JPH0946164A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH0946164A
JPH0946164A JP19299895A JP19299895A JPH0946164A JP H0946164 A JPH0946164 A JP H0946164A JP 19299895 A JP19299895 A JP 19299895A JP 19299895 A JP19299895 A JP 19299895A JP H0946164 A JPH0946164 A JP H0946164A
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JP
Japan
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acoustic wave
surface acoustic
piezoelectric substrate
glass substrate
wave device
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JP19299895A
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English (en)
Inventor
Kouichi Egara
光一 江柄
Akira Torisawa
章 鳥沢
Akihiro Koyama
晃広 小山
Takahiro Hachisu
高弘 蜂巣
Tadashi Eguchi
正 江口
Akane Yokota
あかね 横田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波素子の構成要素を形成するアルミ
電極などのマイグレーションによる劣化を抑え、で弾性
表面波装置の小型化、低コスト化を図ること。 【解決手段】 圧電基板の弾性表面波が伝搬する主面
と、該弾性表面波が伝搬する該圧電基板の主面に対向し
て内部に凹状の空間が形成されたキャップ状のガラス基
板とが、凹状の空間の空間部を内側に形成するように該
圧電基板の主面の周辺部とキャップ状のガラス基板の凸
部とで陽極接合法で接合されている弾性表面波装置にお
いて、上記圧電基板に弾性表面波を励振または、弾性表
面波を受信させるための弾性表面波素子の構成要素のう
ちの少なくとも一部が、上記ガラス基板の弾性表面波が
伝搬する上記圧電基板の主面に対向する凹部表面上に形
成されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電基板上に電極を形
成して弾性表面波を利用する弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波装置はフィルタ、共振
子、コンボルバ、マッチドフィルタなどとして、広く応
用されてきており、それに伴い装置の小型化、低コスト
化が要求されている。
【0003】図6は従来の弾性表面波装置を示す概略図
である。図中、100は弾性表面波素子、101はニオ
ブ酸リチウムなどの圧電基板、102,103は圧電基
板1の表面上に形成した櫛形電極、201はFe、コヴ
ァールなどからなるメタルパッケージベース、202は
Fe、コヴァールなどからなるメタルパッケージキャッ
プ、203はボンディングワイヤ、204,205はボ
ンディングワイヤ203により接続されたリードピンで
ある。
【0004】弾性表面波素子はメタル製やセラミック製
のパッケージベース201にマウントされ、ワイヤなど
でボンディングされた後、弾性表面波の伝搬路上の空間
を確保して、信頼性保持のためメタル製などのキャップ
202で気密封止される。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来の弾性表面波素子は、弾性表面波が伝搬する圧電基板
の主面上に、入力電極、出力電極などの弾性表面波素子
の構成要素が形成されていたため、弾性表面波素子の構
成要素を形成するアルミなどの電極のマイグレーション
による信頼性の低下が問題となっていた。
【0006】さらに、従来の弾性表面波素子は、気密封
止したパッケージに収容する必要があり、その際、基板
