JP3738526B2 - 可変動弁機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁を機関の運転状態に応じたタイミングで開閉制御する、可変動弁機構に関し、特に、入力回転の回転速度を一回転中で増減しながら出力しうる不等速継手を利用した、可変動弁機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
往復動式内燃機関(以下、エンジンという)には、吸気弁や排気弁(以下、これらを総称して機関弁又は単にバルブともいう)がそなえられるが、このようなバルブは、カムの形状や回転位相に応じたバルブリフト状態で駆動されるので、バルブの開閉タイミング及び開放期間(バルブを開放している期間をクランクの回転角度の単位で示した量)も、カムの形状や回転位相に応じることになる。
【0003】
ところで、エンジンにそなえられた吸気弁や排気弁の場合には、エンジンの負荷状態や速度状態に応じて最適な開閉タイミングや開放期間が異なる。そこで、このようなバルブの開閉タイミングや開放期間を変更できるようにした、所謂可変バルブタイミング装置(可変動弁機構)が各種提案されている。
特に、カムとカムシャフトとの間に、偏心機構を用いた不等速継手を介装し、カムシャフト側回転軸に対してカム側回転軸を偏心した位置に設定することで、カムシャフトが1回転する間にカムをカムシャフトの回転速度に対して増減又は位相変化させうるようにして、偏心機構におけるかかるカム側回転軸の偏心状態(即ち、カム側回転軸の軸心軸位置)を調整することで、バルブの開閉タイミング及び開放期間を調整できるようにした技術も開発されている。
【0004】
このような不等速継手を用いた技術は、例えば特公昭47−20654号,特開平3−168309号,特開平4−183905号,特開平6−10630号等にて提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような不等速継手を用いた可変動弁機構では、偏心機構の回転位相をどのような回転方向で調整するかにより、吸気弁や排気弁の作動タイミングの変化の仕方が異なり、エンジン出力の変化にも影響を与えることになる。
そこで、偏心機構の位相調整をエンジンの出力特性の合わせた回転方向で行ないたいという要望がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、偏心機構によるバルブタイミングの変更過程において、エンジンの出力特性に適した特性でバルブリフト特性が変更されるようにした、可変動弁機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の可変動弁機構では、内燃機関のクランク軸からカムシャフトに入力された回転駆動力は、カムシャフトに相対回転可能に設けられたカムローブに伝達され、カムローブがカムシャフトに対して不等速で回転する。一方、吸気弁又は排気弁は、カムローブに設けられたカム部により開閉駆動されるが、吸気弁又は排気弁の開弁期間は、カムシャフトとカムローブとの間に介装された制御機構により変更される。すなわち、上記の制御機構によりカムローブの偏心位相を調整することで、カムシャフトとカムローブとの偏心位相が変更され吸気弁又は排気弁の開弁期間が変更される。
【0008】
内燃機関の運転状態が低速運転から高速運転へ変化する際には、変化過程の初期において、吸気弁の閉弁時期の遅角量及び排気弁の開弁時期の進角量が、吸気弁の開弁時期の進角量及び排気弁の閉弁時期の遅角量よりも大きくなるように、吸気弁又は排気弁の開弁期間が変更される。
そして、このように吸気弁又は排気弁の開弁期間を変更することにより、主に中低速域において内燃機関のドライバビリティが向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態としての可変動弁機構について説明する。この実施形態にかかる内燃機関は、レシプロ式の内燃機関であり、また、この実施形態にかかる可変動弁機構は、気筒上方に設置された吸気弁又は排気弁(これらを総称して、機関弁又は単にバルブという)を駆動するようにそなえられている。
【0010】
図3,図4,図5は本可変動弁機構の要部を示す斜視図,断面図,模式的配置図(軸方向端面から見た模式図)であり、図3,図4に示すように、シリンダヘッド1には、図示しない吸気ポート又は排気ポートを開閉すべくバルブ(弁部材)2が装備されており、このバルブ2のステム端部2Aには、バルブ2を閉鎖側に付勢するバルブスプリング3(図5参照)が設置されている。
【0011】
さらに、バルブ2のステム端部2Aには、ロッカアーム8が当接しており、このロッカアーム8にカム6が当接している。そして、カム6の凸部(カム山部分)6Aによってバルブスプリング3の付勢力に抗するようにしてバルブ2が開方向へ駆動される。本可変動弁機構は、このようなカム6を回動させるためにそなえられている。
【0012】
本可変動弁機構は、図3,図4に示すように、ベルト(タイミングベルト)41とプーリ42とを介して、エンジンのクランク軸(図示略)に連動して回転駆動されるカムシャフト(第1回転軸部材)11と、このカムシャフト11の外周に設けられたカムローブ(第2回転軸部材)12とをそなえ、カム(カム部)6はこのカムローブ12の外周に突設されている。なお、このカムローブ12の外周はシリンダヘッド1側の軸受部7によって回転自在に軸支されている。
【0013】
また、カムシャフト11はこのカムローブ12を介して軸受部7に支持されるが、カムシャフト11の端部は、同一軸心線上に結合された端部部材43を介してシリンダヘッド1の軸受部1Aに軸支されている。前述のプーリ42は、このような端部部材43に装備されているので、このプーリ42を装備した端部部材43を、入力部と称することができる。
【0014】
なお、軸受部7は、図4,図5に示すように、二つ割れ構造になっており、シリンダヘッド1に形成された軸受下半部7Aと、この軸受下半部7Aに上方から接合される軸受キャップ7Bと、軸受下半部7Aに軸受キャップ7Bを結合するボルト7Cとから構成される。
また、図5に示すように、軸受下半部7Aと軸受キャップ7Bとの接合面7Dは、図示しないシリンダの軸心線と直交するようにほぼ水平に設定されており、図4,図5におけるほぼ鉛直方向(上下方向)に向けて締結されるボルト7Cによって、軸受下半部7Aと軸受キャップ7Bとがほぼ鉛直方向に強固に結合されている。
【0015】
また、カムシャフト11とカムローブ12との間には不等速継手13が設けられており、これらカムローブ12及び不等速継手13により、バルブ開弁時期を連続的又は段階的に調整しうる弁作動調整手段50が構成されている。
また、図4中の符号7E,11A,11Bは各摺動部へ潤滑油(エンジンオイル)を供給する油穴である。
