JPH09328602A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH09328602A
JPH09328602A JP7372197A JP7372197A JPH09328602A JP H09328602 A JPH09328602 A JP H09328602A JP 7372197 A JP7372197 A JP 7372197A JP 7372197 A JP7372197 A JP 7372197A JP H09328602 A JPH09328602 A JP H09328602A
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thermoplastic resin
polyester
chromatography
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load
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Toru Nagashima
徹 永嶋
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秀夫 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車、航空機等の部品、産業用機器、家電製
品、OA機器、電気、電子部品等へ好適に用いることの
できる高強度、高耐熱で耐ストレスクラック性に優れた
熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】DSC(示差熱量計)を用いて求めたガラ
ス転移温度が50℃以上および/または荷重たわみ温度
(1.82Mpa荷重)が70℃以上である、2種また
は3種以上の熱可塑性樹脂100重量部に対して、下記
の構造を有するポリエステルを0.1〜100重量部添
加してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (XはーSO2 ー、ーCOー、ーOー、ーSー、ーCH
2 ー、ーCH2 ーーCH 2 ー、ーC(CH3 2 ーおよ
び単結合の中から選択された1種または2種以上であ
り、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10
のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表
し、pは0〜4の整数、mおよびnは1〜4の整数であ
る。)で表される繰返し単位からなるポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的物性、耐ス
トレスクラック性に優れた高耐熱の熱可塑性樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド、ポリアセタール、ポリカー
ボネート、ポリフェニレンオキシド樹脂およびその変性
物、ポリブチレンテレフタレート等に代表されるエンジ
ニアリングプラスチックスは、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、ABSなどの汎用プラスチッ
クスに比べ耐熱性や強度に優れる特徴を有しているた
め、自動車部品、家電、OA機器、精密機器、電気、電
子部品等に広く使用されている。しかし、各々の用途に
要求される性能の中には単一の樹脂材料では対応できな
いものも多い。そこで、高衝撃性と高剛性の様に、相反
する物性を共に満足するような成形材料を得るために、
異種樹脂をブレンドあるいはポリマーアロイ化すること
によって目的とする物性を得る技術が広く知られてい
る。一般に、異なる樹脂同士は非相溶である場合が多い
ため、単純に溶融混練すると両者は海島構造が乱れた粗
大な相分離構造を形成し、目的とする物性が得られない
ことが多い。そこで、島相になる樹脂成分の微分散化を
達成するために、相溶化剤を用いることが行われる。こ
の相溶化剤は、相溶化される2種または3種以上の樹脂
の各々に親和性があったり、化学的に反応するなどの機
能を有する化合物もしくは高分子量体であって、異なる
樹脂の界面を安定化させ島相の微分散化に寄与する。
【0003】例えば、特開昭56−26913号公報に
は、ポリフェニレンオキシド樹脂とポリアミドのポリマ
ーアロイを製造する際にカルボン酸基、酸無水物基等の
極性基を有する化合物を混合することにより、ポリフェ
ニレンオキシド樹脂の耐熱性を維持しつつその耐衝撃性
や耐溶剤性の著しく向上した組成物が得られることが開
示されている。また、特開昭61−120855号公報
には、ポリフェニレンオキシド樹脂とポリアミド、およ
びゴムを配合したポリマーアロイに対してシラン誘導体
を含有させることにより、耐衝撃性や引張伸び率が著し
く向上することが開示されている。また、特開昭56−
115355号公報にはポリアセタール、ポリカーボネ
ート等のエンジニアリングプラスチック1種以上に対し
無水マレイン酸で変性したスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体を配合することにより、耐衝撃性の著しく改
良された組成物が得られることが開示されている。ま
た、特開昭59−58052号公報には、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂のポリマ
