JPH0941923A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構

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JPH0941923A
JPH0941923A JP9160996A JP9160996A JPH0941923A JP H0941923 A JPH0941923 A JP H0941923A JP 9160996 A JP9160996 A JP 9160996A JP 9160996 A JP9160996 A JP 9160996A JP H0941923 A JPH0941923 A JP H0941923A
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JP
Japan
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eccentric
cam
rotating member
rotation
camshaft
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Pending
Application number
JP9160996A
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English (en)
Inventor
Shinichi Murata
真一 村田
Atsushi Isomoto
淳 磯本
Kiyoshi Hatano
清 波多野
Masahiko Kubo
雅彦 久保
Takaaki Hirano
孝明 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁を機関
の運転状態に応じたタイミングや開度で開閉制御するの
に用いて好適の内燃機関の可変動弁機構に関し、装置全
体を小型化できしかも多気筒エンジンへ容易に適用でき
るとともに軸部材類の磨耗の発生を抑制できるようにす
ることを目的とする。 【構成】 クランク軸と連動する第1回転部材11と、
第1回転部材11の外周に設けられ弁駆動カム6を有す
る第2回転部材12と、第1回転部材11の外周に回動
可能に支持された偏心部15と、偏心部15の外周に回
動可能に支持された係合部材16と、係合部材16にラ
ジアル方向へ摺動自在に装着されて第1回転部材11か
ら係合部材16へ回転を伝達する第1スライダ部材17
及び係合部材16から第2回転部材12へ回転を伝達す
る第2スライダ部材18と、機関の運転状態に応じて偏
心部15の偏心状態を調整する偏心位置調整機構30と
をそなえるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸気弁や排
気弁を機関の運転状態に応じたタイミングで開閉制御す
るのに用いる、内燃機関の可変動弁機構に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば往復動式内燃機関(以下、エンジ
ンという)にそなえられた吸気弁や排気弁(以下、これ
らを総称して機関弁とも言う)のように、カムによって
開閉駆動される往復動バルブがある。このようなバルブ
はカムの形状や回転位相に応じたバルブリフト状態で駆
動される。したがって、このようなバルブの開放や閉鎖
のタイミング及び開放期間(バルブを開放している期
間、通常カムシャフトの回転角度の単位で示す)も、カ
ムの形状や回転位相に応じることになる。
【0003】ところで、エンジンにそなえられた吸気弁
や排気弁の場合には、エンジンの負荷状態や速度状態に
応じて最適な開閉タイミングや開放期間が異なる。そこ
で、このようなバルブの開閉タイミングや開放期間を変
更できるようにした装置が各種提案されている。例えば
高速用のカムプロフィルを有するカムと低速用のカムプ
ロフィルを有するカムとを選択して用いるようにして、
高速時と低速時とでそれぞれに適合したバルブ開閉タイ
ミング及び開放期間でバルブを開閉するようにした装置
も開発されており実用化されている。
【0004】また、カムとカムシャフトとの間に不等速
継手を介装して、この不等速継手を通じて、カムをカム
シャフトに対して相対回転させながらカムをカムシャフ
トとは異なる速度で回転させるようにして、バルブ開閉
タイミング及び開放期間を調整できるようにした装置も
開発されている。例えば、図22,図23はSAE88
0387に開示された米国特許3633555号にかか
る可変バルブタイミングカムシャフト機構(以下、第1
従来例という)を示すものである。この機構は、不等速
継手を利用してバルブタイミングを変更できるようにし
たものであり、図22,図23において、101はカム
シャフト、102はカムであり、カム102はカムシャ
フト101と同様な軸心上にカムシャフト101と相対
回転しうるように設置されている。そして、これらのカ
ムシャフト101とカム102との間に、不等速継手1
03が介装されている。
【0005】不等速継手103は、カムシャフト101
と一体回転するようにロッキングスクリュー104を介
してカムシャフト101に結合されたカラー105と、
カム102と一体回転するようにドライブピン106及
びスライダ107を介してカム102に結合された中間
部材108と、カラー105から中間部材108へ回転
を伝達するドライブピン109及びスライダ110とを
そなえ、さらに、カラー105及び中間部材108を収
容する回転制御スリーブ111と、この回転制御スリー
ブ111の回転位相を調整するコントロールシャフト1
12とをそなえて構成されている。
【0006】そして、各スライダ107,110は中間
部材108の長溝108A,108B内に直径方向へス
ライド自在に内装されており、カムシャフト101の回
転は、不等速継手103のカラー105からドライブピ
ン109,スライダ110を介して中間部材108に伝
達され、更に、スライダ107,ドライブピン106を
介してカム102へと伝達されるようになっている。
【0007】ところで、カラー105及び中間部材10
8の各外周面105A,108Cは、回転制御スリーブ
111の内周面111Aに摺接して、回転制御スリーブ
111内を自在に回転できるように軸支されているが、
これらのカラー105及び中間部材108の各外周面1
05A,108Cと回転制御スリーブ111の内周面1
11Aの回転中心O2 は、いずれもカムシャフト101
の軸心(回転中心)O 1 に対して偏心している。
【0008】このため、カムシャフト101の回転が、
ドライブピン109及びスライダ110を介して中間部
材108に伝達される際には、ドライブピン109及び
スライダ110はカラー105と一体に回転中心O1
回りを回転するのに対して、これらのドライブピン10
9及びスライダ110を通じて回転駆動される中間部材
108は、回転中心O2 の回りを回転するので、中間部
材108から回転を伝達されるスライダ107及びドラ
イブピン106はカムシャフト101の回転と一致せ
ず、不等速に回転するようになる。
【0009】例えば図23に示す状態を模式化すると図
24に示すように、ドライブピン109が点P1 ,ドラ
イブピン106が点P3 にそれぞれ位置する状態とな
る。この状態から、ドライブピン109(即ち、点P
1 )が時計回り(矢印A参照)に回転していくと、ドラ
イブピン109が中心O1 の回りを90°分回転して点
2 に到達したところで中間部材108は中心O2 の回
りをθ1 (=90°−θ2,θ2 >0)だけ回転するこ
とになる。
【0010】したがって、ドライブピン106は中心O
1 の回りをθ3 (=90°−θ4 ,θ4 =2θ2 )だけ
回転して点P4 に達する。このように、ドライブピン1
06の回転角度θ3 は、90°よりも小さいので、この
間のドライブピン106の回転速度はドライブピン10
9の回転速度よりも遅いことになる。さらに、ドライブ
ピン109が点P2 から点P3 まで中心O1 の回りを更
に90°分回転する間には、中間部材108は中心O2
の回りをθ5 (=90°+θ 2 )だけ回転することにな
る。したがって、ドライブピン106は中心O1 の回り
をθ5 (=90°+θ4 )だけ回転して点P1 に達する
ことになり、この間のドライブピン106の回転角度は
90°よりも大きいので、ドライブピン106の回転速
度はドライブピン109の回転速度よりも速いことにな
る。
【0011】さらに、ドライブピン109が点P3 から
点P5 まで中心O1 の回りを90°分回転する間には中
間部材108は中心O2 の回りをθ5 (=90°+θ
2 )だけ回転することになる。したがって、ドライブピ
ン106は中心O1 の回りをθ 5 (=90°+θ4 )だ
け回転して点P6 に達することになり、この間のドライ
ブピン107の回転角度は90°よりも大きいので、ド
ライブピン106の回転速度はドライブピン109の回
転速度よりも速いことになる。
【0012】さらに、ドライブピン109が点P5 から
点P1 まで中心O1 の回りを90°分回転する間には中
間部材108は中心O2 の回りをθ1 (=90°−θ
2 )だけ回転することになる。したがって、ドライブピ
ン106は中心O1 の回りをθ 3 (=90°−θ4 )だ
け回転して点P3 に達することになり、この間のドライ
ブピン106の回転角度θ3 は90°よりも小さいの
で、ドライブピン106の回転速度はドライブピン10
9の回転速度よりも遅いことになる。
【0013】このようにして、カム102と一体回転す
るドライブピン106の回転速度は、カムシャフト10
1と一体回転するドライブピン109よりも先行したり
遅延したりしてドライブピン109の回転速度とは不等
速で回転し、カムシャフト101が等速回転してもカム
102は等速回転しない。カムシャフト101の回転位
相に対するカム102の速度変化は、カムシャフト10
1の中心O1 に対する中間部材108の中心O2 の相対
位置に対応するが、コントロールシャフト112は、ギ
ヤ機構113を介して回転制御スリーブ111を駆動し
うるように結合されており、コントロールシャフト11
2が回転することで、回転制御スリーブ111が回動
し、その内周面111Aの回転中心O 2 (即ち、中間部
材108の中心)の位置が移動するようになっている。
【0014】このように構成された不等速継手による可
変動弁機構によると、例えば吸気弁が開放する付近では
カム102がカムシャフト101よりも遅くなり、吸気
弁が閉鎖する付近ではカム102がカムシャフト101
よりも速くなるように設定すると、吸気弁の開放タイミ
ングが遅くなって開弁時間も短かくなるため、内燃機関
の低速時に適した弁駆動制御を実現できる。
【0015】また、例えば吸気弁が開放する付近ではカ
ム102がカムシャフト101よりも速くなり、吸気弁
が閉鎖する付近ではカム102がカムシャフト101よ
りも遅くなるように設定すると、吸気弁の開放タイミン
グが速くなって開弁時間も長くなるため、内燃機関の高
速時に適した弁駆動制御を実現できる。不等速継手方式
の可変バルブタイミングカムシャフト機構として、この
他に特開平51−202718号の技術(以下、第2従
来例という)も開発されている。この技術は、内燃機関
の給気弁駆動制御装置であり、図25,図26に示すよ
うに構成されている。
【0016】図25,図26において、221は駆動
軸,222はカムシャフトであり、カムシャフト222
は駆動軸221の外周に駆動軸221と同心(回転中心
X)上に且つ駆動軸221と相対回転しうるように設け
られている。このカムシャフト222にはカム226が
設けられている。そして、駆動軸221とカムシャフト
