JPH09330879A - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンの製造方法

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JPH09330879A
JPH09330879A JP14769396A JP14769396A JPH09330879A JP H09330879 A JPH09330879 A JP H09330879A JP 14769396 A JP14769396 A JP 14769396A JP 14769396 A JP14769396 A JP 14769396A JP H09330879 A JPH09330879 A JP H09330879A
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light
silicon film
polycrystalline silicon
glass substrate
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JP14769396A
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Masahiro Fujiwara
正弘 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単なアニールシステムで多結晶シリコンを
製造する。電気的特性の優れた薄膜トランジスタを提供
する。 【解決手段】 ガラス基板1上にバッファ層2およびア
モルファスシリコン膜3を順に積層する。次にガラス基
板1の裏面側からXeClエキシマレーザー5を照射し
てアモルファスシリコン膜3をアニールし、結晶化させ
る。このとき、XeClエキシマレーザー5の波長は3
08nmであり、その一部がガラス基板1に吸収される
ようになっている。そして、ガラス基板1で吸収されず
にガラス基板1を透過する光によってアモルファスシリ
コン膜3が加熱される。つまり、1回のレーザー光照射
でガラス基板1とアモルファスシリコン膜3との両方が
同時に加熱される。また、上記両者が同時に加熱される
ことにより、上記両者間での温度勾配は小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン
(Poly-Si )の製造方法に関するものであり、詳しく
は、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ(Active
Matrix Liquid Crystal Display)、イメージセンサ等
に備えられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transisto
r)に好適に用いられる多結晶シリコンの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコンを用いた薄膜トランジス
タは、非晶質シリコンを用いたものよりも大きな移動度
が得られるため、アクティブマトリクス型液晶ディスプ
レイあるいはイメージセンサ等において駆動回路を同一
基板上に同時に形成できるデバイスとして、近年、最も
注目を浴びている。
【0003】このような多結晶シリコンの製造方法とし
ては、従来から、固相成長法、レーザーアニール法等が
よく知られている。特に、紫外パルス光のエキシマレー
ザーを照射するエキシマレーザーアニール法は、結晶性
のよい多結晶シリコンを得る方法として現在最もよく使
用されている。
【0004】ところが、上記エキシマレーザーアニール
法では、エキシマレーザーの照射によってシリコン膜を
瞬間的に熔融、固化させるため、熔融したシリコンと基
板との温度勾配は非常に大きく、熔融したシリコンの固
化速度は速い。その結果、固化後に得られる多結晶シリ
コンの結晶粒径は小さいものとなる。
【0005】そこで、上記の不具合を解決する方法とし
て、例えば、特開平6−291034号公報に開示され
た方法がある。上記公報では、シリコン膜の下に加熱層
を設け、1回目のレーザー光照射で上記加熱層を先に加
熱し、続いて2回目のレーザー光照射でシリコン膜を加
熱するようにしている。つまり、この方法によれば、シ
リコン膜の下地である加熱層を先に加熱して高温にして
おくことにより、シリコン膜の加熱時における、シリコ
ン膜と加熱層との温度勾配を小さくしている。これによ
って、シリコンの固化速度を遅くすることができ、結晶
粒径の大きな多結晶シリコン膜を形成することができる
ようになっている。
【0006】一方、例えば、特開平7−202208号
公報では、絶縁性基板に含まれるFe3+を0.005%
以下にすることによって、絶縁性基板におけるレーザー
光(波長300nm付近)の透過性を向上させ、絶縁性
