【発明の詳細な説明】
着色剤を含むボディーパウダー
技術分野
本発明はボディーパウダーに関する。より詳細には、本発明は、肌に付けた後
よりも、バルクにおいて、より実質的に知覚することができる着色剤を含むボデ
ィーパウダーに関する。
発明の背景
肌に対して清涼で乾燥した感覚を与えるようにボディーパウダーが用いられて
きた。人々は湿分吸収および感覚のためにこのような粉末を用い、それは敏感肌
または肌あれを処置し、または、肌の荒れを防ぐ性質を提供する。このような粉
末はおむつによる発疹を抑制し、またはおむつによる発疹が起こった患部領域を
緩和するための赤ん坊のおむつの領域の処理として広く用いられてきた。同様に
、多くの人々は、発疹による患部領域を緩和するために、または、入浴後または
シャワーの後の処置として単純に、このようなボディーパウダーを用いる。この
ような粉末は、タルク、コーンのデンプンおよび香料、医薬等のような更なる添
加剤を含む。
マイクロカプセルは香料、オイル、荒れ止め剤等を乾燥形態で輸送するために
、化粧品業界で用いられてきた。
Marabellaの米国特許第4,879,174号は、マイクロカプセルが着色剤を湿潤化す
る液体を含むときに着色剤を輸送することができる、外側表面に着色剤を有する
マイクロカプセルを有する着色剤サンプラー装置を開示している。
Sweenyの米国特許第4,756,906号は、化粧品着色剤組成物を開示しており、こ
こで、前記組成物は第一着色剤を含み、且つ、前記組成物のマイクロカプセルは
第二着色剤を含む。マイクロカプセルの
破壊時に、第二着色剤の色合いを組成物に加え、その色相特性を変える。この特
許明細書はコラム7、ライン39〜42において粉末組成物を詳細に議論している。
第二着色剤の位置はコラム4、ライン9 〜30で議論されている。組成物全体の色
を最も大きく変えるために、第二着色剤はシェル内に存在する。
Arraudeauの米国特許第5,035,885号は中空微小球の形態で合成熱可塑性材料を
含むボディーおよびフェースケアーのための粉末組成物を開示している。
発明の要旨
着色剤がマイクロカプセル内に存在するかまたはその上に存在しているマイク
ロカプセルを有するボディーパウダーを提供する。マイクロカプセルは、バルク
で見たときにボディーパウダーに色を付与し、且つ、肌の上で前記ボディーパウ
ダーを擦ったときに、知覚できる色が実質的に薄くなるために有効な量で存在す
る。
詳細な説明
白または肌の色調の組成物としてボディーパウダーが従来から提供されている
。肌の色調の粉末は有利にブレンドされ、そして人の肌に付けられたときに不自
然な色を付与しない。一般的な美観の目的では、しかしながら、あらゆる色のボ
ディーパウダー配合剤を提供することができるが、その配合剤が過度に知覚でき
るように別の色を肌に付与せずに、付けることができることが望ましい。本発明
はこのような配合剤を提供する。
マイクロカプセルのシェル上またはシェル内に着色剤を有するマイクロカプセ
ル微小球を従来のボディーパウダー配合剤中に加える場合、配合剤をバルク(即
ち、肌に付ける前)で見たときには、色
は容易に認識されるであろうことが驚くべきことに発見された。摩擦作用によっ
て肌にボディーパウダーを輸送するときには、ボディーパウダーの知覚できる色
は実質的に薄くなる。理論に固執するつもりはないが、この摩擦作用の間に、観
察できる所に物理的に位置した着色された材料の量が実質的に低下すると信じら
れる。この知覚できる色の相違は、バルク組成物中と比較して、肌の表面上の着
色性材料の量の実際上の減少がなくても、観測者には明らかである。
本発明によると、マイクロカプセルはアミノプラスト重合のような現場重合に
より調製される。一般に、現場重合反応と呼ばれる開示の技術は、例えば、アミ
ノプラスト樹脂カプセル壁材料を生じる。この方法において、疎水性油相は、高
剪断攪拌することにより、アミノプラスト樹脂前駆体を含む水性相において分散
される。酸触媒の添加はアミノプラスト前駆体の重縮合を開始し、油相の分散さ
れた液滴周囲にアミノプラスト樹脂の付着を起こし、マイクロカプセルを製造す
る。
カプセルのための疎水性内側相は米国特許第3,516,941号に記載されているい
ずれかの現場アミノプラストカプセル化可能な組成物中に存在することができる
。粒状物を含有させて製造されうる材料または分散体は、流体、半固体(例えば
、ゲル)、ワックス状固体または低融点(100℃未満)固体のキャリア相であ
ってよい。典型的な材料は、芳香油、鉱油、ミリスチン酸イソプロピルのような
荒れ止め剤、フタル酸エステルのような可塑剤、リップスティック等において見
られるようなワックスであってよい。
マイクロカプセルは、界面重縮合により調製されるときに、カプセル表皮は、
あらゆる重縮合ポリマーまたは付加重合ポリマー、例えば、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート等を
