JP3748922B2 - 防振クリップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、各種の板状部品と所定パネルとを振動を吸収しながら固定するために使用されるツーピース型の防振クリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の車体パネル側にブラケット等の板状部品を固定する際に、一方に生じる機械的振動を他方に伝えることが好ましくないような場合には、通常は、板状部品とパネルと間に合成ゴム等で成形された振動吸収体を介在させて、当該振動吸収体の弾力性を利用して、上記の機械的振動を吸収している。
【0003】
その防振固定構造の一例を示すと、図14に示す如く、パネルP側にスタッドボルトBを立設し、部品31側に振動吸収体33を装着する切欠口付の取付孔32を開設する一方、振動吸収体33を円筒状体に成形して、該振動吸収体33の内側に金属カラー36を嵌入する貫通孔34を形成すると共に、同外周面に上記取付孔32の孔縁と係止する環状凹溝35を形成する構成となっている。
【0004】
そして、実際に、部品31をパネルP側に固定する場合には、まず、振動吸収体33をその環状凹溝35を介して部品31の取付孔32内に横方向から装着した後、振動吸収体33の貫通孔34内に金属カラー36を嵌入して、当該金属カラー36内にスタッドボルトBを挿入し、最後に、金属カラー36から外方に突出するスタッドボルトBの先端部をナット37で締め付けることにより、振動吸収体33を介在させた状態の下で、部品31がパネルP側に一定の間隔をおいて固定されることとなる。
従って、斯る防振固定状態の下では、部品31とパネルPの間に振動吸収体33が介在することとなるので、これにより、部品31側又はパネルP側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを防止できる訳である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の防振固定構造にあっては、確かに、部品31とパネルPの間に介在される振動吸収体33の弾力性を利用することにより、機械的振動を効果的に吸収することは可能となるが、反面、この為には、使用部材の点数が多くなるばかりか、特に、振動吸収体33を部品31側に組み付ける場合には、振動吸収体33を変形させながら、部品31の取付孔32内にその切欠口から無理矢理に押し込んで、取付孔32の孔縁に振動吸収体33の環状凹溝35を係止させた後、振動吸収体33の貫通孔34内に締付量を規制する金属カラー36を強制的に嵌入しなければならないので、その作業性が著しく低下してしまう大きな問題点を有していた。
しかも、この振動吸収体33の部品31側に対する組付作業が複数個所で要求されるような場合には、斯る作業性の問題点が一層顕著となる。
【0006】
又、図示する従来構造とは逆に、パネル側にナットを溶接して、当該溶接ナットに金属カラー内の上方から挿入されたボルトの先端部を螺合する構造のものも存在するが、この場合には、上記の問題点に加えて、部品が比較的小さいと、ボルトの締め付け螺合時に、部品が共回りする恐れがあるので、更に、作業性が問題視されることとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の防振クリップは、斯る従来の防振固定構造が抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の防振クリップは、部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する防振クリップを前提として、ピン状の雄部材と筒状の雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の軸部で外方へ拡開してパネル側の取付孔に係着する胴部を有して、当該胴部の中間にパネル側の取付孔の周面に当接する鍔部を形成し、該鍔部に撓み可能な複数の振動吸収腕を上記フランジ部と間隔を画する状態で立設して、当該各振動吸収腕の先端部を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させて部品を保持する一方、上記鍔部よりも下側の胴部を外方へ拡開させて、当該鍔部とその下側で拡開した胴部とでパネルを挾持することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の防振クリップは、部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