JPH0949546A - 防振クリップ - Google Patents

防振クリップ

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JPH0949546A
JPH0949546A JP21942895A JP21942895A JPH0949546A JP H0949546 A JPH0949546 A JP H0949546A JP 21942895 A JP21942895 A JP 21942895A JP 21942895 A JP21942895 A JP 21942895A JP H0949546 A JPH0949546 A JP H0949546A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振を得るための使用部材の点数の削減を図
りながら、部品のパネルに対する固定作業を大巾に簡略
化できる防振クリップの提供。 【解決手段】 ピン状の雄部材1と筒状の雌部材11と
から成り、雄部材1は、拡大頭部2と雌部材11内に差
し込まれる軸部4を有し、雌部材11は、フランジ部1
2と雄部材1の軸部4で外方へ拡開する胴部13を有す
る構成の防振クリップであって、雌部材11の胴部13
にパネルP2側の取付孔H2の周面に当接する鍔部15
を形成し、該鍔部15に撓み可能な複数の振動吸収腕1
6Aを立設して、当該各振動吸収腕16Aの先端部17
を部品P1側の取付孔H1の孔縁に弾性的に係止させる
ことにより、部品P1とパネルP2とを振動を吸収しな
がら一定の間隔をおいて確実且つ容易に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、各種の板状
部品と所定パネルとを振動を吸収しながら固定するため
に使用されるツーピース型の防振クリップに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の車体パネル側にブラケ
ット等の板状部品を固定する際に、一方に生じる機械的
振動を他方に伝えることが好ましくないような場合に
は、通常は、板状部品とパネルと間に合成ゴム等で成形
された振動吸収体を介在させて、当該振動吸収体の弾力
性を利用して、上記の機械的振動を吸収している。
【0003】その防振固定構造の一例を示すと、図14
に示す如く、パネルP側にスタッドボルトBを立設し、
部品31側に振動吸収体33を装着する切欠口付の取付
孔32を開設する一方、振動吸収体33を円筒状体に成
形して、該振動吸収体33の内側に金属カラー36を嵌
入する貫通孔34を形成すると共に、同外周面に上記取
付孔32の孔縁と係止する環状凹溝35を形成する構成
となっている。
【0004】そして、実際に、部品31をパネルP側に
固定する場合には、まず、振動吸収体33をその環状凹
溝35を介して部品31の取付孔32内に横方向から装
着した後、振動吸収体33の貫通孔34内に金属カラー
36を嵌入して、当該金属カラー36内にスタッドボル
トBを挿入し、最後に、金属カラー36から外方に突出
するスタッドボルトBの先端部をナット37で締め付け
ることにより、振動吸収体33を介在させた状態の下
で、部品31がパネルP側に一定の間隔をおいて固定さ
れることとなる。従って、斯る防振固定状態の下では、
部品31とパネルPの間に振動吸収体33が介在するこ
ととなるので、これにより、部品31側又はパネルP側
に生じる機械的な振動が他方に伝わることを防止できる
訳である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来の防振
固定構造にあっては、確かに、部品31とパネルPの間
に介在される振動吸収体33の弾力性を利用することに
より、機械的振動を効果的に吸収することは可能となる
が、反面、この為には、使用部材の点数が多くなるばか
りか、特に、振動吸収体33を部品31側に組み付ける
場合には、振動吸収体33を変形させながら、部品31
の取付孔32内にその切欠口から無理矢理に押し込ん
で、取付孔32の孔縁に振動吸収体33の環状凹溝35
を係止させた後、振動吸収体33の貫通孔34内に締付
量を規制する金属カラー36を強制的に嵌入しなければ
ならないので、その作業性が著しく低下してしまう大き
な問題点を有していた。しかも、この振動吸収体33の
部品31側に対する組付作業が複数個所で要求されるよ
うな場合には、斯る作業性の問題点が一層顕著となる。
【0006】又、図示する従来構造とは逆に、パネル側
にナットを溶接して、当該溶接ナットに金属カラー内の
上方から挿入されたボルトの先端部を螺合する構造のも
