JPH0933628A - 測角装置 - Google Patents

測角装置

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JPH0933628A
JPH0933628A JP18137995A JP18137995A JPH0933628A JP H0933628 A JPH0933628 A JP H0933628A JP 18137995 A JP18137995 A JP 18137995A JP 18137995 A JP18137995 A JP 18137995A JP H0933628 A JPH0933628 A JP H0933628A
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JP
Japan
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cluster
value
signal
angle
measurement
Prior art date
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Application number
JP18137995A
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English (en)
Inventor
Atsushi Okamura
敦 岡村
Toshiyuki Yamada
敏之 山田
Seiji Mano
清司 真野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の到来波の方位及び信号強度を測定する
測角装置において、複数回の測角を行って統計値を出力
するときに、誤った測角値を入力したり、統計値を計算
する時間内で新たな信号の発生や消滅があった場合で
も、複数回の測定により得られた複数の測定値と複数の
信号源との対応関係を正しく取る。 【構成】 信号源の発する信号を受ける複数のセンサ1
と、上記複数のセンサ1からの出力信号x1 ,x2 ,・
・・,xM を受けて測定ごとに上記信号の到来方向を求
める信号処理装置4と、上記信号処理装置4による複数
回数の測定値をクラスタに分類して統計処理することに
より対応関係を正確にとりつつ上記信号の到来方向を求
める分類処理装置6とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アンテナ、ソナー、
光ディテクタ等をセンサとし統計的信号処理を用いて信
号源の情報を収集する測角装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アンテナの解像限界は波長/アンテナ開
口径とされてきたが、近年複数アンテナと信号処理を用
いることによって、上記解像限界を越える角度分解能を
得るアルゴリズムが提案されている。このようなアルゴ
リズムとして、例えば、R.O.Schmidt:”M
ultiple Emitter Locations
and Signal Parameter Esti
mation”,IEEE Trans.AP−34,
3,pp.276−280(1986)に示されるよう
なMUSICアルゴリズムがある。
【0003】まず、図14及び図15に基づき、従来の
MUSICアルゴリズムを用いた到来電波測角装置(以
下、単にMUSIC測角装置と呼ぶ)について説明す
る。なお、電波信号の場合を例にとり説明するが、音波
信号、光波信号であっても適用できるのはいうまでもな
い。
【0004】図14は従来のMUSIC測角装置の全体
構成図であり、図において1−1,・・・,1−Mは複
数(M個)の受信アンテナ、2−1,・・・,2−Mは
受信アンテナ1−1,・・・,1−Mそれぞれに対応し
て設けられ、受信信号を検波する複数(M個)の受信
機、3−1,・・・,3−Mは受信機2−1,・・・,
2−Mにそれぞれに対応して設けられ、検波された信号
をアナログからデジタルに変換する複数(M個)のアナ
ログ/ディジタル変換器(以下A/D変換器と呼ぶ)、
4aはA/D変換器3−1,・・・,3−Mの出力信号
1 ,・・・,xM に基づきMUSICアルゴリズムに
より処理を行い、信号の到来方向を算出する信号処理装
置、5は信号処理装置4aの出力を表示する角度表示器
である。なお、図中xm は受信信号を示し、mはチャネ
ルの番号を示す添え字である。
【0005】図15は信号処理装置4aの内部構成の詳
細を示す図であり、401は信号x1 ,・・・,xM
基づき相関行列を求める相関行列R計算手段、402は
相関行列R計算手段401が出力する相関行列の固有値
及び固有ベクトルを求めるRの固有値/固有ベクトル算
出手段、403はRの固有値/固有ベクトル算出手段4
02が出力する固有値及び固有ベクトルに基づき方位評
価関数を求める方位評価関数F(θ)算出手段、404
は方位評価関数F(θ)算出手段403が出力する評価
関数F(θ)のピークを求めるピーク検出手段、405
はピーク検出手段404によりピークと判断された方位
の信号の強度を求める信号強度算出手段である。ピーク
検出手段404が出力する到来角推定値θk と信号強度
算出手段405が出力する信号強度Pk が、信号処理装
置4aの出力となる。
【0006】次に動作について説明する。図14に示す
ようにある方向(θk )から信号が到来しているものと
する。受信アンテナ1−1,・・・,1−Mがそれぞれ
この到来信号を受信する。受信機2−1,・・・,2−
Mがそれぞれ受信信号を検波する。A/D変換器3−
1,・・・,3−Mがそれぞれ検波された信号をデジタ
ルに変換する。信号処理装置4aがこれらデジタル信号
1 ,・・・,xM に基づき信号の到来角を計算する。
【0007】次に信号処理装置4aの動作について詳細
に説明する。まず、受信信号ベクトルXを式(1) で定義
する。
【0008】
【数1】
【0009】ここでiは時刻を示す添え字、Tはベクト
ル行列の転置、Mはチャネル数すなわちアレーのアンテ
ナ数である。相関行列計算手段401は時刻1からIま
での受信ベクトルX(1)〜X(I)を用いて相関行列
Rを式(2) のように算出する。
【0010】
【数2】
【0011】ここで、Hは行列ベクトルの複素共役転置
を表わす。従ってRはM×Mの正方行列である。Rの固
有値/固有ベクトル算出手段402はRの固有値λ1
λM 、固有ベクトルe1 〜eM を算出する。方位評価関
数算出手段403は、固有値λ1 〜λM の中の最小固有
値群に対応する固有ベクトルeN を用いて方位評価関数
Fを式(3) のように算出する。
【0012】
【数3】
【0013】ここで(θ)は角度θの関数であることを
示す。F(θ)はすべてのθについて算出される。a
(θ)はステアリングベクトルと呼ばれ、到来角θで入
射する電波sが1波以上存在する場合の受信ベクトルX
が式(4) で与えられるような係数ベクトルで、各アンテ
ナ1の位置及びθ方向のアンテナ指向特性により決定さ
れる。
【0014】
【数4】
【0015】ここでnはノイズベクトルであり、式(5)
に示すように各チャネルの受信機2あるいはA/D変換
器3で発生するか、もしくはアンテナ1から漏れ込むノ
イズnm を要素とする。
【0016】
【数5】
【0017】ピーク検出手段404はF(θ)の最も大
きいK個のピークを与える角度(θ)を捜索し、この値
を到来角度推定値として出力する。Kの値は固有値λ1
〜λM の分布から決定される。
【0018】以下、複数の信号が同時に入射したときの
MUSICアルゴリズムの測角原理を説明する。チャネ
ル総数Mに比べて入射波の数Kは少ない(M>K)と仮
定する。複数の電波が上記アレーアンテナに入射する際
には、受信ベクトルXは式(4) に代わって式(6) で与え
られる。
【0019】
【数6】
【0020】ここでkは入射信号の番号を示す添え字
で、Aはステアリングベクトルaで式(7) のように構成
されるM×Kの行列である。
【0021】
【数7】
【0022】sは入射信号を要素とする式(8) で与えら
れるK×1のベクトルである。
【0023】
【数8】
【0024】式(6) を用いることにより式(2) に定義さ
れる相関行列Rを式(9) のように展開できる。
【0025】
【数9】
【0026】ここでSは式(10)のように構成されるK×
Kの正方行列である。
【0027】
【数10】
【0028】σ2 はノイズ電力であり、IはM×Mの単
位行列である。各ノイズnm (m=1,2,・・・,
M)は互いに無相関で電力は等しいとした。相関行列は
エルミート行列であるからその固有値λ1 〜λM はすべ
て正の実数で、その中の最も小さなM−K個の固有値は
式(6) よりノイズ電力σ2 に等しいことがわかる。この
ような最小固有値群λ=σ2 に対応する固有ベクトルを