含んでよい。アミンと酸塩化
物との界面重縮合により調製されるポリアミド、または、イソシアネートプレポ
リマーとポリアミンとの反応により調製されるポリマーは好ましい。液滴形成法
により形成されるマイクロカプセルも、本発明のマイクロカプセルシェルを形成
するのに有用である。液滴形成は、米国特許第5,800,458号および第2,800,457号
において教示されているように、より高分子量のゼラチンポリマーを形成するた
めの周知の方法である。
これらの構造中で用いられ、そして一般に本発明の実施において用いられるカ
プセルは4 〜100ミクロンの平均直径を有する。好ましくは、平均直径は10〜80
ミクロンである。カプセルは、好ましくは組成物の2 〜60重量% を占め、そして
最も好ましくは組成物の5 〜40重量%を占める。
マイクロカプセルは、マイクロカプセルのコアに対して、シェルの外側または
シェル壁自体の中にある色素または顔料を含む。マイクロカプセルの色を付与す
るこの位置は、肌に付けた後に知覚できる色を効果的に薄くしながらも、バルク
のボディーパウダー配合物に対しては最大の着色効果を達成するために重要であ
る。
肌に付けても安全であり、望ましい色を有し、そして組成物中の他の成分と相
溶性であるかぎり、あらゆる可溶性色素は本発明の組成物を製造するために用い
られることができる。薬品および化粧品での使用(D&C色素)、または、食品、薬
品および化粧品での使用(FD&C色素)で認可されている色素を用いることが望まし
い。本発明の組成物中での使用に好ましい色素は水溶性色素である。適切な色素
は、FD&C Blue No.1、FD&C Blue No.2、FD&C Green No.3、FD&C Red No.3、FD&C
Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、D&C Blue No.4、D&C Blue
No.9、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Orange No.4、D
&C Orange No.5、
D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Orange No.17、FD&C Red No.4、D&C
Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.8、D&C Red No.9、D&C Red No.17、D&C
Red No.19、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D
&C Red No.30、D&C Red No.21、D&C Red No.34、D&C Red No.39、FD&C Red No.4
0、D&C Violet No.2、D&C Yellow No.7、Ext.D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.
8、D&C Yellow No.11、D&C Brown No.1、Ext.D&C Violet No.2、D&C Blue No.6
およびD&C Yellow No.10を含む。このような色素はよく知られており、市販され
ており、そしてその化学構造は、例えば、21 C.F.R Part 74(1988年4 月1 日に
改訂)およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook(1988)(Cosmetics,Toiletry
and Fragrancy Association,Inc.から出版)に記載されている。更なる適切な
色素の例は、適切な水溶性色素を含み、Rhodamine B (下記の表Iの化合物、強
い蛍光を有する青みがかった赤; カラーインデックスNo.45170),Tartrazine(II
、黄色、JACS,59(1937)第1501頁に記載、カラーインデックスNo.19140)、Avid
Yellow(III、赤みがかった黄色、カラーインデックスNo.18695)、Acid Green(IV
、緑、カラーインデックスNo.44025)、Azure Blue(V、緑がかった青、O-ホルミ
ルベンゼンスルホン酸とα-(N-エチルアニリノ)-m-トルエンスルホン酸、オキシ
ジンを縮合させ、そして形成した生成物をナトリウム塩に転化させることにより
製造、カラーインデックスNo.42090)、Basic Green I(VI、明るい緑、カラーイ
ンデックスNo.42040)を含む。同様に、適切な油可溶性色素は、例えば、Sudan R
ed(VII;赤; カラーインデックスNo.26105)を含む。更なる色素は、Flushed alka