表面の弾性表面波の伝搬路部分に空間を確保する必要が
あるため、メタル製やセラミック製などの高価なパッケ
ージが必要であり、更にパッケージサイズも大きくなる
欠点があった。
【0007】さらに、外部湿度や環境の影響を防止する
ために封止する際にも、溶接機などの高価な専用封止装
置が必要であった。
【0008】また、従来の弾性表面波素子は、電気信号
を弾性表面波素子に入力、および出力するために、弾性
表面波素子の一部に形成したボンディング用パッドと、
パッケージのリードピンなどとをワイヤボンディングな
どの手段によって接続する必要があった。
【0009】特に、弾性表面波コンボルバ素子や弾性表
面波マッチドフィルタ素子は、フィルタなど他の弾性表
面素子に比べ、素子長が長くなるため、その分大きなパ
ッケージが必要となり、コストが非常に高くなる欠点が
あった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は弾性表面
波装置、及びそれを用いた受信装置及び通信装置におい
て、弾性表面波素子の構成要素を形成するアルミ電極な
どのマイグレーションによる劣化を抑えることである。
【0011】また、本発明の目的は、従来用いられてい
たメタル製やセラミック製のパッケージを用いることな
く、弾性表面波素子のパッケージングを行うことで弾性
表面波装置の小型化、低コスト化を図ることである。
【0012】更に本発明の目的は、弾性表面波コンボル
バ素子や弾性表面波マッチドフィルタ素子において小型
化、低コスト化を図ることである。更に本発明の目的
は、弾性表面波装置において、ワイヤボンディングを不
要とすることである。
【0013】本発明は、上記目的を達成するためになさ
れたもので、弾性表面波が伝搬する圧電基板と、キャッ
プ状ガラス基板とを陽極接合によって接合した弾性表面
波装置において、櫛形電極などの弾性表面波素子の構成
要素をキャップ状ガラス基板の凹状部表面に形成するこ
とを特徴とする。
【0014】さらに本発明は、上記キャップ状ガラス基
板にスルーホールを用いて形成することにより弾性表面
波素子と外部とを電気的に接合することを特徴とする。
【0015】また、上記圧電基板の主面と、上記ガラス
基板の前記圧電基板の主面に対向する表面に形成された
上記弾性表面波素子の構成要素との距離は、上記圧電基
板の主面上を伝搬する前記弾性表面波にともなって発生
する電界が上記弾性表面波素子の構成要素に届く範囲内
であることを特徴とする。また上記圧電基板の主面上を
伝搬する弾性表面波にともなって発生する電界が上記弾
性表面波素子の構成要素に届く距離範囲は1000nm
以下であることを特徴とする。さらに、上記弾性表面波
素子に少なくとも外部からの電気信号を入力または、外
部へ電気信号出力するための導電性スルーホールが、上
記ガラス基板に形成されており、上記スルーホールは上
記弾性表面波素子の構成要素と電気的に接続されている
ことを特徴とする。
【0016】さらに、上記圧電基板と上記ガラス基板と
を上記陽極接合法で陽極接合するために、上記圧電基板
と上記ガラス基板間に、導電性の導電性薄膜が形成され
たことを特徴とする。また、上記導電性薄膜は、アルミ
ニウム、チタン、シリコンのうちの少なくともひとつで
あることを特徴とする。さらに、上記弾性表面波装置を
樹脂モールドしたことを特徴とする。
【0017】本発明の上記構成によれば、櫛形電極など
の弾性表面波素子の構成要素は、弾性表面波が直接伝搬
しないキャップ状ガラス基板の凹状部に形成されている
ため、マイグレーションによる劣化が防げる。
【0018】さらに、キャップ状ガラス基板の凹状部に
形成された弾性表面波素子の構成要素は、圧電基板の主
面上を伝搬する弾性表面波にともなって発生する電界が
弾性表面波素子の構成要素に届く距離範囲に配置されて
いるため、圧電基板上に形成された場合と同様な挙動を
示す。
【0019】さらに、本発明の上記構成によれば、弾性
表面波用基板自体をパッケージベースとして利用してお
り、高価なメタルやセラミックを用いたパッケージベー
スが不要であり、また、キャップにも安価なガラス基板
を利用しているためメタルやセラミックを用いたパッケ
ージに比べ低コスト化が可能である。
【0020】また、弾性表面波用基板自体をパッケージ
ベースとして利用しているため、従来用いていたメタル