N で表わすと、固有値、固有ベクトルの関係から式(1
1)が成り立つ。
【0029】
【数11】
【0030】式(11)の左辺を式(9) を用いて変換すれば
式(12)が得られる。
【0031】
【数12】
【0032】ここで行列Sがフルランク、すなわち入射
信号の相互相関係数が100%よりも小さいならば式(1
2)は式(13)のように変形できる。
【0033】
【数13】
【0034】これをステアリングベクトルを用いて表わ
すとMUSICアルゴリズムの原理上重要な式(14)を得
る。
【0035】
【数14】
【0036】ところで、方位評価関数F(θ)を変数θ
についてサーチする際、変数θが電波入射角θk のいず
れかと一致すると式(14)より式(13)の分母は0となり、
方位評価関数Fの値は非常に大きな値となる。この時の
方位評価関数F(θ)を図16に例示する。ピーク検出
手段404は、このように方位評価関数F(θ)のピー
クを検出することにより入射角の推定ができる。次に推
定した入射角の信号の信号強度を算出する。ピーク検出
手段404が推定した入射角θk は、信号強度算出手段
405に入力される。ここで相関行列Rは式(9) のよう
に展開できる。この時ステアリングベクトルAは入射角
θk で決定される。ここで行列Sは式(10)を展開するこ
とにより式(15)で表わされる。
【0037】
【数15】
【0038】行列Sの(i,j)成分は第i波入射信号
i と第j波入射信号Sj との相関を与える。特に、式
(15)の対角成分から、各入射波の入射信号強度を求める
ことができる。式(9) の右辺第2項を移項した後、左側
からAH を、右側からAを乗算する。この結果、式(16)
を得る。
【0039】
【数16】
【0040】(AH A)が逆行列を持てば行列Sは式(1
7)で求められ、入射角θk に対応した信号強度Pk が求
められる。
【0041】
【数17】
【0042】上述のようにMUSICアルゴリズムを用
いた測角装置では、周波数が近接したあるいは全く同一
周波数の複数の到来波の方位、信号強度を一回の測角で
分離する、いわゆる混信分離が可能である。1回の測角
で複数波が測定可能なため、複数回の測角を行い測角値
の平均、分散等の統計値を算出する場合、到来波の入射
角や信号強度でソートし、複数回の測角で得られた信号
の対応を取り、演算を行うことができる。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、MUS
ICアルゴリズムを用いた測角装置によれば1回の測角
で混信分離が可能である。ところで、信号源の数及びそ
の方位は時時刻刻変化する。信号源が通常の通信機のよ
うに音声信号を送信しているならば継続時間は比較的長
いが、デジタルデータを送信しているならば継続時間は
比較的短いし、信号源が移動体に搭載されていれば方位
が変化する。したがって、複数のデータの平均を求めて
測角精度を向上させる場合に、測角装置による一連の測
角データをその信号源ごとに分類する必要が生じる。そ
のための方法として、一連の測角データを単純にソート
する方法がある。
【0044】しかしながら、推定入射角には一定の誤差
がありゆらぐため、単純なソートでは近接する信号源間
の測角データを正確に分類するのは難しい。正確な分類
ができなければ正しい測角値は得られない。たとえば、
最初に誤った測角値を入力すると、入射角や信号強度で
ソートした場合、信号の対応が取れなくなる。このため
統計値を算出する際、大きな誤差を生じる。また、統計
値を算出する時間内に新たな信号が発生するとやはり信
号の対応が取れなくなり、統計値は大きな誤差を生じ
る。また、入射角のみでソートすると全周を測角する
際、例えば入射角推定値が0度と359度の境界でばら
つく信号は信号間で対応が取れない。また測角時のスプ
リアスやアンビギュイティを除去するため異なるアンテ
ナを用いて複数回の測角を行う場合には、複数回の測角
値を用いて平均を求める際、スプリアスやアンビギュイ
ティにより測角推定値に誤差を生じる。
【0045】以上のように、従来の測角装置では、複数
回の測角を行い統計値を算出する際1回以上誤った測角
値を入力すると信号間の対応が取れなくなり、統計値の
誤差が大きくなるという課題があった。同様に統計値を
計算する時間内で新たな信号の発生や消滅があると信号
間の対応が取れなくなり、統計値の誤差が大きくなると
いう課題があった。さらに入射角のみでソートすると全
周で測角する際、例えば入射角の推定値が0度と359
度の境界間でばらつく信号は信号間の対応が取れず統計
値の誤差が大きくなるという課題があった。また測角時
のスプリアスやアンビギュイティを除去するため異なる
アンテナを用いて複数回の測角を行う場合には、複数回
の測角値を用いて平均を求める際、スプリアスやアンビ
ギュイティにより測角推定値に誤差が生じるという課題
があった。
【0046】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、一連の測角により得られた複数の
信号間の対応関係を得ることのできる測角装置を提供す
ることを目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る測角装置
は、信号源の発する信号を受けて、測定ごとに上記信号
源に関する測定値を出力する受信部と、上記受信部によ
る複数回数の測定値をクラスタに分類して統計処理する
ことにより上記信号源に関する情報を得る分類処理装置
とを備えたものである。
【0048】請求項2に係る測角装置は、信号源の発す
る信号を受ける複数のセンサと、互いに異なる受信利得
パターンが得られるように上記複数のセンサの受信信号
の一部を選択して出力する受信信号選択手段と、上記受
信信号選択手段の出力信号を受けて測定ごとに上記信号
の到来方向を求める信号処理装置と、上記信号処理装置
による複数回数の測定値をクラスタに分類して統計処理
することにより上記信号の到来方向を求める分類処理装
置とを備えたものである。
【0049】請求項3に係る測角装置は、上記分類処理
装置に、測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属す
るかどうか判定し、上記クラスタに属するときに上記測
定値を対応するクラスタに含める第1のクラスタ内外判
定手段と、いずれのクラスタにも属しないときに上記測
定値に対応する新たなクラスタを発生させるクラスタ発
生手段と、上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ
発生手段による複数回数の処理が終了したときに、上記
クラスタそれぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウ
ンタと、上記カウンタの計数値により上記クラスタを並
べ換えるソータと、上記計数値の多い順に上記クラスタ
と信号源とを対応させるとともに、上記クラスタに含ま
れる測定値の平均値を求めてそれぞれ出力する平均値算
出手段とを備えたものである。ことを特徴とする請求項
1または請求項2記載の測角装置。
【0050】請求項4に係る測角装置は、上記分類処理
装置に、測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属す
るかどうか判定し、上記クラスタに属するときに上記測
定値を対応するクラスタに含める第1のクラスタ内外判
定手段と、いずれのクラスタにも属しないときに上記測
定値に対応する新たなクラスタを発生させるクラスタ発
生手段と、上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ
発生手段による複数回数の処理が終了したときに、上記
クラスタそれぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウ
ンタと、上記カウンタの計数値により上記クラスタを並
べ換えるソータと、上記計数値の多い順に上記クラスタ
と信号源とを対応させるとともに、上記クラスタに含ま
れる測定値の最頻値を求めてそれぞれ出力するモード算
出手段とを備えたものである。
【0051】請求項5に係る測角装置は、上記分類処理
装置に、上記分類処理装置に、測定ごとの測定値がいず
れかのクラスタに属するかどうか判定し、1つの測定値
がクラスタに属するときに上記測定値を対応するクラス
タに含めるとともに、複数の測定値がクラスタに属する
ときにこれら複数の測定値の平均値を求め、この平均値
を上記複数の測定値に対応するクラスタに含める第2の
クラスタ内外判定手段と、いずれのクラスタにも属しな
いときに上記測定値に対応する新たなクラスタを発生さ
せるクラスタ発生手段と、上記クラスタ内外判定手段及
び上記クラスタ発生手段による複数回数の処理が終了し
たときに、上記クラスタそれぞれに含まれる測定値の個
数を数えるカウンタと、上記カウンタの計数値により上
