【発明の詳細な説明】
変型オリゴヌクレオチド
本発明は、変型骨格を有する少なくとも1つのヌクレオチド二量体を含んで成
る変型オリゴヌクレオチド、変型ヌクレオチド二量体、変型オリゴヌクレオチド
またはヌクレオチド二量体の調製方法、変型オリゴヌクレオチドまたはヌクレオ
チド二量体の利用、および変型オリゴヌクレオチドを含有する医薬品に関する。
ヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチドは、抗ウイルス活性成分として、また
は核酸と相互作用する能力(「アンチセンス」オリゴヌクレオチド)とそれに関
連する生物学的活性のため、広い関心を集めている。例えばUhlmann,E.,Peyma
n,A.,Chemical Reviews90:543-584(1990)を参照のこと。新規特性を有する
ヌクレオシドを提供するため、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドと天然の
核酸との相互作用やヌクレアーゼに対するそれらの安定性を向上させるため、ヌ
クレオシドの糖成分(またはオリゴヌクレオチド中のヌクレオチド単位)または
オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド間リン酸結合が様々な方法で変型されてい
る。例えばMarquez,V.E.,Lim.M-I.,Medicinal Research Reviews 6:1-40(19
86),Helene,C.,Toulme,J.J.,Biochimica et Biophysica Acta 1049:99-125
(1990),Englisch,U.,Gauss,D.H.,Angewandte Chemie 103:629-646(1991),
Matteucci,M.D.,Bischofberger,N.,Annual Reports in Medicinal Chemistr
y 26:287-296(1991)およびWO 91/06556を参照のこと。
WO 92/20823中には、野性型オリゴマー中に見られるホスホジエステル糖間結
合が4原子連結基と同一2′−置換基により置き換え
られている骨格変型オリゴヌクレオチド類似体が開示されている。WO 92/05186
は、ホスホジエステル結合が長さ2〜4原子のヌクレオシド間結合により置き換
えられており、該原子の少なくとも1つが窒素、酸素または硫黄であり、且つ2
′位の置換基が異なっていてもよい、変型オリゴヌクレオチドを開示している。
典型例は、ヘテロ原子が糖の3′位にある結合と、2つのヌクレオシドとも非置
換形である二量体である。
しかしながら、そのような変型オリゴヌクレオチドのDNA/RNAとのハイ
ブリダイゼーション特性やヌクレアーゼに対する耐性は十分ではない。
驚くべきことに、2つの2′位のうちの1つだけが置換されているかまたは2
つの2′位が異なるように置換されており且つホスホジエステル結合が4員のア
ミドまたはブチレン基によって形成されるヌクレオチド二量体をオリゴヌクレオ
チド中に含めることにより、ヌクレアーゼに対して高度に耐性であり且つ標的R
NAまたはDNAに強力にハイブリダイゼーションすることができるオリゴヌク
レオチドが得られることを発見した。
本発明の1つの目的は、式I:
5′−(U)n−3′ (I)
(上式中、Uは天然または合成ヌクレオシドの同一または異なる基であり、そし
てnは2〜200、好ましくは2〜100、より好ましくは2〜50、最も好ましくは2
〜20単量体単位の数である)であって、2つの連続するヌクレオシドの構造単位
を少なくとも1つ含んで成り、前記構造単位が式IIa,IIb,IIcまたはIIdを
含んで成り
〔ここで
R1はH、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
R2はH;C1〜C4アルキル;フェニル;OH,OR''',O(CH2CH2O)nR''',
C6〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニル;イ
ンターカレーター(挿入剤);アミノ−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルア
ミノ;アンモニウム−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアンモニウム;ア
ミノ−C1〜C4アルキルアミノスルホニル;C1〜C4アルキルアミノ−C1〜C4
アルキルアミノスルホニル;または(CH3)2NCH2CH2であり;
R3はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R3'はH;OH;C1〜C4アルキル;O−C1〜C4アルキル;またはO(CH2CH2
O)nR'''であり;
R'''はC1〜C4アルキルであり;
XはH、OH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)
H-CH2-OHであり;
YはH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-
OHであり;
RはHまたはC1〜C10アルキルであり;
mは1〜4の整数であり;
nは1〜4の整数であり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体であり、
ただしXもしくはYのいずれかがHであるかまたはXとYが同一でないことを
前提とする〕
で表わされるオリゴヌクレオチドを提供することである。
好ましくは1〜6個のC原子を含むアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒ
ドロキシアルキルおよびアミノアルキルの幾つかの例は、メチル、エチル並びに
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル
、ウンデシルおよびドデシルの異性体、更には対応するアルコキシ、アルキルチ
オ、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキル基である。アルキル、アルコキシ
、アルキルチオ、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキル基は、好ましくは1
〜4個のC原子を含有する。好ましいアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒ
ドロキシアルキルおよびアミノアルキル
基は、メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−,i−およびt−ブチル
、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、アミノメチル、アミノエチル
、ヒドロキシメチル並びにヒドロキシエチルである。
アミノアルキルの例はアミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロパ−2−
イルまたは−3−イル、1−アミノブタ−2−イルまたは−3−イルまたは−4
−イル、N−メチル−またはN,N−ジメチル−またはN−エチル−またはN,
N−ジエチル−またはN−2−ヒドロキシエチル−またはN,N−ジ−2−ヒド
ロキシエチル−アミノメチルまたは−アミノエチルまたは−アミノプロピルまた
は−アミノブチルである。ヒドロキシアルキルの例はヒドロキシメチル、1−ヒ
ドロキシエタ−2−イル、1−ヒドロキシプロパ−2−または−3−イル、1−
ヒドロキシブタ−2−イル、−3−イルまたは−4−イルである。
C6〜C10アリールの例はナフチルとフェニルであり、フェニルが好ましい。
ヘテロアリールは好ましくはO,SおよびNから成る群より選択されたヘテロ原
子を1〜3個含有する。
本発明に関連する好ましいインターカレーター(挿入剤)は、リンカーにより
置換されたアントラキノンであり、前記リンカーは好ましくはC,NおよびOか
ら成る群より選択された2〜7原子の鎖である。
Bがプリン基またはその類似体である場合、それは式IV,IVa,IVb,IVc,
IVdまたはIVeの基であることができる。
上式中、R4はH,Cl,BrもしくはOH、または1〜12個のC原子を有する−O−
アルキルであり、R5,R6およびR7はH,OH,SH,NH2,NHNH2,NHOH,1〜12個
のC原子を有するNHO−アルキル,−N=CH−N(C1〜C12アルキル)2,F,
Cl,Br,1〜12個のC原子を有するアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアル
キル、アルコキシまたはアルキルチオであり、前記ヒドロキシルおよびアミノ基
は非置換であるかまたは保護基、フェニル、ベンジル、1〜20個のC原子を有す
る第一級アミノもしくは2〜30個のC原子を有する第二級アミノにより置換され
ており、そしてR11はHまたはC1〜C4アルキルである。
ヒドロキシル保護基およびそのような保護基によるヒドロキシル基の誘導化方
法は、糖およびヌクレオチド化学において一般に知られており、例えば、B.T.G
reene,“Protective Groups in Organic Synthesis”,Wiley Interscience,N
ew York(1991)中に記載されている。そのような保護基の例は次のものである
:直鎖または枝分かれ鎖C1〜C8アルキル、特にC1〜C4アルキル、例えばメチ
ル、エチル、n−およびi−プロピル、n−,i−およびt−ブチル;C7〜C1 8
アラルキル、例えばベンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、メトキシ
ベンジル、ジメトキシベンジル、ブロモベンジル、ジフェニルメチル、ジ(メチ
ルフェニル)メチル、ジ(ジメチルフェニル)メチル、ジ(メトキシフェニル)
メチル、ジ(ジメトキシフェニル)メチル、トリチル、トリ(メチルフェニル)
メチル、トリ(ジメチルフェニル)メチル、メトキシフェニル(ジフェニル)メ
チル、ジ(メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(メトキシフェニル)メチ
ル、トリ(ジメトキシフェニル)メチル;トリフェニルシリル、アルキル基中に
1〜20個、好ましくは1〜12個、特に好ましくは1〜8個のC原子を有するアル
キルジフェニルシリル、ジアルキルフェニルシリルおよびトリアルキルシリル、
例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−n−プロピルシリル、i−
プロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシ
リル、n−オクチルジメチルシリル、(1,1,2,2−テトラメチルエチル)
ジメチルシリル;−(C1〜C8アルキル)2Si−O−Si(C1〜C8アルキル)2−
(ここでアルキルは例えばメチル、エチル、n−またはi−プロピル、n−,i
−またはt−ブチルである);C2〜C12アシル、特にC2〜C8アシル、例えば
アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ベンゾイ
ル、メチルベンゾイル、メトキシベンゾイル、クロロベンゾイルおよびブロモベ
ンゾイル;R4−SO2−(ここでR4はC1〜C12アルキル、特にC1〜C6アルキ
ル、C5もしくはC6シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C12アルキル
フェニル、特にC1〜C4アルキルフェニル、またはC1〜C12アルキルベンジル
、特にC1〜C4アルキルベンジル、またはハロフェニルもしくはハロベンジルで
ある)、例えばメ
チル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、フェニル−、ベンジル−、p−ブロ
モフェニル−、p−メトキシフェニル−またはp−メチルフェニル−スルホニル
;非置換であるかまたはF−,Cl−,Br−,C1〜C4アルコキシ−,トリ(C1
〜C4アルコキシ)シリル−もしくはC1〜C4アルキルスルホニルで置換された
C1〜C12アルコキシカルボニル、好ましくはC1〜C8アルコキシカルボニル、
例えばメトキシ−、エトキシ−、n−もしくはi−プロポキシ−またはn−,i
−もしくはt−ブトキシ−カルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニ
ル、2−メチルスルホニルエトキシカルボニル;非置換であるかまたはアルコキ
シカルボニルについてと同様に置換されているフェノキシカルボニルまたはベン
ジルオキシカルボニル、例えばメチル−、メトキシ−またはクロロ−フェノキシ
カルボニルまたは−ベンジルオキシカルボニル;更には9−フルオレニルメチル
オキシカルボニル。
保護基がアルキルである場合、それはF,Cl,Br,C1〜C4アルコキシ、フェ
ノキシ、クロロフェノキシ、メトキシフェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシベ
ンジルオキシまたはクロロフェノキシにより置換されてもよい。
好ましい態様では、保護基は、互いに独立的に、直鎖もしくは枝分かれ鎖C1
〜C4アルキル、C7〜C18アラルキル、アルキル基中に1〜12個のC原子を有す
るトリアルキルシリル、−(C1〜C4アルキル)2Si−O−Si(C1〜C4アルキ
ル)2、C2〜C8アシル、R4−SO2−(ここでR4はC1〜C6アルキル、フェニル
、ベンジル、C1〜C4アルキルフェニル、C1〜C4アルキルベンジル、ハロフェ
ニルまたはハロベンジルである)、C1〜C8アルコキシカルボニル、フェノキシ
カルボニル、ベンジルオキシカルボニル、または9−フルオレニルメトキシカル
ボニルである。
特に好ましい態様では、保護基はメチル、エチル、n−またはi−プロピル、
n−,i−またはt−ブチル;ベンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、
メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、ブロモベンジル;ジフェニルメチル、
ジ(メチルフェニル)メチル、ジ(ジメチルフェニル)メチル、ジ(メトキシフ
ェニル)メチル、ジ(メトキシフェニル)(フェニル)メチル、トリチル、トリ
(メチルフェニル)メチル、トリ(ジメチルフェニル)メチル、トリ(メトキシ
フェニル)メチル、トリ(ジメトキシフェニル)メチル;トリメチルシリル、ト
リエチルシリル、トリ−n−プロピルシリル、i−プロピルジメチルシリル、t
−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、n−オクチルジメチル
シリル、(1,1,2,2−テトラメチルエチル)ジメチルシリル;−(CH3)2Si
-O-Si(CH3)2−、−(i-C3H7)2Si-O-Si(i-C3H7)2−;アセチル、プロパノイル、ブ
タノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、メチルベンゾイル、メト
キシベンゾイル、クロロベンゾイルおよびブロモベンゾイル;メチル−、エチル
−、プロピル−、ブチル−、フェニル−、ベンジル−、p−ブロモフェニル−、
p−メトキシフェニル−およびp−メチルフェニル−スルホニル;メトキシ−、
エトキシ−、n−もしくはi−プロポキシ−またはn−,i−もしくはt−ブト
キシ−カルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メチル
−、メトキシ−もしくはクロロ−フェノキシカルボニルもしくは−ベンジルオキ
シカルボニル、または9−フルオレニルメトキシカルボニルである。
好ましい保護基はC1〜C8アシル基、例えばアセチル、プロピオニル、ブチロ
イルおよびベンゾイルである。R11は好ましくはHまたはメチルである。
第一級アミノは好ましくは1〜12個、特に好ましくは1〜6個の
C原子を含有し、そして第二級アミノは好ましくは2〜12個、特に好ましくは2
〜6個のC原子を含有する。
好ましくは1〜6個のC原子を含むアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒ
