JPH0939046A - 熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法Info
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- JPH0939046A JPH0939046A JP19227295A JP19227295A JPH0939046A JP H0939046 A JPH0939046 A JP H0939046A JP 19227295 A JP19227295 A JP 19227295A JP 19227295 A JP19227295 A JP 19227295A JP H0939046 A JPH0939046 A JP H0939046A
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- thermoplastic resin
- compression molding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧縮を伴なう射出成形にあって、圧縮効果の
低下を防止する。 【構成】 上型７の中央にピンゲート１０を設けると共
に、下型３に形成されているキャビティ形成用の凹部５
の中心位置に、固定ピン１４を突設し、金型を僅かに開
かせた状態で、射出口１０からキャビティ１３内に溶融
樹脂を射出した後、下型３を上昇させて前記固定ピン１
４の先端でピンゲート１０の射出口を閉塞すると共に、
キャビティ１３内の樹脂を圧縮する。
低下を防止する。 【構成】 上型７の中央にピンゲート１０を設けると共
に、下型３に形成されているキャビティ形成用の凹部５
の中心位置に、固定ピン１４を突設し、金型を僅かに開
かせた状態で、射出口１０からキャビティ１３内に溶融
樹脂を射出した後、下型３を上昇させて前記固定ピン１
４の先端でピンゲート１０の射出口を閉塞すると共に、
キャビティ１３内の樹脂を圧縮する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂の射出圧
縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方
法に関する。
縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の射出成形技術としては、
成形品形状に対応したキャビティ内に熱可塑性樹脂（溶
融樹脂）を射出充填し、そのまま固化を待つ通常の射出
成形方法と、キャビティが成形品形状と一致する寸前で
可動側金型を待機させて溶融樹脂を射出充填した後、キ
ャビティが成形品形状と一致するまで可動側金型を移動
し、圧縮を加える射出圧縮成形方法とが知られている。
成形時に加圧する後者の射出圧縮形成方法は、樹脂の配
向や成形収縮等に伴なって生ずる反り、ヒケ、変形等の
防止に有効な手段であり、近年注目されている技術であ
るが、単に圧縮を加えるだけでは、圧縮時に、キャビテ
ィ内に充填された溶融樹脂がゲートから逆流し、圧縮効
果が損なわれて反りやヒケ、変形等の発生防止に対する
効果が不充分となり、板状部ではその影響が顕著に現わ
れるし、ランナやスプルー部の樹脂が加圧されて金型離
れが悪くなってしまう。ゲート部が固化してから圧縮を
行なえば逆流を阻止できるが、その時点では、キャビテ
ィの内表面に接触しているスキン層は固化が始まってい
るため、圧縮効果が不充分となる。又、キャビティ内へ
の樹脂の供給量によって、厚みが変動する問題もある。
そこで従来において、例えば特開昭５７−９５４２９号
公報に記載の如く、固定側金型にゲート遮断ピンを設
け、そのゲート遮断ピンでゲートをその内方部位で閉塞
することによって溶融樹脂の逆流を防止する手段が提案
されている。
成形品形状に対応したキャビティ内に熱可塑性樹脂（溶
融樹脂）を射出充填し、そのまま固化を待つ通常の射出
成形方法と、キャビティが成形品形状と一致する寸前で
可動側金型を待機させて溶融樹脂を射出充填した後、キ
ャビティが成形品形状と一致するまで可動側金型を移動
