JPH0935227A

JPH0935227A - 磁気ヘッド装置

Info

Publication number: JPH0935227A
Application number: JP7185718A
Authority: JP
Inventors: Kazushige Kawazoe; 一重河副
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1995-07-21
Filing date: 1995-07-21
Publication date: 1997-02-07
Also published as: KR970007795A; US5956208A; SG43387A1

Abstract

(57)【要約】【課題】ジンバル上に形成される薄膜リード線の端子
と、ジンバルに取り付けられるスライダに搭載された磁
気ヘッドの端子とを、容易に確実に接続することが可能
な磁気ヘッド装置を提供する。【解決手段】本発明の磁気ヘッド装置は、薄膜リード
線がパターニングされたジンバルに磁気ヘッドを搭載し
たスライダが取り付けられるとともに、上記薄膜リード
線の端子と上記磁気ヘッドの端子とが接続された磁気ヘ
ッド装置であり、上記薄膜リード線の端子が形成された
部分のジンバルが折り曲げられ、この折り曲げられた部
分に形成された薄膜リード線の端子と、上記磁気ヘッド
の端子とが接触して、薄膜リード線の端子と磁気ヘッド
の端子とが接続される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜リード線がパ
ターニングされたジンバルに、磁気ヘッドを搭載したス
ライダが取り付けられるとともに、上記薄膜リード線の
端子と上記磁気ヘッドの端子とが接続された、ハードデ
ィスク装置等に好適な磁気ヘッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ハードディスク装置等のような磁気記録
装置に使用される磁気ヘッド装置は、図２２に示すよう
に、ベースプレート１０１と、ベースプレート１０１に
取り付けられたロードビーム１０２と、ロードビーム１
０２の先端部に取り付けられたジンバル１０３と、ジン
バル１０３に取り付けられた磁気ヘッド１０６を搭載し
たスライダ１０４とを備えている。

【０００３】上記ロードビーム１０２は、記録再生時に
スライダ１０４を記録媒体に押しつけるためのサスペン
ションとして機能するものであり、ベースプレート１０
１が取り付けられるアーム取り付け部１０２ａと、所定
の角度で折り曲げられて弾性体として機能する弾性部１
０２ｂと、両脇が折り曲げられて剛性が持たされた剛体
部１０２ｃと、ジンバル１０３が取り付けられるジンバ
ル取り付け部１０２ｄとからなる。そして、この磁気ヘ
ッド装置が磁気記録装置に組み込まれる際には、ベース
プレート１０１が取り付けられたアーム取り付け部１０
２ａが、磁気ヘッド装置を移動させるためのアームに取
り付けられる。

【０００４】このロードビーム１０２の先端部、すなわ
ちジンバル取り付け部１０２ｄに取り付けられたジンバ
ル１０３は、スライダ１０４の動きを妨げないようにす
るためのものであり、スライダ１０４がピッチ方向及び
ロール方向に動けるように、スライダ１０４の取り付け
部分の周囲に開口部１０３ａが設けられている。そし
て、このような開口部１０３ａを有するジンバル１０３
によってスライダ１０４がピッチ方向及びロール方向に
動けるようになり、記録再生時に記録媒体上でスライダ
１０４が、記録媒体の表面性等の状況に関わらず、一定
の浮上量に保たれることとなる。

【０００５】このようなジンバル１０３に取り付けられ
るスライダ１０４には、磁気コア及びコイル等からなる
磁気ヘッド１０６が形成される。そして、この磁気ヘッ
ド１０６で記録再生する際、磁気ヘッド１０６は、スラ
イダ１０４と共に記録媒体上で浮上し、この浮上した状
態で記録媒体に対して記録再生を行う。

【０００６】この磁気ヘッド１０６の端子１０４ａから
は、リード線１０５が導出されており、このリード線１
０５は、ジンバル１０３及びロードビーム１０２に沿っ
てアームへと導かれ、外部回路に接続されることとな
る。

