JPH0941292A - 表面サイズ剤 - Google Patents

表面サイズ剤

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JPH0941292A
JPH0941292A JP21522995A JP21522995A JPH0941292A JP H0941292 A JPH0941292 A JP H0941292A JP 21522995 A JP21522995 A JP 21522995A JP 21522995 A JP21522995 A JP 21522995A JP H0941292 A JPH0941292 A JP H0941292A
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JP
Japan
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acid
chain transfer
molecular weight
sizing agent
salt
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Pending
Application number
JP21522995A
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English (en)
Inventor
Seiji Yamashita
聖二 山下
Yoshimi Ida
好美 位田
Nobuo Hisada
伸夫 久田
Sunao Yamauchi
直 山内
Takao Saitou
太香雄 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量でサイズ効果の優れた表面サイズ剤を
得る。 【解決手段】ポリエチレングリコール−ジ−2−メルカ
プトエチルエーテルを使用した分子量分布の狭いα,β
−不飽和カルボン酸塩共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面サイズ剤に関す
る。さらに詳しくは、分子量分布が狭いため、少量の添
加でも優れたサイズ効果を示すサイズ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、表面サイズ剤としてα,β−
不飽和カルボン酸(塩)の(共)重合体等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ラジカル重合
により得られるα,β−不飽和カルボン酸(塩)の
(共)重合体は分子量分布が広いため、分子量分布を狭
くしてさらなる性能向上が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラジカル
重合により分子量分布が狭いエチレン性不飽和単量体を
構成単位とする(共)重合体が少量の添加でも優れたサ
イズ効果を示すことを見出し本発明に至った。すなわち
本発明は、エチレン性不飽和単量体を、ラジカル重合開
始剤および下記一般式(1)で表されるラジカル重合用
連鎖移動剤を使用して重合して得られる(共)重合体
(A)からなる表面サイズ剤である。 一般式 式中、Qは多価有機基、X1はカルボニル基または−C
ONH−、A1、A2は炭素数1〜8のアルキレン基、X
2は酸素原子、硫黄原子またはNH基、Zは連鎖移動
基、p、q、r、xはそれぞれ0または1、mは1〜5
0の整数、nは2〜100の整数を表し、[]内およ
び、mが2〜50の場合の{}内はそれぞれ同一でも異
なっていても良い。
【0005】本発明において、エチレン性不飽和単量体
としては次のものがあげられる。これらは2種以上併用
してもよい。 (a1)α,β−不飽和カルボン酸(塩)およびその誘
導体:(メタ)アクリル酸(塩)、(無水)マレイン酸
(塩)、マレイン酸エステル、フマル酸(塩)、フマル
酸エステル、シトラコン酸(塩)、シトラコン酸エステ
ル、(メタ)アクリル酸(塩)、(メタ)アクリル酸エ
ステル[アルキル基の炭素数が1〜30(具体的にはメ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル
(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリド
デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アク
リレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタ
デシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)ア
クリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイ
コシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリ
レートなど]、ヒドロキシポリオキシアルキレンエーテ
ルモノ(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミ
ド等 (a2)スルホン基含有単量体:ビニルスルホン酸
(塩)、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、スチレンス
ルホン酸(塩)、α−メチルスチレンスルホン酸
(塩)、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン
酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−