のも存在するが、この場合には、上記の問題点に加え
て、部品が比較的小さいと、ボルトの締め付け螺合時
に、部品が共回りする恐れがあるので、更に、作業性が
問題視されることとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の防振クリップ
は、斯る従来の防振固定構造が抱える課題を有効に解決
するために開発されたもので、請求項1記載の防振クリ
ップは、部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する
防振クリップを前提として、ピン状の雄部材と筒状の雌
部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し
込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の
軸部で外方へ拡開する胴部を有して、当該胴部の外周側
に振動吸収手段を設けることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の防振クリップは、請求項1
の下で、雌部材の胴部にパネル側の取付孔の周面に当接
する鍔部を形成し、該鍔部に撓み可能な複数の振動吸収
腕を立設して、当該各振動吸収腕の先端部を部品側の取
付孔の孔縁に弾性的に係止させることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の防振クリップは、請求項1
の下で、雄部材の拡大頭部に部品側の取付孔の周面に弾
接する撓み可能な複数の振動吸収腕を垂設すると共に、
雌部材のフランジ部に撓み可能な複数の振動吸収腕を立
設して、当該フランジ部に立設された各振動吸収腕の先
端部を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させること
を特徴とする。
【0010】請求項4記載の防振クリップは、請求項1
の下で、雌部材の胴部に撓み可能な振動吸収片又は振動
吸収膜を設け、該振動吸収片又は振動吸収膜に環状凹溝
を備えたリング体を一体に連設して、当該リング体の環
状凹溝を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させるこ
とを特徴とする。
【0011】依って、各請求項記載の防振クリップの下
では、雄部材の軸部を雌部材内に差し込んで、雄部材を
雌部材に仮止めして、雌雄の部材を部品側に予め開設さ
れている取付孔に取り付けた後、斯る状態のまま、今度
は、雌部材の胴部をパネル側に予め開設されている取付
孔に挿入して、雄部材の軸部を雌部材内に完全に差し込
むと、雌部材の胴部が外方へ強制的に拡開するので、こ
れにより、部品がパネル側に一定の間隔をおいて容易に
固定される。
【0012】又、この部品の固定状態にあっては、振動
吸収手段として雌部材の鍔部に立設された振動吸収腕・
雄部材の拡大頭部に垂設された振動吸収腕と雌部材のフ
ランジ部に立設された振動吸収腕・雌部材の胴部に形成
された振動吸収片又は振動吸収膜とそれに連設されたリ
ング体の作用で、部品側又はパネル側に生じる機械的な
振動が他方に伝わることを有効に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する各実施の
形態に基づいて詳述する。第一実施の形態に係る防振ク
リップは、図1に示す如く、ピン状の雄部材1と筒状の
雌部材11とから成り、当該雌雄の部材1・11を有機
的に利用して、部品とパネルとを振動を吸収しながら一
定の間隔をおいて固定せんとするものである。
【0014】これを具体的に説明すると、前者の雄部材
1は、合成樹脂で成形されて、操作溝3を形成した拡大
頭部2と、一部にネジ面5を形成して拡大頭部2から垂
下する軸部4とを有する構成となっている。又、後者の
雌部材11は、同じく、合成樹脂で成形されて、図2に
も示す如く、中央部が開口する円盤状のフランジ部12
と、該フランジ部12から垂下する円筒状の胴部13を
有し、胴部13に対しては、先端側を拡開可能な閉環二
叉状となして、その対向する内面に張出部14を形成す
る構成となっている。
【0015】従って、第一実施の形態における雄部材1
と雌部材11の関係は、雄部材1の軸部4を雌部材11
の胴部13内の途中まで差し込むと、両部材1・11を
仮止め状態にセットでき、雄部材1の軸部4を胴部13
内に完全に差し込むと、雄部材1の軸部4と上記張出部
14の作用で、胴部13の先端側がその閉環二叉形状に
促されて外方へ強制的に拡開することとなる。