【０００７】このような磁気ヘッド装置では、磁気記録
装置の小型化や大容量化が進むにしたがって、スライダ
１０４の小型化が進んでおり、また、その記録再生時の
浮上量も低くなってきている。具体的には、スライダ１
０４の寸法は、長さが２．０ｍｍ以下、幅が１．６ｍｍ
以下、高さが０．４３ｍｍ以下となってきており、その
記録再生時の浮上量は０．１μｍ以下となってきてい
る。

【０００８】しかし、このようにスライダ１０４が小型
化し、浮上量の減少が進むと、スライダ１０４の動きに
対する、磁気ヘッド１０６の端子１０４ａに接続された
リード線１０５の剛性の影響が大きくなってしまう。す
なわち、リード線１０５の剛性の影響により、スライダ
１０４の動きが不安定になり、例えばスライダ１０４の
浮上量に変化が生じて、正常な記録再生ができなくなっ
てしまう。

【０００９】そこで、この問題を解決するために、ジン
バル１０３に薄膜リード線を形成する方法が開発されて
いる。すなわち、磁気ヘッド１０６の端子１０４ａにリ
ード線１０５を接続するのではなく、ジンバル１０３上
に薄膜リード線を予め形成しておき、この薄膜リード線
の端子と磁気ヘッド１０６の端子１０４ａとを接続する
のである。このようにすれば、スライダ１０４の動きに
対するリード線の影響を大幅に軽減することができる。

【００１０】このように薄膜リード線を用いて、薄膜リ
ード線の端子と磁気ヘッドの端子とを接続した例は、例
えば、特開平６−２１５５１３号公報に記載されてい
る。この特開平６−２１５５１３号公報に記載される例
では、例えば、図２３に示すように、ジンバル１１０上
に薄膜リード線１１１を予め形成しておき、Ａｕボール
ボンダ装置を用いて薄膜リード線１１１の端子１１２と
磁気ヘッド１１３の端子１１４の間にＡｕボール１１５
を配し、このＡｕボール１１５によって薄膜リード線１
１１の端子１１２と磁気ヘッド１１３の端子１１４とを
接続している。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにＡ
ｕボール１１５を用いて薄膜リード線１１１の端子１１
２と磁気ヘッド１１３の端子１１４とを接続する場合、
磁気ヘッド１１３の小型化が進むと、Ａｕボール１１５
の位置と、薄膜リード線１１１の端子１１２の位置と、
磁気ヘッド１１３の端子１１４の位置とを、非常に精度
良く位置決めしなけらばならなくなり、薄膜リード線１
１１の端子１１２と磁気ヘッド１１３の端子１１４とを
確実に接続することが困難となってしまう。さらには、
磁気ヘッド１１３の小型化が進むと、薄膜リード線１１
１の端子１１２、及び磁気ヘッド１１３の端子１１４も
微小なものとなるため、Ａｕボール１１５の径も小径化
しなけらばならなくなり、薄膜リード線１１１の端子１
１２と磁気ヘッド１１３の端子１１４とを確実に接続す
ることが困難となってしまう。

【００１２】このように、薄膜リード線１１１を用いる
場合には、薄膜リード線１１１の端子１１２と磁気ヘッ
ド１１３の端子１１４とを確実に接続することが難し
く、薄膜リード線１１１の端子１１２と磁気ヘッド１１
３の端子１１４とを容易に確実に接続できるようにする
ことが大きな課題となっている。

【００１３】また、薄膜リード線を用いると、上述した
ようにスライダの動きに対するリード線の剛性の影響を
大幅に軽減することができるが、スライダが更に小型化
された場合には、薄膜リード線の剛性の影響も無視でき
なくなってくる。すなわち、従来の薄膜リード線は、図
２４に示すように、ジンバル１２０上に形成された絶縁
層１２１上にＣｕパターン１２２が形成され、更にこの
Ｃｕパターン１２２上にポリイミド等からなる保護層１
２３が形成された構造となっているため、剛性が比較的
高くなっている。したがって、スライダの小型化がさら
に進むにつれて、スライダの動きに対する薄膜リード線
の剛性の影響が無視できなくなってきており、薄膜リー
ド線に対しても何らかの剛性低減手段が必要となってき
ている。