記クラスタを並べ換えるソータと、上記計数値の多い順
に上記クラスタと信号源とを対応させるとともに、上記
クラスタに含まれる測定値の平均値をそれぞれ求めて出
力する平均値算出手段とを備えたものである。
【0052】請求項6に係る測角装置は、上記分類処理
装置に、測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属す
るかどうか判定し、1つの測定値がクラスタに属すると
きに上記測定値を対応するクラスタに含めるとともに、
複数の測定値がクラスタに属するときにこれら複数の測
定値の平均値を求め、この平均値を上記複数の測定値に
対応するクラスタに含める第2のクラスタ内外判定手段
と、いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値に
対応する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手段
と、上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生手
段による複数回数の処理が終了したときに、上記クラス
タそれぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタ
と、上記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換
えるソータと、上記計数値の多い順に上記クラスタと信
号源とを対応させるとともに、上記クラスタに含まれる
測定値の最頻値をそれぞれ求めて出力するモード算出手
段とを備えたものである。
【0053】
【作用】請求項1の発明においては、受信部が、信号源
の発する信号を受けて、測定ごとに上記信号源に関する
測定値を出力し、分類処理装置が、上記受信部による複
数回数の測定値をクラスタに分類して統計処理すること
により上記信号源に関する情報を得る。
【0054】請求項2の発明においては、複数のセンサ
が信号源の発する信号を受け、受信信号選択手段が、互
いに異なる受信利得パターンが得られるように上記複数
のセンサの受信信号の一部を選択して出力し、信号処理
装置が、上記受信信号選択手段の出力信号を受けて測定
ごとに上記信号の到来方向を求め、分類処理装置が、上
記信号処理装置による複数回数の測定値をクラスタに分
類して統計処理することにより上記信号の到来方向を求
める。
【0055】請求項3の発明においては、上記分類処理
装置の第1のクラスタ内外判定手段が、測定ごとの測定
値がいずれかのクラスタに属するかどうか判定し、上記
クラスタに属するときに上記測定値を対応するクラスタ
に含め、クラスタ発生手段が、いずれのクラスタにも属
しないときに上記測定値に対応する新たなクラスタを発
生させ、カウンタが、上記クラスタ内外判定手段及び上
記クラスタ発生手段による複数回数の処理が終了したと
きに、上記クラスタそれぞれに含まれる測定値の個数を
数え、ソータが、上記カウンタの計数値により上記クラ
スタを並べ換え、平均値算出手段が、上記計数値の多い
順に上記クラスタと信号源とを対応させるとともに、上
記クラスタに含まれる測定値の平均値を求めてそれぞれ
出力する。
【0056】請求項4の発明においては、上記分類処理
装置の第1のクラスタ内外判定手段が、測定ごとの測定
値がいずれかのクラスタに属するかどうか判定し、上記
クラスタに属するときに上記測定値を対応するクラスタ
に含め、クラスタ発生手段が、いずれのクラスタにも属
しないときに上記測定値に対応する新たなクラスタを発
生させ、カウンタが、上記クラスタ内外判定手段及び上
記クラスタ発生手段による複数回数の処理が終了したと
きに、上記クラスタそれぞれに含まれる測定値の個数を
数え、ソータが、上記カウンタの計数値により上記クラ
スタを並べ換え、モード算出手段が、上記計数値の多い
順に上記クラスタと信号源とを対応させるとともに、上
記クラスタに含まれる測定値の最頻値を求めてそれぞれ
出力する。
【0057】請求項5の発明においては、上記分類処理
装置の第2のクラスタ内外判定手段が、測定ごとの測定
値がいずれかのクラスタに属するかどうか判定し、1つ
の測定値がクラスタに属するときに上記測定値を対応す
るクラスタに含めるとともに、複数の測定値がクラスタ
に属するときにこれら複数の測定値の平均値を求め、こ
の平均値を上記複数の測定値に対応するクラスタに含
め、クラスタ発生手段が、いずれのクラスタにも属しな
いときに上記測定値に対応する新たなクラスタを発生さ
せ、カウンタが、上記クラスタ内外判定手段及び上記ク
ラスタ発生手段による複数回数の処理が終了したとき
に、上記クラスタそれぞれに含まれる測定値の個数を数
え、ソータが、上記カウンタの計数値により上記クラス
タを並べ換え、平均値算出手段が、上記計数値の多い順
に上記クラスタと信号源とを対応させるとともに、上記
クラスタに含まれる測定値の平均値をそれぞれ求めて出
力する。
【0058】請求項6の発明においては、上記分類処理
装置の第2のクラスタ内外判定手段が、測定ごとの測定
値がいずれかのクラスタに属するかどうか判定し、1つ
の測定値がクラスタに属するときに上記測定値を対応す
るクラスタに含めるとともに、複数の測定値がクラスタ
に属するときにこれら複数の測定値の平均値を求め、こ
の平均値を上記複数の測定値に対応するクラスタに含
め、クラスタ発生手段が、いずれのクラスタにも属しな
いときに上記測定値に対応する新たなクラスタを発生さ
せ、カウンタが、上記クラスタ内外判定手段及び上記ク
ラスタ発生手段による複数回数の処理が終了したとき
に、上記クラスタそれぞれに含まれる測定値の個数を数
え、ソータが、上記カウンタの計数値により上記クラス
タを並べ換え、モード算出手段が、上記計数値の多い順
に上記クラスタと信号源とを対応させるとともに、上記
クラスタに含まれる測定値の最頻値をそれぞれ求めて出
力する。
【0059】
【実施例】
実施例1.図1〜図4に基づき、この実施例1のMUS
ICアルゴリズムを用いた到来電波測角装置(以下、単
にMUSIC測角装置と呼ぶ)について説明する。な
お、電波信号の場合を例にとり説明するが、音波信号、
光波信号であっても適用できるのはいうまでもない。
【0060】図1はこの実施例1のMUSIC測角装置
の全体構成図であり、図において1−1,・・・,1−
Mは複数(M個)の受信アンテナ、2−1,・・・,2
−Mは受信アンテナ1−1,・・・,1−Mそれぞれに
対応して設けられ、受信信号を検波する複数(M個)の
受信機、3−1,・・・,3−Mは受信機2−1,・・
・,2−Mにそれぞれに対応して設けられ、検波された
信号をアナログからデジタルに変換する複数(M個)の
アナログ/ディジタル変換器(以下A/D変換器と呼
ぶ)、4aはA/D変換器3−1,・・・,3−Mの出
力信号x1 ,・・・,xM に基づきMUSICアルゴリ
ズムにより処理を行い、信号の到来方向を算出する信号
処理装置、5は信号処理装置4aの出力を表示する角度
表示器、6は統計的処理により測角データを信号源ごと
に分類する分類処理装置である。受信アンテナ1、受信
機2、A/D変換器3は受信部として機能する。なお、
図中xm は受信信号を示し、mはチャネルの番号を示す
添え字である。
【0061】図2は信号処理装置4a及び分類処理装置
6aの内部構成の詳細を示す図である。まず、信号処理
装置4aの内部構成について説明する。同図において、
401は信号x1 ,・・・,xM に基づき相関行列を求
める相関行列R計算手段、402は相関行列R計算手段
401が出力する相関行列の固有値及び固有ベクトルを
求めるRの固有値/固有ベクトル算出手段、403はR
の固有値/固有ベクトル算出手段402が出力する固有
値及び固有ベクトルに基づき方位評価関数を求める方位
評価関数F(θ)算出手段、404は方位評価関数F
(θ)算出手段403が出力する評価関数F(θ)のピ
ークを求めるピーク検出手段、405はピーク検出手段
404によりピークと判断された方位の信号の強度を求
める信号強度算出手段である。ピーク検出手段404が
出力する到来角推定値θk と信号強度算出手段405が
出力する信号強度Pk が、信号処理装置4aの出力とな
る。
【0062】次に、分類処理装置6aの内部構成につい
て説明する。601は測定された角度データが角度デー
タの集団であるクラスタに含まれるかどうか判定するク
ラスタ内外判定手段、602はいずれのクラスタにも含
まれない角度データが存在するとき、この角度データを
中心とする新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手
段、603はクラスタの数を数えるカウンタ、604は
クラスタに含まれるデータの数の順にソート処理するソ
ータ、605はクラスタに含まれる測角値の平均をクラ
スタごとに求める平均値算出手段である。
【0063】図3は分類処理装置6aの動作を説明する
