JPH0940527A - メーキャップ化粧料 - Google Patents

メーキャップ化粧料

Info

Publication number
JPH0940527A
JPH0940527A JP21095695A JP21095695A JPH0940527A JP H0940527 A JPH0940527 A JP H0940527A JP 21095695 A JP21095695 A JP 21095695A JP 21095695 A JP21095695 A JP 21095695A JP H0940527 A JPH0940527 A JP H0940527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
keratin
cyanoethylated
powder
cosmetic
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP21095695A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Yoshida
正志 吉田
Hiroshi Fukui
寛 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP21095695A priority Critical patent/JPH0940527A/ja
Publication of JPH0940527A publication Critical patent/JPH0940527A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な処理をした羊毛および/または毛髪成
分を新しくメーキャプ化粧料に配合することにより皮膚
へのなじみを改良し、かつタンパク特有の不快な臭いの
ない新規なメーキャップ化粧料を提供すること。 【解決手段】 羊毛および/または毛髪を細かく粉砕
し、さらに、これをS−シアノエチル化することにより
不溶性キューティクルを除去した親水性S−シアノエチ
ル化ケラチンを配合したメーキャップ化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、羊毛および/また
は毛髪の不溶性キューティクルを除去した親水性S−シ
アノエチル化ケラチンを配合したメーキャップ化粧料に
関する。
【0002】
【従来の技術】メーキャップ化粧料には、製品の伸展
性、付着性、成型性等を向上させる目的で、各種の体質
顔料やその他の粉末等の粉体原料が配合されている。粉
体原料としては、タルク、カオリン、マイカ、二酸化チ
タンまたは亜鉛華等の体質顔料や、ナイロンパウダーま
たはポリエチレンパウダー等の球状樹脂粉末が使用され
ている。更にメーキャップ化粧料にウールパウダーを配
合したり(特開昭54-70435号)、シルクパウダーとウー
ルパウダーとを配合する(特開昭55-27120号)ことが提
案されている。
【0003】しかしながら、カオリンやクレイ等の体質
顔料はメーキャップ化粧料の伸展性や付着性を悪化させ
る。また、滑沢性を良くし透明感を出すために、体質顔
料の粒径をある程度大きくして配合するとザラつき感が
出てくる。ナイロンパウダーやポリエチレンパウダーを
配合すると伸展性は良くなるが、付着性や成型性は悪化
する。更に、前記の特開昭54-70435号および特開昭55-2
7120号の各公報に記載されているウールパウダーやシル
クパウダーは、従来の粉砕法によって調製した粒径の比
較的大きなものであり、これらを配合したメーキャップ
化粧料はざらつき感があり、付着性が悪く、均一に塗布
することができない等の欠点があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】以上のように、従来のメーキャップ化粧料
は、伸展性、付着性、透明性、成形性等を必ずしも同時
に満足させることができる粉体成分を配合したものでは
なかった。これを解決するものとして、循環真空粉砕技
術を利用することによって得た、従来のものより格段に
微細に粉砕された動物の毛の微粉末をメーキャップ化粧
料に配合する特許が報告されている(特開昭62-252709
号公報)。しかしながら、このものは、動物由来のタン
パク特有の不快な臭いがあるため、それほどメーキャッ
プ化粧料には配合できずその結果として十分な機能を発
揮できなかった。
【0005】本発明者らは上記の問題点に鑑みて鋭意研
究した結果、羊毛および/または毛髪の不溶性キューテ
ィクルを除去したのち、コルテックス成分をS−シアノ
エチル化することにより得られる不溶性キューティクル
を除去したS−シアノエチル化ケラチンをメーキャップ
化粧料に配合すると、不快な臭いがなくて高配合でき、
さらにべたつき及び肌へのなじみなどの使用性に優れた
メーキャップ化粧料が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】本発明の目的は、特殊な処理をした羊毛お
よび/または毛髪成分を新しくメーキャプ化粧料に配合
することにより皮膚へのなじみを改良し、かつタンパク
特有の不快な臭いのない新規なメーキャップ化粧料を提
供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】すなわち、本発明は羊毛および/または毛
髪を細かく粉砕し、さらに、これをS−シアノエチル化
することにより不溶性キューティクルを除去した親水性
S−シアノエチル化ケラチンを配合することを特徴とす
るメーキャップ化粧料を提供するものである。
【0008】以下、本発明を詳述する。羊毛および/ま
たは毛髪を構成するいわゆるケラチンは、表面層の不溶
性キューティクルとその内部の親水性コルテックスから
なる。本発明においては、まず第一に、羊毛及び/又は
毛髪を細かく粉砕し、第二にケラチンをS−シアノエチ
