JPH09510112A - 滑り止め靴ひもおよびその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 滑り止め靴ひも（１０，２０）およびその製造法。滑り止め靴ひも（１０，２０）は、従来の摩擦係数を有するストランド（１２，２４）と少なくとも１本の高摩擦係数を有するストランド（１６，２２）とを織り合わせることにより提供され、ここで該高摩擦性ストランド（１６，２２）は、滑り止め靴ひも（１０，２０）の外側周辺を越えて延び出さない。高摩擦性ストランド（１６，２２）は、慣用のストランド（１２，２４）に樹脂又はゴムのような摩擦増進物質を含浸させるか、ゴム又は軟質プラスチックのような材料から作られた単一のストランド（１６，２２）を用いるか、又は外側表面に溝又は鋸歯（３２）を形成したストランド（３０）を用いることによって製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】 滑り止め靴ひもおよびその製造法技術分野 本発明は、滑り止め靴ひもおよびその製造法に関する。従来技術 ここに提示する発明以前に、滑り止め靴ひもが考案されている。スタップレト ン（Ｓｔａｐｌｅｔｏｎ）による米国特許第２,４７７,１５１号には、細長く、 比較的幅広くそして比較的曲がり易い編んだ平らなひも本体部分から成る靴ひも が開示され、ここで該本体部分の中心を通って前と裏とに編んだ比較的曲がりに くいストランドが通され、該本体部分の面上にあるこれらの部分は、該本体部分 の面上に、縦方向に間隔をおいて浮彫りされた、交互に配置されたリブを与える 。編んだストランドは、ある種のラテックスおよび／又は樹脂を含浸させて、堅 くしそして高摩擦特性を与えるのが好ましいと言われている。スタップレトンの ひもの高摩擦性ストランドは、本体部材が織られた後に、平らな本体部材を貫通 するようにして巻きつけられる。この構成方法は製造工程で余分の工程を必要と するだけでなく、仕上った靴ひもにでこぼこのある不規則な外観を与える結果と なる。 また、当該技術においてローリン（Ｌａｕｒｉｎ）による米国特許第４,９３ ０,１９６号も知られている。この特許は通常のひもを有する滑り止め靴ひもを 開示しているが、その外側表面は着色ゴム材料の線を別の工程でスプレーして、 滑り止め性を高めている。発明の開示 本発明の目的は、編み込み（ｂｒａｉｄｉｎｇ）、織りあわせ（ｗｅａｖｉｎ ｇ）、ニッティング（ｋｎｉｔｔｉｎｇ）、又はその他の慣用の織り合わせ（ｉ ｎｔｅｒｌａｃｉｎｇ）方法によって容易に製造することができるが、結んだと きに湾曲部で解けるのを防止する高い摩擦特性を有する、滑り止め靴ひもを提供 することである。本発明の別の目的は、滑り止め靴ひもを製造するための経済的 且つ効率的な方法を提供することである。 本発明の第１の側面によると、複数個の織り合わされたストランドを有し、下 記を特徴とする滑り止め靴ひもが提供される： 従来の、即ち綿、ポリエステル又はナイロンのような材料の、複数本の未処理 ストランド；および 上記の複数本の未処理ストランドよりも高い摩擦係数を有する、少なくとも１ 本の高摩擦性ストランド、 から成り、該未処理ストランドと少なくとも１本の該高摩擦性ストランドとは織 り合わされて、上記の滑り止め靴ひもを与える。 本発明の第２の側面は、下記の工程を特徴とする、滑り止め靴ひもの製造法で ある： 複数本の従来の材料の、即ち未処理の、ストランドを準備し； 上記の従来のストランドよりも大きい摩擦係数を有するストランドを少なくと も１本準備し；そして 該従来のストランドと少なくとも１本の該高摩擦性ストランドとを、少なくと も１本の該高摩擦性ストランドが滑り止め靴ひもの外側周辺を越えて延び出さな いように織り合わせる。図面の簡単な説明 本発明を、図面を参照して更に詳細に以下に記述する。 第１図は、本発明の第１態様の滑り止め靴ひもの部分上部平面図である。 第２図は、第１図の２−２を通る靴ひもの断面図である。 第３図は、第１図の靴ひもの部分斜視図である。 第４図は、本発明の第２の態様の滑り止め靴ひもの部分的図面である。 第５図は、第４図の５−５を通る靴ひもの断面図である。 第６図は、高摩擦性靴ひもを編むのに使用することができるストランドの第３ の態様の側面図である。 第７図は、第６図の６−６を通る処理済みひもストランドの断面図である。 第８図は、第１図の靴ひもを製造するための製造法を示す略図である。発明を実施するための最良の態様 第１図には、織り合わせにより作られた第１の態様の滑り止め靴ひもの部分上 部平面図が描かれている。靴ひも１０は、複数本の編んだたて糸ストランド１２ と、該たて糸ストランド１２を束ねるよこ糸ストランド１４とを有する。１本又 はそれ以上の高摩擦性ストランド１６が、織り合わせ工程中にたて糸ストランド １２の間に直接織られている。これらの高摩擦性ストランド１６は、たて糸スト ランド１２又はよこ糸ストランド１４よりも大きい摩擦係数を有する。