JPH0952875A - アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法 - Google Patents

アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法

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JPH0952875A
JPH0952875A JP20355095A JP20355095A JPH0952875A JP H0952875 A JPH0952875 A JP H0952875A JP 20355095 A JP20355095 A JP 20355095A JP 20355095 A JP20355095 A JP 20355095A JP H0952875 A JPH0952875 A JP H0952875A
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JP20355095A
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Takashi Kawai
隆 川合
Yoshito Yamaji
義人 山路
Keiji Shibata
啓二 柴田
Kiyobumi Kida
清文 貴田
Yutaka Imamura
裕 今村
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副反応が少なく、色相の良好なアシルオキシ
ベンゼンスルホン酸又はその塩を得る製造方法を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるアシルオキシ
ベンゼンを、 SO3を用い薄膜式スルホン化装置を使用し
てスルホン化し、下記一般式(2) で表されるアシルオキ
シベンゼンスルホン酸を製造するに際し、添加剤とし
て、カルボン酸又はそのエステル(3) 、アミド等化合物
(4) 及び炭酸エステル化合物(5) から選ばれる一種以上
をスルホン化反応の初期段階で添加する。 【化1】 (式中、 R1:総炭素数1〜35のアルキル基等を示す。 R2:炭素数1〜4のアルキル基等を示す。 n:0〜2の数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシルオキシベン
ゼンスルホン酸又はその塩の製造法に関する。更に詳細
にはアシルオキシベンゼンをスルホン化剤でスルホン化
する際に特定の添加剤を反応装置内の反応物に添加し、
副反応の少ない、更に色相の良好なアシルオキシベンゼ
ンスルホン酸又はその塩を得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アシル
オキシベンゼンスルホン酸塩は、PC(過炭酸ナトリウ
ム)、PB(過ほう酸ナトリウム)に代表される過酸化
水素発生基質や過酸化水素と、水中で接触することによ
り低温でも容易に有機過酸を生成し、衣類等の汚れ、シ
ミ汚れに対し有効に漂白性能を発揮するため、漂白活性
化剤として特に有用な化合物である(特開昭59−22
999号公報)。
【0003】このアシルオキシベンゼンスルホン酸塩の
製造法としては、フェノールスルホン酸モノNa塩に無水
酢酸を作用させアセチルオキシベンゼンスルホン酸Naを
形成させ、次いで所望するアルキル鎖を持った脂肪酸を
添加しエステル交換反応を起こさせる方法(特公平4−
1739号公報)が知られている。しかし、この方法で
は、高純度の製品が製造できるものの副生酢酸の用途を
持たない場合製造コストが非常に高くなり、一般には商
業生産プロセスとして不向きである。
【0004】一方、より低コストでアシルオキシベンゼ
ンスルホン酸塩を製造し得る技術として、アシルオキシ
ベンゼンを SO3等のスルホン化剤によりスルホン化する
製造法も種々開示されている。しかし、このスルホン化
工程において、単にアシルオキシベンゼンとスルホン化
剤を反応させただけでは収率は低く、これを改良する手
段としてスルホン化剤に対する錯化合物形成体をスルホ
ン化の前に少量共存させる方法(特開昭60−2581
56号公報)や、スルホン化後温浸工程を導入する技術
(特開昭62−30752号公報)が開示されている
が、なお生成物の収率は90%以下と低く、各種副反応が
起こっていることが推定され、所望するアシルオキシベ
ンゼンスルホン酸又はその塩を高選択、高収率で工業的
に製造できる方法の開発が強く望まれていた。
【0005】本発明は、アシルオキシベンゼンスルホン
酸を従来に比較し、高収率でしかも高選択性で、更には
色相良好に、かつ廉価に製造できる工業的製造法の提供
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、アシルオキシベンゼン
を、 SO3を用い薄膜式スルホン化装置を使用しスルホン
化し、対応するアシルオキシベンゼンスルホン酸を製造
するに際し、添加剤として、カルボン酸又はそのエステ
ル、アミド等化合物、炭酸エステル化合物のいずれかを
薄膜式スルホン化装置でのスルホン化反応の初期段階で
添加することにより、従来に比較して副反応が減少し、
