JPH0945989A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JPH0945989A
JPH0945989A JP19562795A JP19562795A JPH0945989A JP H0945989 A JPH0945989 A JP H0945989A JP 19562795 A JP19562795 A JP 19562795A JP 19562795 A JP19562795 A JP 19562795A JP H0945989 A JPH0945989 A JP H0945989A
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Takeshi Fujimoto
毅 藤本
Yumi Naito
由美 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性層へのキャリア閉じ込めを確実にしつ
つ、内部損失および電気抵抗を低く抑えて、高効率で高
出力の半導体レーザ素子を提供する。 【構成】 半導体基板20上に、順次、第2n型クラッ
ド層11、第1n型クラッド層12、n型キャリアブロ
ック層13、活性層14、p型キャリアブロック層1
5、第1p型クラッド層16、第2p型クラッド層1
7、電流狭窄層18、p型コンタクト層19が形成され
る。キャリアブロック層13、15を1×1018cm-3
以上の高ドーピング濃度に、第1クラッド層12、16
を3×1017cm-3以下の低ドーピング濃度に、第2ク
ラッド層11、17を1×1018cm-3以上の高ドーピ
ング濃度に形成している。またp型ドーパントとして、
拡散性の低い炭素またはマグネシウムを用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信、レーザプリン
タ、レーザ医療、レーザ加工等で好適に用いられ、高効
率で高出力の動作が可能な半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ素子の高出力化を目的とし
て、活性層の両側に禁制帯幅が大きく厚みの薄いキャリ
アブロック層を設けることによって、キャリアブロック
層の外側に形成されるクラッド層の禁制帯幅の自由度を
大きくした半導体レーザ素子が提案されている。このよ
うな構造において、キャリアブロック層は注入キャリア
を活性層内へ効率的に閉じ込める機能を有するととも
に、キャリアブロック層が薄く形成されているため、活
性層で発生した光がキャリアブロック層を通過して外側
のクラッド層へ容易に漏れ出すことができる。そのため
半導体レーザ素子の出射端面においてレーザ光の局所集
中によって起こる瞬時光学損傷を防止し、端面破壊レベ
ルを高くすることが可能になり、高出力動作を実現でき
る。
【0003】図7(a)はこうした半導体レーザ素子の
一例を示す断面図であり、図7(b)は各層に対応した
禁制帯幅の分布図、図7(c)は各層に対応した屈折率
の分布図である。図7に示す構造は、周知の分離閉じ込
めヘテロ構造(SCH、Separate Confinement Heteros
tructure)に対して、完全分離閉じ込め構造(Perfect
SCH)と称する(国際公開WO93/16513)。
【0004】図7(a)においてn−GaAsから成る
半導体基板(不図示)の上に、順次、第2n型クラッド
層(n−AlGaAs)1、第1n型クラッド層(n−
AlGaAs)2、n型キャリアブロック層(n−Al
GaAs)3、活性層(GaAs/AlGaAsの多重
量子井戸層)4、p型キャリアブロック層(p−AlG
aAs)5、第1p型クラッド層(p−AlGaAs)
6、第2p型クラッド層(p−AlGaAs)7が形成
される。
【0005】図7(b)に示すように、各キャリアブロ
ック層3、5の禁制帯幅は、活性層4および各クラッド