し、圧縮を加える射出圧縮成形方法とが知られている。
成形時に加圧する後者の射出圧縮形成方法は、樹脂の配
向や成形収縮等に伴なって生ずる反り、ヒケ、変形等の
防止に有効な手段であり、近年注目されている技術であ
るが、単に圧縮を加えるだけでは、圧縮時に、キャビテ
ィ内に充填された溶融樹脂がゲートから逆流し、圧縮効
果が損なわれて反りやヒケ、変形等の発生防止に対する
効果が不充分となり、板状部ではその影響が顕著に現わ
れるし、ランナやスプルー部の樹脂が加圧されて金型離
れが悪くなってしまう。ゲート部が固化してから圧縮を
行なえば逆流を阻止できるが、その時点では、キャビテ
ィの内表面に接触しているスキン層は固化が始まってい
るため、圧縮効果が不充分となる。又、キャビティ内へ
の樹脂の供給量によって、厚みが変動する問題もある。
そこで従来において、例えば特開昭５７−９５４２９号
公報に記載の如く、固定側金型にゲート遮断ピンを設
け、そのゲート遮断ピンでゲートをその内方部位で閉塞
することによって溶融樹脂の逆流を防止する手段が提案
されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】固定側金型にゲート遮
断ピンを設けると、固定側金型が大型化してしまうと共
に、射出流路が長くなるので、その流路内で温度低下を
起こして樹脂の流動性が悪くなるし、取り出された成形
品には、ゲート部の一部が付着している。又、ゲートの
遮断タイミングがずれたり、可動側金型の位置決め精度
が低いと、キャビティ内の圧力不足や、逆に圧力過多を
招くといった問題があり、位置決め精度を向上させるた
めには膨大な費用を要する。
断ピンを設けると、固定側金型が大型化してしまうと共
に、射出流路が長くなるので、その流路内で温度低下を
起こして樹脂の流動性が悪くなるし、取り出された成形
品には、ゲート部の一部が付着している。又、ゲートの
遮断タイミングがずれたり、可動側金型の位置決め精度
が低いと、キャビティ内の圧力不足や、逆に圧力過多を
招くといった問題があり、位置決め精度を向上させるた
めには膨大な費用を要する。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピンホールを
有するか、又は有していても支障のない熱可塑性樹脂成
形品の成形時における圧縮効果を高めることを目的とし
たもので、その構成は、熱可塑性樹脂成形品の外形形状
に対応するキャビティを、可動側金型と固定側金型とで
形成可能とすると共に、成形操作において、前記可動側
金型を、金型が完全閉塞されて前記キャビティが成形品
形状に一致する第１の位置から、それより手前にあた
り、金型が僅かに開いた第２の位置まで退避可能とした
射出圧縮成形用金型であって、前記固定側金型に、樹脂
を射出導入するためのピンゲートを設ける一方、可動側
金型の前記ピンゲートに対向した面に、可動側金型が第
１の位置とその直前の位置である第３の位置との間にあ
るとき、ピンゲートの射出口を閉塞する固定ピンを突設
した熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型と、その金型を
使用し、可動側金型を第３の位置と第２の位置との間に
おける任意位置にしてキャビティ内へ熱可塑性樹脂を射
出した後、可動側金型を第１の位置まで移動させること
によって、固定ピンでピンゲートの射出口を閉塞すると
共に、樹脂に圧縮力を加える熱可塑性樹脂の射出圧縮成
形方法とにある。そしてそれら射出圧縮成形用金型及び
射出圧縮成形方法は、板状部を備え、その板状部にピン
ホールを有している熱可塑性樹脂成形品に好適であり、
前記射出圧縮成形方法では、任意の位置を第２の位置近
傍とし、射出された熱可塑性樹脂の圧力で可動側金型を
第２の位置まで退避させたり、任意の位置を第２の位置
とし、成形機の操作により、一旦金型を閉じた後、強制
的に可動側金型を第２の位置まで退避させることができ
る。
有するか、又は有していても支障のない熱可塑性樹脂成
形品の成形時における圧縮効果を高めることを目的とし
たもので、その構成は、熱可塑性樹脂成形品の外形形状
