JPH09509179A - 2−ヘテロアリール−5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド[3,2−b:2’,3’−e][1,4]ジアゼピン類及びHIV感染の予防又は処置におけるそれらの使用 - Google Patents

2−ヘテロアリール−5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド[3,2−b:2’,3’−e][1,4]ジアゼピン類及びHIV感染の予防又は処置におけるそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 新規2-ヘテロアリール-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン類を開示する。これらは、HIV感染の予防及び処置に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】2-ヘテロアリール-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン 類及びHIV感染の予防又は処置におけるそれらの使用 発明の技術分野 本発明は、新規2-ヘテロアリール-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e ][1,4]-ジアゼピン類及びそれらの医薬的に許容される塩、これらの化合物群の 製造方法、これらの化合物を、HIV感染の予防又は処置におけるこれらの化合 物単独の使用又は他の抗ウイルス剤、免疫モジュレーター、抗生物質、抗感染剤 又はワクチンと組み合わせてのこれらの化合物の使用、及びこれらの化合物を含 有する医薬組成物に関するものである。発明の背景 ヒトの疾病、後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス( HIV)、特にHIV−1として公知の菌株により、引き起こされる。 他のウイルスのように、HIV−1が感染する宿主細胞の生合成器官を用いず に、HIV−1は複製できない。それにより、この器官はウイルスの子孫を生成 する構造タンパク質を生成するようになる。これらのタンパク質は、感染性のウ イルス粒子、すなわちヴィリオン内に含まれる遺伝物質によりコード化される。 しかしながら、レトロウイルスであるHIVの遺伝物質はRNAであって、宿主 細胞のゲノムのようにDNAではない。また、宿主細胞が必要なウイルスのタン パク質を生成するために、ウイルスRNAは、まず、DNAに変換され、次に宿 主細胞のゲノムに吸収されなくてはならない。RNAからDNAへの変換は、R NAと共に感染性ヴィリオン内に含まれる酵素、逆転写酵素(RT)を使用する ことにより行われる。逆転写酵素は、公知の3つの酵素機能を有している;RN A依存DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ、及びDNA依存DNAポリメラ ーゼとして作用する。まず、RNA依存DNAポリメラーゼとして作用し、RT はウイルスRNAの一本鎖DNAのコピーを作製する。リボヌクレアーゼとして 作用し、RTは元のウイルスRNAから作製されたばかりのDNAを分離し、 元のRNAを破壊する。最後に、DNA依存DNAポリメラーゼとして作用し、 RTは、最初のDNA鎖を鋳型として用い、第二の相補的DNA鎖を作製する。 二本鎖DNAからの2つの鎖は、インテグラーゼと称される別の酵素により宿主 細胞のゲノムに統合される。 HIV−1逆転写酵素の酵素機能を抑制する化合物は、感染した細胞中におけ るHIV−1の複製を抑制する。 HIV−1逆転写酵素の酵素機能を抑制する多数の化合物が知られている。公 知のHIV−1RT抑制剤の一つの分類として、ヌクレオシド類縁体である。こ の分類として、3'- アジド-3'-デオキシキミジン(AZT)、2',3'-ジデオキシ イノシン(ddI)、及び2',3'-ジデオキシ- シチジン(ddC)が挙げられる 。別の分類として、非ヌクレオシド類縁体である。この分類として、中でも、11 -シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-4-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジ アゼピン-6- オンであるネビラピン(nevirapine)が挙げられる。ネビラピン及び その他特に適切な非ヌクレオシド類の化合物は、米国特許第5.366,972号明細書 及びハーグレーブ(Hargrave)ら、“HIV−1逆転写酵素の新規非ヌクレオシド 抑制剤.1.三環ピリドベンゾ−及びジピリドジアゼピノン類(Non-Nucleosi-de Inhibitors of HIV-1 Reverse Transcriptase.1.Tricyclic Pyridobenzo- an d Dipyridodiazepinones)”,J.Med.Chem,34,2231(1991)に記載されている。発明の目的 あらゆる抗ウイルス治療のように、HIV−1感染の処置においてRT抑制剤 を使用することにより、投与された薬剤への感受性がより低いウイルスを作製す る傾向を示す。これらの薬剤に対する耐性(減少した感受性)は、pol遺伝子 の逆転写酵素セグメントに発生する突然変異の結果である。 本発明の目的は、HIV−1の突然変異株に対して、この分類の公知の化合物 よりも効力のある、改質した、非ヌクレオシドHIV−1RT抑制剤を提供する ことにある。 本発明の化合物は、野生(非突然変異)ウイルスRT酵素に対して高い効力を 有するだけでなく、RT抑制剤で処置された患者に観察される、多くの突然変異 ウイルスの逆転写酵素に対して効果的であるという点で、この目的を満足する。 特に、本発明の化合物は、多数の非ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤による臨床研 究、続いて治療において、最も普通に観察される変異株である、Y181C変異 株〔そこでコドン181のチロシン(Y)がシステイン(C)残基に変異する〕 を抑制するのに効果的である。該化合物はまた、Y188L、K103N、V1 06A、G190A、Y188C、又はP236Lのような一点変異を含む、他 の観察される変異酵素に対して効果的である。発明の概要 本発明の第一の態様は、新規2−ヘテロアリール−ジピリドジアゼピン類を含 む。これらの化合物は、野生株及び変異HIV−1RTの両方に対して抑制活性 を有する。本発明の第二の態様は、これらの新規化合物群の製造方法を含む。本 発明の第三の態様は、HIV−1に感染したヒト宿主におけるHIV−1複製の 抑制方法である。本発明の第四の態様は、HIV−1に曝露又は感染したヒトに 、予防又は治療上有効量の上記の新規化合物群の一つを、単独で又は他の抗ウイ ルス用薬剤、免疫モジュレーター、抗性物質、抗感染剤又はワクチンと組合わせ て投与することを含む、HIV−1感染を予防又は処置するための方法である。 本発明の最後の態様は、上記の化合物群を含有するHIV−1感染の予防又は処 置に適した医薬組成物を含む。発明の詳細な説明 本発明の組成物の態様の一つにおいて、本発明は、式1の化合物である2-ヘテ ロアリール-5,11-ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン類を含 む。 (式中、Zは、酸素又はイオウ原子、=NCN又は式=NOR10の基である(式 中、R10は炭素原子数1から3のアルキルである); R1は、水素原子、炭素原子数1がら3のアルキル、炭素原子数1から3及び フッ素原子数1から3のフルオロアルキル、シクロプロピル、アリル、プロパル ギル、2−ハロ−2−プロペン−1−イル、モノ−又はジハロビニル、炭素原子 数2から3のアルカノイル又はアルキル(チオカルボニル)、炭素原子数1から 2のアルキルスルホニル、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル(式中、ア ルキル基は炭素原子を1から2含む)、アミノエチル、モノ−又はジアルキルア ミノエチル(式中、アルキル基は炭素原子を1から2含む)、炭素原子数2から 3のアルキルオキシアルキル又はアルキルチオアルキル、又はシアノアルキル( 式中、アルキル基は炭素原子を1から2含む)である; R2は、水素原子、炭素原子数1から4のアルキル、炭素原子数1から4及び フッ素原子数1から3のフルオロアルキル、炭素原子数3から6のシクロアルキ ル、オキセタニル(oxetanyl)、チエタニル(thietanyl)、テトラヒドロフラニル 、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、 炭素原子数3から4のアルケニルメチル又はアルキニルメチル、炭素原子数2か ら3のアルキルオキシアルキル又はアルキルチオアルキル、炭素原子数2から5 のアルカノイル又はアルキル(チオカルボニル)、又は炭素原子数2から3のシ アノアルキルである; R3は水素原子、メチル又はハロゲン原子である; R4は水素原子、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシメチル又はアミノメチルで ある;及び、 Arは式I、II、III、IV又はVの基であり、 式中、R5は、水素、メチル、エチル、アセチル、アミノカルボニル、(N− アルキル)アミノカルボニル、又は(N,N−ジアルキル)アミノカルボニル( 式中、アルキル基はそれぞれ炭素原子を1から2含む)である; R6、R7及びR8は、それぞれ水素である;又は、 R6、R7及びR8の一つは、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ エチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、アセチル、メトキシカルボニル、エト キシカルボニル、カルボキシ、モノ−又はジメチルアミノスルホニル、アミノス ルホニル、モノ−又はジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニル、メチル− 又はエチルスルフィニル、,メチル−又はエチルスルホニル、シアノ、又はニト ロであり、かつ残り2つの置換基は両方とも水素である; A、B、D及びEはそれぞれメチン基であり、そのうち一つがR9で任意に置 換されてもよい;又は、 A、B、D及びEの一つは、窒素原子であり、かつ残りのA、B、D及びEの 3つは、それぞれメチン基であり、そのうち一つのメチン基がR9で任意に置換 されてもよい;及び、 R9は、炭素原子数1から3のアルキル又はアルキルオキシ、アミノ、モノ− 又はジメチルアミノ、ヒドロキシル、メチルスルホニルアミノ、アセチルアミノ 、 アセチルオキシ、アミノカルボニル、モノ−又はジメチルアミノカルボニル又は ハロゲンである。) 本発明の具体的な態様は、式1の化合物を含み、 Zが、酸素又はイオウ原子、又は式=NOR10の基である(式中R10はメチル 又はエチルである); R1が、水素原子、炭素原子数1から3のアルキル、又はアリルである; R2が、炭素原子数1から3のアルキル又は炭素原子数3から4のシクロアル キルである; R3が、水素原子、メチル、クロロ、又はブロモである; R4が水素原子である; Arが式I、II、III、IV又はVの基であり、 R5は、水素、メチル又はエチルである; R6、R7及びR8は、それぞれ水素である;又は、 R6、R7及びR8の一つは、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ エチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、アセチル、メトキシカルボニル、エト キシカルボニル、モノ−又はジメチルアミノスルホニル、アミノスルホニル、モ ノ−又はジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニル、メチル−又はエチルス ルフィニル、メチル−又はエチルスルホニル、シアノ、又はニトロであり、かつ 残り2つの置換基は両方とも水素である; A、B、D及びEがそれぞれメチン基であり、そのうち一つがR9で任意に置 換されてもよい;又は、 A、B、D及びEの一つが、窒素原子であり、かつA、B、D及びEのうちの 残り3つは、それぞれメチン基であり、メチン基の一つがR9で任意に置換され てもよい;及び、 R9が、炭素原子数1から3のアルキル又はアルキルオキシ、アミノ、ヒドロ キシル又はハロゲンである。 