JPH09508850A - 径方向シールを備えた円筒形エアフィルタ及びこのエアフィルタのハウジングの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 エアフィルタは、空気入口を備えた金属製の管状ハウジングと、ハウジングの一端に取付けられるプラスチック製の端蓋（２２）とを備える。ハウジングの他端は、着脱可能なカバー（５０）によって包囲される。プラスチック製の端蓋（２２）は、円筒形の空気出口を一体に備え、空気出口の一部分が管状ハウジング内に延びる。略円筒形のエアフィルタ要素は、内ライナ、外ライナ、それらの間に挟持されるフィルタ媒体、閉鎖端及び開放端を備える。フィルタ要素の開放端は、エラストマー材料から形成される端蓋を備え、この端蓋に、略円筒形の径方向内向き表面によって開口が画成される。開口の径は、ハウジング内に延びる端蓋の出口部の一部分の開口の外径よりも小さい。フィルタ要素は、管状ハウジング内に延びる出口部の一部分に装着され、エラストマー材料によってシールが付与される。

Description

【発明の詳細な説明】 径方向シールを備えた円筒形エアフィルタ及びこのエアフィルタのハウジングの 製造方法発明の背景 本発明は、広くはエアクリーナ又はエアフィルタに関し、より詳しくは、主に 道路走行用トラックや農耕用車輌で使用される円筒形のひだ付紙フィルタ要素を 備えたエアフィルタに関する。このような使用環境は、一般に過酷な濾過作用を 伴うものである。 米国特許第 3,078,650号は、この種のエアクリーナに関する１つの従来技術構 造を開示する。このエアクリーナは、塵埃を含有した空気の入口を有する金属製 の管状ハウジングを備える。管状ハウジング内には、円筒形のひだ付紙フィルタ 要素が装着される。ひだ付紙フィルタ要素の内側には、清浄空気の出口が連通す る。ひだ付紙フィルタ要素と清浄空気出口との間には、シールを設ける必要があ る。それによって、導入された塵埃含有空気がフィルタのひだ付紙媒体に強制的 に通され、空気流がフィルタから出る前に粉塵群が空気流から除去されるように なる。'650特許では、フィルタ要素と空気出口との間のシールは、フィルタ要素 に固定されたガスケットにより構成される。このガスケットにより、管状ハウジ ングの端壁が、ヨーク及び関連したボルト／ナット組立体により所定位置に保持 されたフィルタ要素に係合する。 米国特許第 4,720,292号は、本発明と同形式の円筒形エアフィルタに関する他 の従来技術構造を開示する。'292特許のエアフィルタのハウジングは、その好適 な実施形態ではプラスチック材料から製造される。ハウジング内には、円筒形の ひだ付紙フィルタ要素が装 着される。ひだ付紙フィルタ要素は、空気出口に流体流通可能に通じる開放端を 備える。フィルタ要素の開放端は、好ましくはエラストマーから製造される環状 端蓋を備える。このエラストマーは、例えば比較的軟質でゴム状の稠度を有する ウレタンフォームである。エアフィルタ要素は空気出口管に装着され、シールは 端蓋と管状出口部材との係合によって構成される。 プラスチック製のハウジングを使用したエアフィルタを製造するためには、一 般にハウジングの成形型が必要である。様々な寸法を有し、空気入口の多様な配 置を有したハウジングには、一般に個別の成形型が使用される。エアフィルタの 個々の用途に対して複数の成形型を準備することは、非常に高価となり得る。発明の要約 本発明のエアクリーナは、開放端及び空気入口を有した管状ハウジングを備え る。管状ハウジングの開放端には、端蓋が取付けられて開放端を包囲する。この 端蓋は、管状ハウジングの内側に延びる略円筒形部分を備える。フィルタ要素は 略円筒形で、内ライナ、外ライナ、及びそれらに挟持されるフィルタ媒体を備え る。フィルタ要素は、エラストマー材料から形成される端蓋を備える。この端蓋 は、フィルタ要素の内側への開口を備える。この開口は、略円筒形の径方向内向 き表面によって画成され、ハウジング内に延びる端蓋の略円筒形部分の外径より も小さな径を有する。フィルタ要素は、端蓋の出口部分をフィルタ要素の端蓋に 画成された開口内に挿入することにより、端蓋に取付けられる。フィルタ要素の 端蓋とハウジングに取付けられた端蓋の出口部分とは、シールを形成する。