JPH0940648A - 新規な8−(2−アミノアルコキシ)キノリン誘導体 - Google Patents

新規な8−(2−アミノアルコキシ)キノリン誘導体

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JPH0940648A
JPH0940648A JP19779095A JP19779095A JPH0940648A JP H0940648 A JPH0940648 A JP H0940648A JP 19779095 A JP19779095 A JP 19779095A JP 19779095 A JP19779095 A JP 19779095A JP H0940648 A JPH0940648 A JP H0940648A
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JP
Japan
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fluoro
ethyl
compound
hydrogen atom
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Withdrawn
Application number
JP19779095A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Yasunaga
智之 安永
Yasuhiro Yonetoku
康博 米徳
Satoshi Hayashibe
敏 林辺
Makoto Naito
良 内藤
Naoki Imanishi
直樹 今西
Hiroshi Yamashita
浩 山下
Tokio Yamaguchi
時男 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精神神経疾患を初めとする,5−HT神経系
が関与する疾患の処置に用いることができる化合物。 【解決手段】 一般式(I)で示される8−(2−アミ
ノアルコキシ)キノリン誘導体又はその製薬学的に許容
される塩。 【化1】 (ただし,式中の記号は以下の意味を有する。R1:水
素原子,ハロゲン原子,低級アルコキシ基等,R2:水
素原子,オキソ基等,R3:水素原子,低級アルキル基
等,ただし,R3は存在しない場合がある。R4:水素原
子又は低級アルキル基,R5,R6,R7:同一又は異な
って,水素原子,低級アルキル基,ヒドロキシ基,低級
アルキルチオ基,低級アルコキシ基等,但し,R5及び
6は一体となって,−O−(CH2l−(l:2〜4
の整数),−O−(CH2m−O−(m:1〜3の整
数),−(CH2n− (n:2〜6の整数)又は−C
H=CH−CH=CH−を形成してもよい。 【化2】 A:低級アルキル基で置換されていてもよいエチレン
基,B:分枝を有していてもよい直鎖の炭素数が1〜1
0のアルキレン基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,医薬,特に5−H
1A 受容体に対して選択的な親和性を有する新規な8
−(2−アミノアルコキシ)キノリン誘導体又はその製
薬学的に許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,抗不安薬としてジアゼパム等
のいわゆるベンゾジアゼピン系の薬剤が広く使用されて
きた。ところが,こうしたベンゾジアゼピン系薬剤は筋
弛緩や運動失調などの副作用や依存性形成などの問題が
あることから,これらに代わる薬剤の研究が進められて
きた。こうした中で,神経伝達物質セロトニン(5−ヒ
ドロキシトリプタミン:以下,5−HTと略記する。)
の受容体のサブタイプの一つである,5−HT1A受容体
に親和性を持つ化合物であるブスピロン(Buspirone;
メルクインデックス 11版229頁に記載の化合物)
が新しい抗不安薬として開発された。しかし,その作用
は必ずしも十分でなく,より効果の優れた抗不安薬が求
められている。
【0003】一方最近数年の間,5−HTが,食欲,記
憶,体温調節,睡眠,性的行動,不安,うつ病,及び幻
覚行動を含む多くの生理学的現象と直接的又は間接的に
関連していることが明らかにされてきた。
【0004】5−HT受容体には複数のサブタイプが存
在することが認識されているが,その中で5−HT1A
容体は不安,うつなどの中枢神経系の疾病に関与してい
ると考えられている。
【0005】従来,5−HT1A受容体に対し選択的な親
和性を有する化合物の代表的なものとしては,ブスピロ
ンの他,ビノスピロン(binospirone; Hibert et al.,B
r.J.Pharmacol,1988, 93,2頁にMDL73005EF
として,及び特開昭61−246180号公報に実施例
9として記載された化合物)等が知られている。このよ
うな化合物は,不安,うつ,精神***病,食餌摂取の障
害,学習及び認識の障害,アルツハイマー病,あるいは
高血圧や偏頭痛などの治療薬となる可能性があると考え
られており,中でもブスピロンは既に抗不安薬として上
市されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は,5−HT
1A受容体に関する研究を重ね,種々の化合物を創製して
スクリーニングを進めてきた結果,新規な8−(2−ア
ミノアルコキシ)キノリン誘導体が5−HT1A受容体に
対して優れた選択的親和性を有し,更に薬理試験におい
て不安寛解作用を示すことを知見して,本発明を完成さ
せるに至った。なお,アミノアルコキシキノリン誘導体
としては,特開昭63−38005号公報に記載されて
いる。しかし,本発明化合物は,置換基R1により構造
を異にし,R1が水素原子の場合には,キノリン環にお
けるカルボニル基の位置により構造を異にしており,ま
た,5−HT1A受容体作動作用については,何ら開示さ
れていない。
【0007】また,5−HT1A受容体に対して親和性を
有する化合物としては,WO94/29293号公報に
8−(2−アミノアルコキシ)フルオロクロマン誘導体
が記載されている。しかし,本発明化合物は,クロマン
環ではなく,キノリン環であることにより構造を異にす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,下記一般式
(I)で示される8−(2−アミノアルコキシ)キノリ
ン誘導体又はその製薬学的に許容される塩に関する。
【0009】
【化3】
【0010】(ただし,式中の記号は以下の意味を有す
る。 R1:水素原子,ハロゲン原子,低級アルコキシ基又は
低級アルコキシ低級アルコキシ基 R2:水素原子,オキソ基又は水酸基 ただし,R1が水素原子であるときは,R2のオキソ基は
キノリン環の3位又は4位の炭素原子に結合する。
【0011】R3:水素原子,低級アルキル基,低級ア
シル基又は低級アルコキシカルボニル基 ただし,R3は存在しない場合がある。
【0012】R4:水素原子又は低級アルキル基 R5,R6,R7:同一又は異なって,水素原子,低級ア
ルキル基,ヒドロキシ基,低級アルキルチオ基,アミノ
基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,低級アルカ
ノイルアミノ基,シアノ基,ニトロ基,低級アルカノイ
ルオキシ基,低級アルカノイル基,低級アルコキシカル
ボニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ低級アルコキ
シ基,低級アルコキシ基,又は,1若しくは2個の酸素
原子を有する5若しくは6員ヘテロ環とベンゼン環とが
縮合した2環縮合環基で置換されている低級アルコキシ
基であり,但し,R5及びR6は一体となって−O−(C
2l− (l:2〜4の整数),−O−(CH2m
O− (m:1〜3の整数),−(CH2n− (n:
2〜6の整数)又は−CH=CH−CH=CH−を形成
してもよい。
【0013】
【化4】
【0014】A:低級アルキル基で置換されていてもよ
いエチレン基 B:分枝を有していてもよい直鎖の炭素数が1〜10の
アルキレン基) R1は水素原子又はフッ素原子が好ましく,フッ素原子
が更に好ましい。R2はオキソ基又は水酸基が好まし
く,オキソ基が更に好ましい。
【0015】R5,R6又はR7は,同一又は異なって,
水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基又はヒド
ロキシ基であること,又は,R5及びR6は一体となって
−O−(CH2m−O−(m:1,2又は3)を形成す
ることが好ましい。
【0016】本発明において,下記一般式(Ia)で示
される8−(2−アミノアルコキシ)キノリン誘導体又
はその製薬学的に許容される塩が好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】(ただし,式中の記号は以下の意味を有す
る。 R4:水素原子又は低級アルキル基 R5,R6,R7:同一又は異なって,水素原子,低級ア
ルキル基,ヒドロキシ基,低級アルキルチオ基,アミノ
基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,低級アルカ
ノイルアミノ基,シアノ基,ニトロ基,低級アルカノイ
ルオキシ基,低級アルカノイル基,低級アルコキシカル
ボニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ低級アルコキ
シ基,低級アルコキシ基,又は,1若しくは2個の酸素
原子を有する5若しくは6員ヘテロ環とベンゼン環とが
縮合した2環縮合環基で置換されている低級アルコキシ
基であり,但し,R5及びR6は一体となって−O−(C
2l− (l:2〜4の整数),−O−(CH2m
O− (m:1〜3の整数),−(CH2n− (n:
2〜6の整数)又は−CH=CH−CH=CH−を形成
してもよい。
【0019】
【化6】
【0020】A:低級アルキル基で置換されていてもよ
いエチレン基 B:分枝を有していてもよい直鎖の炭素数が1〜10の
アルキレン基) 上記一般式(Ia)で示される8−(2−アミノアルコ
キシ)キノリン誘導体又はその製薬学的に許容される塩
は,下記一般式(Ib)で示される8−(2−アミノア
ルコキシ)キノリン誘導体又はその製薬学的に許容され
る塩を包含する。
【0021】
【化7】
【0022】(ただし,式中の記号は以下の意味を有す
る。 R4:水素原子又は低級アルキル基 R5,R6,R7:同一又は異なって,水素原子,低級ア
ルキル基,低級アルコキシ基又はヒドロキシ基 但し,R5及びR6は一体となって−O−(CH2m−O
− (m:1,2又は3)を形成してもよい。
【0023】
【化8】
【0024】kは,2乃至8の整数であり,2乃至4の