本発明の特に具体的な態様は、式1の化合物を含み、 Zが酸素又はイオウ原子である; R1がメチルである; R2が、炭素原子数2から3のアルキル又は炭素原子数3から4のシクロアル キルである; R3及びR4がそれぞれ水素原子である; Arが式I、II又はIIIの基であり、 式中、R5は水素又はメチルである; R6、R7及びR8は、それぞれ水素である;又は、 R6、R7及びR8の一つは、メチル、トリフルオロメチル、アセチル、メトキ シカルボニル、エトキシカルボニル又はシアノであり、かつ残り2つの置換基は 両方とも水素である;又は Arが式IV又はVの基であり、 式中、R5は、水素又はメチルである; R6、R7及びR8は、それぞれ水素であり、又は、R6、R7及びR8の一つはメ チルであり、かつ残り2つの置換基は両方とも水素である; A、B、D及びEがそれぞれメチン基であり、そのうち一つがR9で任意に置 換されてもよい;又は、 A、B、D及びEの一つが、窒素原子であり、かつA、B、D及びEのうちの 残り3つは、それぞれメチン基であり、そのメチン基の一つが任意にR9で置換 されてもよい;及び、 R9が、水素、炭素原子数1から3のアルキル又はアルキルオキシ、アミノ、 ヒドロキシル又はハロゲンである。 式1の好ましい化合物は、5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリ ル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン; 11- シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3 ,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン; 11- シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド [3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン;及び、 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2 ',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オンである。式1の化合物群及びそれらの塩の合成 式1の化合物群及びそれらの塩は、公知方法又はそれらの明らかな変更により 、下記の一般的な合成法に従って製造できる。この合成法により提供された一つ の代替物により、一般式2A、2B、2C又は2Dの化合物(式中、Zは、それ ぞれ酸素、イオウ、=NCN又は=NOR10である)は、アリール−アリール結 合を行い、各々に対応する2−アリール置換化合物、本発明の式1A、1B、1 C又は1Dを得る。該方法により得られた他の代替物により、一般式2Aの化合 物を式1Aの2−アリール化合物に変換し、次に、得られた化合物(式中、Zは 酸素である)を、所望のように、式1B、1C又は1Dの化合物(式中、Zは、 それぞれ、イオウ、=NCN又は=NOR10である)に変換できる。アリール− アリール結合を行うための数種の方法を下記で具体的に説明する。これらの方法 は、例えば、J.K.Stille,Angrew.Chem.,Int.Ed.Engl.,25,508(1986);A.M.Echava rren and J.K.Stille,J.Am.Chem.Soc.,109,5478(1987);V.Farina and B.Krishna n,J.Am.Chem.Soc.,113,9585(1991);及びR.F.Heck,Acc.Chem.Res.,12,146(1979) から通常、公知である。下記で具体的に説明していないが、該アリール−アリー ル結合を行うための別の一般的な方法、すなわちスズキ反応は、パラジウムベー ス触媒の存在下、アリールボロン酸(arylboronic acid)を使用しており、かつ 、例えば、N.M.Ali.A.McKillop,M.B.Mitchell,R.A.Rebelo,and P.J.Wallbank,Te trahedron,48,8117(1992)に例示されている。式2A、2B、2C及び2Dの化 合物の製造方法は、欧州特許出願第0 429 987 号公告公報及び米国特許第5,366, 972号明細書から通常知られているが、下記で詳細に説明した。同様に、下記で 説明されている、式1Aの化合物を式1B、1C及び1Dの化合物に変換する方 法は、欧州特許出願第0 429 987 号公報及び米国特許第5,366,972 号明細書に既 に教示されている方法の明らかな変形である。 方法A 式1A又は1Bの化合物 (式中、Ar及びR1〜R4は上記で定義されている)は、式2A又は2Bの化合 物 (式中、R1〜R4は上記で定義されており、R11は、例えば、クロロ、ブロモ、 ヨード又は−OSO2CF3のような解離基である)を、式3のトリブチルスズ化 合物3 (式中、Arは上記で定義されている)と共に、触媒の存在下、好ましくは、テ トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェ ニルアルシン)パラジウム(0)、テトラキス(トリ−2−フリルホスフィン) パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリ ドのようなパラジウム触媒の存在下、縮合することにより得ることができる。こ れらの反応は、通常アルゴン又は窒素の不活性雰囲気下で、かつ1,4−ジオキ サン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−ピ ロリジノン等のような不活性溶媒中で、通常、室温から溶媒の沸点の間の温度で 行われる。ある場合には、式3のトリブチルスズ化合物に対応するトリメチルス ズ化合物を使用してもよい。方法B 別の方法として、式1A又は1Bの化合物(式中、Ar及びR1〜R4は上記で 定義されている)は、式2A又は2Bの化合物(式中、R1〜R4及びR11は上記 で定義されているようである)を、式4の有機亜鉛化合物と共に縮合することに より得ることができる。 この化合物は、塩化亜鉛を式5の有機リチウム化合物 (式中、Arは上記で定義されている)に添加することにより得られる。これら の反応を、通常、方法Aに類似の方法で行う。即ち、アルゴン又は窒素のような 不活性雰囲気下で、かつテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 、テトラキス(トリフェニルアルシン)パラジウム(0)、テトラキス(トリ− 2−フリルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン) パラジウム(II)クロリドのようなパラジウム触媒の存在下で行う。1,4−ジ オキサン、テトラヒドロフラン及びエーテル等のような不活性溶媒が通常使用さ れ、反応温度は通常、室温から溶媒の沸点の間の温度である。方法C 式1Bの化合物は、式1Aの化合物と、2,4−ビス(4−メトキシフェニル )−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド、ビス( トリシクロヘキシルスズ)スルフィド、ビス(トリ−n−ブチルスズ)スルフィ ド、ビス(トリ−フェニルスズ)スルフィド、ビス(トリ−メチルシリル)スル フィド又は五硫化リンのような、イオウ化剤(sulfrating agent)を反応させるこ とに より得ることができる。反応を、二硫化炭素、ベンゼン又はトルエンのような不 活性有機溶媒中で、室温又はより高い温度、好ましくは反応混合物の沸点までの 高温で、かつ好ましくは無水条件下で実施される。上記のスズ又はシリルスルフ ィドを使用する場合、イオウ化反応を、三塩化ホウ素のようなルイス酸の存在下 で行うのが好ましい。方法D 式1Cの化合物 (式中、R1は水素であり、Ar及びR2〜R4は上記で定義されている)が、2 段階で得ることができる。第一段階で、R1が水素である式1Aの化合物を、ト リフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させ、式6の化合物を得る。 該反応を、塩基の1〜2当量存在下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 を1〜2当量用いる不活性溶媒中で、行うのが好ましい。塩基は、例えば、トリ エチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンのような三級アミンであってよく 、用いる不活性溶媒としては、例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ジエ チルエーテル、テトラヒドロフラン又はトルエンを挙げることができる。試薬の 添加を、通常、周囲温度又は周囲温度以下で行い、その後混合物は、室温又は室 温付近で反応する。アルコキシルアミン出発物質は、購入してもよく、又は文献 か ら公知であるか、又は文献から公知の方法により得てもよい。第二段階において 、式6の中間体をシアナミドと反応させる。この反応は、炭酸カリウム、炭酸ナ トリウム、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存 在下、メチレンクロリド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチル エーテル、クロロホルム又はジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中、0℃ から反応混合物の沸点の間の温度で実施される。 R1が水素以外の式1Cの化合物R1は、R1が水素である式1Cの化合物を、 上記のように製造し、次に水素を他の置換体で、下記の方法Kのように置換する ことにより得ることができる。方法E 式1Dの化合物 (式中、R1は水素であり、Ar及びR2〜R4は上記で記載されている)を、方 法Dと類似の方法で、式6の化合物(式中、Ar及びR2〜R4は、上記で定義さ れている)と、適切なアルコキシルアミン(O−アルキルヒドロキシルアミン) 又はそれらの塩(例えば、メトキシルアミン塩酸塩)を反応させることにより、 得ることができる。該反応は、式6の化合物をシアナミドで処理することを記載 している条件と類似の条件下で実施される。 R1が水素以外の式1Dの化合物は、R1が水素である式1Dの化合物を、上記 のように製造し、次に水素を他の置換体と、下記の方法Kのように置換すること により得ることができる。方法F 式2Aの化合物を、上記の方法Cに類似の方法でイオウ化することにより、式 2Bの化合物に変換することができる。 引き続き、得られた化合物、式2Bを、方法A又はBに記載されている方法と類 似の方法で、アリール−アリール結合を行い、式1Bの化合物を得ることができ る。方法G 方法Dに記載の方法と類似の方法で、式2Aの化合物を、式7の化合物 に、式2Aの化合物をトリフルオロメタンスルホン酸無水物で処理することによ り変換できる。引き続き、式7の化合物は、シアナミドと反応させ、式1Cの最 終生成物(式中、R1は水素である)を得ることができる。 R1が水素以外の式1Cの化合物は、R1が水素である式1Cの化合物を、上記 のように製造し、次に水素を他の置換体と、下記の方法Kのように置換すること により得ることができる。方法H 方法Eに記載の方法と類似の方法で、R1が水素である式1Dの化合物を、式 7の化合物と、適切なアルコキシルアミン(O−アルキルヒドロキシルアミン) 又はその塩(例えば、メトキシルアミンヒドロクロリド)を反応させることによ り得ることができる。 R1が水素以外の式1Dの化合物は、R1が水素である式1Dの化合物を、上 記のように製造し、次に水素を他の置換体と、下記の方法Kのように置換するこ とにより得ることができる。式2Aの出発物質の製造 前述したように、式2Aの化合物は、欧州特許第0 429 987 号公開公報又は米 国特許第5,366,972 号明細書に既に記載されている公知の方法或いはそれらの明 らかな変更により得ることができる。下記の方法I〜Lは、該化合物の製造方法 を具体的に説明する。方法I 式2Aの化合物 (式中、R1、R2、R3及びR4は上記のようであり、R11はクロロ、ブロモ、ヨ ード又はメトキシである)は、式9の適切なカルボン酸アミド (式中、R1〜R4及びR11は上記で定義されており、Halは塩素、臭素、フッ 素又はヨウ素を表す)を環化することにより得ることができる。 この方法の変形は、好ましくは式2Aの化合物(式中、R4は電子吸引基であ る)を使用し、式9Aの環状カルボン酸アミド (式中、R1〜R4、R11及びHalは式9の化合物に関して上記に定義されてい る)を含む)を製造するのに使用される。 環化は、通常、式9又は9Aの化合物を、それらのアルカリ金属塩に変換させ 、続いて0℃から反応混合物の沸点の間の温度で縮合させることにより、簡便に 行われる。式9又は9Aの出発化合物において、R1が水素ではないならば、メ タル化は、メタル化剤を少なくとも1モル必要とする。他方、R1が水素ならば 、この試薬は少なくとも2モル使用されなくてはならない。メタル化には、リチ ウム、ナトリウム及びカリウムの水素化物又はn−ブチルリチウムのようなリチ ウムアルキルを使用するのが好ましい。 