に対応するキャビティを、可動側金型と固定側金型とで
形成可能とすると共に、成形操作において、前記可動側
金型を、金型が完全閉塞されて前記キャビティが成形品
形状に一致する第１の位置から、それより手前にあた
り、金型が僅かに開いた第２の位置まで退避可能とした
射出圧縮成形用金型であって、前記固定側金型に、樹脂
を射出導入するためのピンゲートを設ける一方、可動側
金型の前記ピンゲートに対向した面に、可動側金型が第
１の位置とその直前の位置である第３の位置との間にあ
るとき、ピンゲートの射出口を閉塞する固定ピンを突設
した熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型と、その金型を
使用し、可動側金型を第３の位置と第２の位置との間に
おける任意位置にしてキャビティ内へ熱可塑性樹脂を射
出した後、可動側金型を第１の位置まで移動させること
によって、固定ピンでピンゲートの射出口を閉塞すると
共に、樹脂に圧縮力を加える熱可塑性樹脂の射出圧縮成
形方法とにある。そしてそれら射出圧縮成形用金型及び
射出圧縮成形方法は、板状部を備え、その板状部にピン
ホールを有している熱可塑性樹脂成形品に好適であり、
前記射出圧縮成形方法では、任意の位置を第２の位置近
傍とし、射出された熱可塑性樹脂の圧力で可動側金型を
第２の位置まで退避させたり、任意の位置を第２の位置
とし、成形機の操作により、一旦金型を閉じた後、強制
的に可動側金型を第２の位置まで退避させることができ
る。
【０００５】
【作用】可動側金型が第３の位置に到達すると、固定ピ
ンがピンゲートの射出口を閉塞し、ノズルに至る流路が
ピンゲートとキャビティとの境界で遮断されるので、取
り出される成形品からは一切の付属物がなくなるし、圧
縮時、加圧力はキャビティ内に封じ込められ、射出され
た樹脂組成物に対して１００％作用する。そして流路内
には圧縮力が作用しないので、ランナやスプルー部へ圧
縮力の影響は殆どない。又ピンゲートの閉塞タイミング
は、可動側金型の位置に連動し、必ず可動側金型が第３
の位置に到達した時に閉塞されるから、加圧力は常に一
定し、成形品の厚みにはバラツキはない。
ンがピンゲートの射出口を閉塞し、ノズルに至る流路が
ピンゲートとキャビティとの境界で遮断されるので、取
り出される成形品からは一切の付属物がなくなるし、圧
縮時、加圧力はキャビティ内に封じ込められ、射出され
た樹脂組成物に対して１００％作用する。そして流路内
には圧縮力が作用しないので、ランナやスプルー部へ圧
縮力の影響は殆どない。又ピンゲートの閉塞タイミング
は、可動側金型の位置に連動し、必ず可動側金型が第３
の位置に到達した時に閉塞されるから、加圧力は常に一
定し、成形品の厚みにはバラツキはない。
【０００６】
【実施例】本発明に係る熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用
金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法を図面
に基づいて説明する。図１は、図２に示す成形品１を形
成するための射出圧縮成形用金型を示したもので、成形
品１は、正方形の基板１ａ裏面の対向する側縁に、丈の
低い側板１ｂ，１ｂが垂下形成され、基板１ａの中心に
ピンホール２を有した蓋状を呈している。図１の射出圧
縮成形用金型において、３は可動側金型としての下型で
あり、可動側取付板４によって成形機の可動盤（図示せ
ず）に固定され、その下型３は上面中央に凹部５を有
し、その凹部５には、底面の両サイドに前記成形品１の
側板１ｂ，１ｂに対応した段部５ａ，５ａが設けられ、
成形品の厚さより深く形成されている。そして前記段部
５ａ，５ａの各底部には、エジェクタピン６，６・・が
配置されている。
金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法を図面
に基づいて説明する。図１は、図２に示す成形品１を形
成するための射出圧縮成形用金型を示したもので、成形
品１は、正方形の基板１ａ裏面の対向する側縁に、丈の