li Bule、Nubian resin black、calco oil blue 2A、nigrosine black等を含む
。
本発明のボディーパウダー配合物の主要成分は、勿論、このタイ
プの組成物の調製において従来から用いられている粉末であり、例えば、タルク
、マイカ(天然または合成)、デンプン(コーン、サゴ、米、ポテト、コーン、
タピオカ等)等およびそれらの混合物である。
ボディーパウダー組成物は、所望により、当業界において知られている標準的
な配合物中で従来から使用されている追加成分を含む。例えば、このような添加
剤、例えば、香料、組織改良剤、非マイクロカプセル着色剤または真珠様光沢剤
、脱臭剤および医薬は更に含まれてよい。
本発明の組成物は、マイクロカプセルおよび化粧品組成物を別個に製造し、そ
の後、実質的部分の前記カプセル(例えば、5または10% 以上)が破壊しない条
件下で、この2 つを、例えば、ゆっくりと一緒にふるいにかけることにより混合
することにより調製される。好ましくは、カプセルの1%未満が最終の組成物の調
製の間に破壊されるであろう。組成物中のカプセルおよび顔料のパーセンテージ
は、所望の効果の大きさ、様々な顔料の光学濃度および他の美観目的により大き
く変えることができる。一般に、マイクロカプセルは、組成物の2〜90乾燥重量%
を占め、好ましくは組成物の5 〜40乾燥重量% を占めるべきである。
例
次の例は例示の目的で提供され、そして本発明の範囲を制限すると解釈される
べきでない。特に指示がないかぎり、ここに記載されている成分の全ての比およ
びパーセントは重量基準である。
例1 着色されたマイクロカプセルの製造
ポリメチレン尿素化学物質を用いて、次の手順でl リットルの封入反応を行い
、青赤で着色されたシェル中に鉱油を封入した。
予備縮合体の製造:
37% ホルムアルデヒド- 3739g(A)
尿素- 1190g(B)
メラミン- 210g(C)
緩衝剤(K2B4O7)- 12.3g(D)
水- 6390g(E)
装填物A、B、CおよびDを混合する。軽く攪拌しなから165°F(74℃)で2.5時間加
熱する。装填物E中に注ぐ。
封入装填物:
(A) 予備縮合体- 598ml
(B) 添加される水- 18ml
(C)充填物- 184ml(Carnation Brand Mineral Oil-
Witco-Chemical Co.)
(D) 硫酸ナトリウム- 61.55g
(E) CMC 7L1- 1.48g(Hercules)
(F) FD&C Blue #1- 5.54g
(G) D&C Red #33- 0.78g
(H) グルタルアミド、25%- 6.16
手順:
A、B、FおよびGを1 リットルのバッフル付き反応器に装填する。70°F(21℃)
でWaringブレンダータービンを用いて2500RPMを加え、2〜3分間保持して、色素
を溶解させる。ゆっくりとDおよびEを液体の渦に加え、そして10分間保持して確
実に溶液とする。Cを加え、3〜5分間保持して、液滴サイズを確立する。Hを加え
、そして2500&70°を更に3 分間保持する。20% 硫酸を滴下して加え、
pHを3.2とする。70°で3時間攪拌を続け、そのとき、更に酸を加えてpH2.0±0.1
とする。8時間保持し、次に温度を140°F(60℃)に上げる。3時間保持し、次にp
Hを7.5に調整する。濃く着色された生成物を濾過し、洗浄し、そして乾燥して易
流動性の粉末を得る。
例2.着色されたマイクロカプセルを含む粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク80%および上記例1 のマイクロカ
プセル20% の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪することにより均質に分散す
るまで混合した。
例3.着色されたマイクロカプセルを含む粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク50% および上記例1 のマイクロ
カプセル50% の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪することにより均質に分散
するまで混合した。
比較例1.マイクロカプセル着色剤を含まない粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク80% および市販顔料Pfizer、化
粧品グレード1599HPの酸化鉄20% の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪するこ
とにより均質に分散するまで混合した。
比較例2.マイクロカプセル着色剤を含まない粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク50% および市販顔料Pfizer、化