する防振クリップを前提として、ピン状の雄部材と筒状の雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の軸部で外方へ拡開してパネル側の取付孔に係着する胴部を有して、雄部材の拡大頭部に部品側の取付孔の周面に弾接する撓み可能な複数の振動吸収腕を垂設すると共に、雌部材のフランジ部に撓み可能な複数の振動吸収腕を立設して、当該フランジ部に立設された各振動吸収腕の先端部を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させて部品を保持する一方、雌部材のフランジ部がパネル面に当接すると共に、雄部材の拡大頭部側の振動吸収腕と雌部材のフランジ部側の振動吸収腕とで部品を上下方向からの振動を吸収できるように挾持することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の防振クリップは、部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する防振クリップを前提として、ピン状の雄部材と筒状の雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の軸部で外方へ拡開してパネル側の取付孔に係着する胴部を有して、当該胴部に放射状に湾曲して延びる撓み可能な複数の振動吸収片を設け、該各振動吸収片の先端縁に環状凹溝を備えたリング体を一体に連設して、当該リング体の環状凹溝を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させて部品を保持することを特徴とする。
【0011】
依って、各請求項記載の防振クリップの下では、雄部材の軸部を雌部材内に差し込んで、雄部材を雌部材に仮止めして、雌雄の部材を部品側に予め開設されている取付孔に取り付けた後、斯る状態のまま、今度は、雌部材の胴部をパネル側に予め開設されている取付孔に挿入して、雄部材の軸部を雌部材内に完全に差し込むと、雌部材の胴部が外方へ強制的に拡開するので、これにより、部品がパネル側に一定の間隔をおいて容易に固定される。
【0012】
又、この部品の固定状態にあっては、振動吸収手段として雌部材の鍔部に立設された振動吸収腕・雄部材の拡大頭部に垂設された振動吸収腕と雌部材のフランジ部に立設された振動吸収腕・雌部材の胴部に形成された振動吸収片とそれに連設されたリング体の作用で、部品側又はパネル側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを有効に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する各実施の形態に基づいて詳述する。
第一実施の形態に係る防振クリップは、図1に示す如く、ピン状の雄部材1と筒状の雌部材11とから成り、当該雌雄の部材1・11を有機的に利用して、部品とパネルとを振動を吸収しながら一定の間隔をおいて固定せんとするものである。
【0014】
これを具体的に説明すると、前者の雄部材1は、合成樹脂で成形されて、操作溝3を形成した拡大頭部2と、一部にネジ面5を形成して拡大頭部2から垂下する軸部4とを有する構成となっている。
又、後者の雌部材11は、同じく、合成樹脂で成形されて、図2にも示す如く、中央部が開口する円盤状のフランジ部12と、該フランジ部12から垂下する円筒状の胴部13を有し、胴部13に対しては、先端側を拡開可能な閉環二叉状となして、その対向する内面に張出部14を形成する構成となっている。
【0015】
従って、第一実施の形態における雄部材1と雌部材11の関係は、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内の途中まで差し込むと、両部材1・11を仮止め状態にセットでき、雄部材1の軸部4を胴部13内に完全に差し込むと、雄部材1の軸部4と上記張出部14の作用で、胴部13の先端側がその閉環二叉形状に促されて外方へ強制的に拡開することとなる。
【0016】
これに加えて、雌部材11は、図2にも示す如く、胴部13の略中間に環状の鍔部15を形成して、該環状鍔部15の上縁に上外方へ立ち上がる複数の振動吸収腕16Aを等間隔をおいて立設すると共に、該各振動吸収腕16Aの先端部外面に凹部17を形成して、当該各振動吸収腕16Aの凹部17を部品側に予め開設されている取付孔の孔縁に弾性的に係止させる構成を併せて採用している。
【0017】