低い側板１ｂ，１ｂが垂下形成され、基板１ａの中心に
ピンホール２を有した蓋状を呈している。図１の射出圧
縮成形用金型において、３は可動側金型としての下型で
あり、可動側取付板４によって成形機の可動盤（図示せ
ず）に固定され、その下型３は上面中央に凹部５を有
し、その凹部５には、底面の両サイドに前記成形品１の
側板１ｂ，１ｂに対応した段部５ａ，５ａが設けられ、
成形品の厚さより深く形成されている。そして前記段部
５ａ，５ａの各底部には、エジェクタピン６，６・・が
配置されている。
【０００７】７は、固定側金型としての上型であり、固
定側取付板８によって成形機の固定盤（図示せず）に固
定され、その上型７の下面中央には、前記凹部５に嵌合
し、完全に押し込んだ状態で、成形品形状に忠実なキャ
ビティを形成する***部９を有し、更に、その***部の
中央下面に開口したピンゲート１０の射出口と、その射
出口に連通するランナ１１、及びスプルー１２とから成
る射出流路が形成されている。そして、成形機の可動盤
を押し上げることによって、これに固定された下型３を
上昇させて***部９を凹部５に嵌合させれば、図３に示
すように、下型３と上型７とによってキャビティ１３が
形成される。又、前記下型３は、金型が閉じられ、キャ
ビティ１３が成形品形状と一致する第１の位置Ｐ1 に正
確に位置決めできると共に、金型を僅かに開かせた第２
の位置Ｐ2 に至る任意位置まで退避可能となっていて、
エジェクタピン６は、その先端が下型３の凹部５におけ
る段部５ａの底面と同じ高さから凹部５（キャビティ１
３）内に突出可能になっている。更に、前記下型３の中
心には、その下型３が第１の位置Ｐ1 に極めて近い位置
にあるとき、ピンゲート１０の射出口に嵌合してピンゲ
ート１０の射出口を閉塞する固定ピン１４が突設されて
いる。
定側取付板８によって成形機の固定盤（図示せず）に固
定され、その上型７の下面中央には、前記凹部５に嵌合
し、完全に押し込んだ状態で、成形品形状に忠実なキャ
ビティを形成する***部９を有し、更に、その***部の
中央下面に開口したピンゲート１０の射出口と、その射
出口に連通するランナ１１、及びスプルー１２とから成
る射出流路が形成されている。そして、成形機の可動盤
を押し上げることによって、これに固定された下型３を
上昇させて***部９を凹部５に嵌合させれば、図３に示
すように、下型３と上型７とによってキャビティ１３が
形成される。又、前記下型３は、金型が閉じられ、キャ
ビティ１３が成形品形状と一致する第１の位置Ｐ1 に正
確に位置決めできると共に、金型を僅かに開かせた第２
の位置Ｐ2 に至る任意位置まで退避可能となっていて、
エジェクタピン６は、その先端が下型３の凹部５におけ
る段部５ａの底面と同じ高さから凹部５（キャビティ１
３）内に突出可能になっている。更に、前記下型３の中
心には、その下型３が第１の位置Ｐ1 に極めて近い位置
にあるとき、ピンゲート１０の射出口に嵌合してピンゲ
ート１０の射出口を閉塞する固定ピン１４が突設されて
いる。
【０００８】このように形成された成形用金型は、下型
３を第１の位置Ｐ1 に位置決めして金型を閉塞し、キャ
ビティ１３が成形品形状に一致した状態と、下型３を第
２の位置Ｐ2 に位置決めして金型を開いた状態との間を
移動させることによりキャビティ１３のボリュームを連
続的に増減でき、又、下型３を第１の位置Ｐ1 に近付け
ることにより、その第１の位置Ｐ1 直前で、固定ピン１
４の先端でピンゲート１０の射出口が閉塞される。尚、
前記スプルー１１及びランナ１２とから成る射出流路に
は、図示しない射出シリンダが接続される。
３を第１の位置Ｐ1 に位置決めして金型を閉塞し、キャ
ビティ１３が成形品形状に一致した状態と、下型３を第
２の位置Ｐ2 に位置決めして金型を開いた状態との間を
移動させることによりキャビティ１３のボリュームを連
続的に増減でき、又、下型３を第１の位置Ｐ1 に近付け
ることにより、その第１の位置Ｐ1 直前で、固定ピン１
４の先端でピンゲート１０の射出口が閉塞される。尚、
前記スプルー１１及びランナ１２とから成る射出流路に