やセラミックパッケージベースと比べ、サイズを大幅に
小さくできる。
【0021】また、陽極接合によって弾性表面波用基板
とガラス基板とを接着しているため、気密性など、弾性
表面波素子の信頼性を損なうことなく、弾性表面波装置
の小型化、低コスト化が可能となる。
【0022】さらに、キャップ状ガラス基板に形成した
スルーホールに形成することで、弾性表面波素子と外部
とを電気的に接合しているため、ワイヤボンディング工
程やバンブを用いるフェイスダウンボンディング工程
や、それに有していたスペースを省略できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、各実施例として詳細に説明する。
【0024】[第1の実施例]図1は本発明における弾
性表面波装置の第1の実施例を示す概念図であり、図2
は本発明の入力電極部の短手方向断面を示す断面図であ
る。
【0025】図中、10は弾性表面波フィルタ素子、1
1はニオブ酸リチウムなどの圧電体基板、20は圧電基
板11とキャップ状ガラス基板30とを陽極接合するた
めに、圧電基板11の主面上の弾性表面波が伝搬する領
域の周辺部に概略ロの字型に連続して形成した、Al,
Tiなどの導電性薄膜、30はリチウムイオン、ナトリ
ウムイオンなどの可動イオンを含み、圧電基板と熱膨張
係数のほぼ等しいガラスなどの材質からなり、内部に空
間を形成した逆凹型のキャップ状ガラス基板、31はキ
ャップ状ガラス基板30が導電性薄膜20を介して、ま
たは導電性薄膜20の一部を介さずに圧電基板11と接
している領域、32はガラス基板30の圧電基板11の
主面と対向する凹部の表面上に形成された櫛型入力電
極、33はガラス基板30の圧電基板11の主面と対向
する凹部の表面上に形成された櫛型出力電極、34a,
bはガラス基板30の表面上の櫛型入力電極32に隣接
して形成された、外部からの電気信号を弾性表面波素子
10に入力する入力用パッド、35a,bはガラス基板
30の表面上の櫛型出力電極33に隣接して形成され
た、弾性表面波素子10から外部へ電気信号を出力する
出力用パッド、32〜35はAlなどの導電性材料から
なりガラス基板の凹部の表面上に直接形成される。
【0026】40はガラス基板に穴を形成し、穴の部分
に導電性物質を充填することで形成したスルーホール
(図1には示さず)である。
【0027】ここで、陽極接合法は、熱膨張係数の比較
的近いガラスと導電体材料、導電体薄膜を100〜40
0℃と比較的低温で、数十〜数kV程度の電圧を印加す
ることで接合する方法で、導電性薄膜をガラス、半導
体、誘電体、金属等様々な基板上に形成することで、導
電体薄膜を介して、ガラスと多種類の基板との接合体を
形成することが可能となる。
【0028】この陽極接合では、導電性薄膜としては、
Al,Ti等の材料が用いられる。
【0029】これらは、「G.Wallis et al., Field Ass
isted GlassMetal Sealing. J. Appl.Phys.,Vol. 40, N
o. 10, pp3946-3949, 1969」や「須田ほか:マロリー接
着法による気密シール技術、東北大学科学計測研究報
告、第33巻、第1号、pp.165−175,198
4」に述べられている。
【0030】本発明の実施例の構成において、図1に示
した様に、圧電基板11とキャップ状ガラス基板30と
は、圧電基板11の弾性表面波が伝搬する主面とガラス
基板30の凹部が対向するように位置している。
【0031】すなわち、圧電基板11とキャップ状ガラ
ス基板30とは、圧電基板11の主面の外周辺部と、キ
ャップ状ガラス基板30の外周辺に形成された凸部の表
面31とが、概略ロの字型の領域20で接している。そ
して、圧電基板11の主面の外周辺部の領域には、陽極
接合によって圧電基板11とキャップ状ガラス基板30
とを接着するための、Al,Ti,Siなどの導電性薄
膜20が蒸着法やスパッタ法やCVD法などにより形成
されている。
【0032】次に、本実施例における陽極接合法につい
て、以下に詳細に説明する。圧電基板11上の所望の接
合位置にキャップ状ガラス基板30を載せて、100℃
〜400℃に加熱したホットプレートなどの加熱ヒータ
ー上に置き、電圧印加用プローブでガラス基板30側に