ためのフローチャートである。図4は分類処理装置6a
の動作を説明するための図であり、測定結果からクラス
タを形成する一連の処理の流れを示す図である。同図
は、上から順に、フレームタイムが1、2、3、4、・
・・Jのときに得られた測角データの角度軸上の状態を
示している。ここでフレームタイムとは、一組の測角デ
ータを得る時間単位(時刻)のことであり、ひとつのフ
レームタイムにおいて1回の測定がなされる。また、ク
ラスタとは複数のフレームタイムにわたって測定された
複数の測角値が形成するデータの集団のことであり、正
しくクラスタに分類されたときは、クラスタと電波源と
は1対1で対応する。図4において、θijはタイムフレ
ームjにおける測角のうちのi番目の測角値を示す。
【0064】次に動作について説明する。図1に示すよ
うにある方向(θk )から信号が到来しているものとす
る。受信アンテナ1−1,・・・,1−Mがそれぞれこ
の到来信号を受信する。受信機2−1,・・・,2−M
がそれぞれ受信信号を検波する。A/D変換器3−1,
・・・3−Mがそれぞれ検波された信号をデジタルに変
換する。信号処理装置4aがこれらデジタル信号x1
・・・,xM に基づき信号の到来角を計算する。
【0065】信号処理装置4aを構成する、相関行列R
計算手段401、Rの固有値/固有ベクトル算出手段4
02、方位評価関数F(θ)算出手段403、ピーク検
出手段404、信号強度算出手段405は、従来例の場
合と同じ処理により入射波の個数K個を推定し、K組の
測角値θi と信号強度Pi を分類処理装置6aに対して
出力する。
【0066】次に分類処理装置6aの動作について、図
3及び図4に基づき説明する。 [タイムフレーム1]タイムフレーム1は最初のタイム
フレームであり、クラスタは形成されていない。したが
って、初期値として測角値それぞれにクラスタを対応さ
せる。まず、フレームタイムj=1とし(図3のST
1)、クラスタ数NC =1とする(ST2)。そして、
フレームタイムjにおける得られたすべての測角値及び
その数を調べ、それら測角値θ1 〜θKj及び推定入射信
号数Kj を所定のメモリテーブル等に入力する(ST
3)。次にそれら測角値θ1 〜θKjをそれぞれ分類する
ためのカウンタi=1とする。
【0067】タイムフレーム1において初期設定するた
めに、処理はST4の次にST9に進む。すなわち、処
理ST5,ST6はスキップされる。クラスタの数NC
をインクリメントするとともに(ST9)、クラスタC
n に測角値θi を含ませ(ST10)、このクラスタC
n に属する測角値の数LC =1とする(ST11).以
上の処理ST9〜ST11によりθi を中心とするクラ
スタが発生する。そしてすべての測角値についてクラス
タが形成されたかどうか判定し(ST12)、残ってい
る測角値があればカウンタiをインクリメントし(ST
13)、ST5,ST6,ST9,ST10,ST1
1,ST12,ST13を繰り返す。すべての測角値に
ついてクラスタが形成されたときは、ST14にjをイ
ンクリメントして次のフレームタイムの処理に移る。
【0068】図4のタイムフレーム1において到来信号
数は2個(すなわちKj =2)であり、2つの測角値θ
11,θ21が得られる。比較対象となるクラスタはないか
ら、クラスタ内外判定手段601はこれら測角値をその
ままクラスタ発生手段に出力する。クラスタ発生手段6
02は、測角値θ11,θ21に対応してそれぞれ2個のク
ラスタC1 、C2 を発生する。このときクラスタの中心
角度は、それぞれC1=θ11,C2 =θ21である。ま
た、各クラスタに属する測角値の数は、Lc1=1,Lc2
=1に設定される。
【0069】[タイムフレーム2]タイムフレーム2の
処理において、クラスタ内外判定手段601は、このタ
イムフレームで得られた測角値ひとつひとつを、すでに
存在するクラスタと比較することにより、測角値に最も
近接しているCn を選択する(ST5)。この判定処理
は、測角値がクラスタの中心から一定の距離D内にある
かどうかを調べることにより行う。判定対象となる範囲
は、それぞれのクラスタの中心角度の前後にわたり±D
だけ設けられる。
【0070】ここでDは、多数の測角値を適切に分類で
きるように、測角値の角度軸上の予想分布に対応して設
定される。たとえば、この実施例1の測角装置の角度分
解能をrとしたとき、測角値の間隔はrとなると予想さ
れる。したがって、2D=r(あるいはD=r)と設定
すれば適切に分類できる。また、電波源の角度軸上の間
隔が非常に狭いときは、これら電波源を確実に分離でき
るように、Dをさらに小さくするようにしてもよい。さ
らに、Dは一定値とせず、時間の関数としてもよく、D
を切り替えることにより測角精度を任意に調整すること
もできる。また、Dを角度ごとに変化させてもよい。た
とえば、θk が0度付近では測定精度は高いからDを小
さくし、θk が±90度付近ではアンテナパターンのサ
イドローブやアンテナ相互間の干渉等の影響により測定
精度が低くなるからDを大きくする。
【0071】なお、1つの測角値が複数のクラスタに含
まれる場合には、この測角値を、含まれる測角値の数が
多い方のクラスタに分類してもよい。このようにすると
分類の信頼度が向上する。
【0072】上記の処理で次の2ケースが発生する。 [ケースA]測角値θi が式(18)を満足する場合であ
る。このとき、クラスタ内外判定手段601はこの測角
値θi を、すでに観測された電波源により求められたク
ラスタCn に属すると判定する。 ABS(θi −Cn ) < D ・・・(18) ここで、ABS( )は、括弧内の式または値の絶対値
をとることを意味する絶対値記号である。この処理はS
T6においてなされる。このとき、クラスタ発生手段6
02は、新たに加えられた測角値θi を含むすべての測
角値の平均値を求め、これをクラスタ中心角度Cn とす
る(ST7)。あるいは、測角値θi がクラスタ中心角
度Cn に近い場合には、簡単にCn =θi に設定しても
よい。また、カウンタ603はクラスタCn に属する測
角値の数Lcnをインクリメント(Lcn=Lcn+1)する
(ST8)。処理はST12に移る。
【0073】[ケースB]測角値θi が式(18)を満足し
ない場合である。このとき、クラスタ内外判定手段60
1は測角値θi を新たな電波源により生じたものである
と判定する。このケースBのとき、クラスタ発生手段6
02は新規クラスタを発生する。具体的な処理は、先に
述べたようにST9〜ST11により行われる。
【0074】図4のフレームタイム2において、新たな
測角値としてθ22及びθ12が得られた。このうちθ
22は、フレームタイム1の測角値θ21により得られたク
ラスタC2 との関係において式(18)を満足する(ケース
A)。このとき、クラスタ発生手段602は、クラスタ
中心角度C2 をθ21、θ22の平均値に設定する。また、
カウンタ603はクラスタC2 に属する測角値の数Lc2
をインクリメント(Lc2=Lc2+1)する。この測角値
の数Lc2は、次回の処理に用いられる。
【0075】一方、θ12は式(18)を満足しない。したが
って、測角値θ12は新たなクラスタを形成する。この時
クラスタ発生手段602は新規クラスタC3 を生成し、
クラスタの個数Nc をNc =Nc +1とする。そして、
カウンタ603はクラスタC3 に属する測角値の個数L
c3をLc3=1とする。
【0076】[タイムフレーム3]タイムフレーム3に
おいても、タイムフレーム2と同様の処理がなされる。
新たな測角値θ23及びθ13は、それぞれクラスタC2
3 に含まれると判定される。そして、クラスタC2
3 の新たな中心角度及び測角値の数が設定される。タ
イムフレーム4においても同様の処理がなされる。
【0077】なお以上のように処理することにより、最
新の測定値がクラスタの中心角度となるため、移動中の
電波源に対しても適切に対応することができる。
【0078】[タイムフレームJ]タイムフレームJに
おいて、一応、最終的なクラスタが得られたものとす
る。最終的なクラスタの個数Nc は3である。また、ク
ラスタC1 、C2 、C3 の中心角度は、それぞれ、これ
らクラスタに含まれる測角値の平均値である。図4の場
合において、クラスタに属する測角値の個数Lc は、C
1 ,C2 ,C3 それぞれについて1,6,5である。
【0079】ここでタイムフレーム4の場合を考える。
ソータ604は、各クラスタごとに属する測角値を大き
い順にソートして応しクラスタの中心角度を並べ換え
る。この結果Lc の大きい順にC2 ,C3 ,C1 が得ら
れる。この例では統計を求める際の入射波の個数は2で
あるので、データ数が多い順にクラスタを選択し、
2,C3 を入射波が属するクラスタと決定する。クラ
スタC2 に含まれる測角値はθ21,θ22,θ23,θ24
c2=4である。第2波の測角値θa2は平均値算出手段