層1、2、6、7の何れよりも大きくなるように形成さ
れているため、注入されたキャリアが効率良く活性層4
に閉じ込められる。そのためレーザ発振に寄与するキャ
リア数が増加して、発振効率が向上する。
【0006】またキャリアブロック層および活性層が十
分に薄く、導波モードへの影響が無視できるとき、実効
的な屈折率分布は図7(c)に示すように、第1n型ク
ラッド層2から第1p型クラッド層6までの各層が高屈
折率部で、第2n型クラッド層1および第2p型クラッ
ド層7が低屈折率部となるスラブ導波路構造が形成され
ているため、活性層4で発生した光は高屈折率部内に広
がって伝搬する。そのため導波モードのピーク強度が減
少して出射端面での光学損傷が発生し難くなり、高出力
化が可能となる。
【0007】この他に正孔バリア層を設けたMQW(多
重量子井戸)−DCH(DecoupledConfinement Heteros
tructure)構造のInGaAsP/InP半導体レーザ
素子が報告されている。(IEEE journal of quantum el
ectronics,vol.29,No.6,JUNE.1993、p1596~1600)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザ素子にお
いて高効率化および高出力化を図る場合、注入キャリア
を活性層へ効率的に閉じ込めるとともに、フリーキャリ
ア吸収による内部損失の低減が重要である。
【0009】完全分離閉じ込め構造の半導体レーザ素子
では、注入キャリアは活性層に近接し、禁制帯幅が各層
の中で最も大きいキャリアブロック層によって活性層に
閉じ込められる。このキャリアブロック層は、クラッド
層への光の洩れ出しを容易にするため通常、0.01〜
0.03μm程度に極めて薄く形成される。禁制帯幅が
大きく極めて薄く形成されるキャリアブロック層のドー
ピング濃度が不十分な場合、キャリアブロック層全体の
空乏化が起こり活性層へのキャリア閉じ込めが不十分と
なる。したがって高いドーピング効率と低い拡散性を有
するドーピング元素(ドーパント)によって、キャリア
ブロック層のドーピング濃度を高く形成する必要があ
る。ところが従来p型ドーパントとして一般的に用いら
れる亜鉛は、バルク内で非常に拡散し易い元素であるた
め、製造プロセス中における亜鉛の拡散長がキャリアブ
ロック層の厚みよりも桁違いに大きくなり、結果的に極
薄のキャリアブロック層には高いドーピング濃度を形成
することができなかった。
【0010】また、半導体レーザ素子の効率はフリーキ
ャリア吸収による内部損失に大きく依存する。このフリ
ーキャリア吸収は光が伝搬する各層のドーピング濃度で
決定され、ドーピング濃度が高いほど内部損失が大きく
なる。そのため光が伝搬する各層のドーピング濃度は必
要最小限に低く形成する必要がある。
【0011】しかし、各層のドーピング濃度をあまり低
く抑えてしまうと、素子の電気抵抗が大きくなって自己
発熱量が増加し、低い出力での出力飽和や素子の劣化を
早める等の問題を生じていた。
【0012】本発明の目的は活性層へのキャリア閉じ込
めを確実にし、内部損失をより低く抑えるとともに、素
子の電気抵抗の低減化を図って、高効率で高出力かつ高
信頼性の半導体レーザ素子を提供することである。
【0013】さらに高出力化の障害となる出射端面での
光学損傷を抑えて、高出力化を一層容易にする半導体レ
ーザ素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性層の両側
にn型およびp型クラッド層を設け、前記活性層に近接
して前記活性層および前記両クラッド層の禁制帯幅以上
の禁制帯幅を有するn型キャリアブロック層およびp型
キャリアブロック層をそれぞれ設けた半導体レーザにお
いて、n型およびp型クラッド層はそれぞれ活性層に近