は、図示しない射出シリンダが接続される。
【０００９】次にこのように形成された射出圧縮成形用
金型を使用した熱可塑性樹脂の成形方法を説明する。先
ず下型３が固定された成形機の可動盤を上昇させ、エジ
ェクタピン１４が没入状態にある下型３を、第１の位置
Ｐ1 と第２の位置Ｐ2 との間にあたる任意位置で待機さ
せ、キャビティ１３内に溶融樹脂を射出してキャビティ
１３内を溶融樹脂で充満させ、その樹脂の圧力で下型３
を第２の位置Ｐ2 まで下降させる（図４のａ）。又、型
締位置の制御が可能な成形機を使用する場合、型締によ
り一旦可動側金型を第１の位置Ｐ1 まで移動させた後、
成形機の操作により強制的に可動側金型を後退させるな
どの方法で、可動側金型を第２の位置Ｐ2 に位置決め
し、その状態でキャビティ１３内に溶融樹脂を射出充填
する方法を採用することもできる。この場合、より正確
な可動側金型の位置決めと、充填される樹脂量の制御が
可能になる。次に下型３を第１の位置Ｐ1 側に押し出す
と、最初は溶融樹脂の一部が射出流路内に押し戻される
が、下型３が、第１の位置Ｐ1 の直前である第３の位置
Ｐ3に到達すると、固定ピン１４がピンゲート１０に嵌
合し、射出口が閉塞されてキャビティ１３は密封される
（図４のｂ）。その後下型３が第１の位置Ｐ1 に到達す
るまでは、固定ピン１４の先端部はピンゲート１０内に
深く挿入され、キャビティ内に封じ込められた溶融樹脂
が圧縮される（図４のｃ）。このようにして、下型が第
１の位置直前の第３の位置に到達すると、射出流路がキ
ャビティとの境にあたる射出口で遮断され、キャビティ
内の樹脂の逃げ道はなくなるので、圧縮力は１００％作
用する。樹脂が固化したら下型３が固定されている可動
盤を下降させて金型を開き、エジェクタピン６を突出さ
せて成形品１を取り出し、同時に上型を分割して、成形
品１から切り離されたスプルー及びランナ部１５を取り
出す（図５）。この方法によれば、成形品のピンホール
部周囲にウエルドラインが発生しないし、固定ピンでゲ
ートを閉塞する際、ピンホールの形成と同時に、成形品
はゲート部と切り離されるから、ピンホールの穿設やゲ
ート部の切断工程を省略できる。
金型を使用した熱可塑性樹脂の成形方法を説明する。先
ず下型３が固定された成形機の可動盤を上昇させ、エジ
ェクタピン１４が没入状態にある下型３を、第１の位置
Ｐ1 と第２の位置Ｐ2 との間にあたる任意位置で待機さ
せ、キャビティ１３内に溶融樹脂を射出してキャビティ
１３内を溶融樹脂で充満させ、その樹脂の圧力で下型３
を第２の位置Ｐ2 まで下降させる（図４のａ）。又、型
締位置の制御が可能な成形機を使用する場合、型締によ
り一旦可動側金型を第１の位置Ｐ1 まで移動させた後、
成形機の操作により強制的に可動側金型を後退させるな
どの方法で、可動側金型を第２の位置Ｐ2 に位置決め
し、その状態でキャビティ１３内に溶融樹脂を射出充填
する方法を採用することもできる。この場合、より正確
な可動側金型の位置決めと、充填される樹脂量の制御が
可能になる。次に下型３を第１の位置Ｐ1 側に押し出す
と、最初は溶融樹脂の一部が射出流路内に押し戻される
が、下型３が、第１の位置Ｐ1 の直前である第３の位置
Ｐ3に到達すると、固定ピン１４がピンゲート１０に嵌
合し、射出口が閉塞されてキャビティ１３は密封される
（図４のｂ）。その後下型３が第１の位置Ｐ1 に到達す
るまでは、固定ピン１４の先端部はピンゲート１０内に
深く挿入され、キャビティ内に封じ込められた溶融樹脂
が圧縮される（図４のｃ）。このようにして、下型が第
１の位置直前の第３の位置に到達すると、射出流路がキ
ャビティとの境にあたる射出口で遮断され、キャビティ
内の樹脂の逃げ道はなくなるので、圧縮力は１００％作
用する。樹脂が固化したら下型３が固定されている可動
盤を下降させて金型を開き、エジェクタピン６を突出さ
せて成形品１を取り出し、同時に上型を分割して、成形
品１から切り離されたスプルー及びランナ部１５を取り
出す（図５）。この方法によれば、成形品のピンホール
部周囲にウエルドラインが発生しないし、固定ピンでゲ