222との間には、カムシャフト222を不等速回転さ
せるための不等速継手220が設けられている。また、
223は吸気弁、224はバルブスプリング,225は
バルブリフターであり、吸気弁223はバルブスプリン
グ224で閉じ側へ付勢され、バルブリフター225を
介してカム226により押圧されることでバルブスプリ
ング224に抗して開放駆動される。
【0017】不等速継手220は、カムシャフト222
の端部に形成されたフランジ部227と、駆動軸221
と一体回転するスリーブ228と、スリーブ228の端
部に形成されたフランジ部232と、両フランジ部22
7,232間に介設された環状ディスク229とをそな
え、この環状ディスク229の回転中心Yが駆動軸22
1の回転中心Xに対して偏心するようになっている。
【0018】環状ディスク229の両面にはピン23
6,237が突設され、それぞれフランジ部227,2
32に形成された係合溝230,233に係合してお
り、駆動軸221の回転は、スリーブ228のフランジ
部232から係合溝233,ピン237,環状ディスク
229,ピン236,係合溝230を経てフランジ部2
27からカムシャフト222に伝達される。この際、環
状ディスク229の回転中心Yが駆動軸221の回転中
心Xに対して偏心していると、図24を参照して説明し
たように、図22,図23に示す機構と同様に、環状デ
ィスク229の回転速度が、駆動軸221に対して速く
なったり遅くなったりする。この際、ピン236,23
7は係合溝230,233内を摺動する。
【0019】この構成では、環状ディスク229の中心
がピン238を中心に揺動できるようになっている。つ
まり、環状ディスク229の外周には、環状ディスク2
29を回転自在に支持する制御環235が設けられてお
り、この制御環235はピン238を中心に揺動できる
ようになっていて、ピン238の反対側にはレバー部2
35bが突設され、このレバー部235bが駆動機構2
39により駆動されて環状ディスク229の中心Yが位
置調整されるようになっている。したがって、この装置
では、偏心量を変えることで、駆動軸221に対するカ
ム226の速度変化の状態を調整できる。
【0020】なお、この駆動機構239は、レバー部2
35bを油圧ピストン242で駆動するように構成され
ている。245は油圧ピストン242に対抗するリター
ンスプリングである。また、この機構では、ピン23
6,237の係合溝230,233と摺接する両側部分
236a,236b,237a,237bを平面状に形
成して、摺動に伴うピン236,237の磨耗を低減で
きるようになっている。
【0021】不等速継手方式の可変バルブタイミングカ
ムシャフト機構として、この他に実公平6−39045
号の技術(以下、第3従来例という)も開発されてい
る。この技術は、4サイクルエンジン用の可変バルブタ
イミング動弁装置であり、図27,図28に示すように
構成されている。図27,図28に示すように、シリン
ダヘッド302におけるバルブ(給気弁又は排気弁)3
03の上方には、スリッパ304を介してバルブ303
のステム端部に当接するカム308がそなえられ、バル
ブ303を閉鎖側へ付勢する圧縮コイルスプリング30
5に抗してカム308がバルブ303を開放駆動する。
カム308はカムシャフト307と一体回転するが、こ
のカムシャフト307は、ギヤ機構336,不等速継手
337を介して駆動される。
【0022】つまり、ギヤ機構336は、図示しないク
ランクシャフトと連動するギヤ336Aと、カムシャフ
ト307と同心上に枢支されてギヤ336Aと噛合する
カムギヤ316とからなり、カムギヤ316はクランク
シャフトの二分の一の速度で駆動される。不等速継手3
37は、カムギヤ316及びカムシャフト307の中空
内部を貫通するように装備される偏心シャフト311
と、この偏心シャフト311の偏心軸部313の外周に
ブッシュ322を介して回転自在に装備された偏心カラ
ー323と、この偏心カラー323に突設された挟持片
324,325と、カムギヤ316に突設され挟持片3
24と係合する係合突起317と、カムシャフト307
に突設され挟持片325と係合する係合突起310とを
そなえている。
【0023】そして、カムギヤ316の回転は、係合突
起317から挟持片324を介して偏心カラー323に
伝達され、さらに、偏心カラー323のもう一つの挟持
片325から係合突起310を通じてカムシャフト30
7へと伝達される。偏心カラー323はカムギヤ316
やカムシャフト307に対して偏心しているので、回転
の伝達時には、偏心カラー323はカムギヤ316に対
してもカムシャフト307に対しても相対回転し、カム
シャフト307は、カムギヤ316の回転速度よりも速
くなったり遅くなったりしながら、不等速に回転する。
【0024】また、偏心シャフト311の端部には、コ
ントロールドリブンギヤ329が設けられており、この
コントロールドリブンギヤ329を通じて偏心シャフト
311が回動されて、偏心軸部313の偏心位置が調整
されるようになっている。なお、図27中、306はカ
ムホルダ、309は軸受部、312は回転真円大径軸
部、314は回転真円小径軸部、315はスプライン軸
端部、319は副ギヤ、326はブッシュ、328はプ
ラグである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な不等速継手を利用した従来の内燃機関の可変動弁機構
では、次のような課題がある。つまり、第1従来例及び
第2従来例のものは、不等速継手における偏心状態を調
整する部材、即ち、第1従来例では回転制御スリーブ1
11、第2従来例では制御環235が、いずれも不等速
継手の最も外側に設けられているので、不等速継手の外
径が大きくなって、システム全体の大型化を招いてしま
う。
【0026】すなわち、不等速継手におけるトルク伝達
部材、例えば第1従来例ではドライブピン106,10
9及びスライダ107,110、第2従来例ではピン2
36,237は、回転中心に近づけるのにも限度がある
ため、偏心状態を調整する機構を不等速継手の最も外側
に設けると必然的に不等速継手の外径が大きくなってし
まい、システム全体の大型化を招いてしまうという課題
がある。
【0027】また、第3従来例のものは、不等速継手に
おける偏心状態を調整する機構を不等速継手の内側に設
けているため不等速継手の外径を小型化できるが、以下
のような不具合がある。つまり、偏心シャフト311が
カムシャフト307の軸心を貫通しており、カムシャフ
ト307と偏心シャフト311とが大きな面積に亘って
摺接している構造であるが、カムシャフト307が回転
する際に偏心シャフト311は回転しないため、カムシ
ャフト307と偏心シャフト311との相対回転速度が
著しく、これらのシャフト307,311が磨耗しやす
い。
【0028】また、偏心軸部313の偏心位置を調整す
るコントロールドリブンギヤ329が、偏心シャフト3
11の端部に設けられており、偏心軸部313とコント
ロールドリブンギヤ329との距離が大きいため、偏心
軸部313の偏心位置の調整に際して偏心シャフト31
1の捩れ等の影響が生じて、バルブ駆動を適切なタイミ
ングで行なえないおそれがある。
【0029】また、第3従来例のものは、ギヤ機構33
6を中心に左右1つずつの気筒をそなえた直列2気筒エ
ンジンを対象としており、例えば4気筒エンジン等の多
気筒エンジンへ適用するには、偏心シャフト311をさ
らに延長させる必要があり、上述の捩れ等の影響がさら
に生じやすく、困難が生じる。本発明は、上述の課題に
鑑み創案されたもので、主目的は、不等速継手部分の外
径を小型化してシステム全体を小型化できるようにする
とともに、多気筒エンジンへ容易に適用できるようにし
た内燃機関の可変動弁機構を提供することであり、副次
的な目的は、軸部材類の磨耗の発生等を抑制できるよう
にした、内燃機関の可変動弁機構を提供することであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の内燃機関の可変動弁機構は、エンジンのクラ
ンク軸に連動して回転駆動される第1回転部材と、該第
1回転部材の外周に該第1回転部材と同心上に該第1回
転部材と相対回転可能に設けられた第2回転部材と、該
第2回転部材に設けられて弁を駆動するカムと、該第1
回転部材の外周に回動可能に支持され該第1回転部材の
回転中心から偏心した位置に中心を有する環状の偏心部
と、該偏心部の外周に該偏心部の中心回りに回動可能に
支持された係合部材と、該第1回転部材に設けられた第
1接続部と、該第2回転部材に設けられた第2接続部
と、該係合部材と該第1接続部とのうちの一方にラジア
ル方向へ摺動自在に装着されて該第1接続部から該係合
部材へ回転を伝達する第1スライダ部材と、該係合部材
と該第2接続部とのうちの一方にラジアル方向へ摺動自
在に装着されて該係合部材から該第2接続部へ回転を伝
達する第2スライダ部材と、該偏心部を機関の運転状態
に応じた位置に回転させて該偏心部の偏心状態を調整す
るための偏心位置調整機構とをそなえていることを特徴
としている。
【0031】これにより、第1回転部材がエンジンのク
ランク軸に連動して回転駆動されると、この第1回転部
材の回転は、第1回転部材に設けられた第1接続部から
第1スライダ部材を通じて係合部材に伝達され、さら
に、係合部材から第2スライダ部材を通じて第2接続部
から第2回転部材に伝達されて、第2回転部材に設けら
れたカムが回動して、弁を駆動する。
【0032】係合部材は、環状の偏心部の外周に偏心部
の中心回りに回動可能に支持されており、この偏心部の
中心は第1回転部材の回転中心から偏心しているので、
第1回転部材の回転が係合部材に伝達される際には、こ
の偏心に対応するようにして、第1スライダ部材が、係
合部材又は第1接続部に対してラジアル方向へ摺動しな
がら、第1回転部材の回転に対して係合部材の回転を速
くさせたり遅くされたりする。
【0033】また、係合部材の回転が第2回転部材に伝
達される際にも、上記の偏心に対応するようにして、第
2スライダ部材が、係合部材又は第2接続部に対してラ
ジアル方向へ摺動しながら、係合部材の回転に対して第
2回転部材の回転を速くさせたり遅くされたりする。こ
のようにして、第1スライダ部材,係合部材,第2スラ
イダ部材を通じて、偏心部の偏心状態に応じて、第2回
転部材が第1回転部材に対して先行したり遅延したりし
ながら回動する。このため、第1回転部材が等速回転し
ても第2回転部材の回転は不等速となる。
【0034】したがって、第2回転部材に設けられたカ
ムの開閉タイミングも、偏心部の偏心状態に応じて速く
なったり遅くなったりする。そして、偏心部の偏心状態
は、偏心位置調整機構により、運転状態に応じた位置に
回転させることで調整されるので、この偏心位置調整機
構を通じて、カムの作動タイミングを速くさせたり遅く
させたりすることができる。これにより、弁の駆動タイ
ミングを制御することができる。
【0035】請求項2記載の本発明の内燃機関の可変動
弁機構は、請求項1記載の構成において、該偏心部に該
係合部材よりも外部に張り出した被駆動部を有する制御
部材が設けられて、該偏心位置調整機構に該被駆動部を
駆動する駆動手段が設けられていることを特徴としてい
る。これにより、駆動手段が、該偏心位置調整機構によ
り制御されながら該制御部材に設けられた被駆動部を駆
動することで、偏心部の偏心状態が調整される。また、
被駆動部は該係合部材よりも外部に張り出しているの
で、駆動手段側と係合部材とを干渉させないように構成
することができる。
【0036】請求項3記載の本発明の内燃機関の可変動
弁機構は、請求項2記載の構成において、該偏心位置調
整機構に、該機関の運転状態に応じて該駆動手段の作動