ル化することにより不溶性キューティクルを除去し、親
水性S−シアノエチル化ケラチンである親水性コルテッ
クスを得ることが必要である。
【0009】羊毛および/または毛髪から不溶性キュー
ティクルを除去し、親水性S−シアノエチル化ケラチン
を得るには、ケラチンを効率良く、S−シアノエチル化
反応が起こる程度に細かく粉砕すればよく、その粉砕の
程度は特に限定されるものではない。S−シアノエチル
化ケラチンが得られれば、配合するメーキャップ化粧料
の要求に応じてその粉砕の程度を決定してもよい。例え
ば、羊毛および/または毛髪を 100μm以下に粉砕し
て、S−シアノエチル化することにより不溶性キューテ
ィクルを除去した親水性S−シアノエチル化ケラチンの
粉末を得ることができる。
【0010】細かく粉砕したケラチンをS−シアノエチ
ル化するには、通常、羊毛又は毛髪10gを細かく裁断
し、尿素溶液(8M尿素、0.01Mトリスアミノメタン、
0.01Mエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム) 550ml中
に入れ窒素気流中で撹拌する。これに、2−メルカプト
エタノール6mlを加え5N水酸化カリウムでpH10.3に
調製し、その状態で4時間撹拌した後、6N塩酸でpH
を 7.8とし、アクリロニトリル 5.6mlを加える。12時間
撹拌した後不溶物をナイロン布、次いでろ紙を用いてろ
別して不溶性キューティクルを除去する。ろ液を透析膜
に入れ、イオン交換水中で48時間、数回外部溶液を取り
替え、次いで蒸留水で12時間の透析を行い、透析終了
後、この溶液を凍結乾燥して白色粉末の親水性S−シア
ノエチル化ケラチンが得られる。
【0011】このようにして得られたS−シアノ化ケラ
チンは、染色あるいはUV処理した後、メーキャップ化
粧料に用いてもよく、染色については、例えば、赤色3
号、赤色 104号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色
1号、青色2号、赤色 227号、赤色 230号、橙色 206
号、橙色 207号、黄色 202号、緑色 201号、緑色 204
号、緑色 205号等のタール色素、カルミン酸、ラッカイ
ン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン、アナトー、
アントシアニン、サフロールエロー、紅鞠色素等の天然
色素で常法に従い染色することができる。UV処理につ
いては、例えば、サリチル酸、パラアミノ安息香酸、ウ
ロカニン酸、桂皮酸等の紫外線吸収剤を常法に従い吸着
させることができる。
【0012】本発明においては、不溶性キューティクル
を除去した親水性S−シアノエチル化ケラチンの粉末
を、配合するメーキャップ化粧料に応じて任意の量配合
する。通常は、メーキャップ化粧料の全重量に対して前
記の粉末を1重量%〜95重量%配合する。
【0013】本発明において、メーキャップ化粧料と
は、例えば、ファンデーション、粉白粉、アイシャド
ー、ブラッシャー、化粧下地、ネイルエナメル、アイラ
イナー、マスカラ、口紅、ファンシーパウダー等が含ま
れる。メーキャップ化粧料の形態としては、例えば、粉
末状、ケーキ状、ペンシル状、スチック状、軟膏状、液
状、乳液状、クリーム状等にすることができる。
【0014】本発明のメーキャップ化粧料には、前記の
S−シアノエチル化ケラチンの他に、通常メーキャップ
化粧料に用いられる他の成分を必要に応じて適宜配合す
ることができる。例えば、タルク、カオリン、セリサイ
ト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチ
ア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、珪ソウ土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸
ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒド
ロキシアパタイト等の無機粉末、ナイロンパウダー、ポ
リエチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、四弗
化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンピンホールポ
リマーパウダー、微結晶性セルロース等の有機粉末、酸
化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガ
ラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ酸化鉄等の無
機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒
酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンゴ
バイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔
料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の
無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化
チタンコーテッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ塩
化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッ
ドタルク、魚鱗箔、着色酸化チタンコーテッド雲母等の
パール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー
等の金属粉末顔料、赤色 202号、赤色204号、赤色 219
号、赤色 220号、赤色 221号、赤色 228号、赤色 226