環化反応を、通常、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキ サン、グリコールジメチルエーテル、ジエチレン−グリコールジメチルエーテル 、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ベンゼン 又はアニソール中で行う。環化はまた、式9又は9Aのカルボン酸アミドを双極 子中性溶媒中で、好ましくはスルホラン又はジメチルスルホン中で加熱すること により実施してもよい。強酸、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、ポリ リン酸、メタンスルホン酸又はp−トルエン−スルホン酸の触媒量は、有用であ ることが分かった。必要な反応温度は、通常110 〜220 ℃の間である。 R11が−OSO2CF3(“トリフレート”)である式2Aの化合物を得るため に、まず必要なのは、R11がメトキシである化合物を製造することである。得ら れた中間体を、次に、適切な酸、例えば、濃HBr又はBBr3で処理すること により脱メチル化する。得られたヒドロキシ中間体を、次に、トリフルオロメタ ンスルホン酸無水物(トリフリック無水物)で処理することにより、通常、弱塩 基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンの存在下、 トリフレートに変換する。 式9のカルボン酸アミドは、出発物質として使用され、例えば、式10の2− クロロ−ニコチン酸アミド (式中、R1、R3、R4、R11及びHalは前記で定義されている)を、式11 の一級アミン H2N−R2 (11) (式中、R2は前記で定義されている)でアミノ化することにより得られる。該 反応を、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミン又はナトリウムもしくはカ リウムの炭酸塩のような無機又は有機の補助塩基の存在下で、行うこともできる 。該反応を溶媒を用いないで行うことができる;しかしながら、不活性有機溶媒 を0℃〜175℃の間の温度で、好ましくは還流温度で使用するのはいくらか有 利である。使用できる適当な不活性溶媒としては、過剰量の一般式11の一級ア ミン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、グリコールジメチルエーテル 、ジエチレングリコールジメチルエーテルのような開鎖又は環状エーテル;ベン ゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はピリジンのような芳香族炭化水 素;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール;ジメチル ホルムアミドのような双極子中性溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ ン、1,3−ジメチル−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン及びスルホラ ンが挙げられる。 式9Aのカルボン酸アミドは、適切に置換した2−クロロニコチン酸クロリド を、周知の反応条件下で、適切に置換した3−アミノ−2−(アルキルアミノ) ピリジンで縮合することにより製造できる。 式10の中間体(式中、R1は水素ではない)は、式12の2−クロロニコチ ン酸アミドと、 式13のアルキル化剤 R1X (13) (式中、R1は上記で定義されたものであり、Xは適当な解離基であり、例えば 、Xは反応性エステル基、ハロゲン原子、OSO2OR1基、メタンスルホニルオ キシもしくはエタンスルホニルオキシ基又は芳香族スルホニルオキシ基を表す) とを、プロトン受容体の存在下、例えば、トリエチルアミン、ジアザビシクロウ ンデセン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンのようなアミン、或いは水酸化ナト リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムのようなアルカリ又はアルカリ土類 金属の水酸化物、或いは炭酸ナトリウム、もしくは炭酸カリウム又は炭酸水素カ リウムのようなアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ土類金属炭酸塩もしくは炭酸水 素塩の存在下で反応させることにより製造できる。 一般式12の2−クロロニコチン酸アミドは、適切に置換した2−クロロニコ チン酸クロリドを、適切に置換した3−アミノ−2−ハロピリジンで、周知の反 応条件下で縮合することにより得てもよい。 式2Aの化合物を製造するのに必要な他の出発物質はすべて、文献から公知で あり、又は購入してもよく、又は文献から公知の方法で得てもよい。 この方法は、R2が水素である化合物を製造するとき、好ましくない反応体で ある、アンモニアを使用しなければならないので、好ましくない。下記の方法J は、R2が水素である化合物を製造する場合に好ましい。方法J 式2Aの化合物 (式中R1、R3、R4及びR11は上記で定義されており、R2は水素である) を、式14の化合物 (式中、R1、R3、R4及びR11は上記で定義されており、Ar1CH2は容易に 除去可能な保護基、例えば、ベンジル又は4−メトキシベンジル基である)中の アリールメチル基の加水開裂により製造できる。加水分解は、強酸又はルイス酸 を、−20〜+150℃の間の温度で調節することにより実施される。このよう な酸として、例えば、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオ ロメタンスルホン酸、リン酸又はポリリン酸が挙げられる。リン酸又はポリリン 酸を使用する場合、ベンゼン、トルエン、フェノール、アニソール又はベラトロ ールのような溶媒を添加するのが良いことが分かった。 塩化又は臭化アルミニウムのようなルイス酸を使用し、アリールメチル基を除 去するならば、芳香族炭化水素のような溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、ア ニソール又はこれらとジクロロメタンとの混合物が適している。 R1、R2又はR4が容易に加水分解できる場合、例えば、R1がアルカノイルで ある場合、この方法が好ましくないのは、当業者にとって明白であろう。そのよ うな場合には、別の合成方法を使用するのが好ましい。 式14の中間体は、適切に置換した式9又は9Aの化合物を、方法Iに記載の 方法と類似の方法で縮合することにより製造できる。方法K 式2Aの化合物(式中、R1〜R4及びR11は上記で定義されている。但し、R1 は水素ではない)は、式15の化合物 (式中、R2、R3、R4及びR11は上記で定義されている)を、対応する5−ア ルカリ又はアルカリ土類金属化合物に変換し、次に、そのアルカリ金属化合物を 式13の化合物 R1X (13) (式中、R1は上記で定義されており、Xは適切な解離基、例えば、Xは反応エ ステル基、ハロゲン原子、OSO2OR1の基、メタンスルホニルオキシ又はエタ ンスルホニルオキシ基又は芳香族スルホニルオキシ基である)と反応させること により得ることができる。 式15の化合物をその対応するアルカリ金属塩に第一段階で変換する代わりに 、式15の化合物のアルキル化を、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセ ン又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンのようなアミン或いは炭酸ナトリウム及 び炭酸カリウム又は炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属の炭酸塩又は炭酸 水素塩の存在下で、式13の化合物と反応させることによって行え得る。 式15の化合物を、対応するアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物に変換 することは、式15の化合物を、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化ナト リウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化 物と、或いはナトリウムメトキシド又はカリウム三級−ブトキシドのようなアル カリ金属アルコキシドと、或いはナトリウムアミド又はカリウムアミドのような アルカリ金属アミドと、或いは水素化ナトリウム又は水素化カリウムのようなア ルカリ金属の水素化物と反応させることにより実施できる。その反応は、通常、 適当な有機溶媒の存在下、−78℃〜+60℃の間の温度で、好ましくは室温で 行われる。アルカリ金属の水素化物がメタル化剤として使用されるならば、ジメ チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、グリコールジ メチルエーテル、トルエン又はピリジンのような不活性溶媒が、好ましい。一方 、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸化物が使用されるならば、メタノール又 はテトラヒドロフランのような有機溶媒との水性混合物もまた使用できる。この ようにして得られた、アルカリ又はアルカリ土類金属で置換した5,11- ジヒドロ -6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オンを、一般式2Aの化合物 に変換するとき、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物の溶液又は懸濁液を、直 接、即ち単離せずに、式Vの化合物と、いずれにせよ低温である−20℃又は該 溶媒もしくは反応媒質の沸点までの高温で反応させる。式15の出発物質中のR2 が水素原子であっても、塩基を1当量及び式13の化合物を1当量使用すれば 、置換は、殆ど独占的にジヒドロ−ジピリドジアゼピノンの5位の窒素原子にお いて起こる。 式2Aの化合物に求核置換体が存在することにより、11位の窒素以外の、求 核ではないが、必要な基を得るのに誘導され得る置換体を有する、式2Aの中間 体を使用するのが必要であるかもしれないことは、当業者にとって明白であろう 。例えば、R4のアミノ基は、好ましくはR4にニトロ基を有する式2Aの中間体 をアルキル化又はアシル化し、続いてニトロ基を還元し所望の化合物を得ること により得られる。 式15の中間体は、適切に置換した式9又は9Aの化合物を環化することによ り得ることができる。R1が水素以外であるならば、環化が損なわれるであろう とき、この方法が好ましい。方法L 式2Aの化合物(式中、R1〜R4及びR11は上記で定義されており、R2は水 素以外である)は、R2が水素である式2Aの5,11- ジヒドロ-6H-ジピリド[3,2- b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オンを、式16Aの対応する金属塩に、又は、 R1が水素である場合に、式16Bの化合物 (式中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムのよ うなアルカリ金属を表すか、又はMはMgHal+(式中、Halは塩素、臭素 、ヨウ素原子を表す)を表す)に変換し、続いて、式17の化合物 R2X (17) (式中、R2及びXは前記で定義されている)でアルキル化することにより得る ことができる。 式2Aの中間体化合物を、その対応するアルカリ金属化合物式16A又は16 Bに変換するには、R2が水素である式2Aの化合物を、リチウムアルキル(例 えば、n−ブチルリチウム又はt−ブチルリチウム)と、任意に、テトラメチル エチレンジアミン、リチウムジアルキルアミド(例えば、リチウムジイソプロピ ルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド及びリチウムイソプロピル−シクロ ヘキシルアミド)、リチウムアリール(例えば、フェニルリチウム)、アルカリ 金属水酸化物(例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物)、アル カリ金属水素化物(例えば、ナトリウム又はカリウムの水素化物)、アルカリ金 属アミド(例えば、ナトリウム又はカリウムアミド)或いはグリニヤール試薬( 例えば、ヨウ化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム又は臭化フェニル マグネシウム)の存在下、反応させることにより実施してもよい。式16A の化合物を形成するのに1当量の塩基が必要である一方、式16Bの化合物を形 成するのに2当量の塩基が必要である。メタル化は、不活性有機溶媒中において −78℃から該反応混合物の沸点までの温度で簡便に行われる。