高収率、高選択性でしかも良好な色相でかつ廉価に工業
的にもアシルオキシベンゼンを製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、一般式
(1)
【0007】
【化7】
【0008】(式中、 R:総炭素数1〜35の、ハロゲンで置換されていても
よく、又、エステル基、エーテル基、アミド基或いはフ
ェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐のアル
キル基又はアルケニル基、或いはフェニル基を示す。 R2:炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、メトキ
シ基又はエトキシ基を示す。 n:0〜2の数で、n=2の場合は、2つのR2は同じで
あっても異なっていてもよい。)で表されるアシルオキ
シベンゼン(1) を、 SO3を用い薄膜式スルホン化装置を
使用してスルホン化し、一般式(2)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、R1,R2及びnは前記の意味を示
す。)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸を製
造するに際し、一般式(3)
【0011】
【化9】
【0012】(式中、 R:H 又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。 R4:総炭素数2〜35の、ハロゲン、スルホン酸基、カル
ボキシル基、水酸基又はフェニル基で任意に置換されて
いてもよく、又、エステル基、エーテル基、アミド基或
いはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐
のアルキル基又はアルケニル基、もしくは無置換又はカ
ルボキシル基或いはアルキル基で置換されていてもよい
フェニル基を示す。)で表されるカルボン酸又はそのエ
ステル(3) 、分子内に一般式(4)
【0013】
【化10】
【0014】(式中、 X:酸素原子あるいは硫黄原子を
示す。)で表される官能基あるいは結合を有するアミド
等化合物(4) 、一般式(5)
【0015】
【化11】
【0016】で表される官能基を有する炭酸エステル化
合物(5) から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤
を、総量で前記化合物(1) に対して5〜100 モル%、ス
ルホン化反応の初期段階で供給することを特徴とする前
記アシルオキシベンゼンスルホン酸の製造法を提供する
ものである。
【0017】本発明では、原料の化合物(1) に、予め化
合物(3) 、(4) 、(5) 及び水酸基を有するヒドロキシル
化合物(6) から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を
2.5〜50モル%(対化合物(1) )添加して薄膜式スルホ
ン化装置に供給することが好ましい。この場合、原料で
ある化合物(1) とスルホン化反応の初期段階で添加する
添加剤の合計が、化合物(1) に対し10〜 100モル%であ
ることが好ましい。更に原料に添加する添加剤は、化合
物(6) と、化合物(3) 、(4) 及び(5) から選ばれる少な
くとも1種以上を組み合わせることが好ましい。
【0018】更に得られたスルホン酸(2) を中和して、
有用な塩を得ることができる。水素原子、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウム、置換アンモニウ
ムもしくは4級アンモニウムとのスルホン酸塩である。
【0019】本発明において、好ましくは一般式(3) に
おいてR3がH 、R4が一般式(1) で表されるアシルオキシ
ベンゼン中のR1に等しい基であるカルボン酸、添加剤
(6) が一般式(7) 又は(8)
【0020】
【化12】
【0021】(各式中、 R:炭素数1〜4の直鎖又は分岐の低級アルキル基、
あるいはメトキシ基、エトキシ基を示す。 n:0〜2の整数を示し、n=2の場合は、2つのR2
同じであっても異なっていてもよい。 M:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、置換アンモニウムもしくは4級アンモニウム
を示す。)で表されるフェノールあるいは置換フェノー
ルであり、更に好ましくは、一般式(1) 中のR1及び一般
式(3) 中のR4が炭素数11のアルキル基、一般式(1) 中の
nが0、一般式(3) 中のR3がH 、化合物(6) がフェノー
ルである。
【0022】本発明においては、添加剤をスルホン化反
応の初期段階に薄膜式スルホン化装置に添加するが、こ
こでスルホン化反応の初期段階とは、具体的にはスルホ
ン化物(2) の生成率(以下、スルホン化率という場合も
ある)が60%以下、更に好ましくは50%以下の段階であ
る。スルホン化物(2) の生成率が60%を越えると除熱が
行えなかったり、添加剤が捕捉できる SO3が少なくな
り、その結果副生物が多くなり好ましくない。具体的な
添加時期は、反応混合物を液体クロマトグラフィー分析