基板の光吸収量を極力少なくして、レーザー光照射によ
る基板への熱ダメージを少なくしている。これにより、
多結晶シリコン膜の結晶性のばらつきを低減すると共
に、薄膜トランジスタの特性のばらつきを低減するよう
にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
6−291034号公報に開示された方法では、加熱層
およびシリコン膜にそれぞれ異なる波長のレーザー光を
照射するためのレーザー光源を2台必要とし、また、そ
れぞれのレーザー光を発振するタイミングも正確にコン
トロールする必要がある。したがって、上記方法では、
アニールシステムが複雑になるという問題が生ずる。ま
た、上記方法では、上記加熱層として、導電性の高融点
金属膜やSiGe膜を用いているため、加熱層が高温に
なると、薄膜トランジスタの電気的特性に悪影響を及ぼ
すという問題が生ずる。
【0008】また、温度勾配を小さくするために、ガラ
ス基板の温度を高くしてからシリコン膜をレーザーアニ
ールする方法もあるが、ガラス基板の耐熱温度は高々6
00℃程度であり、シリコン膜とガラス基板との温度勾
配を小さくするには限界がある。
【0009】また、上記特開平7−202208号公報
に開示された方法では、確かにレーザー光照射による基
板への熱ダメージは少なくなるが、その反面、レーザー
光の透過性を向上させることで、基板の加熱効果はなく
なる。したがって、上記方法では、温度勾配を小さくす
ることはできず、多結晶シリコンの結晶性を改善するこ
とができないという問題が生ずる。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、簡単なアニールシステム
で多結晶シリコンを製造することのできる多結晶シリコ
ンの製造方法を提供すると共に、電気的特性の高い薄膜
トランジスタを形成することのできる多結晶シリコンの
製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る多
結晶シリコンの製造方法は、上記の課題を解決するため
に、可視光領域で透明な絶縁性基板上のシリコン膜を基
板裏面からの光照射によりアニールして多結晶シリコン
を製造する多結晶シリコンの製造方法において、上記基
板に一部吸収される波長の光を照射することを特徴とし
ている。
【0012】上記の構成によれば、絶縁性基板の裏面か
ら光を照射してシリコン膜をアニールする際、上記光の
一部が上記基板に吸収されるので、吸収した光によって
上記基板の温度は上昇する。そして、基板に吸収されな
かった光はそのまま基板を透過してシリコン膜に照射さ
れ、シリコン膜が加熱される。
【0013】つまり、上記構成によれば、照射光の一部
が基板で吸収されることにより、1回の光照射で基板と
シリコン膜とを同時に加熱することが可能となる。これ
により、従来のように2台の光源を用意して基板とシリ
コン膜とを別々に加熱する必要がなく、ましてや基板と
シリコン膜とを加熱するときのタイミングをコントロー
ルする必要もない。したがって、上記構成によれば、簡
単なアニールシステムで多結晶シリコンを製造すること
ができる。
【0014】また、上記構成によれば、1回の光照射で
基板とシリコン膜との両方を加熱するので、両者間での
温度勾配は小さくなる。これにより、熔融したシリコン
の固化速度を遅くすることができ、その結果、結晶粒径
の大きな多結晶シリコンを得ることができる。したがっ
て、このような方法で多結晶シリコンを製造し、薄膜ト
ランジスタを作製した場合に薄膜トランジスタの電気的
特性を従来よりも向上させることができる。
【0015】請求項2の発明に係る多結晶シリコンの製
造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1の構
成において、上記基板への照射光の吸収率が10〜90
%となるような波長の光を照射することを特徴としてい
る。
【0016】上記の構成によれば、10〜90%の吸収
率で基板に吸収されるような波長の光を基板に照射する
ことにより、多結晶シリコンの結晶性を確実に改善する
ことができると共に、シリコン膜のアニールを確実に行
うことができる。
【0017】つまり、上記基板における照射光の吸収率
が10%より少ないと、基板への熱ダメージは少なくな
るが基板の温度は上昇しにくくなる。そして、基板で吸
収されなかった残りの光によってシリコン膜が加熱され
るので、シリコン膜の温度は急激に上昇する。その結
果、基板とシリコン膜との温度勾配は大きくなる。
【0018】一方、上記基板における照射光の吸収率が
90%よりも大きいと、照射光の大部分が基板の温度上
昇に利用されるので、シリコン膜に到達する光が少なく
なり、上記光によるシリコン膜のアニールが困難とな
る。
【0019】したがって、10〜90%の吸収率で基板
に吸収されるような波長の光を基板に照射することによ