負の電圧、導電性薄膜20を形成した圧電基板11側に
正の電圧を印加する。
【0033】このようにすると、ガラス基板30中のア
ルカリイオンが電界によって移動し、界面付近に空間電
荷層ができる。このとき、ガラス基板30と圧電基板1
1の間には静電気引力が生じ、界面で化学反応がおこ
り、両者は接合される。
【0034】このとき、ガラス基板30と圧電基板11
とは熱膨張係数が同じか、ほぼ等しいことが望ましい
が、本実施例のように導電性薄膜20を介している場合
は、多少熱膨張係数が異なっていても両者は接合する。
また、加熱温度は、ナトリウムイオンを可動イオンとし
て含むガラスを用いて、導電性薄膜20にアルミニウム
を用いた場合、250℃程度がよく、導電性薄膜20に
チタンを用いた場合は、300℃程度がよい。また、リ
チウムイオンを可動イオンとするガラスの場合、例えば
通常のいわゆる感光性ガラスの場合、加熱温度は約12
0℃程度でよい。
【0035】さらに、キャップ状ガラス基板30の凹部
内表面には、弾性表面波素子を構成する構成要素、すな
わち櫛形入力電極32,櫛形出力電極33および入力パ
ッド34,出力パッド35が形成されている。
【0036】このガラス基板30をキャップ状に形成す
る方法としては、例えばガラス基板30の凹面空間を形
成したい領域以外、すなわちガラス基板30の周辺部に
エッチングマスクのための、W,Si,Cr−Auなど
の金属薄膜をスパッタ法などを用いて形成し、フッ酸な
どでエッチングすることでマスクが形成された領域以外
がエッチングされて、ガラス基板30がキャップ状に形
成される。また、これ以外の、例えば機械的にくりぬい
たり、研削したりして他の方法でもよいが、ガラス基板
30の凹面空間と圧電基板との距離を1000nm以下
に維持できる方法に限られる。
【0037】そして、図2に入力電極32部分の断面図
を示す様に、ガラス基板30には、入力パッド34,出
力パッド35と外部とを電気的に接続するための導電性
スルーホール40が形成されている。この導電性スルー
ホール(ビアホール)40の形成方法について、以下に
説明する。電気化学放電ドリル法として、接合したガ
ラス基板30を水酸化アルカリ溶液などの中に浸し、ス
ルーホールを形成したい場所にニードルを置き、負の電
界を印加することで0.5〜1mm半径程度のスルーホ
ールを形成する。また超音波ドリル加工法として、超
音波ドリルを用いてスルーホールを形成する方法で、1
〜2mm半径程度のスルーホールを形成することができ
る。
【0038】このような方法で形成したスルーホールの
内壁にた問えばメッキ法等で導電性材料を形成する。ま
たは、スルーホールを導電性材料で充填することで、圧
電基板上に形成したパッドと外部とを電気的に接続でき
る。
【0039】このとき、圧電基板11の弾性表面波が伝
搬する主面とガラス基板30の凹部内表面上に形成した
弾性表面波の構成要素のうちの少なくとも櫛形電極3
2,33とは、キャップ状ガラス基板30の外周辺に形
成された凸部をスぺーサーとして、櫛形入力電極32か
ら電界が、圧電基板11の表面に弾性表面波を励振させ
るギャップ(たとえば数100nm)をもって形成して
いる。
【0040】このような構成の弾性表面波装置におい
て、外部からスルーホール40および入力パッド34を
介して、電気信号をガラス基板30の凹部内表面上に形
成した入力櫛形電極32に印加すると、櫛形電極32よ
り数100nmのギャップを介して、電界誘導的に、対
向している圧電基板11の主面上に弾性表面波が励振さ
れる。
【0041】このようにして、圧電基板11の主面上を
伝搬した弾性表面波は、弾性表面波の伝搬路の延長上に
入力櫛形電極32と同様に数100nmのギャップを介
してガラス基板30の凹部内表面上に形成された出力用
櫛形電極33によって、電界誘導的に、電気信号として
取り出すことができる。ここで、ギャップを介して圧電
基板11に電界が達し、弾性表面波を励振できる距離
は、少なくとも1000nm以下であることが望まし
い。
【0042】このような構成とすることで、弾性表面波
の励振、受信は、入力櫛形電極32、出力櫛形電極33
が圧電基板11の主面上に形成された従来の弾性表面波
装置と同様の挙動を示すが、電極がガラス基板30上に
形成されているため、圧電基板11の弾性表面波による