整数が好ましい。)
【0025】
【発明の実施の形態】一般式(I)の化合物をさらに説
明すると,次の通りである。本明細書中,『低級』なる
語は,炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖
を意味する。従って,低級アルキル基(−R)として
は,具体的には例えばメチル基,エチル基,プロピル
基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,sec
−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,イソペ
ンチル基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,1
−メチルブチル基,2−メチルブチル基,1,2−ジメ
チルプロピル基,ヘキシル基,イソヘキシル基,1−メ
チルペンチル基,2−メチルペンチル基,3−メチルペ
ンチル基,1,1−ジメチルブチル基,1,2−ジメチ
ルブチル基,2,2−ジメチルブチル基,1,3−ジメ
チルブチル基,2,3−ジメチルブチル基,3,3−ジ
メチルブチル基,1−エチルブチル基,2−エチルブチ
ル基,1,1,2−トリメチルプロピル基,1,2,2
−トリメチルプロピル基,1−エチル−1−メチルプロ
ピル基,1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げら
れる。
【0026】「低級アルコキシ基(−OR)」として
は,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロ
ポキシ基,ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブト
キシ基,tert−ブトキシ基,ペンチルオキシ(アミ
ルオキシ)基,イソペンチルオキシ基,tert−ペン
チルオキシ基,ネオペンチルオキシ基,2−メチルブト
キシ基,1,2−ジメチルプロポキシ基,1−エチルプ
ロポキシ基,ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0027】「低級アルコキシ低級アルコキシ基(−O
−アルキレン−OR)」とは,前記「低級アルコキシ
基」を置換基として有する低級アルコキシ基をいい,具
体的にはメトキシメトキシ基,エトキシメトキシ基等が
挙げられる。
【0028】「1若しくは2個の酸素原子を有する5若
しくは6員ヘテロ環とベンゼン環とが縮合した2環縮合
環基で置換されている低級アルコキシ基」を形成する
「低級アルコキシ基」としても上記に掲げたものが好適
である。この場合の低級アルコキシ基が置換基として有
する「1若しくは2個の酸素原子を有する5若しくは6
員ヘテロ環とベンゼン環とが縮合した2環縮合環基」の
具体例は,下記に示すものが好適である。
【0029】
【化9】
【0030】「低級アルキルチオ基(−SR)」として
は,具体的には例えばメチルチオ基,エチルチオ基,プ
ロピルチオ基,イソプロピルチオ基,ブチルチオ基,イ
ソブチルチオ基,sec−ブチルチオ基,tert−ブ
チルチオ基,ペンチルチオ基,イソペンチルチオ基,ネ
オペンチルチオ基,tert−ペンチルチオ基,1−メ
チルブチルチオ基,2−メチルブチルチオ基,1,2−
ジメチルプロピルチオ基,ヘキシルチオ基,イソヘキシ
ルチオ基,1−メチルペンチルチオ基,2−メチルペン
チルチオ基,3−メチルペンチルチオ基,1,1−ジメ
チルブチルチオ基,1,2−ジメチルブチルチオ基,
2,2−ジメチルブチルチオ基,1,3−ジメチルブチ
ルチオ基,2,3−ジメチルブチルチオ基,3,3−ジ
メチルブチルチオ基,1−エチルブチルチオ基,2−エ
チルブチルチオ基,1,1,2−トリメチルプロピルチ
オ基,1,2,2−トリメチルプロピルチオ基,1−エ
チル−1−メチルプロピルチオ基,1−エチル−2−メ
チルプロピルチオ基等が挙げられる。
【0031】「モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基」
としては,炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルキ
ル基を有するアミノ基である。ジアルキルアミノ基のと
き,二つのアルキル基は同一でもよければ,異なってい
てもよい。モノアルキルアミノ基としては,例えば,メ
チルアミノ基,エチルアミノ基,プロピルアミノ基,イ
ソプロピルアミノ基,ブチルアミノ基,イソブチルアミ
ノ基,sec−ブチルアミノ基,tert−ブチルアミ
ノ基,ペンチルアミノ基,イソペンチルアミノ基,ネオ
ペンチルアミノ基,tert−ペンチルアミノ基,1−
メチルブチルアミノ基,2−メチルブチルアミノ基,
1,2−ジメチルプロピルアミノ基,ヘキシルアミノ
基,イソヘキシルアミノ基,1−メチルペンチルアミノ
基,2−メチルペンチルアミノ基,3−メチルペンチル
アミノ基,1,1−ジメチルブチルアミノ基,1,2−
ジメチルブチルアミノ基,2,2−ジメチルブチルアミ
ノ基,1,3−ジメチルブチルアミノ基,2,3−ジメ
チルブチルアミノ基,3,3−ジメチルブチルアミノ
基,1−エチルブチルアミノ基,2−エチルブチルアミ
ノ基,1,1,2−トリメチルプロピルアミノ基,1,
2,2−トリメチルプロピルアミノ基,1−エチル−1
−メチルプロピルアミノ基,1−エチル−2−メチルプ
ロピルアミノ基等が挙げられる。
【0032】「ジアルキルアミノ基」としては,例え
ば,ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,ジプロピル
アミノ基,ジイソプロピルアミノ基,ジブチルアミノ
基,ジイソブチルアミノ基,ジ(sec−ブチル)アミ
ノ基,ジ(tert−ブチル)アミノ基,ジペンチルア
ミノ基,ジイソペンチルアミノ基,ジネオペンチルアミ
ノ基,ジ(tert−ペンチル)アミノ基等が挙げられ
る。また,メチルエチルアミノ基,メチルプロピルアミ
ノ基,メチルイソプロピルアミノ基,メチルブチルアミ
ノ基,メチルイソブチルアミノ基等のメチル低級アルキ
ルアミノ基,エチルプロピルアミノ基,エチルイソプロ
ピルアミノ基,エチルブチルアミノ基,エチルイソブチ
ルアミノ基,エチルsec−ブチルアミノ基等のエチル
低級アルキルアミノ基等が挙げられる。
【0033】「低級アルカノイルアミノ基(−NR’−
CO−R’;R’は水素原子を含む。)」としては,ホ
ルミルアミノ基,アセチルアミノ基,プロピオニルアミ
ノ基,イソプロピオニルアミノ基,ブチリルアミノ基,
イソブチリルアミノ基,バレリルアミノ基,イソバレリ
ルアミノ基,ピバロイルアミノ基,ヘキサノイルアミノ
基,N−アセチル−N−メチルアミノ基等が挙げられ
る。
【0034】「低級アルカノイルオキシ基(−O−CO
−R’)」としては,ホルミルオキシ基,アセトキシ
基,プロピオニルオキシ基,イソプロピオニルオキシ
基,ブチリルオキシ基,イソブチリルオキシ基,バレリ
ルオキシ基,イソバレリルオキシ基,ピバロイルオキシ
基,ヘキサノイルオキシ基等が挙げられる。
【0035】「低級アルカノイル基(−CO−R’)」
としては,ホルミル基,アセチル基,プロピオニル基,
イソプロピオニル基,ブチリル基,イソブチリル基,バ
レリル基,イソバレリル基,ピバロイル基,ヘキサノイ
ル基等が挙げられる。
【0036】R3の「低級アシル基」とは,前記低級ア
ルカノイル基又はアリールカルボニル基を意味する。
「アリールカルボニル基」としては,ベンゾイル基,ナ
フトイル基等が挙げられる。
【0037】R3又はR5,R6若しくはR7の「低級アル
コキシカルボニル基(−CO−O−R)」としては,メ
トキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,プロポキ
シカルボニル基,イソプロポキシカルボニル基,ブトキ
シカルボニル基,イソブトキシカルボニル基,ペンチル
オキシカルボニル基,ヘキシルオキシカルボニル基等が
挙げられる。
【0038】R1又はR5,R6若しくはR7の「ハロゲン
原子」としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨ
ード原子が挙げられる。R1の「ハロゲン原子」として
は,フッ素原子が好ましく,R5,R6又はR7の「ハロ
ゲン原子」としては,フッ素原子,塩素原子及び臭素原
子が好ましい。
【0039】「分枝を有していてもよい直鎖の炭素数が
1〜10のアルキレン基」としては,メチレン基,エチ
レン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘ
キシレン基,メチルメチレン基,メチルエチレン基,メ
チルプロピレン基,1,1−ジメチルブチレン基,1,
2−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】R5及びR6は一体となって−O−(C
2l− (l:2〜4の整数),−O−(CH2m
O− (m:1〜3の整数),−(CH2n− (n:
2〜6の整数)又は−CH=CH−CH=CH−を形成
してもよい。
【0043】隣接するベンゼン環と縮合した縮合環とし
ては,下記のものが挙げられる。
【0044】
【化12】
【0045】この縮合環を構成するベンゼン環にR7
換基が結合する。本発明化合物(I)は,R2がオキソ
基の場合,即ち,カルボニル基を有する場合には,溶存
状態においてケト−エノール互変異性体を有する。下記
に2位の炭素にオキソ基が結合した場合における互変異
性を例示する。従って,本発明化合物は,かかる互変異
性体を包含する。
【0046】
【化13】
【0047】本発明化合物は,不斉炭素原子を有する場
合があり,不斉炭素原子に基づく異性体が存在しうる。
本発明はこれら光学異性体の混合物や単離されたものを
包含する。
【0048】また,本発明化合物は,酸付加塩を形成す
る場合がある。塩としては,具体的に塩酸,臭化水素
酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の無機酸,ギ
酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク
酸,フマル酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,
クエン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,アス
パラギン酸,グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が
挙げられる。
【0049】さらに,本発明は,本発明化合物(I)及
びその塩の各種の溶媒和物や結晶多形の物質をも包含す
る。