り、基板とシリコン膜との温度勾配を確実に小さくして
多結晶シリコンの結晶性を確実に改善することができ
る。また、照射光を上記範囲の吸収率で基板に吸収させ
ることにより、シリコン膜をアニールするのに十分な光
がシリコン膜に確実に到達するようになる。それゆえ、
上記構成によれば、シリコン膜のアニールを確実に行う
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1ないし図3に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。なお、本実施形態では、多結晶シリコンを備えた薄
膜トランジスタを製造する場合において、本発明の多結
晶シリコンの製造方法を適用した例について説明する。
【0021】図2(a)ないし図2(e)は、多結晶シ
リコンを備えた薄膜トランジスタを製造する場合の製造
工程を示している。以下、これら図2(a)ないし図2
(e)に基づいて、その製造工程について説明する。
【0022】まず、図2(a)に示すように、可視光領
域で透明なガラス基板1(絶縁性基板)上に酸化シリコ
ン(SiO2 )膜をスパッタリング法によって300n
m成膜し、バッファ層2を形成する。次に、Si2 6
ガスを用いて減圧化学気相成長法(Low Pressure Chemi
cal Vapor Deposition)により、膜厚50nmのアモル
ファスシリコン膜(a−Si)3(シリコン膜)を上記
バッファ層2上に成膜する。なお、上記ガラス基板1
は、コーニング製の♯7059である。
【0023】なお、このときの上記アモルファスシリコ
ン膜3の膜厚は、10〜100nm程度が適当である。
なぜならば、膜厚が10nmより薄いと、後述のソース
・ドレイン領域8・9(同図(d)参照)の抵抗が高く
なり、ドライバ回路を形成するときに問題となる一方、
膜厚が100nmより厚いと、照射するレーザー光のエ
ネルギー密度を高くしなければならず、レーザー光の負
荷が重くなるからである。
【0024】次に、ガラス基板1の裏面に成膜されたア
モルファスシリコン膜をエッチングによって除去した
後、同図(b)に示すように、波長308nmのXeC
lエキシマレーザー5を基板裏面から照射してアモルフ
ァスシリコン膜3(同図(a)参照)をアニールし、こ
のアモルファスシリコン膜3を結晶化して多結晶シリコ
ン膜4を形成する。
【0025】ここで、ガラス基板1に入射する光の波長
とそのときの透過率との関係を図3に示す。同図より、
波長308nm付近では、光の透過率は約40%である
ことがわかる。したがって、反射率を考慮しても入射す
るXeClエキシマレーザー5のうちの約50%はガラ
ス基板1(図2参照)に吸収されることになる。
【0026】つまり、本実施形態では、図1に示すよう
に、ガラス基板1の裏面側から照射される照射光の一部
をガラス基板1に吸収させ、ガラス基板1を加熱してい
る。そして、ガラス基板1に吸収されずにガラス基板1
を透過する透過光によって、基板表面のアモルファスシ
リコン膜3をアニールし、結晶化させている。したがっ
て、この方法によれば、1回のレーザー光の照射でアモ
ルファスシリコン膜3とガラス基板1との両方を同時に
加熱することができ、その結果、熔融するシリコンと基
板との温度勾配を小さくできる。それゆえ、上記の方法
によれば、簡単なアニールシステムで結晶粒径の大きな
多結晶シリコン膜4を得ることができ、多結晶シリコン
膜4の結晶性を改善することができる。
【0027】次に、図2(c)に示すように、多結晶シ
リコン膜4を島状にエッチング(アイランド化)した
後、上記多結晶シリコン膜4を覆うように、スパッタリ
ング法によって膜厚100nmの酸化シリコン(SiO
2 )膜を成膜し、ゲート絶縁膜6を形成する。
【0028】続いて、同図(d)に示すように、上記ゲ
ート絶縁膜6上に膜厚300nmのタンタル(Ta)膜
をスパッタリング法により成膜し、それをパターニング
してゲート電極7を形成する。その後、上記ゲート電極
7をマスクとしてリンイオン(P+ )を90kVで1×
1015cm-2注入し、ソース・ドレイン領域8・9を形
成する。さらにその後、エネルギー密度250mJ/c
2 でエキシマレーザーをゲート電極7の上方から照射
し、基板を室温でアニールして不純物を活性化する。
【0029】最後に、同図(e)に示すように、TEO
S(tetraethylorthosilicate ;Si(OC
2 5 4 )を用いたプラズマ励起化学気相成長法(Pl
asma EnhancedChemical Vapor Deposition )により、
ゲート電極7を覆うように膜厚400nmの酸化シリコ
ン(SiO2 )膜を成膜し、層間絶縁膜10を形成す
る。そして、ソース・ドレイン領域8・9、およびゲー
ト電極7にコンタクトホールを形成した後、アルミニウ
ム(Al)をスパッタリング法により成膜、パターニン