【００１４】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、薄膜リード線の端子と磁
気ヘッドの端子とを容易に確実に接続することが可能な
磁気ヘッド装置を提供するとともに、このような磁気ヘ
ッド装置の薄膜リード線の剛性を低減することを目的と
している。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに完成された本発明に係る磁気ヘッド装置は、薄膜リ
ード線がパターニングされたジンバルに磁気ヘッドを搭
載したスライダが取り付けられるとともに、上記薄膜リ
ード線の端子と上記磁気ヘッドの端子とが接続された磁
気ヘッド装置であって、上記薄膜リード線の端子が形成
された部分のジンバルが折り曲げられ、この折り曲げら
れた部分に形成された薄膜リード線の端子と、上記磁気
ヘッドの端子とが接触して、薄膜リード線の端子と磁気
ヘッドの端子とが接続されていることを特徴とするもの
である。

【００１６】この磁気ヘッド装置では、薄膜リード線の
端子と磁気ヘッドの端子とが、Ａｕボール等を用いるこ
となく直接接続される。したがって、この磁気ヘッド装
置では、予めジンバル上に薄膜リード線の端子を磁気ヘ
ッドの端子に対応するように形成しておけば、磁気ヘッ
ドを搭載したスライダをジンバル上の所定の位置に配し
て、薄膜リード線の端子が形成された部分を折り曲げる
だけで、Ａｕボールの位置ずれ等の問題が生じることな
く、薄膜リード線の端子と磁気ヘッドの端子とを正確に
接続することができる。

【００１７】なお、上記磁気ヘッド装置の薄膜リード線
は、導電性保護膜で覆われていることが好ましい。この
ように薄膜リード線の保護膜を導電性材料で形成した場
合、導電性薄膜は従来から保護層として使用されてきた
ポリイミド等に比較して薄膜化することができるので、
薄膜リード線の剛性を下げることができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、形状、材
質等を任意に変更することが可能であることはいうまで
もない。

【００１９】本実施の形態に係る磁気ヘッド装置は、図
１に示すように、先端部にジンバルとして機能するジン
バル部１が形成されたロードビーム２と、ロードビーム
２の後端部に取り付けられるベースプレート３と、ロー
ドビーム２の強度を補強するためにロードビーム２の裏
面に取り付けられる補強板４と、ロードビーム２のジン
バル部１に取り付けられる磁気ヘッドを搭載したスライ
ダ５とを備えており、これらが図２に示すように組み合
わされて構成される。

【００２０】上記ロードビーム２は、後端部から先端部
に向かって順に、ベースプレート３が取り付けられるア
ーム取り付け部６と、所定の角度で折り曲げられた弾性
部７と、裏面に補強板が取り付けられる剛体部８と、ジ
ンバルとして機能するジンバル部１とを備えるととも
に、ジンバル部１からアーム取り付け部６に亘って一対
の薄膜リード線９が成膜されてなる。ここで、薄膜リー
ド線９は、ロードビーム２上に形成された絶縁層上に所
定の形状のＣｕパターンが形成され、さらにこのＣｕパ
ターンを覆うように導電性を有する保護膜が形成されて
なる。

【００２１】そして、アーム取り付け部６には、アーム
取り付け部６の中央に形成された開口部６ａの位置と、
ベースプレート３の中央に形成された開口部３ａの位置
とが一致するように、ベースプレート３が取り付けられ
る。ここで、開口部３ａ，６ａは、この磁気ヘッド装置
を磁気記録装置に組み込む際に、磁気記録装置のアーム
に取り付けるために使用される。

【００２２】このようにベースプレート３が取り付けら
れたアーム取り付け部６から延出し所定の角度で折り曲
げられた弾性部７は、弾性を有しており、記録再生時に
スライダ５を記録媒体に押しつけるためのサスペンショ
ンとして機能する。一方、弾性部７とジンバル部１の間
に位置する剛体部８は、裏面に強度を補強するための補
強板４が取り付けられ、ロードビーム２の先端のジンバ
ル部１に取り付けられるスライダ５を支持する。ここ
で、補強板４は、先端部に凸部４ａが形成されており、
補強板４は、この凸部４ａでジンバル部１の裏面からス
ライダ５を押すように、ロードビーム２に取り付けられ
る。