号、橙色203、橙色 204号、青色 404号、黄色 205号、
黄色 401号、青色 201号等のタール色素、クロロフィ
ル、β−カロチン等の天然色素、スクワラン、流動パラ
フィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オ
ゾケライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチル
アルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコ
ール、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2-エチ
ルヘキシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ジ2−
エチルヘキサン酸ネオベンチルグリコール、トリ-2- エ
チルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2-オクチルド
デシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリ
ン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オ
リーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリス
チル、ミンク油、ラノリン等の各種炭化水素、高級脂肪
酸、油脂類、エステル類、高級アルコール、ロウ類等の
油性成分、アセトン、酢酸ブチル、酢酸エチル等の有機
溶剤、アルキッド樹脂、尿素樹脂等の樹脂、カンファ、
クエン酸アセチルトリブチル等の可塑剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、
水、アルコール、増粘剤等があげられる。
【0015】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。本発明は、これによって何ら限定されるもの
ではない。
【0016】「製造例1:不溶性キューティクルを除去
したS−シアノエチル化ケラチン(SCEK)の調製」 羊毛又は毛髪 10gを細かく裁断し、尿素溶液(8M 尿素
0.01Mトリスアミノメタン、 0.01Mエチレンジアミン四
酢酸二ナトリウム) 550ml中に入れ窒素気流中撹拌し
た。2-メルカプトエタノール6ml を加え5N水酸化カリウ
ムでpH10.3に調製した。その状態で 4時間撹拌した後、
6N塩酸でpHを 7.8としアクリロニトリル 5.6mlを加え
た。12時間撹拌した後不溶物をナイロン布、次いでろ紙
を用いてろ別して不溶性キューティクルを除去した。ろ
液を透析膜に入れ、イオン交換水中で48時間、数回外部
溶液を取り替え、次いで蒸留水中で12時間の透析を行っ
た。透析終了後、この溶液を凍結乾燥して白色粉末のSC
EKを得た。
【0017】「S−シアノエチル化ケラチンの吸水量お
よび吸油量の測定」粉体が液体を吸収し得る量の限度は
通常吸液量と言われ、液体100gに液体を少量ずつ加えて
練り合わせながら粉体の状況を観察し、ばらばらな分散
状態からひとつの塊を成す点を見出し、そのときまでに
加えた液体の重量(g)をその粉体の吸液量としてい
る。吸液量は粉体の表面の性質により大きく変化する
が、特に粒子の大きさの影響が大きく、粒度が小さいほ
ど吸液量が大きいとされている。蒸留水を用いて吸水量
を、そして流動パラフィンおよびミリスチン酸イソプロ
ピルを油として用いて吸油量を測定した結果を以下の表
1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】「メーキャップ化粧料の製造」 [官能評価基準]以下の実施例で製造した本発明のメー
キャップ化粧料の性能に関し、下記の表2に示した各項
目及び官能評価基準に従って、専門パネル20名による
5段階の官能評価を行った。
【0020】
【表2】
【0021】結果は20名の5段階評価の平均値によっ
て下記のように評価した。 ◎ :4.5 以上 5.0まで ○ :3.5 以上 4.5まで △ :2.5 以上 3.5未満 × :1.5 以上 2.5未満 ××:1.0 以上 1.5未満
【0022】実施例1:油性スチックファンデーション 以下の各成分から、本発明に係るスチックファンデーシ
ョンXを調製した。 (1)二酸化チタン 13% (2)カオリン 12 (3)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 13.7 (4)赤色酸化鉄 1.0 (5)黄色酸化鉄 0.7 (6)黒色酸化鉄 0.1 (7)スクワラン 37.0 (8)2−エチルヘキサン酸セチル 16.0 (9)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0 (10)アリストワックス 4.0 (11)カルナバロウ 1.3 (12)香 料 0.2 成分(7)(8)(9) を80℃で混合し、これに成分(1)(2)(3)
(4)(5)(6)を添加し、ディスパーで混合した後、TKミ
ル処理した。成分(10) (11) を加熱溶解し、添加混合
後、脱気した。成分(12)をゆるやかに混合した後、80℃
で容器に充填し、冷却することによりスチックファンデ
ーションXを得た。前記成分(3) のS−シアノエチル化
ケラチンの代わりに20μm以下の羊毛微粉末(羊毛を
真空式粉砕装置「成和化成:SWM−48型」の循環式
改良装置の被粉砕物収容器に充填し、系内を5mmHg
とした後、5.5kWh及び3000rpmの条件下で
6時間運転して粉砕をおこなったキューティクルを主成
分とする羊毛微粉末を強制渦遠心分級装置「日清エンジ
ニアリング:TC−15N型(分離径20μm)を用い
て分級したもの)またはタルクを同量使うこと以外は前