グしてソース・ドレイン電極11・12を形成する。そ
の後、この基板を水素雰囲気中、350℃で1時間アニ
ールして水素化処理を行い、薄膜トランジスタを完成さ
せる。
【0030】ここで、アモルファスシリコン膜3をアニ
ールする際に照射するXeClエキシマレーザー5の照
射エネルギー密度を変化させ、上述の方法にて製造した
薄膜トランジスタにおける、移動度、しきい値電圧
th、およびS係数(Subthreshold swing)等の特性
(以下、TFT特性と略記する)を表1に示す。また、
波長308nmの光に対して光吸収のない石英基板をガ
ラス基板1のかわりに用い、上記と同様の方法で作製し
た薄膜トランジスタにおけるTFT特性を比較例1とし
て表1に示す。また、XeClエキシマレーザー5を基
板表面から照射してアモルファスシリコン膜3をアニー
ルし、多結晶シリコン膜4を形成した薄膜トランジスタ
におけるTFT特性を比較例2として同様に表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果より、本発明、および比較例
1、2ともに、エネルギー密度を高くするとTFT特性
は向上しているが、あるレベルを越えるとTFT特性は
低下していくことがわかる。また、最も特性が優れてい
るサンプルで比較すると、TFT特性は比較例1、2よ
りも本発明の方が優れていることがわかる。
【0033】したがって、本発明の製造方法により多結
晶シリコンを製造し、薄膜トランジスタを作製した場
合、薄膜トランジスタの電気的特性を従来よりも向上さ
せることができるという効果が得られる。特に、比較例
1では石英基板を用いているため、波長308nmの光
が吸収されず、実効的な基板温度の上昇が起こらない。
その結果、本発明のような効果は得られないものと考え
られる。
【0034】また、石英基板を用いた場合は、実効的な
基板温度の上昇が起こらないので、アモルファスシリコ
ン膜へのレーザー光照射を、基板表面から行っても基板
裏面から行ってもよい。このとき、得られた薄膜トラン
ジスタのTFT特性は両者とも基本的には同じである。
強いて言えば、アニールがアモルファスシリコン膜の表
面から始まるか、あるいは裏面から始まるかの違いがあ
るだけである。
【0035】なお、本発明では、比較例1、2よりも必
要な照射エネルギー密度が高くなっているが、これは、
そのエネルギー密度の差がガラス基板1の加熱のために
消費されるためである。
【0036】また、一般的に、XeClエキシマレーザ
ー5は300Hz程度で発振させることができるので、
1ヵ所当たり数十ショット照射しても0.1秒程度でガ
ラス基板1を加熱することができる。また、ガラス基板
1に照射光の一部を吸収させることにより、照射領域の
み基板温度を実効的に上昇させることができる。したが
って、上記構成によれば、ヒーターでガラス基板1全体
の温度を同程度に高くする方法に比べて、ガラス基板1
に対するダメージを確実に低減させることができる。
【0037】なお、ガラス基板1における1ショット当
たりの実効的な基板上昇温度は、次式で表される。
【0038】(吸収率×入射エネルギー密度)/(比重
×基板厚×比熱) したがって、本実施形態で用いたガラス基板1は、比重
2.76、比熱0.2cal/g・℃であるから、照射
光の吸収率を反射率を考慮して本実施形態のように50
%とし、照射エネルギー密度を420mJ/cm2 とす
ると、上式より1mmの基板厚に対しては1ショット当
たり基板温度は約1℃上昇することになる。XeClエ
キシマレーザー5は300Hz程度で発振するので、同
一箇所に例えば50ショット照射すると、熱が蓄積され
て基板温度が約50℃実効的に上昇することになる。
【0039】このとき、例えば10%程度の吸収率で
は、1mmの基板厚に対して1ショット当たりの基板上
昇温度は、上式より0.1℃程度にしかならない。この
場合、ショット数を相当増やさないと実効的に基板温度
は上昇しない。また、この場合、ショットを繰り返して
いる間に先に加熱された部分の熱が熱伝導で逃げていく
ので、全体として基板を加熱する効率は悪くなる。つま
り、ガラス基板1における照射光の吸収量が少なすぎる
と、ガラス基板1への熱ダメージは減少するが、ガラス
基板1の温度は上昇しにくくなる。
【0040】一方、90%程度の吸収率では、実際にア
モルファスシリコン膜3に到達するエネルギー密度は2
00〜300mJ/cm2 程度必要であるから、1ショ
ット当たりのエネルギー密度は2〜3J/cm2 必要と
なる。この場合、高エネルギー密度のレーザー光照射が
必要となるばかりでなく、1ショットでアニールできる
領域が小さくなり、その結果、アニールの効率が悪くな
る。つまり、上記吸収量が多すぎると、アモルファスシ
リコン膜3に到達する光が少なくなり、その結果、アモ
ルファスシリコン膜3を効率的にアニールすることが困