【００２３】そして、ロードビーム２の先端に形成され
たジンバル部１は、記録再生時にスライダ５のピッチ方
向及びロール方向の動きを妨げないようにするためのジ
ンバルとして機能する。このジンバル部１に取り付けら
れるスライダ５には、磁気コア及びコイル等からなる磁
気ヘッドが形成されており、記録再生用の端子５ａがス
ライダ５の側面に露出している。そして、この磁気ヘッ
ドの端子５ａに、ロードビーム２上に形成された薄膜リ
ード線９の端子９ａが接続されている。

【００２４】つぎに、磁気ヘッドの端子５ａと薄膜リー
ド線９の端子９ａとの接続について、より詳細に説明す
る。

【００２５】ジンバル部１にスライダ５を取り付ける様
子を拡大した図３に示すように、ロードビーム２の先端
に形成されたジンバル部１は、スライダ取り付け部１１
を残すように開口部１２が形成されて構成される。すな
わち、スライダ５が取り付けられるスライダ取り付け部
１１の周囲には、ジンバル部１の先端側の部分を除いて
開口部１２が形成されており、スライダ取り付け部１１
に取り付けられたスライダ５が、ロール方向及びピッチ
方向に容易に動けるようにされている。

【００２６】このようなジンバル部１上に形成される一
対の薄膜リード線９は、ジンバル部１に形成された開口
部１２によって断線しないように、それぞれ開口部１２
の外側からジンバル部１の先端側の部分を通ってスライ
ダ取り付け部１１に至るように形成され、スライダ取り
付け部１１上に端子９ａが形成される。ここで、薄膜リ
ード線９の端子９ａの位置は、スライダ５をスライダ取
り付け部１１に取り付けたときに、磁気ヘッドの端子５
ａに対応する位置とされる。そして、各薄膜リード線９
の端子９ａの周囲には、薄膜リード線９が形成された部
分を除いて開口部１３が形成されており、スライダ取り
付け部１１のうち薄膜リード線９の端子９ａが形成され
た部分が独立して変形できるようにされている。

【００２７】ここで、ジンバル部１上に形成された薄膜
リード線９は、上述したように、絶縁層上に保護膜で覆
われたＣｕパターンが形成されてなる。すなわち、図４
に示すように、薄膜リード線９は、ステンレス等からな
るジンバル部１上にポリイミド等からなる絶縁層９ｂが
設けられ、その上にＣｕ等からなる導体パターン９ｃが
形成され、さらに、この導体パターン９ｃの腐食防止の
ために、導体パターン９ｃを覆うようにＮｉ、Ａｕ等か
らなる保護膜９ｄが形成されてなる。

【００２８】ここで、ポリイミド等からなる絶縁層９ｂ
は、例えば、ポリイミド材料を塗布することによって形
成され、Ｃｕ等からなる導体パターン９ｃ、及びＮｉ、
Ａｕ等の導体からなる保護膜９ｄは、例えば、メッキや
蒸着によって形成される。また、これら絶縁層９ｂ、導
体パターン９ｃ及び保護膜９ｄは、フォトリソグラフィ
技術によってパターニングされて、所定の形状に形成さ
れる。

【００２９】このように、導体パターン９ｃの保護膜９
ｄをＮｉやＡｕ等の導電性材料で形成することにより、
薄膜リード線９の膜厚を、ポリイミド等を保護層として
いた従来のものと比較して、遥かに薄くすることができ
る。したがって、この薄膜リード線９の剛性は非常に小
さく、その結果、ジンバル部１のスライダ取り付け部１
１のピッチ方向及びロール方向の動きに対する薄膜リー
ド線９の影響は、非常に小さなものとなる。したがっ
て、このようにＮｉ、Ａｕ等の導体で保護膜９ｄが形成
された薄膜リード線９を用いることにより、薄膜リード
線９の影響によってスライダ５の動きが妨げられるよう
なことがなくなる。

【００３０】ただし、薄膜リード線９の剛性が問題とな
るのは、スライダ取り付け部１１のピッチ方向及びロー
ル方向の動きに影響する部分だけであるので、このよう
に保護膜９ｄをＮｉ、Ａｕ等の導体で形成するのは、ジ
ンバル部１の部分だけとして、他の部分に形成される薄
膜リード線９、例えば、ロードアーム２のアーム取り付
け部６、弾性部７及び剛体部８に形成される薄膜リード
線９に関しては、従来の薄膜リード線と同様に、ポリイ
ミド等で保護層を形成するようにしてもよい。