し、スルホン化物(2) の量を検出することによって、SO
3 の投与によって生成した錯体あるいは混合酸無水物の
残存率を知って判断できる。また、添加剤をスルホン化
反応の初期段階でスルホン化装置に添加することによ
り、除熱が容易となり、スルホン化装置における発熱が
抑えられ、色相が良くなり、また添加剤がSO3 を捕捉す
ることにより SO3による副反応が抑制され、副生物の少
ないスルホン化物(2) が得られる。添加剤に捕捉された
SO3は、錯体あるいは混合酸無水物を形成し、スルホン
化能もしくは硫酸化能を有するため主反応そのものは阻
害しない。添加剤をスルホン化反応の初期段階で添加す
ることにより、高収率、高選択性、更に色相良好にかつ
廉価に化合物(2) を製造することができるが、更に予め
原料に添加剤を添加することにより、反応と同時に更に
SO3を捕捉する、混合酸無水物からSO3 を奪回すること
による副生物の抑制により更に高品質の化合物(2)を製
造できる。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
原料となるアシルオキシベンゼンは前記一般式(1) で表
されるが、一般式(1) 中のR1としては、総炭素数1〜35
の、ハロゲンで置換されていてもよく、又、エステル
基、エーテル基、アミド基、フェニレン基が挿入されて
いてもよい直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル
基、或いはフェニル基であればいずれでもよいが、好ま
しくは総炭素数5〜35のハロゲンで置換されていてもよ
く、又、エステル基、エーテル基或いはアミド基が挿入
されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基、更に好ま
しくは炭素数5〜13のハロゲンで置換されていてもよい
直鎖又は分岐のアルキル基であり、特に好ましくは、漂
白活性化剤としての性能、水溶性、耐硬水性、更には環
境に対する負荷等を考慮した場合、R1としては、炭素数
5〜13の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。またR2
は炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、n
は0〜2を示すが、生分解性の点で好ましくはn=0又
は1、更に好ましくはn=0である。
【0024】一般式(1) で表されるアシルオキシベンゼ
ンの具体例としては、カプリル酸フェニル、ペラルゴン
酸フェニル、カプリン酸フェニル、n−ウンデカン酸フ
ェニル、ラウリン酸フェニル等が挙げられる。この中
で、親水性汚れ、親油性汚れに最もバランスよく漂白性
能を示す点でラウリン酸エステルを使用するのが好まし
く、特に好ましくはコストの点でラウリン酸フェニルで
ある。
【0025】なお、これらアシルオキシベンゼンは対応
する脂肪酸や酸クロライドとフェノールの反応等公知の
いずれの反応(JAOCS,32,170(1955))を用いて製
造してもよいが、後述するように本発明の添加剤の一つ
である脂肪酸を用いる直接エステル化反応を利用するの
が工程の短縮化につながり好ましい。
【0026】本発明で用いられる上記一般式(3) で表さ
れるカルボン酸又はそのエステルの具体例としては、イ
ソウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸等に
代表される脂肪酸、安息香酸、メチル安息香酸に代表さ
れるアルキルアリールカルボン酸、コハク酸、フマル
酸、マロン酸等に代表される多価カルボン酸、クロロ酪
酸、ブロモ酪酸、クロロカプロン酸に代表されるハロゲ
ン化アルキルカルボン酸、フェニル酢酸、フェニルプロ
ピオン酸等のアリールアルキルカルボン酸、これらカル
ボン酸のメチル、エチル或いはプロピルエステルが挙げ
られる。
【0027】更に、上記一般式(3) で表されるカルボン
酸又はそのエステルとしてスルホン酸基を含有するも
の、例えば上記カルボン酸とSO3 とが一部反応した化合
物、例えばカルボン酸のα位スルホン化物も用いること
ができる。
【0028】これらの一般式(3) で表されるカルボン酸
又はそのエステルのうち、好ましくはR3=H であるカル
ボン酸であり、特に好ましくはR4が総炭素数5〜35のハ
ロゲンで置換されていてもよく、又、エステル基、エー
テル基或いはアミド基が挿入されていてもよい直鎖又は
分岐のアルキル基であるものであり、更に好ましくは炭
素数5〜13のハロゲンで置換されていてもよい直鎖又は
分岐のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数5〜13
の直鎖又は分岐のアルキル基、更に特に好ましくはスル
ホン化反応中に生ずるエステル交換によっても目的とす
るアシルオキシベンゼンスルホン酸の収率が低下しない
という点で、R4が、一般式(1) で表されるアシルオキシ
ベンゼン中のR1に等しいものである。ハロゲンとしては
塩素が好ましい。
【0029】最も好ましくは、親水性、親油性のバラン
スが最も良好で高い漂白活性化能を示すドデカノイルオ
キシベンゼンスルホン酸塩を与えるラウリン酸フェニル
を原料とし、ラウリン酸を添加する組み合わせである。