い順に第1クラッド層と第2クラッド層を含み、πを円
周率とし、λを発振波長とし、活性層、キャリアブロッ
ク層および第1クラッド層の最大屈折率をN1、第2ク
ラッド層の屈折率をN2とし、第2クラッド層間の実効
厚みをd1とし、規格化周波数Vを V=(π・d1/λ)・(N12−N220.5 と定義したとき、V>π/3が成立するとともに、n型
およびp型キャリアブロック層のドーピング量は、n型
およびp型クラッド層の第1クラッド層より高濃度であ
って、n型およびp型クラッド層の第2クラッド層のド
ーピング量は、第1クラッド層より高濃度となるように
変調ドーピングが施されていることを特徴する半導体レ
ーザ素子である。ここで第1クラッド層の屈折率が一定
の場合は最大屈折率N1はその一定値をとるが、第1ク
ラッド層の中で屈折率が分布を持つ場合はその最大値を
意味する。また実効厚みd1は、前記両第2クラッド層
間の任意の位置(x)における屈折率をNw(x)と
し、第2n型クラッド層の活性層に近い界面の位置をx
1および第2p型クラッド層の活性層に近い界面の位置
をx2とすると、下記の式で表わされる。
【0015】
【数1】
【0016】また本発明は、n型およびp型キャリアブ
ロック層のドーピング量は1×10 18cm-3以上に、n
型およびp型クラッド層の第1クラッド層のドーピング
量は3×1017cm-3以下に、n型およびp型クラッド
層の第2クラッド層のドーピング量は1×1018cm-3
以上になるように変調ドーピングが施されていることを
特徴とする。また本発明は、p型キャリアブロック層の
ドーパントが、炭素またはマグネシウムであることを特
徴とする。また本発明は、キャリアブロック層ならびに
第1および第2クラッド層は、III−V族化合物半導
体で形成されていることを特徴とする。また本発明は、
キャリアブロック層ならびに第1および第2クラッド層
は、AlGaAs系化合物半導体で形成されていること
を特徴とする。
【0017】
【作用】本発明に従えば、n型およびp型クラッド層を
第1および第2クラッド層という複数層のクラッド層で
構成し、さらに活性層、キャリアブロック層および第1
クラッド層から成る光導波層の規格化周波数Vをπ/3
より大きく形成することによって、ほぼガウス型での導
波モードのレーザ発振を実現できる。そして導波モード
のピーク強度が減少し、半導体レーザ素子の出射端面で
の光学損傷レベルをより高くすることが可能となる。な
お、導波モードがマルチ化しないためには、規格化周波
数Vは2π以下であることが好ましい。
【0018】さらに、n型およびp型キャリアブロック
層のドーピング量は、n型およびp型クラッド層の第1
クラッド層より高濃度となるように変調ドーピングが施
されているため、キャリアブロック機能を維持しつつ第
1クラッド層でのフリーキャリア吸収を低減化できる。
したがって、導波モードを乱さずかつ低損失のスラブ導
波路を形成できる。
【0019】また、n型およびp型クラッド層の第2ク
ラッド層のドーピング量は、第1クラッド層より高濃度
となるように変調ドーピングが施されているため、素子
全体の電気抵抗を低減化でき、自己発熱を減少させるこ
とができる。
【0020】以下詳細に説明する。図1(a)は完全分
離閉じ込め構造における各層の禁制帯幅を示すグラフで
あり、図1(b)は規格化周波数V=πの場合の導波モ
ードを示すグラフである。グラフに示すように、導波モ
ードの大部分は、活性層14、キャリアブロック層1
3、15および第1クラッド層12、16から成る光導
波層を伝搬しており、裾の僅かな部分が第2クラッド層
11、17に洩れ出ていることが判る。こうして導波モ
ードが拡がり、そのピーク強度が減少するため、素子の
出射端面での光学損傷レベルをより高くすることが可能
になる光学的な内部損失を減らすためには、光導波層の
部分、特に第1クラッド層12、16のキャリア濃度を