たて糸ス トランド１２およびよこ糸ストランド１４は綿、ナイロン、又はポリエステル繊 維から成るのが好ましいが、その他のどのような従来の天然又は合成の繊維材料 も使用できる。或いは、よこ糸ストランド１４が高摩擦性ストランドであっても よく、追加の高摩擦性たて糸ストランド１６を従来のたて糸ストランド１２の間 に織りあわせても、或いは織りあわさなくてもよい。 第２図は、第１図の靴ひもの線２−２を通る断面図を示し、そして第３図は、 第１図の靴ひもの斜視図である。 第４図は、滑り止め靴ひも２０の第２の編んだ態様を描いたものである。高摩 擦性ストランド２２が、通常の摩擦係数を有する従来のストランド２４の間に編 み込まれている。第５図は第４図の断面図で、中空の靴ひもを示し、ここで高摩 擦性ストランド２２は従来のストランド２４の間に編み込まれている。織りあわ せおよび編み込みによる靴ひもの形成に加えて、靴ひもはニッティング工程によ って形成することができ、かかるニッティングは、２本又はそれ以上の高摩擦性 ストランドで２本又はそれ以上の従来のストランドを置き換える以外は、従来の 靴ひも編み機で行われる。個々のストランドを織り合わせるのにどのストランド 織り合わせ方法を用いたかにかかわらず、その方法が織りあわせ（ｗｅａｖｉｎ ｇ）、編み込み（ｂｒａｉｄｉｎｇ）、又はニッティング（ｋｎｉｔｔｉｎｇ） のいずれによるにしても、得られる靴ひもは従来の靴ひもよりも、湾曲部で不注 意により解けるのに対して、より大きい抵抗性を有するであろう。 従来のストランド１２又は２４を用いる場合、高摩擦性ストランド１６又は２ ２は綿、ポリエステル、又はナイロンの繊維のストランドから出発することがで きる。これらのストランドを次に軟らかい、高摩擦性ゴム又はプラスチック化合 物又はロウ状物質で被覆又は含浸して、これらのストランドに滑り止め特性を付 与する。 高摩擦性ストランド１６又は２２はまた、未処理のストランドに樹脂材料を被 覆するか又は含浸させ、そして次に樹脂材料処理ストランドを、必要に応じて空 気乾燥、加熱灯乾燥、紫外光露光等（図示されていない）のような慣用法により 硬化させることによっても製造できる。その後、これらの永久的粘着性を有する 硬化ストランドを粘着性の慣用のストランドと織り合わせて、所望の粘着性ひも にする。 軟質のゴム、プラスチック又は樹脂化合物を被覆するか又は含浸させることに よる摩擦増進処理に加えて、ストランド３０を、個々のひもストランドの表面に 鋸歯又は溝３２を切り込み又は押す処理をして、第６および７図に示すような靴 ひもを生じさせることができる。これから織られたひもは、未処理ストランドか ら構成したひもと比べて、高い摩擦特性を有するであろう。ポリエステル又はナ イロンのような合成材料で作られたストランドの場合、処理ストランド３０は、 ストランド３０に溝３２を与える押出法又はその他の公知の方法によって製造す ることができる。 或いは、高摩擦性ストランド１６又は２２は、ゴム化合物、プラスチック化合 物又はその他の、高摩擦性、粘着性、又はゴム状の、滑り抵抗組織を有する材料 であって、高摩擦性ストランド１６又は２２を混入した靴ひも１０又は２０が一 旦湾曲部で結び合わされると、該ひも中の高摩擦性ストランドと慣用のストラン ドおよび他の高摩擦性ストランドとが接触するために滑らずそして解けないよう な材料から大部分又は独占的に製造することができる。 いずれかの方法によって製造された高摩擦性ストランドを混入した靴ひも１０ 又は２０は従来の靴ひもよりも大きい摩擦係数を有し、従って湾曲部においてひ もが不注意で解けるのを最少にする。 得られたひも１０又は２０が有する従来のひもより優れた主な利点は、高摩擦 性ストランド１６又は２２を、製造工程中に慣用のストランド１２および２４の 間に直接織り合わせて、単一厚さ又は単一層の材料、即ち一つより（ｓｉｎｇｌ ｅ ｐｌｙ）、を形成することであって、米国特許第２,４７７,１５１号のひも におけるように、いくつかの工程でストランドをひもの本体に通して巻きつける のではないことである。これは第３および第４図に最もよく示されている。本発 明のひも構成法はひもの外観および形状、例えば断面が円、半円又は矩形、を変 更せず、そして製造コストを目につくほど増大させない。 第１〜３図のひもを織る方法は第８図に図式的に示される。高摩擦性ひも１０ の製造工程中、少なくとも１本、好ましくは２本以上の高摩擦性ストランド１６ は、織り機２８上のスプール２６からたて糸ストランド１６が供給されるのと同 じようにして、スプール２６からのたて糸ストランド１２の間に直接織りあわせ られる。従って、高摩擦性ストランド１６を一体化する方法は織りあわせ工程に 追加の段階を導入しない。 第４および第５図に描かれた編みひもは、図示されていない標準的な靴ひも編 み機で製造できる。滑り止め靴ひものニット変形物もまた、慣用のニッティング 機で形成できる。第６および第７図の処理ひもストランドは、同様に他の処理済 又は未処理のストランドを用いて織り合わせることができる。 これらの方法のいずれも、高められた摩擦性を有する耐久性靴ひもを生成し、 靴ひもが不注意で解けるのを防止するが、従来の靴ひもと同様の外観を有するで あろう。 