【0030】また、添加剤として、一般式(3) で表され
るカルボン酸又はそのエステルを使用する場合、スルホ
ン化反応中において、添加するカルボン酸種とアシルオ
キシベンゼンにおけるアシル基の交換反応が生起するこ
とにより、良好な反応選択性、反応収率を得るために
は、一般式(3) 中のR4は使用する一般式(1) で表される
アシルオキシベンゼンのR1と基本的に同じであることが
最も好ましい結果を与える。
【0031】本発明でのアミド等化合物(4) は、例えば
アミドとして、C1 〜C20の飽和又は不飽和の直鎖又は
分岐の脂肪酸アミド、そのN−低級アルキル(C1〜C4)
のアミドあるいはその N,N−ジ低級アルキル(C1〜C4)
アミド、例えばN−メチルアミド、その N,N−ジメチル
アミドを含むモノアミド、C4 〜C8 の飽和又は不飽和
の2価脂肪酸アミド、フタル酸アミド、そのN−メチル
アミド、N,N'−ジアミド、 N,N−ジアミド、N,N,N'N'−
テトラアミドを含むジアミド、3価脂肪酸アミド、4価
脂肪酸アミドがある。他にポリアミド、環状アミドを含
む。水溶性のものがより好ましい。具体的には、ホルム
アミド、N−メチルホルムアミド、 N,N−ジメチルホル
ムアミド、コハク酸アミド、N,N'−ジメチルコハク酸ア
ミド、 N,N,N',N'−テトラメチルコハク酸アミド、クエ
ン酸アミド、トリメリット酸アミド、ナイロンオリゴマ
ー(カルボニル炭素を含めユニット炭素数3〜6)、ア
クリル酸アミドオリゴマー(平均分子量 200〜3000) 、
γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、ジアセチル
イミド、テトラアセチルエチレンジアミン、コハク酸イ
ミド、N−ラウリルコハク酸イミド、フタル酸イミド、
尿素、N,N'−ジメチル尿素、 N,N,N',N'−テトラメチル
尿素、チオアミド、チオイミドなどが挙げられる。
【0032】炭酸エステル化合物(5) は、例えば炭酸ジ
メチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、ラウリルフェ
ニルカーボネートなどが挙げられる。
【0033】ヒドロキシ化合物(6) は、例えばフェノー
ル、クレゾール(o−、m−、p−いずれでも)、カテ
コール、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
i−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、モノエタノールアミン、メチルモノエタノール
アミン、ジメチルモノエタノールアミンなどが挙げられ
る。
【0034】本反応の SO3はN2或いは十分除湿した空気
等の不活性ガスと SO3との混合気体(以下ガス状の SO3
と略称する)を用いればよい。
【0035】このとき、反応形式としては、反応基質の
薄膜にガス状のSO3 を作用させて反応を行う流下式(Fa
lling Film Reactor=FFR)あるいは上昇式(Climbi
ng Film Reactor =CFR)薄膜式スルホン化装置を使
用することができる。薄膜式スルホン化装置を用いる
と、原料のアシルオキシベンゼンと SO3を短時間で混合
でき、しかも除熱や温度コントロールも容易に行うこと
ができる。また、添加剤をスルホン化反応の初期段階で
薄膜化スルホン化装置に添加することにより、除熱が容
易となり、スルホン化装置内における発熱が抑えられ、
色相が良くなり、また添加剤が SO3を捕捉することによ
り SO3由来の副反応が抑制され、副生物の少ないスルホ
ン化物(2) が得られる。用いられる薄膜式スルホン化装
置としては特に限定されず、単一管式(シングル)でも
多管式(マルチ)でも良く、Falling Film Reacter(バ
レストラ社製)等が挙げられる。
【0036】添加剤を薄膜式スルホン化装置に供給する
方法としては特に制限されず、添加剤をスプレーして
も、添加剤を壁に沿って注入しても良いが、例えば、図
1に示すように一般的な薄膜式スルホン化装置の原料注
入口と同じ態様の添加剤注入口を設けるのが好ましい。
原料、添加剤は、ポンプで供給手段内に徐々に蓄積され
注入口でオーバーフローし壁面を流下しながら薄膜化し
混合され、ガス状の SO3でスルホン化される。
【0037】薄膜式スルホン化装置の直径、長さとして
は、化合物(1) と SO3が薄膜で反応できれば特に制限さ
れないが、例えば、円筒状の流下式薄膜スルホン化装置
の場合、直径5〜150mm 、長さ 0.3〜15mが好ましい。
直径が 150mmを越えると除熱が困難となり、直径5mm未
満、長さ0.3 m未満だと生産量がかせげないため、好ま
しくない。また、長さ15mを越えると設備が大きくなり
好ましくない。薄膜式スルホン化装置の本数について
は、生産量を考慮して決めれば良い。
【0038】SO3 の量としては、一般式(1) で表される
アシルオキシベンゼンに対し 0.9〜1.3 モル倍、得られ
るアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の収率、
副反応の抑制、色相の淡色化から、好ましくは 1.0〜1.