で式(19)を演算して求められる。 θa2=(θ21+θ22+θ23+θ24)/LC2 ・・・(19)
【0080】また、第2波の測定値の分散σa1は式(20)
で演算して求められる。 σa2=[{(θ21−θa22 +(θ22−θa22 +(θ23−θa22 +(θ24−θa22 }/LC21/2 ・・・(20)
【0081】同様に、第2波の信号強度Pa1は、測定角
度θ21,θ22,θ23,θ24に対応した信号強度の平均値
を演算して求められる。
【0082】また、クラスタC3 に含まれる測角値はθ
12,θ13,θ14,Lc3=3である。第1波の測角値θa1
は平均値算出手段で式(21)を演算して求められる。 θa1=(θ12+θ13+θ14)/LC3 ・・・(21)
【0083】また第1波の測定値の分散σa1は式(22)を
演算して求められる。 σa1=[{(θ12−θa12 +(θ13−θa12 +(θ14−θa12 }/LC31/2 ・・・(22)
【0084】同様に、第1波の信号強度Pa2は、測定角
度θ12,θ13,θ14に対応した信号強度の平均値を演算
して求められる。
【0085】以上の説明から明らかなように、複数のタ
イムフレームにおいて測定されたデータに基づきクラス
タを求め、このクラスタごとに統計的に測角値を求める
ので、たとえノイズ(たとえばタイムフレーム1の測角
値θ11)が発生しても、このノイズの影響を除去して精
度の高い測角値を求めることができる。
【0086】以上のように、この実施例1の測角装置
は、誤った測角値が入力された場合でも、信号源ごとに
複数の測定により得られた信号間の対応を取ることがで
きて、精度の高い測角情報を提供することができる。ま
た、全周で測角する際、例えば入射角の推定値が0度と
359度の境界間でばらつく信号についても信号間の対
応を取ることができる。また、測角時のスプリアスやア
ンビギュイティを除去するため異なるアンテナを用いて
複数回の測角を行う場合でも、スプリアスやアンビギュ
イティにより測角推定値に誤差が生じることがなくな
る。
【0087】なお、この実施例1では、角度に基づきク
ラスタ処理を行ったが、信号強度を用いても同様の効果
が得られる。また、角度と信号強度の両方を用い2次元
の処理を行っても同様の効果が得られる。(角度、信号
強度)=(θi ,Pi )としたとき、クラスタCj の中
心座標(θCj,PCj)との距離を{(θi −θCj2
(Pi −PCj21/2 と定義すればよい。また、この
距離はユークリット距離であるが、マハラノビス距離を
用いても良い。
【0088】また、距離により判断するのでなく、類似
度で判断するようにしてもよい。類似度を、ベクトル内
積(θi ・θCj+Pi ・PCj)と定義すればよい。ま
た、ベクトルのなす角をφとしたとき、類似度をcos
φ=(θi ・θCj+Pi ・PCj)/{(θi −θCj2
+(Pi −PCj21/2 と定義してもよい。類似度を
用いる場合、Dの代わりに基準となる類似度Sを用い
る。ある測角値とあるクラスタとの類似度が、この類似
度Sよりも大きいとき、この測角値はこのクラスタに含
まれると判断する。
【0089】実施例2.上記実施例1では、分類処理装
置6の出力段において、クラスタごとに平均値を求める
ことにより到来角推定値及び信号強度を得て出力とし
た。この実施例2では平均値を算出することに代えてモ
ードを算出するようにした。
【0090】図5、この実施例2の信号処理装置4a及
び分類処理装置6bの内部構成を示す図である。信号処
理装置4aは実施例1のものと同じである。606はク
ラスタに含まれる測角値及び信号強度のモードを求め、
これらを到来角推定値及び信号強度として出力するモー
ド算出手段である。分類処理装置6bのクラスタ内外判
定手段601、クラスタ発生手段602、カウンタ60
3、ソータ604は、実施例1のものと同じである。
【0091】以下、動作について説明する。クラスタ内
外判定手段601、クラスタ発生手段602、カウンタ
603、ソータ604は、図3のフローチャートに従い
ケースA,Bの処理を行い、クラスタを形成するととも
にクラスタを並べ換える。
【0092】ところで、図4の例において、中心角度C
2 を与えるクラスタに属する測角値はθ21,θ22
θ23,θ24,Lc2=4である。ここで、タイムフレーム
3のときのみ瞬時のノイズが発生し、誤差αが生じたと
する。このとき、θ21=θ22=θ24は真の到来方位を与
えるが、実施例1のように平均を求めて出力すると第2
波の測角値θa2はα/4の誤差を持ってしまう。そこで
本実施例では、モード算出手段411が中心角度C2
与えるクラスタに属する測角値θ21,θ22,θ23,θ24
の最頻値を求め、これを真の到来方向として出力する。
これにより、電波源が移動せず、かつ、得られる測角値
がほぼ一定であるが、まれにノイズで測角値が変動する
のみの場合、真の到来方位に完全に一致した測角値を出
力できる。第1波の測定でも最頻値を出力することによ
り、瞬時のノイズに対して真の到来方位に一致した測角
値を出力できる。
【0093】実施例3.上記実施例1及び2において、
1つのフレームタイムに複数の測角値が得られた場合で
も、これら測角値はそれぞれ別のクラスタに属した。し
かし、1つのフレームタイムの複数の測角値が1つのク
ラスタに属する場合もある。
【0094】たとえば、ステアリングベクトルを算出す
るためのアンテナパターンの測定や実際の測角を行うた
めの測定において、振幅及び位相に誤差があると、方位
評価関数は鋭いピークとならず、図8に示すように真の
ピーク(図中の「到来角真値θ2 」)の周辺に複数のピ
ーク(図中の「偽のピーク」)が現れることがある。こ
れら「到来角真値θ2 」と「偽のピーク」は、同じクラ
スタに属する場合がある。この実施例3は、このような
場合についても適切な処理ができる測角装置に関するも
のである。
【0095】図6のフローチャートに従ってこの実施例
3の動作を説明する。図中、Mc は各クラスタ内のデー
タの個数を意味する。MC は、同じフレームタイムにお
いて複数の測角値が1つのクラスタに属した場合でも、
これら複数の測角値をひとつひとつ数えたものである。
したがってMC はフレームタイムの数より大きくなるこ
とがある。これに対し、LC は、同じフレームタイムに
おいて1つのクラスタに属する複数の測角値について
は、これらの平均値を1つと数える。したがってLC
フレームタイムの数よりも大きくなることはない。
【0096】図7は各タイムフレームにおける測定結果
の例とクラスタの動作を説明する図であり、以下、本図
に基づき具体的動作を説明する。図7ではθijはタイム
フレームjにおけるi番目の測角値を示す。
【0097】タイムフレーム1において、到来信号数は
2個、測角値はθ11,θ21である。クラスタ発生手段6
02は、測角値θ11,θ21に対応しそれぞれ2個のクラ
スタを発生する。この時クラスタの中心角度はそれぞれ
1 =θ11,C2 =θ21である。また各クラスタに属す
る測角値の数Lc は、Lc1=1,Lc2=1、クラスタ内
のデータ数Mc はMc1=1,Mc2=1に設定される。
【0098】タイムフレーム2以降において、クラスタ
内外判定手段601は、測角値ごとにすでに存在するク
ラスタから最も接近したクラスタCn を選択する。[ケ
ースA]、すなわち1つのクラスタに1つの測角値が含
まれる場合、及び[ケースB]、すなわちいずれのクラ
スタにも測角値が含まれない場合は、実施例1の場合と
同様に動作するので、説明を省略する。以下、[ケース
C]、すなわち、1つのクラスタに複数の測角値が含ま
れる場合の動作について説明する。
【0099】[ケースC]ケースCは、同一クラスタ内
外判定手段601が、同一タイムフレームにおいて複数
の測角値が同じクラスタに含まれると判定するケースで
ある。たとえば、図7のフレームタイム3の測角値
θ23、θ13がクラスタC2 に含まれるケースである。こ
の場合、最初に処理される測角値θ13はケースAと判定
されてST7,8の処理がなされる。
【0100】次の測角値θ23については、ST6におい
てクラスタC2 に含まれると判定されて、処理はST1
5に進む。ST15においてクラスタC2 に他の測角値
が既にアサインされているかどうか判定される。前述の
ように、クラスタC2 には既に測角値θ13がアサインさ
れているから、処理はST16、ST17に進む。
【0101】ST16において、次のタイムフレームの
処理に用いるためのクラスタ中心角度Cn を求める。こ
のとき複数の測角値θ23、θ13の平均値を求め、これを
測角値θ13に代えてこれら2つの測角値の代表値とす
る。そしてこの代表値とこのクラスタに含まれる他の測
角値とを合わせて全体の平均値を求める。この平均値を
クラスタの中心角度とする。このため複数のピークの測
角値の平均が次回の処理に用いるクラスタ中心角度にな