【0016】
なお、本可変動弁機構は、多気筒エンジンに適しており、多気筒エンジンに適用した場合には、各気筒毎に、カムローブ12及び不等速継手13を設けるようにする。ここでは、一例として本可変動弁機構を直列4気筒エンジンに適用した場合を説明する。
【0017】
この不等速継手13は、カムシャフト11の外周に回動可能に支持されたコントロールディスク(軸支部材)14と、このコントロールディスク14に一体的に設けられた偏心部(軸支部)15と、この偏心部15の外周に設けられた係合ディスク(中間回転部材)16と、係合ディスク16に接続された第1スライダ部材(第1接続部材又はカム軸側ピン部材)17及び第2スライダ部材(第2接続部材又はカムローブ側ピン部材)18とをそなえている。なお、係合ディスク16は、ハーモニックリングともいう。
【0018】
偏心部15は、図3に示すように、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 から偏心した位置に回転中心O2 を有しており、係合ディスク16はこの偏心部15の中心(第2回転中心軸線)O2 の回りに回転するようになっている。
第1スライダ部材17及び第2スライダ部材18は、図3に示すように、それぞれその先端にスライダ本体部21,22をそなえ、その他端側にドライブピン部23,24をそなえている。
【0019】
そして、係合ディスク16の一面には、図4に示すように、半径方向(ラジアル方向)に、第1スライダ部材17のスライダ本体部21が摺動自在に嵌合したスライダ用溝16Aと、第2スライダ部材18のスライダ本体部22が摺動自在に嵌合したスライダ用溝16Aとが形成されている。ここでは、2つのスライダ用溝16A,16Bが互いに180°だけ回転位相をずらせるように同一直径上に配置されている。
【0020】
また、カムシャフト11にはドライブアーム19が設けられ、カムローブ12にはアーム部20が設けられ、ドライブアーム19には、第1スライダ部材17のドライブピン部23が回転自在に嵌入する穴部19Aが設けられ、アーム部20には、第2スライダ部材18のドライブピン部24が回転自在に嵌入する穴部20Aが設けられている。
【0021】
なお、ドライブアーム19は、カムローブ12とコントロールディスク14との間のアーム部20を除く空間に、カムシャフト11から半径方向(ラジアル方向)に突出するように設けられ、ロックピン25によりカムシャフト11と一体回転するように結合されている。一方、アーム部20はカムローブ12の端部を、係合ディスク16の一側面に近接する位置まで半径方向(ラジアル方向)及び軸方向へ突出させるように一体形成されている。
【0022】
ところで、スライダ本体部21と溝16Aとの間では、図5に示すように、スライダ本体部21の外側平面21B,21Cと溝16Aの内壁平面28A,28Bとの間で、溝16Bとスライダ本体部22との間では、溝16Bの内壁平面28C,28Dとスライダ本体部22の外側平面22B,22Cとの間で、それぞれ回転力の伝達が行なわれる。
【0023】
このように回転を伝達する際に、係合ディスク16が偏心していることにより、係合ディスク16はカムシャフト11に対して先行したり遅延したりすることを繰り返し、また、カムローブ12は係合ディスク16に対して先行したり遅延したりすることを繰り返しながら、カムローブ12がカムシャフト11とは不等速で回転するようになっている。
【0024】
例えば図6は、カムローブ12がカムシャフト11とは不等速で回転することを説明する図であり、(A1)〜(A3)はカムシャフト11に対する係合ディスク16の回転角速度変化を、(B1)〜(B3)は係合ディスク16に対するカムローブ12の回転角速度変化をそれぞれ説明する図である。
図6(A1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して上方に偏心しており、この偏心した方向に、スライダ溝16A及び第1スライダ部材17に位置した状態を回転基準位置として、カムシャフト11が時計回りに回転するものとする。
【0025】
なお、図6(A1),(A2)において、S1はカムシャフト11側の基準点(例えば第1スライダ部材17の中心点)の回転基準位置での位置を示し、H1は係合ディスク16側の基準点(例えばスライダ溝16Aの基準点)の回転基準位置での位置を示している。
また、S2〜S12はカムシャフト11側の基準点(第1スライダ部材17の中心点)が回転基準位置S1から所定角度(ここでは、30°)ずつ回転した際の各位置を示し、H2〜H12はこれらのカムシャフト11側の基準点位置S2〜S12に応じて回転する係合ディスク16側の基準点(スライダ溝16Aの基準点)の各位置を示している。
【0026】
ここで、カムシャフト11側の基準点の回転は、第1回転中心軸線O1 を中心に、係合ディスク16側の基準点の回転は、第2回転中心軸線O2 を中心に、それぞれ行なわれる。
図6(A2)に示すように、カムシャフト11側の基準点(第1スライダ部材17の中心点)がS1→S2へと30°(∠S1・O1 ・S2)だけ回転すると、係合ディスク16側の基準点(スライダ溝16Aの基準点)はH1→H2へと∠H1・O2 ・H2の角度分回転するため、カムシャフト11側よりも大きな回転角度(∠H1・O2 ・H2>∠S1・O1 ・S2)だけ回転する。即ち、係合ディスク16側はカムシャフト11側よりも速い速度で回転する。
【0027】
ついで、カムシャフト11側がS2→S3へと30°(∠S2・O1 ・S3)だけ回転すると、係合ディスク16側はH2→H3へと、∠H2・O2 ・H3の角度分回転するため、ここではカムシャフト11側よりもやや大きな回転角度(∠H2・O2 ・H3>∠S2・O1 ・S3)だけ回転する。即ち、この間は、係合ディスク16側はカムシャフト11側よりもやや速い速度で回転する。
【0028】
ついで、カムシャフト11側がS3→S4へと30°(∠S3・O1 ・S4)だけ回転すると、係合ディスク16側はH3→H4へと、∠H3・O2 ・H4の角度分回転するため、ここではカムシャフト11側とほぼ等しい回転角度(∠H3・O2 ・H4≒∠S3・O1 ・S4)だけ回転する。即ち、この間は、係合ディスク16側はカムシャフト11側とほぼ等しい速度で回転する。
【0029】
ついで、カムシャフト11側がS4→S5へと30°(∠S4・O1 ・S5)だけ回転すると、係合ディスク16側はH4→H5へと、∠H4・O2 ・H5の角度分回転するため、ここでもカムシャフト11側とほぼ等しい回転角度(∠H4・O2 ・H5≒∠S4・O1 ・S5)だけ回転する。即ち、この間は、係合ディスク16側はカムシャフト11側とほぼ等しい速度で回転する。
【0030】