低くすることが好ましいことになる。また、光の伝搬が
少ない第2クラッド層11、17は、キャリア濃度を高
くして、素子の電気抵抗を低減化する方が好ましいこと
になる。
【0021】図2は、スラブ導波路構造において規格化
周波数Vに対する光導波層の光伝搬率の変化を示すグラ
フである。規格化周波数Vは、πを円周率、λを発振波
長、活性層14、キャリアブロック層13、15および
第1クラッド層12、16の最大屈折率をN1、第2ク
ラッド層11、17の屈折率をN2とし、第2クラッド
層11、17間の実効厚みをd1として、V=(π・d
1/λ)・(N12−N220.5で定義される。
【0022】規格化周波数Vが小さいと、光導波層の厚
みに比べて導波モードの幅が大きくなり、光導波層での
光伝搬率が低下する。逆に、規格化周波数Vが大きい
と、光導波層の厚みに比べて導波モードの幅が小さくな
り、光伝搬率は増大する。そこで、完全分離閉じ込め構
造の半導体レーザにおいて、規格化周波数Vはπ/3よ
り大きいことが好ましく、これによって光伝搬率を70
%以上確保できる。このようにVがπ/3より大きくな
って光伝搬率が大きくなると、第2クラッド層への光の
伝搬が小さくなるので、第2クラッド層のドーピングを
高濃度にしても、これに起因するフリーキャリア吸収に
よる内部損失は小さくなる。また、基本モード以外のマ
ルチモードの発生を抑制するため規格化周波数Vは2π
より小さいことが好ましく、活性層での利得導波作用と
相俟って単一横モードを安定に維持できる。
【0023】また本発明に従えば、n型およびp型キャ
リアブロック層のドーピング量は1×1018cm-3以上
に、n型およびp型クラッド層の第1クラッド層のドー
ピング量は3×1017cm-3以下に、n型およびp型ク
ラッド層の第2クラッド層のドーピング量は1×1018
cm-3以上になるように変調ドーピングを施すことによ
って、キャリア閉じ込め機能を十分に発揮しつつ、光の
内部損失を充分低く抑えることができる。
【0024】なお、各キャリアブロック層および各第2
クラッド層への過度のドーピングはフリーキャリア吸収
の増大や結晶性の劣化を招くため、ドーピング量の上限
は、1×1019cm-3が好ましい。また、各第1クラッ
ド層のドーピング量の下限は、電気抵抗をあまり大きく
しないために、1×1016cm-3が好ましい。
【0025】また本発明に従えば、p型キャリアブロッ
ク層に対し、高いドーピング効率と低い拡散性を有する
炭素またはマグネシウムをドーパントとして用いること
によって、製造プロセスにおいてドーパントを高濃度に
添加することが可能となり、キャリアブロック層が極め
て薄い場合であっても、製造プロセス中に発生するドー
パントの拡散を事実上無視できる程に抑えることができ
る。すなわち炭素やマグネシウムはバルク内で拡散しに
くい元素であるため、製造プロセス中における各元素の
拡散長はキャリアブロック層の厚みよりも事実上無視で
きるほど小さくなる。その結果、極薄のキャリアブロッ
ク層であっても高いドーピング濃度を形成することがで
きる。
【0026】このように各キャリアブロック層13、1
5のドーピング濃度を高濃度に形成することによって、
キャリアブロック層13、15全体の空乏化が抑制さ
れ、充分なポテンシャル障壁の高さを維持できるため、
注入キャリアを活性層14内に効率良く閉じ込めること
ができる。
【0027】ところで従来はp型ドーパントとして亜鉛
を用いるのが一般的であったが、亜鉛はバルク内で非常
に拡散し易い元素であるため、製造プロセス中における
亜鉛の拡散長がキャリアブロック層の厚みよりも桁違い
に大きくなり、結果的に極薄のキャリアブロック層には
高いドーピング濃度を形成することができなかった。
【0028】また、p型キャリアブロック層のドーパン
トとして炭素またはマグネシウムを用いることによって
キャリアブロック層のポテンシャル障壁をより高くする