る。この後、ST17において、クラスタに属する測角
値の個数Lc をLc =Lc 、クラスタ内のデータ数Mc
をMc =Mc +1とする。ケースCにおいて、Lc をイ
ンクリメントしないのは、複数の測角値θ23、θ13をそ
れぞれカウントすると、ソータ604により最適なクラ
スタを選択する際に1つのタイムフレームで多くの測角
値がアサインされたクラスタを誤って選択することが考
えられるためである。また、MC をインクリメントする
のは、1つのクラスタに含まれるすべてのデータに基づ
き平均値を正しく求めるためである。
【0102】次に、図7に即して具体的に述べる。処理
はJ回のタイムフレームで行われるがこの例ではJ=4
とする。図7において、タイムフレーム2のθ32、タイ
ムフレーム4のθ34はケースAに相当する。タイムフレ
ーム3のθ23,θ13はケースCに相当する。またタイム
フレーム2のθ12はケースBに相当し、タイムフレーム
2で新たに発生した電波源と推定する。タイムフレーム
3のθ33、タイムフレーム4のθ24はタイムフレーム2
で発生した電波源θ12と同一であると推定しケースAに
相当する。またタイムフレーム2のθ22、タイムフレー
ム4のθ14はタイムフレーム1の測角値θ11と同一であ
ると推定しケースAに相当する。図7の例において入射
波の個数は3とする。図6の処理を行うと、最終的なク
ラスタの個数Nc は3となる。また、クラスタに属する
測角値の個数Lc はC1,C2 ,C3 に対応しそれぞれ
3,4,3である。また、クラスタ内のデータ数Mc
1 ,C2 ,C3 に対応しそれぞれ3,5,3となる。
【0103】ソータ604は、各Lc を大きい順にソー
トし、このソート結果に対応しクラスタの中心角度を並
べ換える。この結果Lc の大きい順にC2 ,C1 ,C3
が得られる。この例では統計を求める際の入射波の個数
はクラスタ数Nc と一致するから、中心角度C2 ,C
1 ,C3 を入射波が属するクラスタと決定する。
【0104】たとえば、中心角度C2 を与えるクラスタ
に属する測角値はθ21,θ32,θ23,θ13,θ34,Mc2
=5である。第1波の測角値θa1は、平均値算出手段6
05で式(23)を演算することにより求めることができ
る。 θa1=(θ21+θ32+θ23+θ13+θ34)/MC2 ・・・(23)
【0105】また第1波の測定値の分散σa1は式(24)を
演算することにより求めることができる。 σa1=[{(θ21−θa12 +(θ32−θa12 +(θ23−θa12 +(θ13−θa12 +(θ34−θa12 }/MC21/2 ・・・(24)
【0106】信号強度Pa1は、測定角度θ21,θ32,θ
23,θ13,θ34に対応した信号強度を用い式(23)と同様
に、平均値を求めて得られる。
【0107】また、中心角度C1 を与えるクラスタに属
する測角値はθ11,θ22,θ14,Mc1=3である。第2
波の測角値θa2は平均値算出手段605で式(25)を演算
することにより求めることができる。 θa2=(θ11+θ22+θ14)/MC1 ・・・(25)
【0108】また第2波の測定値の分散σa2は式(26)を
演算することにより求めることができる。 σa2=[{(θ11−θa22 +(θ22−θa22 +(θ14−θa22 }/MC11/2 ・・・(26)
【0109】信号強度Pa2は、測定角度θ12,θ13,θ
14に対応した信号強度を用い式(25)と同様に、平均値を
求めて得られる。
【0110】また、中心角度C3 を与えるクラスタに属
する測角値はθ12,θ33,θ24,Mc3=3である。第3
波の測角値θa3は平均値算出手段605で式(27)を演算
することにより求めることができる。 θa3=(θ12+θ13+θ14)/MC3 ・・・(27)
【0111】また第3波の測定値の分散σa3は式(28)を
演算することにより求めることができる。 σa3=[{(θ12−θa32 +(θ13−θa32 +(θ14−θa32 }/MC31/2 ・・・(2
8)
【0112】信号強度Pa3は、測定角度θ12,θ13
θ14に対応した信号強度を用い式(27)と同様に、平均値
を求めて得られる。
【0113】以上説明したように、この実施例3によれ
ば、1つのフレームタイムの測定において1つのクラス
タに複数の測角値がアサインされた場合でも、タイムフ
レーム間で信号の対応を適切に取ることができて、測角
値として精度の高い統計値を出力することができる。
【0114】なお、上記実施例では角度を用いてクラス
タ処理を行ったが、信号強度を用いても同様の効果が得
られる。また角度と信号強度の両方を用い2次元の処理
を行っても同様の効果が得られる。
【0115】実施例4.上記実施例3において、ソータ
603によりソートされたクラスタごとに、平均値算出
手段605により測角値の平均値を求めた。さらに、実
施例2の図5のように平均値算出手段605に代えてモ
ード算出手段606を設けてもよい。
【0116】以下動作を説明する。ソータ603までの
動作は実施例3の場合と同じである。すなわち、図6の
フローチャートに従い、クラスタ内外判定手段601、
クラスタ発生手段602、カウンタ603、ソータ60
4がケースA,B,Cの処理を行い、統計で用いる入射
波数とクラスタ内のデータ数に従いクラスタを並べ換え
る。
【0117】実施例3と同様に、図7の例では、中心角
度C2 を与えるクラスタに属する測角値はθ21,θ32
θ23,θ13,θ34,Mc2=5である。ここでタイムフレ
ーム3のときのみ瞬時のノイズが発生し誤差αを持つθ
13が生じるとすると、θ21=θ32=θ23=θ34は真の到
来方位とほぼ一致するが実施例3では第1波の測角値θ
a1はα/5の誤差を持つ。本実施例ではモード算出手段
411が中心角度Cを与えるクラスタに属する測角値
θ21,θ32,θ23,θ13,θ34の最頻値を求める出力
するため真の到来方位に一致した測角値を出力できる。
第2波、第3波の測定でも最頻値を出力することによ
り、瞬時のノイズに対して真の到来方位に一致した測角
値を出力できる。
【0118】実施例5.図9はこの実施例5を示す構成
図であり、7はL本(L>M)の素子アンテナからM本
の素子アンテナを選択して受信機2−1〜2−Mにそれ
ぞれ接続する受信信号選択手段である。これらL本の素
子アンテナ1−1〜1−Lは、図10に示されるように
円状に配列されている。受信機2−1〜2−M、A/D
変換器3−1〜3−M、信号処理装置4、分類処理装置
6、表示装置5は、上記実施例に示されたものと同じも
のである。
【0119】この実施例5の測角装置は、測定ごとにL
個の素子アンテナからM個の素子アンテナを選択し、ア
ンテナパターンを変える。このことにより、得られた複
数の測定データにおいてスプリアスの発生位置は分散さ
せられているので、統計的処理をすることによりスプリ
アスによる影響を低減させることができる。
【0120】以下、動作を説明する。アンテナ1はM素
子の円形アレーで構成され、受信信号選択手段7は第1
回目の測角でアンテナ1−1〜1−LよりMチャネルを
選択し、受信機2−1〜2−Mと接続する。
【0121】ここで、受信信号選択手段7は、複数の測
定において異なるアンテナパターンを形成するために、
たとえば次のようにアンテナ1を選択する。第1回目の
測角において、3素子毎に1素子ずつ間引き、1−2,
1−5,1−8,・・・3(M−1)+2のMチャネル
が全周のLチャネルから選択される(図10(a))。
このように選択されたMチャネルの信号に基づき相関行
列算出手段401は式(29)に示す相関行列を算出する。
【0122】
【数18】
【0123】従ってこの場合のRはM×Mの正方行列で
ある。固有値/固有ベクトル算出手段402は従来例と
同様に相関行列Rの固有値λ1 〜λL 、固有ベクトルe
1 〜eL を算出する。方位評価関数算出手段403は固
有値λ1 〜λL の中の最小固有値群に対応する固有ベク
トルeN を用いて従来例と同様に方位評価関数F(θ)
を算出する。(θ)はアンテナが配置された全周に渡り
探査する。またピーク検出手段404はF(θ)の最も
大きいn個のピークを与える角度(θ)を捜索しこの値
を到来角度推定値として出力する。nの値は固有値λ1
〜λL の分布から決定される。
【0124】第2回目の測角において、受信信号選択手
段7はやはり3素子毎に1素子ずつ間引き1−1,1−
4,・・・,3(M−1)+1のMチャネルが全周のL
チャネルから選択される(図10(b))。そして、第
1回目の測角と同様に、最も大きいn個のピークを与え
る角度(θ)を捜索しこの値を到来角度推定値として出
力する。
【0125】第3回目の測角において、受信信号選択手
段7はやはり3素子毎に1素子ずつ間引き1−3,1−
6,・・・,3(M−1)+3のMチャネルが全周のL
チャネルから選択される(図10(c))。そして、第