依って、斯る構成の雄部材1と雌部材11を用いて、板状部品P1をパネルP2側に固定する場合には、まず、雄部材1の軸部4をフランジ部12の開口から雌部材11の胴部13内に差し込んで、雄部材1を雌部材11に仮止めした後、そのまま、部品P1側の取付孔H1内に押し込むと、各振動吸収腕16Aが内側に撓みながら当該取付孔H1内を通過して、各自の凹部17を取付孔H1の孔縁に弾性的に係止するので、これにより、図3に示す如く、雄部材1と雌部材11とが仮止め状態のまま部品P1側に取り付けられる。
【0018】
そこで、今度は、雌部材11の鍔部15がパネルP2面に当接するまで、雌部材11の胴部13をパネルP2側に予め開設されている取付孔H2内に挿入して、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に完全に差し込むと、図4に示す如く、当該雄部材1の軸部4の差し込みと胴部13の張出部14の作用で、胴部13の閉環二叉状を呈する先端側が外方へ強制的に拡開するので、これにより、部品P1がパネルP2側に一定の間隔をおいて確実且つ容易に固定される。
【0019】
従って、第一実施の形態の下では、従来の防振固定構造と比較すると、使用部材の点数の削減を図りながら、部品P1のパネルP2に対する固定作業が頗る容易となる利点を有すると共に、その固定状態にあっては、部品P1の取付孔H1の孔縁に弾性的に係止する各振動吸収腕16Aの存在によって、部品P1側又はパネルP2側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを有効に防止できることとなる。尚、基本的には、機械的振動の内、横方向の振動は、各振動吸収腕16Aの内外方向への撓みで吸収され、縦方向の振動は、当該各振動吸収腕16Aの上下方向への撓みで吸収されることとなるが、胴部13の拡開形状も、補助的ではあるが、縦方向の振動吸収に関与することとなる。
【0020】
又、部品P1の固定状態を解除する必要が生じたような場合には、雄部材1の拡大頭部2に形成されている操作溝3内に工具の先端部(図示せず)を嵌め込んで、雄部材1の軸部4を所定方向に回転させれば、雌部材11の胴部13の拡開状態が解けるので、後は、パネルP2側の取付孔H2から雌部材11の胴部13を引き抜けば、これにより、部品P1をパネルP2側から簡単に取り外すことも可能となる。
【0021】
次に、第二実施の形態に係る防振クリップを説明すると、当該防振クリップも、図5に示す如く、ピン状の雄部材1と筒状の雌部材11のみから成るものであるが、特徴とするところは、以下の構成を採用した点にある。
【0022】
雄部材1に対しては、図6のA・Bにも示す如く、その拡大頭部2の対向する下縁に、部品P1側の取付孔H1の周面に弾接する略L字状を呈する一対の振動吸収腕6を垂設する一方、軸部4の先端側を面取りした先細りの小巾寸法L1となして、該小巾寸法L1の先端両側面の上下方向に、深さの異なる仮止め用段部7aと本止め用段部7bを対の関係をもって形成する構成を採用している。
尚、上記の振動吸収腕6に関しては、図示する如く、頭部2の周縁に沿って円弧状に垂設する以外にも、例えば、図6のCに示す如く、成形時の型抜きが容易となるように、一対の振動吸収腕6を直線状に対向させて垂設することも実施に応じ任意である。
【0023】
雌部材11に対しては、そのフランジ部12を胴部13の開口縁には形成せずに、若干下方に下がった位置に形成して、当該フランジ部12よりも下方に突出する部位にスリット18によって分割された一対の分割胴片13aを画成して、該各分割胴片13aの下端内面に上記の各段部7a・7bに係脱可能に係入する係止爪19を形成する一方、上記フランジ部12の対向する上縁に略C字状に湾曲する一対の振動吸収腕16Bを立設して、該各振動吸収腕16Bの先端部に部品P1側の取付孔H1内に嵌まり込んで位置決め作用を発揮する突起20を夫々付設する構成を採用している。
【0024】
尚、第二実施の形態の下では、各分割胴片13aの係止爪19間の間隔巾L2を上記雄部材1の軸部4の先端巾寸法L1よりも大きくなるように設定しているので、雄部材1と雌部材11の関係は、軸部4側の段部7a・7bと分割胴片13aの係止爪19とを位置合わせしながら、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に差し込むと、最初に、対向する一対の分割胴片13aの各係止爪19が軸部4側の仮止め用段部7aに係入して、両部材1・11を仮止め状態にセットでき、雄部材1の軸部4を胴部13内に完全に差し込むと、今度は、分割胴片13aの各係止爪19が軸部4側の本止め用段部7bに係入して、一対の分割胴片13aが外方へ強制的に拡開することとなる。
【0025】