粧品グレード1599HPの酸化鉄50% の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪するこ
とにより均質に分散するまで混合した。
標準色損失(SCL)の決定
ボディーパウダー中のマイクロカプセルの着色効果およびその知覚される消失
の評価はCIELAB座標を用いて行い、Hunter Labscan比色計の手段により測定した
。比色計を次の設定に調節した。
10°観測
D65 光源
1/2 インチ直径観測用開口部
UVフィルター
その後、装置を、黒いタイルでゼロ反射、そして白いタイルで100%反射を較正
した。
マイクロカプセルを含まないボディーパウダーに対する、マイクロカプセルを
含むボディーパウダーの知覚できる色の違いを、バルクのときと、白人男性の皮
膚に付けた後の両方で測定した。
対照ボディーパウダー(マイクロカプセルを含まない)および着色されたボデ
ィーパウダーの両方を次の手順で評価した。粉末を、2.15cm3、0.3cm厚さの容器
中で2.0g試料としてバルクで提供し、装置の光源に挿入した。白色タイルを、そ
の後、試料の上に置き、そしてCIELABデータを比色計から得た。各試験試料の色
の違い(ΔE * ab)を次の式で計算した。
ΔE * ab=√[(ΔL *)2+(Δa *)2+(Δb *)2]
(式中、ΔE * abは対照ボディーパウダーと着色されたボディーパウダーとの色
の違いを示し、そしてΔL *、Δa *およびΔb *項は色座標である。)。ΔL *項
は色の薄さを示し、Δa *項は赤および緑の強度を示し、Δb *項は黄色または青
色の強度を示す。更なる議論のためには、“Principle of Color Technology”
、第二版、F.W.BillmeyerおよびM.Saltzman、第59頁〜第60頁および第102頁〜第
104頁を参照されたい。
肌の上で擦った後のボディーパウダーの色の評価のために、0.06
gの試料を、白人男性の手の甲に19cm2の範囲で擦り、そして上記のCIELAB座標を
測定した。マイクロカプセルを含むボディーパウダーと、マイクロカプセルを含
まないボディーパウダーのCIELAB座標を比較することによりΔE * abを決定した
。
バルク中のボディーパウダーのΔE * abそれぞれからLab値、約46、6 および1
3を有する白人男性の肌の上で擦った後のΔE * abを引くことにより標準色損失(
SCL)を決定した。このように、
SCL=ΔEab * bulk-ΔEab * skin
である。
上記の方法により、得られたデータを下記の表1 に報告する。
肌上での比較例1 の測定を繰り返した。というのは、肌上で組成物を擦るとき
に認められた色が大きい値であるのは不完全な混合の結果であると信じられたか
らである。
例2 および3 並びに比較例1 および2 のSCL値の計算から判るように、ボディ
ーパウダー中にマイクロカプセルを含ませると、バルクにおいて粉末に着色する
効果があるが、肌上に置くと、粉末の知覚される色が実質的に薄くなるようにパ
ウダーを付けることができる。ボディーパウダー中のマイクロカプセル含有分を
調整することにより、肌に付与される知覚される色は、色の実質的な低下(知覚
可能な色の色調の低下)から色の完全な消失まで、変化させることができる。
肌に付けたときに、ボディーパウダーの色の低下(薄くなること)は、バルク
の色強度の約半分以上低下したときに、大きいと考えられる。好ましくは、バル
クの色強度の約1/3、そしてより好ましくはバルクの色強度の約1/4である。
好ましくは、SCL値は10より大きく、そしてより好ましくは15より大きい。更
に、好ましくは8 未満、より好ましくは5 未満、そして最も好ましくは4未満の
ΔEab * skinを有することが好ましい。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年5月18日
【補正内容】
1)明細書
国際出願明細書第1頁〜第11頁(明細書翻訳文第1頁〜第12頁)
明細書
着色剤を含むボディーパウダー
技術分野
本発明はボディーパウダーに関する。より詳細には、本発明は、肌に付けた後
よりも、バルクにおいて、より実質的に知覚することができる着色剤を含むボデ
ィーパウダーに関する。
発明の背景
肌に対して清涼で乾燥した感覚を与えるようにボディーパウダーが用いられて
きた。人々は湿分吸収および感覚のためにこのような粉末を用い、それは敏感肌
または肌あれを処置し、または、肌の荒れを防ぐ性質を提供する。このような粉
末はおむつによる発疹を抑制し、またはおむつによる発疹が起こった患部領域を
緩和するための赤ん坊のおむつの領域の処理として広く用いられてきた。同様に