ことができる。
【0029】図3は、AlGaAs中における各種p型
ドーパントのアクセプター準位を示すグラフである。こ
のグラフは横軸をAl組成xの変化で示している。亜鉛
はAl組成が多くなるほどアクセプター準位が深くなる
傾向があるのに対して、炭素やマグネシウムは、Al組
成xが変化しても全体として亜鉛より浅いアクセプター
準位を形成する元素であるため、p型キャリアブロック
層15のポテンシャル障壁を高くすることができ、キャ
リア閉じ込め作用が大きくなる。したがって、活性領域
へのドーパントの拡散を防ぎつつキャリアブロック層全
体の空乏化を防ぐために必要な高いドーピング濃度を形
成するとともに浅いアクセプター準位によってポテンシ
ャル障壁を高く形成することができる。
【0030】特に、キャリアブロック層を例えば0.0
1〜0.03μm程度に極めて薄く形成した場合であっ
ても、ドーパントとして拡散性の低い炭素またはマグネ
シウムを用いることによって、前述のような変調ドーピ
ングを容易に実現できる。したがって、キャリアブロッ
クの効果が十分発揮されるため、発光再結合に寄与しな
い無効電流が格段に減少し、発振閾値の温度依存性(特
性温度)が向上してレーザ発振効率が向上する。
【0031】ちなみに、GaAs内での各元素の拡散定
数は、ある条件下で炭素Cが1×10-15cm2/sec
(900℃)(文献1)、マグネシウムMgが1.4×
10 -13cm2/sec(900℃)(文献2)という報
告例がある。(文献1:Journal Vacuum Science Techn
ology A. Vol8,No3,May/Jun 1990 p2980、文献2:Jour
nal Appl. Phys.59(4),15(1986)1156)。したがって炭素
がより好ましい。なお拡散長は、拡散定数の平方根に比
例する。
【0032】また、キャリアブロック層ならびに第1お
よび第2クラッド層はIII−V族化合物半導体で形成
されていることによって、炭素またはマグネシウムの拡
散性がより低く保たれるため、キャリアブロック層のド
ーピング濃度を高く形成できる。
【0033】また、キャリアブロック層ならびに第1お
よび第2クラッド層がAlGaAs系化合物半導体で形
成することが好ましく、その場合、図3に示すように、
炭素およびマグネシウムが形成するアクセプタ準位が浅
くなるため、キャリアブロック層のポテンシャル障壁を
高くできる。しかも高いドーピング効率と低い拡散性に
よってキャリアブロック層のドーピング濃度を高く形成
できる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)図4(a)は本発明の実施例1の構成を示
す断面図であり、図4(b)は各層に対応するドーピン
グ濃度の分布図である。この半導体レーザにおいて、半
導体基板(n−GaAs)20の上に順次、第2n型ク
ラッド層(n−Al0.48Ga0.52As、ドナー濃度:1
×1018cm-3、厚み:0.7μm)11、第1n型ク
ラッド層(n−Al0.31Ga0.69As、ドナー濃度:3
×1017cm-3、厚み:0.4μm)12、n型キャリ
アブロック層(n−Al0.60Ga0.40As、ドナー濃
度:1×1018cm-3、厚み:0.014μm)13、
活性層(DQW:二重量子井戸、GaAs/Al0.31
0.69As、ドーピング無し)14、p型キャリアブロ
ック層(p−Al0.50Ga0.50As、アクセプター濃
度:1×1018cm-3、厚み:0.021μm)15、
第1p型クラッド層(p−Al0.31Ga0.69As、アク
セプター濃度:3×10 17cm-3、厚み:0.4μm)
16、第2p型クラッド層(p−Al0.48Ga0.52
s、アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:0.