を制御する制御手段が設けられていることを特徴として
いる。
【0037】また、請求項4記載の内燃機関の可変動弁
機構は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加
えて、該第1回転部材に、該クランク軸からの回転駆動
力が入力される入力部が設けられるとともに、該偏心
部,該係合部材,該第1接続部,該第2接続部,該第1
スライダ部材及び該第2スライダ部材により変速機構部
が構成され、該エンジンが、直列に配置された複数のシ
リンダを有する多気筒エンジンであって、各シリンダ毎
に該変速機構部及び該第2回転部材が直列にそなえら
れ、各シリンダにおける該変速機構部が、該第2回転部
材よりも該入力部の近くに配設されていることを特徴と
している。
【0038】なお、各シリンダ毎に該変速機構部及び該
第2回転部材を有する可変動弁機構が吸気弁用と排気弁
用との両方にそなえられた場合、各吸気弁用及び各排気
弁用の可変同弁機構は、該変速機構部が、該第2回転部
材よりも該入力部の近くに配設されていることが好まし
い。また、請求項5記載の内燃機関の可変動弁機構は、
上記請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加えて、該
第1回転部材の内部に該第1回転部材の軸心方向に沿っ
て形成された潤滑油供給路と、該第1回転部材の外周部
であって該偏心部と摺接する部位に環状に形成された第
1の凹溝と、該潤滑油供給路と該第1の凹溝とを連絡す
る第1の油穴と、該偏心部に形成され該第1の凹溝に対
応する位置に形成された第2の油穴とをそなえ、該第
1,第2の油穴を介して供給される潤滑油により、該第
1回転部材と該偏心部との間の潤滑及び該偏心部と該係
合部材との間の潤滑が行なわれるように構成されている
ことを特徴としている。
【0039】
【実施形態】以下、図面により、本発明の実施形態につ
いて説明すると、図1〜図8は本発明の第1実施形態と
しての内燃機関の可変動弁機構を示すものであり、図9
〜図13は本発明の第2実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構を示すものであり、図14〜図21は本発明
の第3実施形態としての内燃機関の可変動弁機構を示す
ものである。
【0040】まず、第1実施形態について説明すると、
この実施形態にかかる内燃機関は、レシプロ式の内燃機
関であり、可変動弁機構は、気筒上方に設置された吸気
弁又は排気弁(これらを総称して、以下、バルブとい
う)を駆動するようにそなえられている。
【0041】図1は本可変動弁機構をそなえたシリンダ
ヘッド1の要部を示す断面図であり、図1に示すよう
に、シリンダヘッド1には、図示しない給気ポート又は
排気ポートを開閉すべくバルブ2が装備されており、こ
のバルブ2のステム端部2Aには、バルブ2を閉鎖側に
付勢するバルブスプリング3が設置されている。さら
に、バルブ2のステム端部2Aには、タペット4が冠装
され、このタペット4上のシム5にカム6が当接してい
て、カム6の凸部6Aによってバルブスプリング3の付
勢力に抗するようにしてバルブ2が開方向へ駆動され
る。本可変動弁機構は、このカム6を回動させるために
そなえられている。
【0042】本可変動弁機構は、図1に示すように、エ
ンジンのクランク軸(図示略)に連動して回転駆動され
る第1回転部材としてのカムシャフト11と、このカム
シャフト11の外周に設けられた第2回転部材としての
カムローブ12とをそなえ、カム6はこのカムローブ1
2の外周に突設されている。カムローブ12の外周はシ
リンダヘッド1側の軸受部7によって回転自在に軸支さ
れている。そして、カムシャフト11とカムローブ12
との間に変速機構部としての不等速継手13が設けられ
ている。
【0043】この不等速継手13は、カムシャフト11
の外周に回動可能に支持されたコントロールディスク
(制御部材)14と、このコントロールディスク14に
一体的に設けられた偏心部15と、この偏心部15の外
周に設けられた係合部材としての係合ディスク(又はハ
ーモニックリング)16と、係合ディスク16に接続さ
れた第1スライダ部材17及び第2スライダ部材18と
をそなえている。
【0044】偏心部15は、図1,図3に示すように、
カムシャフト11の回転中心(回転軸心)O1 から偏心
した位置に回転中心(回転軸心)O2 を有しており、係
合ディスク16はこの偏心部15の回転中心O2 の回り
に回転するようになっている。また、係合ディスク16
の一面には、図1〜図3に示すように、半径方向(ラジ
アル方向)に、スライダ用溝16A,16Bが形成され
ている。ここでは、2つのスライダ用溝16A,16B
が互いに180°だけ回転位相をずらせるように同一直
径上に配置されている。そして、カムシャフト11には
第1スライダ部材17に係合する第1接続部としてのド
ライブアーム19が設けられ、また、カムローブ12に
は第2スライダ部材18に係合する第2接続部としての
アーム部20が設けられている。
【0045】このうち、ドライブアーム19は、カムシ
ャフト11から半径方向(ラジアル方向)に突出するよ
うに設けられ、ロックピン25によりカムシャフト11
と一体回転するように結合されている。一方、アーム部
20はカムローブ12の端部を半径方向(ラジアル方
向)へ突出させるようにカムローブと一体形成されてい
る。
【0046】そして、第1スライダ部材17及び第2ス
ライダ部材18は、係合ディスク16のスライダ用溝1
6A,16B内を半径方向(ラジアル方向)に摺動自在
に装備されたスライダ本体21,22と、ドライブアー
ム19及びアーム部20の穴部19A,20Aに一端部
を内装され他端部をスライダ本体21,22の穴部21
A,22Aに内装されたピン部材としてのドライブピン
23,24とをそなえている。これらのドライブピン2
3,24は、ドライブアーム19,アーム部20の穴部
19A,20Aと、スライダ本体21,22の穴部21
A,22Aとのいずれか又は両方に対して、自転しうる
ように結合されている。
【0047】したがって、不等速継手13では、カムシ
ャフト11の回転は、ドライブアーム19から、穴部1
9A,ドライブピン23,穴部21A,スライダ本体2
1,溝16Aを経て係合ディスク16に伝達して、さら
に、溝16B,スライダ本体22,穴部22A,ドライ
ブピン24,穴部20Aを経て、アーム部20からカム
ローブ12へと伝達するようになっている。
【0048】なお、スライダ本体21と溝16Aとの間
では、スライダ本体21の外側面21B,21Cと溝1
6Aの内壁面28A,28Bとの間で回転力の伝達が行
なわれ、溝16Bとスライダ本体22との間では、溝1
6Bの内壁面28C,28Dとスライダ本体22の外側
面22B,22Cとの間で、回転力の伝達が行なわれ
る。
【0049】このように回転を伝達する際に、係合ディ
スク16が偏心していることにより、係合ディスク16
がカムシャフト11に対して先行したり遅延したりする
ことを繰り返し、また、カムローブ12は係合ディスク
16に対して先行したり遅延したりすることを繰り返し
ながら、カムローブ12がカムシャフト11とは不等速
で回転するようになっている。
【0050】この回転原理は、図24を参照して従来技
術の欄で既に説明したものとほぼ同様であり、ここで
は、図5に基づいて、カムシャフトの各回転位相(カム
シャフト角度)に対するようにして、係合ディスク16
やカムローブ12の回転位相について説明する。つま
り、図5(A)に示すように、カムシャフト11の回転
中心O1 と係合ディスク16の回転中心O2 とを結んだ
直線(実際上は平面)BL上の上方にドライブピン23
の軸心線が位置して、直線(平面)BL上の下方にドラ
イブピン24の軸心線が位置する状態を基準(カムシャ
フト角度=0deg)として、この状態から、カムシャ
フト11が図5(A)中に矢印で示すように時計回りに
回転した場合を考える。
【0051】上述のように、カムシャフト11の回転
は、ドライブアーム19から、穴部19A,ドライブピ
ン23,穴部21A,スライダ本体21,溝16Aを経
て係合ディスク16に伝達していくので、例えばカムシ
ャフト11がその回転中心O1の回りに90deg(=
直角分)だけ回転して、カムシャフト角度が90°(以
下、角度を表す「deg」を「°」を用いて示す)とな
ると、ドライブピン23は、図5(B)に示すような位
置になる。
【0052】係合ディスク16の回転中心O2 はカムシ
ャフト11がその回転中心O1 に対して偏心している
(ここでは、図中下方に偏心している)ので、このとき
のドライブピン23及びスライダ本体21の中心はカム
シャフト11の回転中心O1 に対しては90°回転して
いるが、係合ディスク16の回転中心O2 に対しては9
0°よりも角度θ2 分だけ少ない回転量θ1 (=90°
−θ2 )となる。
【0053】このとき同時に、係合ディスク16の回転
は、さらに、溝16B,スライダ本体22,穴部22
A,ドライブピン24,穴部20Aを経て、アーム部2
0からカムローブ12へと伝達していく。ドライブピン
24及びスライダ本体22の係合ディスク16の回転中
心O2 に対する回転量はドライブピン23及びスライダ
本体21の回転中心O2 に対する回転量と等しいので、
ドライブピン24及びスライダ本体22の係合ディスク
16の回転中心O2 に対する回転量はθ1 となる。さら
に、このドライブピン24及びスライダ本体22のカム
ローブ12の回転中心O1 に対する回転量θ3 を考える
と、この回転量θ3 は、次式のように示すことができ、
係合ディスク16の回転中心O2 に対する回転量θ1
りもさらに小さくなる。
【0054】 θ3 =90°−θ4 ,ただし、θ4 ≒2θ2 したがって、カムシャフト11がその回転中心O1 の回
りに、カムシャフト角度0°から90°まで、90°だ
け回転する間に、カムローブ12は回転中心O 1 の回り
に90°よりも小さい回転量θ3 だけ回転することにな
り、この間は、カムローブ12はカムシャフト11より
も低速回転することになる。
【0055】そして、さらに、カムシャフト11が回転
中心O1 の回りに、カムシャフト角度90°から180
°まで、90°だけ回転すると、ドライブピン23は、
図5(C)に示すような位置になる。ドライブピン23
が図5(C)に示す位置にくると、直線BL上の上方に
ドライブピン24の軸心線が位置し、直線BL上の下方
にドライブピン23の軸心線が位置するようになり、カ
ムシャフト11の回転位相とカムローブ12の回転位相
とが一致するようになる。
【0056】したがって、この間、即ち図5(B)に示
すカムシャフト角度90°の状態から図5(C)に示す
カムシャフト角度180°に至るまで、カムシャフト1
1が90°だけ回転するのに対して、カムローブ12は
次式で示される回転量θ5 だけ回転することになり、こ
の間は、カムローブ12はカムシャフト11よりも高速
回転することになる。
【0057】θ5 =180°−θ3 =90°+θ4 そして、さらに、カムシャフト11が回転中心O1 の回
りに、カムシャフト角度180°から270°まで、9
0°だけ回転すると、ドライブピン23は、図5(D)
に示すような位置になる。ドライブピン23が図5
(D)に示す位置にくると、図5(B)に示す場合とは
反対に、ドライブピン23及びスライダ本体21は、カ
ムシャフト11の回転中心O1 に対しては90°回転し
ているが係合ディスク16の回転中心O2 に対しては9
0°よりも角度θ2 分だけ多い回転量θ6 (=90°+
θ2 )となり、,ドライブピン24及びスライダ本体2
2の係合ディスク16の回転中心O2 に対する回転量は