ートを閉塞する際、ピンホールの形成と同時に、成形品
はゲート部と切り離されるから、ピンホールの穿設やゲ
ート部の切断工程を省略できる。
【００１０】このように本発明の装置では、下型を第２
の位置側から第１の位置側に向かって移動する過程で、
キャビティ内の溶融樹脂を射出流路内に押し戻し、キャ
ビティが所定のボリュームとなる第３の位置に達する
と、ゲートが閉塞されるから、溶融樹脂の射出時におけ
る下型の位置は気にする必要はなく、又ゲートが閉塞さ
れるタイミングも常に一定しているので、金型の位置決
め精度が低い型締装置であっても、精度の高い成形品を
成形できる。そして本発明の方法においては、キャビテ
ィ内に溶融樹脂を射出し始める時と射出終了時における
下型の位置は実施例に限定されず、射出時に第１の位置
にして射出圧により第２の位置まで押し戻したり、第２
の位置の手前まで押し戻し、そこで待機させるようにし
てもかまわない。
の位置側から第１の位置側に向かって移動する過程で、
キャビティ内の溶融樹脂を射出流路内に押し戻し、キャ
ビティが所定のボリュームとなる第３の位置に達する
と、ゲートが閉塞されるから、溶融樹脂の射出時におけ
る下型の位置は気にする必要はなく、又ゲートが閉塞さ
れるタイミングも常に一定しているので、金型の位置決
め精度が低い型締装置であっても、精度の高い成形品を
成形できる。そして本発明の方法においては、キャビテ
ィ内に溶融樹脂を射出し始める時と射出終了時における
下型の位置は実施例に限定されず、射出時に第１の位置
にして射出圧により第２の位置まで押し戻したり、第２
の位置の手前まで押し戻し、そこで待機させるようにし
てもかまわない。
【００１１】前記実施例の方法により成形された成形品
を、従来の方法で形成した比較データを例示する。熱可
塑性樹脂組成物としては、ガラス繊維を３０重量％配合
した液晶ポリマを使用した。
を、従来の方法で形成した比較データを例示する。熱可
塑性樹脂組成物としては、ガラス繊維を３０重量％配合
した液晶ポリマを使用した。
【表１】
【００１２】この表から、圧縮を伴なう射出圧縮成形方
法は、圧縮を伴なわない射出成形方法よりも成形収縮率
が少なくなるので、反り変形量、ヒケ量共、良好な結果
が確認され、その圧縮を伴なう射出圧縮成形方法の中で
も、ゲートを閉塞する本発明の方法で形成された成形品
は、反りやヒケ量が少なくなり、精度アップに効果的で
あることがわかる。本発明の方法を利用すれば、キャビ
ティのボリュームが一定の値になったときゲートが遮断
されて圧縮作用が働くため、待機及び退避位置がどこで
あっても圧縮効果は常に一定する。又キャビティ内の樹
脂が硬化し始める前に圧縮作用が働くため、冷却及び結
晶化によって生ずる体積減少が最小となり、成形収縮率
が大きい結晶性樹脂に最適といえ、特に、板状部を備
え、その板状部にピンホールを有した成形品に好適であ
る。
法は、圧縮を伴なわない射出成形方法よりも成形収縮率
が少なくなるので、反り変形量、ヒケ量共、良好な結果
が確認され、その圧縮を伴なう射出圧縮成形方法の中で
も、ゲートを閉塞する本発明の方法で形成された成形品
は、反りやヒケ量が少なくなり、精度アップに効果的で
あることがわかる。本発明の方法を利用すれば、キャビ
ティのボリュームが一定の値になったときゲートが遮断
されて圧縮作用が働くため、待機及び退避位置がどこで
あっても圧縮効果は常に一定する。又キャビティ内の樹
脂が硬化し始める前に圧縮作用が働くため、冷却及び結
晶化によって生ずる体積減少が最小となり、成形収縮率
が大きい結晶性樹脂に最適といえ、特に、板状部を備
え、その板状部にピンホールを有した成形品に好適であ
る。
【００１３】前記実施例では、下型が可動側金型で、上
型が固定側金型となっているが、固定側金型と固定側金
型の配置は実施例に限定されず、金型構造も、成形品の
形状等に応じ、本発明の前記目的が達成される範囲内に
おいて適宜変更できる。尚本発明において、射出口の位
置は、成形品に形成され、或は形成されていても支障の
ないピンホールの位置により決定され、形成可能な成形
品には、ピンホールを有することが必須ではあるが、ピ