ドロキシアルキルおよびアミノアルキルの幾つかの例は、メチル、エチル並びに
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル
、ウンデシルおよびドデシルの異性体、更には対応するアルコキシ、アルキルチ
オ、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキル基である。アルキル、アルコキシ
、アルキルチオ、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキル基は、好ましくは1
〜4個のC原子を含有する。好ましいアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒ
ドロキシアルキルおよびアミノアルキル基は、メチル、エチル、n−およびi−
プロピル、n−,i−およびt−ブチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エ
チルチオ、アミノメチル、アミノエチル、ヒドロキシメチル並びにヒドロキシエ
チルである。
第一級アミノおよび第二級アミノは、例えば、式R8R9Nの基であることがで
き、ここでR8はHであるかまたは独立的にR9の意味を有し、そしてR9はC1〜
C20アルキル、−アミノアルキルまたは−ヒドロキシアルキル、好ましくはC1
〜C12アルキル、−アミノアルキルまたは−ヒドロキシアルキル、特に好ましく
はC1〜C6アルキル、−アミノアルキルまたは−ヒドロキシアルキル;カルボキ
シアルキルまたはカルボアルコキシアルキル(カルボアルコキシ基が2〜8個の
C原子を含みそしてアルキル基が1〜6個、好ましくは1〜4個のC原子を含む
);C2〜C20アルケニル、好ましくはC2〜C12アルケニル、特に好ましくはC2
〜C6アルケニル;フェニル、モノもしくはジ(C1〜C4アルキルもしくはアル
コキシ)フェニル、ベンジル、モノもしくはジ(C1〜C4アル
キルもしくはアルコキシ)ベンジル;または1,2−,1,3−もしくは1,4
−イミダゾリル−C1〜C6アルキルであり、あるいはR8とR9が一緒になってテ
トラもしくはペンタメチレン、3−オキサ−1,5−ペンチレン、-CH2-NR10-CH2
CH2-または-CH2CH2-NR10-CH2CH2-(ここでR10はHまたはC1〜C4アルキルで
ある)である。アミノアルキル中のアミノ基は1個または2個のC1〜C4アルキ
ルまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル基により置換されてもよい。ヒドロキシア
ルキル中のヒドロキシル基はC1〜C4アルキルでエーテル化されてもよい。
アルキルの例は既に上記に与えた。アミノアルキルの例はアミノメチル、アミ
ノエチル、1−アミノプロパ−2−イルまたは−3−イル、1−アミノブタ−2
−イル、−3−イルまたは−4−イル、N−メチル−、N,N−ジメチル−、N
−エチル−、N,N−ジエチル−、N−2−ヒドロキシエチル−またはN,N−
ジ−2−ヒドロキシエチル−アミノメチル、−アミノエチル、−アミノプロピル
または−アミノブチルである。ヒドロキシアルキルの例は、ヒドロキシメチル、
1−ヒドロキシエタ−2−イル、1−ヒドロキシプロパ−2−または−3−イル
、1−ヒドロキシブタ−2−イル、−3−イルまたは4−イルである。カルボキ
シアルキルの例はカルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピルお
よびカルボキシブチルであり、そしてカルボアルコキシアルキルの例はメチルま
たはエチルによりエステル化されたそれらのカルボキシアルキル基である。アル
ケニルの例はアリル、ブタ−1−エン−3−イルまたは−4−イル、ペンタ−3
−または−4−エン−1−イルまたは−2−イル、ヘキサ−3−または−4−ま
たは−5−エン−1−イルまたは−2−イルである。アルキルおよびアルコキシ
−フェニルまたは−ベンジルの例は、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチ
ルフェニル、ジエチルフェニル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、エチルベ
ンジル、ジエチルベンジル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシ
フェニル、ジエトキシフェニル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、エト
キシベンジル、ジエトキシベンジルである。アルキル基が好ましくは2〜4個の
C原子を含むイミダゾリルアルキルの例は、1,2−、1,3−または1,4−
イミダゾリルエチル、−n−プロピルまたは−n−ブチルである。R10は好まし
くはH、メチルまたはエチルである。
第一級アミノの第二級アミノの好ましい例は、メチル−、エチル−、ジメチル
−、ジエチル−、アリル−、モノもしくはジ(1−ヒドロキシエタ−2−イル)
−、フェニル−およびベンジル−アミノ、アセチルアミノ、イソブチリルアミノ
並びにベンゾイルアミノである。
好ましい態様では、R4は水素である。別の好ましい態様では、R7は水素であ
る。更に好ましい態様では、R5とR6が互いに独立的にH,F,Cl,Br,OH,SH
,NH2,NHOH,NHNH2,メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンゾイルアミノ、イソ
ブチリルアミノ、メトキシ、エトキシおよびメチルチオである。
プリンの他に、プリン類の類似体の幾つかの例はアデニン、N−メチルアデニ
ン、N−ベンゾイルアデニン、2−メチルチオアデニン、2−アミノアデニン、
6−ヒドロキシプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−メチ
ルチオプリン、グアニンおよびN−イソブチリルグアニンである。アデニン、2
−アミノアデニンおよびグアニン、並びにそれらの塩基保護誘導体が特に好まし
い。
式II中のBが類似したピリミジン基である場合、それは好ましくは式V,Va
およびVbのウラシル、チミンまたはシトシン基
(上式中、R11はHまたはC1〜C4アルキルであり、そしてR12とR13は互いに
独立的にH,F,Cl,Br,1〜12個のC原子を有するアルキル、プロパルギル、
ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシまたはアルキルチオであり、
ここでヒドロキシル基とアミノ基は非置換であるかまたは保護基、フェニル、ベ
ンジル、1〜20個のC原子を有する第一級アミノもしくは2〜30個のC原子を有
する第二級アミノにより置換されており、そして式Vb中のNH2基の水素原子は
非置換であるかまたはC1〜C6アルキル、ベンゾイルもしくはベンジルにより置
換されている)
並びに式V,VaおよびVbのジヒドロ誘導体である。
R11は好ましくはHである。R12は好ましくはH,F,Cl,Br,C1〜C6アル
キルまたはC1〜C6ヒドロキシアルキルである。R13は好ましくはH,F,Cl,
Br,C1〜C6アルキル,C1〜C6アルコキシまたはC1〜C6ヒドロキシアルキル
である。
ピリミジン類似体の幾つかの例は、ウラシル、チミン、シトシン、5−フルオ
ロウラシル、5−クロロウラシル、5−ブロモウラシ
ル、ジヒドロウラシルおよび5−メチルシトシンである。
一態様では、式Iのオリゴヌクレオチドは2つの連続するヌクレオシドの構造
単位を少なくとも1つ含んで成り、前記構造単位が式IIaまたはIIcを含んで成
り、
式中、
R1はH、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
R2はH;C1〜C4アルキル;フェニル;OH,OR''',O(CH2CH2O)nR''',C6
〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニル;インタ
ーカレーター;アミノ−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアミノ;アンモニ
ウム−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアンモニウム;アミノ−C1〜C4ア
ルキルアミノスルホニル;C1〜C4アルキルアミノ−C1〜C4アルキルアミノス
ルホニル;または(CH3)2NCH2CH2であり;
R3はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R'''はC1〜C4アルキルであり;
XはH、OH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-
CH2-OHであり;
YはH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;
RはHまたはC1〜C10アルキルであり;
mは1〜4の整数であり;
nは1〜4の整数であり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である。
好ましい態様では、式Iのオリゴヌクレオチドは2つの連続するヌクレオシド
の構造単位を少なくとも1つ含んで成り、前記構造単
位が式IIaまたはIIcを含んで成り、
式中、
R1はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R2はH;C1〜C4アルキル;フェニル;またはOH,OR''',O(CH2CH2O)nR'
'',C6〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニルで
あり;
R3はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R'''はC1〜C4アルキルであり;
XはH、OH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-
CH2−OHであり;
YはH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;
RはHまたはC1〜C10アルキルであり;
mは1〜4の整数であり;
nは1〜4の整数であり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である。
特に好ましい態様では、式Iのオリゴヌクレオチドは2つの連続するヌクレオ
シドの構造単位を少なくとも1つ含んで成り、前記構造単位が式IIaまたはIIc
を含んで成り、
式中、
R1はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R2はH、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり;
R3はHまたはC1〜C4アルキルであり;
XはH、OH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-
CH2-OHであり;
YはH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;
RはHまたはC1〜C10アルキルであり;
mは1〜4の整数であり;
nは1〜4の整数であり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である。
更に好ましいのは、2つの連続するヌクレオシドの構造単位を少なくとも1つ
含んで成る式Iのオリゴヌクレオチドであって、前記構造単位が式IIaまたはII
cを含んで成り、
式中、
R1がHまたはC1〜C4アルキルであり;
R2がH、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり;
R3がHまたはC1〜C4アルキルであり;
XがH、OHまたはO−C1〜C4アルキルであり;
YがHまたはO−C1〜C4アルキルであり;そして
Bがプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である
オリゴヌクレオチドである。
最も好ましいのは、2つの連続するヌクレオシドの構造単位を少なくとも1つ
含んで成る式Iのオリゴヌクレオチドであって、前記構造単位が式IIaまたはII
cを含んで成り、
式中、
R1がHであり;
R2がHまたはフェニルであり;
R3がHまたはメチルであり;
XがHまたはO−CH3であり;
YがHまたはO−CH3であり;そして
Bがプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である
オリゴヌクレオチドである。
本発明の別の目的は、式IIIa,IIIb,IIIcまたはIIIdのヌクレオ
チド二量体である:
〔上式中、
R1はH、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
R2はH;C1〜C4アルキル;フェニル;OH,OR''',O(CH2CH2O)nR''',
C6〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニル;イ
ンターカレーター;アミノ−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアミノ;アン
モニウム−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアンモニウム;アミノ−C1
〜C4アルキルアミノスルホニル;C1〜C4アルキルアミノ−C1〜C4アルキル
アミノスルホニル;または(CH3)2NCH2CH2であり;
R3はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R3’はH;OH;C1〜C4アルキル;O−C1〜C4アルキル;O(CH2CH2O)n
R'''であり;
R’およびR''はHもしくはOH保護基であるかまたはR''はリン含有ヌクレオ
チド連結基を形成する基であり;
R'''はC1〜C4アルキルであり;
XはH、ORx、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR
)H-CH2-OR、であり;
YはH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-
OHであり;
RはHまたはC1〜C10アルキルであり;
RxはHまたはOH保護基であり;
mは1〜4の整数であり;
nは1〜4の整数であり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体であり、
ただしXもしくはYのいずれかがHであるかまたはXとYが同一でないことを
前提とする〕。
適当な保護基は上記に列挙してある。
リン含有ヌクレオチド連結基は下式の基である:
(上式中、Yaは水素、C1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アラ
ルキル、C7〜C20アルカリール、−ORb、−SRb、−NH2、第一級アミノ、第
二級アミノ、O−M+またはS-M+であり;Xaは酸素または硫黄であり;Raは
水素、M+、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニルまたはC6〜C12アリール
であり、または基RaOが5個の環構成員と1〜3個のN原子を有するN−ヘテ
ロアリール−N−イルであり;Rbは水素、C1〜C12アルキルまたはC6〜C12
アリールであり;そしてM+はNa+,K+,Li+,NH4 +または第一級、第二級、第三
級もしくは第四級アンモニウムであり;ここでYa,RaおよびRb中のアルキル
、アリール、アラルキルおよびアルカリールは非置換であるかまたはアルコキシ
、アルキルチオ、ハロゲン、−CN、−NO2、フェニル、ニトロフェニルもしくは
ハロフェニルにより置換されている)。
好ましい連結基は、天然オリゴヌクレオチド中に存在する基−P(O)O-−
である。その他の連結基の例は−P(O)S-−,P(S)S-−,−P(O)R16
−,P(O)NR17R18または−CH2−であり、ここでR16はHまたはC1〜