本発明のある種の特徴を取り出しそして描くために、図面は実際の寸法としな かったことに心に留められたい。 図面および前記の記載は、構成の詳細および操作方法の詳細に関して本発明の 唯一の形体を表わすためのものではない。実際、当業者には、本発明の精神およ び範囲から離脱しないで変更および修正を加えることができることは明白であろ う。特別の用語を用いたが、それらは一般的および記述的意味のもので、限定の ためのものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲に記載されている。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年８月２１日 【補正内容】 補正された請求の範囲 １．複数個の織り合わされたストランドを有し、下記を特徴とする、滑り止め靴 ひも： 複数本の未処理ストランド；および 上記の未処理ストランドよりも高い摩擦係数を有するように処理された少なく とも１本のストランド、 から成り、該未処理ストランドと少なくとも１本の該高摩擦性ストランドとは織 り合わせ工程中に織り合わされて、一つよりの滑り止め靴ひもを与える。 ２．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドは、摩擦増進物質を含浸された 未処理ストランドから成る、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ３．上記の摩擦増進物質が天然ラテックスゴム、合成ゴムおよびプラスチックか ら成る群から選ばれる、請求の範囲第２項記載の滑り止め靴ひも。 ４．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドが、摩擦増進樹脂状物質を含浸 された未処理ストランドである、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ５．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドが該滑り止め靴ひもの周辺を越 えて外側に延び出ていない、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ６．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドが上記未処理ストランドと、織 り合わせ、編み込み又はニッティングによって織り合わされている、請求の範囲 第１項記載の滑り止め靴ひも。 ７．上記の未処理ストランドが綿、ナイロンおよびポリエステルのような従来の ストランド材料から作られる、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ８．よこ糸ストランドと複数本のたて糸ストランドとを有し、該たて糸ストラン ドは、未処理ストランドと少なくとも１本の処理ストランドとを含む、請求の範 囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ９．よこ糸ストランドと複数本のたて糸ストランドを有し、該よこ糸ストランド は少なくとも１本の処理ストランドを含みそして該たて糸ストランドは未処理ス トランドを含む、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 １０．上記のよこ糸ストランドが未処理ストランドを含みそして該靴ひもの該た て糸ストランドが少なくとも１本の処理ストランドと該未処理ストランドとを含 む、請求の範囲第９項記載の滑り止め靴ひも。 １１．よこ糸ストランドと複数本のたて糸ストランドとを有し、該よこ糸ストラ ンドは処理ストランドを含みそして該たて糸ストランドは処理ストランドと未処 理ストランドとを含む、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 １２．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドがその外側表面に溝又は鋸歯 を形成されて、摩擦特性が高められている、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴 ひも。 １３．上記の溝又は鋸歯をストランドの外側表面に切り込み又は押して形成する 、請求の範囲第１２項記載の滑り止め靴ひも。 １４．上記のストランド材料が合成材料である、請求の範囲第１２項記載の滑り 止め靴ひも。 １５．下記の工程を特徴とする、滑り止め靴ひもの製造法： 複数本の未処理のストランドを準備し； 該未処理のストランドよりも大きい摩擦係数を有するストランドを少なくとも １本準備し；そして 該未処理のストランドと少なくとも１本の該高摩擦性ストランドとを、少なく とも１本の該高摩擦性ストランドが該滑り止め靴ひもの外側周辺を越えて延び出 さないように、織り合わせ工程中に直接織り合わせる。 １６．