さらに、カムシャフト11側がS5→S6へと30°(∠S5・O1 ・S6)だけ回転すると、係合ディスク16側はH5→H6へと、∠H5・O2 ・H6の角度分回転するため、ここではカムシャフト11側よりもやや小さな回転角度(∠H5・O2 ・H6<∠S5・O1 ・S6)だけ回転する。即ち、この間は、係合ディスク16側はカムシャフト11側よりもやや遅い速度で回転する。
【0031】
さらに、カムシャフト11側がS6→S7へと30°(∠S6・O1 ・S7)だけ回転すると、係合ディスク16側はH6→H7へと、∠H6・O2 ・H7の角度分回転するため、ここではカムシャフト11側よりも小さな回転角度(∠H6・O2 ・H7<∠S6・O1 ・S7)だけ回転する。即ち、この間は、係合ディスク16側はカムシャフト11側よりも遅い速度で回転する。
【0032】
このように、係合ディスク16側は位置H1においてカムシャフト11側に対して最も速く回転し、この後、カムシャフト11側がS1→S2→S3→S4→S5→S6→S7へと回転する間には、係合ディスク16側はH1→H2→H3→H4→H5→H6→H7へと、次第にカムシャフト11側に対する速度を減少させ、この間、位置H3からH5の間付近で係合ディスク16側がカムシャフト11側とほぼ等しい速度になり、その後は、係合ディスク16側はカムシャフト11側よりも遅くなり、位置H7においてカムシャフト11側に対して最も遅く回転することになる。
【0033】
この後、カムシャフト11側がS7→S8→S9→S10→S11→S12→S1へと回転する間には、係合ディスク16側はH7→H8→H9→H10→H11→H12→H1へと、次第にカムシャフト11側に対する速度を増加させ、この間、位置H9からH10の間付近で係合ディスク16側がカムシャフト11側とほぼ等しい速度になり、その後は、係合ディスク16側はカムシャフト11側よりも速くなり、位置H1においてカムシャフト11側に対して最も速く回転することになる。
【0034】
このようなカムシャフト11側の回転速度に対する係合ディスク16側の回転速度を、カムシャフト11の回転角度(位置S1を0°又は360°として上述のような時計回りに回転するものとする)に対応させて示すと、図6(A3)のようになる。この図6(A3)では、カムシャフト11の回転速度は一定(横軸上)としており、係合ディスク16側の回転速度は、余弦カーブのような特性で変化する。
【0035】
このような係合ディスク16側の回転に対するカムローブ12側の回転角速度変化は、図6(B1)〜(B3)に示すようになる。図6(A1)〜(A3)は図6(B1)〜(B3)とそれぞれ対応する。
また、図6(B1)に示すように、係合ディスク16側とカムローブ12側とは、第1スライダ部材17に対して180°だけ回転した位置にあるスライダ溝16B及び第2スライダ部材18を介して回転が伝達される。したがって、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して偏心した方向にスライダ溝16A及び第1スライダ部材17に位置した基準状態〔図6(A1)参照〕では、図6(B1)に示すように、スライダ溝16B及び第2スライダ部材18は、スライダ溝16A及び第1スライダ部材17よりも180°だけ回転した位置(図中下方)となり、これを、基準位置とする。
【0036】
また、図6(B1),(B2)において、H′1は係合ディスク16側の基準点(例えばスライダ溝16Bの基準点)の回転基準位置での位置を示し、R1はカムローブ12側の基準点(例えば第2スライダ部材18の中心点)の回転基準位置での位置を示している。
また、H′2〜H′12は係合ディスク16側の第1の基準点(スライダ溝16Aの基準点)H2〜H12に対する係合ディスク16側の第2の基準点(スライダ溝16Bの基準点)を示し、R2〜R12はこれらの係合ディスク16側の第2の基準点(スライダ溝16Bの基準点)H′2〜H′12に応じて回転するカムローブ12側の基準点(第2スライダ部材18の中心点)の各位置を示している。
【0037】
ここで、係合ディスク16側の基準点の回転は、第2回転中心軸線O2 を中心に、カムローブ12側の基準点の回転は、第1回転中心軸線O1 を中心に、それぞれ行なわれる。
図6(B2),(B3)に示すように、カムローブ12側は、カムシャフト11側に対する係合ディスク16側の速度特性をさらに強めた特性で回転し、位置R1において係合ディスク16側に対して最も速く回転し、この後、係合ディスク16側がH′1→H′2→H′3→H′4→H′5→H′6→H′7へと回転する間には、カムローブ12側はR1→R2→R3→R4→R5→R6→R7へと、次第に係合ディスク16側に対する速度を減少させ、この間、位置R3からR4の間付近でカムローブ12側が係合ディスク16側とほぼ等しい速度になり、その後は、カムローブ12側は係合ディスク16側よりも遅くなり、位置R7において係合ディスク16側に対して最も遅く回転することになる。
【0038】
この後、係合ディスク16側はH′7→H′8→H′9→H′10→H′11→H′12→H′1へと回転する間には、カムローブ12側がR7→R8→R9→R10→R11→R12→R1へと次第に係合ディスク16側に対する速度を増加させ、この間、位置R9からR10の間付近でカムローブ12側が係合ディスク16側側とほぼ等しい速度になり、その後は、カムローブ12側は係合ディスク16側よりも速くなり、位置R1において係合ディスク16側に対して最も速く回転することになる。
【0039】
図6(B3)は、このようなカムローブ12側の回転速度特性を係合ディスク16側の回転速度特性〔図6(A3)に示すものと同様な特性〕に対応させて示しており、カムローブ12側の回転速度は、係合ディスク16側の回転速度と同様な余弦カーブのような特性で変化し、しかも係合ディスク16側の特性を一層増大させた(つまり、振幅を増大させた)ものとなる。すなわち、カムローブ12側の回転速度は、カムシャフト11側の回転速度に対して、余弦カーブのような特性で変化する。
【0040】
このようなカムローブ12側の回転速度特性に対して、カムローブ12側の回転位相特性(即ち、カムローブ12側がカムシャフト11側よりも進むか遅れるかといった特性)については、図7の中段に記載したグラフ内の曲線PA1,PA2に示すようになる。
つまり、図6(A1),(B1)及び図7(a1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11,カムローブ12の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して上方に偏心しているもの(高速上方偏心)とする(即ち、カムローブ12の回転中心が高速側の第2所定位置にある)。そして、回転中心O1 ,O2 の上方にスライダ溝16A及び第1スライダ部材17が位置し、回転中心O1 ,O2 の下方にスライダ溝16B及び第2スライダ部材18が位置した状態を、基準(カムシャフト回転角度が0)とすると、カムローブ12側の位相特性は、図7の曲線PA1に示すようになる。