θ6 、さらに、このドライブピン24及びスライダ本体
22のカムローブ12の回転中心O1 に対する回転量は
θ7 となる。この回転量θ7 は、次式のように示すこと
ができ、係合ディスク16の回転中心O2 に対する回転
量θ6 よりもさらに大きくなる。
【0058】θ7 =90°+θ4 =θ5 したがって、この間、即ち図5(C)から図5(D)に
至る間に、カムシャフト11が90°だけ回転するのに
対して、カムローブ12は次式で示される回転量θ7
け回転することになり、この間は、カムローブ12はカ
ムシャフト11よりも高速回転することになる。
【0059】そして、さらに、カムシャフト11が回転
中心O1 の回りに、カムシャフト角度270°から36
0°(=0°)まで、90°だけ回転すると、ドライブ
ピン23は、再び図5(A)に示すような位置になる。
ドライブピン23が図5(A)に示す位置にくると、直
線BL上の上方にドライブピン23の軸心線が位置し、
直線BL上の下方にドライブピン24の軸心線が位置す
るようになり、カムシャフト11の回転位相とカムロー
ブ12の回転位相とが一致するようになる。
【0060】したがって、この間、即ち図5(D)から
図5(A)に至る間に、カムシャフト11が90°だけ
回転するのに対して、カムローブ12は次式で示される
回転量θ8 (図示略)だけ回転することになり、この間
は、カムローブ12はカムシャフト11よりも低速回転
することになる。 θ8 =180°−θ7 =90°−θ4 =θ3
【0061】また、例えば図5(A)に示す状態におけ
るカムシャフト11の回転速度とカムローブ12の回転
速度との関係は、図8に示すように、この時のカムシャ
フト11側(ドライブ側)のドライブピン23とカムシ
ャフト11の回転中心O1 との距離をr1 、カムローブ
12側(ドリブン側)のドライブピン24とカムシャフ
ト11の回転中心O1 との距離をr2 として、カムシャ
フト11の回転中心O 1 と係合ディスク16の回転中心
2 との距離をe、カムシャフト11の回転速度(=ド
ライブピン23の角速度)をω1 とすると、次のように
なる。
【0062】つまり、 ドライブピン23の中心A点の接線速度=r1 ・ω1 A点での偏心軸心O2 回りの角速度=〔r1 /(r1
e)〕・ω1 ドライブピン24の中心B点の接線速度=〔r1 /(r
1 +e)〕・ω1 ・(r2 −e) となって、カムローブ12の角速度(=カム6の角速
度)ω2 は以下のようになる。 ω2 =〔r1 /(r1 +e)〕・ω1 ・(r2 −e)・(1/r2 ) =(r1 /r2 )・〔(r2 −e)/(r1 +e)〕・ω1 したがって、r1 =r2 =rとすると、カムローブ12
の角速度ω2 は、ω2 =〔(r2 −e)/(r1
e)〕・ω1 となり、e>0〔図5(A)に示す状態〕
ならば、ω2 <ω1 となって、カムローブ12がカムシ
ャフト11よりも低速回転することがわかる。
【0063】このようにして、カムローブ12はカムシ
ャフト11に対して先行したり遅延したりしてカムシャ
フト11の回転速度とは不等速で回転するが、このカム
ローブ12はカムシャフト11に対する位相の変化は、
例えば図6に示すように正弦波状になる。なお、図6
中、横軸は図5の説明と対応するカムシャフト角度であ
り、縦軸はカムローブ12のカムシャフト11に対する
位相差であり、カムシャフト11に対して先行する場合
を正方向に設定している。
【0064】そして、このようにカムローブ12がカム
シャフト11に対して先行したり遅延したりする特性を
利用して、バルブの開閉タイミングを調整することがで
きる。例えば、バルブ2の閉鎖タイミングの近傍で、カ
ムローブ12をカムシャフト11に対して先行させれば
バルブ2の開放タイミングを速めることができるように
なる。
【0065】これにより、カムローブ12をカムシャフ
ト11に対して遅延させればバルブ2の開放タイミング
を遅らせることができる。また、バルブ2の閉鎖タイミ
ングの近傍で、カムローブ12をカムシャフト11に対
して先行させれば閉鎖タイミングを速めることができ、
カムローブ12をカムシャフト11に対して遅延させれ
ばバルブ2の閉鎖タイミングを遅らせることができる。
【0066】このようなカムローブ12のカムシャフト
11に対する位相のずれ方は、コントロールディスク1
4に一体的に設けられた偏心部15の偏心中心O2 の位
置を変えることで調整することができる。そこで、本装
置には、この偏心部15の位相調整を行なうために、図
1,図4に示すように、コントロールディスク(制御部
材)14を回転させて偏心位置を調整する偏心位置調整
機構30が設けられている。
【0067】この偏心位置調整機構30は、コントロー
ルディスク14の外周に形成された被駆動部としての第
1ギヤ31を通じてコントロールディスク14を回動す
るギヤ機構32と、このギヤ機構32を駆動する駆動手
段としての電動モータ33とをそなえている。ギヤ機構
32は、カムシャフト11と平行に設置されたギヤ軸3
2Aと、このギヤ軸32Aに設置されて第1ギヤ31と
噛合する第2ギヤ(コントロールギヤ)32Bと、モー
タ33の回転軸に設けられたギヤ33Aと噛合する第3
ギヤ32Cとから構成される。なお、モータ33の回転
軸はギヤ軸32Aとは捩れの関係にあり、第3ギヤ32
C,モータ側ギヤ33Aは、第3ギヤ32Cをウォーム
ホイールに、モータ側ギヤ33Aをウォームギヤとす
る、ウォームギヤ機構として構成される。
【0068】また、モータ33は、制御手段としての電
子制御ユニット(ECU)34により制御されるように
なっている。すなわち、ECU34では、ポジションセ
ンサ35の検出信号に基づいて、コントロールディスク
14の回転位相が所要の状態になるようにモータ33の
作動を制御するようになっている。なお、ここでは、ポ
ジションセンサ35を設置の容易なギヤ軸32Aの端部
に設けており、このギヤ軸32Aの回転位相の状態から
コントロールディスク14の回転位相を検出するように
構成されている。
【0069】このように、コントロールディスク14の
回転位相(位置)を変更すると、カムシャフト角度に対
するカムローブの位相差の状態が変化する。例えば、図
6中の上方に、0°,45°,90°,135°,18
0°を示しているが、これらは、図5に示すような偏心
状態を基準(コントロールディスク14の回転位相=0
°)とした場合のコントロールディスク14の位置(回
転位相)であり、各角度を記載した位置は、カムシャフ
ト角度180°の位置を示している。
【0070】即ち、コントロールディスク14の位置が
0°であれば、カムシャフト角度180°の横軸目盛は
図6に示すようになるが、コントロールディスク14の
位置が45°になると、カムシャフト角度180°の横
軸目盛は、この「45°」を示す位置(図6中の「22
5°」の位置)に変位する。また、コントロールディス
ク14の位置が90°になると、カムシャフト角度18
0°の横軸目盛はこの「90°」を示す位置(図6中の
「270°」の位置)に変位する。
【0071】さらに、コントロールディスク14の位置
が135°になると、カムシャフト角度180°の横軸
目盛はこの「135°」を示す位置(図6中の「315
°」の位置)に、コントロールディスク14の位置が1
80°になると、カムシャフト角度180°の横軸目盛
はこの「180°」を示す位置(図6中の「360°」
の位置)に、それぞれ変位する。
【0072】このように、コントロールディスク14の
位置を調整すると、バルブのリフト状態も変化する。つ
まり、図5(A)に示すようなカムシャフト角度が0°
の時にカム6の凸部6Aの頂部がバルブ2に作用するよ
うに設定して、図5(A)〜(D),図6に示すように
カムローブ12のカムシャフト11に対する位相変化の
特性を設定した場合には、バルブのリフト状態は図7の
曲線L1のような特性になる。
【0073】つまり、コントロールディスク14の回転
位相が0°であって、図5(A)〜(D)に示すように
カムローブ12が作動すると、カムシャフト角度が90
°で最も位相の遅れた状態になり、カムシャフト角度が
0°から180°までは、カムローブ12がカムシャフ
ト11に対して位相遅れを生じる。また、カムシャフト
角度が270°で最も位相の進んだ状態になる。
【0074】カムシャフト角度が180°から360°
までは、カムローブ12がカムシャフト11に対して位
相進みを生じる。すなわち、バルブリフトが最大となる
カムシャフト角度0°を中心に、これよりも前(カムシ
ャフト角度が負)ではカムローブ12の位相が進み、こ
れよりも後(カムシャフト角度が正)ではカムローブ1
2の位相が遅れるので、バルブのリフト状態は図7の曲
線L1に示すような特性になる。
【0075】そして、コントロールディスク14の回転
位相が45°に調整されると、カムローブ位相差の特性
が変化し、カムシャフト角度が45°で最も位相の遅れ
た状態になり、コントロールディスク14の回転位相が
0°の場合に比べて、カムシャフト角度が0°よりも前
(カムシャフト角度が負)でのカムローブ12の位相進
みは減少し、これよりも後(カムシャフト角度が正)で
のカムローブ12の位相遅れも減少する。したがって、
バルブのリフト状態は図7の曲線L2に示すような特性
になる。
【0076】さらに、コントロールディスク14の回転
位相が90°に調整されると、カムローブ位相差の特性
がさらに変化し、カムシャフト角度が0°で最も位相の
遅れた状態になり、コントロールディスク14の回転位
相が45°の場合に比べて、カムシャフト角度が0°よ
りも前(カムシャフト角度が負)でのカムローブ12の
位相進みは減少し、これよりも後(カムシャフト角度が
正)でのカムローブ12の位相遅れも減少する。したが
って、バルブのリフト状態は図7の曲線L3に示すよう
な特性になる。
【0077】同様に、コントロールディスク14の回転
位相が135°や180°に調整された場合には、バル
ブのリフト状態は図7の曲線L4やL5に示すような特
性になる。また、バルブリフト特性L1〜L5に対応す
るバルブの加速度特性は、それぞれ図7中に示す曲線A
1〜A5のようになる。
【0078】特に、本可変動弁機構では、ECU34
に、エンジン回転数センサ(図示略)からの検出情報
(エンジン回転数情報)やエアフローセンサ(図示略)
からの検出情報(AFS情報)等が入力されるようにな
っており、偏心位置調整機構30におけるモータ33の
制御は、これらの情報に基づいて、エンジンの回転速度
や負荷状態に応じて行なうようになっている。
【0079】すなわち、エンジンの高速時や高負荷時に
は、例えば図7の曲線L4やL5のようなバルブリフト
特性になるようにコントロールディスク14の回転位相
を調整して、バルブの開放時間を長時間にするように制
御する。また、エンジンの低速時や低負荷時には、例え
ば図7の曲線L1やL2のようなバルブリフト特性にな
るようにコントロールディスク14の回転位相を調整し
て、バルブの開放時間を短時間にするように制御する。
【0080】本発明の第1実施形態としての内燃機関の
可変動弁機構は、上述のように構成されているので、偏
心位置調整機構30を通じて、コントロールディスク1
4の回転位相を調整しながら、バルブの開度特性が制御
される。つまり、ECU34では、エンジン回転数情報
やAFS情報等に基づいて、エンジンの回転速度や負荷
状態に応じたコントロールディスク14の回転位相を設
定して、ポジションセンサ35の検出信号に基づいて、
コントロールディスク14の実際の回転位相が設定され
た状態になるように、モータ33の作動制御を通じてコ
ントロールディスク14を駆動する。
【0081】例えば、コントロールディスク14の回転
位相が図5(A)〜(D)に示す状態(即ち、0 °)で