リチウムアルキ ル、リチウムアリール、リチウムジアルキルアミド又はグリニヤール試薬をメタ ル化に使用するならば、好ましい溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ ル又はジオキサンのようなエーテルであり、任意にヘキサン又はベンゼンのよう な脂肪族又は芳香族炭化水素との混合物中で用いてもよく、かつ操作を−20〜 +80℃の間の温度で実施してもよい。メタル化を、前記の溶媒を加えてアルカ リ金属水素化物又はアルカリ金属アミドで実施する場合、キシレン、トルエン、 アセトニトリル、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドを使用するこ とも可能である一方、アルカリ金属水素化物を使用する場合、エタノール、メタ ノールのようなアルコール及びアセトンのような脂肪族ケトン並びにこれらの溶 媒の水との混合物も使用できる。 このようにして得られたアルカリ金属塩を、R2が水素以外の式2Aの化合物 に変換するために、アルカリ金属化合物の溶液又は懸濁液を、直接、即ち該反応 生成物を単離せずに、式17の化合物と、−20℃から該反応混合物の沸点の間 の温度で、好ましくは室温で反応させる。塩及び他の誘導体の形成 式1の化合物群を、所望ならば、従来方法により、それらの非毒性で医薬的に 許容される付加塩に変換してもよい;例えば、式1の化合物を適切な溶媒に溶解 し、1モル当量以上の所望の酸又は塩基で、該溶液を適切に処理する。本発明は またそのような塩を含む。式1の化合物と共に、非毒性で、医薬的に許容される 酸付加塩を形成できる無機及び有機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リ ン酸、硝酸、メタンスルホン酸、酒石酸、フマル酸及び酢酸等があげられる。式 1の化合物と共に、非毒性で、医薬的に許容される塩基付加塩を形成できる無機 及び有機塩基の例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシ ウム、アンモニア及びトロメタミン(tromethamine)等があげられる。式1の化 合物群は、1モル当量の酸又は塩基と一緒になって、付加塩を適切に形成できる 。 幾つかの例において、方法AからHに記載されている反応を、反応条件と適合 しない反応中間体の存在下で行うことができないのは、当業者には明らかであろ う。そのような場合に、まず、それ自体が公知の方法を介して反応置換体を誘導 し、その結果連続的に除去可能である適切な保護基を含まなくてはならない。生物学的性質 上記の式1の化合物群は、HIV−1逆転写酵素に対して抑制活性を有してい る。HIV−1逆転写酵素を抑制することにより、該化合物は、ウイルスの能力 を最終的に抑制するか又は静めて、ウイルスのゲノムを潜在宿主細胞のゲノムに 統合し、引き続き、ウイルスの複製を抑制するか又は静める。単独で或いは他の 抗ウイルス剤、免疫モジュレーター、抗生物質、抗感染剤又はワクチンと組み合 わせて、適切な投与形態で投与すると、その結果、該化合物はHIV−1感染の 予防又は処置に有用となる。それ故本発明の別の態様は、上記のように、HIV −1に曝露又は感染したヒトに、予防又は治療に効果のある量の式1の新規化合 物を投与することを含む、HIV−1感染を予防又は処置するための方法である 。 本明細書中で使用されるとき、HIV−1による感染は、ヒト宿主におけるH IV−1の複製を構成する。 本明細書中で使用されるとき、HIV−1感染の処置は、ウイルスの複製が既 に起こり始めているヒト宿主におけるHIV−1の複製を、部分的に又は全体的 に抑制するか又は静めることを含んでいる。 本明細書中で使用されるとき、HIV−1感染の予防は、HIV−1に曝露さ れたが、ウイルスの複製がまだ起こり始めていないヒト宿主において、ウイルス の複製が確立されるのを完全に妨げることを含んでいる。 本発明の化合物群は、感染したヒト宿主におけるHIV−1の複製を部分的に 又は全体的に抑制するか又は静める能力により、HIV−1感染の処置に効果的 な薬剤である。 HIV−1感染の処置に使用する場合、本発明の化合物群を、ARC又はAI DSのような、HIV−1感染の臨床的な発現の発症の前後いずれでも投与でき る。 本発明の化合物群は、HIV−1に曝露されたが、ウイルスの複製がまだ起こ り始めていないヒト宿主における、ウイルスの複製が確立されるのを妨げる能力 により、ヒトにおけるHIV−1感染を予防するのに効果的である。 式1の化合物を、経口、非経口又は局所的な経路により、1回又は分割して投 与できる。式1の化合物に適した経口投与量は、1日当たり約100 mgから3g の範囲であろう。式1の化合物の好ましい経口投与量は、最大許容投与量であり 、一般的に、1日当たり約200 mgから2gの間の範囲であろう。非経口配合物 において、適切な投与ユニットは、前記化合物群を0.1から250 mg、好ましく は、1mgから200 mg含むことができ、一方、局所的な投与に対しては、活性 成分を0.01から1%含有する配合物が好ましい。しかしながら、投与量は患者に より変化するものであり、かつ任意の特定の患者に対する投与量は、臨床医の判 断に依存し、医者は、患者の背格好及び状態並びに薬剤に対する患者の反応を適 切な投与を定める規準として使用することを理解するべきである。 本発明の化合物群を経口的な経路で投与する場合、相溶性の医薬担体物質と共 に該化合物群を含有する、医薬製剤の形態で薬剤としてこれらの化合物を投与で きる。該担体物質は、経口投与に適した不活性の有機又は無機担体物質であって よい。該担体物質の例としては、水、ゼラチン、タルク、スターチ、マグネシウ ムステアレート、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレン−グリコール及び石油 ゼリー等がある。 該医薬製剤を、従来方法で製造することができ、最終的な投与形態は、固形状 投与型、例えば、錠剤、糖衣錠及びカプセル剤等又は液状投与型、例えば、溶液 、懸濁液及びエマルション等であってよい。該医薬製剤を、殺菌のような従来の 医薬操作で処理してもよい。さらに、該医薬製剤は、防腐剤、安定化剤、乳化剤 、風味改良剤、湿潤剤、緩衝剤及び浸透圧を変化させるための塩等を含むことが できる。使用され得る固体状担体物質としては、例えば、スターチ、ラクトース 、マンニトール、メチルセルロース、微晶質セルロース、タルク、シリカ、二塩 基リン酸カルシウム及び高分子量ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール) が挙げられる。 非経口的な使用に対し、水性又は非水性溶液、医薬的に許容される植物油中の 懸濁液又はエマルション、或いは液体の混合物中において、式1の化合物を投与 可能であり、該化合物は、静菌剤、抗酸化剤、防腐剤、緩衝剤又は他の溶液を血 液と等張にする他の溶質、増粘剤、懸濁剤或いは他の医薬的に許容される添加剤 を含有する。このタイプの添加剤としては、例えば、タルトレート、シトレート 及びアセテート緩衝剤、エタノール、プロピレングコール、ポリエチレングリコ ール、錯体形成剤(例えば、EDTA)、抗酸化剤(例えば、亜硫酸水素ナトリ ウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、及びアスコルビン酸)、粘度調節のための高 分子量ポリマー(例えば、液体ポリエチレンオキシド)及びソルビトール無水物 のポリエチレン誘導体が挙げられる。必要ならば、安息香酸、メチル又はプロピ ルパラベン、塩化ベンザルコニウム及び他の四級アンモニウム化合物のような防 腐剤も添加できる。 本発明の化合物はまた、鼻から適用するための溶液として投与でき、かつ本発 明の化合物に加えて、賦形剤水溶液中に適当な緩衝剤、張度調節剤、微生物防腐 剤、抗酸化剤及び粘度増加剤を含むことができる。粘度を増加させるのに使用さ れる試薬の例としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニル ピロリドン、ポリソルベート又はグリセリンが挙げられる。添加される微生物防 腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール又はフ ェニルエチルアルコールを挙げることができる。 さらに、本発明により提供される化合物群は、座剤により投与できる。 本発明の化合物群は、単独で或いは他の抗ウイルス剤、免疫モジュレーター、 抗生物質、抗感染剤又はワクチンと組み合わせて投与できる。例えば、本発明の 化合物群は、AZT、ddI及びddC、他の非ヌクレオシドHIV逆転写酵素 抑制剤、又はHIVプロテアーゼ抑制剤のような、一種以上の公知のヌクレオシ ド類縁体HIV逆転写酵素抑制剤と組み合わせて投与できる。 前述したように、本発明により提供される化合物は、HIV−1RTの酵素活 性を抑制する。これらの化合物の試験に基づき、下記に示されているように、H IV−1RTのRNA依存DNAポリメラーゼ活性を抑制することが知られてい る。(データには示されていないが)これらの化合物はまた、HIV−1RTの DNA依存DNAポリメラーゼ活性を抑制することが知られている。 下記に示されている逆転写酵素(RT)アッセイを利用し、化合物群について 、HIV−1RTのRNA依存DNAポリメラーゼ活性を抑制する能力を試験す る ことができる。下記に示される実施何のある特定の化合物群をその様に試験した 。この試験結果を、下記の表Iに示す。逆転写酵素(RT)アッセイ アッセイ理論: ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)をコード化するための酵素のうち、逆転 写酵素(1)は、RNA鋳型からDNAコピーを転写するために、そのように命 名されている。この活性は、細胞フリーの酵素アッセイにおいて定量的に測定可 能であるが、以前に記載されており(2)、逆転写酵素が合成鋳型[オリゴd( G)を充填したポリr(C)]を使用し、基質として3H−dGTPを利用する 、放射性ラベルをした酸沈殿性DNA鎖を転写することができるという知見に基 づいている。下記に示されているアッセイは、HIV−1に感染した患者におい て観察される酵素の優勢な型である、野生(WT)酵素を利用している。変異R T酵素(コドン181のチロシン残基がシステイン又はロイシン残基によりそれ ぞれ置換されている、指定部位突然変異誘発により製造されるY181C及びY 181L)及び類似のアッセイ条件を利用することにより、化合物群がこれらの 変異酵素を抑制することにおける効果を評価できるようになる。 試料: a)野生酵素の製造 ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)のLAV株由来の逆転写酵素(1)を、発 現ベクターpIBI21(4)のlacプロモーターの制御下にあるDNAクロー ンpBRTprt1+(2)を発現する細菌菌株JM109(3)から単離した。ポジ ティブ選択のために100μg/mLアムピリシンを補った2XYT培地(37 ℃、225rpm)(5)で一晩培養したものを、10μg/mLチアミン、0.5% カザミノ酸、及び50μg/mLアムピリシンを補ったM9培地に1:40希釈 で接種する(5)。その培地をOD540が0.3〜0.4に達するまで培養する (37℃、225rpm)。その時、リプレッサー抑制剤IPTG(イソプロピ ルβ−D−チオガラクトピラノシド)を0.5mM添加し、この混合物をさらに 2時間培養する。バクテリアをペレット状にし、50mMトリス、0.6mM EDTA、0.375M NaCl緩衝液に再懸濁し、リゾチーム(1mg /mL)の添加により氷上で30分間蒸解する。0.2%のNP−40を添加し て細胞を溶解し、1MのNaClに添加する。 遠心分離により不溶性の破片を除去した後、飽和硫酸アンモニウム水溶液を3 倍量添加することにより、タンパク質を沈殿させる。酵素をペレット状にし、R T緩衝液(50mMトリスpH7.5、1mM EDTA、5mM DDT、0 .1%NP−40、0.1M NaCl、及び50%グリセロール)に再懸濁し 、さらに使用するために−70℃で保存する。 b)2倍濃縮ストック反応混合物の組成ストック試薬 2倍混合濃度 1MトリスpH7.4 100 mM 1Mジチオトリエトール 40 mM 1MNaCl 120 mM 1%ノニデットP−40 0.1% 1MMgCl 4mM [ポリr(C)/オリゴd(G)](5:1) 2μg/mL3 H−dGTP(81μM) 0.6μM アッセイ方法: 2倍濃縮ストック反応混合物を分割し、−20℃で貯蔵する。該混合物は安定 であり、各アッセイにおいて使用するために溶かす。この酵素アッセイは96ウ ェルミクロ滴定プレート系に適用されており、以前に記載されている(6)。トリ ス緩衝液(50mM、pH7.4)、賦形剤(希釈して化合物の希釈度を釣り合 わせる溶剤)、又は賦形剤中の化合物を、96ウェルミクロ滴定プレート(10 μL/ウェル;1化合物あたり3ウェル)に分配する。