又、斯る状態のまま、拡大頭部2の操作溝3を利用して、雄部材1を90°回転させると、上記した寸法差によって、分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の本止め用段部7bから外れて、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内から容易に引き抜くことが可能となる。
【0026】
依って、斯る構成の雄部材1と雌部材11を用いて、板状部品P1をパネルP2側に固定する場合には、まず、部品P1側の取付孔H1内に下方から上記一対の振動吸収腕16Bの突起20を嵌め込んで、雌部材11を取付孔H1に位置決めしながら、上方から雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に差し込んで、各分割胴片13aの係止爪19を軸部4の仮止め用段部7aに係入すれば、これにより、図7に示す如く、雄部材1と雌部材11とが仮止め状態のまま部品P1側に取り付けられる。
【0027】
そこで、今度は、雌部材11側のフランジ部12がパネルP2面に当接するまで、雌部材11の分割胴片13aをパネルP2側の取付孔H2内に挿入して、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に完全に差し込むと、図8に示す如く、今度は、各分割胴片13aの係止爪19が軸部4の本止め用段部7bに係入して、各分割胴片13aが外方へ強制的に拡開するので、これにより、部品P1がパネルP2側に一定の間隔をおいて確実且つ容易に固定される。
【0028】
従って、第二実施の形態の下でも、従来の防振固定構造と比較すると、使用部材の点数の削減を図りながら、部品P1のパネルP2に対する固定作業が頗る容易となることは勿論であるが、その固定状態にあっては、部品P1とパネルP2の間に介在する雌部材11側の振動吸収腕16Bの存在によって、部品P1側又はパネルP2側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを有効に防止できる。
【0029】
しかし、特に、この第二実施の形態の下で、横方向の振動は、第一実施の形態のものと同様に、雌部材11側の振動吸収腕16Bの内外方向への撓みで吸収されるが、縦方向の振動は、当該各振動吸収腕16Bの上下方向への撓みに加えて、先に説明した雄部材1側の振動吸収腕6の上下方向へ撓みによっても有効に吸収されるので、防振効果は更に甚大となる。
【0030】
又、部品P1の固定状態を解除する必要が生じたような場合には、既述した如く、雄部材1を90°回転させると、図9に示す如く、分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の本止め用段部7bから外れて、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内から容易に引き抜くことが保障できるので、部品P1をパネルP2から取り外す作業も至って容易となる。
【0031】
尚、第二実施の形態においては、既述したように、雄部材1側の振動吸収腕6と雌部材11側の振動吸収腕16Bとを夫々対の関係をもって2個づつ設けたものであるが、本発明は、これに限定されるものではなく、雄部材1と雌部材11に対して、2個以上の振動吸収腕6と16Bとを等間隔をおいて設けることも十分に可能である。
【0032】
最後に、第三実施の形態に係る防振クリップを説明すると、当該防振クリップも、図10に示す如く、ピン状の雄部材1と筒状の雌部材11のみから成るものであるが、特徴とするところは、以下の構成を採用した点にある。
【0033】
雄部材1に対しては、その軸部4の先端上下方向に、仮止め用環状小径部8aと本止め用環状大径部8bを形成すると共に、本止め用環状大径部8bの上位に径差部9を形成する構成を採用している。
【0034】
雌部材11に対しては、図11にも示す如く、胴部13の上側外周面に放射状に湾曲して延びる複数の振動吸収片16Cを突設して、該各振動吸収片16Cの先端縁に環状凹溝22を有する断面コ字形状のリング体21を一体に連設して、当該リング体21の環状凹溝22を部品P1側の取付孔H1の孔縁に弾性的に係止させる構成となす一方、このリング体21の上壁21aは正円形状となすが、下壁21bは上壁21aよりも若干小径となして、その一部(約45°の範囲)を切欠23して、一方の切欠側縁に外方に突出するガイド部24を付与する構成を採用している。
【0035】