難となる。
【0041】したがって、上記の結果から、上記吸収量
が10〜90%となるような波長の光を用いて、照射光
を適切量だけガラス基板1に吸収させることにより、基
板の加熱効率とアニールの効率とを両方とも向上させる
ことができる。また、このとき、基板厚み方向にほぼ均
一に入射光が吸収され、基板の温度も均一に上昇する。
それゆえ、上記範囲の吸収量となるような波長の光を用
いることにより、多結晶シリコン膜の結晶性を確実に改
善することができる。
【0042】なお、本実施形態では、リンイオンを注入
してN型MOS(Metal Oxide Semiconductor )を作製
しているが、リンイオンのかわりにホウ素イオンを注入
してP型MOSを作製しても、本実施形態と同様の効果
が得られるのは勿論である。
【0043】また、本実施形態では、アモルファスシリ
コン膜3の成膜方法として、減圧化学気相成長法を採用
しているが、これ以外にもスパッタリング法、プラズマ
励起化学気相成長法によってアモルファスシリコン膜3
を成膜してもよい。
【0044】また、本実施形態では、アモルファスシリ
コン膜3をXeClエキシマレーザー5の照射によって
アニールしているが、アモルファスシリコン膜3のかわ
りに多結晶シリコンを用い、この多結晶シリコンをレー
ザーアニールしてもよい。これにより、TFT特性をさ
らに改善することもできる。
【0045】また、本実施形態では、ガラス基板1にそ
の一部が吸収される照射光として、XeClエキシマレ
ーザー5を用いているが、上記の照射光が、10〜90
%の吸収率で上記基板に吸収されるような波長の光であ
れば、XeClエキシマレーザー5以外のレーザー光で
あってもよく、その場合、本実施形態と同様の効果が得
られるのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明に係る多結晶シリコンの
製造方法は、以上のように、基板に一部吸収される波長
の光を照射する構成である。
【0047】それゆえ、1回の光照射で基板とシリコン
膜とを同時に加熱することができ、簡単なアニールシス
テムで多結晶シリコンを製造することができるという効
果を奏する。また、基板とシリコン膜とを同時に加熱し
て、両者間での温度勾配を小さくすることができるの
で、熔融したシリコンの固化速度を遅くすることがで
き、その結果、結晶粒径の大きな多結晶シリコンを得る
ことができる。したがって、このような方法で多結晶シ
リコンを製造し、薄膜トランジスタを作製した場合に薄
膜トランジスタの電気的特性を従来よりも向上させるこ
とができるという効果を併せて奏する。
【0048】請求項2の発明に係る多結晶シリコンの製
造方法は、以上のように、請求項1の構成において、上
記基板への照射光の吸収率が10〜90%となるような
波長の光を照射する構成である。
【0049】それゆえ、請求項1の構成による効果に加
えて、基板とシリコン膜との温度勾配を確実に小さくし
て多結晶シリコンの結晶性を確実に改善することができ
るという効果を奏する。また、照射光を上記範囲の吸収
率で基板に吸収させることにより、シリコン膜をアニー
ルするのに十分な光がシリコン膜に確実に到達するよう
になる。それゆえ、上記構成によれば、シリコン膜のア
ニールを確実に行うことができるという効果を併せて奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多結晶シリコンの製造方法におい
て、照射光の一部がガラス基板に吸収される様子を示す
説明図である。
【図2】(a)ないし(e)は、上記の多結晶シリコン
を備えた薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図であ
る。
【図3】照射光の波長と透過率との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 ガラス基板(絶縁性基板) 3 アモルファスシリコン膜(シリコン膜) 4 多結晶シリコン膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視光領域で透明な絶縁性基板上のシリコ
    ン膜を基板裏面からの光照射によりアニールして多結晶
    シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法におい
    て、 上記基板に一部吸収される波長の光を照射することを特
    徴とする多結晶シリコンの製造方法。
  2. 【請求項2】上記基板への照射光の吸収率が10〜90
    %となるような波長の光を照射することを特徴とする請
    求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
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