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドを得る工程が、 未処理ストランドを得；そして 該未処理ストランドを摩擦増進物質で処理する、 工程を含む、請求の範囲第１５項記載の滑り止め靴ひもの製造法。 １７．上記の摩擦増進物質が樹脂状物質、天然ラテックスゴム、合成ゴムおよび 軟質プラスチックから成る群から選ばれる、請求の範囲第１５項記載の滑り止め 靴ひもの製造法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．複数個の織り合わされたストランドを有し、下記を特徴とする、滑り止め靴 ひも： 複数本の未処理ストランド；および 上記の複数本の未処理ストランドよりも高い摩擦係数を有するように処理され た少なくとも１本のストランド、 から成り、該未処理ストランドと少なくとも１本の該高摩擦性ストランドとは織 り合わされて、一つよりの滑り止め靴ひもを与える。 ２．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドは、摩擦増進物質を含浸された 未処理ストランドから成る、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ３．上記の摩擦増進物質が天然ラテックスゴム、合成ゴムおよびプラスチックか ら成る群から選ばれる、請求の範囲第２項記載の滑り止め靴ひも。 ４．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドが、摩擦増進樹脂状物質を含浸 された未処理ストランドである、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ５．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドが滑り止め靴ひもの周辺を越え て外側に延び出ていない、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ６．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドが上記未処理ストランドと、織 り合わせ、編み込み又はニッティングによって織り合わされている、請求の範囲 第１項記載の滑り止め靴ひも。 ７．上記の未処理ストランドが綿、ナイロンおよびポリエステルのような従来の ストランド材料から作られる、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ８．よこ糸ストランドと複数本のたて糸ストランドとを有し、該たて糸ストラン ドは、未処理ストランドと少なくとも１本の処理ストランドとを含む、請求の範 囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 ９．よこ糸ストランドと複数本のたて糸ストランドを有し、該よこ糸ストランド は少なくとも１本の処理ストランドを含みそして該たて糸ストランドは未処理ス トランドを含む、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 １０．上記のよこ糸ストランドが未処理ストランドを含みそして該靴ひもの該た て糸ストランドが少なくとも１本の処理ストランドと該未処理ストランドとを含 む、請求の範囲第９項記載の滑り止め靴ひも。 １１．よこ糸ストランドと複数本のたて糸ストランドとを有し、該よこ糸ストラ ンドは処理ストランドを含みそして該たて糸ストランドは処理ストランドと未処 理ストランドとを含む、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴ひも。 １２．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドがその外側表面に溝又は鋸歯 を形成されて、摩擦特性が高められている、請求の範囲第１項記載の滑り止め靴 ひも。 １３．上記の溝又は鋸歯をストランドの外側表面に切り込み又は押して形成する 、請求の範囲第１２項記載の滑り止め靴ひも。 １４．上記のストランド材料が合成材料である、請求の範囲第１２項記載の滑り 止め靴ひも。 １５．下記の工程を特徴とする、滑り止め靴ひもの製造法： 複数本の未処理のストランドを準備し； 該未処理のストランドよりも大きい摩擦係数を有するストランドを少なくとも １本準備し；そして 該未処理のストランドと少なくとも１本の該高摩擦性ストランドとを、少なく とも１本の該高摩擦性ストランドが該滑り止め靴ひもの外側周辺を越えて延び出 さないように織り合わせる。 １６．上記の少なくとも１本の高摩擦性ストランドを得る工程が、 未処理ストランドを得；そして 該未処理ストランドを摩擦増進物質で処理する、 工程を含む、請求の範囲第１５項記載の滑り止め靴ひもの製造法。 １７．上記の摩擦増進物質が樹脂状物質、天然ラテックスゴム、合成ゴムおよび 軟質プラスチックから成る群から選ばれる、請求の範囲第１５項記載の滑り止め 靴ひもの製造法。