7μm)17、電流狭窄層(n−GaAs、ドナー濃
度:1×1018cm-3、厚み:0.3μm)18、p型
コンタクト層(p−GaAs、アクセプター濃度:3×
1017cm-3〜1×1019cm-3、厚み:2μm)19
が、MOCVD(有機金属気相成長法)で形成されてい
る。ここで、ドナーとしてSe(セレン)をドープし、
アクセプターとしてp型コンタクト層以外はC(炭素)
をドープし、p型コンタクト層はZn(亜鉛)をドープ
している。
【0035】p型コンタクト層19の上面および半導体
基板20の下面には、オーミック電極21、22がそれ
ぞれ形成される。光共振器は紙面垂直方向に形成され、
素子の両端面で反射することによってレーザ発振が起き
る。
【0036】注目すべき点は、図4(b)に示すよう
に、n型キャリアブロック層13のドナー濃度およびp
型キャリアブロック層15のアクセプター濃度を1×1
18cm-3またはそれ以上の高濃度に形成し、第1n型
クラッド層12のドナー濃度および第1p型クラッド層
16のアクセプター濃度を3×1017cm-3またはそれ
以下の低濃度に形成し、さらに第2n型クラッド層11
のドナー濃度および第2p型クラッド層17のアクセプ
ター濃度を1×1018cm-3またはそれ以上の高濃度に
形成して、いわゆる変調ドーピングを施している点であ
る。
【0037】このようにn型キャリアブロック層13お
よびp型キャリアブロック層15のドーピング量は、第
1n型クラッド層12および第1p型クラッド層16よ
り高濃度となるように変調ドーピングが施されているた
め、キャリアブロック機能を維持しつつ第2n型クラッ
ド層11および第2p型クラッド層17でのフリーキャ
リア吸収を低減化できる。したがって、導波モードを乱
さずかつ低損失のスラブ導波路を形成できる。
【0038】また、第2n型クラッド層11および第2
p型クラッド層17のドーピング量は、第1n型クラッ
ド層12および第1p型クラッド層16より高濃度とな
るように変調ドーピングが施されているため、素子全体
の電気抵抗を低減化でき、自己発熱を減少できる。
【0039】なお、実施例1の規格化周波数Vはπであ
る。したがって光導波層内での光伝搬率が高くなり、さ
らには出射端面での光学損傷が抑制されて高出力化が一
層容易になる。
【0040】(比較例1)図5(a)は比較例1の構成
を示す断面図であり、図5(b)は各層に対応するドー
ピング濃度の分布図である。この半導体レーザ素子にお
いて、半導体基板(n−GaAs)20の上に順次、第
2n型クラッド層(n−Al0.48Ga0.52As、ドナー
濃度:1×1018cm-3、厚み:0.7μm)11、第
1n型クラッド層(n−Al0.31Ga0.69As、ドナー
濃度:1×1018cm-3、厚み:0.4μm)12、n
型キャリアブロック層(n−Al0.60Ga0.40As、ド
ナー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.014μm)
13、活性層(DQW:二重量子井戸、GaAs/Al
0.31Ga0.69As、ドーピング無し)14、p型キャリ
アブロック層(p−Al0.50Ga0.50As、アクセプタ
ー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.021μm)1
5、第1p型クラッド層(p−Al0.31Ga0.69As、
アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:0.4μ
m)16、第2p型クラッド層(p−Al0.48Ga0.52
As、アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:
0.7μm)17、電流狭窄層(n−GaAs、ドナー
濃度:1×1018cm-3、厚み:0.3μm)18、p
型コンタクト層(p−GaAs、アクセプター濃度:3
×1017cm-3〜1×1019cm-3、厚み:2μm)1
9が、MOCVDでそれぞれ形成されている。
【0041】ここで、実施例1と比較して相違する点
は、図5(b)に示すように、キャリアブロック層1
3、15、第1クラッド層12、16および第2クラッ
ド層11、17を全て1×1018cm-3という高濃度で
ドーピングしている点である。
【0042】(比較例2)図6(a)は比較例2の構成
を示す断面図であり、図6(b)は各層に対応するドー
ピング濃度の分布図である。この半導体レーザ素子にお
いて、半導体基板(n−GaAs)20の上に順次、第