ジメチルエタンスルホン酸(塩)、3−(メタ)アクリ
ロイルオキシエタンスルホン酸(塩)、3−(メタ)ア
クリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
(塩)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸(塩)、3−(メタ)アクリルアミド−
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)、アルキル
(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(塩)、ポリ
(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピ
レン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)
モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物(塩)
[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリ
レート硫酸エステル化物(塩)等]、ポリオキシエチレ
ン多環フェニルエーテル硫酸エステル(塩)、その他以
下の一般式で示される化合物等。 (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基を示し、Aは
炭素数2〜4のアルキレン基を示しnが複数の場合同一
でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブ
ロックでもよいを示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、Arは
ベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
【0006】 (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基を示し、Aは
炭素数2〜4のアルキレン基を示しnが複数の場合同一
でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブ
ロックでもよいを示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、Arは
ベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
【0007】 (式中、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素
数1〜15のアルキル基を示し、Xはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示
す。) (a3)脂肪族炭化水素単量体:エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ジイソブチレン、イソプレン、ブタ
ジエン等 (a4)スチレン類:スチレン、メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等 (a5)不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル等 (a6)フッ素含有ビニル単量体:パーフルオロオクチ
ルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル
エチル(メタ)アクリレート等 (a7)窒素含有ビニル単量体:ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレー
ト、塩化ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
塩化ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等 (a8)その他の単量体:ビニル変性シリコン、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等
【0008】(共)重合体(A)は、構成単位として、
α,β−不飽和カルボン酸(塩)を含有することが好ま
しく、その含有量は単量体全体の重量に対して、通常2
0〜80%、好ましくは30〜70%である。
【0009】一般式(1)において、Qとしては多価ア
ルコールまたは多価フェノールからOHを除いた残基、
多価カルボン酸からCOOHを除いた残基等があげられ
る。多価アルコールとしては、炭素数2〜8のアルキレ
ングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、
環状基を有する炭素数5〜10のジオールなどの2価ア
ルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ヘキサントリオールなどの炭素数3
〜12の3価アルコール;ペンタエリスリトール、メチ
ルグリコシド、ジグリセリンなどの炭素数4〜20の4
価アルコール;および更に高い官能基数を有するアルコ
ール類、たとえばペンチトール(アドニトール、アラビ
トール、キシリトールなど)、ヘキシトール(ソルビト
ール、マンニトール、イジトール、タリトール、ズルシ
トールなど)、糖類[ショ糖、単糖類(グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ソルボースなど)、少糖類
(クレハロース、ラクトース、ラフィノースなど)な