【0050】(製造法)本発明化合物及びその塩は,そ
の基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用
し,種々の合成法を適用して製造することができる。そ
の際,官能基の種類によっては,当該官能基を原料ない
し中間体の段階で適当な保護基,すなわち容易に当該官
能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上
効果的な場合がある。しかるのち,必要に応じて保護基
を除去し,所望の化合物を得ることができる。このよう
な官能基としては例えば水酸基やアミノ基などを挙げる
ことができ,それらの保護基としては例えばグリーン
(Greene)及びウッツ(Wuts)著,「Pro
tective Groups in Organic
Synthesis」,第2版に記載の保護基を挙げる
ことができ,これらを反応条件に応じて適宜用いればよ
い。
【0051】以下に本発明化合物の代表的な製造法を例
示する。第一製法
【0052】
【化14】
【0053】(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,A及びBは前記の意味を有し,Xは,ハロゲン原
子,メチルスルホニルオキシ基,トリフルオロメチルス
ルホニルオキシ基,パラトルエンスルホニルオキシ基等
のアルキル基の活性化基を意味し,Zは水素原子,又
は,ベンジル基,ホルミル基,アセチル基,t−ブトキ
シカルボニル基,ベンジルオキシカルボニル基,エトキ
シカルボニル基などのアミノ基の保護基を意味する。) 本製法は,上式中(II)及び(III)で示される化合物
を適当な溶媒中で反応させ(N−アルキル化工程),Z
がアミノ基の保護基である場合又はその他の官能基が保
護基で保護されている場合は,これらをそれぞれ脱保護
して(脱保護工程),上式中の(I)で示される本発明
化合物を得る方法である。N−アルキル化工程は化合物
(II)とその反応対応量ないし過剰量の(III)とを使
用し,適当な溶媒中で冷却下ないし加熱下,好ましくは
室温ないし加熱下(還流下)に行われる。この際反応対
応量ないし過剰量の塩基を添加することが反応を円滑に
進行させる上で有利な場合がある。
【0054】溶媒としてはメタノール,エタノール等の
アルコール類,ベンゼン,トルエン等の炭化水素類,あ
るいはテトラヒドロフラン,ジオキサン,アセトニトリ
ル,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等,
この反応に不活性な溶媒が適宜用いられるほか,無溶媒
で反応を行うこともある。
【0055】また,この反応に用いる塩基としては,ト
リエチルアミン,ピリジン等の有機塩基類,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム等の強塩基から
なる無機塩類,水素化ナトリウム等が挙げられる。さら
に塩基が液体である場合には,その塩基が溶媒を兼ねて
もよい。
【0056】脱保護工程は,保護基の種類に応じて適宜
に方法が採用される。例えば,Zがベンジル基やベンジ
ルオキシカルボニル基である場合には通常パラジウム炭
素等の貴金属触媒を用いて加水素分解を行えばよく,ま
たZがホルミル基やt−ブトキシカルボニル基等である
場合には酸又はアルカリによる加水分解等の処理が用い
られる。
【0057】第二製法
【0058】
【化15】
【0059】(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6
7及びBは前記の意味を有し,A1は分枝を有していて
もよいメチレン基を示す。) 本発明化合物(I)中,上式中(Ic)で示される化合
物は,上式中(IV)で示されるアルデヒド化合物と
(V)で示されるアミン化合物を脱水縮合させ(縮合工
程),次いで還元する(還元工程),いわゆる還元的ア
ミノ化として知られる反応にて処理し,他の官能基が保
護基で保護されている場合はこれを脱保護する(脱保護
工程)ことにより得られる。
【0060】縮合工程は化合物(IV)とその反応対応
量の(V)とを使用して適当な溶媒中で冷却下ないし加
熱下,好ましくは室温ないし加熱下(還流下)に行わ
れ,その際共沸脱水装置あるいは分子ふるい等の脱水剤
を用いて脱水しながら反応を行ってもよい。また触媒と
して酢酸,p−トルエンスルホン酸等を加えることが好
ましい。溶媒としてはメタノール,エタノール等のアル
コール類,ベンゼン,トルエン等の炭化水素類,クロロ
ホルム,1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素類,あるいはテトラヒドロフラン,ジオキサン,アセ
トニトリル等,この反応に不活性な溶媒が適宜用いられ
る。
【0061】還元工程は適当な溶媒中金属水素化物等の
還元剤を用いるか,あるいは貴金属触媒の存在下接触還
元により行うことができる。還元剤としては水素化ホウ
素ナトリウム,シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が適宜
用いられ,冷却下ないし加熱下に縮合工程と同様の溶媒
を用いて行われる。接触還元の場合はパラジウム炭素,
酸化白金などの貴金属触媒の存在下,メタノール,エタ
ノール,酢酸エチル等,通常接触還元に使用される溶媒
中で常圧ないし加圧下に行われる。
【0062】なお本製法においては,縮合工程後脱水縮
合体を単離してから還元工程を行ってもよいし,脱水縮
合と還元の二つの反応を連続的又は同時に行ってもよ
い。また脱保護工程は,保護基の種類に応じて適宜に方
法が採用される。
【0063】第三製法
【0064】
【化16】
【0065】(式中,R1,R2,R3,R5,R6,R7
A,B及びXは前記の意味を有し,Z1はR4と同じ意味
を表すか,又はベンジル基,ホルミル基,アセチル基,
t−ブトキシカルボニル基,ベンジルオキシカルボニル
基,エトキシカルボニル基などのアミノ基の保護基を意
味する。) 本製法は,上式中(VI)で示されるアルコール化合物
及び(VII)で示される化合物を適当な溶媒中で反応
させ(O−アルキル化工程),Z1がアミノ基の保護基
である場合又はその他の官能基が保護基で保護されてい
る場合は,これらをそれぞれ脱保護して(脱保護工
程),上式中の(I)で示される本発明化合物を得る方
法である。
【0066】O−アルキル化工程は化合物(VI)とそ
の反応対応量ないし過剰量の(VII)とを使用し,反
応対応量ないし過剰量の塩基の存在下,適当な溶媒中で
冷却下ないし加熱下,好ましくは室温ないし加熱下(還
流下)に行われる。
【0067】溶媒としてはメタノール,エタノール等の
アルコール類,ベンゼン,トルエン等の炭化水素類,若
しくは,テトラヒドロフラン,ジオキサン,アセトン,
2−ブタノン,アセトニトリル,ジメチルホルムアミ
ド,ジメチルスルホキシド等が適宜用いられ,又は,水
−ジクロロメタン,水−トルエン等の二層系の条件で反
応を行ってもよい。
【0068】また,この反応に用いる塩基としては,炭
酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム等の無
機塩基類,水素化ナトリウム,水素化カリウム,金属ア
ルコキシド類,あるいは水酸化ベンジルトリメチルアン
モニウム等の4級アンモニウム類等が挙げられる。さら
にこれらの塩基とテトラブチルアンモニウム塩などの適
当な相間移動触媒を併用してもよい。
【0069】本製法における脱保護工程は第一製法で説
明した脱保護工程と同様に行うことができる。
【0070】第四製法
【0071】
【化17】
【0072】(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,A1及びBは前記の意味を有する。) 本発明化合物(I)中,上式中(Ic)で示される化合物
は,酸アミド(VIII)を還元することにより得られ
る。この反応はエーテル,テトラヒドロフラン,ジメト
キシエタン,あるいはヘキサン,ベンゼン,トルエン
等,反応に不活性な溶媒中で,冷却下ないし加熱下,好
ましくは0℃ないし加熱下(還流下)に適当な還元剤を
用いて行われる。還元剤としてはボラン,水素化リチウ
ムアルミニウム,水素化ビス(2−メトキシエトキシ)
アルミニウムナトリウム等が適宜用いられる。
【0073】第五製法
【0074】
【化18】
【0075】(式中,R1,R4,R5,R6,R7,A,
B及びZ1は前記の意味を有する。) 一般式(Id)で示される本発明化合物は,一般式(I
X)で示される化合物を環化し,必要により脱保護する
ことにより得ることができる。
【0076】環化工程は通常溶媒の存在下又は非存在
下,縮合生成物を加熱処理することにより行なわれる。
反応温度は150度ないし350度程度であり,反応溶媒とし
てはナフタレンやジフェニルエーテル等が用いられる。
脱保護工程は第一製法で説明した脱保護工程と同様に行
うことができる。
【0077】さらに本発明化合物の一部は,本発明の包
含する別の化合物に対して適当な操作を加え,その構造
の一部を変換することにより合成することができる。こ
のような変換としては例えばアミド基の加水分解やN-ア
シル化,N-アルキル化などを挙げることができる。以下
に代表的な変換例を掲げる。
【0078】第六製法
【0079】
【化19】
【0080】(式中,R1,R2,R4,R5,R6,R7
A及びBは前記の意味を有する。R3aは,低級アシル基
又は低級アルコキシカルボニル基を意味し,R3bは,低
級アルキル基を意味する。) 本発明化合物(Ie)は,本発明化合物(If)をアシ
ル化することにより得られる。また,本発明化合物(I
f)は,本発明化合物(Ie)を加水分解することによ
り得られる。アシル化では,本発明化合物(If)とそ
の反応対応量又は過剰量のカルボン酸又はその反応性誘
導体とを用いる。アシル化は,反応に不活性な溶媒中に
行われる。反応性誘導体の種類によっては塩基の存在下
に反応を行うのが有利な場合がある。反応温度は,反応
性誘導体の種類によって異なり,特に限定されない。
【0081】一方,加水分解は,酸又は塩基の存在下,
室温乃至加熱下に行われる。本発明化合物(Ig)は,
本発明化合物(If)をアルキル化することにより得ら
れる。アルキル化は,第一製法のN−アルキル化又は第
二製法と同様の還元的アミノ化を応用して行うことがで
きる。
【0082】第七製法
【0083】
【化20】
【0084】(式中,R1,R2,R3,R5,R6,R7
A及びBは前記の意味を有する。R4aは,低級アルキル
基を意味する。) 本発明化合物(Ii)は,本発明化合物(Ih)をアル
キル化することにより得られる。アルキル化は,第1製
法と同様に行うことができる。
【0085】第八製法
【0086】
【化21】