管状 ハウジングの第２端には、カバーが着脱可能に取付けられて第２端を包囲する。 好適な実施形態では、管状ハウジングは適当な金属材料から形成 され、端蓋は成形プラスチックである。金属製ハウジングは、その第１端の周辺 に配置された内向きに突出する複数の係合部を備える。プラスチック製端蓋には 複数の凹部が形成され、それら凹部が係合部を受容して、端蓋がハウジングに取 付けられる。 本発明はさらに、本発明の好適な実施形態によるハウジングの製造方法に関す る。この方法は、第１及び第２開放端と空気入口とを備えた管状ハウジングを金 属材料から形成するステップを有する。プラスチック製の端蓋は、一体の空気出 口と外周部に設けた複数の凹部とを備えて成形される。次いで端蓋は、金属製ハ ウジングの一端に挿入される。管状ハウジングには、複数の係合部が形成されて プラスチック製端蓋の凹部内に突出し、端蓋をハウジングに取付ける。 本発明はその好適な実施形態において、特に過酷な環境用に設計されたエアフ ィルタに、金属製ハウジングの利点を供与するとともに、前述した'650特許に開 示されるような機械的手段を排除するフィルタ要素シール構造の利点を提供する 。本発明のこれら及び他の利点は、添付図面、好適な実施形態の詳細な説明、及 び請求の範囲を参照することにより、明らかとなろう。図面の簡単な説明 図１は、本発明のエアフィルタの斜視図、 図２は、諸部分を除去した部分断面正面図、 図３は、本発明のエアフィルタのハウジングへの端蓋取付構造を示す拡大部分 断面図である。好適な実施形態の説明 図面を参照すると、全図を通じて同一構成要素が同じ番号で示されており、エ アクリーナすなわちエアフィルタ１０が図１に開示される。エアクリーナ１０は 、第１端１４及び第２端１６を備えた略 管状のハウジング１２である。好適な実施形態では、ハウジング１２は適当な金 属材料から形成される。ハウジング１２は空気入口１８を備える。空気入口１８ は、粉塵を含有した空気をフィルタ１０に導入するための開口２０を画成する。 後述するように端蓋２２が、ハウジング１２の第１端１４に取付けられて、第１ 端１４を包囲する。端蓋２２は、略平坦な円形基部２４と、その外周に配置され てハウジング１２に包囲される一体的な環状部２６とである。基部２４にはさら に、ハウジング１２内に配置される第２環状部２８が一体的に形成される。環状 部２６、２８は互いに同心状に配置される。基部２４にはさらに、端蓋２２の外 表面から延出する空気出口３０が一体的に形成される。空気出口は、ハウジング １２の内部に延出する管状部分３２を備える。空気出口３０は開口３４を画成し 、濾過された空気が開口３４を通ってエアフィルタ１０から放出される。 ハウジング１２内にはエアフィルタ要素３６が配置される。エアフィルタ要素 ３６は、米国特許第 4,720,292号に開示される形式のものであり、その開示を本 明細書に参考として取込む。エアフィルタ要素は円筒要素であり、いずれも多孔 金属から形成された円筒ライナ３８及び円筒外ライナ４０を備える。両ライナ３ ８、４０の間には、円筒形のひだ付紙フィルタ要素４２が装着される。エアフィ ルタ要素３６は、比較的軟質でゴム状の稠度を有して成形されたウレタンフォー ム材料からなる円形蓋状の閉鎖端部４４を備える。閉鎖端部４４は、両ライナ３ ８、４０及び紙フィルタ要素４２の端部を覆って成形され、それら端部を一体に 保持するとともに、エアフィルタ要素３６の端部を横断して伸びて閉鎖端を形成 する。 エアフィルタ要素３６は、端蓋２２に隣接配置される開放端を備える。両ライ ナ３８、４０及びひだ付紙フィルタ要素４２の端部を 覆って、環状端蓋４６が成形される。好ましくは環状端蓋４６は、比較的軟質で ゴム状の稠度を有するウレタンフォーム材料等のエラストマー材料から形成され 、シール又はガスケット部材として作用できるようになっている。環状端蓋４６ は、空気出口３０の管状部分３２の外表面に係合する径方向内向き表面４８を備 える。内向き表面４８は、管状部分３２の外径よりも僅かに小さい内径を有した 略円筒形の開口を画成する。したがって環状端蓋４６のエラストマー材料は、内 表面４８にて圧縮され、環状端蓋４６と空気出口３０との間に積極的なエアシー ルを付与する。エアフィルタ要素３６の開放端はさらに、管状部分３２と第２環 状部２８との間に挟持され、それによりエアフィルタ要素３６がハウジング１２ 内で適正に位置決めされる。 