ンホールを埋める加工を追加すれば、ピンホールを有し
ない成形品への応用も可能となる。又、ピンホールを有
する板状部ばかりでなく、貫通孔を有した筒状体にも適
用できる。更に、ピンホールの径には制限はなく、本発
明のピンゲートは、穴形状であるもの一切を包含する。
型が固定側金型となっているが、固定側金型と固定側金
型の配置は実施例に限定されず、金型構造も、成形品の
形状等に応じ、本発明の前記目的が達成される範囲内に
おいて適宜変更できる。尚本発明において、射出口の位
置は、成形品に形成され、或は形成されていても支障の
ないピンホールの位置により決定され、形成可能な成形
品には、ピンホールを有することが必須ではあるが、ピ
ンホールを埋める加工を追加すれば、ピンホールを有し
ない成形品への応用も可能となる。又、ピンホールを有
する板状部ばかりでなく、貫通孔を有した筒状体にも適
用できる。更に、ピンホールの径には制限はなく、本発
明のピンゲートは、穴形状であるもの一切を包含する。
【００１４】
【発明の効果】本発明の金型によれば、下型に突設され
ている固定ピンによりノズルが閉塞されるので、閉塞と
同時にピンホールの形成とゲートカットとが完了し、圧
縮時には、射出されたキャビティ内の溶融樹脂をスプル
ー側に逆流させることを防止できる。そして本発明の方
法によれば、キャビティ内の加圧力を逃がすことがなく
なり、又ゲートの閉塞タイミングは、溶融樹脂の射出タ
イミングに関係なく極めて正確で、而も圧縮効果が最大
限生かされ、精度の高い成形品を提供できる。よって可
動側金型の位置決め精度が低い成形機であっても、精度
が高く、均一した成形品の生産が可能となる。
ている固定ピンによりノズルが閉塞されるので、閉塞と
同時にピンホールの形成とゲートカットとが完了し、圧
縮時には、射出されたキャビティ内の溶融樹脂をスプル
ー側に逆流させることを防止できる。そして本発明の方
法によれば、キャビティ内の加圧力を逃がすことがなく
なり、又ゲートの閉塞タイミングは、溶融樹脂の射出タ
イミングに関係なく極めて正確で、而も圧縮効果が最大
限生かされ、精度の高い成形品を提供できる。よって可
動側金型の位置決め精度が低い成形機であっても、精度
が高く、均一した成形品の生産が可能となる。
【図１】 本発明に係る成形用金型の説明図である。
【図２】 成形される成形品の形状を示す説明図であ
る。
る。
【図３】 成形用金型の動作説明図である。
【図４】 ａ，ｂ，ｃは成形方法の工程を示す説明図で
ある。
ある。
【図５】 成形品の取り出し操作を示す説明図である。
１・・成形品、１ａ・・基板、１ｂ・・側板、２・・ピ
ンホール、３・・下型、４・・可動側取付板、５・・凹
部、５ａ・・段部、６・・エジェクタピン、７・・上
型、８・・固定側取付板、９・・***部、１０・・ピン
ゲート、１１・・ランナ、１２・・スプルー、１３・・
キャビティ、１４・・固定ピン、１５・・スプルー及び
ランナ部、Ｐ1 ・・第１の位置、Ｐ2 ・・第２の位置、
Ｐ3 ・・第３の位置。
ンホール、３・・下型、４・・可動側取付板、５・・凹
部、５ａ・・段部、６・・エジェクタピン、７・・上
型、８・・固定側取付板、９・・***部、１０・・ピン
ゲート、１１・・ランナ、１２・・スプルー、１３・・
キャビティ、１４・・固定ピン、１５・・スプルー及び
ランナ部、Ｐ1 ・・第１の位置、Ｐ2 ・・第２の位置、
Ｐ3 ・・第３の位置。
Claims (5)
- 【請求項１】 熱可塑性樹脂成形品の外形形状に対応す
るキャビティを、可動側金型と固定側金型とで形成可能
とすると共に、成形操作において、前記可動側金型を、
金型が完全閉塞されて前記キャビティが成形品形状に一
致する第１の位置から、それより手前にあたり、金型が
僅かに開いた第２の位置まで退避可能とした射出圧縮成
形用金型であって、前記固定側金型に、樹脂を射出導入
するためのピンゲートを設ける一方、可動側金型の前記
ピンゲートに対向した面に、可動側金型が第１の位置と
その直前の位置である第３の位置との間にあるとき、ピ
ンゲートの射出口を閉塞する固定ピンを突設したことを