【0041】
図7の曲線PA1に示すように、図7(a1)及び図6(A2),(B2)中の符合S1,H1,H′1,R1に示すようなカムシャフト回転角度が0のときには、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる。
この後のカムシャフト11の回転角度に応じたカムローブ12側の回転位相特性、即ち、カムシャフト11側の回転位相に対するカムローブ12側の回転位相の進みや遅れの特性は、カムシャフト11側の回転速度に対するカムローブ12側の回転速度〔図6(B3)参照〕を積分した積分値に相当する。
【0042】
したがって、図7の曲線PA1に示すように、カムシャフト11が0°から90°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に先行してその進み角度が次第に増大するが、カムシャフト11が90°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も先行して〔図7(a2)参照〕、この後、カムシャフト11が90°から180°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に先行してはいるがその進み角度は次第に減少して、カムシャフト11が180°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図7(a3)参照〕。
【0043】
さらに、カムシャフト11が180°から270°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側から遅れてその遅れ角度が次第に増大するが、カムシャフト11が270°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も遅れて〔図7(a4)参照〕、その後、カムシャフト11が270°から360°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に遅れてはいるがその遅れ角度は次第に減少して、カムシャフト11が360°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図7(a5)参照〕。
【0044】
ここで、カムシャフト11が180°の位置で、バルブリフトが最大となるように、カム6に対するバルブ2の位置を設定すると、バルブのリフトカーブは、図7の曲線VL1に示すようになる。なお、図7中の曲線VL0は、不等速継手13(係合ディスク16やコントロールディスク14等)をそなえずカムローブ12とカムシャフト11とが常に等しい位相角度となる場合のバルブのリフトカーブ特性(リフトカーブベース)を示すものである。
【0045】
曲線VL1に示すリフトカーブ特性では、バルブの開放タイミング(開放開始時期)ST1はリフトカーブベースの開放タイミングST0よりも早くなり、バルブの閉鎖タイミング(開放終了時期)ET1はリフトカーブベースの閉鎖タイミングET0よりも遅くなる。バルブの開放タイミングST1がリフトカーブベースよりも早まるのは、バルブが開放を開始する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が進んでいるためであり、バルブの閉鎖タイミングET1がリフトカーブベースよりも遅くなるのは、バルブが開放を終了する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が遅れているためである。
【0046】
一方、図7(b1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11,カムローブ12の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して下方に偏心(低速下方偏心)していて、回転中心O1 ,O2 の上方にスライダ溝16A及び第1スライダ部材17が位置し、回転中心O1 ,O2 の下方にスライダ溝16B及び第2スライダ部材18が位置した状態を、基準(カムシャフト回転角度が0)とする(即ち、カムローブ12の回転中心が低速側の第1所定位置にある)と、カムローブ12側の位相特性は、図7の曲線PA2に示すようになる。
【0047】
つまり、図7の曲線PA2に示すように、図7(a1)に示すようなカムシャフト回転角度が0のときには、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となり、この後は、カムシャフト11が0°から90°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側から遅れてその遅れ角度が次第に増大するが、カムシャフト11が90°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も遅れて〔図7(b2)参照〕、この後、カムシャフト11が90°から180°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側から遅れてはいるがその遅れ角度は次第に減少して、カムシャフト11が180°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図7(b3)参照〕。
【0048】
さらに、カムシャフト11が180°から270°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に先行してその進み角度が次第に増大するが、カムシャフト11が270°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も進んで〔図7(b4)参照〕、その後、カムシャフト11が270°から360°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側より先行してはいるがその進み角度は次第に減少して、カムシャフト11が360°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図7(b5)参照〕。
【0049】
このように、図7の曲線PA2に示すような回転位相特性でカムローブ12が回転する場合には、バルブのリフトカーブは、図7の曲線VL2に示すようになる。
この曲線VL2に示すリフトカーブ特性では、バルブの開放タイミング(開放開始時期)ST2はリフトカーブベースの開放タイミングST0よりも遅くなり、バルブの閉鎖タイミング(開放終了時期)ET2はリフトカーブベースの閉鎖タイミングET0よりも早くなる。