記と同様の方法によって、それぞれ比較例のスティック
ファンデーションYおよびZを調製した。官能評価結果
を以下の表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかなように、本発明に係るス
チックファンデーションXはY及びZに比べ官能評価項
目のいずれにおいても優れていることがわかる。
【0025】実施例2:アイシャドー 以下の各成分から、本発明に係るアイシャドーXを調製
した。 (1)タルク 6% (2)白雲母 5 (3)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 70 (4)群 青 8 (5)黄色酸化鉄 3 (6)黒色酸化鉄 1 (7)スクワラン 4 (8)2−エチルヘキサン酸セチル 1.9 (9)セスキオレイン酸ソルビタン 0.8 (10)防腐剤 0.1 (11)香 料 0.2 成分(1)(2)(3)(4)(5)(6)をヘンシェルミキサーで混合
し、その混合物に対して成分(7)(8)(9)(10)(11) を加熱
溶解混合したものを吹き付け、更に混合した後パルベラ
イザー(細川ミクロン)によって粉砕し、中皿に成型し
て本発明のアイシャドーXを得た。前記成分(3) のS−
シアノエチル化ケラチンの代わりに20μm以下の羊毛
微粉末(羊毛を真空式粉砕装置「成和化成:SWM−4
8型」の循環式改良装置の被粉砕物収容器に充填し、系
内を5mmHgとした後、5.5kWh及び3000r
pmの条件下で6時間運転して粉砕をおこなったキュー
ティクルを主成分とする羊毛微粉末を強制渦遠心分級装
置「日清エンジニアリング:TC−15N型(分離径2
0μm)を用いて分級したもの)または白雲母を同量使
うこと以外は前記と同様の方法によって、それぞれ比較
例のアイシャドーYおよびZを調製した。官能評価結果
を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表4から明らかなように、本発明に係るア
イシャドーXは比較例のアイシャドーYおよびZに比べ
優れていることがわかる。
【0028】前記の各アイシャドーを、2×3cmの中皿
に 100kg/cm2の圧力で成型した場合の硬度を測定した
ところ〔オルゼン式カタサ試験機(JIS K6301)(1ポンド
荷重)により測定〕、本発明のアイシャドーXは30、
比較例のアイシャドーYは56および比較例のアイシャ
ドーZは60であった。従って、本発明のアイシャドー
Xの方が成型性が良いことがわかる。
【0029】さらに前記と同様な条件で成型した場合の
耐衝撃性試験〔包装貨物落下試験機10型(千代田工
業):1.5m落下、鉄板上〕の結果を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】表5から明らかなように、本発明のアイシ
ャドーXは白雲母を配合したアイシャドーZよりも耐衝
撃性の向上が認められたが、従来の凍結粉砕法で得た羊
毛粉末を配合したアイシャドーYは、前記アイシャドー
Zと比較しても改善効果が認められなかった。
【0032】実施例3:ブラッシャー 以下の各成分から本発明に係るブラッシャーXを調製し
た。 (1)タルク 12.6% (2)絹雲母 8.1 (3)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン(赤色104号) 60.9 (4)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン(青色1号) 6.0 (5)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン(黄色4号) 1.0 (6)チタンマイカ 3.0 (7)スクワラン 3.0 (8)パルミチン酸2−エチルヘキシル 5.0 (9)防腐剤 0.3 (10) 香 料 0.2 前記成分(3)(4)(5) のS−シアノエチル化ケラチンの染
着物は以下のようにして調製した。前記各色素 30gと硫
酸ナトリウム300gとを水3リットルに溶解させ、前記の
製造例1によって得た、S−シアノエチル化ケラチン10
0gを加えて分散させた。これにクエン酸90gを加えて色
素を不溶化し、ケラチン表面に吸着させた。続いて80℃
まで昇温し2時間還流することにより色素をケラチンの
内部に拡散させた。濾過し、乾燥した後、乳鉢によって
粉砕することによって各S−シアノエチル化ケラチン染
着物が得られた。成分(1)(2)(3)(4)(5) をヘンシェルミ
キサーで混合し、この混合物に対して成分(7)(8)(9)(1
0) を加熱溶解混合したものを吹き付け、更に混合した
後、5パルベライザー(細川ミクロン)によって粉砕
し、さらに成分(6) を加えて混合した後、中皿に成型し
本発明のブラッシャーXを得た。
【0033】前記成分(3) のケラチン染着物(赤色 104
号)60.9重量%と前記成分(4) のケラチン染着物(青色
1号)3重量%とを、セリサイト30重量%とタルク33.9
重量%とに置換し、さらに前記成分(5) のケラチン染着
物(黄色4号)1.0 重量%を群青 0.1重量%、黄色酸化
鉄 0.1重量%、赤色酸化鉄 0.4重量%および赤色 226
号、0.4 重量%に置換すること以外は前記と同様の方法
によて比較例のブラッシャーYを調製した。官能評価結
果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】表6から明らかなように、本発明に係るブ
ラッシャーXは官能評価項目のいずれにおいても優れて
いることがわかる。
【0036】さらに、4×6cmの中皿に 120kg/cm2の圧
力で成型した場合の硬度は、本発明のブラッシャーXが
27、比較用ブラッシャーYが35であり、本発明のブ
ラッシャーXの方が成型性が良いことがわかった。
【0037】実施例4:パウダーファンデーション 以下の各成分から本発明によるパウダーファンデーショ