あれば、カムシャフト11が一回転する際に、カム6を
そなえたカムローブ12は、カムシャフト角度が0°〜
90°の間では、図5(A),(B)及び図6に示すよ
うに、カムシャフト11に対して位相遅れを生じるよう
になる。
【0082】そして、カムシャフト角度が90°〜18
0°の間では、図5(B),(C)及び図6に示すよう
に、カムシャフト11に対して位相遅れが次第に回復
し、カムシャフト角度が180°〜270°の間でも、
図5(C),(D)及び図6に示すように、カムシャフ
ト11に対して位相が次第に進みを生じるようになる。
また、カムシャフト角度が270°〜360°の間で
は、図5(D),(A)及び図6に示すように、カムシ
ャフト11に対して位相進みが次第に回復する。
【0083】これにより、バルブのリフト特性は、図7
の曲線L1に示すように、開放タイミングは遅く且つ閉
鎖タイミングは速い、バルブ開放時間の短いものにな
る。そして、コントロールディスク14の回転位相を例
えば0°から次第に進めていくことで、図7の曲線L
2,L3,L4,L5のように、バルブの開放タイミン
グは次第に速まり又閉鎖タイミングは次第に遅くなっ
て、バルブ開放時間が次第に長くなる。
【0084】本可変動弁機構では、ECU34によるモ
ータ33の作動制御を通じて、例えば図7に示す曲線L
3を中心に、エンジンの回転速度やエンジンの負荷が高
くなるほど、図7の曲線L4やL5のようにバルブ開放
時間を長くしていき、逆に、エンジンの回転速度やエン
ジンの負荷が低くなるほど、図7の曲線L2やL1のよ
うにバルブ開放時間を短くしていく。
【0085】このようにして、エンジンの運転状態に応
じてコントロールディスク14の回転位相(位置)を制
御しながら、エンジンの運転状態に適したバルブ駆動を
行なえるようになる。特に、バルブのリフト特性は、連
続的に調整することができるので、常にエンジンの運転
状態に最適の特性でバルブ駆動を行なえるようになるの
である。
【0086】また、本可変動弁機構では、不等速継手1
3における偏心状態を調整する部材、即ち、偏心部15
が、不等速継手13の内側に設けられているので、不等
速継手全体の外径を縮小できて、システム全体を小型化
しうる利点がある。つまり、不等速継手13におけるト
ルク伝達部材、即ち、ドライブピン23,24を回転中
心に近づけるのには限度があり、偏心状態を調整する部
材(偏心部)15を不等速継手13の外側に設けるとこ
の分だけどどうしても不等速継手13の外径が拡大して
しまう。これに対して、本機構では、偏心部15がドラ
イブピン23,24よりも内側に設けられているので、
不等速継手全体の外径を縮小でき、システム全体を小型
化しうるのである。
【0087】また、本機構では、カムシャフト11の外
側にカムローブ12をそなえた2重軸構造であり、これ
らのカムシャフト11とカムローブ12とが軸方向へ長
くそして大きな面積に亘って摺接している構造ではある
が、カムシャフト11とカムローブ12との相対回転
は、図6に示すように、カムローブ12のカムシャフト
11に対する位相変化分だけであって、カムシャフト1
1やカムローブ12の回転速度に比べて極めて僅かなも
のである。
【0088】したがって、これらのカムシャフト11と
カムローブ12との摺接部の磨耗は極めて僅かなものに
なる。また、偏心部15の偏心位置の調整は、電動モー
タ33から、モータ側ギヤ33A,第3ギヤ32C,ギ
ヤ軸32A,第2ギヤ32Bを通じて、第1ギヤ31か
らコントロールディスク14の偏心部15へと伝達さ
れ、第3ギヤ32Cと第2ギヤ32Bとの間の距離やギ
ヤ軸32Aの剛性の設定等に比較的自由度があるので、
偏心位置の調整に際して、シャフト類の捩れ等の影響を
防止し易く、バルブ駆動を適切なタイミングで行なえる
ようになる。
【0089】また、本可変動弁機構では、不等速継手1
3を各気筒毎に設置することができるので、エンジンの
形状や形式に限定されることなく、4気筒エンジン等の
各種の直列多気筒エンジンをはじめとして、あらゆるタ
イプのエンジンに対して、本機構を適用することができ
る。なお、本実施形態では、第1スライダ部材17につ
いて、ドライブピン23をカムシャフト11側に設けス
ライダ本体21を係合ディスク16側に設けているが、
これとは逆に、ドライブピン23を係合ディスク16側
に設けスライダ本体21をカムシャフト11側に設ける
ようにしてもよい。第2スライダ部材18についても、
ドライブピン24を係合ディスク16側に設けスライダ
本体22をカムローブ12側に設けるようにしてもよ
い。
【0090】次に、第2実施形態について説明すると、
この実施形態の可変動弁機構は、第1実施形態のもの
と、不等速継手13の一部の構成、即ち、第1スライダ
部材17及びこの第1スライダ部材17とカムシャフト
11との接続部分が異なっている。つまり、図9〜図1
2に示すように、第1スライダ部材17は、カムシャフ
ト11に突設された第1接続部としての突設ピン部材2
6と、この突設ピン部材26に対して摺動しうるように
係合ディスク16に装備されたコマ部材27とをそなえ
て構成される。
【0091】突設ピン部材26は、第1実施形態のドラ
イブアーム19に対応するものであり、カムシャフト1
1にラジアル方向へ向けて突設されている。コマ部材2
7には、円柱状の突設ピン部材26を滑らかに摺動させ
うる円形断面を有する円形穴部27Aが形成されてお
り、コマ部材27は、この突設ピン部材26の外周面に
円形穴部27Aの内周面を摺動させながら、突設ピン部
材26に沿ってラジアル方向へスライドできるようにな
っている。
【0092】また、コマ部材27は、図13に示すよう
に、外周に円筒外周面27Bをそなえている。また、係
合ディスク16には、図12に示すように、この円筒外
周面27Bと対応するように円筒内周面16Cを有する
穴部16Dが形成され、この穴部16D内にコマ部材2
7が装着されている。円筒外周面27B,円筒内周面1
6Cは、カムシャフト11やカムローブ12の回転軸心
2 と平行な軸心線O 2 を有しており、カムシャフト1
1とカムローブ12との相対回転時(カムシャフト11
と係合ディスク16との相対回転時)には、円筒外周面
27Bと円筒内周面16Cとが摺動しながら、コマ部材
27が係合ディスク16内でこの軸心線O3 回りに自転
しうるようになっている。
【0093】また、カムシャフト11とカムローブ12
との相対回転時(カムシャフト11と係合ディスク16
との相対回転時)には、係合ディスク16の偏心に基づ
いて、コマ部材27はカムシャフト11側の突設ピン部
材26に対してラジアル方向へ摺動するようになってい
る。一方、第2スライダ部材18は、第1実施形態とは
逆に構成されている。つまり、カムローブ12側のアー
ム部20において、第1スライダ部材17のコマ部材2
7と位相をずらせるようにして(ここでは180°位相
がずらされている)、スライダ用溝20Bが形成されて
いる。
【0094】また、係合ディスク16側の対応箇所には
穴部16Eが形成されている。そして、第2スライダ部
材18は、スライダ用溝20B内を半径方向(ラジアル
方向)に摺動自在のスライダ本体22と、係合ディスク
16側の穴部16Eに一端部を内装され他端部をスライ
ダ本体22の穴部22Aに内装されたピン部材としての
ドライブピン24とをそなえて構成されている。
【0095】したがって、係合ディスク16が回転する
と、ドライブピン24及びスライダ本体22が係合ディ
スク16と一体に回転して、この回転力がスライダ本体
22からスライダ用溝20Bを通じてアーム部20から
カムローブ12側へ伝わるようになっている。また、カ
ムシャフト11とカムローブ12との相対回転時(係合
ディスク16とカムローブ12との相対回転時)には、
スライダ本体22がスライダ用溝20B内で半径方向へ
摺動しながら回転力を伝達する。
【0096】また、第2実施形態では、図9,図10に
示すように、バルブ2のステム端部2Aに、ロッカアー
ム8が装備され、カム6はこのロッカアーム8を揺動さ
せながら、バルブ2を駆動するようになっている。な
お、3Aはバルブスプリング3を保持するスプリングリ
テーナである。また、電動モータ33は、カムシャフト
11と平行に設置されたギヤ軸32Aに直結されてお
り、電動モータ33が回動すると、ギヤ機構32、即ち
ギヤ軸32A側の第2ギヤ(コントロールギヤ)32B
及びコントロールディスク14側の第1ギヤ(被駆動
部)31を通じて、コントロールディスク14の位相調
整が行なわれるようになっている。また、モータ33に
はポジションセンサ35が付設されコントロールディス
ク14の回転位相を検出しうるようになっている。
【0097】さらに、40はカムシャフト11に結合さ
れた入力部としてのプーリ(又はカムスプロケット),
41はプーリベルトであり、クランクシャフトの回動が
プーリベルト41からプーリ40を通じてカムシャフト
11に伝達されるようになっている。この他の構成は、
第1実施形態とほぼ同様であるので説明を省略するが、
本実施形態でも、カムローブ12のカムシャフト11に
対する位相差特性は、例えば図6に示すようなものにで
き、また、バルブリフト特性は、例えば図7に示すよう
に調整することができるようになっている。
【0098】本発明の第2実施形態の内燃機関の可変動
弁機構は、上述のように構成されるので、例えば図13
に示すように、カムローブ12がカムシャフト11に対
して相対回転を行ないながら、カム6の駆動が行なわれ
る。なお、図13は第1実施形態の図5と対応する。つ
まり、図13(A)に示すように、カムシャフト角度が
0°、即ち、回転中心O1 と回転中心O2 とを結んだ直
線(実際上は平面)BL上の上方にドライブピン23の
軸心線が位置し、直線(平面)BL上の下方にドライブ
ピン24の軸心線が位置する基準状態から、カムシャフ
ト11が、矢印で示すように時計回りに回転してカムシ
ャフト角度が90°になると、係合ディスク16やカム
ローブ12は、図13(B)に示すように変位する。
【0099】すなわち、第5図(B)の場合と同様に、
係合ディスク16の偏心により、係合ディスク16の回
転量θ1 は、カムシャフト11の回転量(=90°)よ
りも小さくなり、カムローブ12の回転量θ3 は、この
係合ディスク16の回転量θ 1 よりもさら小さくなる。
したがって、カムシャフトが角度0°から90°まで9
0°だけ回転する間には、カムローブ12はカムシャフ
ト11よりも低速回転する。
【0100】次に、カムシャフト11が角度90°から
180°まで90°だけ回転すると、ドライブピン23
は、図13(C)に示すような位置になり、図5(C)
の場合と同様に、カムシャフト11が90°だけ回転す
るのに対して、カムローブ12は次式で示される回転量
θ5 だけ回転することになり、この間は、カムローブ1
2はカムシャフト11よりも高速回転する。
【0101】そして、さらに、カムシャフト11が角度
180°から270°まで90°だけ回転すると、ドラ
イブピン23は、図13(D)に示すような位置にな
り、図5(D)の場合と同様に、係合ディスク16はカ
ムシャフト11の回転量(=90°)よりも角度θ2
だけ多い回転量θ6 となり、さらに、カムローブ12の
回転量θ7 はこの係合ディスク16の回転量θ6 よりも
さらに大きくなる。したがって、カムシャフト11が角
度180°から270°まで90°だけ回転する間に
は、カムローブ12はカムシャフト11よりも高速回転
する。
【0102】そして、さらに、カムシャフト11が角度
270°から360°(=0°)まで、90°だけ回転
すると、ドライブピン23は、再び図13(A)に示す
ような位置になり、図5(A)に示す場合と同様に、カ
ムシャフト11が90°だけ回転するのに対して、カム