1回目の測角と同様に、最も大きいn個のピークを与え
る角度(θ)を捜索しこの値を到来角度推定値として出
力する。
【0126】以上の3回の測角により得られた方位評価
関数F1 (θ)、F2 (θ)、F3(θ)は、たとえ
ば、図12(a)(b)(c)を示されるグラフとな
る。ところで、ステアリングベクトルを算出するアンテ
ナパターンの測定や、実際の測角を行う測定において振
幅、位相に誤差を持つと、方位評価関数のピークは真の
到来方位以外にスプリアスと呼ばれる偽のピークが発生
することがある。また、アンテナ素子間の間隔が波長に
対し大きい場合は、アンビギュイティと呼ばれる理論上
起こる偽のピークが発生する。
【0127】しかし、互いに異なるアンテナパターンに
より複数回の測定を行い、これらの測定データに基づき
統計処理をするとこれらスプリアスやアンビギュイティ
を除去することができる。というのは、図11(a)
(b)(c)のグラフからわかるように、異なるアンテ
ナパターンにより測定された方位評価関数においては、
異なる位置にスプリアスが生じるからである。図11
(a)においてスプリアスはθ11、θ31で発生し、同図
(b)においてスプリアスはθ12で発生し、同図(c)
においてスプリアスはθ23で発生する。そしてこれらの
角度は互いに異なっている。
【0128】これら3回の測角で得られた方位評価関数
より得られた複数の測定値に基づき、実施例1〜4いず
れかと同様の処理を行えばスプリアスによる影響はほと
んど受けない。図11の例で言えば、スプリアスによる
クラスタC1 、C3 、C4 、C5 に含まれる測角値の数
は1つであり、ソータ604により測定値から排除され
る。
【0129】一方、図11の例では、クラスタ内の測角
値の個数が最大値となるクラスタの中心角度はC2 であ
り、中心角度C2 を与えるクラスタに属する測角値はθ
21,θ22,θ13,Lc2=3である。ここで平均値算出手
段605は式(30)により測角値を求め出力する。 θ=(θ21+θ22+θ13)/LC2 ・・・(3
0) なお、モード算出手段606により処理してもよいのは
言うまでもない。
【0130】以上のように、この実施例5によれば、ア
ンテナを切り替えることによって測定ごとにアンテナパ
ターンを変えて、スプリアスの発生位置を分散させるの
で、統計処理によりスプリアスの影響を除去することが
できる。したがって、各測定においてスプリアスが発生
しても精度の高い測角値を得ることができる。
【0131】なお、上記説明においてアンテナ1が円状
に配置されているとしたが、これはアンテナを規則的に
選択した場合でも、アンテナパターンが互いに異なるよ
うにするためである。すなわち、図10(a)〜(c)
のいずれかのアンテナ配置をどのように平行移動して
も、他のアンテナの配置と一致しないから、これらのア
ンテナパターンは異なる。このような観点からすれば、
アンテナ1の配置は図12のように円周に沿って内側に
配置してもよいし、また、曲線は円に限らず、アンテナ
の位置が特定できる限り、他のどのような曲線であって
もよい。
【0132】また、直線状に配置した場合でも、アンテ
ナ1の選択を規則的でなく、アンテナパターンが互いに
異なるように不規則に選択すれば、本実施例に適用でき
る。図13に一例を挙げる。同図(a)において選択さ
れているアンテナは1−1,1−3,1−5,1−7,
1−9,1−11、・・・であり、同図(b)において
選択されているアンテナは1−2,1−4,1−7,1
−11,・・・であり、同図(c)において選択されて
いるアンテナは1−3,1−5,1−6,1−10、・
・・である。
【0133】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
信号源の発する信号を受けて、測定ごとに上記信号源に
関する測定値を出力する受信部と、上記受信部による複
数回数の測定値をクラスタに分類して統計処理すること
により上記信号源に関する情報を得る分類処理装置とを
備えたので、一連の測定により得られた複数の信号間の
対応を適切に関係づけることができる。
【0134】また、請求項2の発明によれば、信号源の
発する信号を受ける複数のセンサと、互いに異なる受信
利得パターンが得られるように上記複数のセンサの受信
信号の一部を選択して出力する受信信号選択手段と、上
記受信信号選択手段の出力信号を受けて測定ごとに上記
信号の到来方向を求める信号処理装置と、上記信号処理
装置による複数回数の測定値をクラスタに分類して統計
処理することにより上記信号の到来方向を求める分類処
理装置とを備えたので、一連の測定により得られた複数
の信号間の対応を適切に関係づけることができるととも
に、スプリアスによる測定への影響を低減できる。
【0135】また、請求項3及び請求項4の発明によれ
ば、測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属するか
どうか判定し、上記クラスタに属するときに上記測定値
を対応するクラスタに含める第1のクラスタ内外判定手
段と、いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値
に対応する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手
段と、上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生
手段による複数回数の処理が終了したときに、上記クラ
スタそれぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタ
と、上記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換
えるソータと、上記計数値の多い順に上記クラスタと信
号源とを対応させるとともに、上記クラスタに含まれる
測定値の平均値を求めてそれぞれ出力する平均値算出手
段とを備えたので、クラスタに含まれる測定値の個数に
基づきクラスタと信号源との正確な対応関係を得ること
ができる。
【0136】また、請求項5及び請求項6の発明によれ
ば、測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属するか
どうか判定し、1つの測定値がクラスタに属するときに
上記測定値を対応するクラスタに含めるとともに、複数
の測定値がクラスタに属するときにこれら複数の測定値
の平均値を求め、この平均値を上記複数の測定値に対応
するクラスタに含める第2のクラスタ内外判定手段と、
いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値に対応
する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手段と、
上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生手段に
よる複数回数の処理が終了したときに、上記クラスタそ
れぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタと、上
記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換えるソ
ータと、上記計数値の多い順に上記クラスタと信号源と
を対応させるとともに、上記クラスタに含まれる測定値
の平均値をそれぞれ求めて出力する平均値算出手段とを
備えたので、クラスタに含まれる測定値の個数に基づき
クラスタと信号源との正確な対応関係を得ることができ
るとともに、偽のデータの発生により1つのクラスタに
複数の測定値が対応した場合でも、クラスタと信号源と
の正確な対応関係を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の測角装置の構成図であ
る。
【図2】 この発明の実施例1の測角装置の信号処理装
置及び分類処理装置の内部構成図である。
【図3】 この発明の実施例1の動作を説明するフロー
チャートである。
【図4】 この発明の実施例1の測角装置の動作の説明
図である。
【図5】 この発明の実施例2の測角装置の信号処理装
置及び分類処理装置の内部構成図である。
【図6】 この発明の実施例3の動作を説明するフロー
チャートである。
【図7】 この発明の実施例3の測角装置の動作の説明
図である。
【図8】 方位評価関数の形状の例である。
【図9】 この発明の実施例5の測角装置の構成図であ
る。
【図10】 この発明の実施例5の測角装置の受信アン
テナの配置の例である。
【図11】 この発明の実施例5の測角装置の動作の説
明図である。
【図12】 この発明の実施例5の測角装置の受信アン
テナの配置の他の例である。
【図13】 この発明の実施例5の測角装置の受信アン
テナの配置の他の例である。