ーアロイに対しエポキシ樹脂を配合することにより、曲
げ強度、耐衝撃性や耐加水分解性が改善されることが開
示されている。また、耐熱性が要求されるような用途で
は耐熱性の高いものの組み合わせによるポリマーアロイ
化が望まれるので、特開昭59−164360号公報に
おいてポリフェニレンスルフィド樹脂とポリアリレー
ト、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリ
エーテルケトン、熱可塑性ポリイミドというような比較
的高耐熱の樹脂同士によるポリマーアロイ化も検討され
ている。この公報には上記ポリマーアロイを製造する際
にエポキシ樹脂を配合した組成物は、曲げ強度や耐衝撃
性がエポキシ樹脂を配合しない組成物にくらべて著しく
向上することが開示されている。しかし、このような高
耐熱の樹脂を成分とするポリマーアロイを製造し、得ら
れたポリマーアロイ組成物を成形加工する際には、30
0℃を超えるような加工温度が必要になることがある。
そのため相溶化剤として配合した化合物や高分子量体が
ポリマーアロイの製造中や得られた組成物の成形加工時
に熱劣化をおこし、相溶化剤としての機能が阻害された
り、組成物の物性を低下させるなどの不都合が生じるこ
とがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は自動車、航空
機等の部品、産業用機器、家電製品、OA機器、電気、
電子部品等へ好適に用いることのできる高強度、高耐熱
で耐ストレスクラック性に優れた熱可塑性樹脂組成物を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、高耐熱の熱可塑性
樹脂からなるポリマーアロイを製造する際に、特定の構
造を有するポリエステルを1〜100重量部添加するこ
とにより、上記目的が達成されることを見い出し本発明
に到達した。すなわち、本発明は、次のとおりである。 (1)DSC(示差熱量計)を用いて求めたガラス転移
温度が50℃以上および/または荷重たわみ温度(1.
82Mpa荷重)が70℃以上である、2種または3種
以上の熱可塑性樹脂100重量部に対して、下記の構造
を有するポリエステルを0.1〜100重量部添加して
なることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 式
【0006】
【化2】 (式中、XはーSO2 ー、ーCOー、ーOー、ーSー、
ーCH2 ー、ーCH2 ーーCH2 ー、ーC(CH3 2
ーおよび単結合の中から選択された1種または2種以上
であり、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数、mおよびnは1〜4の整数で
ある。同一または異なる核上の複数の各R1 は相互に異
なっていてもよい。また各pは相互に異なっていてもよ
い。)で表される繰返し単位からなり、式
【0007】
【数2】 を満足する関係を有するポリエステル。 (2)ポリエステルの繰返し単位IIにおいて、Xがー
SO2 ーまたは/およびーC(CH3 2 ーである、
(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。 (3)少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温
度(1.82Mpa荷重)が150℃以上である(1)
または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。 (4)少なくとも1種類の熱可塑性樹脂がポリアリレー
ト、液晶ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイ
ミドである(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組
成物。 (5)少なくとも1種類の熱可塑性樹脂が液晶ポリエス
テルである(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組
成物。 (6)液晶ポリエステルが式Iで表される繰り返し単位
を少なくとも30モル%含むものである(1)または
(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる熱可塑性樹脂
は、DSCを用いてASTM D3418に準拠して測
定したガラス転移温度が50℃以上および/またはAS
TM D648に準拠して測定した荷重たわみ温度
(1.82Mpa荷重)が70℃以上となるものであ
る。ガラス転移温度が50℃未満または荷重たわみ温度
が70℃未満の樹脂を用いた場合、本発明の目的とする
高耐熱のエンジニアリングプラスチック材料とはならな
いために好ましくない。このような熱可塑性樹脂として
はポリアセタール、ポリアミド66、ポリアミド61
0、ポリアミド612、ポリアミド46、ポリアミド6
T、ポリアミドMXD6、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキシ
ルテレフタレート、ポリアリレート、液晶ポリエステ
ル、液晶ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンオキシドおよびその変性物、ポリフェニレン
スルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポ
リケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリ
ル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミドなどが挙げられる。これらの中でも、ポリア
ミド46、ポリアミド6T、ポリアミドMXD6、ポリ
アリレート、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドが好まし
い。これらの中でも、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂
は、ASTM D648に準拠して測定した荷重たわみ
温度(1.82Mpa荷重)が150℃以上であること
がより好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポ
リアミド46、ポリアリレート、液晶ポリエステル、液
晶ポリエステルアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリアミドイミドなどが挙げられ
る。これらの中でもポリアリレート、液晶ポリエステ
ル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエーテルイミドがさらに好まし
い。本発明で用いられる熱可塑性樹脂の組み合わせとし
ては、単純な溶融混練によって相溶しないものが好まし
い。このような熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、ポ
リサルホンと液晶ポリエステル、ポリエーテルケトンと
液晶ポリエステル、ポリエーテルイミドと液晶ポリエス
テル、ポリエーテルサルホンと液晶ポリエステル、ポリ
エーテルサルホンとポリカーボネート、ポリカーボネー
トと液晶ポリエステル、ポリフェニレンオキシドとポリ
アミド6、ポリフェニレンスルフィドと液晶ポリエステ
ル、ポリフェニレンスルフィドと液晶ポリエステルなど
が挙げられる。これらの中でもポリエーテルサルホンと
液晶ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトンと液晶
ポリエステル、ポリエーテルイミドと液晶ポリエステ
ル、ポリフェニレンスルフィドと液晶ポリエステルの組
み合わせが好ましい。単純な溶融混練によって均一に相
溶する熱可塑性樹脂の組み合わせは、分散相が微分散し
た構造になり得ないため好ましくない。このような組み
合わせとしては、ポリエーテルイミドとポリカーボネー
ト、ポリエーテルエーテルケトンとポリエーテルイミ
ド、ポリブチレンテレフタレートとポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートなどが
知られている。本発明において、2種または3種以上の
熱可塑性樹脂を組合せる場合、各熱可塑性樹脂の割合は
各1〜99重量%が好ましい。さらに、1種の熱可塑性
樹脂が液晶ポリエステルで、その割合が10〜40重量
%であり、他の1種以上の熱可塑性樹脂の割合が60〜
90重量%である組合せが好ましい。
【0009】本発明で用いられる特定の構造を有するポ
リエステルは、上記の繰返し単位I、IIおよびIII
からなり、上記数式を満足するものである。(I)が9
5mol%を越えるものは、溶融しない結晶部分が多
く、組成物の製造中に該ポリエステルと熱可塑性樹脂が
分散しなくなるので好ましくない。また(II)/(I
II)<0.9あるいは(II)/(III)>1.1
であるものは、ポリエステルの製造時に充分な高分子量
体が得られないので好ましくない。この中でも、Xはー
SO2 ーまたは/およびーC(CH3 2 ーであること
が好ましい。また、繰返し単位Iは0≦(I)≦80
(mol%)であることがより好ましい。本発明で用い
られる特定の構造を有するポリエステルの製造方法は、
例えばアルカリ水溶液に溶解したビスフェノール成分と
ハロゲン化炭化水素などの有機溶媒に溶解したテレフタ
ル酸クロライドおよび/またはイソフタル酸クロライド
およびパラヒドロキシ安息香酸クロライドを触媒の存在
下で重合させる方法、アセチル化したビスフェノール成
分とパラヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸および
/またはイソフタル酸を高温で酢酸を脱離させつつ重合
させる方法、ビスフェノール成分とパラヒドロキシ安息
香酸フェニルエステルおよびテレフタル酸および/また
はイソフタル酸のフェニルエステルを高温でフェノール
を脱離させつつ重合させる方法、さらにこのようにして
得られたポリエステルを固相重合する方法などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0010】本発明で用いられる特定の構造を有するポ
リエステルは、(株)島津製作所製の高化式フローテス
ター CFT−500型で4℃/分の昇温速度で加熱溶
融されて荷重100kg/cm2 下で内径1mm、長さ
10mmのノズルから押し出されたときの溶融粘度が4
8000ポイズを示す温度が150℃〜450℃のもの
であることが好ましく、280℃〜400℃のものであ
ることがより好ましい。溶融粘度が48000ポイズを
示す温度が150℃より低いものを配合した場合、該ポ
リエステルの分子量が低いために組成物の製造中や得ら
れた組成物の成形加工時に熱劣化をおこすので好ましく