【0050】
このようにバルブの開放タイミングST2がリフトカーブベースよりも遅くなるのは、バルブが開放を開始する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が遅れているためである。また、バルブの閉鎖タイミングET2がリフトカーブベースよりも早くなるのは、バルブが開放を終了する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が進んでいるためである。
【0051】
このように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 、即ち、係合ディスク16の偏心位置に応じて、バルブのリフトカーブ特性を変更することができるのである。バルブの開放タイミングが早く閉鎖タイミングが遅い場合には、バルブ開放期間が長くなり、機関の高速回転時に適し、バルブの開放タイミングが遅く閉鎖タイミングが速い場合には、バルブ開放期間が短くなり、機関の高速回転時に適している。
【0052】
このため、図7(a1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 がカムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して上方(バルブリフトトップを与える回転位相方向と逆方向)にあれば、バルブ開放期間が最も長くなるため、高速用偏心となり、図7(b1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して下方(バルブリフトトップを与える回転位相方向)にあれば、バルブ開放期間が最も短くなるため、低速用偏心となる。
【0053】
そして、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が図7(a1)に示す位置と図7(b1)に示す位置との中間的な位置にある場合には、その位置に応じたバルブ特性(バルブの開放タイミングや閉鎖タイミング)でバルブ2を駆動することになる。
つまり、第2回転中心軸線O2 を図7(a1)に示す上方偏心位置(第2所定位置)から下方位置へずらしていくと、バルブ特性は、曲線VL1で示すリフトカーブ特性(高速用特性)から曲線VL0で示すリフトカーブベース特性へと近づいて、第2回転中心軸線O2 が第1回転中心軸線O1 とほぼ等しい高さになる(上下方向への偏差がなくなる)と、バルブ特性はほぼリフトカーブベース特性に近いものになる。さらに、第2回転中心軸線O2 を図7(b1)に示す下方偏心位置(第1所定位置)へ向けてずらしていくと、バルブ特性は、曲線VL0で示すリフトカーブベース特性から曲線VL2で示すリフトカーブ特性(低速用特性)へと近づく。
【0054】
したがって、例えば機関の回転数(回転速度)等の機関の運転状態に応じて、第2回転中心軸線O2 の位置を連続的又は段階的に調整すれば、機関の運転状態に常に適した特性でバルブ2を駆動させることができる。
係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 を位置調整するためには、係合ディスク16を偏心状態に支持する偏心部15を回転させればよいので、本機構には、偏心部15を有するコントロールディスク14を回転させて偏心部15の偏心位置を調整する偏心位置調整機構30が設けられている。
【0055】
この偏心位置調整機構30は、図3,図4に示すように、コントロールディスク14の外周に形成された偏心制御ギア31と、この偏心制御ギア31と噛合するコントロールギア35をそなえカムシャフト11と平行に設置されたギア軸(コントロールシャフト又は制御用部材)32と、このコントロールシャフト32を回転駆動するためのアクチュエータ33とをそなえて構成されており、ECU34を通じて作動を制御するようになっている。
【0056】
つまり、図3に示すように、ECU34に、エンジン回転数センサ(図示略)からの検出情報(エンジン回転数情報),スロットルポジションセンサからの検出情報(TPS情報),エアフローセンサ(図示略)からの検出情報(AFS情報)等が入力されるようになっており、偏心位置調整機構30におけるモータの制御は、これらの情報に基づいて、エンジンの回転速度や負荷状態に応じて行なうようになっている。
【0057】
そして、例えばエンジンの高速時や高負荷時には、図7中の曲線VL1のようなバルブリフト特性になるようにコントロールディスク14の回転位相を調整して、バルブの開放期間を長期間にするように制御する。また、エンジンの低速時や低負荷時には、図7中の曲線VL2のようなバルブリフト特性になるようにコントロールディスク14の回転位相を調整して、バルブの開放期間を短期間にするように制御する。一般には、エンジンの速時や負荷に応じて、図7中の曲線VL1と曲線VL2との中間的なバルブリフト特性になるようにコントロールディスク14の回転位相を調整する。
【0058】
ところで、コントロールシャフト32にそなえられたコントロールギア35は、2つのギア35A,35Bからなるシザースギアであって、一方のギア35Aはコントロールシャフト32に固定されているが、他方のギア35Bはコントロールシャフト32に対して回転可能に装備されている。つまり、ギア35Bは、ギア35Aに当接するように配設されており、コントロールシャフト32の外周に固定されるジャーナル36との間に装備されたねじりスプリング38によって、回転方向への付勢力を受けるように設置され、両ギア35A,35Bによって、コントロールディスク14側の偏心制御ギア31とコントロールギア35とがガタつくことなく噛合するようになっている。
【0059】
なお、偏心位置調整機構30の設置にあたっては、既に設置されているカムシャフト11外周のコントロールディスク14側の偏心制御ギア31に対して、両ギア35A,35Bを噛合させた上で、ジャーナル36をコントロールシャフト32に対して回転させながら軸方向所定位置に配置することで、ギア35Bに軸方向付勢力及び回転方向付勢力を与えておいてから、ジャーナル36を回り止めピン36Aによりコントロールシャフト32と一体回転するように固定する。
【0060】
また、本可変動弁機構を多気筒エンジン(ここでは4気筒エンジン)に適用した場合には、各気筒毎にカムローブ12及び不等速継手13(即ち、弁作動調整手段50)を設けるようにすることになるが、ここでは、各気筒に、吸気弁駆動用の可変動弁機構と、排気弁駆動用の可変動弁機構とをそなえている。つまり、図8に示すように、吸気弁用カムシャフト11INと排気弁用カムシャフト11EXとをそなえ、吸気弁用カムシャフト11INにおいても排気弁用カムシャフト11EXにおいても、それぞれ各気筒毎にカムローブ12及び不等速継手13がそなえられる。