2n型クラッド層(n−Al0.48Ga0.52As、ドナー
濃度:3×1017cm-3、厚み:0.7μm)11、第
1n型クラッド層(n−Al0.31Ga0.69As、ドナー
濃度:3×1017cm-3、厚み:0.4μm)12、n
型キャリアブロック層(n−Al0.60Ga0.40As、ド
ナー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.014μm)
13、活性層(DQW:二重量子井戸、GaAs/Al
0.31Ga0.69As、ドーピング無し)14、p型キャリ
アブロック層(p−Al0.50Ga0.50As、アクセプタ
ー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.021μm)1
5、第1p型クラッド層(p−Al0.31Ga0.69As、
アクセプター濃度:3×1017cm-3、厚み:0.4μ
m)16、第2p型クラッド層(p−Al0.43Ga0.57
As、アクセプター濃度:3×1017cm-3、厚み:
0.7μm)17、電流狭窄層(n−GaAs、ドナー
濃度:1×1018cm-3、厚み:0.3μm)18、p
型コンタクト層(p−GaAs、アクセプター濃度:3
×1017cm-3、厚み:2μm)19が、MOCVDで
形成されている。
【0043】ここで、実施例1と比較して相違する点
は、図6(b)に示すように、キャリアブロック層1
3、15を1×1018cm-3という高濃度でドーピング
し、第1クラッド層12、16および第2クラッド層1
1、17を3×1017cm-3という低濃度でドーピング
している点である。
【0044】(比較例3)比較例3の構成は、図5の比
較例1と同じであるが、p型ドーパントとして全てZn
(亜鉛)を使用している点が相違する。
【0045】(比較例4)比較例4の構成は、図6の比
較例2と同様であるが、p型ドーパントとして全てZn
(亜鉛)使用している点が相違する。ここで、実施例1
と比較例1〜4とを比較するため、素子の特性温度、内
部損失を測定した結果および活性層を除くn型第2クラ
ッド層からp型クラッド層までの電気抵抗をシミュレー
ションした値を下記(表1)に示す。なお、半導体レー
ザ素子のキャビティ長700μm、電流注入ストライプ
幅50μm、光学コーティング無しという条件はいずれ
も共通である。
【0046】
【表1】
【0047】その結果、実施例1は比較例3、4と比べ
て、発振閾値の温度依存性を示す特性温度は140Kに
改善されることが確認された。これはドーパントとし
て、亜鉛より拡散性が格段に小さい炭素を使用すること
によって、キャリアブロック層を所望の濃度に維持する
ことができ、そのために亜鉛の場合に比べてキャリアを
活性層に確実に閉じ込めることができたためと考えられ
る。
【0048】また、実施例1は比較例1と比べて、特性
温度は同程度であるが、内部損失が5分の1と大幅に改
善されていることが判る。これは、第1クラッド層のド
ーピング濃度が低くなって、フリーキャリア吸収が減っ
てためと考えられる。
【0049】また、実施例1は比較例2と比べて、第2
クラッド層のドーピング濃度が高いためにその部分の電
気伝導率が向上して、電気抵抗の低減化が可能になっ
た。
【0050】このようにキャリアブロック層を高ドーピ
ングにすることによって特性温度を改善でき、第1クラ
ッド層を低ドーピングにすることによって、光学的な内
部損失を改善でき、さらに第2クラッド層を高ドーピン
グにすることによって素子の電気抵抗を改善することが
できる。
【0051】なお以上の説明において、半導体レーザ素
子の材料としてAlGaAs系半導体を用いる例を示し
たが、炭素やマグネシウムがp型ドーパントとして機能
する材料であれば本発明が適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、n
型およびp型キャリアブロック層のドーピング量は、n
型およびp型クラッド層の第1クラッド層より高濃度と
なるように変調ドーピングが施されているため、キャリ
アブロック機能を維持しつつ内部損失を低減化できる。
【0053】また、n型およびp型クラッド層の第2ク
ラッド層のドーピング量は、第1クラッド層より高濃度
となるように変調ドーピングが施されているため、素子
全体の電気抵抗を低減化でき、自己発熱を減少させるこ
とができる。
【0054】そして出射端面での光学損傷を抑制できる
ので、上記の効果と相俟ってより高出力化できる。
【0055】さらに、p型ドーパントとして炭素または