ない。また、溶融粘度が48000ポイズを示す温度が
450℃を超えるものを配合した場合、該ポリエステル
の溶融粘度が高いため組成物の製造中に該ポリエステル
と熱可塑性樹脂が分散しなくなるので好ましくない。
【0011】本発明で用いられる特定の構造を有するポ
リエステルの添加量は、DSCを用いてASTM D3
418に準拠して測定したガラス転移温度が50℃以上
および/またはASTM D648に準拠して測定した
荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃以上で
ある、2種または3種以上の熱可塑性樹脂100重量部
に対して0.1〜100重量部であり、1〜20重量部
であることがより好ましい。添加量が0.1重量部より
少ない場合、得られる組成物の島相になる樹脂成分は微
分散化されず、目的とする物性向上は達成されない。ま
た、100重量部より多く添加してもそれ以上物性は向
上せず、用いる熱可塑性樹脂の特徴が大きく損なわれる
ので好ましくない。
【0012】さらに本発明においては、必要に応じてガ
ラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊
維、ホウ酸アルミニウムウイスカーなどの繊維状あるい
は針状の補強材、タルク、マイカ、クレー、ガラスビー
ズなどの無機充填材、フッ素樹脂などや金属石鹸類など
の離型改良剤、染料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤など
の通常の添加剤を1種以上添加することができる。ま
た、少量のガラス転移温度が50℃より低いか、あるい
は荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃より
低い熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、メタ
クリル樹脂などや少量の熱硬化性樹脂、例えば、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイ
ミド樹脂、少量のゴム成分などの一種または二種以上を
添加することもできる。本発明の樹脂組成物を得るため
の原材料の配合手段は特に限定されない。DSCを用い
てASTM D3418に準拠して測定したガラス転移
温度が50℃以上および/またはASTM D648に
準拠して測定した荷重たわみ温度(1.82Mpa荷
重)が70℃以上である、2種または3種以上の熱可塑
性樹脂、上記繰返し単位I、IIおよびIIIからなる
ポリエステル、必要に応じてガラス繊維などの補強剤や
無機充填剤、離型改良剤、熱安定剤などをヘンシェルミ
キサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を用
いて溶融混練することが一般的である。そのときの溶融
混練法としては、全ての原材料を一括して混合した後で
押出機へフィードしてもかまわないし、必要に応じてガ
ラス繊維などの補強材や無機充填材などの原材料を、樹
脂を主体とする原材料とは別にフィードしてもかまわな
い。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の引張
強度、降伏伸び、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値の測
定、および耐ストレスクラック性の評価は、次の方法で
行った。 (1)引張強度、降伏伸び:熱可塑性樹脂成形材料か
ら、射出成形機を用いてASTM4号ダンベル試験片を
成形し、ASTM D638に準拠して測定した。 (2)曲げ弾性率:熱可塑性樹脂成形材料から、射出成
形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚み
6.4mmの試験片を成形し、ASTM D790に準
拠して測定した。 (3)アイゾット衝撃値:熱可塑性樹脂成形材料から、
射出成形機を用いて長さ63mm、幅12.7mm、厚
み6.4mmの試験片を成形し、ASTM D256に
準拠して測定した。 (4)耐ストレスクラック性:熱可塑性樹脂成形材料か
ら、射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.7m
m、厚み6.4mmの試験片を成形した。この試験片を
三点曲げで一定の応力をかけて中心部に溶剤を塗布後、
破断に至るまでの時間を測定した。この破断に至るまで
の時間は長いほど耐ストレスクラック性に優れることを
示す。
【0014】参考例1 いかり型撹拌翼を有する重合槽にパラヒドロキシ安息香
酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルホン、テレ
フタル酸を60:20:20のモル比で仕込んだ。これ
にヒドロキシ基に対し、1.1倍当量の無水酢酸を加え
系内を窒素置換しながら10分間撹拌した。その後、窒
素雰囲気下で撹拌しながら反応温度を150℃とし、3
時間アセチル化反応を行った後、副生する酢酸を留去し
ながら1℃/分の昇温速度で320℃まで昇温し、32
0℃で15分間重縮合を行った。得られた重合体を重合
槽から取り出し冷却した後、粉砕機(ホソカワミクロン
(株)製 ロートプレックスR16/8)で平均粒径1
mm以下の粒子とし、さらに常圧窒素雰囲気下で260
℃の処理温度で4時間固相重合を行い、ポリエステル1
を得た。このポリエステルの、(株)島津製作所製の高