特徴とする熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型。 - 【請求項２】 前記熱可塑性樹脂成形品が板状部を備
え、その板状部にピンホールを有している請求項１に記
載した熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型。 - 【請求項３】 請求項１に記載した射出圧縮成形用金型
を使用し、可動側金型を第３の位置と第２の位置との間
における任意位置にしてキャビティ内へ熱可塑性樹脂を
射出した後、可動側金型を第１の位置まで移動させるこ
とによって、固定ピンでピンゲートの射出口を閉塞する
と共に、樹脂に圧縮力を加える熱可塑性樹脂の射出圧縮
成形方法。 - 【請求項４】 前記任意の位置を、第２の位置近傍と
し、射出された熱可塑性樹脂の圧力で可動側金型を第２
の位置まで退避させる請求項３に記載した熱可塑性樹脂
の射出圧縮成形方法。 - 【請求項５】 前記任意の位置を第２の位置とし、成形
機の操作により、一旦金型を閉じた後、強制的に可動側
金型を第２の位置まで退避させる請求項３に記載した熱
可塑性樹脂の射出圧縮成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19227295A JP3368328B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | 熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19227295A JP3368328B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | 熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0939046A true JPH0939046A (ja) | 1997-02-10 |
| JP3368328B2 JP3368328B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=16288522
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19227295A Expired - Fee Related JP3368328B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | 熱可塑性樹脂の射出圧縮成形用金型、及びその金型を使用した射出圧縮成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3368328B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014089244A (ja) * | 2012-10-29 | 2014-05-15 | Canon Inc | ユニット |
| JP2015142982A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 有底筒状形状を有する射出成形品及び成形方法 |
-
1995
- 1995-07-27 JP JP19227295A patent/JP3368328B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014089244A (ja) * | 2012-10-29 | 2014-05-15 | Canon Inc | ユニット |
| JP2015142982A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 有底筒状形状を有する射出成形品及び成形方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3368328B2 (ja) | 2003-01-20 |
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