ローブ12は回転量θ8 (=90°−θ4 )だけ回転す
ることになり、この間は、カムローブ12はカムシャフ
ト11よりも低速回転する。
【0103】このようにして、カムローブ12はカムシ
ャフト11に対して先行したり遅延したりしてカムシャ
フト11の回転速度とは不等速で回転しうるので、偏心
位置調整機構30を通じてコントロールディスク(制御
部材)14を回転させ係合ディスク16の偏心位置(偏
心中心の位相)を適宜調整しながら、カムシャフト11
を回動させることで、第1実施形態と同様な作用および
効果を得ることができる上、以下のような効果もある。
【0104】つまり、第1実施形態のように、係合ディ
スク16のスライダ用溝16A,16B内をスライダ本
体21,22がラジアル方向へスライドする構造では、
スライダ用溝16A,16Bの各両内壁面28A,28
B,28C,28Dを加工性を考慮して平面で構成する
のが一般的であり、スライダ本体21,22の各両外側
面21B,21C,22B,22Cについても、加工性
やトルク伝達性を考慮して内壁面28A,28B,28
C,28Dと面当たりするような平面で構成するのが一
般的である。
【0105】ところが、溝16A,16Bやスライダ本
体21,22の精密な加工が困難であるため、溝16
A,16Bの幅(即ち、内壁面28Aと28Bとの間、
又は、内壁面28Cと28Dとの間の距離)を、スライ
ダ本体21,22の幅(即ち、外側面21Aと21Bと
の間、又は、外側面22Aと22Bとの間の距離)より
もやや大きくなるようにクリアランスを設けるようにし
て、加工精度の不足を補っている。
【0106】しかしながら、このように、溝16A,1
6Bとスライダ本体21,22との間にクリアランスを
設けると、カム6を駆動する際に、正負のトルク変動に
よってクリアランス方向が変わるため、打音が発生する
不具合が生じやすい。これに対して、本実施形態では、
打音の発生がより課題となりやすいカムシャフト11側
(入力側)の第1スライダ部材17において、カムシャ
フト11から突設した突設ピン部材26に対して、係合
ディスク16側のコマ部材27をラジアル方向へ摺動さ
せながらスライドさせる構造になっている。即ち、円柱
状の軸(突設ピン部材26)を軸穴(円形断面の円形穴
部27A)内に挿入させて、軸方向へ相対動させるよう
になっている。
【0107】このように、円柱状の軸(突設ピン部材2
6)や軸穴(円形断面の穴)の加工は容易であるため、
これらの寸法管理も容易となり、これらの部材26,2
7Aとの間で打音が発生しない程度に、両部材(即ち、
突設ピン部材26と円形穴部27A)のクリアランスを
縮小させることができる。したがって、打音が発生する
不具合を回避することができるのである。
【0108】また、コマ部材27はスライダ本体に相当
するが、コマ部材27は係合ディスク16に対してラジ
アル方向へのスライドは行なわないで回転(自転)のみ
を行なう。そして、この回転に伴うコマ部材27と係合
ディスク16との間の摺接は、コマ部材27に形成され
た円筒外周面27Bと係合ディスク16に形成された円
筒内周面16Cとの間で行なわれるので、極めて滑らか
な相対回転が実現し、また、円筒外周面27Bや円筒内
周面16Cは加工も比較的容易であり、この間での寸法
管理も容易となり、これらの部材16,27との間での
打音の発生も勿論防止することができる。
【0109】さらに、この第2実施形態では、第1実施
形態のドライブアーム19とロックピン25とを兼用す
るように突設ピン部材26が設けられ、スライダ本体2
1とドライブピン23とを兼用するようにコマ部材27
が設けられるので、部品点数を削減しうる利点もある。
また、突設ピン部材26をカムシャフト11側に設けコ
マ部材27を係合ディスク16側に設けているが、これ
とは逆に、突設ピン部材26を係合ディスク16側に設
けコマ部材27をカムシャフト11側に設けることも考
えられる。
【0110】さらに、この第2実施形態では、第1スラ
イダ部材17のみを、突設ピン部材26とコマ部材27
とから構成しているが、第2スライダ部材18について
も同様に構成してもよい。この場合も、突設ピン部材2
6をカムローブ12側に設けコマ部材27を係合ディス
ク16側に設ける構成の他、突設ピン部材26を係合デ
ィスク16側に設けコマ部材27をカムローブ12側に
設ける構成も考えられる。
【0111】また、第1実施形態と第2実施形態とで、
バルブステムとカムとの間のバルブ駆動形態が異なって
いるが、本内燃機関の可変動弁機構は、このようなバル
ブ駆動形態については何ら限定するものでも又限定され
るものもなく、各種のバルブ駆動形態に適用しうるもの
である。次に、本発明の第3実施形態としての内燃機関
の可変動弁機構について説明すると、図14,図15は
いずれもそのカムシャフト軸に沿った模式的な断面図、
図16はその潤滑油供給系を示すカムシャフトの模式的
な断面図、図17はその潤滑油供給系を示すコントロー
ルディスクの模式的な断面図、図18はその潤滑油供給
系を示すカムローブの模式的な断面図、図19はその断
面図であって図15におけるD−D断面図、図20はそ
の要部構成を示す模式的な上面図、図21は図20にお
けるE矢視図である。
【0112】この第3実施形態は、図14に示すよう
に、各構成部分は第2実施形態と略同様に構成される
が、第2実施形態とは、主にカムローブ12と不等速継
手13との配設位置が異なって構成されている。即ち、
図14に示すように、カムシャフト11の一端にはカム
スプロケット(図10参照)40が取り付けられるよう
になっており、このため、カムシャフト11の一端に
は、カムスプロケットの取り付け時に位置決めに用いら
れるれるダウエルピン51が突設されている。
【0113】そして、このカムシャフト11にカムスプ
ロケット40が取り付けられると、カムスプロケット4
0及びタイミングベルト(図10参照)41を介してエ
ンジンのクランク軸に連動した回転駆動力がカムシャフ
ト11に入力されるようになっている。また、このカム
シャフト11上には、上述の第2実施形態と同様に、バ
ルブを開閉駆動するカム6をそなえたカムローブ12
と、カムシャフト11の回転速度に対してカムローブ1
2の回転速度を変速して不等速で回転させる変速機構部
としての不等速継手13とが設けられている。
【0114】この不等速継手(変速機構部)13は、主
に偏心部15,係合ディスク(ハーモニックリング)1
6,突設ピン部材26,アーム部20,第1スライダ部
材17及び第2スライダ部材18とから構成されてお
り、やはり第2実施形態のものと略同様に構成されてい
る。ところで、上述した第2実施形態の可変動弁機構で
は、図10に示すように、カムシャフト11のカムスプ
ロケット40が設けられた端部側から順に、カムローブ
12,不等速継手13が配設されている。すなわち、一
般的にこのような動弁機構を用いる場合は、図15に示
すように、カムスプロケット40側端部から順に、カム
ローブ12,不等速継手13を配設することが考えられ
る。
【0115】これに対して、本第3実施形態では、図1
4に示すように、カムシャフト11のカムスプロケット
40側の端部から順に、不等速継手13,カムローブ1
2が配設されている。ここで、上述のようにカムシャフ
ト11の回転駆動力の入力端側から不等速継手13,カ
ムローブ12の順に配設するのは、主にカムシャフト1
1の捩じり剛性を向上させるためである。
【0116】すなわち、このような可変動弁機構では、
カムスプロケット40から回転駆動力が入力されると、
カムシャフト11,突設ピン部材26,係合ディスク1
6,スライダ18,カムローブ12の順に駆動力が伝達
されることになる。したがって、上述の第2実施形態の
ように、カムシャフト11の回転駆動力の入力端側から
カムローブ12,不等速継手13の順に配設すると、図
15に示すように、カムシャフト11の回転駆動力の入
力端から不等速継手13の入力部としての突設ピン部材
26までの距離L2 が大きくなっしまい、捩じりモーメ
ントの影響を受けやすくなる。
【0117】そして、カムスプロケット40側端部から
突設ピン部材26までの距離L2 が大きくなるほど捩じ
りモーメントが大きくなるのである。さらには、このよ
うな捩じりモーメントが生じるとカムシャフト11に捩
じり角が発生することも考えられ、動弁系に悪影響を与
え、場合によっては目標とする弁特性が得られないよう
なことが考えられるのである。
【0118】そこで、このような捩じりモーメントの発
生を解消すべく、この第3実施形態では、図14に示す
ように、不等速継手13をカムシャフト11の入力端部
側に設けているのである。これにより、カムシャフト1
1の駆動力入力端から突設ピン部材26までの距離L1
をL2 よりも短くすることができ、図15に示すような
構成のものに比べてカムシャフト11の捩じり剛性が向
上して動弁系全体の剛性を向上させ確実に目標とする弁
特性を得ることができるのである。
【0119】そのため、このような構成では、高回転域
でほぼ設計値通りの性能(バルブリフトカーブやバルブ
開閉タイミング等の特性)を得ることができ、エンジン
の出力を向上させることができる。ところで、本実施形
態の可変動弁機構は、例えばシリンダ中心が直線上に配
列された直列エンジンに適用され、本実施形態ではこの
ような直列エンジンのうち直列4気筒エンジンの吸排気
側にそれぞれ設けた場合について説明する。
【0120】この可変動弁機構には、第1,第2実施形
態で説明したような偏心位置調整機構30が設けられて
いる。偏心位置調整機構30は、例えば吸気弁側の可変
動弁機構にのみ設けられており、排気弁側の可変動弁機
構のコントロールディスク14の偏心位置は、吸気弁側
の可変動弁機構のコントロールディスク14の偏心位置
調整量に応じて変更されるようになっている。
【0121】ここで、図20に示すように、排気弁側の
コントロールディスク14は、ギアトレイン52を介し
て、吸気弁側のコントロールディスク14に接続されて
おり、吸気弁側のコントロールディスク14の回転位相
が変更されると、この変更量がギアトレイン52を介し
て排気弁側のコントロールディスク14に伝達されるよ
うになっている。
【0122】そして、このように偏心位置調整機構30
を吸気弁側と排気弁側とで共用化することにより、装置
全体を小型化することができるとともに、コストを低減
することができるのである。さて、ここで、吸気弁用可
変動弁機構及び排気弁用可変動弁機構は、図21に示す
ように、不等速継手13及びカムローブ12の配設順序
が、各シリンダ毎に同一の構成となるようになってい
る。
【0123】すなわち、吸気弁用可変動弁機構及び排気
弁用可変動弁機構のいずれにおいても、各シリンダで、
それぞれ不等速継手13がカムローブ12よりもカムシ
ャフト11の入力端部側になるように配設されているの
である。そして、このように可変動弁機構を構成するこ
とで、吸気弁側と排気弁側とで、多くの部分で同一の構
成部品とすることができるとともに、部品点数の増加を
抑制することができ、組立性も大幅に向上するのであ
る。
【0124】ところで、このような可変動弁機構では、
カムシャフト11とコントロールディスク14との間及
びコントロールディスク14と係合ディスク16との間
は、エンジン運転時には高速で相対回転することにな
る。そこで、本実施形態では、このような部位に潤滑油
を供給して相対回転部分の潤滑や冷却を行なうようにな
っている。すなわち、図14に示すように、エンジンの
シリンダヘッド1には、カムシャフト11及びカムロー
ブ12を軸支するジャーナル(軸支部)57が形成され
ており、このジャーナル57には油穴(第4の油穴,第
6の油穴)58,63が形成されている。