更に、胴部13の中間外周面にはパネルP2側の取付孔H2の周面に当接する縁部25を形成し、同内周面に上記径差部9のストッパー部26を形成する一方、胴部13の下側を複数のスリット18を介して分割して、該各分割胴片13aの下端内面に上記の環状小径部8aと環状大径部8bに係止する係止爪19を形成する構成となしている。
【0036】
従って、第三実施の形態における雄部材1と雌部材11の関係は、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に差し込むと、最初に、各分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の仮止め用環状小径部8aに係入して、両部材1・11を仮止め状態にセットでき、雄部材1の軸部4を胴部13内に完全に差し込むと、今度は、各分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の本止め用環状大径部8bに乗り上げて、各分割胴片13aを外方へ強制的に拡開することとなる。
【0037】
依って、斯る構成の雄部材1と雌部材11を用いて、板状部品P1をパネルP2側に固定する場合には、まず、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に差し込んで、軸部4側の仮止め用環状小径部8aに各分割胴片13aの係止爪19を係入させて、雄部材1を雌部材11に仮止めした後、各振動吸収片16Cの自在な撓みを得ながら、上記リング体21の下壁21bに付与させているガイド部24を部品P1側の取付孔H1内に差し入れながら、リング体21を徐々に回転させると、リング体21の環状凹溝22が取付孔H1の孔縁に弾性的に係止するので、これにより、図12に示す如く、雄部材1と雌部材11とが仮止め状態のまま部品P1側に取り付けられる。
【0038】
そこで、今度は、雌部材11の胴部13に形成されている縁部25がパネルP2面に当接するまで、雌部材11の分割胴片13aをパネルP2側の取付孔H2内に挿入して、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内に完全に差し込むと、図13に示す如く、今度は、各分割胴片13aの係止爪19が軸部4側の本止め用環状大径部8bに乗り上げて、各分割胴片13aが外方へ強制的に拡開するので、これにより、部品P1がパネルP2側に一定の間隔をおいて確実且つ容易に固定される。
【0039】
従って、第三実施の形態の下でも、今までの実施の形態と同様に、使用部材の点数の削減を図りながら、部品P1のパネルP2に対する固定作業が容易となるばかりか、その固定状態にあっては、リング体21と雌部材11の胴部13間に介在する複数の振動吸収片16Cの存在によって、部品P1側又はパネルP2側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを有効に防止できる。
しかも、この振動吸収片16Cは、各方向へ自在に撓むことが保障されているので、横方向の振動でも、縦方向の振動でも、効果的に吸収することが可能となる。但し、部品P1の固定状態を解除する必要が生じたような場合には、第三実施の形態の下では、雄部材1の軸部4を雌部材11の胴部13内から強制的に引き抜くこととなる。
【0041】
又、上記の各実施の形態では、あくまでも、その一例としてのピン状の雄部材1と筒状の雌部材11とを個々に図示したものてあるが、この点に関しても、これらのものに限定されるものでは決してなく、同様な原理の下で、振動吸収腕16A・16Bや振動吸収片16C等が付設できるものであれば、如何なる構造のツーピース型クリップを使用することも十分に可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る防振クリップは、上記構成の採用により、従来の防振固定構造とは異なり、使用部材の点数の削減を図りながら、部品のパネルに対する固定作業を大巾に簡略化することが可能となった。
その上、振動吸収手段たる雌部材の鍔部に立設された振動吸収腕・雄部材の拡大頭部に垂設された振動吸収腕と雌部材のフランジ部に立設された振動吸収腕・雌部材の胴部に設けられた振動吸収片とそれに連設されたリング体の作用で、部品側又はパネル側に生じる機械的な振動が他方に伝わることを確実に防止できるので、防振効果の向上も期待できることとなる。
又、部品側に開設される取付孔に関しても、従来の如き切欠口を有するものに限定されることがないので、部品自体の剛性のアップを図り、その使用範囲の拡大も期待できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係る防振クリップを分解して示す斜視図である。