マグネシウムを用いることによって、薄い層であっても
充分なドーピング濃度を実現できる。そのためキャリア
ブロック層による活性層へのキャリア閉じ込めが確実に
行われ、特性温度の向上に寄与する。
【0056】こうして完全分離閉じ込め構造の半導体レ
ーザ素子において、高効率化および高出力化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は完全分離閉じ込め構造における各
層の禁制帯幅を示すグラフであり、図1(b)は規格化
周波数V=πの場合の導波モードを示すグラフである。
【図2】スラブ導波路構造において規格化周波数Vに対
する光導波層の光伝搬率の変化を示すグラフである。
【図3】AlGaAs中における各種p型ドーパントの
アクセプター準位を示すグラフである。
【図4】図4(a)は本発明の実施例1の構成を示す断
面図であり、図4(b)は各層に対応するドーピング濃
度の分布図である。
【図5】図5(a)は比較例1の構成を示す断面図であ
り、図5(b)は各層に対応するドーピング濃度の分布
図である。
【図6】図6(a)は比較例2の構成を示す断面図であ
り、図6(b)は各層に対応するドーピング濃度の分布
図である。
【図7】図7(a)は従来の半導体レーザ素子の一例を
示す断面図であり、図7(b)は各層に対応した禁制帯
幅の分布図、図7(c)は各層に対応した屈折率の分布
図である。
【符号の説明】
11 第2n型クラッド層 12 第1n型クラッド層 13 n型キャリアブロック層 14 活性層 15 p型キャリアブロック層 16 第1p型クラッド層 17 第2p型クラッド層 18 電流狭窄層 19 p型コンタクト層 20 半導体基板 21、22 オーミック電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層の両側にn型およびp型クラッド
    層を設け、前記活性層に近接して前記活性層および前記
    両クラッド層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有するn型キ
    ャリアブロック層およびp型キャリアブロック層をそれ
    ぞれ設けた半導体レーザにおいて、 n型およびp型クラッド層はそれぞれ活性層に近い順に
    第1クラッド層と第2クラッド層を含み、 πを円周率とし、λを発振波長とし、活性層、キャリア
    ブロック層および第1クラッド層の最大屈折率をN1、
    第2クラッド層の屈折率をN2とし、第2クラッド層間
    の実効厚みをd1とし、規格化周波数Vを V=(π・d1/λ)・(N12−N220.5 と定義したとき、V>π/3が成立するとともに、 n型およびp型キャリアブロック層のドーピング量は、
    n型およびp型クラッド層の第1クラッド層より高濃度
    であって、 n型およびp型クラッド層の第2クラッド層のドーピン
    グ量は、第1クラッド層より高濃度となるように変調ド
    ーピングが施されていることを特徴する半導体レーザ素
    子。
  2. 【請求項2】 n型およびp型キャリアブロック層のド
    ーピング量は1×1018cm-3以上に、n型およびp型
    クラッド層の第1クラッド層のドーピング量は3×10
    17cm-3以下に、n型およびp型クラッド層の第2クラ
    ッド層のドーピング量は1×1018cm-3以上になるよ
    うに変調ドーピングが施されていることを特徴とする請
    求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 p型キャリアブロック層のドーパント
    が、炭素またはマグネシウムであることを特徴とする請
    求項1または2記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 キャリアブロック層ならびに第1および
    第2クラッド層は、III−V族化合物半導体で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載
    の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 キャリアブロック層ならびに第1および
    第2クラッド層は、AlGaAs系化合物半導体で形成
    されていることを特徴とする請求項4記載の半導体レー
    ザ素子。
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