折
率の増加量△nを0.01〜0.1%に好ましく設定す
ることにより、グレーティング部2における1.3μm
帯の光の反射率を−50dB程度に抑えつつ、1.55
μm帯の光の反射率を−10dB程度にすることができ
る。
【0026】よって、本実施形態の光ファイバフィルタ
の作製に際しては、このようにして設定された構造パラ
メータに従って、光ファイバの一端側にグレーティング
部2を形成する。一方、ケース4に、グレーティング部
2を保持するための直線状の溝と、屈曲部3を上記で設
定された曲げ半径および曲げ長さで屈曲させた状態に保
持するための屈曲した溝とからなるガイド溝4aを適宜
の手段で形成する。そしてグレーティング部2が形成さ
れた光ファイバをガイド溝4a内に収容し、接着剤5で
固定することにより、本実施形態の光ファイバフィルタ
1が得られる。この接着剤5としては、例えば紫外線硬
化型樹脂等を用いることができ、これにより好ましくは
光ファイバフィルタ1の数箇所を局所的に固定する。
【0027】また光ファイバフィルタ1の両端に他の光
ファイバ6,7を接続して使用する場合には、光ファイ
バフィルタ1と他の光ファイバとの接続を、光ファイバ
フィルタ1をケース4内に収容する前に行なってもよ
く、あるいは光ファイバフィルタ1をケース4内に固定
した後に行なってもよい。後者の場合には、光ファイバ
フィルタ1の長さを、その両端部がケース4の外方に延
びるように設計しておく必要がある。
【0028】このようにして作製される光ファイバフィ
ルタ1は、グレーティング部2がGe添加光ファイバに
紫外光を照射することによってコアの屈折率を変化させ
たものであり、このようにして形成されたコア屈折率の
変化は、通常の環境において非常に安定であるため、環
境安定性に優れたものとなる。また光ファイバフィルタ
1はグレーティングおよび曲げによって光の反射および
減衰が制御されるものであるので、光ファイバに機械的
加工を施さずに透過反射特性を調整することができる。
したがって、精度よく製造することができ、信頼性が高
いものとなる。また製造コストも低減される。さらに、
本実施形態の光ファイバフィルタ1は、1本の光ファイ
バにグレーティング部2および屈曲部3が形成された構
成であるので、グレーティング部2を構成する光ファイ
バと屈曲部3を構成する光ファイバとを接続しなくて済
むので、製造工程が簡単であり、光ファイバフィルタ1
をコンパクトにすることもできる。また接続による損失
増加を防止することもできる。また、光ファイバフィル
タ1と伝送線路を構成する他の光ファイバ6,7とを一
体の連続した光ファイバで構成することも可能である。
【0029】尚、上記実施形態では、1本の光ファイバ
の一端部にグレーティング部2を形成し、他端部を屈曲
させて屈曲部3を形成する方法について説明したが、こ
れに限らず、例えば、グレーティング部2が形成された
光ファイバと、屈曲部3となる光ファイバとをそれぞれ
別個に作製し、これらを融着接続した後、ケース4のガ
イド溝4a内に挿入し、接着固定してもよい。グレーテ
ィング部2および屈曲部3の形成は上記実施形態と同様
にして行なうことができる。この場合には少なくともグ
レーティング部2が形成される光ファイバのコアにGe
が添加されていることが必要である。
【0030】図7は、本発明の光ファイバフィルタの第
2の実施形態を示したものである。本実施形態の光ファ
イバフィルタが上記第1の実施形態のものと大きく異な
る点は、グレーティング部42と屈曲部43とがそれぞ
れ別個の光ファイバで構成され、これらの光ファイバが
融着接続されている点、および屈曲部が円筒形のリール
に巻き付けて形成されている点である。
【0031】グレーティング部42は、コアにGeが添
加されているグレーティング部構成用の光ファイバ40
の中央部に、上記第1の実施形態と同様にしてグレーテ
ィング部42を形成することによって得られる。また屈
曲部43は、所望の曲げ損失が得られるように構造パラ
メータが設定された光ファイバ41を、曲げ半径が好適
となるように胴径が設定されたリール45に巻き付け、
さらに光ファイバ41をリール45に適宜固定して形成
することができる。そしてグレーティング部42が形成
された光ファイバ40と屈曲部43が形成された光ファ
イバ41とは好ましくは融着によって接続され(融着接
続部51)、ケース44内に収容されている。