希釈した酵素15μlが 0.001ユニット(1ユニットは、25℃において1分間に酵素が基質1μl を変化させる量である)を含み、1ウェル当たり15μlが分配されるように、 HIV−1RT酵素を溶かし、50mMトリスpH7.4中に希釈する。0.1 2−0.5M EDTA20μlを、ミクロ滴定プレートの最初の3つのウェル に添加する。EDTAは、存在するMg++とキレートを作り、かつ逆転写を起こ らないようにする。この基は他のすべての基から除外されるバックグラウンド重 合として作用する。2倍反応混合物25μlをすべてのウェルに添加し、分析物 を放置し、室温で60分間培養する。10%トリクロロ酢酸(TCA)(10% w/v)のピロリン酸ナトリウム(1%w/v)溶液50μlを含む各ウェルに おいてDNAを沈殿させることにより、アッセイを終了させる。ミクロ滴定プレ ートを15分間4℃において培養し、Skatron 半自動式の捕集機を用いて、#3 0ガラス繊維濾紙(Schleicher and Schuell)上に沈殿物を固定する。次に、ピ ロリン酸ナトリウム(1%)を含有する、さらなるTCA(5%)で濾紙を洗浄 し、エタノール水溶液(70%)で濯ぎ、乾燥し、そしてシンチレーションバイ アルに移す(6)。各バイアルは、シンチレーションカクテル2mLを受け、ベ ックマンβカウンターで計測される。%抑制の計算は、以下のようである: %抑制=(CPM平均試験値−CPM平均コントロール値×100) CPM平均コントロール値 参考文献: 1.Benn,S.,et al.,Science 230:949,1985 2.Farmerie,W.G.et al.,Science 236:305,1987 3.Yanisch-Perron,C.,Viera,J.and Messing,J.,Gene 33:103,1985 4.International Biotechnologies,Inc.,New Haven,CT 06535 5.Maniatis,T,Fritsch,E.F.and J.Sambrook.eds.Molecular Cloning:A Labor- atory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1982 6.Spira,T.,et.al.,J.Clinical Microbiology,25:97,1987 RTアッセイにおいて活性である化合物群はまた、生体系においてHIV複製 を抑制する能力を有することを確認するために、本発明の化合物群をまた、下記 に示したヒトT細胞培養(シンシチア)アッセイにおいて試験した。この試験結 果を表1に示す。シンシチア(ヒトT細胞培養)アッセイ アッセイ理論: シンシチア形成は、HIV−1に感染したCD4+T細胞のin vitro 培養を特徴とする。このアッセイにおいて、推定上の複製抑制化合物でT細胞を 処理し、かつHIV−1に感染させる。培養後、シンシチアを形成しているか培 地を調べる。シンシチアの数の欠如又は減少は、HIV複製を抑制する試験化合 物の能力の基準として使用される。 アッセイ方法: ターゲット細胞、すなわちc8166と呼ばれる細胞は、T細胞由来のヒトリ ンパ腫細胞のサブクローンであり、96ウェル平底プレートのRPMI1640 (+10%ウシの胎児の血清)培地において、100μl当たり初期密度5×1 04とする。DMSOに溶解している所定量の試験化合物を含んでいる。24時 間後、HIV−1のHTLV−IIIB株の50−100TCID50(試験培養 の50%において誘発された結果となる投与)(2) を各培地に接種する。コント ロール培地は化合物又はウイルスのみを収容する。ウイルス誘発の4日後、ウイ ルスに誘発される巨大細胞シンシチアの頻度及び分布について目視により培地を 確認する。試験化合物による抑制のパーセントを、コントロール値と比較するこ とにより決定する。ウイルス複製が存在しているか否かの確認は、全実験グルー プから細胞フリーの培養流動体を捕集し、3日後、第二のヒトT細胞培地におけ るシンシチア形成の誘発を通して、感染性の子孫が存在しているか否かを決定す ることにより成される。 参考文献: 1.M.Somasundaran and H.L.Robinson,Science 242,1154(1988) 2.G.M.Shaw,R.H.Hahn,S.K.Arya,J.E.Groopman,R.C.Gallo and F.Wong-Staal,S cience,226,1165(1984) 本発明により得られる化合物群の酵素抑制活性の特異性を評価するために、そ れ自体公知の方法を用い、化合物群が、ネコ白血病ウイルス誘発逆転写酵素及び ウシ胸腺誘発DNAアルファポリメラーゼを抑制する能力をいくつか試験した。 その様にして試験した化合物群を観察したところ、これらの酵素に対して抑制活 性を有していなかった。本発明により得られる化合物群の酵素抑制活性は、とり わけHIV−1RTに対して行われみことがこれらの結果からわかる。 本発明により得られる化合物群の細胞毒素をおおよそ評価するために、該化合 物群の数種を、下記のMTTアッセイで試験した。この試験の結果を、下記の表 Iに示す。相対的に高いCC50を有する化合物群が好ましい。MTTアッセイ アッセイ理論: MTT(3-(4,5- ジメチルチアゾール-2- イル)-2,5 ジフェニルテトラゾリウ ムブロミド)アッセイは、代謝活性細胞によるテトラゾリウムブロミドの***に 基づいており、非常に定量的な青色となる。このアッセイは、以前に記載されて いるが(1) 、本明細書中に報告されている試験の目的に最適化した。 アッセイ方法: H9細胞ライン(2)、すなわち10%のウシの胎児の血清を補ったRPMI1 640において増殖した、確立したヒトのリンパ腫懸濁液細胞ラインを、アッセ イのターゲット細胞ラインとして用いる。種々の濃度の抑制剤の存在下、1mL 当たり105cells の濃度で、ミクロ滴定プレートウェルに細胞(100μl) を置く。この細胞を、37℃で加湿CO2インキュベーターにおいて培養する。 5日後、MTT20μl(RPMI1640溶液中5mg/mL、超音波照射、 0.2ミクロン濾過、及び4℃で保存)を各ウェルに添加する。37℃でさらに 4時間培養した後、トリトン−X60μlを各ウェルに添加し、十分に混合して 結晶を可溶化するのを助ける。無水エタノール(5μl)を各ウェルに添加し、 得られた混合物を30分間60℃において培養し、波長570nmにおけるプレ ートリーダー(ダイナテック(Dynatech))をすぐに読む。 このアッセイから得られるデータを用い、CC50を得る非線形回帰分析を行う 。 参考文献: 1.Mosmann,Tim,J.Immunol.Methods,65:55,1983. 2.Jacobs,J.P.,J.Natl.Cancer Inst.,34:231,1965. 実施例 以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。これにより当業者は 本発明をより完全に理解できるであろう。しかしながら、本発明は下記に示す特 定の実施例に限定されるものではないことを理解すべきである。下記で説明して いない出発物質の製造方法は、共に継続中である、1993年7月13日出願の米国特 許出願第08/091,418号明細書又は欧州特許出願第90 121 954.3号公報(公開公報 第0 429 987 号)に見出すことができる。実施例1 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2 ',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン a)4-(トリブチルスタンニル)ピラゾール 窒素雰囲気下で-60 ℃まで冷却されている4-ヨードピラゾール(0.964g)のTH F(20 ml)溶液に、温度が-55 ℃以下を保つ速度でt-ブチルリチウム(1.7M ペンタン溶液、9ml)を添加した。次に、塩化トリブチルスズ(1.2ml)を添 加し、混合物を放置し室温にした。反応を水で停止し、エチルアセテートで希釈 、水洗、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を、シリカゲル (エチルアセテート/ヘキサン)を通してクロマトグラフィーを行うことにより 、油として4-(トリブチルスタンニル)ピラゾール(0.288g)を得た。 b)5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2 -b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 4-(トリブチルスタンニル)ピラゾール(0.270g)、5,11- ジヒドロ-11-エチ ル-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホニルオキシ-6H-ジピリド[3,2-b:2', 3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン(0.292g)、LiCl(0.157g)及びPd(PPh3)2Cl2(0.0 34g)の混合物のDMF(2ml)溶液を、密封した試験管中において、130℃で15. 5時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、フッ化カリウム水溶液と共に2時 間攪拌した。この混合物をエチルアセテートで希釈し、水洗、乾燥(無水Na2SO4 )、濾過、及び蒸発を行った。残留物をシリカゲル(エチルアセテート/ヘキサ ン勾配)を通して画分し、エチルアセテート/イソプロピルエーテルから結晶化 した、融点194-196℃の表題の化合物を得た。実施例2 5,11- ジヒドロ-11-エチル-2-(1-エチルピラゾール-4- イル)-5-メチル-6H-ジピ リド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホニルオキ シ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン及びN-エチル-4- ヨー ドピラゾールから、実施例1に記載した方法と類似の方法で、表題の化合物(発 泡体、融点60-62 ℃)を製造した。実施例3 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(1-メチルピラゾール-4- イル)-6H- ジ ピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホニルオキ シ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン及びN-メチル-4- ヨー ドピラゾールから、実施例1に記載した方法と類似の方法で、表題の化合物(融 点65-67 ℃)を製造した。実施例4 5,11- ジヒドロ-11-n-プロピル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e ][1,4]ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-n-プロピル-2- トリフルオロメタンスルホニルオキシ-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン及び4-(トリブチルスタンニ ル)ピラゾールから、実施例1に記載した方法と類似の方法で、表題の化合物( 融点291-292 ℃)を製造した。実施例5 5,11- ジヒドロ-5- メチル-11-n-プロピル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2 -b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-5- メチル-11-n-プロピル-2- トリフルオロメタンスルホニル オキシ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン及び4-(トリブチ ルスタンニル)ピラゾールから、実施例1に記載した方法と類似の方法で、表題 の化合物(融点206-207 ℃)を製造した。実施例6 5,11- ジヒドロ-5- メチル-11-c-プロピル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2 -b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-5- メチル-11-c-プロピル-2- トリフルオロメタンスルホニル オキシ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン及び4-(トリブチ ルスタンニル)ピラゾールから、実施例1に記載した方法と類似の方法で、表題 の化合物(融点233-235 ℃)を製造した。