ンXを調製した。 (1)酸化チタン 7.0% (2)タルク 10.0 (3)白雲母 3.0 (4)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 55.0 (5)ナイロンパウダー 12.0 (6)赤色酸化鉄 0.5 (7)黄色酸化鉄 1.0 (8)黒色酸化鉄 0.1 (9)シリコンオイル 1.0 (10) パルミチン酸2-エチルヘキシル 9.0 (11) セスキオレイン酸ソルビタン 1.0 (12)防腐剤 0.3 (13)香 料 0.1 成分(1) 〜(8) をヘンシェルミキサーで混合し、この混
合物に対して成分(9)〜(13)を加熱溶解混合したものを
添加混合した後、5パルベライザー(細川ミクロン)で
粉砕し、これを中皿に成型し本発明によるパウダーファ
ンデーションXを得た。前記成分(4) のS−シアノエチ
ル化ケラチンの代わりに絹雲母を同量使うこと以外は前
記と同様の方法により、比較用パウダーファンデーショ
ンYを調製した。官能評価結果を表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】表7に示されるとおり、本発明のパウダー
ファンデーションXのほうが高い評価を受けていること
がわかる。
【0040】さらに直径5.3 cmの中皿で 160kg/cm2 の
圧力で成形した場合の硬度は、本発明のファンデーショ
ンXが26であり、比較例のファンデーションYが46
であったので、本発明のファンデーションXの方が成型
性が良いことがわかる。
【0041】実施例5:乳化ファンデーション 以下の各成分から本発明による乳化ファンデーションX
を調製した。 (1)ステアリン酸 0.4% (2)イソステアリン酸 0.3 (3)2-エチルヘキサン酸セチル 4.0 (4)流動パラフィン 11.0 (5)ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル 2.0 (6)タルク 15.0 (7)顔 料 4.0 (8)セチルアルコール 0.3 (9)防腐剤 0.07 (10)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 3.0 (11)トリエタノールアミン 0.42 (12)プロピレングリコール 5.0 (13)防腐剤 0.02 (14)イオン交換水 54.19 (15)香 料 0.3 成分(1) 〜(9) を85℃に加熱溶解混合した後、成分
(10)を添加し均一に分散した。これに、成分(11)(12)
(13)(14)を85℃に加熱溶解混合した混合物を徐々に添
加し乳化した。乳化時の温度を10分間保持して撹拌した
後、撹拌しながら冷却して45℃にした。これに成分(15)
を加えて35℃まで撹拌冷却を続け、生成物を取り出
し、容器に充填して本発明による乳化ファンデーション
Xを得た。前記成分(10)のS−シアノエチル化ケラチン
の代わりにタルク同量を使うこと以外は前記と同様の方
法により比較用乳化ファンデーションYを調製した。官
能評価結果を表8に示す。
【0042】
【表8】
【0043】表8から明らかなように本発明に係る乳化
ファンデーションXは比較用ファンデーションYに比べ
優れていることがわかる。なお、本発明のファンデーシ
ョンXは経時安定性(分解が起こらない)も優れてい
た。
【0044】実施例6:化粧下地 以下の各成分から本発明による化粧下地Xを調製した。 (1)イオン交換水 68.164% (2)グリセリン 7.0 (3)プロピレングリコール 7.0 (4)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.01 (5)EDTA・3Na2水塩 0.01 (6)赤色酸化鉄 0.01 (7)黄色酸化鉄 0.001 (8)黒色酸化鉄 0.005 (9)二酸化チタン(アナターゼ) 1.0 (10)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 1.0 (11)カセイソーダ 0.2 (12)スクワラン 3.0 (13)2−エチルヘキサン酸セチル 3.0 (14)ワセリン 1.0 (15)セトステアリルアルコール 3.0 (16)ステアリン酸 2.0 (17)モノステアリン酸グリセロール 2.0 (18)ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル 1.0 (19)パラベン 0.5 (20)香 料 0.1 成分(1) 〜(11)を70℃で混合し、この混合物に対し
て、成分(12)〜(20)を混合溶解したものを添加し、混合
乳化した後、脱気し、冷却濾過してから容器に充填して
本発明による化粧下地Xを得た。前記成分(10)のS−シ
アノエチル化ケラチンの代わりにタルク同量を使用する
こと以外は前記同様の方法により、比較用化粧下地Yを
調製した。官能評価の結果を表9に示す
【0045】
【表9】
【0046】表9から明らかなように、本発明に係る化
粧下地Xは官能評価項目のいずれにおいても優れている
ことがわかる。
【0047】実施例7:ネイルエナメル 以下の各成分から本発明のネイルエナメルを調製した。 (1)ニトロセルロース 12.0% (2)変性アルキッド樹脂 12.0 (3)クエン酸アセチルトリブチル 5.0 (4)酢酸n−ブチル 36.4 (5)酢酸エチル 6.0 (6)n−ブチルアルコール 2.0 (7)トルエン 21.0 (8)酸化鉄顔料 0.5 (9)二酸化チタン 0.1 (10)パール顔料 2.0 (11)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 2.0 (12)有機変性モンモリロナイト 1.0 成分(1) 〜(7) 〔但し、成分(4) は一部分〕を溶解し、
この溶液に、成分(12)と成分(4) の残部とを混合してゲ
ル状にしたものを添加混合し、さらに成分(8)〜(11)を