、多くの人々は、発疹による患部領域を緩和するために、または、入浴後または
シャワーの後の処置として単純に、このようなボディーパウダーを用いる。この
ような粉末は、タルク、コーンのデンプンおよび香料、医薬等のような更なる添
加剤を含む。
マイクロカプセルは香料、オイル、荒れ止め剤等を乾燥形態で輸送するために
、化粧品業界で用いられてきた。
Marabellaの米国特許第4,879,174号は、マイクロカプセルが着色剤を湿潤化す
る液体を含むときに着色剤を輸送することができる、外側表面に着色剤を有する
マイクロカプセルを有する着色剤サンプラー装置を開示している。
Sweenyの米国特許第4,756,906号は、化粧品着色剤組成物を開示しており、こ
こで、前記組成物は第一着色剤を含み、且つ、前記組成物のマイクロカプセルは
第二着色剤を含む。マイクロカプセルの破壊時に、第二着色剤の色合いを組成物
に加え、その色相特性を変える。この特許明細書はコラム7、ライン39〜42にお
いて粉末組成物を詳細に議論している。第二着色剤の位置はコラム4、ライン9
〜30で議論されている。組成物全体の色を最も大きく変えるために、第二着色剤
はシェル内に存在する。
Arraudeauの米国特許第5,035,885号は中空微小球の形態で合成熱可塑性材料を
含むボディーおよびフェースケアーのための粉末組成物を開示している。
発明の要旨
着色剤がマイクロカプセル内に存在するかまたはその上に存在しているマイク
ロカプセルを有するボディーパウダーを提供する。マイクロカプセルは、バルク
で見たときにボディーパウダーに色を付与し、且つ、肌の上で前記ボディーパウ
ダーを擦ったときに、知覚できる色が実質的に薄くなるために有効な量で存在す
る。
詳細な説明
白または肌の色調の組成物としてボディーパウダーが従来から提供されている
。肌の色調の粉末は有利にブレンドされ、そして人の肌に付けられたときに不自
然な色を付与しない。一般的な美観の目的では、しかしながら、あらゆる色のボ
ディーパウダー配合剤を提供することができるが、その配合剤が過度に知覚でき
るように別の色を肌に付与せずに、付けることができることが望ましい。本発明
はこのような配合剤を提供する。
マイクロカプセルのシェル上またはシェル内に着色剤を有するマイクロカプセ
ル微小球を従来のボディーパウダー配合剤中に加える場合、配合剤をバルク(即
ち、肌に付ける前)で見たときには、色は容易に認識されるであろうことが驚く
べきことに発見された。摩擦作用によって肌にボディーパウダーを輸送するとき
には、ボディーパウダーの知覚できる色は実質的に薄くなる。理論に固執するつ
もりはないが、この摩擦作用の間に、観察できる所に物理的に位置した着色され
た材料の量が実質的に低下すると信じられる。この知覚できる色の相違は、バル
ク組成物中と比較して、肌の表面上の着色性材料の量の実際上の減少がなくても
、観測者には明らかである。
本発明によると、マイクロカプセルはアミノプラスト重合のような現場重合に
より調製される。一般に、現場重合反応と呼ばれる開示の技術は、例えば、アミ
ノプラスト樹脂カプセル壁材料を生じる。この方法において、疎水性油相は、高
剪断攪拌することにより、アミノプラスト樹脂前駆体を含む水性相において分散
される。酸触媒の添加はアミノプラスト前駆体の重縮合を開始し、油相の分散さ
れた液滴周囲にアミノプラスト樹脂の付着を起こし、マイクロカプセルを製造す
る。
カプセルのための疎水性内側相は米国特許第3,516,941号に記載されているい
ずれかの現場アミノプラストカプセル化可能な組成物中に存在することができる
。粒状物を含有させて製造されうる材料または分散体は、流体、半固体(例えば
、ゲル)、ワックス状固体または低融点(100℃未満)固体のキャリア相であ
ってよい。典型的な材料は、芳香油、鉱油、ミリスチン酸イソプロピルのような
荒れ止め剤、フタル酸エステルのような可塑剤、リップスティック等において見
られるようなワックスであってよい。
マイクロカプセルは、界面重縮合により調製されるときに、カプ
セル表皮は、あらゆる重縮合ポリマーまたは付加重合ポリマー、例えば、ポリア
ミド、ポリウレタン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカー
ボネート等を含んでよい。アミンと酸塩化物との界面重縮合により調製されるポ
リアミド、または、イソシアネートプレポリマーとポリアミンとの反応により調
製されるポリマーは好ましい。液滴形成法により形成されるマイクロカプセルも
、本発明のマイクロカプセルシェルを形成するのに有用である。液滴形成は、米
国特許第5,800,458号および第2,800,457号において教示されているように、より
高分子量のゼラチンポリマーを形成するための周知の方法である。
これらの構造中で用いられ、そして一般に本発明の実施において用いられるカ