【００３１】このようなジンバル部１に取り付けられる
スライダ５は、図５に示すように、薄膜リード線９の端
子９ａの位置と、磁気ヘッドの端子５ａの位置とが対応
するように、スライダ取り付け部１１に取り付けられ
る。このとき、スライダ取り付け部１１の薄膜リード線
９の端子９ａが形成された部分は、薄膜リード線９の端
子９ａと磁気ヘッドの端子５ａとが接触するように、ス
ライダ５側に折り曲げられるとともに山型に折り返され
る。これにより、薄膜リード線９の端子９ａと磁気ヘッ
ドの端子５ａとが接触し、薄膜リード線９の端子９ａと
磁気ヘッドの端子５ａとが電気的に接続される。

【００３２】ここで、薄膜リード線９の端子９ａの部分
は、図６に示すように、薄膜リード線９の端子９ａの部
分を折り曲げたときに、スライダ取り付け部１１の中心
１１Ａから薄膜リード線９の端子９ａまでの距離ｔ１
が、スライダ取り付け部１１の中心１１Ａから磁気ヘッ
ドの端子５ａまでの距離ｔ２よりも短くなるようにして
おく。このようにすることで、図７に示すように、スラ
イダ取り付け部１１にスライダ５を取り付けたときに、
薄膜リード線９の端子９ａが形成された部分９Ａが板ば
ねのように作用し、図７中矢印Ａで示すように、薄膜リ
ード線９の端子９ａを磁気ヘッドの端子５ａに押し付け
るように働き、薄膜リード線９の端子９ａと磁気ヘッド
の端子５ａとの電気的導通が確実に取られることとな
る。

【００３３】なお、薄膜リード線９の端子９ａは、磁気
ヘッドの端子５ａに押し付けられているので、薄膜リー
ド線９の端子９ａ部分にはボンディング等を施す必要は
ないが、薄膜リード線９の端子９ａと磁気ヘッドの端子
５ａとの接続をより確実なものとするために、超音波ボ
ンダーやはんだ付け等の固定方法を併用してもよい。

【００３４】このようにスライダ５をスライダ取り付け
部１１に取り付けるときは、例えば、図８に示すよう
に、薄膜リード線９の端子９ａが形成された部分を、予
めスライダ５の側に折り曲げるとともに山型に折り返し
ておき、その後、図９に示すように、スライダ５をスラ
イダ取り付け部１１の所定の位置に取り付ける。これに
より、図１０に示すように、薄膜リード線９の端子９ａ
が磁気ヘッドの端子５ａに押し付けられて、薄膜リード
線９の端子９ａと磁気ヘッドの端子５ａとが電気的に接
続された上で、スライダ５がスライダ取り付け部１１に
取り付けられることとなる。

【００３５】あるいは、例えば、図１１に示すように、
スライダ５をスライダ取り付け部１１の所定の位置に取
り付け、その後、図１２に示すように、ナイフエッジ１
４のようなもので薄膜リード線９の端子９ａが形成され
た部分を、図１２中矢印Ｂに示すように下から上に押し
上げる。これにより、図１３に示すように、薄膜リード
線９の端子９ａの部分が山型に折り返され、薄膜リード
線９の端子９ａが磁気ヘッドの端子５ａに押し付けられ
た状態となる。この結果、薄膜リード線９の端子９ａと
磁気ヘッドの端子５ａとが電気的に接続された上で、ス
ライダ５がスライダ取り付け部１１に取り付けられるこ
ととなる。

【００３６】このように、本実施の形態に係る磁気ヘッ
ド装置では、スライダ５をスライダ取り付け部１１に取
り付けると同時に、磁気ヘッドの端子５ａと薄膜リード
線９の端子９ａとの接続を行うことが可能である。しか
も、この磁気ヘッド装置では、単に薄膜リード線９の端
子９ａの部分を折り曲げるだけで磁気ヘッドの端子５ａ
と薄膜リード線９の端子９ａとが接続されるので、磁気
ヘッドの端子５ａと薄膜リード線９の端子９ａとをＡｕ
ボール等で接続する場合と比べて、遥かに容易に磁気ヘ
ッドの端子５ａと薄膜リード線９の端子９ａとを接続す
ることができる。