C6アルキルであり、そしてR17とR18は互いに独立的にR16の意味を有する。
本発明の一態様では、ヌクレオチド二量体は、
R1がH、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
R2がH;C1〜C4アルキル;フェニル;OH,OR''',O(CH2CH2O)nR''',C6
〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニル;インタ
ーカレーター;アミノ−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアミノ;アンモニ
ウム−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアンモニウム;アミノ−C1〜
C4アルキルアミノスルホニル;C1〜C4アルキルアミノ−C1〜C4アルキルア
ミノスルホニル;または(CH3)2NCH2CH2であり;
R3がHまたはC1〜C4アルキルであり;
R'''がC1〜C4アルキルであり;
XがH、ORx、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H
-CH2-ORxであり;
YがH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;
RがHまたはC1〜C10アルキルであり;
RxがHまたはOH保護基であり;
mが1〜4の整数であり;
nが1〜4の整数であり;そして
Bがプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である
式IIIaまたは式IIIcの二量体である。
好ましい態様では、ヌクレオチド二量体は、
R1がHまたはC1〜C4アルキルであり;
R2がH;C1〜C4アルキル;フェニル;またはOH,OR''',O(CH2CH2O)nR'
'',C6〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニルで
あり;
R3がHまたはC1〜C4アルキルであり;
R'''がC1〜C4アルキルであり;
XがH、ORx、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H
-CH2-ORxであり;
YがH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;
RがHまたはC1〜C10アルキルであり;
RxがHまたはOH保護基であり;
mが1〜4の整数であり;
nが1〜4の整数であり;そして
Bがプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である
式IIIaまたは式IIIcの二量体である。
特に好ましい態様では、ヌクレオチド二量体は、
R1がHまたはC1〜C4アルキルであり;
R2がH、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり;
R3がHまたはC1〜C4アルキルであり;
XがH、ORx、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H
-CH2-ORxであり;
YがH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;
RがHまたはC1〜C10アルキルであり;
RxがHまたはOH保護基であり;
mが1〜4の整数であり;
nが1〜4の整数であり;そして
Bがプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である
式IIIaまたは式IIIcの二量体である。
より好ましいのは、
R1がHまたはC1〜C4アルキルであり;
R2がH、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり;
R3がHまたはC1〜C4アルキルであり;
XがH、ORxまたはO−C1〜C4アルキルであり;
YがHまたはO−C1〜C4アルキルであり;
RxがHまたはOH保護基であり;そして
Bがプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である
式IIIaまたは式IIIcのヌクレオチド二量体である。
最も好ましいのは、
R1がHであり;
R2がHまたはフェニルであり;
R3がHまたはメチルであり;
XがHまたはO−CH3であり;
YがHまたはO−CH3であり;そして
Bがピリミジン基またはそれの類似体である
式IIIaまたは式IIIcのヌクレオチド二量体である。
本発明は更に、式IIIa,IIIb,IIIcまたはIIIdの合物の調製方法であって
、
(a) 式VIの化合物
〔上式中、
R1はH、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
R’はHまたはOH保護基であり;
XはH、OH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-
CH2-OHであり;
RはHまたはC1〜C10アルキルであり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である〕
を、式VIIの化合物
〔上式中、
R2はH;C1〜C4アルキル;フェニル;OH,OR''',O(CH2CH2O)nR''',C6
〜C10アリールもしくはC3〜C9ヘテロアリールで置換されたフェニル;インタ
ーカレーター;アミノ−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアミノ;アンモニ
ウム−C1〜C4アルキル;C1〜C4アルキルアンモニウム;アミノ−C1〜C4ア
ルキルアミノスルホニル;C1〜C4アルキルアミノ−C1〜C4アルキルアミノス
ルホニル;または(CH3)2NCH2CH2であり;
R3はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R''はHもしくはOH保護基、またはリン含有ヌクレオチド連結基を形成する基
であり;
R'''はC1〜C4アルキルであり;
YはH、O−C1〜C4アルキル、-O-(CH2-CH2-O)mHまたは-O-CH2-C(OR)H-CH2-OH
であり;そして
Bはプリンもしくはピリミジン基またはそれらの類似体である〕
と反応させ;または
(b) 式VIIIの化合物
(上式中、R1,R2,R’,XおよびBは上記で定義した通りである)
を、式IXの化合物
(上式中、R3,R'',YおよびBは上記で定義した通りである)
と反応させ;または
(c) 式Xの化合物
(上式中、R1,R’,XおよびBは上記で定義した通りである)
を、式XIの化合物
(上式中、R3,R'',YおよびBは上記で定義した通りであり、そしてZはハ
ロゲン、例えばF,Cl,Naである)
と反応させ;または
(d) 式XIIの化合物
(上式中、R1,R’,XおよびBは上記で定義した通りである)
を、式XIIIの化合物
(上式中、R2,R'',YおよびBは上記で定義した通りである)
と反応させる
ことを特徴とする方法に関する。
式VI,VII,VIII,IX,X,XI,XIIおよびXIIIの化合物は既知であるか、
または例えばDe Mesmaeker,A.,Waldner,A.,Lebreton,J.,Hoffmann,P.,Fr
itsch,V.,Wolf,R.M.,Freier,S.M.,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:226-
229(1994)またはPudlo,J.S.,Townsend,L.B.,Tetrahedron Lett.31:3101(19
90)に従って調製することができる。
合成反応中の温度は−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃であることができ
る。
一般に、プロトン性および/または非プロトン性、特に好ましくは双極性であ
る溶媒が使われる。単独でまたは少なくとも2種類の溶媒の混合物として使用す
ることができる溶媒の例は、エーテル(ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン
、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルまたはジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリ
エチレングリコールジメチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,
1,2,2−テトラクロロエタン)、カルボン酸エステルおよびラクトン(酢酸
エチル、プロピオン酸メチル、安息香酸エチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸
メトキシメチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ピバロラクトン)
、カルボキサミドおよびラクタム(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
エチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、ヘキ
サメチルホスホロアミド、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、N−メチ
ルピロリドン、N−アセチルピロリドン、N−メチルカプロラクタム)、スルホ
キシド(ジメチルスルホキシド)、スルホン(ジメチルスルホン、ジエチルスル
ホン、トリメチレンスルホン、テトラメチレンスルホン)、第三級アミン(トリ
エチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン)、芳香族炭化水
素、例えばベンゼンまたは置換ベンゼン(クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン)
およびニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、フェニ
ルアセトニトリル)、並びに脂肪族または脂環式炭化水素(ペンタ
ン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン)で
ある。
本発明の目的は、式IIIa,IIIb,IIIcおよび/またはIIIdの1もしくは複
数の同一または異なる二量体単位を含んで成るオリゴヌクレオチドの調製への式
IIIa,IIIb,IIIcまたはIIIdの二量体の使用である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、様々な方法により、好ましくは固体支持体上
で、それ自体既知のやり方で調製することができる。詳細については、例えばGa
it,M.J.,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press,Oxf
ord(1984)を参照のこと。
本発明の式Iのオリゴヌクレオチドは抗ウイルス性と増殖抑制性を有し、従っ
て薬剤として使うことができる。本発明のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ
による分解に対して驚くほど高い安定性を有する。相補的核酸鎖、特にRNAの
A型の核酸鎖との非常に良好な対合も観察される。従って、本発明のオリゴヌク
レオチドは、アンチセンス技術、即ち核酸中の適当な相補的ヌクレオチド配列へ
の結合による望ましくないタンパク質産物の発現の抑制に特に適当である(EP 2
66,099,WO 87/07300 およびWO 89/08146 )。それらは、例えば生物活性タンパ
ク質の発現を核酸段階で阻害することにより、感染や病気の治療に使うことがで
きる(例えば癌遺伝子)。本発明のオリゴヌクレオチドは診断薬としても適し、
一本鎖または二本鎖核酸段階での選択的相互作用により、ウイルス感染のまたは
遺伝的に関連する病気の検出のための遺伝子プローブとして用いることができる
。特にヌクレアーゼに対する増強された安定性のために、診断利用は試験管内だ
けでなく生体内でも可能である(例えば組織試料、血漿および血清)。この種の
利用可能性は例えばWO 91/06556 中に記載されている。
本発明のオリゴヌクレオチドは診断薬としても適し、一本鎖または二本鎖核酸段
階での選択的相互作用により、ウイルス感染のまたは遺伝的に関連する病気の検
出のための遺伝子プローブとして用いることができる。特にヌクレアーゼに対す
る増強された安定性のために、診断利用は試験管内だけでなく生体内でも可能で
ある(例えば組織試料、血漿および血清)。この種の利用可能性は例えばWO 91/
06556 中に記載されている。
本発明は、ウイルス感染のまたは遺伝的に関連する病気の検出のための診断薬
としての本発明のオリゴヌクレオチドの利用に関する。
本発明は、体内のヌクレオチド配列の不活性化によるヒトを含む哺乳類の病気
の治療の治療方法に使われる本発明の式Iのオリゴヌクレオチドに関する。約70
kgの体重の哺乳類に投与する時の用量は、例えば0.01〜1000mg/日であることが
できる。投与は好ましくは医薬品の形で非経口、例えば静脈内または腹腔内に行
われる。
本発明は更に、単独でまたは他の活性成分、常用量の薬剤担体および適当なら
ば賦形剤と一緒に式Iのオリゴヌクレオチドの有効量を含んで成る医薬品に関す
る。
本発明の薬理学的に活性なオリゴヌクレオチドは、非経口投与可能な製剤の形
でまたは輸液の形で使用することができる。この型の溶液は好ましくは等張の水
性溶液または懸濁液であり、例えば単独でまたは担体(例えばマンニトール)と
共に活性成分を含有する凍結乾燥製剤の場合、使用前にそれらを調剤することが
できる。医薬品は、滅菌することができそして/または賦形剤、例えば保存剤、
安定剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調製するための塩お
よび/または緩衝剤を含むことができる。医薬品は、所望であれば、他の薬理学
的活性物質、例えば抗生物質を含むこと
ができ、それらはそれ自体既知の方法で、例えば常用の溶解または凍結乾燥法に
より調製され、そして約0.1 %〜約90%、特に約0.5%〜約30%、例えば1%〜
5%の1または複数の活性物質を含有する。
下記の実施例は本発明を説明する。
この実施例の中で次の略号を使用する:
Bn: ベンジル
DMT: ジメトキシトリチル
HV: 高真空
Me: メチル
nBu4NF: フッ化テトラブチルアンモニウム
O-Ac: 酢酸エステル
Ph: フェニル
pMeOBOM: p−メトキシベンジルオキシベンジル
RT: 室温
T: チミン
tBuPh2Si: tert−ブチルジフェニルシリル
Ts: トシル
TTTr: トリスtert−ブチルトリチルA.二量体の調製 実施例A1:化合物No.12の調製
段階(a)〜(e)はアルゴンの乾燥雰囲気下で実施される。
(a) 5.12 gの化合物No.0
を70mlの乾燥アセトニトリル中に溶かす。この溶液に1.599 gのベンジルオキシ
メチルクロリドと1.556 gの1,5−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−
5−エンを室温で添加する。この混合物を室温で40時間攪拌し、次いで70mlのCH2
Cl2で希釈し、70mlの水性NaH2PO4で1回、飽和NaCl溶液で2回洗浄する。有機
相をNa2SO4
で乾燥する。溶媒の蒸発後、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル6:1)により精製し、化合物No.1を得る。
(b) 12.87gの化合物No.1を100mlのCH3Iに溶かす。この混合物に40.32gのAg2
Oを室温で加える。懸濁液を遮光下で45℃で2日間攪拌する。CH3Iを留去し、残
渣をCH2Cl2と共に攪拌し、濾過する。Ag2OをCH2Cl2で注意深く洗浄し、溶媒を蒸
発させて化合物No.2を得る。
(C) 207mlの乾燥テトラヒドロフラン中の0.771 gの化合物No.2の溶液に、0.