【0016】これに加えて、雌部材11は、図2にも示
す如く、胴部13の略中間に環状の鍔部15を形成し
て、該環状鍔部15の上縁に上外方へ立ち上がる複数の
振動吸収腕16Aを等間隔をおいて立設すると共に、該
各振動吸収腕16Aの先端部外面に凹部17を形成し
て、当該各振動吸収腕16Aの凹部17を部品側に予め
開設されている取付孔の孔縁に弾性的に係止させる構成
を併せて採用している。
【0017】依って、斯る構成の雄部材1と雌部材11
を用いて、板状部品P1をパネルP2側に固定する場合
には、まず、雄部材1の軸部4をフランジ部12の開口
から雌部材11の胴部13内に差し込んで、雄部材1を
雌部材11に仮止めした後、そのまま、部品P1側の取
付孔H1内に押し込むと、各振動吸収腕16Aが内側に
撓みながら当該取付孔H1内を通過して、各自の凹部1
7を取付孔H1の孔縁に弾性的に係止するので、これに
より、図3に示す如く、雄部材1と雌部材11とが仮止
め状態のまま部品P1側に取り付けられる。
【0018】そこで、今度は、雌部材11の鍔部15が
パネルP2面に当接するまで、雌部材11の胴部13を
パネルP2側に予め開設されている取付孔H2内に挿入
して、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に完
全に差し込むと、図4に示す如く、当該雄部材1の軸部
4の差し込みと胴部13の張出部14の作用で、胴部1
3の閉環二叉状を呈する先端側が外方へ強制的に拡開す
るので、これにより、部品P1がパネルP2側に一定の
間隔をおいて確実且つ容易に固定される。
【0019】従って、第一実施の形態の下では、従来の
防振固定構造と比較すると、使用部材の点数の削減を図
りながら、部品P1のパネルP2に対する固定作業が頗
る容易となる利点を有すると共に、その固定状態にあっ
ては、部品P1の取付孔H1の孔縁に弾性的に係止する
各振動吸収腕16Aの存在によって、部品P1側又はパ
ネルP2側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを
有効に防止できることとなる。尚、基本的には、機械的
振動の内、横方向の振動は、各振動吸収腕16Aの内外
方向への撓みで吸収され、縦方向の振動は、当該各振動
吸収腕16Aの上下方向への撓みで吸収されることとな
るが、胴部13の拡開形状も、補助的ではあるが、縦方
向の振動吸収に関与することとなる。
【0020】又、部品P1の固定状態を解除する必要が
生じたような場合には、雄部材1の拡大頭部2に形成さ
れている操作溝3内に工具の先端部(図示せず)を嵌め
込んで、雄部材1の軸部4を所定方向に回転させれば、
雌部材11の胴部13の拡開状態が解けるので、後は、
パネルP2側の取付孔H2から雌部材11の胴部13を
引き抜けば、これにより、部品P1をパネルP2側から
簡単に取り外すことも可能となる。
【0021】次に、第二実施の形態に係る防振クリップ
を説明すると、当該防振クリップも、図5に示す如く、
ピン状の雄部材1と筒状の雌部材11のみから成るもの
であるが、特徴とするところは、以下の構成を採用した
点にある。
【0022】雄部材1に対しては、図6のA・Bにも示
す如く、その拡大頭部2の対向する下縁に、部品P1側
の取付孔H1の周面に弾接する略L字状を呈する一対の
振動吸収腕6を垂設する一方、軸部4の先端側を面取り
した先細りの小巾寸法L1となして、該小巾寸法L1の
先端両側面の上下方向に、深さの異なる仮止め用段部7
aと本止め用段部7bを対の関係をもって形成する構成
を採用している。尚、上記の振動吸収腕6に関しては、
図示する如く、頭部2の周縁に沿って円弧状に垂設する
以外にも、例えば、図6のCに示す如く、成形時の型抜
きが容易となるように、一対の振動吸収腕6を直線状に
対向させて垂設することも実施に応じ任意である。
【0023】雌部材11に対しては、そのフランジ部1
2を胴部13の開口縁には形成せずに、若干下方に下が
った位置に形成して、当該フランジ部12よりも下方に
突出する部位にスリット18によって分割された一対の
分割胴片13aを画成して、該各分割胴片13aの下端
内面に上記の各段部7a・7bに係脱可能に係入する係
止爪19を形成する一方、上記フランジ部12の対向す
る上縁に略C字状に湾曲する一対の振動吸収腕16Bを
立設して、該各振動吸収腕16Bの先端部に部品P1側
の取付孔H1内に嵌まり込んで位置決め作用を発揮する
突起20を夫々付設する構成を採用している。
【0024】尚、第二実施の形態の下では、各分割胴片
13aの係止爪19間の間隔巾L2を上記雄部材1の軸