【0125】また、カムシャフト11の内側には、軸心
方向に沿って潤滑油供給経路53が形成されるととも
に、カムシャフト11のジャーナル57に摺接する部位
には、環状の凹溝(第2の凹溝)59が形成されてい
る。そして、この凹溝59と潤滑油供給路53とは、図
16に示す第3の油穴60により接続されている。した
がって、図示しないシリンダブロックから供給される潤
滑油は、ジャーナル57の油穴58から第2の凹溝5
9,第3の油穴60を介して潤滑油供給経路53に供給
され、さらに、この潤滑油供給経路53から各摺接部位
に供給されるようになっている。
【0126】一方、図14,図16に示すように、カム
シャフト11の外周部であって、コントロールディスク
14の偏心部15と摺接する部位には、環状の凹溝(第
1の凹溝)54が形成されており、この凹溝54と上記
潤滑油供給路53とは油穴(第1の油穴)55を介して
連通している。また、図14,図17に示すように、偏
心部15の凹溝54に対応する位置には、ラジアル方向
に複数(例えば5つ)の第2の油穴56が形成されてい
る。
【0127】そして、このような構成により、潤滑油は
潤滑油供給経路53から第1,第2の油穴55,56を
介して供給されることになり、カムシャフト11の外周
面とコントロールディスク14の内周面との間や、コン
トロールディスク14の外周面と係合ディスク16の内
周面との間に潤滑油が供給されて潤滑が行なわれるよう
になっているのである。
【0128】なお、偏心部15の外周面と係合ディスク
16の内周面との間には凹溝が形成されていないが、こ
れは偏心部15と係合ディスク16との間の面圧が低下
するのを防止するためである。また、これ加えて、図1
9に示すように、コマ部材27の内面と偏心部15の外
周面との間は完全には仕切られておらず、凹溝を形成す
るとコマ部材27側から潤滑油が漏れていくことが考え
られ、これを防止するためにも偏心部15と係合ディス
ク16との間には凹溝を設けていないのである。
【0129】一方、図14,図18に示すように、カム
ローブ12の外周部には、ジャーナル57に対応する位
置に環状の凹溝(第3の凹溝)62が形成されており、
カムローブ12の凹溝62には、ラジアル方向に油穴
(第5の油穴)61が形成されている。これにより、ジ
ャーナル57から凹溝62に供給された潤滑油は、カム
シャフト11とカムローブ12との間の摺接部に供給さ
れるのである。
【0130】本発明の第3実施形態としての内燃機関の
可変動弁機構は、上述のように構成されているので、エ
ンジンの運転時には、カムスプロケット40からカムシ
ャフト11に回転駆動力が入力され、突設ピン部材2
6,係合ディスク16,スライダ18,カムローブ12
の順に駆動力が伝達される。このとき、カムシャフト1
1のカムスプロケット40側の端部から順に、不等速継
手13,カムローブ12が配設されているので、回転駆
動力の入力部から不等速継手13の入力部としての突設
ピン部材26までの距離L1 を極力短くすることができ
る。
【0131】つまり、図15に示すような配置の可変動
弁機構(すなわち、カムシャフト11のカムスプロケッ
ト40側の端部から順に、カムローブ12,不等速継手
13を配設した可変動弁機構)における回転駆動力の入
力部から突設ピン部材26までの距離L2 に対して、本
実施形態では、確実に距離L1 を距離L2 よりも短くす
ることができるのである。
【0132】したがって、カムスプロケット40から入
力される捩じりモーメントを小さくすることができ、カ
ムシャフト11や動弁系全体の捩じり剛性を向上させる
ことができる。また、特に、高回転域でほぼ設計値通り
の性能(バルブリフトカーブやバルブ開閉タイミング等
の特性)を得ることができ、エンジンの出力を向上させ
ることができるという利点を有しているのである。
【0133】また、図20に示すように、吸気弁側と排
気弁側との両方に本発明の可変動弁機構を設け、さら
に、それぞれの可変動弁機構において不等速継手13及
びカムローブ12の配設順序を、各シリンダとも同一と
することで、吸気弁側と排気弁側とで部品を共用化する
ことができるようになる。特に、各シリンダの吸気弁側
及び排気弁側の両方の可変動弁機構とも、カムシャフト
11のカムスプロケット40側の端部から、不等速継手
13,カムローブ12の順に配設することで、上述のよ
うに動弁系の捩じり剛性を高めながら多くの部分を共用
化することができるようになり、部品点数の増加も抑制
することができるのである。そして、これにより組立性
も大幅に向上し、コストを低減することができるという
利点がある。
【0134】また、偏心位置調整機構30を吸気弁側と
排気弁側との間に配設して、各可変動弁系のコントロー
ルディスク14をギアトレインで接続することにより、
偏心位置調整機構30を吸気弁側と排気弁側とで共用化
することができる。そして、これによりシリンダヘッド
1全体を小型化することができ、コストや重量の低減を
図ることができる。
【0135】一方、カムシャフト11に形成された潤滑
油供給経路53には、ジャナール57に形成された油穴
58やカムシャフト11に形成された凹溝59及び油穴
60を介して潤滑油が供給される。また、カムシャフト
11及びコントロールディスク14にそれぞれラジアル
方向に複数の油穴55,56を設けることで、上述の潤
滑油供給経路53や油穴55,56を介して、カムシャ
フト11の外周面とコントロールディスク14の内周面
との間の摺接面や、コントロールディスク14の外周面
と係合ディスク16の内周面との間の摺接面に確実に潤
滑油が供給されることになる。
【0136】したがって、相対回転する2部材間(カム
シャフト11とコントロールディスク14との間及びコ
ントロールディスク14と係合ディスク16との間)の
摩擦抵抗や摩擦抵抗による発熱を十分に抑制することが
でき、本可変動弁機構の信頼性を高めることができるの
である。また、カムシャフト11の外周面とカムローブ
12の内周面との間には、ジャーナル57に形成された
油穴63から凹溝62及び油穴61を介して潤滑油が供
給され、これらの2部材間の摩擦が低減される。なお、
カムシャフト11とカムローブ12との間では、不等速
継手13による回転位相の変位だけ相対回転するので、
実際の相対回転差はあまり大きなものではないが、この
ようなカムシャフト11とカムローブ12との間にも、
確実に潤滑を行なうことにより、この動弁系の作動の信
頼性をさらに高めているのである。
【0137】なお、上述の第3実施形態では、本発明の
動弁機構を直列4気筒エンジンに適用した場合について
説明しているが、本発明の動弁機構が適用されるエンジ
ンは、このような4気筒エンジンに限定されるものでは
なく、複数のシリンダが直線上に配設されたエンジンに
広く適用することができる。
【0138】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の内燃機関の可変動弁機構によれば、エンジンのク
ランク軸に連動して回転駆動される第1回転部材と、第
1回転部材の外周に第1回転部材と同心上に該第1回転
部材と相対回転可能に設けられた第2回転部材と、該第
2回転部材に設けられて弁を駆動するカムと、該第1回
転部材の外周に回動可能に支持され該第1回転部材の回
転中心から偏心した位置に中心を有する環状の偏心部
と、該偏心部の外周に該偏心部の中心回りに回動可能に
支持された係合部材と、該第1回転部材に設けられた第
1接続部と、該第2回転部材に設けられた第2接続部
と、該係合部材と該第1接続部とのうちの一方にラジア
ル方向へ摺動自在に装着されて該第1接続部から該係合
部材へ回転を伝達する第1スライダ部材と、該係合部材
と該第2接続部とのうちの一方にラジアル方向へ摺動自
在に装着されて該係合部材から該第2接続部へ回転を伝
達する第2スライダ部材と、該偏心部を機関の運転状態
に応じた位置に回転させて該偏心部の偏心状態を調整す
るための偏心位置調整機構とをそなえるという構成によ
り、係合部材の偏心位置を調整しながら、第2回転部材
の第1回転部材に対する位相差状態を調整しながら、弁
の駆動タイミングを制御することができる。
【0139】また、特に、偏心部の近傍の外周を縮小で
きて、システム全体を小型化しうる利点がある。さら
に、第1回転部材の外周に第2回転部材が設けられてこ
れらの第1回転部材と第2回転部材とが相対回転する
が、この相対回転は、係合部材の偏心により生じる第2
回転部材の第1回転部材に対する位相変化分だけであ
り、これらの第1,第2回転部材の回転速度に比べて極
めて僅かなものなので、第1回転部材と第2回転部材と
の摺接部の磨耗は極めて僅かなものに抑制することがで
きる。
【0140】また、偏心位置の調整は、該第1回転部材
の外周に回動可能に支持された偏心部を通じて行なうこ
とができるので、該第1回転部材の長手方向に多数の気
筒を有する内燃機関であっても、各気筒毎に該偏心部を
装備することができるようになる。したがって、各種の
直列多気筒エンジンをはじめとして、あらゆるタイプの
エンジンに対して、本機構を適用することができる利点
がある。
【0141】請求項2記載の本発明の内燃機関の可変動
弁機構によれば、請求項1記載の構成において、該偏心
部に該係合部材よりも外部に張り出した被駆動部を有す
る制御部材が設けられて、該偏心位置調整機構に該被駆
動部を駆動する駆動手段が設けられるという構成によ
り、偏心位置の調整は、該第1回転部材の外周に回動可
能に支持された制御部材の被駆動部を回動させること
で、該第1回転部材の外周から行なうことができるの
で、該第1回転部材の長手方向に多数の気筒を有する内
燃機関であっても、各気筒毎に該制御部材を装備するこ
とができ、各種の直列多気筒エンジンをはじめとして、
あらゆるタイプのエンジンに対して、本機構を適用する
ことができる利点がある。
【0142】請求項3記載の本発明の内燃機関の可変動
弁機構によれば、請求項2記載の構成において、該偏心
位置調整機構に、該機関の運転状態に応じて該駆動手段
の作動を制御する制御手段が設けられという構成によ
り、機関の運転状態に適した状態に偏心位置の調整を行
なうことで、弁の駆動タイミングを機関の運転状態に適
したものにすることができ、機関の性能向上に寄与しう
る。
【0143】請求項4記載の本発明の内燃機関の可変動
弁機構によれば、請求項1〜3のいすれかに記載の構成
において、該第1回転部材に、該クランク軸からの回転
駆動力が入力される入力部が設けられるとともに、該偏
心部,該係合部材,該第1接続部,該第2接続部,該第
1スライダ部材及び該第2スライダ部材により変速機構
部が構成され、該エンジンが、直列に配置された複数の
シリンダを有する多気筒エンジンであって、各シリンダ
毎に該変速機構部及び該第2回転部材が直列にそなえら
れ、各シリンダにおける該変速機構部が、該第2回転部
材よりも該入力部の近くに配設されるという構成によ
り、やはり第1回転部材の捩じり剛性を高めることがで
きる。また、各シリンダの可変動弁機構を同一の構成と
することができ、多くの構成部品を各シリンダ毎に共用
化することができる。したがってコストを低減すること
ができ、組み立て性も向上するという利点がある。
【0144】また、各シリンダ毎に該変速機構部及び該
第2回転部材を有する吸気弁用可変動弁機構と排気弁用
可変動弁機構とをそなえた場合、該変速機構部が、該第
2回転部材よりも該入力部の近くに配設されることよ
り、吸気弁用可変動弁機構及び排気弁用可変動弁機構の
両方の第1回転部材の捩じり剛性を高めることができる
とともに、吸気弁及び排気弁側で、略同一の動弁系とす
ることができる。これにより、吸気弁と排気弁側との間
で多くの部品を共用化でき、コストを低減することがで
きるという利点がある。また、このような構成において