2 モル倍の SO3を、好ましくは実質的に水が存在しない
条件下で使用する。また、SO3 は不活性ガスで希釈され
たガス状のSO3 として使用される。不活性ガスとしては
価格などの観点から窒素あるいは十分に除湿した空気が
使用されるが、工業的には空気を使用することが好まし
い。また不活性ガス中のSO3 の濃度は、工業的な生産
性、処理温度の制御、除熱等から0.5 〜10容量%、好ま
しくは1〜5容量%である。アシルオキシベンゼン(1)
とガス状のSO3との接触・作用温度は60℃以下であり、
より副反応を減少させ、色相の良好な製品を得るという
点では、0〜50℃が更に好ましい。また、薄膜を形成さ
せるためガス状の SO3の線速度としては、20〜80m/s が
好ましい。
【0039】原料、添加剤、ガス状の SO3の供給速度は
特に制限されないが、生産性、薄膜形成を考慮して、原
料、添加剤の供給速度 0.1〜3000kg/hr 、ガス状の SO3
供給速度 0.1〜1000kg/hr が好ましい。
【0040】また、本発明においては、反応に供せられ
る一般式(1) で表されるアシルオキシベンゼンを、無溶
媒で反応させてもよい。また、アシルオキシベンゼン
(1) にSO3 を作用させた直後、例えばジクロロメタン、
1,2 −ジクロロエタン、クロロホルム等の溶媒で希釈混
合し、反応を行うこともできる。しかし、生産効率の改
善、溶媒と SO3との反応低減、使用した溶媒の回収負荷
等から無溶媒でスルホン化反応を行うことが特に好まし
い。
【0041】また、本反応は実質的に水が存在しない条
件下で行うことが好ましく、水が存在すると化合物(1)
及び(2) のエステル結合の加水分解が顕著に増加し、目
的物の収率が低下するので好ましくない。尚、実質的に
水が存在しないとは、具体的には、原料アシルオキシベ
ンゼン(1) に対し反応系中に存在する水の量が5モル%
以下であることを意味する。
【0042】本反応において、目的とする化合物(2) を
得る主反応以外に過剰の SO3が自らも反応基質として副
反応促進に作用するかあるいは触媒として作用して副生
物が生成する。主たる副生物としては、下記に示すよう
なスルホン酸エステル、ケトンフェニルエステル、ケト
ンフェノール、ケトンフェニルエステルスルホン化物が
挙げられる。
【0043】
【化13】
【0044】高純度、高収率で目的とする化合物(2) を
得るためには、副反応を抑制することが重要である。
【0045】本発明に係わる化合物(3) 、(4) 、(5) で
表される添加剤をスルホン化反応の初期段階で薄膜式ス
ルホン化装置に供給することにより、除熱が容易とな
り、スルホン化装置内における発熱が抑えられ、また、
過剰もしくは遊離の SO3を反応途中で、一旦捕捉し、混
合酸無水物(例えば、R1COOSO3H 等) 又はSO3 とのその
錯体を形成するため、かような副反応を抑制し、かつ、
この酸無水物又はその錯体がスルホン化能もしくは硫酸
化能を有するために主反応そのものは阻害しない。その
結果、目的とするパラ体及びオルト体のアシルオキシベ
ンゼンスルホン酸又はその塩が、アシルオキシベンゼン
に対し約95%以上の転化率で得られる。本発明におい
て、スルホン化反応の初期段階で添加される一般式(3)
、(4) 、(5) で表される添加剤の総量は、化合物(1)
に対し5〜 100モル%である。この添加剤の総量が化合
物(1) に対し5モル%未満であると、除熱効果、 SO3
捉効果が少なく、色相の悪化、副生物が増加するため好
ましくない。また添加剤の総量が、化合物(1) に対し 1
00モル%を越えると製品中の純度を低下させたり、中和
物の粉末物性を悪化させるため好ましくない。
【0046】本発明においては、化合物(3) 、(4) 及び
(5) から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をスルホ
ン化反応の初期段階で添加することにより、高収率、高
選択性、更に色相良好にかつ廉価に化合物(2) を製造す
ることができるが、更に、原料化合物(1) に、予め化合
物(3) 、(4) 、(5) 及び(6) から選ばれる少なくとも1
種以上の添加剤を添加しておくことにより、化合物(3)
、(4) 及び(5) については反応と同時に更に SO3を捕
捉することにより、また、化合物に(6) については混合
酸無水物から SO3奪回することによる副生物の抑制によ
り、更に高品質のアシルオキシベンゼンスルホン酸又は
その塩が得られる。特に、原料化合物(1)に添加する添
加剤は、化合物(6) と、化合物(3) 、(4) 及び(5) の群
から選ばれる少なくとも1種以上とを組み合わせること
により、効果的に副生物を抑制できる。原料の化合物
(1) に、予め添加剤を添加する場合、その添加量は合計
で 2.5〜50モル%(対化合物(1) )とすることにより、
更に高品質の化合物(2) を製造できる。この場合、添加
剤の総量が化合物(1) に対し 2.5モル%未満だと副反応
が十分抑制できず、化合物(1) に対し50モル%を越える
と必要以上に SO3を捕捉したり、添加剤とSO3 が反応し
たりするため好ましくない。また、熟成時間が長時間必
要であったり、過剰の SO3が必要なため好ましくない。
ここで、化合物(6) をスルホン化反応の初期段階で添加
しない理由は、フェノール等水酸基を有するものは、 S
O3捕捉能が強すぎ、また自らが容易に SO3と実質上不可
逆的に反応するため、添加するフェノール等の量を考え
て SO3を増加しておく必要がある。その分の SO3を増し
て反応し、フェノール等をスルホン化反応の初期段階で
添加すると、実質的に SO3とアシルオキシベンゼンの反