【0087】(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,A及びBは前記の意味を有する。R1aは,ハロゲ
ン原子を意味する。) 本発明化合物(I)は,本発明化合物(Ij)の置換基
1aを常法に従って置換することにより得られる。以
下,これらの原料化合物の製造法について説明する。
【0088】
【化22】
【0089】(式中,R1,R2,R3,A及びXは前記
の意味を有する。X1は,ハロゲン原子,メチルスルホ
ニルオキシ基,トリフルオロメチルスルホニルオキシ
基,パラトルエンスルホニルオキシ基等のアルキル基の
活性化基を意味する。) 一般式(II)で示されるエーテル化合物は,一般式
(X)で示されるアルコール化合物を一般式(XI)で
示されるアルキル化剤によりアルキル化することで得ら
れる。アルキル化反応は,アルコール化合物(X)とア
ルキル化剤(XI)とを反応対応量,あるいは一方を過
剰量として用いて,塩基の存在下,適当な溶媒中で冷却
下ないし加熱下,好ましくは室温ないし加熱下(還流
下)に行われる。塩基,溶媒等は,第三製法のO−アル
キル化と同様のものを好適に用いることができる。
【0090】
【化23】
【0091】(式中,R1,R2,R3,A1,X及びX1
は前記の意味を有する。) 一般式(IV)で示されるアルデヒド化合物は,一般式
(X)で示されるアルコール化合物を一般式(XII)
で示されるアルキル化剤によりアルキル化して,次い
で,酸化的に開裂させることで得られる。アルキル化工
程は,第三製法と同様にして行うことができる。酸化的
開裂工程では,過ヨウ素酸ナトリウム等の酸化剤を用い
ることができる。
【0092】
【化24】
【0093】(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,A1及びBは前記の意味を有する。R8は,水素原
子又は低級アルキル基を意味する。) 酸アミド(VIII)は,上式中(XIV)で示される
カルボン酸又はその反応性誘導体と(V)で示されるア
ミン化合物をカップリングさせること(N−アシル化工
程)で得ることができる。
【0094】アシル化工程は,化合物(XIV)又はそ
の反応性誘導体と化合物(V)とを反応対応量,あるい
は一方を過剰量として用い,ベンゼン,トルエン等の炭
化水素類,ジクロロメタン,クロロホルム等のハロゲン
化炭化水素類,あるいはエーテル,テトラヒドロフラ
ン,ジオキサン,アセトニトリル,ジメチルホルムアミ
ド,水等,この反応に不活性な溶媒中に行われる。反応
性誘導体の種類によっては塩基の存在下に反応を行うの
が有利な場合があり,そのような塩基としては,トリエ
チルアミン,ピリジン,4−ジメチルアミノピリジン等
の有機塩基類,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化
ナトリウム等の無機塩基類等が挙げられる。さらにピリ
ジン等液体の塩基の場合,その塩基を溶媒として用いて
もよい。反応温度は反応性誘導体の種類によって異な
り,特に限定されない。
【0095】
【化25】
【0096】(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,A,B及びZ1は前記の意味を有する。R8は,水
素原子又は低級アルキル基を意味する。) 一般式(IX)で示される縮合化合物は,アニリン誘導
体(XV),メルドラム酸(XVI)及びオルトギ酸エ
ステル(XVII)を縮合させることで得られる。この
縮合反応は室温ないし加熱下,好ましくは加熱還流下に
行なわれる。メルドラム酸(XVI)はアニリン誘導体
(XV)に対して当量ないし過剰量用いればよく,オル
トギ酸エステル(XVII)は通常過剰量が用いられ
る。オルトギ酸エステルとしてはオルトギ酸メチルやオ
ルトギ酸エチルが好ましい。反応溶媒としてはベンゼ
ン,トルエン等の炭化水素類やテトラヒドロフラン,ア
セトニトリル等の通常の溶媒を用いることができるが,
オルトギ酸エステルを溶媒として用いるのが便利であ
る。本工程におけるアミノ基の保護基としてはアセチル
基やエトキシカルボニル基等が好ましい。
【0097】上記各製法により得られた反応生成物は,
遊離化合物,その塩あるいは水和物など各種の溶媒和物
として単離され,精製される。塩は通常の造塩反応に付
すことにより製造できる。単離,精製は,抽出,濃縮,
留去,結晶化,濾過,再結晶,各種クロマトグラフィー
等通常の化学操作を適用して行われる。
【0098】
【発明の効果】本発明の化合物は5−HT受容体に対し
て親和性を有し,とりわけ,5−HT受容体のサブタイ
プである5−HT1A受容体に対して高い親和性を示す。
又本発明の化合物は薬理試験において強い不安寛解作用
を示す。このため本発明の化合物は精神神経疾患を初め
とする,5−HT神経系が関与する種々の疾患の処置に
用いることができる。このような疾患としては例えば不
安,緊張及びうつ,精神***病などの精神神経疾患,性
的機能障害,食餌摂取の障害,睡眠障害,及び薬物依存
等が挙げられる。さらにこれらは脳卒中,脳虚血,認識
障害,学習・記憶障害,アルツハイマー病,動揺病など
の処置のために用いることができる。さらにまた,これ
らは偏頭痛や高血圧等の循環器系の障害や,胃腸障害な
どの消化管疾患に対して用いることができる。
【0099】以下に本発明化合物の5−HT1A受容体に
対する親和性及び不安寛解作用について,実験例を掲記
して説明する。
【0100】5−HT1A受容体に対する親和性試験 (実験方法)5−HT1A受容体に対する親和性は,Pero
utkaの方法[J. Neurochem. 47, 529(1986)]に従い,
ラット海馬の標本を用いてトリチウム標識した8−OH
−DPATの置換を測定することにより求め,Ki値と
して表した。この結果,本発明化合物は,5−HT1A
容体に対する親和性が強いことが確認された。このため
本発明化合物は,5−HT神経系に関与する種々の疾患
の予防又は治療において,より優れた効果を有すること
が期待できる。
【0101】不安寛解作用試験 (実験方法)本発明化合物の不安寛解作用を,ラットに
おける社会的相互作用を指標として調べた[J. Neurosc
i. Methods., 2, 219(1980)]。不安寛解作用は社会的
相互作用時間の増加として示される。あらかじめ数日間
ハンドリングを行った雄性ウイスターラットに薬物を腹
腔内投与し,30分後,2匹を一組として試験用のケー
ジに入れ,10分間観察した。その間,ラットが臭い嗅
ぎ行動,追従行動,毛づくろい行動などの能動的な社会
的相互作用を行った時間を測定した。10分間のうちの
社会的相互作用の秒数の合計を求め,薬物非投与群と比
較した。本発明化合物の投与群では対照群に対して社会
的相互作用時間の有意な増加が認められた。以上の結果
より,本発明化合物が不安を始めとする5−HT1A受容
体が関与する疾患に対して,有効な薬剤であることが示
された。
【0102】一般式(I)で示された化合物又はその塩
の1種又は2種以上を有効成分として含有する製薬組成
物は,通常製剤化に用いられる担体や賦形剤,その他添
加剤を用いて調製される。
【0103】製剤用の担体や賦形剤としては,固体又は
液体状の非毒性医薬用物質が挙げられる。これらの例と
しては,たとえば乳糖,ステアリン酸マグネシウム,ス
ターチ,タルク,ゼラチン,寒天,ペクチン,アラビア
ゴム,オリーブ油,ゴマ油,カカオバター,エチレング
リコール等やその他常用のものが例示される。
【0104】投与は錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,
散剤,液剤等による経口投与,あるいは静注,筋注等の
注射剤,坐剤,経皮等による非経口投与のいずれの形態
であってもよい。投与量は症状,投与対象の年令,性別
等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが,通
常経口投与の場合成人1日当たり0.01〜300m
g,好ましくは0.1〜100mg程度であり,これを
一回で,あるいは2〜4回に分けて投与する。
【0105】
【実施例】以下,実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。なお,実施例において使用される原料化合物の
製造法を参考例として説明する。
【0106】参考例1 6−フルオロ−8−ヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロキノリン−2−オン 1.2g,炭酸水素ナト
リウム1.1g,硫酸水素テトラブチルアンモニウム
0.45g,1,2−ジブロモエタン8.58ml,水
10mlを混和し,70℃で2時間攪拌した。冷後希塩
酸を加えて酸性とし,クロロホルムで抽出した。有機層
を希塩酸と水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥
し,溶媒を留去した。得られた残渣をイソプロパノール
で再結晶することにより,8−(2−ブロモエトキシ)
−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリ
ン−2−オン 1.47gを得た。
【0107】質量分析値(EI,m/z):287(M
+),289(M++2) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:2.65(2H,t,C4−H2),2.93(2
H,t,C3−H2),3.67(2H,t,CH2
r),4.32(2H,t,OCH2),6.4〜6.
7(2H,m,Ar),7.86(1H,br s,N
H) 参考例2 1−アセチル−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン−8−オール850mg,1,2−ジブ
ロモエタン7.0ml,炭酸カリウム840mg,臭化
テトラブチルアンモニウム70mg,ジメチルホルムア
ミド14mlを混和し,80℃で16時間攪拌した。
1,2−ジブロモエタン4ml及び炭酸カリウム840
mgを追加し,80℃で更に24時間攪拌した。冷後不
溶物を濾去,溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−酢酸エ
チル 3:1)で精製し,1−アセチル−8−(2−ブ
ロモエトキシ)−5−フルオロ−1,2,3,4−テト
ラヒドロキノリン 300mgを得た。
【0108】質量分析値(EI,m/z):317(M
++2),315(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.5〜2.2(2H,m),2.08(3H,
s,COCH3),2.2〜3.2(3H,m),3.