【0032】ケース44は、適宜の大きさに形成された
箱体を好適に用いることができ、その内側に少なくとも
グレーティング部42、リール45、および融着接続部
51が、紫外線硬化型樹脂等の適宜の接着剤を用いて固
定されている。またケース44には、伝送線路を構成す
る他の光ファイバ46,47を挿通させるための貫通孔
が設けられている。そして好ましくはケース44内で、
これら他の光ファイバ46,47が、グレーティング部
42が形成された光ファイバ40、および屈曲部43が
形成された光ファイバ41にそれぞれ融着接続され(融
着接続部52,53)、貫通孔からケース外に引き出さ
れている。これらの融着接続部52,53は、紫外線硬
化型樹脂等の適宜の接着剤を用いてケース44の内側に
好ましく固定されている。さらに、貫通孔の外方の光フ
ァイバ46,47には、取り扱い時にケース44と光フ
ァイバ46,47との境界部分で屈曲による光ファイバ
46,47の断線が生じるのを防ぐためにゴム製の被覆
部材(ゴムブーツ)48が取り付けられている。
【0033】本実施形態の光ファイバフィルタは、グレ
ーティング部42がGe添加光ファイバに紫外光を照射
することによってコアの屈折率を変化させたものであ
り、このようにして形成されたコア屈折率の変化は、通
常の環境において非常に安定であるため、環境安定性に
優れたものとなる。また光ファイバフィルタはグレーテ
ィングおよび曲げによって光の反射および減衰が制御さ
れるものであるので、光ファイバに機械的加工を施さず
に透過反射特性を調整することができる。したがって、
精度よく製造することができ、信頼性が高いものとな
る。また製造コストも低減される。さらに、本実施形態
の光ファイバフィルタは、グレーティング部42と屈曲
部43とをそれぞれ別個の光ファイバに形成した後に、
これらの光ファイバ融着接続してなるものであるので、
グレーティング部42を構成する光ファイバ40にのみ
Geを添加すればよく、また屈曲部43を構成する光フ
ァイバ41だけを所望の曲げ損失を得るのに最適な構造
パラメータとすればよい。したがって、それぞれの光フ
ァイバを各機能に最適な条件を満たすように構成するこ
とができるので、高性能の光ファイバフィルタを得るこ
とができる。
【0034】尚、上記第1および第2の実施形態では光
フィルタとして機能する光ファイバフィルタについて説
明したが、基板導波路にもグレーティング部および曲げ
損失発生部を形成して、同様の光フィルタ機能を有する
導波路型光フィルタを構成可能であることは勿論であ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を示す。 (実施例1)図1に示す構成の光ファイバフィルタを作
製した。まず、コアにGeが添加された石英系光ファイ
バを用意した。光ファイバの比屈折率差は0.3%、カ
ットオフ波長は1.0μm、コアへのGeの添加量は約
15重量%とした。この光ファイバに以下のようにして
長さ約10mmにわたるグレーティング部を形成した。
すなわち、グレーティング部の反射中心波長が1.55
μmとなるように設計された位相マスクを用意した。そ
して、上記光ファイバの中途部分で被覆層を20mm程
度取り去って光ファイバ裸線を露出させ、この光ファイ
バ裸線部分を、上記位相マスクの直下約1mmの位置
に、光ファイバの長さ方向が位相マスクの溝方向と正確
に垂直になるように設置した。この状態で位相マスクの
上方から、位相マスクを介して波長0.24μmの紫外
線を光ファイバ裸線部分に照射した。このときの紫外線
の照射強度は30mW/cm2であり、光ファイバ裸線
のうち紫外線が照射された部分の長さは約10mmであ
った。また、紫外線の照射時間は、紫外線照射時に光フ
ァイバに白色光を入射させ、グレーティング部からの反
射光を光スペクトラムアナライザでモニタ−しながら、
所望の反射率が得られたところで照射を終えることによ
って調整した。このようにして形成されたグレーティン
グ部は、保護、補強のために熱収縮チューブで被覆し
た。
【0036】一方、ガイド溝を備えたケースを用意し
た。ガイド溝は直線部分と、曲げ半径約15mmの半円
弧を2つ備えたS字状の形状とした。そして、グレーテ
ィング部を形成した光ファイバをケースのガイド溝内に
挿入して、直線部分の2箇所、およびS字部分の4箇所
の計6箇所を接着剤で固定した。このようにして得られ
た光ファイバフィルタに、1.3μmの通信光と1.5