ど];グルコシド[たとえばポリオール(グリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ールなどのアルカンポリオール)のグルコシド];ポリ
アルカンポリオール[たとえばトリグリセリン、テトラ
グリセリンなどのポリグリセリン];ポリペンタエリス
リトール(ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトールなど);シクロアルカンポリオール[テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノールなど]など
が挙げられる。また、重合度100までのポリビニルア
ルコールをあげることができる。
【0010】さらに、ジ−およびトリエタノールアミ
ン;炭素数2〜20のアルキルアミン類、炭素数2〜6
のアルキレンジアミンたとえばエチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリアルキ
レンポリアミンたとえばジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミンなどの脂肪族アミン類、アニリン、フ
ェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジア
ミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミ
ンなどの芳香族アミン類、イソホロンジアミン、シクロ
ヘキシレンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン
などの脂環式アミン類、アミノエチルピペラジン等のア
ルキレンオキサイド付加物があげられる。
【0011】多価フェノールとしてはピロガロール、ハ
イドロキノン、フロログルシンなどの単環多価フェノー
ル;ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンなど
のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドと
の縮合物(ノボラック)、ポリフェノールなどが挙げら
れる。
【0012】多価カルボン酸としては、2価カルボン酸
[(1)炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(マレイ
ン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、グルタコン酸など);(2)炭素数8〜20の脂環
式ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸、メチル
メジック酸など);(3)炭素数8〜20の芳香族ジカ
ルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ト
ルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸など);
(4)側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアル
キルもしくはアルケニルコハク酸(イソドデセニルコハ
ク酸、n−ドデセニルコハク酸など)]、3価以上のカ
ルボン酸類[(1)炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボ
ン酸(1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5
−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−
2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸など);(2)炭素数9〜20
の脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサン
トリカルボン酸など);(3)炭素数9〜20の芳香族
ポリカルボン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7
−ナフタレントリカルボン酸および1,2,4−ナフタ
レントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸など)]等があげられる。さらに重合
度100までの不飽和ポリカルボン酸の重合物があげら
れる。
【0013】一般式(1)において、ZとしてはSH、
SR、SSR、CX3(Rは炭素数1〜20のアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリーロキシ
またはシクロアルキル基で、ハロゲン原子、アルキル
基、シアノ基、ニトロ基で置換されていても良い。Xは
塩素原子、臭素原子。)等があげられる。これらのう
ち、好ましいものはSHである。
【0014】一般式(1)において、Qが多価アルコー
ルまたは多価フェノールの残基の場合pは0であり、多
価カルボン酸残基の場合pは1である。pが0の場合、
xおよびqはそれぞれ0または1、rは0である。pが
1の場合、xは0であり、qおよびrはそれぞれ0また
は1である。
【0015】一般式(1)において、nは2〜8、mは
1〜30が好ましい。
【0016】一般式(1)で表される連鎖移動剤は、Z
がSHの場合例えば次のような方法で製造することが出
来る。 連鎖移動剤1(pが0、xが0、qが0、rが0の場
合) ω−メルカプト−アルキルアルコールに環状エーテルを
付加した後、多価アルコールとエーテル化する。あるい
は多価アルコールに環状エーテルを付加し、末端をチオ
ニルクロライド等で塩素化した後、水硫化アルカリと反