実施例7 2-(1- カルバミルピラゾール-3- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6 H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b :2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン(0.054g)のクロロホルム(5ml)溶液に、 トリホスゲン(0.050g)及びジイソプロピルエチルアミン(0.2g)を添加した。そ の混合物を、室温下で4日間攪拌した。次に、濃水酸化アンモニウム(10滴)を 添加し、混合物を10分間攪拌した。該混合物をクロロホルムで希釈し、水洗、乾 燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を、シリカゲル(エチルア セテート/エタノール)を通してクロマトグラフを行うことにより、エチルアセ テート/イソプロピルエーテルから結晶化した、融点:175-180 ℃の表題の化合 物を得た。実施例8 2-(1- アセチルピラゾール-4- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 酢酸カリウムの存在下、還流で1時間、無水酢酸中で加熱することにより、5, 11-ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3 '-e][1,4]ジアゼピン-6- オンから、表題の化合物(融点186-188 ℃)を製造し た。実施例9 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2 ',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-[1-(N,N- ジメチルアミノスルホニル)ピラゾール-5- イル]-1 1- エチル-5- メチル-6H-ジピリド-[3,2-b:2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン (0.051g)及びヒドラジン水和物(0.41 g)の混合物のエタノール(0.5ml)溶液 を、還流下で3日間攪拌した。冷却した混合物をエチルアセテートで希釈し、水 洗、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を分取プレートクロ マトグラフイー(preparative plate chromatography)(エチルアセテート/ヘキ サン)により画分し、表題の化合物0.020 gを発泡体として得た。実施例10 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-メチルピラゾール-4- イル)-6H- ジ ピリド[3,2-b:2',3-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホニルオキ シ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン及び3-メチル-4-(トリ ブチルスタンニル)ピラゾールから、実施例1に記載した方法と類似の方法で、 表題の化合物(融点113-115℃)を製造した。実施例11 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(1-メチルピロール-2- イル)-6H- ジピ リド[3,2-b:2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン a)(1- メチルピロール-2- イル)トリブチルスズ 冷却(-35℃)かつ攪拌したブチルリチウム(2.5M、0.32mL)の乾燥THF(5m l)溶液に1-メチルピロール(0.065g)を、添加した。次に、N,N,N’N’− テトラメチルエチレンジアミン(0.090g)を添加し、90分間、-10から-15℃で該 混合物を攪拌した。次に、塩化トリブチルスズ(0.26 g)をゆっくりと添加し、 該混合物を放置し室温にし、15分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、次の反応におい て使用するのに適当な(1- メチルピロール-2- イル)-トリブチルスズを得た。 b)5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(1-メチルピロール-2- イル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン 上記で得られた(1- メチルピロール-2- イル)トリブチルスズ、5,11- ジヒド ロ-11-エチル-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホニルオキシ-6H-ジピリド [3,2-b:2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン(0.20 g)、Pd(PPh3)2Cl2(0.010g) 、LiCl(0.100g)及び乾燥DMF(5ml)の混合物を、90℃において15分間攪拌 した。室温に冷却した後、該混合物を水で希釈し、CH2Cl2で抽出、乾燥(無水MgS O4)、濾過、及び濃縮した。残留物をまず、エチルアセテート/ヘキサン(1:4)、 次にエチルアセテート/ヘキサン(1:1)を用い、シリカゲルカラムを通してクロ マトグラフを行い、2つの生成物の混合物を得た。分取プレートクロマトグラフ ィー(エチルアセテート/ヘキサン、1:1)を用いる最終精製により、融点60℃以 上の表題の化合物0.025 gを発泡体として得た。実施例12 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2', 3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン a)3-ブロモ-1-(トリイソプロピルシリル)ピロール 攪拌した1-(トリイソプロピルシリル)ピロール(8.00 g)の乾燥THF(80m l)溶液に、-78℃においてNBS(6.4g)を一度に添加した。混合物をこの温度 で2時間攪拌し、一晩放置して室温にした。溶媒を除去し、水を残留物に加え、 生成物をCH2Cl2で抽出、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物 を、シリカゲル(ヘキサン)を通してクロマトグラフを行って濃縮し、無色油と して、3-ブロモ-1-(トリイソプロピルシリル)ピロール10.00 gを得た。 b)[1-(トリイソプロピルシリル)ピロール-3- イル]トリブチルスズを、実施例 16に記載した方法と類似の方法で製造した。 c)5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-[1-(トリイソプロピルシリル)ピロ ール-3-イル]-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オンを実施例 16に記載した方法と類似の方法で製造した。 d)5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b :2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン テトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF(1M、0.36ml)溶液を、5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-[1-(トリイソプロピルシリル)ピロール-3- イル]-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン(0.17 g)の 乾燥THF(10ml)溶液に添加した。得られた混合物を1時間攪拌した後、エー テルで希釈し、水洗、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を 、シリカゲル(エチルアセテート/ヘキサン、1:1)を通してクロマトグラフを行 い、クロロホルム/ヘキサンから結晶化した、融点173-174℃の表題の化合物0.0 83 gを得た。実施例13 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(2-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2', 3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン a)(1-(t-ブトキシカルボニル)ピロール-2- イル)トリブチルスズ 冷却(-78℃)した、1-(t- ブトキシカルボニル)ピロール(0.67 g)の乾燥TH F(5ml)溶液に、LDAの乾燥THF(1.2M、0.83ml)溶液をゆっくりと添 加した。3時間攪拌後、塩化トリブチルスズ(0.65 g)をゆっくりと添加し、混 合物を放置し室温にした。溶媒を除去し、次の反応で使用するのに適当な(1-(t -ブトキシカルボニル)ピロール-2- イル)トリブチルスズを提供した。 b)5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホニルオ キシ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン(0.2g)、上記で得ら れた(1-(t-ブトキシカルボニル)ピロール-2- イル)トリブチルスズ、Pd(PPh3)4( 0.065 g)、LiCl(0.127g)及び乾燥ジオキサン(8ml)の混合物を4時間還流し た。次に、溶媒を蒸発し、残留物をCH2Cl2に溶解し、水洗、乾燥(無水Na2SO4) 、濾過、及び蒸発を行った。残留物をシリカゲル(エチルアセテート/ヘキサン 、1:1)を通してクロマトグラフを行い、エチルアセテート/ヘキサンから結晶化 した。縮合物を30分間、HCl/エーテルと共に攪拌することによりBOC基 を除去した。溶媒を蒸発させ、残留物を分取プレートクロマトグラフィー(エチ ルアセテート/ヘキサン、1:4)で精製し、融点>60℃の表題の化合物0.022 gを 発泡体として得た。実施例14 2-(1- アセチルピロール-2- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H-ジ ピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]-ジアゼピン-6- オン 水素化ナトリウム(0.013g、60%油溶液)を、5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(2-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン (0.100g)の乾燥DMF(3ml)溶液に添加し、30分間攪拌した。0℃まで冷 却した後、塩化アセチル(0.025g)を添加し、反応混合物を一晩放置し室温にし た。水を添加し、生成物をCH2Cl2で抽出し、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸 発を行った。残留物を、分取プレートクロマトグラフィー(エチルアセテート/ ヘキサン、1:1)により精製した。エチルアセテート/石油エーテル(pet ether) から結晶化し、融点106-108℃の表題の化合物0.018 gを得た。実施例15 2-(2- アセチルピロール-3- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H-ジ ピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6-オン 、融点>80℃ 冷却(10℃)した乾燥N,N−ジメチルアセトアミド(0.031g)に、オキシ塩化 リン(0.054g)を添加し、その混合物を、冷却浴を餘去した後、15分間攪拌した 。ジクロロエタン(2ml)を添加し、得られた混合物を5℃まで冷却した。5, 11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3' -e][1,4]- ジアゼピン-6-オン(0.10 g)のジクロロエタン(5ml)溶液を10分 間にわたって添加し、冷却浴を除去し、混合物を還流下で3時間加熱した。室温 に冷却した後、該混合物を過剰量の酢酸ナトリウム水溶液に注ぎ、2時間攪拌し た。生成物をCH2Cl2で抽出、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残 留物を分取プレートクロマトグラフィー(エーテル)で精製し、融点80℃以上の 表題の化合物0.014 gを発泡体として得た。