化式フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇
温速度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内
径1mm、長さ10mmのノズルから押し出されたとき
の溶融粘度が48000ポイズを示す温度は、386℃
であった。
【0015】参考例2 参考例1と同様にして得られた重合体を重合槽から取り
出し冷却した後、粉砕機(ホソカワミクロン(株)製、
商品名ロートプレックスR16/8)で平均粒径1mm
以下の粒子とし、さらに常圧窒素雰囲気下で220℃の
処理温度で4時間固相重合を行い、ポリエステル2を得
た。このポリエステルの、(株)島津製作所製の高化式
フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇温速
度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内径1
mm、長さ10mmのノズルから押し出されたときの溶
融粘度が48000ポイズを示す温度は、310℃であ
った。
【0016】参考例3 パラヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルサルホン、テレフタル酸、イソフタル酸を20:
40:30:10のモル比で仕込む以外、参考例1と同
様にして重合体を得た。得られた重合体を重合槽から取
り出し冷却した後、粉砕機(ホソカワミクロン(株)
製、商品名ロートプレックスR16/8)で平均粒径1
mm以下の粒子とし、さらに常圧窒素雰囲気下で220
℃の処理温度で4時間固相重合を行い、ポリエステル3
を得た。このポリエステルの、(株)島津製作所製の高
化式フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇
温速度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内
径1mm、長さ10mmのノズルから押し出されたとき
の溶融粘度が48000ポイズを示す温度は、315℃
であった。
【0017】実施例1〜3、比較例1 熱可塑性樹脂として、ポリエーテルサルホン(住友化学
工業(株)製、商品名スミカエクセルPES 5200
P)80重量部、液晶ポリエステル(住友化学工業
(株)製、商品名スミカスーパーLCP E4000)
20重量部、参考例1で重合したポリエステルを表1に
示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機
(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いて、シリンダ
ー温度340℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物(実施例
1〜3)を得た。なお、スミカエクセルPES 520
0P単体のガラス転移温度は225℃、荷重たわみ温度
(1.82Mpa荷重)は215℃であり、スミカスー
パーLCP E4000単体の荷重たわみ温度は335
℃であった。同様にして参考例1で重合したポリエステ
ルを含まない熱可塑性樹脂組成物(比較例1)を得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物を、射出成
形機(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用
いてシリンダー温度380℃、金型温度150℃で、上
述のように試験片を成形し、表1に示す引張強度、降伏
伸び、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値の測定、および耐
ストレスクラック性の評価を行った。表1によって、本
発明の特定の構造を有するポリエステルを含む組成物
(実施例1〜3)は、該ポリエステルを含まない組成物
(比較例1)に比べ、引張強度、降伏伸び、曲げ弾性
率、およびアイゾット衝撃値が向上し、耐ストレスクラ
ック性に優れていることがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】実施例4〜7、比較例2〜5 熱可塑性樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン樹脂
(ヴィクトレックス社製、商品名VICTREX PE
EK 450P)、ポリフェニレンサルファイド樹脂
((株) トープレン製、商品名TOHPREN T−4)
、ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラル・エレクトリッ
ク社製、商品名ULTEM 1000)、ポリカーボネ
ート樹脂(住友ダウ( 株) 製、商品名カリバー 200
−3)、液晶ポリエステル樹脂(住友化学工業(株)
製、商品名スミカスーパーLCP E6000)、参考
例2または3で重合したポリエステルを表2に示す組成
でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄工
(株)製PCM−30)を用いてシリンダー温度330
〜350℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物(実施例4〜
7)を得た。なお、ポリエーテルエーテルケトン樹脂単
体のガラス転移温度は143℃、荷重たわみ温度(1.