182 gの酢酸と0.698 gのフッ化テトラブチルアンモニ
ウムを添加する。混合物を室温で20時間攪拌する。0.169mlのトリエチルアミン
を加え、混合物をトルエンと一緒に蒸発させる(3回)。残渣をシリカゲル上で
のクロマトグラフィー(酢酸エステル/メタノール 30:1)により精製し、化合
物No.3を得る。
(d) 0.772 gのトリフェニルホスフィンと0.54gの化合物No.3の混合物を室温
でトルエン/テトラヒドロフラン(5:1)中に溶かす。この溶液に0.338gのZn(N3)2
・2ピリジンを添加し、次いで0.556gのジエチルアゾジカルボキシレートをゆっ
くり添加する。室温で4時間後、混合物を濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシ
リカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エステル1:1)により精
製し、化合物No.4を得る。
(e) 0.472gの化合物No.4を6mlの乾燥ジメチルホルムアミドに溶かす。この
溶液に0.777gのtert−ブチルジフェニルクロロシラン、0.138gのジメチルアミノ
ピリジンおよび0.228gのトリエチルアミンを添加する。混合物を50℃に加熱し、
この温度で18時間攪拌する。該混合物に20mlの飽和NaH2PO4溶液を加え、高真空
下で溶媒を除去する。残渣をCH2Cl2とNaH2PO4に溶かす。有機相を飽和NaCl溶液
で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させる。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲル上で
のクロマトグラフィーにより精製し、化合物No.5を得る。
(f) 5mlのメタノールに溶かした0.62gの化合物No.5を、15mlのメタノール中
の0.427gのSnCl2・2H2Oの懸濁液に添加し、この混合物を室温で20時間攪拌する
。水性NaHCO3を使ってpHを8に調整する。メタノールを蒸発させ、そして水相を
CH2Cl2で3回抽出する。有機相を乾燥し、溶媒を除去する。クロマトグラフィー
により化合物No.6が得られる。
(g) De Mesmaeker,A.,Waldner,A.,Lebreton,J.,Hoffmann,P.,Fritsc
h,V.,Wolf,R.M.,Freier,S.M.,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:226-229(
1994)に従って調製した1.123gの化合物No.7
を30mlの乾燥アセトニトリルに溶かす。これに0.239gのN−メチルモルホリン、
0.758gのO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−
テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートおよび0.145gのN−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾールを添加する。この混合物を室温で30分間攪拌する。次いで1.
353gの化合物No.6と0.326gのN−メチルモルホリンを添加する。20時間後、飽和
NaH2PO4溶液を添加する。有機溶媒を真空下で留去する。水相をCH2Cl2で抽出し
、有機相を乾燥しそして蒸発させる。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィ
ーにより精製し、化合物No.8を得る。
(h) 1.95gの化合物No.8を15mlのテトラヒドロフランに溶かす。この溶液に0.
309gの酢酸と4.7mlのフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(テトラヒドロフラ
ン中1M)を加える。この混合物を室温で18時間攪拌する。0.263mlのトリエチ
ルアミンを加え、トルエンと一緒に溶媒を蒸発させる(3回)。シリカゲル上で
のクロマトグラフィーにより化合物No.9を単離する。
(i) 1.08gの化合物No.9を20mlのメタノールに溶かし、それに1.08gの5% Pd/C
を添加する。混合物を水素雰囲気下で室温にて24時間攪拌する。触媒を濾過し、
メタノールとCHCl3で洗浄し、合わせた濾液を蒸発させる。シリカゲル上での残
渣のクロマトグラフィー(酢酸エステル/メタノール9:1)により化合物No.10を
得る。
(j) 0.755gの化合物No.10を10mlの乾燥ピリジンに溶かす。この混合物に0.95
4gのp−ジメトキシトリチルクロリドを2回に分けて添加する。該混合物を室温
で48時間攪拌する。真空下でトルエンと一緒にピリジンを蒸発させる。残渣をシ
リカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エステル、メタノール+1%トリエチ
ルアミン;100:1→10:1)により精製し、化合物No.11を得る。
(k) 0.361gの化合物No.11を12mlのCH2Cl2に溶かす。これに0.143gの2−シア
ノエチル−N,N,N′,N′−テトライソプロピルホスホロアミダイトと0.08
8gのN,N−ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリドを添加する。混合物を室
温で20時間攪拌する。反応混合物をCH2Cl2とNaHCO3で希釈する。有機相を飽和Na
Cl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥する。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲル上
でのクロマトグラフィー(酢酸エステル/メタノール+1%N−メチルモルホリ
ン;50:1→9:1)により精製し、化合物No.12を得る。
実施例A2:化合物No.26の調製
(a) Pudlo,J.S.,Townsend,L.B.,Tetrahedron Lett.31:3101(1990)に記
載の通りに調製した1.47gの化合物No.13
を15mlのCH2Cl2に溶かした溶液を、35mlのCH2Cl2中の2.23gのDess-Martin試薬
の混合物に添加する。この混合物を0℃で15分間次いで室温で2時間撹拌する。
それを12.5gのNa2S2O3・5H2Oを含む冷却した飽和NaHCO3100ml中に注ぐ。次いで
有機相を抽出し、NaHCO3溶液と飽和Na
Cl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、そして蒸発させる。残渣をシリカ
ゲル上で濾過し、化合物No.14 を得る。
(b) 40mlのCH2Cl2中の1.18gの化合物No.14の溶液に1.74gの(ベンジルオキシ
カルボニルメチレン)トリフェニルホルホランを加える。この混合物を室温で一
晩攪拌した後、真空下で溶媒を除去する。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エステル4:1)により精製し、化合物No.15を得る。
(c) 0.5gの化合物No.15を、H2雰囲気下で30mlのメタノール中のPd/C(10%)(
0.25g)の懸濁液に添加する。2時間攪拌した後、混合物をセライト上で濾過し、
濾液を蒸発させ、化合物No.16を得る。
(d) 40mlのアセトニトリル中の1.0gの化合物No.16の溶液に、室温で0.36mlの
N−メチルモルホリンを添加し、次いで0.203gの乾燥ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールと1.076gのO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,
N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートを添加する。15分後、8
mlのアセトニトリル中に溶かした、5′−アジド−5′−デオキシチミジンから
3′−保護と水素化による5′−アジド還元を経て合成された1.42gのアミンと
、0.497mlのN−メチルモルホリンの溶液を添加する。一晩攪拌した後、水性NaH
PO4を加え、蒸発によりアセトニトリルを除去する。水層をCHCl3で3回抽出し、
合わせた有機抽出液を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、そし
て蒸発させる。生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エステル1:1→1:4)により精製し、化合物No.17を得る。
(e) アルゴン雰囲気下で0.5gの化合物No.17を0℃において7.2mlのCF3COOHと
3.94mlのチオフェノールの溶液に添加する。30分後、反応液を室温に維持し、次
いで6時間激しく攪拌する。30mlのCHCl3と30mlの飽和NaCl溶液を同時に添加す
る。この混合物をNaHCO3の添加によりゆっくり中和する。水相を飽和NaCl溶液で
洗浄し、乾燥し、濾過し、そして蒸発させる。生成物をシリカゲル上でのクロマ
トグラフィーにより精製し、化合物No.18を得る。
(f) 1mlのピリジン中の0.18gの化合物No.18の溶液に0.2mlの無水酢酸を加え
る。室温で18時間攪拌した後、トルエンと一緒に溶媒を真空下で蒸発させる。残
渣をCHCl3で希釈し、NaH2PO4と飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過
し、そして蒸発させる。生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(トルエ
ン/酢酸エステル1:1)により精製し、化合物No.19を得る。
(g) 2.8mlのH2O/ジオキサン(1:1)中の0.12gの化合物No.19と0.095gのNaIO4
の溶液を室温で72時間撹拌する。ジオキサンを蒸発させ、残渣をCHCl3で希釈し
、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、濾過し、そして蒸発させる。生成物をシリカ
ゲル上でのクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エステル1:2→1:4)により精製
し、化合物No.20を得る。
(h) 0.5mlの(CH2Cl)2中の0.011gのチミンの懸濁液に、0.025mlのCH3C[NSi(CH3
)3]OSi(CH3)3(0.17ミリモル)を加え、この混合物を90℃に維持する。1時間
後、更に2.2当量のCH3C[NSi(CH3)3]-OSi(CH3)3を添加する。3時間後、溶液を室
温に冷却し、0.5mlの(CH2Cl)2中の0.07gの化合物No.20の溶液と0.014mlのトリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加する。20分後、混合物を0℃
に冷却し、0.012mlのトリエチルアミンを添加する。CH2Cl2を添加した後、混合
物をNaHCO3溶液と飽和NaCl溶液で洗浄する。乾燥しそして濾過した後、溶媒を蒸
発させる。生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エス
テル1:1→1:3)により精製し、化合物No.21を得る。
(i) 0.680gの化合物No.21(0.748×10-3モル)をRTにおいて5mlのメタノー
ル中の0.084gのナトリウムメタノラート(1.56×10-3モル)の溶液に添加する。
3時間後に反応が完結する(薄層クロマトグラフィー;酢酸エチル:メタノール
9:1)。Amberlyst 15(H+)の添加により溶液を中和する。前記樹脂を濾過し、
溶媒を真空下で蒸発させる。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:メタノール;100:1→10:1の勾配)により精製し、化合物No.