応させる。具体的な連鎖移動剤としては、ポリオキシエ
チレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテル
等があげられる。
【0017】連鎖移動剤2(pが1、xが0、qが0、
rが0の場合) ω−メルカプト−アルキルアルコールに環状エーテル
(環状サルファイド、環状イミン)を付加した後、多価
カルボン酸とエステル化する。
【0018】連鎖移動剤3(pが0、xが1、qが1、
rが0の場合) 多価アルコールに環状ラクトン(環状ラクタム)を付加
した後、ω−メルカプト−カルボン酸でエステル化(ア
ミド化)する。具体的な連鎖移動剤としてはトリエタノ
ールアミン−ε−カプロラクトン付加物−トリ−3−メ
ルカプトプロピオン酸エステル等があげられる。
【0019】連鎖移動剤4(pが0、xが1、qが0、
rが0の場合) 多価アルコールに環状ラクトン(環状ラクタム)を付加
した後、ω−メルカプト−ハロゲナイドでエーテル化
(アミノ化)する。具体的な連鎖移動剤としてはトリエ
タノールアミン−ε−カプロラクトン付加物−トリ−2
−メルカプトエチルエーテル等があげられる。
【0020】連鎖移動剤5(pが0、xが0、qが1、
rが0の場合) 多価アルコールに環状エーテル(環状サルファイド、環
状イミン)を付加した後、ω−メルカプト−カルボン酸
でエステル化(チオエステル化、アミド化)する。この
方法で製造できる具体的な連鎖移動剤としては、次のも
のがあげられる。 (1)アルキレングリコール(エチレングリコール、プ
ロピレングリコール等)にアルキレンオキサイド(エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等)を1〜10
0モル付加し、末端を3−メルカプトプロピオン酸でジ
エステルとしたもの。ポリオキシエチレングリコール
(数平均分子量630)ジ−3−メルカプトプロピオン
酸エステル、ポリオキシプロピレングリコール(数平均
分子量600)ジ−3−メルカプトプロピオン酸エステ
ル等。 (2)3価以上の多価アルコール(グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ショ等等)にアルキレンオキサイドを
1〜150モル付加し、末端を3−メルカプトプロピオ
ン酸でジエステルとしたもの。ペンタエリスリトールエ
チレンオキサイド20モル付加物のテトラ−3−メルカ
プトプロピオン酸エステル等。 (3)ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量50,000、
鹸化度10%)を2−メルカプト酢酸でエステル化した
もの。
【0021】連鎖移動剤6(pが1、xが0、qが1、
rが0の場合) 多価カルボン酸に環状エーテル(環状サルファイド、環
状イミン)を付加した後、ω−メルカプト−カルボン酸
でエステル化(チオエステル化、アミド化)する。具体
的な連鎖移動剤としては、アジピン酸プロピレンオキサ
イド4モル付加物−ジ−2−メルカプト酢酸エステル等
があげられる。
【0022】連鎖移動剤7(pが1、xが0、qが0、
rが1の場合) 多価カルボン酸に環状ラクトン(環状ラクタム)を付加
した後、ω−メルカプト−アルコールでエステル化す
る。
【0023】これら連鎖移動剤のうち、好ましいものは
連鎖移動剤1〜4であり、さらに好ましいものは連鎖移
動剤1、2であり、特に好ましいものは連鎖移動剤1で
ある。
【0024】上記化合物の製造において、例えば環状エ
ーテルと環状ラクトンを共付加することも可能であり、
共付加する場合ランダム共付加、ブロック共付加のいず
れでも良い。環状エーテルとしてはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピ
クロルヒドリン、スチレンオキサイド等があげられ、環
状チオエーテルとしてはエピサルファイド等があげら
れ、環状イミンとしてはエチレンイミン等があげられ
る。これらは共付加することも可能であり、共付加する
場合ランダム共付加、ブロック共付加のいずれでも良
い。これらのうち、好ましいものは環状エーテルであ
り、さらに好ましいものはエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイドおよびこれらの混合物である。環状ラク
トンとしてはε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン
等があげられ、環状ラクタムとしてはε−カプロラクタ
ム等があげられる。これらは共付加することも可能であ
り、共付加する場合ランダム共付加、ブロック共付加の
いずれでも良い。
【0025】本発明の連鎖移動剤の本旨は、複数の連鎖
移動基が、相互に少なくとも4個の官能基(エーテル、
エステル、アミド等)を隔てて存在することにあり、こ
のことにより初めて分子量分布の狭い重合体の製造を可
能ならしめたものである。
【0026】上記条件を満足するものであれば、求める
重合体の性状により、任意にその構造を選択することが
できる。例えば上記化合物1で言えば付加する環状エー
テルは、エチレンオキサイドが好ましい。
【0027】本発明において使用する連鎖移動剤の量
は、単量体に対し通常0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10%、特に好ましくは0.1〜5%であ
る。
【0028】重合に使用する開始剤としては公知の物が
使用でき、例としては、水溶性アゾ開始剤(アゾビスア
ミジノプロパン(塩)、アゾビスシアノバレリン酸
(塩)等)、油溶性アゾ開始剤(アゾビスシアノバレロ
ニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシク
ロヘキサンカルボニトリル等)、水溶性過酸化物(過酸
化水素、過酢酸等)、油溶性過酸化物(ベンゾイルパー
オキシド、クメンヒドロキシパーオキシド等)、無機過
酸化物(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等)等
が挙げられる。上記のような過酸化物と還元剤とでレド
ックス開始剤系を形成しても良く、還元剤の例としては
重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、
重亜硫酸アンモニウム等)、3級アミン(ジメチルアミ
ノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等)、遷
移金属塩のアミン錯体(塩化コバルト(III)のペン
タメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレ
ントリアミン錯体等)等があげられる。また、アゾ開始
剤、過酸化物開始剤、ないしレドックス開始剤を適宜併
用してもよい。重合開始剤の量はラジカル重合性単量体
のに対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは
0.05〜5重量%である。
【0029】本発明の重合体の製造法において重合方法
としては、溶液重合、乳化重合、懸濁および塊状重合の
いずれでも良い。溶液重合の場合の溶剤としては、水、
アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等)、ケトン類(アセトン、メチルイソブチルケト
ン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン等)、脂肪族
炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素
類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン系溶剤(エチレ
ンジクロライド等)およびこれらの混合物等があげられ
る。
【0030】重合温度としては、通常50〜300℃、
好ましくは100〜250℃である。溶液重合の場合、
常圧下重合溶液の沸点以下の温度、常圧下重合溶液の沸
点、および加圧下重合溶液の沸点以上の温度等があげら
れる。また分散媒、乳化剤、分散剤等を使用する場合は
特に制限がなく公知のものが使用できる。
【0031】本発明の製造法により得られる重合体の重
量平均分子量は、通常5,000〜500,000、好
ましくは10,000〜300,000である。分子量
分布は通常1.20〜3.00、好ましくは1.20〜
2.50である。分子量分布は重合系により異なるが、
本発明の連鎖移動剤を使用しない場合に比較して格段に
狭くなる。ここで分子量分布とは、(重量平均分子量/
数平均分子量)を意味する
【0032】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。実施例中の部は重量部である。GPCによる数平均
分子量および分子量分布の測定法は次の通り。 機 種 :Waters600(日本ウオーターズ・
リミテッド製) カラム :TSK gel G5000pwXL(東
ソー製) TSK gel G3000pwXL(東ソー製) カラム温度:40℃ 検出器 :RI 溶 媒 :0.5%酢酸ソーダ・水/メタノール(体
積比70/30) 試料濃度 :0.25重量% 注入量 :200μl 標 準 :ポリオキシエチレングリコール
【0033】
【実施例】
(連鎖移動剤の製造) 製造例1 耐圧反応容器にエチレングリコール620部、水酸化カ
リウム3部を仕込み、窒素置換後130℃に昇温した。
130〜160℃でエチレンオキサイド5,740部を
5時間かけて仕込み反応させた。同温度で1時間熟成
後、50〜70℃に冷却し、水160部、合成ケイ酸マ
グネシウム60部を加え2時間攪拌後、濾過した。その
後脱水して、数平均分子量630のポリオキシエチレン
グリコール6,000部を得た。ついで、このポリオキ
シエチレングリコール630部を反応容器に仕込み、攪
拌しながら80℃で塩化チオニル260部を2時間かけ
て滴下した。同温度を1時間保持した後、30%水硫化
ナトリウム水溶液500部を3時間かけて滴下した。同
温度で1時間保持した後室温に戻し、分液して本発明の
連鎖移動剤であるポリオキシエチレングリコール−ジ−
2−メルカプトエチルエーテル600部を得た。これを
連鎖移動剤Aとする。
【0034】製造例2 耐圧反応容器にペンタエリスリトール680部、水酸化
カリウム5部を仕込み、窒素置換後130℃に昇温し
た。130〜160℃でエチレンオキサイド4,450
部を5時間かけて仕込み反応させた。同温度で1時間熟
成後、50〜70℃に冷却し、水160部、合成ケイ酸
マグネシウム60部を加え2時間攪拌後、濾過した。そ
の後脱水して、ペンタエリスリトールのエチレンオキサ
イド20モル付加物5,000部を得た。ついで、この
付加物510部を反応容器に仕込み、攪拌しながら80
℃で塩化チオニル520部を4時間かけて滴下した。同
温度を1.5時間保持した後、30%水硫化ナトリウム
水溶液1,000部を5時間かけて滴下した。同温度で
2時間保持した後室温に戻し、分液して本発明の連鎖移
動剤であるペンタエリスリトールエチレンオキサイド付
加物テトラ−2−メルカプトエチルエーテルを得た。こ
れを連鎖移動剤Bとする。
【0035】実施例1 耐圧反応容器にイソプロピルアルコール260部、水5
50部を仕込み、窒素置換後密閉し、100℃に昇温し
た。攪拌下メタアクリル酸170部、メタアクリル酸ブ
チル120部および連鎖移動剤A20部の均一混合物