添加混合し、容器に充填し、本発明のネイルエナメルX
を得た。前記成分(11)のS−シアノエチル化ケラチンの
代わりにセリサイト同量を使用すること以外は前記と同
様の方法により、比較例のネイルエナメルYを調製し
た。官能評価の結果を表10に示す。
【0048】
【表10】
【0049】表10から明らかなように、本発明に係る
ネイルエナメルXは官能評価項目のいずれにおいても優
れていることがわかる。特にはがれの強さは特筆すべき
ところである。さらに、セリサイトに比べてケラチンは
沈降しにくいので、増粘剤の使用量を少なくすることが
できるという利点がある。
【0050】実施例8:アイライナー 以下の各成分から本発明のアイライナーを調製した。 (1)黒色酸化鉄 7.0% (2)二酸化チタン 5.0 (3)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 2.0 (4)酢酸ビニル樹脂エマルジョン 45.0 (5)グリセリン 6.0 (6)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート 1.8 (7)カルボキシメチルセルロース(10%水溶液) 18.0 (8)モンモリロナイト(5%水分散液) 5.0 (9)イオン交換水 9.9 (10)防腐剤 0.1 (11)香 料 0.2 成分(9) に成分(5)(6)を加え、これに成分(1) 〜(3) を
添加し、コロイドミル処理した(顔料部)。他の成分を
混合し、この混合物に70℃で顔料部を加えて均一に分
散した後、冷却して容器に充填し本発明のアイライナー
を得た。前記成分(3)のS−シアノエチル化ケラチンの
代わりにカオリン同量を使用すること以外は前記と同様
な方法により比較例にアイライナーを調製し、両者を比
較したところ、本発明のアイライナーの方が描き易く、
もちが良いという結果が得られた。
【0051】実施例9:油性口紅 以下の各成分から本発明の油性口紅を調製した。 (1)炭酸水素ワックス 3.1% (2)キャンデリラロウ 1.0 (3)トリイソステアリン酸グリセロール 40.0 (4)流動パラフィン 45.8 (5)二酸化チタン 4.0 (6)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 3.0 (7)赤色202号 3.0 (8)香 料 0.2 成分(1) 〜(4) を85℃に加熱溶解し、これに成分(5)
(6)(7) を加えて撹拌混合した後、成分(8) を撹拌混合
し、容器に充填して本発明の油性口紅を得た。前記成分
(6) のS−シアノエチル化ケラチンの代わりにパール顔
料同量を使用すること以外は前記と同様な方法により比
較例の油性口紅を調製して、両者を官能評価したとこ
ろ、本発明の油性口紅の方が、のび密着感およびもちが
良く、さらに金型からの離型性が良く収縮も少なかっ
た。
【0052】実施例:10 ファンシーパウダー 以下の各成分から本発明のファンシーパウダーXを調製
した。 (1)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 95.0% (2)タルク 4.0 (3)香 料 1.0 (4)酸化鉄顔料 適 量 成分(1)(2)(4) を混合した後、成分(3) を加えて混合
し、容器に充填して本発明のファンシーパウダーXを得
た。前記成分(1) のS−シアノエチル化ケラチン95重
量%の代わりにタルク同量(従って合計99重量%)を
使用すること以外は前記と同様な方法により比較例のフ
ァンシーパウダーYを調製した。各ファンシーパウダー
XおよびYを37℃の恒温槽に1ヶ月保存したサンプル
と、各々のコントロール(同じ処方で製造したファンシ
ーパウダーXおよびYの製造直後のもの)とについて、
官能評価により匂い安定性について比較した。本発明の
ファンシーパウダーXの場合には、1ヵ月保存後のサン
プルとコントロールとは殆ど変わらなかった。これに対
して、比較例のファンシーパウダーYの場合には、1ヶ
月保存後のサンプルはコントロールと比べてかなり変臭
していた。また、保香性については、ファンシーパウダ
ーXおよび製造90日後のものについて官能評価によっ
て比較したところ、本発明のファンシーパウダーXの方
が著しく優れていた。
【0053】実施例11:鉛筆タイプアイライナー 以下の各成分から本発明による鉛筆タイプアイアイナー
を調製した。 (1)硬化ヒマシ油 15.0% (2)炭化水素ワックス 6.0 (3)キャンデリラワックス 5.0 (4)ステアリン酸 12.0 (5)ミリスチン酸イソプロピル 10.95 (6)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0 (7)酸化防止剤 0.05 (8)二酸化チタン 5.0 (9)酸化鉄ブラック 35.0 (10)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 10.0 成分(1) 〜(7) を85℃に加熱溶解し、これに成分(8)
〜(10)を加えて撹拌混合した後、鉛筆用射出成型機にて
成型し、木軸にセットして本発明による鉛筆タイプアイ
ライナーを得た。前記成分(10)のS−シアノエチル化ケ
ラチンの代わりにマイカ同量を使うこと以外は、前記と
同様の方法により、比較用の鉛筆タイプアイライナーを
調製した。両者を官能評価したところ、本発明のアイラ
イナーには、のび、密着感、およびもちに改善効果が認
められた。
【0054】実施例12:マスカラ 以下の各成分から本発明によるマスカラを調製した。 (1)カルナバワックス 20.0% (2)セタノール 5.0 (3)流動パラフィン 52.4 (4)セスキオレイン酸ソルビタン 2.5 (5)ジメチルジアルキルアンモニウムヘクトライト 3.0 (6)ステアリン酸アルミニウム 5.0 (7)パラオキシ安息香酸エステル 0.05 (8)酸化鉄ブラック 7.0 (9)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 5.0 成分(1)(2)を融解した。成分(3) に成分(4) 〜(9) を分