も組み立て性も向上するという利点がある。
【0145】請求項5記載の本発明の内燃機関の可変動
弁機構によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の構成
において、該第1回転部材の内部に該第1回転部材の軸
心方向に沿って形成された潤滑油供給路と、該第1回転
部材の外周部であって該偏心部と摺接する部位に環状に
形成された第1の凹溝と、該潤滑油供給路と該第1の凹
溝とを連絡する第1の油穴と、該偏心部に形成され該第
1の凹溝に対応する位置に形成された第2の油穴とをそ
なえ、該第1,第2の油穴を介して供給される潤滑油に
より、該第1回転部材と該偏心部との間の潤滑及び該偏
心部と該係合部材との間の潤滑が行なわれるように構成
されることにより、該第1回転部材と該偏心部との間及
び該偏心部と該係合部材との間の摩擦抵抗や摩擦熱を十
分に低減することができ、本機構の作動の信頼性を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構を示す内燃機関の模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構を示す断面図であり、図1のA−A矢視断面図
である。
【図3】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構を示す断面図であり、図1のB−B矢視断面図
である。
【図4】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構における偏心位置調整機構(制御手段)を主体
として模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構における不等速機構の作動について示す断面図
である。
【図6】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構の不等速機構について説明する特性図である。
【図7】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構による偏心位置調整に応じたバルブリフト特性
を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構の不等速機構について説明するための模式図で
ある。
【図9】本発明の第2実施形態としての内燃機関の可変
動弁機構を示す内燃機関の模式的な断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構を示す断面図であり、図9のC−C矢視断面
図である。
【図12】本発明の第2実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構における要部(突設ピン部材及びコマ部材)
を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構における不等速機構の作動について示す断面
図である。
【図14】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構の構成を示すための模式的な断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構と比較するための可変動弁機構の模式的な断
面図である。
【図16】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構における潤滑油供給系を示すカムシャフトの
模式的な断面図である。
【図17】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構における潤滑油供給系を示すコントロールデ
ィスクの模式的な断面図である。
【図18】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構における潤滑油供給系を示すカムローブの模
式的な断面図である。
【図19】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構の断面図であって図15におけるD−D断面
図である。
【図20】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構をエンジンに搭載した状態を示す上面図であ
る。
【図21】本発明の第3実施形態としての内燃機関の可
変動弁機構をエンジンに搭載した状態を示す図であっ
て、図20におけるE矢視図である。
【図22】従来の内燃機関の可変動弁機構としての可変
バルブタイミングカムシャフト機構(第1従来例)を示
す斜視図である。
【図23】第1従来例を示す断面図である。
【図24】第1従来例の不等速継手の作動原理を説明す
る図である。
【図25】従来の内燃機関の可変動弁機構としての内燃
機関の給気弁駆動制御装置(第2従来例)を示す要部縦
断面図である。
【図26】第2従来例を示す要部横断面図である。
【図27】従来の内燃機関の可変動弁機構としての4サ
イクルエンジン用の可変バルブタイミング動弁装置(第
3従来例)を示す要部縦断面図である。
【図28】第3従来例を示す要部横断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 バルブ 2A バルブ2のステム端部 3 バルブスプリング 4 タペット 5 シム 6 カム 6A カム6の凸部 7 シリンダヘッド1側の軸受部 11 第1回転部材としてのカムシャフト 12 第2回転部材としてのカムローブ 13 不等速継手(変速機構部) 14 コントロールディスク(制御部材) 15 偏心部 16 係合部材としての係合ディスク(ハーモニックリ
ング) 16A,16B スライダ用溝 16C 円筒内周面 16D 穴部 17 第1スライダ部材 18 第2スライダ部材 19 第1接続部としてのドライブアーム 20 第2接続部としてのアーム部 21,22 スライダ本体 19A,20A,21A,22A 穴部 21B,21C スライダ本体21の外側面 22B,22C スライダ本体22の外側面 23,24 ピン部材としてのドライブピン 25 ロックピン 26 第1接続部としての突設ピン部材 27 コマ部材 27A 円形穴部 27B 円筒外周面 28A,28B 溝16Aの内壁面 28C,28D 溝16Bの内壁面 30 偏心位置調整機構 31 被駆動部としての第1ギヤ 32 ギヤ機構 32A ギヤ軸 32B 第2ギヤ(コントロールギヤ) 32C 第3ギヤ 33 駆動手段としての電動モータ 33A モータ側ギヤ 34 制御手段としての電子制御ユニット(ECU) 35 ポジションセンサ 40 入力部としてのプーリ(又はカムスプロケット) 41 プーリベルト(又はタイミングベルト) 51 ダウエルピン 52 ギアトレイン 53 潤滑油供給路 54,59,62 凹溝 55,56,58,60,61,63 油穴 57 ジャーナル(軸支部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 清 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 久保 雅彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 平野 孝明 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸に連動して回転駆
    動される第1回転部材と、 該第1回転部材の外周に該第1回転部材と同心上に該第
    1回転部材と相対回転可能に設けられた第2回転部材
    と、 該第2回転部材に設けられて弁を駆動するカムと、 該第1回転部材の外周に回動可能に支持され該第1回転
    部材の回転中心から偏心した位置に中心を有する環状の
    偏心部と、 該偏心部の外周に該偏心部の中心回りに回動可能に支持
    された係合部材と、 該第1回転部材に設けられた第1接続部と、 該第2回転部材に設けられた第2接続部と、 該係合部材と該第1接続部とのうちの一方にラジアル方
    向へ摺動自在に装着されて該第1接続部から該係合部材
    へ回転を伝達する第1スライダ部材と、 該係合部材と該第2接続部とのうちの一方にラジアル方
    向へ摺動自在に装着されて該係合部材から該第2接続部
    へ回転を伝達する第2スライダ部材と、 該偏心部を機関の運転状態に応じた位置に回転させて該
    偏心部の偏心状態を調整するための偏心位置調整機構と
    をそなえていることを特徴とする、内燃機関の可変動弁
    機構。
  2. 【請求項2】 該偏心部に該係合部材よりも外部に張り
    出した被駆動部を有する制御部材が設けられ、 該偏心位置調整機構に該被駆動部を駆動する駆動手段が
    設けられていることを特徴とする、請求項1記載の内燃
    機関の可変動弁機構。
  3. 【請求項3】 該偏心位置調整機構に、該機関の運転状
    態に応じて該駆動手段の作動を制御する制御手段が設け
    られていることを特徴とする、請求項2記載の内燃機関
    の可変動弁機構。
  4. 【請求項4】 該第1回転部材に、該クランク軸からの
    回転駆動力が入力される入力部が設けられるとともに、 該偏心部,該係合部材,該第1接続部,該第2接続部,
    該第1スライダ部材及び該第2スライダ部材により変速
    機構部が構成され、 該エンジンが、直列に配置された複数のシリンダを有す
    る多気筒エンジンであって、 各シリンダ毎に該変速機構部及び該第2回転部材が直列
    にそなえられ、 各シリンダにおける該変速機構部が、該第2回転部材よ
    りも該入力部の近くに配設されていることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の可変動
    弁機構。
  5. 【請求項5】 該第1回転部材の内部に該第1回転部材
    の軸心方向に沿って形成された潤滑油供給路と、 該第1回転部材の外周部であって該偏心部と摺接する部
    位に環状に形成された第1の凹溝と、 該潤滑油供給路と該第1の凹溝とを連絡する第1の油穴
    と、 該偏心部に形成され該第1の凹溝に対応する位置に形成
    された第2の油穴とをそなえ、 該第1,第2の油穴を介して供給される潤滑油により、
    該第1回転部材と該偏心部との間の潤滑及び該偏心部と
    該係合部材との間の潤滑が行なわれるように構成されて
    いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載
    の内燃機関の可変動弁機構。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1083800C (zh) * 1999-06-04 2002-05-01 北京大学 一种制备单层碳纳米管的方法
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US7739987B2 (en) 2008-03-28 2010-06-22 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Variable valve gear for an internal combustion engine
JP2015124667A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 三菱自動車工業株式会社 エンジンの排気装置

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