58(2H,t,CH2Br),4.26(2H,t,
OCH2),4.4〜4.8(1H,m),6.7〜
7.0(2H,m,Ar)。
【0109】参考例3 6−フルオロ−8−キノリノール 448mg,α−モ
ノクロロヒドリン456mg,炭酸カリウム1.90
g,アセトニトリル20mlの混合物を,一夜加熱環流
した。冷後混合物にシリカゲル2.5gを加えてスラリ
ー状とし,溶媒を留去後,酢酸エチル−メタノール混合
溶媒で溶出して有機物を回収した。次にシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶離液クロロホルム−メタノー
ル−アンモニア 5:1:0.1)で精製することによ
り,3−(6−フルオロ−8−キノリルオキシ)−1,
2−プロパンジオール 133mgを得た。
【0110】質量分析値(FAB,m/z):238
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CD3OD,TMS内部標準) δ:3.6〜3.9(2H,m,C 2OH),3.9
〜4.5(3H,m,OCH2CH),7.1〜7.5
(2H,m,Ar),7.66(1H,dd,Ar),
8.38(1H,dd,Ar),8.87(1H,d,
Ar)。
【0111】シリカゲル1gを塩化メチレン5mlに懸
濁させ,攪拌下,過ヨウ素酸ナトリウム180mgの水
溶液(1ml)を滴下した。これに3−(6−フルオロ
−8−キノリルオキシ)−1,2−プロパンジオール
133mgの塩化メチレン−メタノール(5:1)溶液
(6ml)を滴下し,室温で攪拌した。1時間後過ヨウ
素酸ナトリウム60mgの水溶液(0.5mg)を加
え,更に30分間攪拌した。反応液を瀘過後溶媒を留去
し,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:クロロホルム−メタノール30:1)で精製して,
(6−フルオロ−8−キノリルオキシ)アセトアルデヒ
ド 90mgを得た。この化合物は,溶液中において,
水和物との平衡が観察された。
【0112】質量分析値(FAB,m/z):206
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3−CD3OD,TMS
内部標準) δ:4.24(2H,d,OCH2),5.10(1
H,t,C(OH)2),6.8〜7.1(2H,d
d×2,Ar),7.43(1H,dd,Ar),8.
08(1H,dd,Ar),8.83(1H,d,A
r)。
【0113】参考例4 4−(4−メトキシフェニル)酪酸9.71gに塩化チ
オニル30mlを加え,70℃で2時間撹拌した後,過
剰の塩化チオニルを減圧留去し,酸塩化物を得た。別に
エタノールアミン9.05mlを塩化メチレン200m
lに溶解し,この溶液に先の酸塩化物の塩化メチレン溶
液(50ml)を徐々に滴下した。室温で1時間攪拌後
不溶物を濾別し,濾液を濃縮後残渣に酢酸エチルを加
え,希塩酸,水酸化ナトリウム水溶液,水,飽和食塩水
で順次洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去し,N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−
メトキシフェニル)ブチルアミド 8.75gを無色結
晶として得た。
【0114】質量分析値(EI,m/z):238(M
++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.7〜2.3(4H,m,COCH2CH2),
2.4〜2.8(3H,m,ベンジル位,OH),3.
3〜3.6(2H,m,CH2N),3.6〜3.9
(2H,m,CH2O),3.78(3H,s,OC
3),5.9(1H,br,NH),6.81(2
H,d,Ar),7.09(2H,d,Ar)。
【0115】水素化リチウムアルミニウム1.52gを
テトラヒドロフラン50mlに懸濁し,氷冷下,N−
(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミド 2.37gを滴下し,室温で一夜攪
拌した。再び氷冷して硫酸ナトリウム10水塩を気体の
発生がなくなるまで加え,さらに攪拌した。不溶物を濾
去した後濾液を濃縮することにより,N−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−(4−メトキシフェニル)ブチルア
ミン 2.01gを得た。
【0116】質量分析値(EI,m/z):223(M
+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.2〜1.8(4H,m,CH2CH2),1.9
8(2H,br,s),2.4〜3.9(4H,m),
2.75(2H,t,OCH2 2N),3.62(2
H,t,OC 2CH2N),3.78(3H,s,OC
3),6.81(2H,d,Ar),7.09(2
H,d,Ar)。
【0117】N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4
−メトキシフェニル)ブチルアミン2.0g及びトリエ
チルアミン1.88mlを塩化メチレン40mlに溶解
し,この溶液に氷冷下,クロロギ酸エチル1.03ml
を加え2時間攪拌した。反応終了後水を加え,酢酸エチ
ルで抽出し,希塩酸,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,
水,飽和食塩水で順次洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を留去することにより,N−エトキシカル
ボニル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−メ
トキシフェニル)ブチルアミン 2.65gを得た。
【0118】質量分析値(EI,m/z):296(M
++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.25(3H,t,CH2 3),1.1〜1.
8(5H,m),2.4〜2.7(2H,m,ベンジル
位),3.1〜3.6(4H,m,CH2NCH2),
3.6〜3.9(2H,m,OC 2CH2N)3.78
(3H,s,OCH3),4.14(2H,q,C 2
3),6.81(2H,d,Ar),7.09(2
H,d,Ar)。
【0119】N−エトキシカルボニル−N−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−(4−メトキシフェニル)ブチル
アミン 2.65gをピリジン25mlに溶解し,氷冷
下,塩化p−トルエンスルホニル2.05gを加え,室
温で5時間攪拌した。反応終了後水を加え,酢酸エチル
−ジエチルエーテルの混合溶媒で抽出し,希塩酸,水,
飽和食塩水で順次洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去後残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶離液:ヘキサン−酢酸エチル1:1)で
精製することにより,2−[N−エトキシカルボニル−
4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミノ]エチル
p−トルエンスルホナート 1.95gを得た。
【0120】質量分析値(FAB,m/z):449
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.18(3H,t,CH2 3),1.3〜1.
7(4H,m),2.3〜2.7(2H,m,ベンジル
位),2.44(3H,s,ArCH3),3.1〜
3.6(4H,m,CH2NCH2),3.78(3H,
s,OCH3),4.0〜4.3(2H,m,OC 2
2N)4.04(2H,q,C 2CH3),6.94
(2H,d,Ar),7.08(2H,d,Ar),
7.33(2H,d,Ar),7.76(2H,d,A
r)。
【0121】参考例5 1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−
8−オール 1.43gをアセトン50mlに溶解し,
炭酸カリウム3.34g,ブロモ酢酸エチル1.75g
を加え,4時間加熱環流した。反応液を瀘過後,瀘液を
濃縮し,得られた油状物をクロロホルムで希釈した後,
水酸化ナトリウム水溶液,水,飽和食塩水で順次洗い,
無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を留去して得
られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:クロロホルム−メタノール 20:1)で精
製することにより,2−(1−エチル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−8−キノリルオキシ)酢酸エチル
2.06gを油状物として得た。
【0122】質量分析値(EI,m/z):263(M
+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.22(3H,t,CH2 3),1.30(3
H,t,CH2 3),1.6〜2.0(2H,m,キ
ノリンC3−H2),2.76(2H,t,キノリンC
4−H2),3.0〜3.2(4H,m,NC 2
3,キノリンC2−H2),4.27(2H,t,OC
2CH3),4.63(2H,s,OCH2CO),
6.4〜7.0(3H,m,Ar)。
【0123】2−(1−エチル−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−8−キノリルオキシ)酢酸エチル1.0g,
4−メトキシフェネチルアミン1.72gをエタノール
10ml中で24時間加熱環流した。溶媒を留去し,得
られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:酢酸エチル−n−ヘキサン 2:1)で精製
し,2−(1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ
−8−キノリルオキシ)−N−(4−メトキシフェネチ
ル)アセトアミド1.18gを油状物として得た。
【0124】質量分析値(EI,m/z):368(M
+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.25(3H,t,CH2 3),1.6〜1.
9(2H,m, キノリンC3−H2)2.6〜3.1
(8H,m,キノリンC2−H2, キノリンC4−
2,NC 2CH3, ArCH2),3.45(2H,
q,NHC 2),3.77(3H,s,OCH3),
4.60(2H,s,OCH2CO),6.6〜7.1
(7H,m,Ar),8.50(1H,br s,CO
NH)。
【0125】参考例6 N−[2−(5−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)エ
チル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン
1.08gを塩化メチレン10mlに溶解し,炭酸水素
ナトリウム0.5g及び水10mlを加えた。この混合
物に攪拌下クロロギ酸エチル390mgを滴下し,室温
で2時間攪拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥後溶媒を留去し,残渣をジイソプロピルエーテルで再
結晶することにより,N−エトキシカルボニル−N−
[2−(5−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)エチ
ル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン
1.02gを得た。
【0126】質量分析値(EI,m/z):434(M
+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.22〜1.27(3H,m,CH2 3),
1.58〜1.61(4H,m,CH2 2 2CH2
Ar),2.58(2H,t,CH2Ar),3.41
(2H,t,NCH2),3.65(2H,t,NC
2),3.80(3H,s,OCH3),4.1〜4.