散溶解し、さらに先に融解した成分(1)(2)を加えて均一
に撹拌混合した後、50℃まで冷却し、容器に充填して
本発明のマスカラを得た。前記成分(9) のS−シアノエ
チル化ケラチンの代わりにタルク同量を使うこと以外
は、前記と同様の方法により、比較用マスカラを調製し
た。両者を官能評価したところ、本発明のマスカラには
のび、密着感、およびもちに改善効果が認められた。
【0055】実施例13:乳化口紅 以下の各成分から本発明の乳化口紅Xを調製した。 (1)ポリエチレン 7.0 (2)セレシン 4.0 (3)キャンデリラロウ 7.0 (4)カルナバロウ 1.0 (5)ヒマシ油 20.0 (6)流動パラフィン 24.3 (7)トリステアリン酸グリセロール 20.0 (8)チタンコーティドマイカ 5.0 (9)黄色酸化鉄 1.0 (10) 赤色酸化鉄 0.3 (11) 赤色 204号 0.2 (12) ジブチルヒドロキシトルエン 0.1 (13) 香 料 0.1 (14) 製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 5.0 (15) 純 水 5.0 成分(14)(15)を混合し、その混合物を(6) の一部分と成
分(5) とに徐々に添加しながら撹拌混合してペースト状
組成物を得た。一方、成分(1) 〜(7) 〔但し、成分(6)
は残部〕を釜に仕込み、90℃にて加熱溶解し、成分
(8) 〜(11)を加え、分散させた。さらに、成分(8) 〜(1
1)を加え、分散させた。さらに、成分(12)(13)および予
め調製しておいたペースト状組成物を80℃にて分散混
合し、所定の容器に充填して、本発明の乳化口紅Xを得
た。
【0056】一方、以下の各成分から比較例の乳化口紅
Yを調製した。 (1)ポリエチレン 7.0 (2)セレシン 4.0 (3)キャンデリラロウ 7.0 (4)カルナバロウ 1.0 (5)ヒマシ油 20.0 (6)流動パラフィン 23.3 (7)トリステアリン酸グリセロール 20.0 (8)チタンコーティドマイカ 5.1 (9)黄色酸化鉄 1.0 (10) 赤色酸化鉄 0.3 (11) 赤色 204号 0.2 (12) ジブチルヒドロキシトルエン 0.1 (13) 香 料 0.1 (14) セスキオレイン酸ソルビタン 2.0 (15) 純 水 5.0 (16) プロピレングリコール 2.0 (17) ソルビット 2.0 釜中で成分(1) 〜(7) を90℃に加熱溶解し、次に、成
分(8) 〜(13)を加えて分散させた。更に成分(14)(17)を
徐々に加え、撹拌混合した。次いで、成分(15)(16)を8
0℃にて徐々に加え、撹拌混合し、所定の容器に充填成
型して比較例の乳化口紅Yを調製した。
【0057】両者を比較して官能評価したところ、本発
明乳化口紅Xにのび、密着感、およびもちに改善効果が
見られた。また、1ヶ月間−5℃、25℃、45℃およ
びサイクル条件下(−5℃〜45℃)に放置したとこ
ろ、比較例の乳化口紅Yにおいては中身やせ、つやの低
下および色調変化が顕著であったのに対し、本発明の乳
化口紅Xにおいては、全く変化が認められなかった。
【0058】実施例14:プレスドパウダー 以下の各成分から本発明のプレスドパウダーX調製し
た。 (1)パウダーベース 6.5% (2)製造例1のS−シアノエチル化ケラチン 3.0 (3)カオリン 10.0 (4)マイカ 40.0 (5)タルク 33.24 (6)ベンガラ 0.08 (7)黄酸化鉄 0.15 (8)黒酸化鉄 0.03 (9)ホホバ油 0.5 (10) スクワラン 1.0 (11) 流動パラフィン 2.0 (12) オレイン酸オクチルドデシル 3.2 (13) 防腐剤 0.3 (14) 香 料 0.1 成分(1) 〜(8) をヘンシルミキサーで混合し、この混合
物に対して、成分(9)〜(14)を加熱溶解したものを混合
した後、5パルベライザー(細川ミクロン)によって粉
砕し、中皿に120kg /cm2 の圧力で成型し、容器に入れ
て本発明のプレスドパウダーXを得た。前記成分(2) の
S−シアノエチル化ケラチンをタルクに置換すること以
外は前記と同様の方法により比較用のプレスドパウダー
Yを得た。
【0059】両者の容器を50cmの高さから繰り返し落
下させ、中身の状態を調べることによって落下強度を比
較した。中身の状態が正常なままである落下回数は、本
発明のプレスドパウダーXでは17回であったのに対
し、比較例のプレスドパウダーYでは8回であった。従
って、本発明によるプレスドパウダーXは、比較用プレ
スドパウダーYに比べて落下強度が向上していることが
わかる。
【0060】
【発明の効果】本発明においては、S−シアノエチル化
ケラチンをメーキャップ化粧料に配合することにより、
これまでのタンパク特有の不快な臭いを解消したメーキ
ャップ化粧料を提供でき、かつ従来の粉体原料、例え
ば、マイカ、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、
亜鉛華、二酸化チタン、クレイ、ナイロンパウダー、無
水ケイ酸等を配合するだけでは達成できなかった付着性
が良く、均一に塗布することができ、化粧もちがよく、
重ね塗りが簡単で、使用性のたいへん優れたメーキャッ
プ化粧料を得ることが可能になった。また、S−シアノ
エチル化ケラチンを、例えば口紅、ファンデーション、
アイシャドー、ほほ紅などに配合した場合には使用性の
たいへん優れたメーキャップ化粧料を得ることができ
る。更に本発明の大きな特徴として、前記の使用感の改
良に加えて、プレス物における成型性の改善、例えば落
下強度の向上を挙げることができる。すなわち、従来の
プレス物においては、落下強度を良くすると、とれが悪