振動が加わらず、マイグレーションによる電極の劣化が
起きない。
【0043】さらに、従来の弾性表面波デバイスの様に
メタル製やセラミック製の専用パッケージが不要とな
る。
【0044】また、陽極接合を例えば窒素ガスやアルゴ
ンガスなどの不活性雰囲気内で行うことで、気密封止が
可能で、従来の弾性表面波デバイスのように弾性表面波
素子チップをマウントした後、プロジェクション抵抗溶
接やシーム溶接などの高価な熔接装置等を用いて気密封
止することが不要である。
【0045】このように、本発明に示した構成では、弾
性表面波装置の信頼性の向上、弾性表面波装置の小型
化、低コスト化が可能である。
【0046】なお、上記実施例では、弾性表面波素子の
構成要素として、入力櫛形電極32,出力櫛形電極33
と櫛形電極に電気信号を入出力するための入力パッド3
4,出力パッド35のみで構成された例を示したが、こ
れ以外の弾性表面波素子の構成要素であってもよい。
【0047】また、キャップ状ガラス基板30の凹部の
形状もこれ以外でもよく、弾性表面波の構成要素および
弾性表面波の伝搬に影響を及ぼさない形状であればよ
い。
【0048】また、キャップ状ガラス基板30は、モノ
リシックなガラス基板を化学的エッチングや機械的にく
りぬいて形成してもよく、また、複数枚のガラス基板を
張合せて形成してもよい。
【0049】また、圧電基板11の弾性表面波が伝搬す
る主面とガラス基板30の凹部表面上に形成した櫛形電
極32,33とのギャップは、櫛形電極32からの電界
が圧電基板11の表面に弾性表面波を励振させ、さらに
は、圧電基板11の表面上を伝搬する弾性表面波を受信
させる、すなわち、圧電基板11の主面上を伝搬する弾
性表面波にともなって発生する電界が上記弾性表面波素
子の構成要素に届く範囲内のギャップであればよい。
【0050】また、圧電基板11上の導電性薄膜20が
形成された陽極接合部の幅や形状も上記実施例で示した
ものに限られない。また、入出力パッド部34,35の
形状も丸型など他の形状でもよい。
【0051】[第2実施例]以下、本発明の第2実施例
について詳細に説明する。図3は本発明における弾性表
面波装置の第2の実施例を示す概念図で、図4は図3の
短手方向断面を示す断面図である。なお、本実施例にお
いて、上記第1実施例における部材と同様の部材には同
一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0052】図3,図4において、10は弾性表面波コ
ンボルバ素子、11はニオブ酸リチウムなどの圧電体基
板、32はガラス基板30の圧電基板11の主面と対向
する凹部の表面上に形成された櫛型入力電極、36はガ
ラス基板30の圧電基板11の主面と対向する凹部の表
面上に形成された出力電極、34はガラス基板30の圧
電基板11の主面と対向する凹部の表面上に形成された
櫛型入力電極32に接して形成された外部からの電気信
号を弾性表面波素子10に入力する入力用パッド、40
は出力電極36の外部へ電気信号を出力する導電性スル
ーホール、38は出力電極36の1端部に接続された出
力取り出し用パッドである。ここで、櫛形入力電極3
2、入力用パッド34、出力電極36、及び出力用パッ
ド38はAlなどの導電性材料からなり、蒸着法やスパ
ッタ法により形成された薄膜を通常フォトリソグラフィ
ー技術を用いてガラス基板30の表面上に直接形成され
る。
【0053】本実施例は弾性表面波素子として、コンボ
ルバを用いた例である。このような構成とすることで、
第1の実施例と同様の効果が得られる。
【0054】すなわち、弾性表面波の励振、受信は、入
力櫛形電極32、出力櫛形電極36が圧電基板11の主
面上に形成された従来の弾性表面波装置と同様の挙動を
示すが、入出力電極32,36がガラス基板30上に形
成されているため、マイグレーションによる電極の劣化
がおこらなくなる。
【0055】さらに、従来の弾性表面波デバイスの様に
メタル製やセラミック製の専用パッケージが不要とな
る。また、従来の弾性表面波デバイスのように弾性表面
波素子チップをマウントした後、プロジェクション抵抗
溶接やシーム溶接などの高価な熔接機等を用いて気密封
止することが不要である。
【0056】特に本実施例に示した弾性表面波コンボル
バや、弾性表面波マッチドフィルタでは、フィルタなど