プセルは4〜100ミクロンの平均直径を有する。好ましくは、平均直径は10〜80ミ
クロンである。カプセルは、好ましくは組成物の2〜60重量%を占め、そして最も
好ましくは組成物の5〜40重量%を占める。
マイクロカプセルは、マイクロカプセルのコアに対して、シェルの外側または
シェル壁自体の中にある色素または顔料を含む。マイクロカプセルの色を付与す
るこの位置は、肌に付けた後に知覚できる色を効果的に薄くしながらも、バルク
のボディーパウダー配合物に対しては最大の着色効果を達成するために重要であ
る。
肌に付けても安全であり、望ましい色を有し、そして組成物中の他の成分と相
溶性であるかぎり、あらゆる可溶性色素は本発明の組成物を製造するために用い
られることができる。薬品および化粧品での使用(D&C色素)、または、食品、
薬品および化粧品での使用(FD&C色素)で認可されている色素を用いることが望
ましい。本発明の組成物中での使用に好ましい色素は水溶性色素である。適切な
色素は、FD&C Blue No.1、FD&C Blue No.2、FD&C Gveen No.3、FD&C
Red No.3、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、D&C Blue N
o.4、D&C Blue No.9、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C
Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Or
ange No.17、FD&C Red No.4、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.8、D&C
RedNo.9、D&C Red No.17、D&C Red No.19、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&
C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.21、D&C Red No.34
、D&C Red No.39、FD&C Red No.40、D&C Violet No.2、D&C Yellow No.7、Ext.D
&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.11、D&C Brown No.1、Ext.D
&C Violet No.2、D&C Blue No.6およびD&C Yellow No.10を含む。このような色
素はよく知られており、市販されており、そしてその化学構造は、例えば、21 C
.F.RPart 74(1988年4月1日に改訂)およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook(
1988)(Cosmetics,Toiletry and Fragrancy Association,Inc.から出版)に記
載されている。更なる適切な色素の例は、適切な水溶性色素を含み、Rhodamine
B(下記の表Iの化合物、強い蛍光を有する青みがかった赤,カラーインデックス
No.45170),Tartrazine(II、黄色、JACS,59(1937)第1501頁に記載、カラーイン
デックスNo.19140)、Avid Yellow(III、赤みがかった黄色、カラーインデックス
No.18695)、Acid Green(IV、緑、カラーインデックスNo.44025)、Azure Blue(V
、緑がかった青、O-ホルミルベンゼンスルホン酸とα-(N-エチルアニリノ)-m-ト
ルエンスルホン酸、オキシジンを縮合させ、そして形成した生成物をナトリウム
塩に転化させることにより製造、カラーインデックスNo.42090)、Basic Green I
(VI、明るい緑、カラーインデックスNo.42040)を含む。同様に、適切な油可溶性
色素は、例えは、Sudan Red(VII;赤; カラーインデックスNo.26105)を含む。更
なる色素
は、Flushedalk ali Bule、Nubian resin black、calco oil blue 2A、nigrosin
e black等を含む。
本発明のボディーパウダー配合物の主要成分は、勿論、このタイプの組成物の
調製において従来から用いられている粉末であり、例えば、タルク、マイカ(天
然または合成)、デンプン(コーン、サゴ、米、ポテト、コーン、タピオカ等)
等およびそれらの混合物である。
ボディーパウダー組成物は、所望により、当業界において知られている標準的
な配合物中で従来から使用されている追加成分を含む。例えば、このような添加
剤、例えば、香料、組織改良剤、非マイクロカプセル着色剤または真珠様光沢剤
、脱臭剤および医薬は更に含まれてよい。