応時にはSO3過剰となってしまうからである。
【0047】本発明において、添加剤を原料とスルホン
化反応の初期段階との両方に添加する場合、添加剤の総
量が少ない場合は除熱効果や SO3捕捉能が低下し、多い
場合は製品中の純度を低下させたり、中和物の粉末物性
を悪化させるため、添加剤の量は合計で化合物(1) に対
し10〜 100モル%が好ましい。
【0048】かくして薄膜式スルホン化装置で化合物
(1) と SO3でスルホン化を行う際に、化合物(3) 、(4)
、(5) から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をス
ルホン化反応の初期段階でスルホン化装置に供給するこ
とで除熱が容易となり、また、添加剤が SO3を捕捉する
ことにより SO3由来の副反応が抑制され、色相の良い副
生物の少ない、スルホン化物(2) を効率的に製造でき
る。
【0049】更に、原料化合物(1) に、予め化合物(3)
、(4) 、(5) 及び(6) から選ばれる少なくとも1種以
上の添加剤、好ましくは化合物(6) と、化合物(3) 、
(4) 及び(5) の1種以上とを組み合わせた添加剤を添加
してスルホン化反応に供することにより、更に副反応が
抑制され、高収率でしかも色相も良好で副生物の少な
い、スルホン化物(2) が効率的に製造できる。
【0050】以上の反応を行った後、必要に応じ、アル
カリ剤で中和し、一般式(2-1)
【0051】
【化14】
【0052】(式中、R1,R2及びnは前記の意味を示
し、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニウム、置換アンモニウムもしくは4級アンモニ
ウムを示す。)で表されるアシルオキシベンゼンスルホ
ン酸又はその塩を製造することができる。なお、アルカ
リ剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、置換アンモニウムもしくは4級アンモニウム
の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩もしくは
ハロゲン化物や、アンモニア、置換アミン等、例えばNa
OH, KOH, LiOH, Mg(OH)2, Ca(OH)2, NH4OH, Na2CO3, K2
CO3, NaHCO3 、トリエタノールアミン、テトラメチルア
ンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウム
クロライド等が用いられ、好ましくはNaOH, KOH の水又
はアルコール性の溶液もしくはスラリーを使用すること
ができる。更に、アシルオキシベンゼンスルホン酸塩と
して最も高い水溶性を示すNa塩を与えるNaOH水溶液又は
スラリーを使用するのが、最も好ましい。
【0053】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に用いられる流下
式の薄膜式スルホン化装置(単一管式)の略図である。
図1中、1は円筒形反応管であり、冷却水を供給するジ
ャケット(図示せず)を具備している。また、図1中、
2はガス導入手段、3は原料の供給手段、4は添加剤の
供給手段、5はサイクロンである。原料化合物(1) は定
量ポンプ(図示せず)により液状で供給手段3に供給さ
れ、徐々に内部に蓄積し注入口3'からオーバーフローし
て壁面を伝って円筒内を流下し薄膜化される。またガス
導入手段2からSO3 と空気の混合ガスが供給され、壁面
を流下している薄膜化された化合物(1) と接触し、化合
物(1) のスルホン化が進行する。添加剤供給手段4も原
料供給手段3と同様に液状の添加剤がポンプで供給さ
れ、内部に蓄積した後、注入口4'からオーバーフローし
て壁面を伝って薄膜化される。添加剤供給手段4は、ス
ルホン化反応の初期段階、即ち前記したように化合物
(1) のスルホン化率が60%以下となっている箇所に設置
する。ここで添加剤供給手段(4) に供給される添加剤
は、前記した化合物(3) 、(4) 及び(5) から選ばれる1
種以上であり、前記した割合で供給される。また原料化
合物(1) に添加剤(3) 、(4) 、(5)及び(6) から
選ばれる1種以上を予め添加して原料供給手段3から供
給してもよい。化合物(1) のスルホン化物はサイクロン
5で回収され、更に適当な温度で加熱して熟成を行い、
反応を完結して目的物である化合物(2) を得る。その
後、必要に応じて、NaOH水溶液等のアルカリ剤で中和し
てスルホン化物(2) の塩を得ることができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。な
お、例中の%は特記しない限り重量基準である。
【0055】スルホン化物の分析及び中和物の純度測定
は以下の条件で行った。 (1) スルホン化物分析条件 スルホン化物分析は液体クロマトグラフィーにより、以
下のカラム、溶離液および検出器を用いて行った。 カラム:メルク リクロスファー 100 RP−18(5μ
m), 250mm×4mmφ 溶離液:以下のA液,B液を用いるグラジェント法 A液:0.1M NaClO4 in CH3CN/水=15/85(vol/vol) B液:CH3CN 100 % 検出器:UV 260nm (2) 中和物の純度測定条件 中和物の純度は液体クロマトグラフィーにより、スルホ
ン化物の分析と同じ条件で測定した。
【0056】実施例1 ラウリン酸フェニル(フェニルエステル純度99.0%)を
3.91kg/時(14.0モル/時)で定量ポンプを用いて図1
に示すような連続薄膜式反応器(内径14mmφ、長さ 7.5
m)に導入した。更に連続薄膜式反応器に空気で希釈し