他の弾性表面波デバイスに比べ素子長が大きいため、パ
ッケージが特に大きくなり、装置全体に占めるパッケー
ジのコスト比が高い問題があったが、本発明によれば、
専用パッケージが不要であり、装置全体の小型化、低コ
スト化が可能である。
【0057】[第3の実施例]以下、本発明の第3の実
施例について詳細に説明する。図5は本発明における弾
性表面波装置の第3の実施例を示す概念図である。な
お、本実施例において、上記第2の実施例における部材
と同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明は一
部省略する。
【0058】第3の実施例においては、出力電極36の
みキャップ状ガラス基板上に形成され、入力電極32が
圧電基板11上に形成された例を示す。
【0059】コンボルバにおいては、特に入力電極32
から出力電極36に弾性表面波を収束する構成の場合、
圧電基板の弾性表面波の振動によるアルミニウムなどの
電極材質のマイグレーションによる劣化は、入力電極3
2より出力電極36の方が発生しやすいため、比較的電
極パターンのパターニグンしやすい出力電極36のみ、
キャップ状ガラス基板に形成する。そうすることで、耐
マイグレーション対策と歩留りを向上することができ
る。
【0060】上記第2及び第3の実施例において、コン
ボルバの出力取り出し箇所を1ケ所の例を示したが、出
力取り出し箇所を複数カ所としても良い。
【0061】また、上記第2〜3実施例においては、弾
性表面波コンボルバの例として、エラスティック型コン
ボルバの例を示したが、AE型等ほかの弾性表面波コン
ボルバにも適応できる。
【0062】また第2及び第3の実施例において、入力
電極として、直線形の正規型電極(IDT)を用いた例
を示したが、円弧型、アポダイズ型、チャープ型など他
のIDTを用いた場合や、マルチストリップカプラや、
ホーンなどの収束手段を用いることもよく、この場合、
出力電極に弾性表面波を収束させる構成となっている場
合に特に効果がある。
【0063】さらに上記第1乃至第3の実施例において
は、弾性表面波素子の例としてフィルタとコンボルバの
例を示したが、それ以外でも、例えば共振器、マッチド
フィルタ、などほかの弾性表面波素子に適応できるのは
勿論である。
【0064】また、上記第1実施例においては、弾性表
面波フィルタの例として、通常のトランスバーサルフィ
ルタの例を示したが、共振器型や多電極型等ほかの弾性
表面波フィルタにも適応できる。
【0065】更に上記第1〜第3の実施例においては、
陽極接合された弾性表面波装置を樹脂などでモールドす
ることで、弾性表面波装置の信頼性を向上させることが
できる。
【0066】なお、上記第1〜第3の実施例において、
圧電基板11はニオブ酸リチウムを用いた例を示した
が、これに限定されるものではなく、タンタル酸リチウ
ム、水晶などの他の圧電単結晶基板や、半導体やガラス
基板上に圧電膜を付加した構造等であってもよい。
【0067】また、上記第1〜第3の実施例において、
ガラス基板30は可動イオンを含む熱膨張係数が圧電基
板11とほぼ等しいものとしたが、これ以外でもよく、
可動イオンを含むガラス基板であればよい。
【0068】また、第1〜第3の実施例において、導電
性薄膜と圧電基板との間に、導電性薄膜と圧電基板との
密着性を向上させるクロムなどを下引きしてもよい。
【0069】さらに第1〜第3実施例においては、スル
ーホール40の太さは、所望の特性インピーダンスなど
を考慮して任意に決めることができ、本実施例の説明図
に示した限りではない。また、スルーホール40の材質
は導電性を有すれば任意の材質を用いることができる。
【0070】さらに上記第1〜第3の実施例において
は、キャップ状ガラス基板30の内側を入出力電極や入
出力パッド以外についてメタライズすることで電磁波を
抑圧できる。
【0071】さらに、上記実施例において、櫛型入力電
極をダブル電極(スプリット電極)とすることにより、
該入力電極における弾性表面波の反射を抑圧できて、一
方向性として素子の特性を一層良好なものにすることが
できる。
【0072】また、上記実施例において、圧電基板上に
入出力電極、ボンディングパッドのみが形成された例を
示したが、そのほかにシールドパターン、グランド用パ