本発明の組成物は、マイクロカプセルおよび化粧品組成物を別個に製造し、そ
の後、実質的部分の前記カプセル(例えば、5または10%以上)か破壊しない条件
下で、この2つを、例えば、ゆっくりと一緒にふるいにかけることにより混合す
ることにより調製される。好ましくは、カプセルの1%未満が最終の組成物の調製
の間に破壊されるであろう。組成物中のカプセルおよび顔料のパーセンテージは
、所望の効果の大きさ、様々な顔料の光学濃度および他の美観目的により大きく
変えることができる。一般に、マイクロカプセルは、組成物の2〜90乾燥重量%を
占め、好ましくは組成物の5〜40乾燥重量%を占めるべきである。
例
次の例は例示の目的で提供され、そして本発明の範囲を制限すると解釈される
べきでない。特に指示がないかぎり、ここに記載されている成分の全ての比およ
びパーセントは重量基準である。
例1着色されたマイクロカプセルの製造
ポリメチレン尿素化学物質を用いて、次の手順で1リットルの封入反応を行い
、青赤で着色されたシェル中に鉱油を封入した。
予備縮合体の製造:
37%ホルムアルデヒド- 3739g(A)
尿素- 1190g(B)
メラミン- 210g(C)
緩衝剤(K2B407)- 12.3g(D)
水- 6390g(E)
装填物A、B、CおよびDを混合する。軽く攪拌しなから165°F(74℃)で2.5時間加
熱する。装填物E中に注ぐ。
封入装填物:
(A) 予備縮合体- 598ml
(B) 添加される水- 18ml
(C) 充填物- 184ml(Carnation Brand Mineral Oil-
Witco-Chemical Co.)
(D) 硫酸ナトリウム- 61.55g
(E) CMC 7L1- 1.48g(Hercules)
(F) FD&C Blue #1- 5.54g
(G) D&C Red #33- 0.78g
(H) グルタルアミド、25%- 6.16
手順:
A、B、FおよびGを1リットルのバッフル付き反応器に装填する。700°F(21℃)
でWaringブレンダータービンを用いて2500RPMを加え、2〜3分間保持して、色素
を溶解させる。ゆっくりとDおよ
びEを液体の渦に加え、そして10分間保持して確実に溶液とする。Cを加え、3〜5
分間保持して、液滴サイズを確立する。Hを加え、そして2500&70°を更に3分間
保持する。20%硫酸を滴下して加え、pHを3.2とする。70°で3時間攪拌を続け、
そのとき、更に酸を加えてpH2.0±0.1とする。8時間保持し、次に温度を140°F(
60℃)に上げる。3時間保持し、次にpHを7.5に調整する。濃く着色された生成物
を濾過し、洗浄し、そして乾燥して易流動性の粉末を得る。
例2.着色されたマイクロカプセルを含む粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク80%および上記例1のマイクロカ
プセル20%の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪することにより均質に分散す
るまで混合した。
例3.着色されたマイクロカプセルを含む粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク50%および上記例1のマイクロカ
プセル50%の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪することにより均質に分散す
るまで混合した。
比較例1.マイクロカプセル着色剤を含まない粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク80%および市販顔料Pfizer、化粧
品グレード1599HPの酸化鉄20%の組成物をガラスジャー中で一緒に振盪すること
により均質に分散するまで混合した。
比較例2.マイクロカプセル着色剤を含まない粉末
Fisher Scientific、実験室グレードのタルク50%および市販顔料Pfizer、化粧
品グレード1599HPの酸化鉄50%の組成物をガラスジ
ャー中で一緒に振盪することにより均質に分散するまで混合した。
標準色損失(SCL)の決定
ボディーパウダー中のマイクロカプセルの着色効果およびその知覚される消失
の評価はCIELAB座標を用いて行い、Hunter Labscan比色計の手段により測定した
。比色計を次の設定に調節した。
10°観測
D65光源
1/2インチ直径観測用開口部
UVフィルター
その後、装置を、黒いタイルでゼロ反射、そして白いタイルて100%反射を較正
した。
マイクロカプセルを含まないボディーパウダーに対する、マイクロカプセルを
含むボディーパウダーの知覚できる色の違いを、バルクのときと、白人男性の皮
膚に付けた後の両方で測定した。
対照ボディーパウダー(マイクロカプセルを含まない)および着色されたボデ