22を得る(0.44g;0.584×10-3モル;収率78%)。
(j) 0.245gのジメトキシトリチルクロリド(0.72×10-3モル)を、10mlのピ
リジン中の0.55gの化合物No.22(0.72×10-3モル)の溶液に添加する。RTで12時
間後、各回0.074gのジメトキシトリチルクロリド(0.3当量)を4時間毎に5回
添加する。RTで40時間攪拌した後、混合物をCH2Cl2で希釈し、水性NaHCO3と飽和
食塩水で洗浄する。該溶液をNa2SO3上で乾燥し、次いで真空下で蒸発させる。残
ったピリジンをトルエンと一緒に減圧蒸発させる。白色残渣をシリカゲル上での
フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール;100:1→25:1の勾配
、1%トリエチルアミンを含む)により精製し、化合物No.23を得る(0.581g;5
.46×10-3モル;収率76%)。
(k) 0.564gの化合物No.23(0.529×10-3モル)を10mlの乾燥ピリジン中に溶
かす。15mlの無水酢酸を添加し、混合物をRTで20時間攪拌する。該溶液をCH2Cl2
で希釈し、水性NaHCO3で洗浄する。Na2SO4上で乾燥した後、溶媒を真空下で蒸発
させる。残ったピリジンをトルエンと一緒に減圧蒸発させる。残渣をシリカゲル
上でのクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル;4:1→1:3の勾配、1%トリ
エチルアミンを含む)により精製し、化合物No.24を得る(0.283g;0.306×10-3
モル)。
(1) 0.219gの化合物No.24(0.197×10-3モル)を8mlの乾燥テトラヒドロフ
ランに溶かす。この溶液にテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアン
モニウム溶液0.218ml(0.217×10-3モル;1.1当量)を添加する。この混合物を
0℃で2時間攪拌し、次いでCH2Cl2で希釈する。この溶液を水性NaH2PO4と飽和
食塩水で3回洗浄する。有機相をNa2SO4上で乾燥し、溶媒を真空下で蒸発させた
後、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:エタ
ノール 4:1 1%トリエチルアミンを含む)により精製し、化合物No.25を得る
(0.154g;0.175×10-3モル;収
率:89%)。
(m) 0.144gの化合物No.25(0.166×10-3モル)を10mlの乾燥CH2Cl2中に溶か
す。この溶液に0.068gのN,N−ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(0.
398×10-3モル)と0.11gの2−シアノエチル−N,N,N′,N′−テトライソ
プロピルホスホロアミダイト(0.364×10-3モル)を添加する。この混合物をRT
で20時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液を添加する。有機相を分離し、水性NaHCO3と
飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥する。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残渣
をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール;
100:1→20:1の勾配、+1%トリエチルアミン)により精製し、化合物No.26を得
る(0.15g;0.139×10-3モル;収率:84%)。
実施例A3:化合物No.43の調製
(a) 105mlのCH2Cl2中の、Codington,J.F.,Doerr,I.L.,Fox,J.F.,J.Org
.Chem.29:558(1964)に従って調製した5.05gの化合物No.27の攪拌溶液
に4.26mlのピリジン、2.94mlのトリエチルアミン、1.29gのジメチルアミノピリ
ジンおよび次いで2.86mlのo−フェニルクロロチオホルメートを添加する。24時
間攪拌した後、最初と同じ量の全ての試薬を添加する。56時間後、粗生成物のク
ロマトグラフィーを含む実施例A2(g)に記載した通りに生成物を後処理し、化
合物No.28を得る。
(b) 70.9mlのベンゼン中の4.36gの化合物No.28の攪拌溶液に0.58gのアゾビス
イソブチロニトリルを添加し、次いで10.7mlのトリブチルアリルスタンナンを添
加する。反応液を80℃で18時間維持する。更に0.29gのアゾビスイソブチロニト
リルを添加する。22時間後、混合物を濃縮し、生成物をシリカゲル上でのクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エステル 2:1→純粋な酢酸エステル→酢酸エス
テル/メタノール 10:1)により精製し、化合物No.29を得る。
(c) 6.4mlの新たに蒸留したテトラヒドロフラン中に0.5gの化合物No.29を希
釈し、そこに3.2mlの水を加える。0℃に冷却した後、0.96mlの2N NaOHを添加し
、溶液を1時間攪拌し、次いで室温で4時間攪拌する。1N HClで中和した後、CH
Cl3での抽出を4回行う。有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥しそして蒸発さ
せる。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、化合物No.30
を得る。
(d) 4mlのアセトニトリル中の0.44gの化合物No.30の攪拌溶液に、0.15mlの1
,5−ジアザビシクロ〔5.4.0.〕ウンデカ−5−エンと0.13mlのベンジル
オキシメチルクロリドを添加する。室温で18時間後、NaH2PO4水溶液を加える。
有機溶媒を真空中で留去し、水相をCHCl3で抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で
洗浄し、乾燥しそして濃縮する。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーに
より精製し、化合物No.31を得る。
(e) 30mlの乾燥トルエン中の2.23gのトリフェニルホスフィンと1.73mlのジイ
ソプロピルアゾジカルボキシレートの溶液をアルゴン下で0℃にて1時間撹拌す
る。この溶液を室温まで温め、15mlのトルエン中の2.18gの化合物No.31を添加す
る。10分後、0.96gのクロロ酢酸を添加する。56時間攪拌した後、溶媒を除去し
、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、化合物No.32を得
る。
(f) 10mlのメタノール中の0.24gの化合物No.32の溶液に、アルゴン下で室温
にてナトリウムメタノラート溶液(1mlのメタノール
中0.009gのNa)10mlを添加する。30分後、H+−イオン交換樹脂をゆっくり加え
ることにより、混合物を中和する。この混合物を濾過し、蒸発させて化合物No.3
3を得る。
(g) 5mlのCH3I中の0.69gのAg2Oと0.19gの化合物No.33の懸濁液を45℃に20時
間維持する。過剰のCH3Iを留去し、残渣をCHCl3で希釈し、濾過しそして濃縮す
る。シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより化合物No.34を得る。
(h) 6mlのテトラヒドロフラン中の0.084gのNaHの攪拌懸濁液に0℃において
0.83gの化合物No.33を加える。1時間後、0.12mlのCH3Iを加え、反応液を室温に
維持する。18時間後、真空下で溶媒を除去し、残渣をCHCl3で希釈し、Na2S2O3,
NaH2PO4および飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥しそして蒸発させる。残
渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、化合物No.34を得る。
(i) アセトン/H2O(4:1)中の0.83gの化合物No.34の攪拌溶液に0.188gの4
−メチルモルホリン−4−オキシド一水和物、次いで0.032gのOsO4を室温で添加
する。17時間後、溶媒を真空下で除去する。残渣をCHCl3で希釈し、飽和NaCl溶
液で洗浄し、乾燥し、濾過しそして蒸発させる。残渣をシリカゲル上でのクロマ
トグラフィーにより精製し、化合物No.35を得る。
(j) 10mlのメタノール中の0.735gの化合物No.35の溶液を0.735gのPd/Cと共に
水素雰囲気下で室温で一晩攪拌する。該溶液を濾過し、真空下で蒸発させる。残
渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、化合物No.36を得る。
(k) 5mlのジオキサン/H2O(3:1)混合物中の0.49gの化合物No.36と0.203g
のNaIO4の溶液を室温で18時間攪拌する。溶媒を除去し、残渣をCHCl3で希釈し、
飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥する。蒸発後、シリカゲル上でのクロマトグラフィ
ーにより化合物No.37を得る。
(1) 2.3mlのt−ブタノール中の0.37gの化合物No.37の攪拌溶液に、1.4mlの
水中の0.374gのNaClO2、0.29mlの2−メチル−2−ブテンおよび0.381gのNaH2PO4
の溶液を室温で添加する。30分後、溶媒を真空下で蒸発させる。残渣を飽和NaC
l溶液中に取り、CHCl3で3回抽出する。有機相を乾燥し、蒸発させて化合物No.3
8を
得る。
(m) 3mlのアセトニトリル中の0.33gの化合物No.38の溶液に、0.073mlのN−
メチルモルホリン、0.041gのヒドロキシベンゾトリアゾールおよび次に0.22gの
(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチル
ウロニウムテトラフルオロボレートを室温で添加する。30分後、5′−アジド−
5′−デオキシチミジンから3′−保護と水素化による5′−アジド還元を経由
して合成された0.29gの化合物No.39の溶液
を2mlのアセトニトリル中の1.5当量のN−メチルモルホリンと共に添加する。1
7時間後、水性NaH2PO4を添加する。アセトニトリルを真空下で除去する。水相を
CHCl3で抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥しそして蒸発させる。シ
リカゲル上でのクロマトグラフィーにより化合物No.40を得る。
(n) 4mlのテトラヒドロフラン中の0.42gの化合物No.40の溶液に酢酸0.06ml
とテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム溶液0.91mlを室
温で添加する。16時間後、トリエチルアミンを添加し、混合物をトルエンと一緒
に蒸発させる。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、化合
物No.41を得る。
(o) 0.146gのジメトキシトリチルクロリド(0.424×10-3モル)を6mlの乾燥
ピリジン中の0.19gの化合物No.41(0.353×10-3モル)の攪拌溶液に添加する。
該混合物をRTで攪拌する。各々0.036gのジメトキシトリチルクロリド(0.106×1
0-3モル)を6時間毎に4回添加する。該溶液をCH2Cl2で希釈し、水性NaHCO3で
洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥する。溶媒を真空下で蒸発させる
。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノ
ール;100:1→20:1の勾配;+1%トリエチルアミン)により精製し、化合物No.