ターン等が形成されていてもよい。
【0073】上記第3の実施例において、弾性表面波の
集束手段として入力電極と出力電極の間の圧電基板側
に、パラボリック・ホーン型導波路、マルチストリップ
カプラ等の集束手段を設けて、出力電極36の導波路に
集束させてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、弾
性表面波装置、およびそれを用いたシステムにおいて、
弾性表面波が伝搬する圧電基板と、キャップ状ガラス基
板とを陽極接合によって接合した弾性表面波装置におい
て、櫛形電極などの弾性表面波素子の構成要素をキャッ
プ状ガラス基板の凹状部内に形成し、キャップ状ガラス
基板にスルーホールに形成することで弾性表面波素子と
外部とを電気的に接続することで、櫛形電極などの弾性
表面波素子の構成要素のアルミのマイグレーションによ
る劣化が防止できる。
【0075】さらに、キャップ状ガラス基板の凹状部に
形成された弾性表面波の構成要素は、圧電基板の主面上
を伝搬する弾性表面波にともなって発生する電界が弾性
表面波素子の構成要素に届く距離範囲に配置されている
ため、圧電基板上に形成された場合と同様な挙動を示
す。
【0076】さらに、本発明の上記構成によれば、弾性
表面波用圧電基板自体をパッケージベースとして利用し
ており、高価なメタルやセラミックを用いたパッケージ
ベースが不要であり、また、キャップにも安価なガラス
基板を利用しているためメタルやセラミックを用いたパ
ッケージに比べ低コスト化が可能である。
【0077】また、弾性表面波用圧電基板自体をパッケ
ージベースとして利用しているため、従来用いていたメ
タルやセラミックパッケージベースと比べ、サイズを大
幅に小さくできる。
【0078】また、陽極接合によって弾性表面波用基板
とガラス基板とを接着しているため、気密性など、弾性
表面波素子の信頼性を損なうことなく、弾性表面波装置
の小型化、低コスト化が可能となる。
【0079】さらに、キャップ状ガラス基板に形成した
スルーホールを形成することで弾性表面波素子と外部と
を電気的に接合しているため、ワイヤボンディング工程
やバンブを用いるフエイスダウンボンディング工程や、
それに有していたスペースを省略できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施例の弾性表面波装置
を示す概略図である。
【図2】本発明における弾性表面波装置の第1の実施例
を示す短手方向断面を示す断面図である。
【図3】本発明における弾性表面波装置の第2の実施例
を示す概略図である。
【図4】本発明における弾性表面波装置の第2の実施例
を示す短手方向断面を示す断面図である。
【図5】本発明における弾性表面波装置の第3の実施例
を示す概略図である。
【図6】従来の弾性表面波装置の例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
10 弾性表面波フィルタ素子 11 ニオブ酸リチウムなどの圧電体基板 20 導電性(酸化性金属材料)薄膜 30 キャップ状ガラス基板 32 圧電基板11の表面上に形成された櫛型入力電極 33 圧電基板11の表面上に形成された櫛型出力電極 34 入力用パッド 35 出力用パッド 40 スルーホール 110 弾性表面波コンボルバ素子 111 Yカット(Z伝搬)ニオブ酸リチウムなどの圧
電基板 112,113 圧電基板1の表面上に形成した櫛型入
力電極である。 114 圧電基板1の表面上に形成した出力電極 115 出力電極に形成した複数のボンディングパッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蜂巣 高弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 江口 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 横田 あかね 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の弾性表面波が伝搬する主面
    と、該弾性表面波が伝搬する該圧電基板の主面に対向し
    て内部に凹状の空間が形成されたキャップ状のガラス基
    板とが、前記凹状の空間の空間部を内側に形成するよう