ィーパウダーの両方を次の手順で評価した。粉末を、2.15cm3、0.3cm厚さの容器
中で2.0g試料としてバルクで提供し、装置の光源に挿入した。白色タイルを、そ
の後、試料の上に置き、そしてCIELABデータを比色計から得た。各試験試料の色
の違い(ΔE * ab)を次の式で計算した。
ΔE * ab=√[(ΔL *)2+(Δa *)2+(Δb *)2]
(式中、ΔE * abは対照ボディーパウダーと着色されたボディーパウダーとの色
の違いを示し、そしてΔL *、Δa *およひΔb *項は色座標である。)。ΔL *項
は色の薄さを示し、Δa *項は赤および緑の強度を示し、Δb *項は黄色または青
色の強度を示す。更なる議論のためには、“Principle of Color Technology”
、第二版、
F.W.BillmeyerおよびM.Saltzman、第59頁〜第60頁および第102頁〜第104頁を参
照されたい。
肌の上で擦った後のボディーパウダーの色の評価のために、0.06gの試料を、
白人男性の手の甲に19cm2の範囲で擦り、そして上記のCIELAB座標を測定した。
マイクロカプセルを含むボディーパウダーと、マイクロカプセルを含まないボデ
ィーパウダーのCIELAB座標を比較することによりΔE * abを決定した。
バルク中のボディーパウダーのΔE * abそれぞれからLab値、約46、6および13
を有する白人男性の肌の上で擦った後のΔE * abを引くことにより標準色損失(S
CL)を決定した。このように、
SCL=ΔEab * bulk-ΔEab * skin
である。
上記の方法により、得られたデータを下記の表1に報告する。
肌上での比較例1の測定を繰り返した。というのは、肌上て組成物を擦るとき
に認められた色が大きい値であるのは不完全な混合の結果であると信じられたか
らである。
例2および3並びに比較例1および2のSCL値の計算から判るように、ボディーパ
ウダー中にマイクロカプセルを含ませると、バルクにおいて粉末に着色する効果
があるが、肌上に置くと、粉末の知覚される色が実質的に薄くなるようにパウダ
ーを付けることができる。ボディーパウダー中のマイクロカプセル含有分を調整
することにより、肌に付与される知覚される色は、色の実質的な低下(知覚
可能な色の色調の低下)から色の完全な消失まで、変化させることができる。
肌に付けたときに、ボディーパウダーの色の低下(薄くなること)は、バルク
の色強度の約半分以上低下したときに、大きいと考えられる。好ましくは、バル
クの色強度の約1/3、そしてより好ましくはバルクの色強度の約1/4である。
好ましくは、SCL値は10より大きく、そしてより好ましくは15より大きい。更
に、好ましくは8未満、より好ましくは5未満、そして最も好ましくは4未満のΔE
ab * skinを有することが好ましい。
2)請求の範囲(請求の範囲翻訳文第13頁〜第14頁)
請求の範囲
1.マイクロカプセルのシェル上またはシェル内に存在する着色剤を有する前
記マイクロカプセルを含む、肌に付けるためのボディーパウダーであって、前記
マイクロカプセルは、バルクで見たときに前記ボディーパウダーに色を付与し、
且つ、肌上で前記ボディーパウダーを擦ったときに知覚できる色が実質的に薄く
なるために有効な量で存在する、ボディーパウダー。
2.前記マイクロカプセルがボディーパウダーの2〜60重量%である、請求
の範囲1記載のボディーパウダー。
3.前記マイクロカプセルがボディーパウダーの5〜40重量%である、請求
の範囲1記載のボディーパウダー。
4.前記パウダーの主要な非マイクロカプセル成分がタルクである、請求の範
囲1記載のボディーパウダー。
5.前記パウダーの主要な非マイクロカプセル成分が天然のまたは合成のマイ
カである、請求の範囲1記載のボディーパウダー。
6.前記パウダーの主要な非マイクロカプセル成分がデンプンである、請求の
範囲1記載のボディーパウダー。
7.前記デンプンが、コーン、サゴ、米、ポテト、コーンおよびタピオカデン
プンからなる群より選ばれたものである、請求の範囲6記載のボディーパウダー
。
8.前記デンプンがコーンスターチである、請求の範囲6記載のボディーパウ
ダー。
9.前記マイクロカプセルがアミノプラスト樹脂マイクロカプセルである請求
の範囲1記載のボディーパウダー。
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フロントページの続き
(72)発明者 ニコルス,シーラ エム.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427(番地なし)
(72)発明者 バッテリー,ハワード ジェイ.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427(番地なし)