【0061】
そして、偏心位置調整機構30は、吸気弁用カムシャフト11INに各気筒毎に装備されたコントロールディスク14側の偏心制御ギア31と、排気弁用カムシャフト11EXにやはり各気筒毎に装備されたコントロールディスク14側の偏心制御ギア31と、吸気弁用カムシャフト11INに隣接した吸気弁側コントロールシャフト32と、排気弁用カムシャフト11EXに隣接した排気弁側コントロールシャフト32と、これらの各コントロールシャフト32において各気筒毎に設置されて各偏心制御ギア31と噛合するコントロールギア35及びジャーナル36及びスプリング38とをそなえている。
【0062】
一方、アクチュエータ33はスプロケット(端部部材)43と反対側端部の図示しないシリンダヘッド側部分に1つだけそなえられ、ここでは、排気弁用カムシャフト11EXの軸端部にアクチュエータ33がそなえられる。
このアクチュエータ33は、ジョイント33Aを介して排気弁側ドライブギア機構39Aに接続されており、アクチュエータ33の駆動力は、排気弁側ドライブギア機構39Aから排気弁側コントロールシャフト32に伝達され、排気弁用カムシャフト11EXの各偏心制御ギア31の回転駆動が行なわれるようになっている。
【0063】
この一方、排気弁側ドライブギア機構39Aはインタメディエイトギア機構40を介して吸気弁側ドライブギア機構39Bに接続されており、アクチュエータ33の駆動力は、排気弁側ドライブギア機構39A,インタメディエイトギア機構40,吸気弁側ドライブギア機構39Bを経て吸気弁側コントロールシャフト32に伝達され、吸気弁用カムシャフト11INの各偏心制御ギア31の回転駆動が行なわれるようになっている。
【0064】
したがって、図9に示すように、排気弁側(図中EX参照)では、アクチュエータ33の駆動力は、ドライブギア機構39A,排気弁側コントロールシャフト32及び各コントロールギア35を介して各偏心制御ギア31に伝達され、吸気弁側(図中IN参照)では、アクチュエータ33の駆動力は、ドライブギア機構39A,インタメディエイトギア機構40,ドライブギア機構39B,吸気弁側コントロールシャフト32及び各コントロールギア35を介して各偏心制御ギア31に伝達されるようになっている。
【0065】
また、インタメディエイトギア機構40は、互いに噛合する2つのギア40a,40bからなり、排気弁側ドライブギア機構39Aの軸39aの回転を逆方向に同速度で吸気弁側ドライブギア機構39Bの軸39aに伝達するようになっている。
なお、各ドライブギア機構39A,39Bは、図8に示すように、いずれも軸39aに固定された固定ギア39b及び固定ギア39bとの間にスプリング39cを介して装備された可動ギア39dの2枚のギアからなるシザースギア39eと、コントロールシャフト32の端部に固定されたギア39fとから構成される。シザースギア39eでは、可動ギア39dがスプリング39cにより回転方向に付勢された状態で、固定ギア39bと共にギア39fと噛合しており、ドライブギア機構39A,39Bにガタが生じないようになっている。
【0066】
さらに、各ドライブギア機構39A,39Bのシザースギア39e(即ち、ギア39b,39d)は各偏心制御ギア31と等しい歯数に設定され、各ドライブギア機構39A,39Bのギア39fは各コントロールギア35と等しい歯数に設定されており、アクチュエータ軸の回転角度と偏心制御ギア31の回転角度とが等しくなるように設定されている。
【0067】
ところで、上述したように、偏心部15の回転位相を調整する際には、偏心位置調整機構30によってコントロールディスク14が回転駆動されるようになっているが、この時コントロールディスク14をどちらの方向に回転駆動させて位相調整を行なうかで、バルブ2の作動タイミングの変化の仕方が異なり、エンジン出力の変化にも影響を与えることになる。
【0068】
つまり、上述したように、偏心部15及び係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 を図7(a1)に示す上方偏心位置から図7(b1)に示す下方偏心位置へ向けてずらしていくと、バルブ特性は、曲線VL1で示すリフトカーブ特性(高速用特性)から曲線VL2で示すリフトカーブ特性(低速用特性)へと変化するが、このとき、コントロールディスク14を図中右回りで回転駆動させて偏心部15の位相を調整するか、コントロールディスク14を左回りで回転駆動させて偏心部15の位相を調整するかにより、偏心部15の回転中心O2 の描く軌跡が異なり、バルブリフトカーブの変化する過程がそれぞれ異なることになるのである。
【0069】
その一例として、吸気側と排気側との偏心部15の回転方向(図7に示す低速下方偏心から高速上方偏心への調整方向)をエンジン回転方向と逆回転させた場合の偏心部15の位相角変化に伴うバルブリフト特性変化を図10(a)〜(e)に示す。この図10(a)〜(e)に示すように、偏心部15の位相角変化(45°毎の変化)過程において、最初は、主に吸気側及び排気側の開弁タイミングが早くなる方向(吸気弁と排気弁とのオーバラップが大きくなる方向)へ変化し、その後、主に吸気側及び排気側の閉弁タイミングが遅くなる方向へ変化する。なお、このときバルブリフトの頂点位置は位相変化にともなってバルブ開閉タイミングと同様の動きとなる(バルブリフトの頂点位置の変化は本可変動弁機構及び不等速継手を用いた従来技術における特有の動きである)。
【0070】
つまり、エンジン回転方向に対する偏心部15の位相角変化方向の設定の仕方によってバルブ開閉タイミングの変化が異なり、これによりエンジンの出力特性も異なるものとなるのである。なお、この場合には、コントロールディスク14の回転方向の差異により、バルブタイミングの変化する過程における特性(即ち、開弁時期が先に変更されてから閉弁時期が変更されるのか、あるいは、閉弁時期が先に変更されてから開弁時期が変更されるのかという特性)が異なるのであって、最終的なバルブ2のリフト特性は、どちらの回転方向でコントロールディスク14を駆動しても勿論同一のものとなる。
【0071】
そこで、本発明の可変動弁機構では、エンジンの出力特性等を考慮して、エンジンの運転状態が低速運転から高速運転へ変化する際には、最初に吸気弁の閉弁時期を遅らせるとともに排気弁の開弁時期を進角させるように設定されているのである。
具体的には、本実施形態では、エンジンの運転状態が低速運転状態から高速運転状態へ変化する際には、図1(a),図2に示すような回転方向でドライブギア39eを回転駆動するようになっている。すなわち、この場合は、吸気側のコントロールディスク14は図中左回り(本実施形態では、この回転方向がエンジン回転方向及びカムシャフト11の回転方向と一致するものとする)に回転駆動され、また、排気側のコントロールディスク14は図中右回りに回転駆動されるように構成されているのである。なお、図1(a),図2はアクチュエータ33(図8参照)が配設された側から動弁機構を見た図である。
