JPH0947811A - 回転ホイール式連続押出機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転ホイールが均一に冷却され熱歪みによる
割れを生じ難い、回転ホイール式連続押出機の提供。 【構成】 回転ホイール式連続押出機の回転ホイール40
に複数のエンドレス溝ａ，ｂが設けられており、前記複
数のエンドレス溝ａ，ｂが、それぞれ別個の冷媒通路5
0，51により冷却される。 【効果】 複数の溝ａ，ｂが、それぞれ同じ条件で冷却
される為、溝ａ，ｂ間に温度差が生じず、回転ホイール
40に熱歪みによる割れが生じ難い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転ホイールが均
一に冷却されて熱歪みによる割れが生じ難い、回転ホイ
ール式連続押出機に関する。

【０００２】

【従来の技術】回転ホイール式連続押出機は、図３にそ
の側面図を示すように、シャフト10に一体に装着した回
転ホイール40の周縁にエンドレス溝ｃが設けられ、この
エンドレス溝ｃと固定シューブロック80とにより形成さ
れる通路82内にアルミニウム等の金属素材90を連続的に
供給し、前記回転ホイール40を回転させて前記金属素材
90との間に生じる接触摩擦抵抗により前記金属素材90に
押出圧力を発生させ、この金属素材90を通路82内の終端
部に配置したダイ83を通して所定の形状に押出す押出機
である。前記回転ホイール40には、生産性を高める為に
エンドレス溝を複数本設けられたものも用いられてい
る。

【０００３】図２は、回転ホイールにエンドレス溝を２
本形成した、回転ホイール式連続押出機の冷却構造を示
す縦断面図である。この押出機の２溝型回転ホイール40
は、それぞれエンドレス溝を１本ずつ有する２個の半割
回転ホイール41，42を圧接して構成されている。この２
個の半割回転ホイール41，42の接合面にはそれぞれ角溝
43が対向して形成されており、この２個の角溝43で形成
される空間内にセンターホイール70を嵌合して、半割回
転ホイール41，42同士の周方向の位置合わせがなされ
る。前記回転ホイール40の２個のエンドレス溝ａ，ｂと
固定シューブロック80との間に通路（図示せず）が形成
され、更にその先の２個のエンドレス溝の所定箇所に、
固定シューブロック80の突起部81がそれぞれ係合されて
いる。前記通路内に供給される金属素材（図示せず）
は、前記突起部81に突き当たり、向きを90度変えて、固
定シューブロック80内に配されたダイス（図示せず）か
ら連続的に押出される。この際、金属素材は、エンドレ
ス溝内面との間の接触摩擦により 450℃程度に温度が上
昇する。この摩擦熱を除去する為に、回転ホイールに冷
媒通路を形成し、ここに水等の冷媒を流して回転ホイー
ルを冷却する。この押出機の冷却構造は、例えば図２に
示すように、シャフト10の中心部に冷媒往路20，21と冷
媒復路30がそれぞれ複数本形成されており、この冷媒往
路20，21からそれぞれ冷媒通路60，61が分岐され、この
冷媒通路60，61は回転ホイール40内部を通って冷媒復路
30に接続される。冷媒は、前記冷媒通路60，61の中を、
エンドレス溝ａ側からエンドレス溝ｂ側へ１方向に流れ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の回転ホイール式連続押出機では、回転ホイールに割
れが生じ易く、回転ホイール費が嵩む上、生産性にも悪
影響を及ぼすという問題があった。本発明者等は、この
事態を踏まえて鋭意研究を行い、回転ホイールに割れが
生じるのは、エンドレス溝ａ，ｂ間の温度差が大きい為
であること、前記温度差が大きい理由は、冷媒が１方向
に流れる為、エンドレス溝ａとエンドレス溝ｂとでは、
その下部を流れる冷媒の温度が異なる為であることを突
き止め、更に研究を重ねて本発明を完成するに至った。
本発明は、回転ホイールが均一に冷却されて熱歪みによ
る割れが生じ難い、回転ホイール式連続押出機の提供を
目的とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】本発明は、シャフトに一体
に装着したホイールの周縁にエンドレス溝を設け、この
エンドレス溝と固定シューブロックとにより形成される
通路内に素材を連続的に供給し、前記ホイールを回転さ
せて前記素材との間に生じる接触摩擦抵抗により前記素
材に押出圧力を発生させ、前記素材を通路内の終端に配
置したダイを通して所定の形状に押出す回転ホイール式
連続押出機において、前記回転ホイールにエンドレス溝
が複数本設けられており、前記回転ホイールに前記エン
ドレス溝を冷却する為の冷媒通路が、エンドレス溝毎に
別個に形成されていることを特徴とする回転ホイール式
連続押出機である。