【００３７】なお、薄膜リード線９の端子９ａの部分の
折り曲げ方は、薄膜リード線９の端子９ａと磁気ヘッド
の端子５ａとが接触するように折り曲げられていればよ
く、上述のように山型に折り返された形に限られるもの
ではない。

【００３８】具体的には、例えば、図１４に示すよう
に、薄膜リード線９の端子９ａが形成された部分を、ス
ライダ５の側に折り曲げるとともに、その先端側の部分
９ＢにＲをつけて巻き込むような形としてもよい。

【００３９】あるいは、例えば、図１５に示すように、
予め磁気ヘッドの端子５ａの部分をスライダ取り付け部
１１への取り付け面にまで下げた位置に形成しておき、
薄膜リード線９の端子９ａが形成された部分を少しだけ
折り曲げるようにしてもよい。

【００４０】あるいは、例えば、図１６に示すように、
薄膜リード線９を、スライダ取り付け部１１の裏側の面
に形成しておき、この部分９Ｃをスライダ５側に折り曲
げるようにしてもよい。このようにすれば、薄膜リード
線９の端子９ａの部分を山型に折り返すようなことな
く、単に一方に折り曲げるだけで、薄膜リード線９の端
子９ａと磁気ヘッドの端子５ａとが接続されることとな
る。

【００４１】なお、このように折り曲げられて磁気ヘッ
ドの端子５ａと接続される薄膜リード線９の端子９ａの
周囲に形成される開口部１３の形状は、スライダ取り付
け部１１のうち薄膜リード線９の端子９ａが形成された
部分が独立して変形できるようにされていればよい。

【００４２】この開口部１３の形状の具体的な例を図１
７乃至図１９に、薄膜リード線９の端子９ａ部分近傍を
拡大して示す。

【００４３】すなわち、例えば、図１７に示すように、
保護膜９ｄで覆われた導体パターン９ｃが絶縁層９ｂ上
に形成されてなる薄膜リード線９の端子９ａの周囲のう
ち、薄膜リード線９が導出される部分を除いた三方にわ
たって開口部１３を形成するとともに、その開口部１３
の角１３ａが直角となるように形成する。このような形
状の開口部１３は、形状が比較的単純であるので、容易
に形成することができるという利点がある。

【００４４】あるいは、例えば、図１８に示すように、
保護膜９ｄで覆われた導体パターン９ｃが絶縁層９ｂ上
に形成されてなる薄膜リード線９の端子９ａの周囲のう
ち、薄膜リード線９が導出される部分を除いた三方にわ
たって開口部１３を形成するとともに、その開口部１３
の角１３ｂの部分に丸みを付けて形成する。開口部１３
をこのような形状とすることにより、この部分を折り曲
げたときに、尖ったエッジ部分が生じることがなくな
る。したがって、開口部１３をこのように丸みを付けた
形状とすることにより、スライダ取り付け部１１にスラ
イダ５を取り付けるときに、薄膜パターン９の端子９ａ
の周囲のエッジ部分で磁気ヘッド及びスライダ５を傷つ
けてしまうような恐れがなくなる。

【００４５】あるいは、例えば、図１９に示すように、
保護膜９ｄで覆われた導体パターン９ｃが絶縁層９ｂ上
に形成されてなる薄膜リード線９の端子９ａの周囲のう
ち、薄膜リード線９が導出される部分を除いた三方にわ
たって開口部１３を形成するとともに、折り曲げられる
部分に対応する位置、すなわち開口部１３の末端部、及
び薄膜リード線９の端子９ａの両脇に、折り曲げを容易
にするために切り欠き部１３ｃを設ける。このように切
り欠き部１３ｃを設けておくと、薄膜リード線９の端子
９ａが形成された部分を図８〜１０又は図１１〜１３に
示したように折り曲げる際に、この切り欠き部１３ｃに
沿って折り曲げることにより、非常に容易に正確に所定
の位置で折り曲げることができるようになる。