部4の先端巾寸法L1よりも大きくなるように設定して
いるので、雄部材1と雌部材11の関係は、軸部4側の
段部7a・7bと分割胴片13aの係止爪19とを位置
合わせしながら、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部
13内に差し込むと、最初に、対向する一対の分割胴片
13aの各係止爪19が軸部4側の仮止め用段部7aに
係入して、両部材1・11を仮止め状態にセットでき、
雄部材1の軸部4を胴部13内に完全に差し込むと、今
度は、分割胴片13aの各係止爪19が軸部4側の本止
め用段部7bに係入して、一対の分割胴片13aが外方
へ強制的に拡開することとなる。
【0025】又、斯る状態のまま、拡大頭部2の操作溝
3を利用して、雄部材1を90°回転させると、上記し
た寸法差によって、分割胴片13aの係止爪19が軸部
4側の本止め用段部7bから外れて、雄部材1の軸部4
を雌部材11の胴部13内から容易に引き抜くことが可
能となる。
【0026】依って、斯る構成の雄部材1と雌部材11
を用いて、板状部品P1をパネルP2側に固定する場合
には、まず、部品P1側の取付孔H1内に下方から上記
一対の振動吸収腕16Bの突起20を嵌め込んで、雌部
材11を取付孔H1に位置決めしながら、上方から雄部
材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に差し込んで、
各分割胴片13aの係止爪19を軸部4の仮止め用段部
7aに係入すれば、これにより、図7に示す如く、雄部
材1と雌部材11とが仮止め状態のまま部品P1側に取
り付けられる。
【0027】そこで、今度は、雌部材11側のフランジ
部12がパネルP2面に当接するまで、雌部材11の分
割胴片13aをパネルP2側の取付孔H2内に挿入し
て、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に完全
に差し込むと、図8に示す如く、今度は、各分割胴片1
3aの係止爪19が軸部4の本止め用段部7bに係入し
て、各分割胴片13aが外方へ強制的に拡開するので、
これにより、部品P1がパネルP2側に一定の間隔をお
いて確実且つ容易に固定される。
【0028】従って、第二実施の形態の下でも、従来の
防振固定構造と比較すると、使用部材の点数の削減を図
りながら、部品P1のパネルP2に対する固定作業が頗
る容易となることは勿論であるが、その固定状態にあっ
ては、部品P1とパネルP2の間に介在する雌部材11
側の振動吸収腕16Bの存在によって、部品P1側又は
パネルP2側に生じる機械的な振動が他方に伝わること
を有効に防止できる。
【0029】しかし、特に、この第二実施の形態の下
で、横方向の振動は、第一実施の形態のものと同様に、
雌部材11側の振動吸収腕16Bの内外方向への撓みで
吸収されるが、縦方向の振動は、当該各振動吸収腕16
Bの上下方向への撓みに加えて、先に説明した雄部材1
側の振動吸収腕6の上下方向へ撓みによっても有効に吸
収されるので、防振効果は更に甚大となる。
【0030】又、部品P1の固定状態を解除する必要が
生じたような場合には、既述した如く、雄部材1を90
°回転させると、図9に示す如く、分割胴片13aの係
止爪19が軸部4側の本止め用段部7bから外れて、雄
部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内から容易に引
き抜くことが保障できるので、部品P1をパネルP2か
ら取り外す作業も至って容易となる。
【0031】尚、第二実施の形態においては、既述した
ように、雄部材1側の振動吸収腕6と雌部材11側の振
動吸収腕16Bとを夫々対の関係をもって2個づつ設け
たものであるが、本発明は、これに限定されるものでは
なく、雄部材1と雌部材11に対して、2個以上の振動
吸収腕6と16Bとを等間隔をおいて設けることも十分
に可能である。
【0032】最後に、第三実施の形態に係る防振クリッ
プを説明すると、当該防振クリップも、図10に示す如
く、ピン状の雄部材1と筒状の雌部材11のみから成る
ものであるが、特徴とするところは、以下の構成を採用
した点にある。
【0033】雄部材1に対しては、その軸部4の先端上
下方向に、仮止め用環状小径部8aと本止め用環状大径
部8bを形成すると共に、本止め用環状大径部8bの上
位に径差部9を形成する構成を採用している。
【0034】雌部材11に対しては、図11にも示す如
く、胴部13の上側外周面に放射状に湾曲して延びる複
数の振動吸収片16Cを突設して、該各振動吸収片16
Cの先端縁に環状凹溝22を有する断面コ字形状のリン