【０００６】本発明では、複数設けられたエンドレス溝
を冷却する為の冷媒通路を、エンドレス溝毎に別個に形
成するので、エンドレス溝の冷却が均一になされる。従
って、エンドレス溝間に熱歪みが生じず、回転ホイール
に割れが生じ難い。

【０００７】

【実施例】以下に、本発明の押出機を図を参照して具体
的に説明する。図１は、本発明の押出機の冷却構造の実
施例を示す縦断面図である。冷却構造以外は図２と同じ
なので、ここでは冷却構造についてのみ説明する。図２
と同じ部位には、同じ符号を付した。この押出機の冷却
構造は、シャフト10内を通る冷媒往路22，23と冷媒復路
30、前記冷媒往路22，23からそれぞれ分岐して回転ホイ
ール40内を通る冷媒通路50，51とから構成されている。
前記冷媒往路22から分岐した冷媒通路50は、回転ホイー
ル40のエンドレス溝（以下、溝と略記する）ａ下部のセ
ンターホイール70内をＵターンして冷媒復路30に連結さ
れている。同じように、冷媒往路23から分岐した冷媒通
路51は溝ｂ下部のセンターホイール70内をＵターンして
冷媒復路30に連結されている。この冷却構造によれば、
溝ａの下部の冷媒通路50を通った冷媒は、溝ａ近辺の熱
を抽出したのち、そのまま冷媒復路30を経て排出され
る。同じく、溝ｂの下部の冷媒通路51を通った冷媒は、
溝ｂ近辺の熱を抽出してそのまま冷媒復路30を経て排出
される。その結果、溝ａ、ｂは、共に同じ温度の冷媒に
より冷却される。従って、溝ａ，ｂ間に温度差が生じ
ず、回転ホイールには、熱歪みによる割れが生じ難い。
本発明において、冷媒には、水の他、オイル等の他の冷
媒も使用できる。

【０００８】図１に示した本発明の回転ホイール式連続
押出機を用いて、ＣＡＴＶ用のＡｌ製パイプを製造し
た。又図２に示した従来の回転ホイール式連続押出機に
ついても同様の製造を行った。回転ホイールは、溝部分
に割れが発生したところで交換した。冷媒には水を用い
た。前記パイプを１年間製造し、回転ホイール１本当た
りの生産量を調べた。又製造中、両溝部の温度差を測定
した。結果を表１に示す。尚、生産量は、従来の押出機
の生産量を 100としたときの比率で表した。

【０００９】

【表１】 表１より明らかなように、本発明例では、回転ホイール
１本当たりの生産量が従来例に比べて38％増加した。こ
れは、両溝部の温度差が小さく、回転ホイールに掛かる
熱歪みが小さかった為である。

【００１０】以上、１溝ホイールを２個接合した回転ホ
イールの場合について説明したが、本発明は、１ホイー
ルに２溝形成したものや、３溝を有する回転ホイールの
場合に適用しても同様の効果が得られる。

【００１１】

【効果】以上に述べたように、本発明の押出機では、複
数の溝が、それぞれ別個の冷媒通路により冷却されるの
で、回転ホイールが均一に冷却され、熱歪みに起因する
割れが生じ難い。従って、回転ホイール費が削減され、
又生産性が向上し、工業上顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回転ホイール式連続押出機の冷却構造
の態様を示す縦断面図である。

【図２】従来の回転ホイール式連続押出機の冷却構造の
縦断面図である。

【図３】回転ホイール式連続押出機の説明図である。

【符号の説明】

10────シャフト 20〜23──冷媒往路 30────冷媒復路 40────回転ホイール 41,42 ──半割回転ホイール 43────角溝 50,51 ──冷媒通路 60,61 ──冷媒通路 70────センターホイール 80────固定シューブロック 81────突起部 82────通路 83────ダイス 90────金属素材 a,b,c ──エンドレス溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャフトに一体に装着したホイールの周
   縁にエンドレス溝を設け、このエンドレス溝と固定シュ
   ーブロックとにより形成される通路内に素材を連続的に
   供給し、前記ホイールを回転させて前記素材との間に生
   じる接触摩擦抵抗により前記素材に押出圧力を発生さ
   せ、前記素材を通路内の終端に配置したダイを通して所
   定の形状に押出す回転ホイール式連続押出機において、
   前記回転ホイールにエンドレス溝が複数本設けられてお
   り、前記回転ホイールに前記エンドレス溝を冷却する為
   の冷媒通路が、エンドレス溝毎に別個に形成されている
   ことを特徴とする回転ホイール式連続押出機。