2(2H,m,C 2CH3),4.1〜4.3(2H,
m,OCH2),6.7〜6.9(2H,m,Ar),
6.81(2H,d,Ar),7.08(2H,d,A
r),7.95(1H,dd,Ar)。
【0127】N−エトキシカルボニル−N−[2−(5
−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)エチル]−4−
(4−メトキシフェニル)ブチルアミン 950mgを
エタノール20mlに溶解し,10%パラジウム炭素9
5mgを加え,水素雰囲気下で2時間攪拌した。不溶物
を瀘去後溶媒を留去し,粗製のアニリン中間体を得た。
【0128】別にオルトギ酸メチル17mlにメルドラ
ム酸530mgを加えて2時間加熱環流し,一旦室温ま
で冷却した後,さきのアニリン中間体のオルトギ酸メチ
ル溶液17mlを滴下し,3時間加熱環流した。減圧濃
縮後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:塩化メチレン−酢酸エチル 20:1)で精製し,
エーテルから結晶化させることにより,5−[[2−
[N−エトキシカルボニル−4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミノ]エトキシ]−4−フルオロフェニル
アミノ]メチレン−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
サン−4,6−ジオン 860mgを得た。
【0129】質量分析値(FAB,m/z):559
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.2〜1.3(3H,m,CH2 3),1.5
8(6H,s,gemCH3),1.71(4H,s
like m,CH2CH2),2.56(2H,t l
ike m,ベンジル位),3.40,3.71(4
H,t×2,CH2NCH2),3.78(3H,s,O
CH3),4.1〜4.4(4H,m,OCH2×2),
6.7〜6.9(4H,m,Ar),7.06(2H,
d,Ar),7.26(1H,s,Ar),8.57
(1H,d,CH),11.48(1H,br d,N
H)。
【0130】実施例1 8−(2−ブロモエトキシ)−6−フルオロ−1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン−2−オン 432m
g,4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ブ
チルアミン 870mg及び炭酸水素ナトリウム126
mgをアセトニトリル10ml中で4.5時間加熱環流
した。反応液にクロロホルム及び希塩酸を加えて振盪攪
拌し,有機層を希塩酸,炭酸水素ナトリウム水溶液,飽
和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ム水溶液で乾燥後溶媒を留去し,残渣をアセトンで洗浄
することにより,粗製の8−[2−[4−(1,3−ベ
ンゾジオキソール−5−イル)ブチルアミノ]エトキ
シ]−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキ
ノリン−2−オン 370mgを得た。これをメタノー
ル中塩化水素ガスで処理し,エタノールから再結晶する
ことにより,8−[2−[4−(1,3−ベンゾジオキ
ソール−5−イル)ブチルアミノ]エトキシ]−6−フ
ルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−
オン 塩酸塩 362mgを得た。
【0131】融点 192−195℃ 元素分析値 (C222524F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 60.43 6.00 6.41 8.11 4.35 実験値(%) 60.28 5.93 6.41 7.94 4.36 実施例2 8−(2−ブロモエトキシ)−6−フルオロ−1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン−2−オン 333m
g,4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン620
mg,炭酸水素ナトリウム146mgをアセトニトリル
10ml中で2.5時間加熱環流した。8−(2−ブロ
モエトキシ)−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン−2−オン 167mgを追加し,更に
2.5時間加熱環流した。反応液にアセトンを加えて不
溶物を瀘去し,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液:クロロホルム−メタノール−アンモニア
50:1:0.1)で精製することにより,6−フルオ
ロ−8−[2−[4−(4−メトキシフェニル)ブチル
アミノ]エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキ
ノリン−2−オン 448mgを得た。このうち300
mgをエタノール中塩化水素ガスで処理し,エタノール
から再結晶することにより,6−フルオロ−8−[2−
[4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミノ]エトキ
シ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オ
ン 塩酸塩 283mgを得た。
【0132】融点 220−223℃ 元素分析値 (C222723F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 62.48 6.67 6.62 8.38 4.49 実験値(%) 62.54 6.67 6.42 8.41 4.38 実施例2と同様の方法により,以下の実施例3乃至6に
示す化合物を合成した。
【0133】実施例3 6−フルオロ−8−[2−(4−メトキシフェネチルア
ミノ)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノ
リン−2−オン 塩酸塩 融点 225−229℃ 元素分析値 (C202323F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 60.83 6.13 7.09 8.98 4.81 実験値(%) 60.51 6.13 7.00 9.10 4.75。
【0134】実施例4 6−フルオロ−8−[2−(4−メチルフェネチルアミ
ノ)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリ
ン−2−オン 塩酸塩 融点 242−244℃ 元素分析値 (C202322F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 63.40 6.38 7.39 9.36 5.01 実験値(%) 63.14 6.32 7.37 9.40 4.89。
【0135】実施例5 6−フルオロ−8−[2−[4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミノ]エトキシ]−1−メチル−1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン−2−オン 0.5フマ
ル酸塩 原料化合物:6−フルオロ−8−ヒドロキシ−1−メチ
ル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オン 融点 145−147℃ 元素分析値 (C232923F・0.5C444として) C H N F 理論値(%) 65.49 6.81 6.11 4.14 実験値(%) 65.26 6.85 6.05 3.93。
【0136】実施例6 6−フルオロ−8−[2−[4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミノ]エトキシ]−1−メチルキノリン−
2(1H)−オン 塩酸塩 原料化合物:6−フルオロ−8−ヒドロキシ−1−メチ
ルキノリン−2(1H)−オン 融点 144−146℃ 元素分析値 (C232723F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 63.52 6.49 6.44 8.15 4.37 実験値(%) 63.13 6.61 6.39 8.13 3.88。
【0137】実施例7 1−アセチル−8−(2−ブロモエトキシ)−5−フル
オロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 280
mg,4−メトキシフェネチルアミン 0.27g,炭
酸カリウム0.12g,アセトニトリル6mlを混和
し,2.5時間加熱環流した。冷後不溶物を濾去,溶媒
を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液:クロロホルム−メタノール 50:
1)で精製し,N−[2−(1−アセチル−5−フルオ
ロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル
オキシ)エチル]−4−メトキシフェネチルアミン 3
40mgを得た。これをエーテル中塩化水素で処理し,
イソプロパノール−エーテルの混合溶媒より結晶化さ
せ,N−[2−(1−アセチル−5−フルオロ−1,
2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)
エチル]−4−メトキシフェネチルアミン 塩酸塩とし
た。
【0138】融点 143−144℃ 元素分析値 (C222723F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 62.48 6.67 6.62 8.38 4.49 実験値(%) 62.26 6.64 6.57 8.45 4.23 実施例7と同様の方法により,実施例8及び9に示す化
合物を合成した。
【0139】実施例8 N−[2−(1−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−メトキ
シフェネチルアミン 0.5フマル酸塩 0.75水和
物 融点 127−129℃ 元素分析値 (C212623・0.5C444・0.75H2Oとして) C H N 理論値(%) 64.85 6.98 6.58 実験値(%) 64.77 6.60 6.21。
【0140】実施例9 N−[2−(1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−メトキ
シフェネチルアミン 0.5フマル酸塩 0.25水和
物 融点 125−128℃ 元素分析値 (C222823・0.5C444・0.25H2Oとして) C H N 理論値(%) 66.88 7.13 6.50 実験値(%) 67.01 7.04 6.51。
【0141】実施例10 (6−フルオロ−8−キノリルオキシ)アセトアルデヒ
ド 89mg,4−(4−メトキシフェニル)ブチルア
ミン116mg,酢酸0.1ml,塩化メチレン5ml
を混和し,トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム18
4mgを加え,室温で攪拌した。1時間後酢酸0.1m
l及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム46mg
を追加し,更に1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液を加え,塩化メチレンで抽出し,有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホ
ルム−メタノール−アンモニア 20:1:0.1)で
精製し,遊離塩基 48mgを得た。これをシュウ酸で
処理し,エタノール−エーテルより結晶化させ,N−
[2−(6−フルオロ−8−キノリルオキシ)エチル]
−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン 2シュ
ウ酸塩を得た。
【0142】融点 141−144℃ 元素分析値 (C222522F・2C224として) C H N F 理論値(%) 56.93 5.33 5.11 3.46 実験値(%) 57.61 5.44 5.20 3.11 実施例10と同様の方法により,実施例11に示す化合
物を合成した。
【0143】実施例11 N−[2−(8−キノリルオキシ)エチル]−4−(4
−メトキシフェニル)ブチルアミン 2シュウ酸塩 融点 91−95℃ 実施例12 5−フルオロ−8−キノリノール 163mgをジメチ
ルホルムアミド5mlに溶解し,水素化ナトリウム(6
0%油性)48mgを加え,室温で30分間攪拌した。
この溶液に2−[N−エトキシカルボニル−4−(4−
メトキシフェニル)ブチルアミノ]エチル p−トルエ
ンスルホナート449mgを加え,100℃で6時間攪
拌した。冷後反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し,有
機層を水及び飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去後残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶離液:ヘキサン−酢酸エチル 2:
1)で精製し,8−[2−[N−エトキシカルボニル−
4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミノ]エトキシ
−5−フルオロキノリン 251mgを得た。
【0144】質量分析値(FAB,m/z):441
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.25(3H,t,CH2 3),1.4〜1.
8(4H,m,CH2CH2),2.4〜2.7(2H,
m,ベンジル位),3.3〜3.9(CH2NCH2),
3.77(OCH3),4.15(2H,q,C 2CH
3),4.2〜4.5(2H,m,OCH2),6.9〜
7.2(2H,m,Ar),7.48(1H,dd),
8.39(1H,dd),8.96(1H,dd)。
【0145】8−[2−[N−エトキシカルボニル−4
−(4−メトキシフェニル)ブチルアミノ]エトキシ−
5−フルオロキノリン 250mgをエタノール20m
lに溶解し,12N−水酸化カリウム水溶液5mlを加
えて3日間加熱環流した。反応終了後水を加え,酢酸エ
チルで抽出し,水及び飽和食塩水で洗浄した。溶媒を留
去後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:クロロホルム−メタノール−アンモニア 20:
1:0.1)で精製することにより,5−フルオロ−8
−[2−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミ
ノ]エトキシ]キノリン 191mgを得た。これをシ
ュウ酸で処理し,メタノール,イソプロパノールの混合
溶媒で再結晶することにより,1シュウ酸塩とした。
【0146】融点 192−195℃ 実施例12と同様の方法により,次の実施例13に示す
化合物を合成した。
【0147】実施例13 6−フルオロ−8−[2−[4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミノ]エトキシ]キノリン−2(1H)−
オン(遊離塩基) 原料化合物:6−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン−
2(1H)−オン 融点 132−134℃ 実施例14 アルゴン雰囲気下,水素化リチウムアルミニウム240
mgをテトラヒドロフラン10mlに懸濁し,0℃に冷
却した。ここへ2−(1−エチル−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−8−キノリルオキシ)−N−(4−メトキ
シフェネチル)アセトアミド 1.18gのテトラヒド
ロフラン溶液20mlを滴下し,室温で6時間攪拌し,
さらに2時間加熱環流した。反応液を冷却しながら硫酸
ナトリウム・10水和物1.03gを加え,さらに室温
で1時間攪拌した。不溶物を瀘去し,反応液を濃縮して
得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:クロロホルム−メタノール 20:1)で精
製し,遊離塩基を得た。さらにこの遊離塩基をエタノー
ル中フマル酸で処理することにより,N−[2−(1−
エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリル
オキシ)エチル]−4−メトキシフェネチルアミン
0.5フマル酸塩 446mgを得た。
【0148】融点 132−134℃ 元素分析値 (C223322・0.5C444として) C H N 理論値(%) 69.88 7.82 6.79 実験値(%) 69.56 7.92 6.67 実施例14と同様の方法により,実施例15に示す化合
物を合成した。
【0149】実施例15 N−[2−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−8−キノリルオキシ)エチル]−4−メトキシフェ
ネチルアミン 2塩酸塩 0.5水和物。
【0150】融点 193−195℃ 元素分析値 (C212822・2HCl・0.5H2Oとして) C H N Cl 理論値(%) 59.71 7.40 6.63 16.79 実験値(%) 59.83 7.36 6.62 16.61 実施例16 5−[[2−[N−エトキシカルボニル−4−(4−メ
トキシフェニル)ブチルアミノ]エトキシ]−4−フル
オロフェニルアミノ]メチレン−2,2−ジメチル−
1,3−ジオキサン−4,6−ジオン 600mgとジ
フェニルエーテル12mlを混和し,アルゴン気流下,
270℃の油浴上10分間加熱環流した。反応後混合物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロ
ロホルム−メタノール−アンモニア 100:1:0.