又、融点219-220 ℃の2-(2- アセチ ルピロール-4-イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5 -メチル-6H-ジピリド[3,2-b: 2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オン(実施例17)0.038gを単離した。実施例16 5,11- ジヒドロ-2-[2-(エトキシカルボニル)ピロール-4- イル]-11- エチル-5- メチル-6H-ジピリド-[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン a)トリクロロ塩化アセチル(0.114g)を、5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチ ル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン(0.0 52g)のジグリム(2.5ml)溶液に添加し、得られた混合物を100℃において2時 間攪拌した。次に、反応混合物を氷の上に注ぎ、生成物をCH2Cl2で抽出し、乾燥 (無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を、シリカゲル(エチルアセ テート/メチレンクロリド、1:9)を通してクロマトグラフを行い、5,11- ジヒド ロ-11-エチル-5-メチル-2-[2-(トリクロロアセチル)ピロール-4-イル]-6H- ジピ リド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン0.070 gを得た。 b)実施例16aにより得られた生成物(0.065g)を、無水エタノール(6ml)及 びトリエチルアミン(0.035g)に添加し、得られた混合物を、90℃において10時 間攪拌した。実施例16aのように精製後、エチルアセテート/ヘキサンからの結 晶化を行い、融点209-210 ℃の表題の化合物0.048 gを得た。実施例17 2-(2- アセチルピロール-4- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H-ジ ピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 実施例20に記載した反応混合物から、表題の化合物(融点219-220 ℃)を単離 した。実施例18 2-(2- シアノピロール-3- イル)-5,11- ヒジドロ-11-エチル-5-メチル-6H-ジピ リド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 5,11- ヒジドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2 ',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン(0.093g)のDMF溶液(1ml)及びCH3CN (1ml)を-50℃まで冷却し、クロロスルホニルイソシアネート(0.041g)を一 度に添加した。得られた混合物を室温に温め、2時間攪拌し、その後、水に添加 し、CH2Cl2で抽出、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を分 取プレートクロマトグラフィー(エーテル)で精製し、2種の純粋な化合物を得 た。これらの純化合物をそれぞれエチルアセテート/石油エーテルから結晶化 することにより、融点262-263 ℃の表題の化合物0.038 g、及び融点268-269 ℃ の2-(2- シアノピロール-4- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H-ジ ピリド[3,2-b:2',3-e][1,4]ジアゼピン-6-オン0.038 gを提供した。実施例19 2-(2- シアノピロール-4- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H-ジピ リド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 実施例18に記載した反応混合物から、表題の化合物(融点268-269 ℃)を単離 した。実施例20 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(1-メチルピロール-3- イル)-6H- ジピ リド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 水素化ナトリウム(0.008g、60%油溶液)を、5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン (0.065g)の乾燥DMF(3ml)溶液に添加し、30分間攪拌した。ヨウ化メチル( 0.2ml)を添加し、その反応混合物をさらに2時間攪拌した。水を添加し、生成 物をCH2Cl2で抽出、乾燥(無水Na2SO4)、濾過、及び蒸発を行った。残留物を、 シリカゲル(エチルアセテート/ヘキサン、1:1)を通してクロマトグラフを行い 、さらに分取プレートクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン、1:1) により精製し、融点187-188℃の表題の化合物0.040 gを得た。実施例21 2-(2- カルボキシピロール-4- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-[2-(トリクロロアセチル)ピロール-4 - イル]-6H- ジピリド[3,2-b:2',3-e][1,4]ジアゼピン-6- オン(実施例21a)0. 092 g、K2CO3(0.55g)及び水(2.5ml)の混合物を、95℃において1.5時間攪拌 した。その混合物を冷却、酸性化し、及びCH2Cl2で洗浄した。水相を濾過し、酢 酸/ヘキサンから再結晶し、融点256-257 ℃の表題の化合物0.016 gを、得た。実施例22 2-(2- カルバミルピロール-4- イル)-5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-[2-(トリクロロアセチル)ピロール -4- イル]-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン(実施例21 a)0.100gの乾燥THF(15ml)溶液を-15℃まで冷却し、アンモニアガスを該 溶液に通して15分間泡立たせた。次に、その混合物に固く栓をして、室温で3時 間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、水を添加し、その混合物をCH2Cl2で洗浄した 。生成物を水相から濾別し、乾燥及びDMF/エタノールから再結晶し、融点28 4-285℃の表題の化合物0.056 gを得た。実施例23 5,11- ジヒドロ-5- エチル-11-メチル-2-(2-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2', 3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 2-クロロ-5,11-ジヒドロ-5- エチル-11-メチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][ 1,4]- ジアゼピン-6- オン(0.21 g)、(t-ブトキシカルボニル)ピロール(0.25 g)、酢酸カリウム(0.20 g)、Pd(PPh3)2Cl2(0.030g)及び1-メチル-2-ピロリ ジノン(2.5ml)の混合物を、密封した試験管中で140℃で14時間加熱した。溶媒 を除去した後、水を添加し、生成物をCH2Cl2で抽出、乾燥(無水Na2SO4)、濾過 、及び蒸発を行った。残留物をシリカゲル(エチルアセテート/メチレンクロリ ド、1:9)を通してクロマトグラフを行い、さらに分取プレートクロマトグラフィ ー(エチルアセテート/塩化メチレン、1:9)により精製し、エチルアセテート/ ヘキサンから再結晶した後、融点161-162 ℃の表題の化合物0.020 gを得た。実施例24 5,11- ジヒドロ-5,11-ジメチル-2-(2-ピロリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2',3'-e][ 1,4]ジアゼピン-6- オン 2-クロロ-5,11-ジヒドロ-5,11-ジメチル-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジ アゼピン-6-オン及び(t- ブトキシカルボニル)ピロールから、実施例23に記載し た方法と類似の方法で、表題の化合物(融点158-160℃)を製造した。実施例25 11- シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド[3 ,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 11- シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-5- メチル-2- トリフルオロメタンスルホ ニルオキシ-6H-ジピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン及び[1-(ト リイソ- プロピルシリル)ピロール-3-イル]トリブチルスズから、実施例17及び1 6に記載した方法と類似の方法で、表題の化合物(融点254-255℃)を製造した。 上記の方法と類似の方法又はそれらの明白な変更により、以下の実施例の化合 物を製造した。実施例26 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5 -メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b:2 ',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン 、融点213-214 ℃。実施例27 5,11- ジヒドロ-11-エチル-2-(5-メトキシインドール-2- イル)-5-メチル-6H-ジ ピリド[3,2-b:2',3'-e][1,4]- ジアゼピン-6- オン 、融点234.5-235.5 ℃。実施例28 5,11- ジヒドロ-11-エチル-2-(インドール-3-イル)-5-メチル-6H-ジピリド[3,2- b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6 -オン 、融点241-241.5 ℃。実施例A カプセル又は錠剤 実施例12の化合物を、上記で同定した、前もって混合した賦形剤物質と共に、 滑沢剤を除いて、粉末状混合物に混合する。次に、滑沢剤を混合し、得られた混 合物を錠剤に圧縮するか又は堅いゼラチンカプセルに充填する。実施例B 賦形剤物質を水と混合し、その後、実施例12の化合物を添加する。溶液が透明 になるまで攪拌し続ける。この溶液のpHを3.0 に調整し、次に、適当なバイアル 又はアンプルに充填し、オートクレーブにより殺菌する。実施例C 賦形剤を水と混合し、その後、実施例12の化合物を添加し、溶液が透明になる まで攪拌を続ける。この溶液のpHを4.0 に調整し、適当なバイアル又はアンプル に充填する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,CN,JP,K R,MX,PL,RU,US (72)発明者 ケリー テランス エイ アメリカ合衆国 コネチカット州 06877 リッジフィールド オーヴァールック ドライヴ 66 (72)発明者 カパディア スレッシュ アール アメリカ合衆国 コネチカット州 06810 ダンバリー ワシントン アベニュー 58 (72)発明者 プラウドフット ジョン アール アメリカ合衆国 コネチカット州 06470 ニュートン ローレル ロード 7 (72)発明者 マクニール ダニエル ダブリュー アメリカ合衆国 コネチカット州 06812 ニュー フェアフィールド リタ ドラ イヴ 21 (72)発明者 パテル ウーシャ アール アメリカ合衆国 コネチカット州 06804 ブルックフィールド デイリー ファー ム ドライヴ 20 (72)発明者 カードゾ マリオ ジー アメリカ合衆国 コネチカット州 06804 ブルックフィールド アパッチ ドライ ヴ 3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式1の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩。 (式中、Zは、酸素又はイオウ原子、=NCN又は式=NOR10の基である (式中、R10は炭素原子数1から3のアルキルである); R1は、水素原子、炭素原子数1から3のアルキル、炭素原子数1から3及 びフッ素原子数1から3のフルオロアルキル、シクロプロピル、アリル、プロパ ルギル、2−ハロ−2−プロペン−1−イル、モノ−又はジハロビニル、炭素原 子数2から3のアルカノイル又はアルキル(チオカルボニル)、炭素原子数1か ら2のアルキルスルホニル、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル(式中、 アルキル基は炭素原子を1から2含む)、アミノエチル、モノ−又はジアルキル アミノエチル(式中、アルキル基は炭素原子を1から2含む)、炭素原子数2か ら3のアルキルオキシアルキル又はアルキルチオアルキル、又はシアノアルキル (式中、アルキル基は炭素原子を1から2含む)である; R2は、水素原子、炭素原子数1から4のアルキル、炭素原子数1から4及 びフッ素原子数1から3のフルオロアルキル、炭素原子数3から6のシクロアル キル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニ ル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、炭素原子数3から4の アルケニルメチル又はアルキニルメチル、炭素原子数2から3のアルキルオキシ アルキル又はアルキルチオアルキル、炭素原子数2から5のアルカノイル又はア ルキル(チオカルボニル)、又は炭素原子数2から3のシアノアルキルである; R3は水素原子、メチル又はハロゲン原子である; R4は水素原子、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシメチル又はアミノメチル である;及び、 Arは式I、II、III、IV又はVの基であり、 式中、R5は、水素、メチル、エチル、アセチル、アミノカルボニル、(N −アルキル)アミノカルボニル又は(N,N−ジアルキル)アミノカルボニル( 式中、アルキル基はそれぞれ炭素原子を1から2含む)である; R6、R7及びR8は、それぞれ水素である;又は、 R6、R7及びR8の一つは、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキ シエチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、アセチル、メトキシカルボニル、エ トキシカルボニル、カルボキシ、モノ−又はジメチルアミノスルホニル、アミノ スルホニル、モノ−又はジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニル、メチル −又はエチルスルフィニル、,メチル−又はエチルスルホニル、シアノ、又はニ トロであり、かつ残り2つの置換基は両方とも水素である; A、B、D及びEはそれぞれメチン基であり、そのうち一つがR9で任意に 置換されてもよい;又は、 A、B、D及びEの一つは、窒素原子であり、かつ残りのA、B、D及びE の3つは、それぞれメチン基であり、そのうち一つのメチン基がR9で任意に置 換されてもよい;及び、 R9は、炭素原子数1から3のアルキル又はアルキルオキシ、アミノ、モノ −又はジメチルアミノ、ヒドロキシル、メチルスルホニルアミノ、アセチルアミ ノ、アセチルオキシ、アミノカルボニル、モノ−又はジメチルアミノカルボニル 又はハロゲンである。) 2.Zが、酸素又はイオウ原子、又は式=NOR10の基である(式中R10はメチ ル又はエチルである); R1が、水素原子、炭素原子数1から3のアルキル、又はアリルである; R2が、炭素原子数1から3のアルキル又は炭素原子数3から4のシクロア ルキルである; R3が、水素原子、メチル、クロロ又はブロモである; R4が水素原子である; Arが式I、II、III、IV又はVの基であり、 式中、R5は、水素、メチル又はエチルである; R6、R7及びR8は、それぞれ水素である;又は、 R6、R7及びR8の一つは、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキ シエチル、トリフルオロメチル、ハロゲン、アセチル、メトキシカルボニル、エ トキシカルボニル、モノ−又はジメチルアミノスルホニル、アミノスルホニル、 モノ−又はジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニル、メチル−又はエチル スルフィニル、メチル−又はエチルスルホニル、シアノ又はニトロであり、かつ 残り2つの置換基は両方とも水素である; A、B、D及びEがそれぞれメチン基であり、そのうち一つがR9で任意に 置換されてもよい;又は、 A、B、D及びEの一つが、窒素原子であり、かつA、B、D及びEのうち の残り3つは、それぞれメチン基であり、メチン基の一つがR9で任意に置換さ れてもよい;及び、 R9が、炭素原子数1から3のアルキル又はアルキルオキシ、アミノ、ヒド ロキシル又はハロゲンである請求項1に記載の式1の化合物又はそれらの医薬的 に許容される塩。 3.Zが酸素又はイオウ原子である; R1がメチルである; R2が、炭素原子数2から3のアルキル又は炭素原子数3から4のシクロア ルキルである; R3及びR4がそれぞれ水素原子である; Arが式I、II又はIIIの基であり、 式中、R5は水素又はメチルである; R6、R7及びR8は、それぞれ水素である;又は、 R6、R7及びR8の一つは、メチル、トリフルオロメチル、アセチル、メト キシカルボニル、エトキシカルボニル又はシアノであり、かつ残り2つの置換基 は両方とも水素である;又は Arが式IV又はVの基であり、 式中、R5は、水素又はメチルである; R6、R7及びR8は、それぞれ水素であり、又は、R6、R7及びR8の一つは メチルであり、かつ残り2つの置換基は両方とも水素である; A、B、D及びEがそれぞれメチン基であり、そのうち一つがR9で任意に 置換されてもよい;又は、 A、B、D及びEの一つが、窒素原子であり、かつA、B、D及びEのうち の残り3つは、それぞれメチン基であり、そのメチン基の一つが任意にR9で置 換されてもよい;及び、 R9が、水素、炭素原子数1から3のアルキル又はアルキルオキシ、アミノ 、ヒドロキシル又はハロゲンである請求項1に記載の式1の化合物又はそれらの 医薬的に許容される塩。 4.5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド-[3,2- b:2',3'-e][1,4] ジアゼピン-6-オン; 11- シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-5- メチル-2-(3-ピロリル)-6H- ジピリド [3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン; 11- シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリ ド[3,2-b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン;及び、 5,11- ジヒドロ-11-エチル-5- メチル-2-(4-ピラゾリル)-6H- ジピリド[3,2-b :2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6- オン; から成る群から選ばれる化合物又はそれらの医薬的に許容される塩。 5.HIV−1に感染したヒト宿主におけるHIV−1複製を抑制する方法であ って、該宿主に、請求項1,2,3又は4に記載の式1の化合物或いはそれらの 医薬的に許容される塩を、HIV−1複製を抑制するのに十分な量を投与するこ とを含む上記方法。 6.HIV−1感染を予防又は処置するための方法であって、HIV−1に曝露 又は感染したヒトに、請求項1,2,3又は4に記載の式1の化合物又はそれら の医薬的に許容される塩を、予防又は治療に効果的な量を投与することを含む上 記方法。 7.HIV−1感染を予防又は処置するのに適した医薬組成物であって、予防又 は治療に効果的な量の請求項1,2,3又は4に記載の式1の化合物又はそれら の医薬的に許容される塩及び医薬的に許容される担体を含む上記組成物。 8.請求項1から4に記載の化合物を製造する方法であって、 (A)式1の化合物(式中、Ar及びR1からR4は請求項1から4に定義され ており、かつZは酸素又はイオウである)を製造するために、 式2A又は2Bのそれぞれの化合物(式中、R1からR4は請求項1から4に定 義されておりかつR11は解離基である)を、触媒の存在下、式3のトリブチルス ズ化合物(式中、Arは請求項1から4に定義されている)と縮合する、 或いは、 (B)式1の化合物(式中、Ar及びR1からR4は請求項1から4に定義され ておりかつZは酸素又はイオウである)を製造するために、式2A又は2Bのそ れぞれの化合物(式中、R1からR4は請求項1から4に定義されており、かつR11 は解離基である)を、触媒の存在下、式4の有機亜鉛化合物 (式中、Arが請求項1から4に定義されている)と縮合する、或いは、 (C)式1の化合物(式中、Ar及びR1からR4は請求項1から4に定義され ておりかつZはイオウである)を製造するために、式1に対応する化合物(式中 、Zは酸素である)を、イオウ化剤と反応する、 或いは、 (D)式1の化合物(式中、R1は水素であり、Ar及びR2からR4は請求項 1から4に定義されており、かつZは=NCNである)を製造するために、式1 の対応する化合物(R1は水素であり、Zは酸素である)を、トリフルオロメタ ンスルホン酸無水物と反応させて、式6の対応する化合物を得、 次に、式6の中間体をシアナミドと反応させて、式1の対応する化合物を得る、 或いは、 (E)式1の化合物(式中、R1は水素であり、Ar及びR2からR4は請求項 1から4に定義されており、かつZは=NOR10である)を製造するために、式 1に対応する化合物(R1は水素であり、かつZは酸素である)を、トリフルオ ロメタンスルホン酸無水物と反応させ、式6の対応する化合物を得、次に、 式6の中間体を適当なアルコキシルアミン(O−アルキルヒドロキシアミン)又 はそれらの塩と反応させる、 或いは、 (F)式1の化合物(式中、Ar及びR1からR4は請求項1から4に定義され ており、かつZはイオウである)を製造するために、式2Aのそれぞれの化合物 (R1からR4は請求項1から4に記載されており、かつR11は解離基である)を 、まず、イオウ化剤で処理することにより対応するチオンに変換し、得られたチ オンを、次に、式3のトリブチルスズ化合物又は式4の有機亜鉛化合物(式3及 び4において、Ar基は請求項1から4に定義されている)で、触媒の存在下、 縮合する、 或いは、 (G)式1の化合物(式中、R1は水素であり、Ar及びR2からR4は請求項 1から4に定義されており、かつZは=NCNである)を製造するために、式2 Aのそれぞれの化合物(R1は水素であり、R2からR4は請求項1から4に定義 されており、かつR11は解離基である)を、まず、トリフルオロメタンスルホン 酸無水物で処理することにより、式7の対応する化合物に変換し、 そして、式7の化合物を、次に、シアンアミドと反応させて、式2Cの対応す る生成物 (式中、R1は水素である)を得、次に、式1に対応する化合物(式中、R1は 水素である)に、式3又は4のいずれかの化合物(式中、Arは請求項1から4 に定義されている)と、触媒の存在下、反応させることにより変換させる、 或いは、 (H)式1の化合物(式中、R1は水素であり、Ar及びR2からR4は請求項 1から4に定義されており、かつZは=NOR10である)を製造するために、式 2Aのそれぞれの化合物(式中、R1は水素であり、R2からR4は請求項1から 4に定義されており、R11は解離基である)を、まず、トリフルオロメタンスル ホン酸無水物で処理することにより、式7の対応する化合物に変換し、次に、式 7の化合物を適切なアルコキシルアミン(O−アルキルヒドロキシルアミン)と 反応させて、式2Dの対応する生成物 (式中、R1は水素である)を得、次に、式1の対応する化合物(式中R1は水 素である)に、式3又は4のいずれかの化合物(式中、Arは請求項1から4に 定義されている)と、触媒の存在下、反応させることにより変換させる、 或いは、 (K)式1の化合物(式中、R1は請求項1から4に定義されている、水素以 外のものであり、Ar及びR2からR4は請求項1から4に定義されており、 かつZは=NCN又は=NOR10である)を製造するために、式1の対応する化 合物(R1は水素である)を、対応する5−アルカリ又はアルカリ土類金属化合 物に変換し、次いで、式13の化合物 R1X (13) (式中、R1は請求項1から4に定義されている、水素以外のものであり、か つXは解離基である)と反応させ、所望ならば、このようにして得られる式1の 化合物を、非毒性の、医薬的に許容されるそれらの塩に変換させることを特徴と する上記方法。
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