グ体21を一体に連設して、当該リング体21の環状凹
溝22を部品P1側の取付孔H1の孔縁に弾性的に係止
させる構成となす一方、このリング体21の上壁21a
は正円形状となすが、下壁21bは上壁21aよりも若
干小径となして、その一部(約45°の範囲)を切欠2
3して、一方の切欠側縁に外方に突出するガイド部24
を付与する構成を採用している。
【0035】更に、胴部13の中間外周面にはパネルP
2側の取付孔H2の周面に当接する縁部25を形成し、
同内周面に上記径差部9のストッパー部26を形成する
一方、胴部13の下側を複数のスリット18を介して分
割して、該各分割胴片13aの下端内面に上記の環状小
径部8aと環状大径部8bに係止する係止爪19を形成
する構成となしている。
【0036】従って、第三実施の形態における雄部材1
と雌部材11の関係は、雄部材1の軸部4を雌部材11
の胴部13内に差し込むと、最初に、各分割胴片13a
の係止爪19が軸部4側の仮止め用環状小径部8aに係
入して、両部材1・11を仮止め状態にセットでき、雄
部材1の軸部4を胴部13内に完全に差し込むと、今度
は、各分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の本止め
用環状大径部8bに乗り上げて、各分割胴片13aを外
方へ強制的に拡開することとなる。
【0037】依って、斯る構成の雄部材1と雌部材11
を用いて、板状部品P1をパネルP2側に固定する場合
には、まず、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13
内に差し込んで、軸部4側の仮止め用環状小径部8aに
各分割胴片13aの係止爪19を係入させて、雄部材1
を雌部材11に仮止めした後、各振動吸収片16Cの自
在な撓みを得ながら、上記リング体21の下壁21bに
付与させているガイド部24を部品P1側の取付孔H1
内に差し入れながら、リング体21を徐々に回転させる
と、リング体21の環状凹溝22が取付孔H1の孔縁に
弾性的に係止するので、これにより、図12に示す如
く、雄部材1と雌部材11とが仮止め状態のまま部品P
1側に取り付けられる。
【0038】そこで、今度は、雌部材11の胴部13に
形成されている縁部25がパネルP2面に当接するま
で、雌部材11の分割胴片13aをパネルP2側の取付
孔H2内に挿入して、雄部材1の軸部4を雌部材11の
胴部13内に完全に差し込むと、図13に示す如く、今
度は、各分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の本止
め用環状大径部8bに乗り上げて、各分割胴片13aが
外方へ強制的に拡開するので、これにより、部品P1が
パネルP2側に一定の間隔をおいて確実且つ容易に固定
される。
【0039】従って、第三実施の形態の下でも、今まで
の実施の形態と同様に、使用部材の点数の削減を図りな
がら、部品P1のパネルP2に対する固定作業が容易と
なるばかりか、その固定状態にあっては、リング体21
と雌部材11の胴部13間に介在する複数の振動吸収片
16Cの存在によって、部品P1側又はパネルP2側に
生じる機械的な振動が他方に伝わることを有効に防止で
きる。しかも、この振動吸収片16Cは、各方向へ自在
に撓むことが保障されているので、横方向の振動でも、
縦方向の振動でも、効果的に吸収することが可能とな
る。但し、部品P1の固定状態を解除する必要が生じた
ような場合には、第三実施の形態の下では、雄部材1の
軸部4を雌部材11の胴部13内から強制的に引き抜く
こととなる。
【0040】尚、第三実施の形態においては、振動吸収
手段に放射状に湾曲して延びる複数の振動吸収片16C
を採用したものであるが、本発明は、これに限定される
ものではなく、具体的には図示しないが、撓み可能な振
動吸収薄膜を一様に胴部13の外周面に設けて、当該振
動吸収薄膜の全周縁にリング体21を一体に連設して
も、同様な作用効果が期待できることとなる。
【0041】又、上記の各実施の形態では、あくまで
も、その一例としてのピン状の雄部材1と筒状の雌部材
11とを個々に図示したものてあるが、この点に関して
も、これらのものに限定されるものでは決してなく、同
様な原理の下で、振動吸収腕16A・16Bや振動吸収
片16C等が付設できるものであれば、如何なる構造の
ツーピース型クリップを使用することも十分に可能であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る防振クリップ
は、上記構成の採用により、従来の防振固定構造とは異