5μmの監視光を同時に入射させたところ、通信光の透
過損失は0.5dB、反射率は測定限界以下の−60d
B以下、監視光の透過損失は50dB、反射率は−10
dBであり、線路監視システムの光フィルタとして、好
適な性能を有していた。
【0037】(実施例2)図7に示す構成の光ファイバ
フィルタを作製した。まず、コアに約15重量%のGe
が添加されたグレーティング部構成用の石英系光ファイ
バを用意した。この光ファイバの比屈折率は1.5%、
カットオフ波長は1.25μmとした。一方、グレーテ
ィング部の反射中心波長が1.55μmとなるように設
計された位相マスクを用意した。そして、上記グレーテ
ィング部構成用の光ファイバの中央部の被覆層を20m
m程度取り去って光ファイバ裸線を露出させ、この光フ
ァイバ裸線部分を、上記位相マスクの直下約1mmの位
置に、光ファイバの長さ方向が位相マスクの溝方向と正
確に垂直になるように設置した。この状態で位相マスク
の上方から、位相マスクを介して波長0.24μmの紫
外線を光ファイバ裸線部分に照射した。このときの紫外
線の照射強度は30mW/cm2であり、光ファイバ裸
線のうち紫外線が照射された部分の長さは約10mmで
あった。また、紫外線の照射時間は、紫外線照射時に光
ファイバに白色光を入射させ、グレーティング部からの
反射光を光スペクトラムアナライザでモニタ−しなが
ら、所望の反射率が得られたところで照射を終えること
によって調整した。このようにして形成されたグレーテ
ィング部は、保護、補強のために熱収縮チューブで被覆
した。
【0038】次に、曲げ損失を最適化した屈曲部構成用
の光ファイバを用意した。この光ファイバのコアの比屈
折率は0.3%、カットオフ波長は1.1μmとした。
また胴径40mmφのリールを用意した。光ファイバの
一端から波長1.55μmの光を入射し、他端から出射
される光を光パワーメータで観察しながら、曲げ損失が
50dB以上になるまで光ファイバをリールに巻き付け
た。さらに、光ファイバの巻き付け終り部分を紫外線硬
化型樹脂でリールに固定して、屈曲部を形成した。
【0039】上記のグレーティング部と屈曲部をそれぞ
れケース(縦70mm、横60mm、高さ8mm)内に
固定するとともに、グレーティング部を構成している光
ファイバの一端と、屈曲部を構成している光ファイバの
一端とを融着接続し、この融着接続部をケース内に固定
した。またグレーティング部を構成している光ファイバ
の他端、および屈曲部を構成している光ファイバの他端
を、それぞれ伝送線路を構成する光ファイバに融着接続
し、融着接続部をケース内に固定した。伝送線路を構成
する光ファイバは、ケースに設けられた貫通孔からケー
ス外に引き出し、貫通孔の外方の光ファイバには屈曲に
よる光ファイバの断線を防止するためにゴムブーツを取
り付けた。
【0040】このようにして得られた光ファイバフィル
タの特性は、通信光(波長1.31μm)の透過損失は
1.1dB、反射率は測定限界以下の−60dB以下で
あった。また監視光(波長1.55μm)の透過損失は
53dB、反射率は−10dBであり、線路監視システ
ム用の光フィルタとして好適な性能を有していた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
フィルタは、特定の波長の光を選択的に反射する波長選
択反射部と、該波長選択反射部を透過した前記特定の波
長の光を選択的に曲げ損失により減衰させる波長選択曲
げ損失発生部とを備えてなることを特徴とするものであ
る。したがって、通信光と波長が異なる監視光を用いた
バックスキャタリング法による光通信網の線路監視シス
テムにおいて、光受光器の前段で、通信光の反射を抑え
つつ監視光を規定の反射率でカットする光フィルタに好
適に用いることができる。
【0042】1本のシングルモード光ファイバの一端側
に前記波長選択反射部としてグレーティング部を有し、
他端側に前記波長選択曲げ損失発生部として屈曲部を有
してなる光ファイバフィルタは、グレーティングおよび
光ファイバの曲げによって光の反射および減衰が制御さ
れるものであるので、光ファイバに機械的加工を施さず
に透過反射特性を調整することができる。したがって、
製造コストが低く、信頼性が高い光ファイバフィルタが
得られる。また従来の光ファイバの中途に誘電体多層膜
フィルタを挿入した光デバイスに比べて、光軸調整が不