42を得る(0.245g,0.289×10-3モル;収率:82%)。
(P) 0.23gの化合物No.42(0.273×10-3モル)を10mlの乾燥CH2Cl2に溶かす。
この溶液に0.112gのN,N−ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(0.657
×10-3モル)と0.182gの2−シアノエチル−N,N,N′,N′−テトライソプ
ロピルホスホルアミダイト(0.602×10-3モル)を添加する。この混合物をRTで2
4時間攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液を加える。有機相を分離し、水性NaHCO3と
飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥する。溶媒を真空下で蒸発させた後、残渣
をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール;
100:1→97:3の勾配;+1%トリエチルアミン)により精製し、化合物No.43を得
る(0.21g;0.202×10-3モル;収率:74%)。31
P-NMR(CDCl3,101MHz,δ(ppm)): 148.7および149.6。実施例A4:化合物No.51の調製
(a) 26.84gの化合物No.44(0.0501モル)
を80mlの乾燥ピリジンに溶かす。この溶液に18.44gの4−クロロフェニルホスホ
ロジクロレート(0.0751モル)と10.47gの1,2,4−トリアゾール(0.1503モ
ル)をRTにおいて添加する。反応混合物を50℃で24時間加熱し、次いでCH2Cl2で
希釈し、水性NaH2PO4と飽和食塩水で洗浄する。有機相をNa2SO4上で乾燥する。
残渣を更に精製せずに転換する。残渣を100mlのジオキサンに溶かす。この溶液
に50mlの濃アンモニア(水中25%)を加える。混合物をRTで23時間攪拌し、次い
でCH2Cl2で抽出する。水相をNaClで飽和し、CH2Cl2で抽出する。有機相をNa2SO4
上で乾燥する。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのフラッシュク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール:50:1→9:1の勾配)により精製し
、化合物No.45を得る(24.61g,0.0456モル;収率=91%)。
(b) 0.251gの化合物No.45(0.469×10-3モル)を5mlの乾燥ピリジンに溶か
す。この溶液に0.136gのN−メチルピロリドンジメチルアセタール(0.938×10- 3
モル)を添加する。この混合物をRTで16時間攪拌する。真空下でピリジンをト
ルエンと一緒に3回蒸発させる。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:メタノール;20:1→10:1の勾配)により精製し、化合物
No.46を得る(0.276g,0.445×10-3モル;収率:95%)。
(c) 4gの化合物No.46(6.49×10-3モル)を60mlのメタノールに溶かす。こ
の溶液に1.466gのSnCl2・2H2O(6.49×10-3モル)を3度添加する:各々0,60
および90分に。RTで2時間激しく攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液を加える。該溶
液のpHをpH=9に調整
する。メタノールを真空下で蒸発させる。水相をCH2Cl2で抽出する。有機相を飽
和食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させる。粗生成物である化合物No.47を精製
せずに次の段階に使用する(3.50g,5.9×10-3モル;収率:91%)。
(d) 1.104gの化合物No.48(1.588×10-3モル)
を20mlのアセトニトリル(乾燥)に溶かす。この溶液に0.176gのトリエチルアミ
ン(1.74×10-3モル)、0.561gのO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)
−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(1.74
×10-3モル)および0.107gのN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.79×10-3モ
ル)を添加する。この混合物をRTで1時間攪拌する。0.935gの化合物No.47(1.5
88×10-3モル)を加え、次いで0.241gのトリエチルアミン(2.38×10-3モル)を
加える。RTで12時間後、飽和NaH2PO4溶液を反応フラスコに導入する。溶媒を真
空下で蒸発させ、水相をCH2Cl2で抽出する。有機相をNa2SO4上で乾燥する。溶媒
を蒸発させた後、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル:メタノール;100:1g→10:1の勾配)により精製し、化合物
No.49を得る(1.407g;1.106×10-3モル;収率:70%)。
(e) 0.470gの化合物No.49(0.371×10-3モル)を20mlの乾燥テトラヒドロフ
ランに溶かす。この溶液に0.107gのフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒ
ドロフラン中1M溶液0.408ml)を添加する。RTで2時間後、溶媒を真空下で蒸
発させる。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル
:メタノール;100:1g→10:1の勾配)により精製し、化合物No.50を得る(0.81g
;0.304×10-3モル;収率:82%)。
(f) 0.24gの化合物No.50(0.233×10-3モル)を10mlの乾燥CH2Cl2に溶かす
。この溶液に0.096gのN,N−ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(0.56
×10-3モル)と0.155gの2−シアノエチル−N,N,N′,N′−テトライソプ
ロピルホスホロアミダイト(0.513×10-3モル)を添加する。この混合物をRTで2
4時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を添加する。有機相を分離し、水性NaHCO3と飽
和食塩水で洗浄し、Na2SO3上で乾燥する。溶媒を真空下で蒸発させた後、残渣を
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール;10
0:1→25:1の勾配)により精製し、化合物No.51を得る(0.225g,0.184×10-3モ
ル;収率:79%)。31
P-NMR(CDCl3101MHz,δ(ppm)): 150.7および151.3。実施例A5:化合物No.71の調製
(a) 70mlのテトラヒドロフラン中の47.5mgの化合物No.52(0.182モル)の溶
液
を、0℃において110mlのテトラヒドロフラン中のNaH(8.76g,55%,0.201モ
ル,ヘキサンで洗浄したもの)の懸濁液に添加する。反応液を0℃で1.0時間そ
して25℃で0.5時間攪拌する。反応混合物に46.7gのベンジルブロミド(0.273モ
ル)と3.36gのヨウ化テトラブチルアンモニウム(9.1ミリモル)を添加し、そし
て25℃で1.0時間攪拌を続ける。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ、酢酸エ
チルで抽出する(3回)。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2S
O4)、濾過し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中20
%酢酸エチル)により精製し、化合物No.53(55.0g,86%)を得る。
Rf=0.30(シリカ、ヘキサン中30%酢酸エチル)
(b)55.0gの化合物No.53(0.157モル)をAcOH/H2O(9/1,1105ml)中に溶かし
、40℃で2.0時間攪拌する。反応混合物を濃縮し、トルエンと一緒に蒸発させ(
3回)、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中65%酢酸エチル
)により精製し、ジオール化合物No.54を得る(29.0g,60%)。
Rf=0.29(シリカ、ヘキサン中80%酢酸エチル)
(c) 250mlのピリジン中の29.0gの化合物No.54(93.5ミリモル)の溶液を0℃
において25.0gのトルエン−4−スルホニルクロリド(130.9ミリモル)と1.1gの
ジメチルアミノピリジン(9.4ミリモル)で処理する。反応液を25℃で4.0時間攪
拌し、11mlのメタノールで失活させ、更に0.3時間攪拌し、濃縮し、トルエンと
一緒に蒸発させ(2回)、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、
化合物No.55を得る(36.8g,85%)。
Rf=0.50(シリカ、ヘキサン中25%酢酸エチル)
(d) 83mlのジメトキシエタン(アルゴンを使って脱気したもの)中の11.7gの
化合物No.55(25.3ミリモル)の溶液を11.4gのNaI(76.0ミリモル)、11.1gの
水素化トリチル錫(38.0ミリモル)および410gのアゾイソブチロニトリル(0.25
ミリモル)で処理し、そして80℃で1.0時間攪拌する。反応混合物をシリカゲル
上に吸着させ、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサ
ン中30%酢酸エチル)により精製し、化合物No.56を得る(7.5g,73%)。
Rf=0.13(シリカ、ヘキサン中35%酢酸エチル)
(e) 125mlのピリジン中の12.5gの化合物No.56(42.6ミリモル)の溶液を0℃
において20.3gのトルエン−4−スルホニルクロリド(106ミリモル)と520gのジ
メチルアミノピリジン(4.3ミリ
モル)で処理する。反応液をゆっくり70℃に加熱し、3.0時間攪拌する。反応混
合物を飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ、CH2Cl2で抽出し(3回)、乾燥し(Na2SO4)
、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中25〜35%
酢酸エチル)により精製して化合物No.57を得る(15.9g,84%)。
Rf=0.31(シリカ、ヘキサン中33%酢酸エチル)
(f) 120mlのジメチルホルムアミド中の15.9gの化合物No.57(36.0ミリモル)
の溶液を4.6gのNaN3(71.2ミリモル)で処理し、80℃で3.0時間攪拌する。この
反応混合物を飽和食塩水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する(3回)。合わせた有
機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリ
カ、ヘキサン中20%酢酸エチル)により精製して化合物No.58を得る(10.6g,93
%)。
Rf=0.42(シリカ、ヘキサン中20%酢酸エチル)
(g) 25mlのCH2Cl2中の5.0gの化合物No.58(15.7ミリモル)の溶液を0℃にお
いて2.9mlのH2Oと5.8mlのCF3COOHで処理する。反応混合物を25℃で9.0時間攪拌
し、0℃に冷却し、固体のNaHCO3で注意深く処理する。反応混合物を0.3時間攪
拌し、CH2Cl2で希釈し、次いでCH2Cl2で洗浄する。水相をCH2Cl2で抽出し(2回
)、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮して化合物No.59を得る(4.4g,1
00%)。その一部分を分析のためフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、CH2C
l2中3%メタノール)により精製する。
Rf=0.35,0.27(シリカ、CH2Cl2中4%メタノール)
(h) 50mlのピリジン中の4.4gの粗製化合物No.59(15.8ミリモル)の溶液を8.
1gの無水酢酸(79.0ミリモル)と0.2gのジメチ
ルアミノピリジン(1.6ミリモル)で処理する。反応混合物を25℃で0.5時間攪拌
し、飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ、そしてCH2Cl2で抽出する(3回)。合わせた有
機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリ
カ、ヘキサン中15〜20%酢酸エチル)により精製して化合物 No.60を得る〔4.7g
,92%,アノマーの混合物(1H-NMRによると3.5:1)〕。
Rf=0.41,0.31(シリカ、ヘキサン中33%酢酸エチル)
(i) 40mlのCH3CN中の4.1gの化合物No.60(12.0ミリモル)と2.1gのチミン(1
6.8ミリモル)の溶液を5.8gのN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド
(28.4ミリモル)で処理し、50℃で0.5時間攪拌する。この反応混合物に5.7gの
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(25.8ミリモル)を加え、50
℃で3.0時間攪拌を続ける。反応混合物を25℃に冷却し、飽和NaHCO3水溶液中に
注ぎ、CH2Cl2で抽出する(3回)。合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し
、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中50%酢酸エチル)
により精製して化合物No.61を得る(4.42g,80%)。
Rf=0.30(シリカ、ヘキサン中50%酢酸エチル)
(J) 70mlのジメチルホルムアミド中の10.6mgの化合物No.61(24.6ミリモル)
の溶液を、0℃において7.5gの1,5−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ
−5−エン(49.2ミリモル)と、30mlののジメチルホルムアミド中の8.3gのp−
メトキシベンジルオキシメチルクロリド(44.3ミリモル)の溶液で処理する。反
応混合物をRTで2.0 時間攪拌し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー
(シリカ、ヘキサン中30〜50%酢酸エチル)により精製して化合物No.62を得る
(12.3g,87%)。
Rf=0.27(シリカ、ヘキサン中33%酢酸エチル)
(k) 0℃において120mlのメタノール中の12.3gの化合物No.62(21.3ミリモル
)の溶液を4.6gのナトリウムメタノラート(85.2ミリモル)で処理し、0℃で1.
0時間攪拌する。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ、CH2Cl2で抽出し(3回
)、乾燥し(Na2SO4)、シリカゲル上に吸着させ、そしてフラッシュクロマトグ
ラフィー(ヘキサン中50%酢酸エチル)により精製して化合物No.63を得る(10.
8g,94%)。
Rf=0.31(シリカ、ヘキサン中50%酢酸エチル)
(l) 0℃の100mlのテトラヒドロフラン中の10.3gの化合物No.63(19.1ミリモ
ル)の溶液に2.3gのNaH(57.3ミリモル)を加え、反応混合物を0℃で0.5時間
攪拌する。この反応混合物にヨウ化メチルを加え、0℃で1.0時間攪拌を続ける
。それを飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ、CH2Cl2で抽出し(3回)、合わせた有機相
を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン
中30%酢酸エチル)により精製して化合物No.64を得る(10.8g,100%)。
Rf=0.43(シリカ、ヘキサン中50%酢酸エチル)
(m) 0.983gのSnCl2・H2Oを0℃において3mlのメタノール中の2.0gの化合物N
o.64(3.63ミリモル)の溶液に添加し、混合物をRTで16.0時間攪拌する。反応混
合物を飽和NaHCO3水溶液中に注ぎ、CH2Cl2で抽出する(3回)。合わせた有機相
を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中
5%メタノール)により精製して化合物No.65を得る(1.4g,71 %)。
Rf=0.27(シリカ、CH2Cl2中7%メタノール)
(n) 12mlのCH3CN中の1.42gのカルボン酸化合物No.66(2.5ミリモル、P2O3上
でHVにて16.0時間乾燥したもの)の溶液
を273mgのトリエチルアミン(2.7ミリモル)、867mgのO−(1−ベンゾトリア
ゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウムテトラフルオロ
ボレート(2.7ミリモル)および166mgのヒドロキシベンゾトリアゾール(1.3ミ
リモル)で処理する。反応混合物を1.5時間攪拌する。15mlのCH3CN中の1.31gの
アミン化合物No.65(2.5ミリモル、P2O5上でHVにて16時間乾燥したもの)の溶液
と373mgのトリエチルアミン(3.6ミリモル)を反応混合物に添加し、24時間攪拌
を続ける。この反応混合物を飽和NaH2PO4水溶液中に注ぎ、濃縮する。水相をCH2
Cl2で抽出し(3回)、合わせた有機相を飽和NaH2P04水溶液と飽和食塩水で洗浄
し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精
製して化合物No.67を得る(2.20g,85%)。
Rf=0.61(シリカ、CH2Cl2中5%メタノール)
(O) 30mlのCH2Cl2と3mlのH2O中の2.20gの化合物No.67(2.03ミリモル)の溶
液に1.89gの1,2−ジクロロ−4,5−ジシアノ−3,6−キノン(8.67ミリ
モル)を2時間に渡り分割して添加し、反応混合物を更に0.5時間攪拌する。こ
の反応混合物をセライトを通して濾過し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグ
ラフィー(CH2Cl2中3〜20%メタノール)により精製して化合物No.68を得る(1
.34g,84%)。
Rf=0.15(シリカ、CH2Cl2中2.5%メタノール)
(P) 6mlのテトラヒドロフラン中の650mgの化合物No.68(0.83ミリモル)の
溶液を1.25mlのフッ化n−テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1.