なり、使用部材の点数の削減を図りながら、部品のパネ
ルに対する固定作業を大巾に簡略化することが可能とな
った。その上、振動吸収手段たる雌部材の鍔部に立設さ
れた振動吸収腕・雄部材の拡大頭部に垂設された振動吸
収腕と雌部材のフランジ部に立設された振動吸収腕・雌
部材の胴部に設けられた振動吸収片又は振動吸収膜とそ
れに連設されたリング体の作用で、部品側又はパネル側
に生じる機械的な振動が他方に伝わることを確実に防止
できるので、防振効果の向上も期待できることとなる。
又、部品側に開設される取付孔に関しても、従来の如き
切欠口を有するものに限定されることがないので、部品
自体の剛性のアップを図り、その使用範囲の拡大も期待
できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係る防振クリップを
分解して示す斜視図である。
【図2】同防振クリップを構成する雌部材の断面図であ
る。
【図3】防振クリップを部品側に取り付けた状態を示す
要部断面図である。
【図4】部品をパネルに固定した状態を示す要部断面図
である。
【図5】本発明の第二実施の形態に係る防振クリップを
分解しで示す斜視図である。
【図6】(A)は同防振クリップを構成する雄部材の正
面図、(B)は同側面図、(C)は雄部材の他例を示す側
面図である。
【図7】防振クリップを部品側に取り付けた状態を示す
要部断面図である。
【図8】部品をパネル側に固定した状態を示す要部断面
図である。
【図9】雄部材と雌部材の本止め状態を解除した状態を
示す要部断面図である。
【図10】本発明の第三実施の形態に係る防振クリップを
分解して示す斜視図である。
【図11】(A)は図10のA−A線断面図、(B)は図1
0のB−B線断面図である。
【図12】防振クリップを部品側に取り付けた状態を示す
要部断面図である。
【図13】部品をパネルに固定した状態を示す要部断面図
である。
【図14】従来の防振固定構造の一例を分解して示す要部
斜視図である。
【符号の説明】 1 雄部材 2 拡大頭部 4 軸部 6 振動吸収腕 7a 仮止め用段部 7b 本止め用段部 8a 仮止め用環状小径部 8b 本止め用環状大径部 11 雌部材 12 フランジ部 13 胴部 13a 分割胴片 15 鍔部 16A 振動吸収腕 16B 振動吸収腕 16C 振動吸収片 17 凹部 18 スリット 19 係止爪 20 突起 21 リング体 22 環状凹溝 24 ガイド部 P1 部品 H1 部品の取付孔 P2 パネル H1 パネルの取付孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品とパネルとを振動を吸収しながら固
    定する防振クリップであって、ピン状の雄部材と筒状の
    雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差
    し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材
    の軸部で外方へ拡開する胴部を有して、当該胴部の外周
    側に振動吸収手段を設けたことを特徴とする防振クリッ
    プ。
  2. 【請求項2】 雌部材の胴部にパネル側の取付孔の周面
    に当接する鍔部を形成し、該鍔部に撓み可能な複数の振
    動吸収腕を立設して、当該各振動吸収腕の先端部を部品
    側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させることを特徴とす
    る請求項1記載の防振クリップ。
  3. 【請求項3】 雄部材の拡大頭部に部品側の取付孔の周
    面に弾接する撓み可能な複数の振動吸収腕を垂設すると
    共に、雌部材のフランジ部に撓み可能な複数の振動吸収
    腕を立設して、当該フランジ部に立設された各振動吸収
    腕の先端部を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させ
    ることを特徴とする請求項1記載の防振クリップ。
  4. 【請求項4】 雌部材の胴部に撓み可能な振動吸収片又
    は振動吸収膜を設け、該振動吸収片又は振動吸収膜に環
    状凹溝を備えたリング体を一体に連設して、当該リング
    体の環状凹溝を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止さ
    せることを特徴とする請求項1記載の防振クリップ。
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