【0072】
また、本実施形態では、図2に示すように、インタメディエイトギア機構40が偶数個のギア(ここでは、2つのギア40a,40b)により構成されることにより、吸気側のコントロールディスク14と排気側のコントロールディスク14とが互いに逆方向に回転駆動されるようになっている。つまり、吸気側のコントロールディスク14は、アクチュエータ33から排気側のドライブギア39e(右回転),ギア40a(左回転),40b(右回転),吸気側ドライブギア39e(左回転)及びコントロールシャフト32(右回転)を介して右回りの回転力が伝達されるのである。なお、排気側のコントロールディスク14は、アクチュエータ33から排気側のドライブギア39e(右回転)及びコントロールシャフト32(左回転)を介して左回りの回転力が伝達される。
【0073】
そして、このような場合には、バルブタイミングの変化は、図1(b)に示すような特性となる。なお、図中、横軸はコントロールディスク14の基準状態に対する位相角、縦軸はクランク角であって、縦軸上方側が遅角側、縦軸下方側が進角側である。また、位相角の変化は、排気側のコントロールディスク14の回転方向が図1中左回りの場合を正方向に設定しているので、この場合(即ち、アクチュエータ33の設けられた排気側のコントロールディスク14が右回りに回転する場合)は、コントロールディスク14の位相角の変化は、360°〜270°〜180°となる。また、破線は吸気弁のバルブタイミングの変化を示し、実線は排気弁のバルブタイミングの変化を示している。また、図1(b)における位相角360°(=0°)は、図7(b1)に示すような状態、即ち、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11,カムローブ12の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して下方に偏心(低速下方偏心)している状態であり、また、位相角180°は、図7(a1)に示すような状態、即ち、係合ディスク16の回転中心O2 が、カムシャフト11,カムローブ12の回転中心O1 に対して上方に偏心(高速上方偏心)している状態である。
【0074】
また、図1(c),(d)はいずれも吸気弁及び排気弁のバルブリフトカーブの変化を模式的に示す概念図であって、図1(c)はコントロールディスク14の位相角を360°から270°に変化させたときのバルブリフトカーブを示す概念図、図1(d)はコントロールディスク14の位相角を270°から180°に変化させたときのバルブリフトカーブを示す概念図である。
【0075】
さて、上述のように、吸気側のコントロールディスク14と排気側のコントロールディスク14とが逆方向に回転し、且つ吸気側コントロールディスク14がカムシャフト11に対して逆方向に回転するように構成した場合のバルブリフトカーブの変化について図1(b)〜(d)を用いて説明する。
ここで、エンジン運転状態が低速側から高速側に変化して、コントロールディスク14の位相角が、図1(a)に示すような回転方向で360°(低速下方偏心)から180°(高速上方偏心)に調整される場合、その過程を360°〜270°までの期間と270°〜180°までの期間に分けて説明する。
【0076】
まず、コントロールディスク14の位相角が360°から270°に調整されると、図1(b)に示すように、吸気弁の開弁時期(図中IOで示す)は、ΔθIOだけ進角し、また、吸気弁の閉弁時期(図中ICで示す)は、ΔθICだけ遅角することになる。ここで、開弁時期変化量ΔθIOは、閉弁時期変化量ΔθICと比べると微小である。
【0077】
一方、排気弁の閉弁時期(図中ECで示す)は、ΔθECだけ遅角し、また、排気弁の開弁時期(図中EOで示す)は、ΔθEOだけ進角する。この場合は、閉弁時期変化量ΔθECは開弁時期変化量ΔθEOに比べると微小である。
したがって、360°〜270°までの間は、図1(c)に示すように、相対的に吸気弁の閉弁時期(IC)が遅角されるとともに、排気弁の開弁時期(EO)が進角されることになる。
【0078】
次に、コントロールディスク14の位相角が270°から180°に調整されると、図1(b)に示すように、吸気弁の開弁時期(IO)は、ΔθIO′だけ進角する。また、吸気弁の閉弁時期(IC)は、ΔθIC′だけ遅角するが、この場合は、開弁時期変化量ΔθIO′の方が閉弁時期変化量ΔθIC′よりも大きい(ΔθIO′>ΔθIC′)。
【0079】
一方、排気弁の閉弁時期(EC)は、ΔθEC′だけ遅角し、排気弁の開弁時期(EO)は、ΔθEO′だけ進角する。そして、このときには閉弁時期変化量ΔθEC′の方が、開弁時期変化量ΔθEO′よりも大きい(ΔθEC′>ΔθEO′)。したがって、270°〜180°までの間では、図1(d)に示すように、相対的に吸気弁の開弁時期(IO)が進角されるとともに、排気弁の閉弁時期(EC)が遅角されることになる。
【0080】
このように、エンジン運転状態が低速側から高速側に変化する際に、コントロールディスク14の位相角が360°(低速下方偏心)から180°(高速上方偏心)に調整されると、結果的に吸気弁及び排気弁の開弁期間が増大することになるが、特に、本実施手形態では、図1(a),図2に示すような方向で各コントロールディスク14を回転駆動することにより、まず、最初に吸気弁の閉弁時期が遅角するとともに排気弁の開弁時期が進角し、その後、吸気弁の開弁時期が進角するとともに排気弁の閉弁時期が遅角するのである。
【0081】
そして、上述のようにコントロールディスク14の位相調整方向を設定することにより、例えばバルブタイミングの変更開始時の回転数を1000rpm程度の低回転域に設定した場合には、このような低回転域から3000rpm程度の中速回転域にかけて、スムーズなトルクカーブを得ることができ、主に低中速回転領域においてドライバビリティが大幅に向上するのである。
【0082】
本発明の一実施形態としての可変動弁機構は、上述のように構成されているので、このような可変動弁機構をそなえた内燃機関では、偏心位置調整機構30を通じて、コントロールディスク14の回転位相を調整しながら、バルブの開度特性が制御される。
つまり、ECU34において、エンジン回転数情報や吸入空気量情報等に基づき、エンジンの回転速度や負荷状態に応じたコントロールディスク14の回転位相を設定して、ポジションセンサの検出信号に基づいて、コントロールディスク14の実際の回転位相が設定された状態になるように、アクチュエータ33の作動制御を通じてコントロールディスク14を駆動する。
【0083】