82Mpa荷重)は152℃、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂単体のガラス転移温度は85℃、荷重たわみ温
度(1.82Mpa荷重)は105℃、ポリエーテルイ
ミド樹脂単体のガラス転移温度は217℃、荷重たわみ
温度(1.82Mpa荷重)は200℃、ポリカーボネ
ート樹脂単体のガラス転移温度は145℃、荷重たわみ
温度(1.82Mpa荷重)は141℃、液晶ポリエス
テル樹脂(スミカスーパーLCP E6000)単体の
荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は230℃であ
った。同様にして参考例で重合したポリエステルを含ま
ない熱可塑性樹脂組成物比較例2〜5)を得た。このよ
うにして得られた熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機
(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用いて
シリンダー温度330〜380℃、金型温度120〜1
80℃で、上述のように試験片を成形し、表2に示す引
張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃
値の測定を行った。表2によって、本発明の特定の構造
を有するポリエステルを含む組成物(実施例4〜7)
は、該ポリエステルを含まない組成物(比較例2〜5)
に比べ、引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、およびアイ
ゾット衝撃値等の機械的物性が向上していることがわか
る。
【0020】
【表2】
【0021】実施例8,9、比較例6,7 熱可塑性樹脂として、ポリエーテルサルホン樹脂(住友
化学工業(株)製、商品名スミカエクセルPES 36
00P)、液晶ポリエステル樹脂(住友化学工業(株)
製、商品名スミカスーパーLCP E6000)、参考
例2で重合したポリエステル、およびガラス繊維(旭フ
ァイバーグラス( 株) 製、商品名 CS03JPX1)
を表1に示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いて、シ
リンダー温度340℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物
(実施例8,9)を得た。なお、スミカエクセルPES
3600P単体のガラス転移温度は225℃、荷重たわ
み温度(1.82Mpa荷重)は 215℃であった。
同様にして参考例2で重合したポリエステルを含まない
熱可塑性樹脂組成物(比較例6,7)を得た。このよう
にして得られた熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機(日
精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用いてシリ
ンダー温度350℃、金型温度150℃で、上述のよう
に試験片を成形し、表3に示す引張強度、降伏伸び、曲
げ弾性率、アイゾット衝撃値の測定を行った。表3によ
って、本発明の特定の構造を有するポリエステルを含む
組成物(実施例8,9)は、該ポリエステルを含まない
組成物(比較例6,7)に比べ、引張強度、降伏伸び、
曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃値等の機械的物性が
向上していることがわかる。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、高強
度、高耐熱で耐ストレスクラック性に優れており、自動
車、航空機等の部品、産業用機器、家電製品、OA機
器、電気、電子部品等の用途に極めて有用なものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】DSC(示差熱量計)を用いて求めたガラ
    ス転移温度が50℃以上および/または荷重たわみ温度
    (1.82Mpa荷重)が70℃以上である、2種また
    は3種以上の熱可塑性樹脂100重量部に対して、下記
    の構造を有するポリエステルを0.1〜100重量部添
    加してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 式 【化1】 (式中、XはーSO2 ー、ーCOー、ーOー、ーSー、
    ーCH2 ー、ーCH2 ーーCH2 ー、ーC(CH3 2
    ーおよび単結合の中から選択された1種または2種以上
    であり、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜
    10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
    表し、pは0〜4の整数、mおよびnは1〜4の整数で
    ある。同一または異なる核上の複数の各R1 は相互に異
    なっていてもよい。また各pは相互に異なっていてもよ
    い。)で表される繰返し単位からなり、式 【数1】 を満足する関係を有するポリエステル。
  2. 【請求項2】ポリエステルの繰返し単位IIにおいて、
    XがーSO2 ーまたは/およびーC(CH3 2 ーであ
    る、請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の荷重た
    わみ温度(1.82Mpa荷重)が150℃以上である
    請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】少なくとも1種類の熱可塑性樹脂がポリア
    リレート、液晶ポリエステル、ポリサルホン、ポリエー
    テルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
    テルイミドである請求項1または2に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】少なくとも1種類の熱可塑性樹脂が液晶ポ
    リエステルである請求項1または請求項2に記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】液晶ポリエステルが式Iで表される繰り返
    し単位を少なくとも30モル%含むものである請求項1
    または請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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