と、過硫酸ナトリウム4%水溶液45部とを別々の容器
から同時に、4時間かけて滴下した。同温度で1時間保
持した後、水酸化ナトリウム48%水溶液15部で中和
した。次いで、イソプロピルアルコールを留去しさらに
28%アンモニア水溶液で中和して、メタアクリル酸塩
共重合体の30%水溶液1,000部を得た。重量平均
分子量は100,000、分子量分布は1.8であっ
た。
【0036】比較例1 連鎖移動剤Aを使用しない以外は実施例1と同様にし
て、メタアクリル酸塩共重合体の30%水溶液1,00
0部を得た。重量平均分子量は110,000、分子量
分布は4.2であった。
【0037】実施例2 耐圧反応容器にエチレンジクロライド320部、無水マ
レイン酸95部および連鎖移動剤B20部を仕込み、窒
素置換後80℃に昇温した。攪拌下、アクリル酸ブチル
27部とスチレン90部の混合物と、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル10%エチレンジクロライド溶液
20部を、別々の容器から同時に3時間かけて滴下し重
合させた。同温度で1時間保持した後、2−エチルヘキ
シルアルコール40部とブチルセロソルブ30部の混合
物を加えエステル化した。水酸化ナトリウム48%水溶
液6部で中和した後、エチレンジクロライドを留去し、
さらに28%アンモニア水溶液140部を加え、マレイ
ン酸半エステル塩共重合体塩の30%水溶液1,000
部を得た。重量平均分子量は30,000、分子量分布
は1.5であった。
【0038】比較例2 連鎖移動剤Bを使用しない以外は実施例2と同様にし
て、マレイン酸半エステル塩共重合体の30%水溶液
1,000部を得た。重量平均分子量は40,000、
分子量分布は3.2であった。
【0039】比較例3 連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン10部を使用し
た以外は実施例2と同様にして、マレイン酸半エステル
塩共共重合体の30%水溶液を得た。重量平均分子量は
20,000、分子量分布は3.8であった。
【0040】(評価)実施例1、2および比較例1〜3
で得られた共重合体30%水溶液を用いてサイズ効果の
評価を行った結果を表1に示す。評価条件は次の通り。 (1)原紙 パルプ L−BKP 100% 填料 タルク(紙中灰分12%) pH 4.9(熱水抽出法) ステキヒトサイズ度 2秒 (2)表面サイジング 装置 ラボサイズプレス 併用薬剤 酸化デンプン(1.8g/m2
固形分) 乾燥 回転型オートドライヤー、105
℃、60秒
【0041】
【表1】 ステキヒトサイズ度(秒) コブサイズ度(g/m2) 塗布量(g/m2) 0.01 0.03 0.01 0.03 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 27 39 14 13 実施例2 26 38 15 13 比較例1 22 26 20 19 比較例2 20 25 21 19 比較例3 18 22 25 22 塗布量は、固形分(共重合体塩)基準。
【0042】表1に示すように、本発明のサイズ剤はサ
イズ効果が高い。
【0043】
【発明の効果】本発明のサイズ剤は、分子量分布が狭い
ため、少量の添加で優れたサイズ効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 直 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 太香雄 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体を、ラジカル重
    合開始剤および下記一般式(1)で表されるラジカル重
    合用連鎖移動剤を使用して重合して得られる(共)重合
    体(A)からなる表面サイズ剤。 一般式 式中、Qは多価有機基、X1はカルボニル基または−C
    ONH−、A1、A2は炭素数1〜8のアルキレン基、X
    2は酸素原子、硫黄原子またはNH基、Zは連鎖移動
    基、p、q、r、xはそれぞれ0または1、mは1〜5
    0の整数、nは2〜100の整数を表し、[]内およ
    び、mが2〜50の場合の{}内はそれぞれ同一でも異
    なっていても良い。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、ZがSHである
    請求項1記載のサイズ剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、p、q、r、x
    がそれぞれ0、X2が酸素原子である請求項1または2
    記載のサイズ剤。
  4. 【請求項4】 (共)重合体(A)が、構成単位とし
    て、α,β−不飽和カルボン酸(塩)を含有する請求項
    1〜3いずれか記載のサイズ剤。
  5. 【請求項5】 (共)重合体(A)の重量平均分子量が
    5,000〜500,000であり、分子量分布が1.
    2〜3.0である請求項1〜4いずれか記載のサイズ
    剤。
  6. 【請求項6】 連鎖移動剤の量が、単量体の合計量に対
    して、0.01〜20重量%である請求項1〜5いずれ
    か記載のサイズ剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2015074667A (ja) * 2013-10-04 2015-04-20 株式会社日本触媒 (ポリ)アルキレングリコール系ブロック共重合体およびその用途

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