【００４６】なお、以上の説明では、磁気ヘッドの端子
が２つであり、薄膜リード線が２本だけ導出されるもの
としてきたが、磁気ヘッドの端子の数はこれに限られる
ものではない。具体的には、例えば、再生用に磁気抵抗
効果型の磁気ヘッドを搭載してこの磁気ヘッドから２つ
の端子を導出し、これとは別に記録用のインダクティブ
型の磁気ヘッドを搭載してこの磁気ヘッドから２つの端
子を導出して、合計で４つの端子を導出するようにして
もよい。そして、このように磁気ヘッドの端子の数が３
以上の場合にも、薄膜リード線及びその端子の数を増や
せばよいだけで、本発明が適用できることはいうまでも
ない。

【００４７】しかも、このようにリード線の数が増える
場合には、リード線の剛性の影響がより大きくなりやす
く、また、磁気ヘッドの端子と薄膜リード線の端子との
接続をより精度良く行う必要が求められる。したがっ
て、このようにリード線の数が増える場合には、薄膜リ
ード線の剛性が低くリード線の剛性による影響が少ない
という本発明の効果、及び磁気ヘッドの端子と薄膜リー
ド線の端子との接続が容易であるという本発明の効果が
特に顕著に得られることとなる。

【００４８】また、以上の説明では、ロードアームの先
端部にジンバル部を形成したが、従来技術の説明で挙げ
た磁気ヘッド装置のように、ジンバルとロードアームと
を別々に形成し、ロードアームの先端部にジンバルを取
り付けるようにしてもよいことはいうまでもない。ただ
し、このときは、上述したように薄膜リード線をジンバ
ルからロードアームに亘って形成するのは困難なので、
薄膜リード線をジンバル部分にだけ形成するようにし
て、このジンバル部上に形成された薄膜リード線の一方
の端子を上述したように磁気ヘッドと接続し、ジンバル
部上に形成された薄膜リード線の他方の端子を外部回路
と接続されたリード線と接続するようしてもよい。ここ
で、薄膜リード線の他方の端子に接続されるリード線
は、当然のことながら、磁気ヘッドのピッチ方向及びロ
ール方向の動きとは無関係であるので、このリード線の
剛性が問題となるようなことはない。

【００４９】最後に、以上のような磁気ヘッド装置を搭
載した磁気記録装置の一例について簡単に説明する。

【００５０】この磁気記録装置は、図２０及び図２１に
示すように、クランパー３１によって所定の位置に固定
された上でスピンドルモータ３２によって回転される磁
気ディスク３３と、磁気ヘッドを搭載したスライダ３４
ｂがロードアーム３４ａの先端部に取り付けられた磁気
ヘッド装置３４とが共通のシャーシ３５上に配され、こ
の磁気ヘッド装置３４によって磁気ディスク３３に対し
て記録再生を行うものである。ここで、磁気ヘッド装置
３４は、磁気ディスク３３の両面に対して記録再生でき
るように、磁気ディスク３３を挟んで両側に配される。
そして、これらの磁気ヘッド装置３４の後端部は、ボイ
スコイルモータ３６等によって動かされるアーム３７に
取り付けられており、このアーム３７を介して磁気ヘッ
ド装置３４は、記録再生時に磁気ヘッドを搭載したスラ
イダ３４ｂが磁気ディスク３３上の所定の位置となるよ
うに移動させられる。

【００５１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気ヘッド装置では、薄膜リード線の端子と磁気
ヘッドの端子とを容易に正確に接続することができる。
また、薄膜リード線の保護膜を導電性材料で形成するこ
とにより、薄膜リード線の剛性を下げることができ、記
録再生時におけるスライダのピッチ方向及びロール方向
の動きに対する薄膜リード線の影響を軽減することが可
能となる。

【００５２】したがって、本発明によれば、薄膜リード
線の端子と磁気ヘッドの端子とが確実に接続され、薄膜
リード線の剛性が低くスライダの動きに対する薄膜リー
ド線の影響が少ない磁気ヘッド装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した磁気ヘッド装置の一構成例を
示す分解斜視図である。