た濃度 2.0容量%のSO3 を導入し、作用させた。ここで
SO3 は1.14kg/時(14.3モル/時、即ちラウリン酸フェ
ニルに対して1.02モル倍)で導入した。この時、反応器
に具備したジャケットに供給される冷却水の温度は0〜
2m部で15℃、2〜 7.5m部で30℃で行った。薄膜式反
応器の原料供給手段3の図面下方4mのところ(スルホ
ン化物の生成率47%)に添加剤供給手段4を設け、ラウ
リン酸を0.56kg/時(2.8モル/時、ラウリン酸フェニル
に対して20モル%)で供給した。薄膜式反応器より得ら
れたスルホン化物を40℃で5分、その後65℃で15分加熱
熟成することにより反応を完結させた。反応の完結は液
体クロマトグラフィーにより、熟成の経時で行い確認し
た。液体クロマトグラフィーにて定量分析した結果、p
−体及びo−体のドデカノイルオキシベンゼンスルホン
酸を97%の収率で得た。更に反応を完結させたスルホン
化物は、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH5〜7とな
るように30〜40℃に保ちつつ、連続中和を行った。この
時の中和における保持率は99%であった。得られた中和
品の色相は、目的物10%濃度溶液でAPHA 50 であっ
た。
【0057】実施例2 薄膜式反応器の添加剤供給手段4(スルホン化物の生成
率45%)により供給するラウリン酸をコハク酸イミド0.
28kg/時(2.8モル/時) にする以外は実施例1と同じ方
法でp−体及びo−体のドデカノイルオキシベンゼンス
ルホン酸を97%の収率で得た。また同様に中和を行い、
得られた中和物の色相は目的物10%濃度溶液でAPHA
50 であった。
【0058】実施例3 薄膜式反応器の添加剤供給手段4(スルホン化物の生成
率46%)により供給するラウリン酸を炭酸ジメチル0.33
kg/時(2.8モル/時) にする以外は実施例1と同じ方法
でp−体及びo−体のドデカノイルオキシベンゼンスル
ホン酸を97%の収率で得た。また同様に中和を行い、得
られた中和物の色相は目的物10%濃度溶液でAPHA 5
0 であった。
【0059】実施例4 原料のラウリン酸フェニル及びその流量3.91kg/時を、
ラウリン酸を含有させたラウリン酸フェニル(フェニル
エステル純度93%、ラウリン酸7%(対フェニルエステ
ル10.4モル%))とし、その流量を4.15kg/時にする以
外は実施例1と同じ方法でp−体及びo−体のドデカノ
イルオキシベンゼンスルホン酸を98%の収率で得た。な
お、本例でも薄膜式反応器の添加剤供給手段4を実施例
1と同様に原料供給手段の図面下方4mのところに設け
たが、その地点でのスルホン化率は38%であった。また
同様に中和を行い、得られた中和物の色相は目的物10%
濃度溶液でAPHA 30 であった。
【0060】実施例5 原料のラウリン酸フェニル及びその流量3.91kg/時を、
フェノール、ラウリン酸を含有させたラウリン酸フェニ
ル(フェニルエステル純度90.5%、フェノール3%(対
フェニルエステル 9.8モル%、ラウリン酸 6.5%(対フ
ェニルエステル9.9モル%))とし、その流量を4.27kg
/時にする以外は実施例1と同じ方法でp−体及びo−
体のドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸を99%の収
率で得た。なお、本例でも薄膜式反応器の添加剤供給手
段4を実施例1と同様に原料供給手段の図面下方4mの
ところに設けたが、その地点でのスルホン化率は45%で
あった。また同様に中和を行い、得られた中和物の色相
は目的物10%濃度溶液でAPHA 20 であった。
【0061】比較例1 薄膜式反応器の添加剤供給手段によりラウリン酸を添加
しない以外は実施例1と同じ方法でp−体及びo−体の
ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸を78%の収率で
得た。また同様に中和を行い、得られた中和物の色相は
目的物10%濃度溶液でAPHA 200であった。
【0062】比較例2 薄膜式反応器の添加剤供給手段4を、原料供給手段3の
図面下方7mのところ(スルホン化率70%)に設ける以
外は実施例1と同じ方法でp−体及びo−体のドデカノ
イルオキシベンゼンスルホン酸を85%の収率で得た。ま
た同様に中和を行い、得られた中和物の色相は目的物10
%濃度溶液でAPHA 200であった。
【0063】上記実施例1〜5及び比較例1〜2の添加
剤の添加時期、スルホン化物の収率、中和物の色相、副
生成物の割合を表1にまとめた。
【0064】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる薄膜式スルホン化装置の一
例を示す略図
【符号の説明】
1 円筒形反応管 2 ガス導入手段 3 原料供給手段 3' 原料注入口 4 添加剤供給手段 4' 添加剤注入口 5 サイクロン
フロントページの続き (72)発明者 貴田 清文 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 今村 裕 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、 R1:総炭素数1〜35の、ハロゲンで置換されていてもよ
    く、又、エステル基、エーテル基、アミド基或いはフェ
    ニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐のアルキ
    ル基又はアルケニル基、或いはフェニル基を示す。 R2:炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、メトキ