【図2】同防振クリップを構成する雌部材の断面図である。
【図3】防振クリップを部品側に取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図4】部品をパネルに固定した状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の第二実施の形態に係る防振クリップを分解しで示す斜視図である。
【図6】 (A)は同防振クリップを構成する雄部材の正面図、(B)は同側面図、(C)は雄部材の他例を示す側面図である。
【図7】防振クリップを部品側に取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図8】部品をパネル側に固定した状態を示す要部断面図である。
【図9】雄部材と雌部材の本止め状態を解除した状態を示す要部断面図である。
【図10】本発明の第三実施の形態に係る防振クリップを分解して示す斜視図である。
【図11】 (A)は図10のA−A線断面図、(B)は図10のB−B線断面図である。
【図12】防振クリップを部品側に取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図13】部品をパネルに固定した状態を示す要部断面図である。
【図14】従来の防振固定構造の一例を分解して示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 雄部材
2 拡大頭部
4 軸部
6 振動吸収腕
7a 仮止め用段部
7b 本止め用段部
8a 仮止め用環状小径部
8b 本止め用環状大径部
11 雌部材
12 フランジ部
13 胴部
13a 分割胴片
15 鍔部
16A 振動吸収腕
16B 振動吸収腕
16C 振動吸収片
17 凹部
18 スリット
19 係止爪
20 突起
21 リング体
22 環状凹溝
24 ガイド部
P1 部品
H1 部品の取付孔
P2 パネル
H1 パネルの取付孔

Claims (3)

  1. 部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する防振クリップであって、ピン状の雄部材と筒状の雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の軸部で外方へ拡開してパネル側の取付孔に係着する胴部を有して、当該胴部の中間にパネル側の取付孔の周面に当接する鍔部を形成し、該鍔部に撓み可能な複数の振動吸収腕を上記フランジ部と間隔を画する状態で立設して、当該各振動吸収腕の先端部を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させて部品を保持する一方、上記鍔部よりも下側の胴部を外方へ拡開させて、当該鍔部とその下側で拡開した胴部とでパネルを挾持することを特徴とする防振クリップ。
  2. 部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する防振クリップであって、ピン状の雄部材と筒状の雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の軸部で外方へ拡開してパネル側の取付孔に係着する胴部を有して、雄部材の拡大頭部に部品側の取付孔の周面に弾接する撓み可能な複数の振動吸収腕を垂設すると共に、雌部材のフランジ部に撓み可能な複数の振動吸収腕を立設して、当該フランジ部に立設された各振動吸収腕の先端部を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させて部品を保持する一方、雌部材のフランジ部がパネル面に当接すると共に、雄部材の拡大頭部側の振動吸収腕と雌部材のフランジ部側の振動吸収腕とで部品を上下方向からの振動を吸収できるように挾持することを特徴とする防振クリップ。
  3. 部品とパネルとを振動を吸収しながら固定する防振クリップであって、ピン状の雄部材と筒状の雌部材とから成り、雄部材は、拡大頭部と雌部材内に差し込まれる軸部を有し、雌部材は、フランジ部と雄部材の軸部で外方へ拡開してパネル側の取付孔に係着する胴部を有して、当該胴部に放射状に湾曲して延びる撓み可能な複数の振動吸収片を設け、該各振動吸収片の先端縁に環状凹溝を備えたリング体を一体に連設して、当該リング体の環状凹溝を部品側の取付孔の孔縁に弾性的に係止させて部品を保持することを特徴とする防振クリップ。
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