    に前記圧電基板の主面の周辺部と前記キャップ状のガラ
    ス基板の凸部とで陽極接合法で接合されている弾性表面
    波装置において、 前記圧電基板に前記弾性表面波を励振または前記弾性表
    面波を受信させるための弾性表面波素子の構成要素のう
    ちの少なくとも一部が、前記弾性表面波が伝搬する前記
    圧電基板の主面に対向する前記ガラス基板の凹部内面に
    形成されたことを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記ガラス基板の凹部内面に形成された
    前記弾性表面波素子の構成要素は、前記弾性表面波を励
    振または受信するための櫛形電極であることを特徴とす
    る請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性表面波素子は、前記弾性表面波
    素子の構成要素が少なくとも2つの櫛形入力電極と1つ
    の出力電極とよりなる弾性表面波コンボルバであって、
    前記構成要素のうちの少なくとも一部が前記ガラス基板
    の凹部内面に形成されたことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性表面波素子は、前記弾性表面波
    素子の構成要素が少なくとも2つの櫛形入力電極と1つ
    の出力電極とよりなる弾性表面波コンボルバであって、
    当該出力電極のみが前記ガラス基板の凹部内面に形成さ
    れたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性表面
    波装置。
  5. 【請求項5】 前記圧電基板の主面と、前記ガラス基板
    の前記圧電基板の主面に対向する表面に形成され前記弾
    性表面波素子の構成要素との距離は、前記圧電基板の主
    面上を伝搬する前記弾性表面波にともなって発生する電
    界が前記弾性表面波素子の構成要素に届く範囲内である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 前記圧電基板の主面上を伝搬する前記弾
    性表面波にともなって発生する電界が前記弾性表面波素
    子の構成要素に届く距離範囲は1000nm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の弾性表面波装置。
  7. 【請求項7】 前記弾性表面波素子に対応した少なくと
    も外部からの電気信号を入力または外部へ電気信号を出
    力するための導電性スルーホールが、前記ガラス基板に
    形成されており、前記スルーホールは前記弾性表面波素
    子の構成要素と電気的に接続されていることを特徴とす
    る請求項1乃至6のいずれか1項に記載の弾性表面波装
    置。
  8. 【請求項8】 前記圧電基板と前記ガラス基板とを前記
    陽極接合法で陽極接合するために、前記圧電基板と前記
    ガラス基板間に、導電性の導電性薄膜が形成されたこと
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の弾
    性表面波装置。
  9. 【請求項9】 前記導電性薄膜は、アルミニウム、チタ
    ン、シリコンのうちの少なくともひとつであることを特
    徴とする請求項8に記載の弾性表面波装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    の弾性表面波装置を樹脂モールドしたことを特徴とする
    弾性表面波装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6465850B1 (en) 1999-04-12 2002-10-15 Nec Corporation Semiconductor device
WO2006038395A1 (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Hitachi, Ltd. 陽極接合構造を用いた電子装置
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