1→100:3:0.3)で精製し,6−フルオロ−8
−[2−[N−エトキシカルボニル−4−(4−メトキ
シフェニル)ブチルアミノ]エトキシキノリン−4−オ
ン 396mgを得た。
【0151】質量分析値(FAB,m/z):457
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.25(3H,t,CH2 3),1.58(4
H,br s,CH2CH2),2.64(2H,t l
ike m,ベンジル位),3.29,3.71(4
H,t×2,CH2NCH2),3.78(3H,s,O
CH3),4.2〜4.4(4H,m,OCH2×2),
6.26(1H,d,Ar),6.74(1H,dd,
Ar),6.81(2H,d,Ar),7.04(2
H,d,Ar),7.56(1H,dd,Ar),7.
64(1H,dd,Ar),10.04(1H,br
s,NH)。
【0152】6−フルオロ−8−[2−[N−エトキシ
カルボニル−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミ
ノ]エトキシキノリン−4−オン 347mg,エタノ
ール3ml,10N−水酸化カリウム水溶液3mlを1
2時間加熱環流した。冷後反応液に水を加え,希塩酸で
中和し,酢酸エチルで抽出した。これを無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して溶媒を留去し,残渣を酢酸エチルから
結晶化させ,6−フルオロ−8−[2−[4−(4−メ
トキシフェニル)ブチルアミノ]エトキシキノリン−4
−オン 0.25水和物 180mgを得た。
【0153】融点 156−161℃ 元素分析値 (C222523F・0.25H2Oとして) C H N F 理論値(%) 67.94 6.61 7.20 4.88 実験値(%) 67.78 6.57 7.13 4.89 実施例17 N−[2−(1−アセチル−5−フルオロ−1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチ
ル]−4−メトキシフェネチルアミン(実施例7の化合
物) 250mg,水酸化カリウム1.0g,水1ml
及びエタノール6mlを混和し,3時間加熱環流した。
ここで水酸化カリウム1.0g,水1ml及びエタノー
ル6mlを更に追加し,4時間加熱環流した。冷後水を
加え,希塩酸で弱アルカリ性とした後塩化メチレンで抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後溶媒を留去
し,N−[2−(5−フルオロ−1,2,3,4−テト
ラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−メ
トキシフェネチルアミン 200mgを得た。これをエ
ーテル中塩化水素で処理し,エタノール−エーテルから
再結晶することにより,塩酸塩とした。
【0154】融点 190−192℃ 元素分析値 (C202522F・2HCl・0.25H2Oとして) C H N Cl F 理論値(%) 56.94 6.57 6.64 16.8 14.50 実験値(%) 56.95 6.73 6.61 16.
87 4.41 実施例17と同様の方法により,実施例18乃至20に
示す化合物を合成した。
【0155】実施例18 N−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−
8−イルオキシ)エチル]−4−メトキシフェネチルア
ミン 2塩酸塩 0.25水和物 融点 201−203℃ 元素分析値 (C202622・2HCl・0.25H2Oとして) C H N Cl 理論値(%) 59.48 7.11 6.94 17.56 実験値(%) 59.86 7.22 6.62 17.16 実施例19 N−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−
8−イルオキシ)エチル]チラミン シュウ酸塩 融点 250−253℃(分解) 実施例20 N−[2−(5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−(4−
メトキシフェニル)ブチルアミン 0.5フマル酸塩 融点 177−178℃ 元素分析値 (C222922F・0.5C444として) C H N F 理論値(%) 66.96 7.26 6.51 4.41 実験値(%) 66.79 7.32 6.48 4.14。
【0156】実施例21 6−フルオロ−8−[2−[4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミノ]エトキシ]−1,2,3,4−テト
ラヒドロキノリン−2−オン(実施例2に記載の化合
物)1.04gをテトラヒドロフラン15mlに溶解
し,ボラン−ジメチルスルフィド錯体1.08mlを加
え,3時間加熱環流した。反応液を氷浴で冷却しながら
メタノール1.32ml,続いて濃塩酸2.8mlを滴
下した後,15分間環流した。混合物を濃縮して有機溶
媒を除き,残った水溶液に1N−水酸化ナトリウムを加
えてpH5に調整した。析出する結晶を水,酢酸エチ
ル,エーテルの順で洗い,エタノール−エーテルの混合
溶媒で再結晶することにより,N−[2−(6−フルオ
ロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル
オキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチ
ルアミン 塩酸塩 790mgを得た。
【0157】融点 183−186℃ 元素分析値 (C222922F・HClとして) C H N Cl F 理論値(%) 64.62 7.39 6.85 8.67 4.65 実験値(%) 64.67 7.44 6.89 8.70 4.52 実施例22 N−[2−(6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−(4−
メトキシフェニル)ブチルアミン 塩酸塩(実施例21
の化合物) 520mgを塩化メチレン8mlに懸濁さ
せ,炭酸カリウム439mgの水溶液(10ml)を加
えた。この溶液に攪拌下クロロギ酸ベンジル239mg
の塩化メチレン溶液(2ml)を滴下し,室温で30分
間攪拌した。有機層を分離し水で洗った後,無水硫酸マ
グネシウムで乾燥,溶媒を留去して,N−(ベンジルオ
キシカルボニル)−N−[2−(6−フルオロ−1,
2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)
エチル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン
650mgを得た。
【0158】質量分析値(FAB,m/z):507
(M++1),506(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.57(4H,br s,CH2CH2),1.9
1(2H,br s,キノリンC3−H2),2.5〜
2.7(2H,m,C 264OCH3),2.71
(2H,t,キノリンC4−H2),3.1〜3.5
(4H,m,CH2N×2),3.6〜3.7(2H,
m,CH2N),3.77(3H,s,OCH3),3.
9〜4.1(2H,m,OCH2),5.13(2H,
s,OCH2Ph),6.2〜6.4(2H,m),
6.80(2H,d),6.9〜7.1(2H,m),
7.3〜7.4(5H,m)。
【0159】N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−
[2−(6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ
キノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−(4−メト
キシフェニル)ブチルアミン 300mgをアセトニト
リル1.8mlに溶解し,37%ホルマリン237μ
l,シアノ水素化ホウ素ナトリウム60mgを加えた。
攪拌下少量の酢酸を滴下してpHを7に調整した。1時
間攪拌後溶媒を留去し,残渣に1N水酸化ナトリウム水
溶液及びエーテルを加えて抽出し,有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を留去し,残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ベンゼン−酢酸
エチル 20:1)で精製することにより,N−(ベン
ジルオキシカルボニル)−N−[2−(6−フルオロ−
1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−
8−イルオキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミン 265mgを得た。
【0160】質量分析値(FAB,m/z):521
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.5〜1.7(4H,br s,CH2CH2),
1.79(2H,quint,キノリンC3−H2),
2.5〜2.7(2H,m,C 264OCH3),
2.72(2H,t,キノリンC4−H2),2.72
(3H,s,NCH3),3.06(2H,t,キノリ
ンC2−H2),3.41(2H,m,CH2N),3.
1〜3.2(2H,m,CH2N),3.78(3H,
s,OCH3),4.0〜4.2(2H,m,OC
2),5.13(2H,s,OCH2Ph),6.3〜
6.5(2H,m),6.80(2H,d),6.9〜
7.1(2H,m),7.3〜7.4(5H,m)。
【0161】N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−
[2−(6−フルオロ−1−メチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−4
−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン 240mg
をテトラヒドロフラン5mlに溶解し,10%パラジウ
ム炭素24mgを加え,1気圧の水素雰囲気下で2時間
攪拌した。不溶物を濾去後濾液を塩化水素で処理し,得
られる沈殿を濾取した。イソプロパノール−イソプロピ
ルエーテルの混合溶媒で再結晶し,N−[2−(6−フ
ルオロ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキ
ノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−(4−メトキ
シフェニル)ブチルアミン 2塩酸塩0.5水和物 1
96mgを得た。
【0162】融点 177−181℃ 元素分析値 (C233122F・2HCl・0.5H2Oとして) C H N Cl F 理論値(%) 58.97 7.32 5.98 15.14 4.06 実験値(%) 59.22 7.29 6.00 15.00 4.02 実施例23 N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−[2−(6−
フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8
−イルオキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミン(実施例22に記載の化合物) 30
0mgをクロロホルム3mlに溶解し,ピリジン141
mg,無水酢酸91mg,4−(ジメチルアミノ)ピリ
ジン 36mgを加え,2.5時間攪拌した。無水酢酸
91mgを追加し,更に2時間攪拌した。反応液に酢酸
エチルを加え,希塩酸,炭酸水素ナトリウム水溶液,飽
和食塩水の順で洗い,無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して,粗製のN−(ベンジルオキシカル
ボニル)−N−[2−(1−アセチル−6−フルオロ−
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イルオキ
シ)エチル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチルア
ミン 329mgを得た。
【0163】質量分析値(FAB,m/z):549
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.5〜1.7(6H,br m,CH2CH2,キ
ノリンC3−H2),1.93(3H,br s,CO
CH3),2.20(1H,br s),2.5〜2.