ハウジング１２の第２端１６は、ハウジング１２に着脱可能に取着されるカバ ー５０によって包囲される。カバー５０は端部５２と側壁５４とを備える。側壁 ５４の周囲には突起部５６が延設される。ハウジング１２の第２端１６にはフラ ンジ部５８が形成され、フランジ部５８が突起部５６に支持される。カバー５０ は、従来周知の構造を有する複数のばね式クランプ５９を備え、それらクランプ がフランジ部５８に係合してカバー５０をフランジ部に固定する。カバー５０の 端部５２は、エアフィルタ要素３６の閉鎖端部４４に係合する。カバー５０はさ らに、粉塵収集トラップ（図示せず）を備えることができる。 図２及び図３に詳細に示されるように、端蓋２２の環状部２６には、その周方 向に相互離間して複数の凹部６０が設けられる。ハウジング１２はその第１端１ ４に複数の内向き凸部６２を備え、それら凸部が凹部６０に嵌合かつ受容される ことにより、ハウジング１２に端蓋２２が取着される。前述したように好適な実 施形態では、 端蓋２２はポリプロピレン等のプラスチック材料から形成され、ハウジング１２ は金属から形成される。着脱可能なカバー５０は、プラスチック又は金属から形 成できる。ハウジング１２及び端蓋２２は、以下のようにして製造される。金属 製のハウジング１２は、従来周知の工程に従って、適当な長さに、かつ所望位置 に空気入口１８を備えて形成される。端蓋２２は、周知の成形工程に従ってプラ スチック材料から成形される。端蓋２２は、ハウジング１２の第１端１４に、ス ナップ式摩擦係合作用のもとに設置される。ハウジング１２は第１端１４の周辺 が、環状部２６の複数の凹部６０に対応した位置で、内向きに型押ないし圧印さ れる。この金属型押作業により複数の凸部６２が形成され、それら凸部が凹部６ ０に受容されて端蓋２２をハウジング１２に取着する。エアフィルタ１０は、エ アフィルタ要素３６をハウジング１２内に装着し、カバー５０を取付けることに より、さらに組立てられる。 上記説明から分かるように、本発明はその好適な実施形態において、'292特許 の有利なシール構造を採用している。ハウジングは、金属成形工程により多様な 設計仕様に従って製造でき、各フィルタ形状に対応してプラスチック成形型を設 計する必要性及び費用が排除される。さらに上記シール構造は、米国特許第 3,0 78,650号に開示される形式のエアクリーナで使用される機械的構造を排除する。 本発明の好適な実施形態を説明したが、後述する請求の範囲に規定される本発 明の範囲及び精神から逸脱することなく、上記実施形態に修正を施すことができ るのは理解されるべきである。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１２月１９日 【補正内容】 請求の範囲 １．フィルタ媒体と、該フィルタ媒体の支持手段と、フィルタ要素の内側への 第１径を有した開口を画成する実質的円筒形の径方向内向き表面を備えてエラス トマー材料から形成される端蓋（４６）とを備えた実質的円筒形のエアフィルタ （３６）に使用されるハウジング（１２）が、 粉塵含有空気の入口（１８）並びに第１端（１４）及び第２端（１６）を備え た管状部材（１２）と、 実質的円筒形の空気出口部（３０）を備え、該出口部の一部分が、前記管状部 材（１２）内に延びるとともに、前記開口の前記第１径より大きな外径を有して なる、前記ハウジングの第１端のハウジング端蓋（２２）と、 前記ハウジングの前記第２端（１６）に着脱可能に装着されるカバー（５０） 、 とを具備したハウジングにおいて、 前記管状部材（１２）が、該管状部材の前記第１端の周辺に複数の内向き突出 部（６２）を備えた金属製の管状部材からなり、 前記ハウジング端蓋（２２）が、一体の空気出口部と複数の凹部（６０）とを 備えたプラスチック製の端蓋からなり、該凹部が前記内向き突出部を受容して、 該ハウジング端蓋を前記管状部材に取付けること、 を特徴とするハウジング。 ２．前記金属製の管状部材（１２）が、該管状部材の前記第１端（１４）の周 辺に配置されて内向きに突出する複数の窪み（６２）を具備し、前記ハウジング 端蓋（２２）が、径方向内向きに前記第１端に向けて曲成されて前記窪みを受容 し、それにより前記端蓋を 前記ハウジングに取付ける複数の凹部（６０）を具備する請求項１に記載のハウ ジング。 ３．前記エアフィルタ（３６）が、前記管状部材内に延びる前記出口部（３０ ）の前記一部分に装着されて、該管状部材内に延びる該出口部の該一部分と該エ アフィルタとの間にシールを形成する請求項１に記載のハウジング。 ４．フィルタ媒体と、該フィルタ媒体の支持手段と、フィルタ要素の内側への 第１径を有した開口を画成する実質的円筒形の径方向内向き表面を備えてエラス トマー材料から形成される端蓋とを備えたフィルタ要素のハウジング（１２）の 製造方法が、 金属材料から第１開放端（１４）及び第２開放端（１６）と空気入口（１８） とを備えた管状ハウジング（１２）を形成し、 前記管状ハウジングの前記第２端に着脱可能に装着されるカバー（５０）を形 成する、 各ステップを有した方法において、 一部分が前記管状ハウジング（１２）内に延長される一体形成された空気出口 （３０）と複数の凹部（６０）が形成された実質的円筒形の外表面とを備えたプ ラスチック製の端蓋（２２）を成形し、 金属製の前記管状ハウジングに、前記プラスチック製の端板の前記複数の凹部 （６０）内へ内方に突出して該端蓋を該ハウジングに取着する複数の部材（６２ ）を形成し、 前記端蓋を前記ハウジングの前記第１端に挿入すること、 を特徴とするハウジング製造方法。 ５．前記フィルタ要素（３６）を前記出口部（３０）の前記一部分に装着する ことにより該出口部の該一部分と該フィルタ要素との間にシールが形成されるよ うに、前記プラスチック製の端蓋（２２）を成形する請求項４に記載のハウジン グ製造方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．粉塵含有空気の入口並びに第１端及び第２端を備えた金属製の管状ハウジ ングと、 略円筒形の空気出口部を備え、該出口部の一部分が外径を有して前記管状ハウ ジング内に延びるプラスチック製の端蓋と、 前記プラスチック製の端蓋を前記管状ハウジングの前記第１端に取着する手段 と、 フィルタ媒体及び該媒体の支持手段並びに第１端及び第２端を備えた略円筒形 のフィルタ要素であって、 該フィルタ要素の該第１端に端蓋を備え、該端蓋が、エラストマー材料から形 成されるとともに、該フィルタ要素の内側に開口を画成する径方向内向き表面を 有し、該開口が、前記管状ハウジング内に延びる前記出口部の前記一部分の前記 外径よりも小さな径を有し、それにより、該フィルタ要素が該出口部の該一部分 に装着されて、該フィルタ要素と該出口部の該一部分との間にシールが形成され るように構成されたフィルタ要素と、 前記ハウジングの前記第２端を閉鎖する手段、 とを具備したエアフィルタ。 ２．前記プラスチック製の端蓋を前記金属製の管状ハウジングに取着する前記 手段が、 前記管状ハウジングの前記第１端の周辺に配置されて内方に突出する複数の係 合部を具備し、前記プラスチック製の端蓋がそれに形成された複数の凹部を備え 、該凹部が該係合部を受容して該端蓋を該ハウジングに取着するように構成され た、 請求項１に記載のエアフィルタ。 ３．エアフィルタのハウジングの製造方法であって、 金属材料から第１開放端及び第２開放端と空気入口とを備えた管状ハウジング を形成し、 空気出口と複数の凹部が形成された略円筒形外表面とを備えたプラスチック製 の端蓋を成形し、 前記端蓋を前記ハウジングの前記第１端に挿入し、 金属製の前記管状ハウジングに、前記プラスチック製の端板の前記複数の凹部 内へ内方に突出して該端蓋を該ハウジングに取着する複数の部材を形成する、 各ステップを有した方法。 ４．フィルタ媒体と、該フィルタ媒体の支持手段と、フィルタ要素の内側への 第１径を有した開口を画成する略円筒形の径方向内向き表面を備えてエラストマ ー材料から形成される端蓋とを備えた略円筒形のエアフィルタに使用されるハウ ジングであって、 粉塵含有空気の入口並びに第１端及び第２端を備えた金属製の管状部材と、 略円筒形の空気出口部を備え、該出口部の一部分が、前記管状部材内に延びる とともに前記第１径より大きな外径を有し、該一部分と前記端蓋の前記内向き表 面との間に径方向シールを備えて前記エアフィルタを該一部分に装着するプラス チック製の端蓋と、 前記ハウジングの前記第２端を閉鎖する手段、 とを具備したハウジング。