要であるので、低価格化が達成できる。
【0043】また、前記シングルモード光ファイバがコ
アにゲルマニウムを添加してなり、前記グレーティング
部が、周期的な紫外光照射によりコア屈折率の周期的変
化を形成してなる光ファイバフィルタは、コア屈折率の
変化が、通常の環境において非常に安定であるため、環
境安定性に優れたものとなる。さらに、前記グレーティ
ング部における目標とする反射率、および前記屈曲部に
おける目標とする曲げ損失を定め、これらの値が得られ
るように構造パラメータを決定することによって、所望
の透過反射特性を容易に得ることができ、製造における
再現性も良好となる。したがって製造効率が良く、大量
生産による製造コストの低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバフィルタの第1の実施形
態を示す概略構成図である。
【図2】 光ファイバの曲げ損失と波長との関係を示し
たグラフである。
【図3】 グレーティング部の形成工程の例を示す説明
図である。
【図4】 グレーティング部の(a)透過率波長特性お
よび(b)反射率波長特性をそれぞれ示すグラフであ
る。
【図5】 光ファイバフィルタの構造パラメータを変化
させたときの曲げ損失と波長との関係を示したグラフで
ある。
【図6】 グレーティング部の長さ、屈折率の増加量を
変化させたときの反射帯域波長幅、および反射率の変化
を示したグラフである。
【図7】 本発明の光ファイバフィルタの第2の実施形
態を示す概略構成図である。
【図8】 線路監視システムの例を示す概略構成図であ
る。
【図9】 図7の線路監視システムによる観察波形の例
を示すグラフで、線路に異常がない場合を示すものであ
る。
【図10】 図7の線路監視システムによる観察波形の
例を示すグラフで、線路に異常がある場合を示すもので
ある。
【図11】 誘電体多層膜フィルタを用いた光デバイス
の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…光ファイバフィルタ、2,42…グレーティング部
(波長選択反射部)、3,43…屈曲部(波長選択曲げ
損失発生部)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 良三 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の波長の光を選択的に反射する波長
    選択反射部と、該波長選択反射部を透過した前記特定の
    波長の光を選択的に曲げ損失により減衰させる波長選択
    曲げ損失発生部とを備えてなることを特徴とする光ファ
    イバフィルタ。
  2. 【請求項2】 1本のシングルモード光ファイバの一端
    側に前記波長選択反射部としてグレーティング部を有
    し、他端側に前記波長選択曲げ損失発生部として屈曲部
    を有してなることを特徴とする請求項1記載の光ファイ
    バフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記シングルモード光ファイバがコアに
    ゲルマニウムを添加してなり、前記グレーティング部
    が、周期的な紫外光照射によりコア屈折率の周期的変化
    を形成してなること特徴とする請求項2記載の光ファイ
    バフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記グレーティング部における目標とす
    る反射率、および前記屈曲部における目標とする曲げ損
    失を定め、これらの値が得られるように構造パラメータ
    を決定してなることを特徴とする請求項2記載の光ファ
    イバフィルタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001079919A3 (en) * 2000-04-17 2002-05-16 Ciena Corp Fiber grating package
JP2016109559A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 日本電信電話株式会社 試験光遮断フィルタおよびそれを適用したインサービス試験方法

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