そして、このECU34によるアクチュエータ33の作動制御を通じて、偏心部15を回動させて位相角度を調整し、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 を変位させながら、、例えばエンジンの回転速度やエンジンの負荷が高くなるほど、図7の曲線VL1に近づけるようにしてバルブ開放期間を長くしていき、逆に、エンジンの回転速度やエンジンの負荷が低くなるほど、図7の曲線VL2に近づけるようにしてバルブ開放期間を短くしていく。
【0084】
このようにして、エンジンの運転状態に応じてコントロールディスク14の回転位相(位置)を制御しながら、エンジンの運転状態に適したバルブ駆動を行なえるようになる。特に、バルブのリフト特性は、連続的に調整することができるので、常にエンジンの運転状態に最適の特性でバルブ駆動を行なえるようになるのである。
【0085】
この場合、本実施形態では、エンジンの運転状態が低速運転から高速運転へ変化する際には、図1(a)に示すように、吸気側のコントロールディスク14は図中左回りに回転駆動され、また、排気側のコントロールディスク14は図中右回りに回転駆動される。
これにより、最初に吸気弁の閉弁時期が遅角するとともに排気弁の開弁時期が進角するように開弁期間が変更され、その後、吸気弁の開弁時期が進角するとともに排気弁の閉弁時期が遅角するように開弁期間が変更されるのである。
【0086】
すなわち、コントロールディスク14の位相角が、360°から270°に調整されると、図1(c)に示すように、相対的に吸気弁の閉弁時期(IC)が遅角されるとともに、排気弁の開弁時期(EO)が進角されることになる。
また、コントロールディスク14の位相角が270°から180°に調整されると、図1(d)に示すように、相対的に吸気弁の開弁時期(IO)が進角されるとともに、排気弁の閉弁時期(EC)が遅角され、吸気弁と排気弁とのオーバラップが増大するのである。
【0087】
このように、本発明の可変動弁機構では、エンジン運転状態が低速運転状態から高速運転状態に変化する際に、コントロールディスク14の位相角が360°(低速下方偏心)から180°(高速上方偏心)に調整されると、最初に吸気弁の閉弁時期が遅角するとともに排気弁の開弁時期が進角し、その後、吸気弁と排気弁とのオーバラップが増加するように吸気弁と排気弁との開弁期間が変更されるのである。
【0088】
そして、バルブタイミング変更時には、上述のようにコントロールディスク14の位相調整方向を設定することにより、例えばバルブタイミングの変更開始時の回転数を低回転域に設定した場合には、例えば3000rpm程度の中速回転域までの間でスムーズなトルクカーブを得ることができ、主に中低速域においてエンジンのドライバビリティが大幅に向上するという利点がある。
【0089】
なお、本発明の可変動弁機構は、上述のような実施形態に限定されるものではなく、これ以外にも、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。例えば、本発明の可変動弁機構は、バルブタイミングの変更開始時の回転数を低回転域に設定した場合にのみ適用されるものではなく、本機構の適用されるエンジンの排気量や気筒数やその他の種々の特性に合わせてバルブタイミングの変更開始時の回転数を設定してもよいのは言うまでもない。また、従来技術に示した不等速継手を用いた動弁機構に本発明を適用してもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の可変動弁機構によれば、バルブタイミングの変更時にはスムーズなトルクカーブを得ることができ、主に低回転領域においてドライバビリティが大幅に向上するという利点がある。特に、バルブタイミングの変更開始時の回転数を比較的低回転に設定した場合には、ドライバビリティがより一層向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての可変動弁機構における要部構成及びその動作を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態としての可変動弁機構における要部構成を示す模式的な構成図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の要部縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構における不等速継手の要部配置を す模式的な断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の可変動弁機構における不等速機構の作動原理について示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の不等速機構についての作動特性を説明する特性図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の分解斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の偏心位置調整の動力伝達経路を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態としての可変動弁機構におけるバルブリフト特性変化を示す図であって、吸気側と排気側との偏心部の回転方向をエンジン回転方向と逆回転させた場合の偏心部の位相角変化に伴うバルブリフト特性変化を示す図である。
【符号の説明】
14 コントロールディスク(軸支部材又はハーモニックギア)
39e ドライブギア(ギア部材、シザースギア)
39f ギア(ギア部)
40 インタメディエイトギア機構(伝達機構)
40a,40b,40c ギア
Claims (1)
- 内燃機関のクランク軸から回転駆動力が伝達されるカムシャフトと、
該内燃機関の吸気弁又は排気弁を駆動するカム部を有し該カムシャフトに相対回転可能に設けられたカムローブと、
該カムシャフトと該カムローブとの間に介装され機関運転状態に応じて該カムローブの偏心位相を変化させて該吸気弁又は該排気弁の開弁期間を可変とする制御機構とを有する可変動弁機構であって、
該可変動弁機構が、該内燃機関の吸気弁側及び排気弁側の両方に設けられ、
該内燃機関の運転状態が低速運転から高速運転へ変化する際には、変化過程の初期において、該吸気弁の閉弁時期の遅角量及び該排気弁の開弁時期の進角量が該吸気弁の開弁時期の進角量及び該排気弁の閉弁時期の遅角量よりも大きくなるように設定されている
ことを特徴とする、可変動弁機構。
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1997
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