【図２】本発明を適用した磁気ヘッド装置の一構成例を
示す斜視図である。

【図３】図１に示す磁気ヘッド装置のジンバル部近傍を
拡大して示す分解斜視図である。

【図４】図３に示す磁気ヘッド装置の薄膜リード線の構
造を拡大して示す断面斜視図である。

【図５】図２に示す磁気ヘッド装置のジンバル部近傍を
拡大して示す斜視図である。

【図６】薄膜リード線の端子と磁気ヘッドの端子との位
置関係を示す側面図である。

【図７】スライダ取り付け部にスライダを取り付けた状
態を示す側面図である。

【図８】薄膜リード線の端子の部分を折り曲げた状態を
示す側面図である。

【図９】スライダ取り付け部にスライダを取り付ける様
子を示す側面図である。

【図１０】スライダ取り付け部にスライダを取り付けた
状態を示す側面図である。

【図１１】スライダ取り付け部にスライダを取り付ける
様子を示す側面図である。

【図１２】薄膜リード線の端子の部分をナイフエッジで
折り曲げる様子を示す側面図である。

【図１３】スライダ取り付け部にスライダを取り付けた
状態を示す側面図である。

【図１４】薄膜リード線の端子と磁気ヘッドの端子との
接続の仕方の一例を示す側面図である。

【図１５】薄膜リード線の端子と磁気ヘッドの端子との
接続の仕方の他の例を示す側面図である。

【図１６】薄膜リード線の端子と磁気ヘッドの端子との
接続の仕方の他の例を示す側面図である。

【図１７】薄膜リード線の端子の周囲に形成される開口
部の形状の一例を示す平面図である。

【図１８】薄膜リード線の端子の周囲に形成される開口
部の形状の他の例を示す平面図である。

【図１９】薄膜リード線の端子の周囲に形成される開口
部の形状の他の例を示す平面図である。

【図２０】磁気記録装置の一構成例を示す平面図であ
る。

【図２１】磁気記録装置の一構成例を示す正面図であ
る。

【図２２】従来の磁気ヘッド装置の一構成例を示す斜視
図である。

【図２３】従来の磁気ヘッド装置における薄膜リード線
の端子と磁気ヘッドの端子との接続の様子を示す斜視図
である。

【図２４】従来の磁気ヘッド装置における薄膜リード線
の構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１ジンバル部２ロードビーム３ベースプレート４補強板５スライダ５ａ端子６アーム取り付け部７弾性部８剛体部９薄膜リード線９ａ端子

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】薄膜リード線がパターニングされたジン
バルに磁気ヘッドを搭載したスライダが取り付けられる
とともに、上記薄膜リード線の端子と上記磁気ヘッドの
端子とが接続された磁気ヘッド装置において、上記薄膜リード線の端子が形成された部分のジンバルが
折り曲げられ、この折り曲げられた部分に形成された薄
膜リード線の端子と、上記磁気ヘッドの端子とが接触し
て、薄膜リード線の端子と磁気ヘッドの端子とが接続さ
れていることを特徴とする磁気ヘッド装置。
【請求項２】前記折り曲げられたジンバルの弾性によ
り、前記薄膜リード線の端子が前記磁気ヘッドの端子に
付勢されていることを特徴とする請求項１記載の磁気ヘ
ッド装置。
【請求項３】前記ジンバルが、アームに取り付けられ
るロードビームの先端部に形成され、前記薄膜リード線
が、上記ジンバルからロードビームに亘って形成されて
いることを特徴とする請求項１記載の磁気ヘッド装置。
【請求項４】前記薄膜リード線の少なくとも端子部が
導電性保護膜で覆われていることを特徴とする請求項１
記載の磁気ヘッド装置。
【請求項５】前記薄膜リード線の全体が導電性保護膜
で覆われていることを特徴とする請求項１記載の磁気ヘ
ッド装置。
【請求項６】前記ジンバルが折り曲げられる部分に切
り欠き部が設けられ、この切り欠き部に沿ってジンバル
が折り曲げられていることを特徴とする請求項１記載の
磁気ヘッド装置。