【図14】 従来の測角装置の構成図である。
【図15】 従来の測角装置の信号処理装置の内部構成
図である。
【図16】 方位評価関数の形状の例である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ、2 受信機、3 アナログ/ディジ
タル変換器、4 MUSICアルゴリズムに基づく信号
処理装置、5 角度表示装置、6 分類処理装置、7
受信信号選択手段、401 相関行列計算手段、402
固有値/固有ベクトル算出手段、403 方位評価関
数算出手段、404 ピーク検出手段、405 信号強
度算出手段、601 クラスタ内外判定手段、602
クラスタ発生手段、603 カウンタ、604 ソー
タ、605 平均値算出手段、606 モード算出手
段。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号源の発する信号を受けて、測定ごと
    に上記信号源に関する測定値を出力する受信部と、上記
    受信部による複数回数の測定値をクラスタに分類して統
    計処理することにより上記信号源に関する情報を得る分
    類処理装置とを備えた測角装置。
  2. 【請求項2】 信号源の発する信号を受ける複数のセン
    サと、互いに異なる受信利得パターンが得られるように
    上記複数のセンサの受信信号の一部を選択して出力する
    受信信号選択手段と、上記受信信号選択手段の出力信号
    を受けて測定ごとに上記信号の到来方向を求める信号処
    理装置と、上記信号処理装置による複数回数の測定値を
    クラスタに分類して統計処理することにより上記信号の
    到来方向を求める分類処理装置とを備えた測角装置。
  3. 【請求項3】 上記分類処理装置に、 測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属するかどう
    か判定し、上記クラスタに属するときに上記測定値を対
    応するクラスタに含める第1のクラスタ内外判定手段
    と、 いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値に対応
    する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手段と、 上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生手段に
    よる複数回数の処理が終了したときに、上記クラスタそ
    れぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタと、 上記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換える
    ソータと、 上記計数値の多い順に上記クラスタと信号源とを対応さ
    せるとともに、上記クラスタに含まれる測定値の平均値
    を求めてそれぞれ出力する平均値算出手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の測角装
    置。
  4. 【請求項4】 上記分類処理装置に、 測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属するかどう
    か判定し、上記クラスタに属するときに上記測定値を対
    応するクラスタに含める第1のクラスタ内外判定手段
    と、 いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値に対応
    する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手段と、 上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生手段に
    よる複数回数の処理が終了したときに、上記クラスタそ
    れぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタと、 上記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換える
    ソータと、 上記計数値の多い順に上記クラスタと信号源とを対応さ
    せるとともに、上記クラスタに含まれる測定値の最頻値
    を求めてそれぞれ出力するモード算出手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の測角装
    置。
  5. 【請求項5】 上記分類処理装置に、 測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属するかどう
    か判定し、1つの測定値がクラスタに属するときに上記
    測定値を対応するクラスタに含めるとともに、複数の測
    定値がクラスタに属するときにこれら複数の測定値の平
    均値を求め、この平均値を上記複数の測定値に対応する
    クラスタに含める第2のクラスタ内外判定手段と、 いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値に対応
    する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手段と、 上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生手段に
    よる複数回数の処理が終了したときに、上記クラスタそ
    れぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタと、 上記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換える
    ソータと、 上記計数値の多い順に上記クラスタと信号源とを対応さ
    せるとともに、上記クラスタに含まれる測定値の平均値
    をそれぞれ求めて出力する平均値算出手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の測角装
    置。
  6. 【請求項6】 上記分類処理装置に、 測定ごとの測定値がいずれかのクラスタに属するかどう
    か判定し、1つの測定値がクラスタに属するときに上記
    測定値を対応するクラスタに含めるとともに、複数の測
    定値がクラスタに属するときにこれら複数の測定値の平
    均値を求め、この平均値を上記複数の測定値に対応する
    クラスタに含める第2のクラスタ内外判定手段と、 いずれのクラスタにも属しないときに上記測定値に対応
    する新たなクラスタを発生させるクラスタ発生手段と、 上記クラスタ内外判定手段及び上記クラスタ発生手段に
    よる複数回数の処理が終了したときに、上記クラスタそ
    れぞれに含まれる測定値の個数を数えるカウンタと、 上記カウンタの計数値により上記クラスタを並べ換える
    ソータと、 上記計数値の多い順に上記クラスタと信号源とを対応さ
    せるとともに、上記クラスタに含まれる測定値の最頻値
    をそれぞれ求めて出力するモード算出手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の測角装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6549762B1 (en) 1999-01-06 2003-04-15 Nec Corporation Method for estimating arrival direction of desired wave
JP2008275502A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Mitsubishi Electric Corp スペクトル解析装置
JP2010096646A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Sony Corp 受信装置、移動角度推定方法、プログラム、および無線通信システム
JP2012173031A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Nec Corp 波形認識装置、波形認識方法及びプログラム
KR101331833B1 (ko) * 2012-10-10 2013-11-22 국방과학연구소 도래시간차를 이용한 위치 탐지방법
KR20180061690A (ko) * 2016-11-30 2018-06-08 한국항공우주연구원 위치 측정 장치 및 방법

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