    シ基又はエトキシ基を示す。 n:0〜2の数で、n=2の場合は、2つのR2は同じで
    あっても異なっていてもよい。)で表されるアシルオキ
    シベンゼン(1) を、 SO3を用い薄膜式スルホン化装置を
    使用してスルホン化し、一般式(2) 【化2】 (式中、R1,R2及びnは前記の意味を示す。)で表され
    るアシルオキシベンゼンスルホン酸を製造するに際し、
    一般式(3) 【化3】 (式中、 R:H 又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。 R4:総炭素数2〜35の、ハロゲン、スルホン酸基、カル
    ボキシル基、水酸基又はフェニル基で任意に置換されて
    いてもよく、又、エステル基、エーテル基、アミド基或
    いはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐
    のアルキル基又はアルケニル基、もしくは無置換又はカ
    ルボキシル基或いはアルキル基で置換されていてもよい
    フェニル基を示す。)で表されるカルボン酸又はそのエ
    ステル(3) 、分子内に一般式(4) 【化4】 (式中、 X:酸素原子あるいは硫黄原子を示す。)で表
    される官能基あるいは結合を有するアミド等化合物(4)
    、一般式(5) 【化5】 で表される官能基を有する炭酸エステル化合物(5) から
    選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を、総量で前記化
    合物(1) に対して5〜100 モル%、スルホン化反応の初
    期段階で供給することを特徴とする前記アシルオキシベ
    ンゼンスルホン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 原料化合物(1) に、予め化合物(3) 、
    (4) 、(5) 及び水酸基を有するヒドロキシル化合物(6)
    から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を2.5〜50モ
    ル%(対化合物(1) )添加する請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 原料化合物(1) に添加される添加剤とス
    ルホン化反応の初期段階で添加される添加剤の合計が、
    化合物(1) に対し10〜 100モル%である請求項2記載の
    製造法。
  4. 【請求項4】 原料化合物(1) に添加する添加剤が、化
    合物(6) と、化合物(3) 、(4) 及び(5) から選ばれる少
    なくとも1種以上の組み合わせである請求項2又は3記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】 添加剤が、一般式(3) で表される化合物
    であり、一般式(3)中のR3がH 、R4が一般式(1) で表さ
    れるアシルオキシベンゼン中のR1に等しい基を持ったカ
    ルボン酸である請求項1〜4のいずれかに記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】 添加剤(6) が、一般式(7) 又は(8) 【化6】 (各式中、 R2:炭素数1〜4の直鎖又は分岐の低級アルキル基、あ
    るいはメトキシ基、エトキシ基を示す。 n:0〜2の整数を示し、n=2の場合は、2つのR2
    同じであっても異なっていてもよい。 M:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
    モニウム、置換アンモニウムもしくは4級アンモニウム
    を示す。)で表されるフェノールあるいは置換フェノー
    ルである請求項2〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 【請求項7】 一般式(1) 中のR1及び一般式(3) 中のR4
    が炭素数11のアルキル基、一般式(1) 中のnが0、一般
    式(3) 中のR3がH 、一般式(6) がフェノールである請求
    項2〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 【請求項8】 スルホン化反応の初期段階におけるスル
    ホン化物の生成率が60%以下である請求項1〜7のいず
    れかに記載の製造法。
JP20355095A 1995-08-09 1995-08-09 アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法 Pending JPH0952875A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512772A (ja) * 2005-10-28 2009-03-26 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー エステル化置換ベンゼンスルホネートを含有する組成物

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JP2009512772A (ja) * 2005-10-28 2009-03-26 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー エステル化置換ベンゼンスルホネートを含有する組成物

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