くなり、またはテリがでて、使用性を著しく悪くすると
いう問題があった。これに対し、本発明では前記のケラ
チンを配合することにより、プレス圧を高くしてプレス
し、落下強度を向上させても、とれの状態を良好なまま
維持することが可能となる。プレス物のアイシャドーや
ほほ紅において、ブラシやチップを使用する場合も同様
である。更に、本発明の他の特徴として、前記のS−シ
アノエチル化ケラチンが乳化作用をもつので、界面活性
剤を使用しないかまたはその使用量を減らして乳化化粧
料を調製できる点を挙げることができる。界面活性剤
は、乳化安定性を良くするために必要であるが、その反
面、皮膚に対する刺激の強いものが多いので、使用量を
なるべく少なくすることが好ましい。本発明のメーキャ
ップ化粧料においては、界面活性剤を含まないかまたは
配合量が少ないので、この点で皮膚に対する安全性が高
いだけでなく、ケラチンタンパク質であるので、本質的
に安全である。更に、本発明のメーキャップ化粧料は、
透明性や保温性も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/032 A61K 7/032 7/043 7/043

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羊毛および/または毛髪を細かく粉砕
    し、さらに、これをS−シアノエチル化することにより
    不溶性キューティクルを除去した親水性S−シアノエチ
    ル化ケラチンを配合したメーキャップ化粧料。
JP21095695A 1995-07-27 1995-07-27 メーキャップ化粧料 Withdrawn JPH0940527A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21095695A JPH0940527A (ja) 1995-07-27 1995-07-27 メーキャップ化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21095695A JPH0940527A (ja) 1995-07-27 1995-07-27 メーキャップ化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0940527A true JPH0940527A (ja) 1997-02-10

Family

ID=16597901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21095695A Withdrawn JPH0940527A (ja) 1995-07-27 1995-07-27 メーキャップ化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0940527A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6506995B2 (ja) 天然のエステル、ワックス、又は油で処理された顔料、それの生産のための工程、及びそれと共に作られた化粧品
JPH1072320A (ja) 観察角度により変化する多色性を有する顔料を含有する、化粧用または医薬用製剤
EP2273972B1 (en) Ternary and quaternary wax-resin composites for use in cosmetic and pharmaceutical preparations
MXPA01001684A (es) Emulsion h/e solida que comprende gelano y un agente tensioactivo particular, y su utilizacion.
KR102116482B1 (ko) 안티폴루션 유화물이 담지된 화장료 조성물 및 이의 제조방법
CN111544340A (zh) 具有增加的皮肤粘附性和化妆品持久性的化妆品组合物及其制备方法
JPS6249247B2 (ja)
CN105980429B (zh) 化妆品和个人护理产品中的苯乙烯马来酸酐聚合物
JP2000309508A (ja) 固形メーキャップ化粧料
MXPA01001681A (es) Gel acuoso solido que comprende un gelificante hidrofilo y un polietilen glicol particular, composicion que comprende este gel y su utilizacion.
JPH101413A (ja) 化粧料
JP2003095872A (ja) 固形粉末化粧料
JP2604782B2 (ja) 化粧料
MXPA01001685A (es) Gel acuoso solido que comprende un gelificante hidrofilo y cargas particulares, composiciones que lo contienen, y su utilizacion.
JPH0764704B2 (ja) 化粧料
JP3193423B2 (ja) 固型粉末化粧料
JP2567596B2 (ja) 合成雲母粉体、その製造方法および該合成雲母粉体を配合した化粧料
JP2000344615A (ja) 粉末固型化粧料
JP4183422B2 (ja) 外用剤
JPH0729905B2 (ja) 粉末固形化粧料の製造方法
JPH0940527A (ja) メーキャップ化粧料
JP2753610B2 (ja) 固型粉末化粧料
JP4712996B2 (ja) 化粧料
JP2002068929A (ja) ケラチン含有凝集複合粒子及びそれを用いた化粧料
JP2002348209A (ja) 水中油型化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021001