0M、1.25ミリモル)で処理し、25℃で24.0時間攪拌する。混合物を飽和NaHCO3
水溶液中に注ぎ、CH2Cl2で抽出し(3回)、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そして
フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中2〜7%メタノール)により精製して
化合物No.69を得る(505mg,95%)。
Rf=0.21(シリカ、CH2Cl2中6.5%メタノール)
(q) 310mgの化合物No.69(0.48ミリモル)の溶液をアルゴンにより脱気し、P
d/C(10%,62mg)で処理し、そしてH2雰囲気下で1.5時間攪拌する。反応容器
をアルゴンでフラッシュし、セライトを通して濾過し、濃縮して化合物No.70を
得る(267mg,92%)。
Rf=0.17(シリカ、CH2Cl2中10%メタノール)
(r) 2mlのピリジン中の186mgの化合物No.70(0.34ミリモル)の溶液を3Å
のモレキュラーシーブ(200mg)、171mgの4,4′−ジメトキシトリフェニルク
ロリド(0.51ミリモル)および102mgのトリエチルアミン(1.01ミリモル)で処
理し、25℃で2.0時間攪拌する。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液中に注ぎ、CH2Cl2
で抽出し(3回)、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、トルエンと一緒に蒸発させ(
2回)、そしてフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中5%メタノール、1%
トリエチルアミン)により精製して化合物No.71を得る(274mg,95%)。
Rf=0.20(シリカ、CH2Cl2中12.5%メタノール)
実施例A6:化合物No.80の調製
(a) 5.46gの2′−α−メトキシチミジンと9.86gのトリス−t−ブチルトリ
チルクロリドを60mlの乾燥ピリジンに加える。この懸濁液に2.23gのトリエチル
アミンを加える。RTで96時間後、反応混合物を蒸発乾固せしめ、残渣をトルエン
中に溶かす。蒸発させた後、油状残渣をエーテル中に取り、飽和食塩水で2回洗
浄する。有機相をNa2SO4上で乾燥し、蒸発乾固せしめる。残渣をヘキサン中に取
り、生成物を晶出させ、そして濾過する。化合物No.72の収量:12.66g(92%)
。
1H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)):3.65(s,3H,OCH3)。
(b) 12.62gの化合物No.72と2.77gのイミダゾールを20mlの乾燥ジメチルホル
ムアミドに溶かす。これに5.59gのt−ブチルジフェニルクロロシランを5分間
に渡り滴下添加する。3.5時間後、懸濁液をエーテルで希釈し、水で3回洗浄す
る。有機相をNa2SO4上で乾燥し、蒸発させる。ヘキサンで処理しそして濾過した
後、白色結晶として12.87g(76%)の化合物No.73が得られる。
1H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)): 3.25(s,3H,OCH3); 0.98(s,9H,t-Bu)。
(C) 16.74gの化合物No.73を360mlの80%水性酢酸に溶かし、60℃に加熱する
。1時間後、反応混合物を蒸発乾固せしめ、残渣をCH2Cl2/メタノールの勾配(
100%→95%/5%)を使ったシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製
し、8.27gの化合物No.74を得る。
1H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)):3.36(s,3H,OCH3); 1.10(s,9H,t-Bu)。
(d) 8.0gの化合物No.74を80mlのピリジン:CH2Cl2の1:1混合物に溶かす。
3.58gのトシルクロリドを分割して添加し、該溶液を一晩攪拌する。更に2.99gの
TsClを添加し、反応混合物を更に48時間攪拌する。溶媒を除去した後、残渣をCH2
Cl2中に取り、水で洗浄する。蒸発させた後、残渣をクロマトグラフィーにより
精製して9.0gの化合物No.75を得る。薄層クロマトグラフィー上で純粋な化合物
は、トシレートと対応クロリドの混合物から成る。この混合物をそのまま次の段
階に使用する。
(e) 上記A6(d)で得られた混合物9.0gを12.35mlのアニリン中に懸濁し、そ
れに75mgのヨウ化テトラブチルアンモニウムを添加する。この混合物を封管中で
100℃で12時間加熱する。アニリンを真空中で留去した後、残渣をCH2Cl2中に取
り、水で洗浄する。乾燥させそして溶媒を蒸発させた後、溶離剤としてトルエン
/酢酸エチルを使って8.39gの残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーによ
り精製し、6.8gの化合物No.76を得る。
1H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)):3.53(s,3H,OCH3); 1.14(s,9H,t-Bu)。
(f) De Mesmaeker,A.,Waldner,A.,Lebreton,J.,Hoffmann,P.,Fritsch
,V.,Wolf,R.M.,Freier,S.M.,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:226-229(1
994)に従って調製した360mgの酸化合物No.77、
250mgのアニリン化合物No.76および165mgのヨウ化2−クロロ−N−メチルピリ
ジニウムを乾燥CH3CN中に溶かす。この混合物に130mgのトリエチルアミンを添加
し、生じた溶液を還流させながら4時間加熱する。粗反応混合物を蒸発させた後
、トルエン/酢酸エチルの勾配8:2→1:1を使ったクロマトグラフィーにより精製
し、290mgの化合物No.78を得る。
1H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)): 1.30(s,27H,3t-Bu); 5.45(2d,J=8,CH2Ph
)。MS(FD): 1261。
(g) 1.46gの化合物No.78を20mlのCH2Cl2/H2O(20:1)に溶かす。それに0.94g
の1,2−ジクロロ−4,5−ジシアノ−3,6−キノンを1分間以内で添加す
る。90分後、該溶液を濾過し、濾液を飽和Na2S2O5で洗浄する。乾燥および蒸発
後、残渣のクロマトグラフィー精製により0.84gの化合物No.79を得る。
1H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)): 3.34(s,3H,OCH3); 1.03(s,9H,t-Bu)。M
S(FD): 1261。
(h) 0.84gの化合物No.79を、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルア
ンモニウムと酢酸の混合物(1:1;4当量)で処理する。2時間後反応が完結する
。蒸発後、残渣のクロマトグラフィー
精製により0.65gの化合物No.80を得る。1
H-NMR(CDCl3,500 MHz,J(Hz)): 3.58(s,3H,OCH3)。MS(FD):1023。実施例A7:化合物No.96の調製
(a) 14.2gのアルデヒド化合物No.81(28.0ミリモル)
を100mlのCH2Cl2に溶かし、0℃に冷却する。11.2gの(メトキシカルボニルメチ
レン)トリフェニルホルホラン(33.5ミリモル)を分割して添加し、そして反応
混合物を0℃で1.5時間攪拌する。この混合物を水で洗浄し、水相をCH2Cl2で抽
出する(2回)。合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシ
ュクロマトグラフィーにより精製してオレフィン化合物No.82を得る。
(b) 14.7gのオレフィン化合物No.82(26.1ミリモル)を200mlのメタノールに
溶かし、アルゴンを使って脱気する。1.4gの10%Pd/Cを加え、反応混合物に水素
ガスを10分間通す。反応混合物を水素雰囲気下で(1気圧)迅速に20時間攪拌す
る。水素雰囲気をアルゴン雰囲気に置換し、反応混合物をセライトを通して濾過
し、濃縮し、そしてベンゼンと一緒に蒸発させ(2回)、化合物No.83を得る。
(C) 14.7gの化合物No.83(26.1ミリモル)を70mlのジメチルホルムアミドに
溶かし、0℃に冷却する。8.0gのジアザビシクロウンデセン(52.1ミリモル)と
、15mlのジメチルホルムアミド中の7.8gのp−メトキシベンジルオキシメチルク
ロリド(41.8ミリモル)の溶液を反応混合物に添加する。反応混合物を25℃で25
時間攪拌し、濃縮し、トルエンと一緒に蒸発させ(2回)、そしてフラッシュク
ロマトグラフィーにより精製して化合物No.84を得る。
(d) 15.3gのメチルエステル化合物No.84(21.4ミリモル)を500mlのテトラヒ
ドロフランに溶かし、0℃に冷却し、320mlの0.2MNaOH水溶液で処理する。反応
混合物をRTで3.0時間攪拌し、CH2Cl2で希釈し、飽和NaH2PO4水溶液で洗浄する。
水相を更にCH2Cl2で抽出し(3回)、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、そし
てフラッシュクロマトグラフィーにより精製してカルボン酸化合物No.85を得る
。
(e) 8.0gのカルボン酸化合物No.85(11.4ミリモル)を60mlの1,2−ジクロ
ロエタンに溶かし、0℃に冷却し、1.7gの1−クロロ−N,N,2−トリメチル
プロペニルアミン(12.5ミリモル)で処理する。0℃で1.0時間後、1.8gの2−
メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム塩(12.5ミリモル)を固体状態で
添加し、反応混合物を遮光下において0℃で1.0時間攪拌する。この反応混合物
を290mlの1,2−ジクロロエタンで希釈し、アルゴンを使って脱気する。そこ
に22.8gのブロモトリクロロメタン(114.0ミリモル)を加え、太陽灯を使って反
応液を5分間照射する。この反応混合物を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグ
ラフィーにより精製して化合物No.86を得る。
(f) 4.2gの臭化化合物No.86(5.7ミリモル)、1.8gのNaI(11.4ミリモル)お
よび3.0gのトリフェニルホスフィン(11.4ミリモル)をCH3CNに溶かし、65℃で3
6時間攪拌する。反応混合物を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーに
より精製して化合物No.87を得る。
(g) 2.3gの化合物No.87(2.45ミリモル)を20mlのテトラヒドロフランに溶か
し、−78℃に冷却する。反応混合物に2.7mlの(TMS)2NNa(テトラヒドロフラン中
1M溶液,2.7ミリモル)を加える。1分後、7mlのテトラヒドロフラン中に溶
かした1.37gのアルデヒド化合物No.88(2.45ミリモル)
を加え、−78℃で1.0時間、次いで25℃で0.25時間攪拌を続ける。
水を使って反応を停止させ、0.3時間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NaCl水
溶液で洗浄する。水相を酢酸エチルで抽出し(2回)、合わせた有機相を乾燥し
(Na2SO4)、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して化合
物No.89を得る。
(h) 2.20gの化合物No.89(1.83ミリモル)を10mlのCH2Cl2/H2O(20:1)に溶か
す。2.9gの1,2−ジクロロ−4,5−ジシアノ−3,6−キノン(12.4ミリモ