8(4H,m),2.84(1H,br s),3.2
〜3.5(2H,m),3.5〜3.7(2H,m),
3.77(3H,s,OCH3),4.16,4.59
(2H,br s×2,OCH2),5.12(2H,
d,OCH2Ph),6.4〜6.6(2H,m),
6.80(2H,d),7.0〜7.2(2H,m),
7.3〜7.4(5H,m)。
【0164】N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−
[2−(1−アセチル−6−フルオロ−1,2,3,4
−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−
4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミンの脱保護を
実施例22と同様の方法で行った。ただし反応後シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム
−メタノール−アンモニア 50:1:0.1)で精製
し,フマル酸で処理後,アセトンより再結晶してN−
[2−(1−アセチル−6−フルオロ−1,2,3,4
−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−
4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン フマル酸
塩を得た。
【0165】融点 133−136℃
【0166】実施例24 ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)488mg
を塩化メチレン4mlに溶解し,氷冷下,98%ギ酸2
18mgを徐々に滴下した。10分間攪拌後析出する固
体を濾別し,瀘液を次の反応に用いた。別の容器にN−
(ベンジルオキシカルボニル)−N−[2−(6−フル
オロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イ
ルオキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニル)ブ
チルアミン(実施例22に記載の化合物) 400m
g,ピリジン2ml,塩化メチレン2mlを混和してお
き,ここに上記の活性ギ酸溶液を滴下した。3時間攪拌
後溶媒を留去し,残渣に酢酸エチルを加えて抽出し,希
塩酸,炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し,残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ベン
ゼン−酢酸エチル6:1)で精製し,N−(ベンジルオ
キシカルボニル)−N−[2−(6−フルオロ−1−ホ
ルミル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−
イルオキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニル)
ブチルアミン 322mgを得た。
【0167】質量分析値(FAB,m/z):535
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.5〜1.7(4H, m,CH2CH2),1.
91(2H,quint,キノリンC3−H2),2.
5〜2.7(2H,br m,C 264OCH3),
2.69(2H,t,キノリンC4−H2),3.3
4,3.60(4H,br s×2,CH2NCH2),
3.73(2H,t,キノリンC2−H2),3.79
(3H,s,OCH3),3.98,4.11(2H,
br s,OCH2),5.13(2H,d,OCH2
h),6.4〜6.6(2H,m),6.79(2H,
d),6.9〜7.1(2H,m),7.3〜7.4
(5H,m),8.56(1H,d)。
【0168】N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−
[2−(6−フルオロ−1−ホルミル−1,2,3,4
−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチル]−
4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミンの脱保護を
実施例22と同様の方法で行った。ただし反応後フマル
酸で処理し,エタノール−エーテルの混合溶媒で再結晶
することにより,N−[2−(6−フルオロ−1−ホル
ミル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イ
ルオキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニル)ブ
チルアミン 0.5フマル酸塩 0.5水和物を得た。
【0169】融点 140−144℃ 元素分析値 (C232923F・0.5C444・0.5H2Oとして) C H N F 理論値(%) 64.22 6.90 5.99 4.06 実験値(%) 64.54 6.72 5.96 3.89 実施例25 N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−[2−(6−
フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8
−イルオキシ)エチル]−4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミン(実施例22に記載の化合物) 40
0mg,炭酸カリウム218mg,クロロギ酸エチル1
03mg,アセトニトリル8mlを混和し,1時間加熱
環流した。冷後不溶物を濾別し,瀘液を濃縮後シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−酢酸
エチル 5:1)で精製することにより,N−(ベンジ
ルオキシカルボニル)−N−[2−(1−エトキシカル
ボニル−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ
キノリン−8−イルオキシ)エチル]−4−(4−メト
キシフェニル)ブチルアミン 329mgを得た。
【0170】質量分析値(FAB,m/z):579
(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.1〜1.3(3H, m,CH2 3),1.
5〜1.6(4H,m,CH2CH2),1.6〜2.1
(2H,br m,キノリンC3−H2),2.4〜
2.6(2H,br m,C 264OCH3),2.
66(2H,t,キノリンC4−H2),3.6〜3.
8(6H,br m),3.77(3H,s,OC
3),3.9〜4.2(4H,m,OCH2, C 2
3),5.12(2H,d,OCH2Ph),6.4〜
6.6(2H,m),6.80(2H,m),6.9〜
7.1(2H,dd),7.3〜7.4(5H,m)。
【0171】N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−
[2−(1−エトキシカルボニル−6−フルオロ−1,
2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)
エチル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン
の脱保護を実施例24と同様の方法で行い,N−[2−
(1−エトキシカルボニル−6−フルオロ−1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン−8−イルオキシ)エチ
ル]−4−(4−メトキシフェニル)ブチルアミン フ
マル酸塩を得た。
【0172】融点 154−156℃ 実施例26 実施例12と同様の操作により合成した,8−[2−
[N−エトキシカルボニル−4−(4−メトキシフェニ
ル)ブチルアミノ]エトキシ−6−フルオロキノリン
364mgを2−エトキシエタノール10mlに溶解
し,12規定水酸化カリウム水溶液5mlを加え,14
0℃で40時間攪拌した。反応後水を加えて酢酸エチル
で抽出し,水及び飽和食塩水で洗浄し,無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去後残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム−メタノー
ル−アンモニア 20:1:0.1)で精製することに
より,6−(2−エトキシエトキシ)−8−[2−[4
−(4−メトキシフェニル)ブチルアミノ]エトキシ]
キノリン 284mgを得た。これをシュウ酸で処理
し,メタノール−エーテルの混合溶媒から結晶化させ,
2シュウ酸塩とした。
【0173】融点 115−123℃ 元素分析値 (C263424・2C224・0.4H2Oとして) C H N 理論値(%) 57.41 6.25 4.48 実験値(%) 57.36 6.20 4.91 以下,表1〜5に,実施例1〜26により得られた化合
物の化学構造式を掲記する。
【0174】
【表1】
【0175】
【表2】
【0176】
【表3】
【0177】
【表4】
【0178】
【表5】
【0179】以下の化合物は,前記実施例若しくは製造
法に記載の方法とほぼ同様にして,又は,それらに当業
者に自明の若干の変法を適用して,容易に製造すること
ができる。
【0180】(1)8−[2−[4−(1,3−ベンゾ
ジオキソール−5−イル)ブチルアミノ]エトキシ]−
6−メトキシキノリン (2)6−クロロ−8−[2−[4−(4−メトキシフ
ェニル)ブチルアミノ]エトキシ]−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン−2−オン (3)6−メトキシ−8−[2−[N−[4−(4−メ
トキシフェニル)ブチル]メチルアミノ]エトキシ]キ
ノリン−2(1H)−オン (4)6−フルオロ−8−[2−[N−[4−(4−メ
トキシフェニル)ブチル]メチルアミノ]エトキシ]キ
ノリン (5)8−[2−(3,4−ジメトキシ−α−メチルフ
ェネチルアミノ)エトキシ]キノリン
フロントページの続き (72)発明者 内藤 良 茨城県つくば市二の宮二丁目5−9 ルー ミー筑波230号 (72)発明者 今西 直樹 茨城県つくば市二の宮二丁目5−9 ルー ミー筑波231号 (72)発明者 山下 浩 茨城県つくば市二の宮二丁目5−9 ルー ミー筑波327号 (72)発明者 山口 時男 埼玉県浦和市領家6−16−3 シティコア 402

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される8−(2−
    アミノアルコキシ)キノリン誘導体又はその製薬学的に
    許容される塩。 【化1】 (ただし,式中の記号は以下の意味を有する。 R1:水素原子,ハロゲン原子,低級アルコキシ基又は
    低級アルコキシ低級アルコキシ基 R2:水素原子,オキソ基又は水酸基 ただし,R1が水素原子であるときは,R2のオキソ基は
    キノリン環の3位又は4位の炭素原子に結合する。 R3:水素原子,低級アルキル基,低級アシル基又は低
    級アルコキシカルボニル基 ただし,R3は存在しない場合がある。 R4:水素原子又は低級アルキル基 R5,R6,R7:同一又は異なって,水素原子,低級ア
    ルキル基,ヒドロキシ基,低級アルキルチオ基,アミノ
    基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,低級アルカ
    ノイルアミノ基,シアノ基,ニトロ基,低級アルカノイ
    ルオキシ基,低級アルカノイル基,低級アルコキシカル
    ボニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ低級アルコキ
    シ基,低級アルコキシ基,又は,1若しくは2個の酸素
    原子を有する5若しくは6員ヘテロ環とベンゼン環とが
    縮合した2環縮合環基で置換されている低級アルコキシ
    基であり,但し,R5及びR6は一体となって−O−(C
    2l− (l:2〜4の整数),−O−(CH2m
    O− (m:1〜3の整数),−(CH2n− (n:
    2〜6の整数)又は−CH=CH−CH=CH−を形成
    してもよい。 【化2】 A:低級アルキル基で置換されていてもよいエチレン基 B:分枝を有していてもよい直鎖の炭素数が1〜10の
    アルキレン基)
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