ル)を分割して添加し、反応混合物を3.0時間攪拌する。セライトを通して反応
混合物を濾過し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
化合物No.90を得る。
(i) 1.50gの化合物No.90(1.67ミリモル)を15mlの脱気したベンゼンに溶か
し、91mgのチオフェノール(0.83ミリモル)と41mgのアゾイソブチロニトリル(
0.25ミリモル)で処理し、80℃で攪拌する。更に91mgのチオフェノール(0.83ミ
リモル)と41mgのアゾイソブチロニトリル(0.25ミリモル)を添加する(4時間
おきに5回)。反応混合物を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによ
り精製して化合物No.91を得る(トランス異性体とシス異性体の混合物)。
(j) 1.20gの化合物No.91(1.33ミリモル)を15mlのテトラヒドロフランに溶
かし、フッ化n−テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液を
3.1ml、3.1ミリモル)で処理し、25℃で16.0時間攪拌し、濃縮し、そしてフラッ
シュクロマトグラフィーにより精製してジオール化合物No.92を得る(トランス
異性体とシス異性体の混合物)。
(k) 5mlのピリジン中の600mgのジオール化合物No.92(1.15ミリモル)の溶
液を349mgのトリエチルアミン(3.45ミリモル)と750mgのトリス(tert−ブチル
)トリチルクロリド(1.73ミリモル)で処理する。反応混合物を60℃で攪拌する
。3.0時間後と6.0時間後に、反応混合物に追加のトリス(tert−ブチル)トリチ
ルクロリド(240mg,0.86ミリモルと131mg,0.42ミリモル)を添加する。7時間
後、反応混合物を濃縮し、トルエンと一緒に蒸発させ(3回)、そしてフラッシ
ュクロマトグラフィーにより精製して化合物No.93を得る(トランス異性体とシ
ス異性体の混合物)。
(l) 4mlのジメチルホルムアミド中の950mgの化合物No.93(1.02ミリモル)
の溶液を0℃において620mgのジアザビシクロウンデセン(4.10ミリモル)で処
理し、そして570mgのp−メトキシベンジルオキシメチルクロリド(3.06ミリモ
ル)の溶液を添加する。反応混合物を25℃で3.5時間攪拌し、CH2Cl2で希釈し、N
aHCO3水溶液で洗浄し、水相をCH2Cl2で抽出する(2回)。合わせた有機相を乾
燥し(Na2SO4)、濃縮し、トルエンと一緒に蒸発させる(2回)。粗生成物をフ
ラッシュクロマトグラフィーにより精製してトランス異性体とシス異性体の混合
物を得る。トランス異性体はフラッシュクロマトグラフィー(AgNO3含浸SiO2)
によりシス異性体から分離される。クロマトグラフィーを繰り返した後、化合物
No.94(純粋なトランス異性体)が得られる。
(m) 340mgの化合物No.94(0.276ミリモル)を2.8mlのCH2Cl2に溶かし、0.2ml
の水と626mgの1,2−ジクロロ−4,5−ジシアノ−3,6−キノン(2.76ミ
リモル)で処理する。反応混合物を25℃で0.7時間攪拌し、25滴の飽和Na2CO3水
溶液で中和し、セライトを通して濾過し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグ
ラフィーにより精製して化合物No.95を得る。
(n) 118mgのアルコール化合物No.95(0.127ミリモル)と108.7mgのジイソプ
ロピルアンモニウムテトラゾリド(0.635ミリモル)を2時間乾燥し(HV,60℃
)、4mlのCH2Cl2中に溶かし、114.6mgのシアノエトキシビス(ジイソプロピル
アミノ)ホスフィン(0.381ミリモル)で処理する。反応混合物を25℃で1.5時間
攪拌する。反応液を濃縮し、CH2Cl2に溶かし、冷ペンタン中で沈澱させる。母液
を濃縮し、残った生成物を沈澱させる。合わせた沈澱物をペンタンで洗浄し、そ
してフラッシュクロマトグラフィーにより精製してホスホロアミダイト化合物No
.96を得る(ジアステレオマーの混合物)。実施例A8:化合物No.99の調製
(a) 3mlのテトラヒドロフラン中の620mgの化合物No.90(0.689ミリモル)の
溶液をテトラヒドロフラン中のフッ化n−テトラブチルアンモニウムの溶液(1
M,1.59ml,1.59ミリモル)で処理する。反応混合物を50℃で2.0時間攪拌し、
濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製してジオール化合物No
.97を得る。
(b) 340mgのジオール化合物No.97(0.654ミリモル)と439mgのトリス(tert
−ブチル)トリチルクロリド(0.982ミリモル)を4時間乾燥し(HV,60℃)、
2mlのピリジンに溶かし、そして200mgのトリエチルアミン(1.96ミリモル)で
処理する。反応混合物を
50℃で2.0時間攪拌する。追加の440mgのトリス(tert−ブチル)トリチルクロリ
ド(0.982ミリモル)を添加し、反応混合物を50℃で更に16時間攪拌し、濃縮し
、トルエンと一緒に蒸発させ(2回)、そしてフラッシュクロマトグラフィーに
より精製して化合物No.98を得る。
(C) 176mgのアルコール化合物No.98(0.189ミリモル)と162mgのジイソプロ
ピルアンモニウムテトラゾリド(0.950ミリモル)を2時間乾燥し(HV,60℃)
、4mlのCH2Cl2に溶かし、そして171mgのシアノエトキシビス(ジイソプロピル
アミノ)ホスフィン(0.567ミリモル)で処理する。反応混合物を25℃で1.5時間
攪拌し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。生成物
を含む画分をCH2Cl2に溶かし、冷ペンタン中で沈澱させる。母液を濃縮し、残っ
た生成物を沈澱させる。それらの沈澱物をペンタンで洗浄してホスホロアミダイ
ト化合物No.99(ジアステレオマーの混合物)を得る。B.オリゴヌクレオチドの合成
各オリゴヌクレオチドは、Gait,M.J.,Oligonucleotide Synthesis: A Pract
ical Approach,IRL Press,Oxford(1984)に従った標準的ホスホロアミダイト
化学を使って、ただし延長したカップリング時間(10分)を使って、ABI 390 DN
A合成装置上で調製する。ジメトキシトリチルオリゴヌクレオチドは逆相HPLC(
カラム:Nucleosil RP-C1810μ,10×250mm;溶離液A:50mM酢酸トリエチルア
ンモニウム(TEAA),pH7.0;溶離液B:70%アセトニトリル中の50mM TEAA,pH
7.0;45分間に渡る15%Bから45%Bへの勾配を使った溶離)により精製する。H
PLCによる精製後、オリゴデオキシヌクレオチドをキャピラリーゲル電気泳動に
かける(濃度:1OD/ml、注入:2kV,3秒,分離:9kV,キャピラリー:有
効長さ30cm,内径100μm,ポリアクリルアミド10%T,緩衝液:100mM H3PO4,1
00mM Tris,2mM EDTA,7M 尿素pH 8.8)。各オリゴデオキシヌクレオチドの分
子量は質量分析法により確認する〔MALDI-TOF: Pieles,U.,Zurcher,W.,Scha
r,M.,Moser,H.,Nucl.Acids Res.21:3191(1993)〕。オリゴデオキシヌク
レオチドは、添加剤としてのクエン酸水素ジアンモニウム(最終濃度25mM)と共
にマトリックスとしての2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン(負電荷イ
オンの検出)を使って脱着される。
合成したオリゴヌクレオチド:
配列1: TpTpTpTbTpCpTpCpTpCpTpCpTpCpT
配列2: GpCpGpTbTpTbTpTbTpTbTpTbTpGpCpG
配列3: CpGpApCpTpApTpGpCpApTbTpTbTpC
配列1のMALDI-TOF M.S.分析:
計算値: 4416.036 実測値: 4416.9C.オリゴヌクレオチドの特性 実施例C1:融点
DNA/RNAハイブリッドの熱変性(Tm)をGilford ResponseII Spectrop
hotometer(Ciba-Corning Diagnostics Corp.,Oberlin,OH)を使って260nmで実
施する。温度に対する吸光度曲線を10mM リン酸塩pH 7.0(Na塩),100mM 全〔
Na+〕(NaClとして補足),0.1mM EDTA中の4μMの各鎖で測定する。温度−吸
光度曲線を、直線ベースラインを有する二相モデルに適合させることからTm′
を得る〔Freier,S.M.,Albergo,D.D.,Turner,D.H.,Biopoly-mers 22:1107-
1131(1982)〕。全ての値は少なくとも3回の実験の平均値である。Tm値の絶対
実験誤差は±0.5℃である。
配列1と相補的RNA鎖を有する二重鎖のTm(℃):Tm=54.3℃。
野性型(配列1とDNA鎖の二重鎖) :Tm=52.2℃。
ΔTm/1変型=+2.1℃。実施例C2:3′−エキソヌクレアーゼに対する耐性
実験の詳細についてはHoke,G.D.,Draper,K.,Freier,S.M.,
Gonzales,C.,Driver,V.B.,Zounes,M.C.,Ecker,D.J.,Nucl.Acids Res.1
9:5743(1991)を参照のこと。実施例C3:生物学的活性:c-raf キナーゼの発現の阻害
T-24細胞を、10μg/mlのリポフェクチンを含む無血清最適培地中で未変型のオ
リゴヌクレオチドまたは本発明に従って変型されたオリゴヌクレオチドで処理す
る(該オリゴヌクレオチドを培地に直接塗布する)。37℃で4時間インキュベー
ション後、オリゴヌクレオチドを含む培地をオリゴヌクレオチド不含有の普通培
地(McCoys培地+10%FCS)により置換する。24時間後、細胞RNAを抽出し
、イソチオシアン酸グアニジン法により分離し、次いで放射性標識ヒトc-DNA「
プローブ」を使ってc-raf RNA発現を測定する。c-raf RNAはりん光イメージャー
を使って定量する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月15日
【補正内容】追加の請求項45〜52:
45.2つの連続するヌクレオシドの構造単位を少なくとも1つ含んで成り、該
構造単位が式IIa,IIbまたはIIcを含んで成る、請求項1のオリゴヌクレオチ
ド。
46.2つの連続するヌクレオシドの構造単位を少なくとも1つ含んで成り、該
構造単位が式IIaを含んで成る、請求項45のオリゴヌクレオチド。
47.2つの連続するヌクレオシドの構造単位を少なくとも1つ含んで成り、該
構造単位が式IIbを含んで成る、請求項45のオリゴヌクレオチド。
48.2つの連続するヌクレオシドの構造単位を少なくとも1つ含んで成り、該
構造単位が式IIcを含んで成る、請求項45のオリゴヌクレオチド。
49.式IIIa,IIIbまたはIIIcの請求項28に記載の二量体。
50.式IIIaの請求項49に記載の二量体。
51.式IIIbの請求項49に記載の二量体。
52.式IIIcの請求項49に記載の二量体。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E
E,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,MX,
NO,NZ,PL,RO,RU,SI,SK,TJ,T
T,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 レブレトン,ジャック
フランス国,エフ−13009 マルセイユ,
シュマン ジョゼフ−エグイール 89,バ
ーティメン ウ1
(72)発明者 ベビエール,マルク−オリビエール
フランス国,エフ−68200,ムルウズ,リ
ュ ドゥ デル,14
(72)発明者 レスール,カテリーヌ
スイス国,ツェーハー−8006 チューリッ
ヒ,リギシュトラーセ 2