JPH09328268A - エレベータの安全装置 - Google Patents

エレベータの安全装置

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JPH09328268A
JPH09328268A JP8149622A JP14962296A JPH09328268A JP H09328268 A JPH09328268 A JP H09328268A JP 8149622 A JP8149622 A JP 8149622A JP 14962296 A JP14962296 A JP 14962296A JP H09328268 A JPH09328268 A JP H09328268A
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speed
arm
elevator
safety device
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敬 湯村
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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/02Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions
    • B66B5/04Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions for detecting excessive speed
    • B66B5/044Mechanical overspeed governors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
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    • B66B5/02Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions
    • B66B5/16Braking or catch devices operating between cars, cages, or skips and fixed guide elements or surfaces in hoistway or well
    • B66B5/18Braking or catch devices operating between cars, cages, or skips and fixed guide elements or surfaces in hoistway or well and applying frictional retarding forces
    • B66B5/22Braking or catch devices operating between cars, cages, or skips and fixed guide elements or surfaces in hoistway or well and applying frictional retarding forces by means of linearly-movable wedges

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過電流により発生する磁気抗力は、非常止め
を動作させる力に比べ小さく、軸抗力だけで非常止めを
動作させるのが難しかった。また非常止めを初期状態に
戻す機能もなかった。 【解決手段】 エレベータの安全装置に、強い摩擦力を
発生させることによりエレベータを制動する非常止め機
構と、非常止め機構を動作させる駆動部と、エレベータ
の移動速度が危険速度に達した場合には上記駆動部を解
放させるカムラッチ機構と、カムラッチ機構を作動させ
る調速機とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エレベータの移
動速度が規定の危険速度に達した場合にエレベータを制
動するエレベータの安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図24は従来のエレベータの安全装置で
ある調速機の正面図および平面図であり、図において、
12はエレベータのかご、13はかご12の上に設けら
れたエレベータ調速機の基台、14は基台13の支点1
5に回動自在に支持された2対の平行リンクで構成され
たアームである。16はアーム14の一端に2点で連結
された、エレベータの迅速度を検出するためのピックア
ップであり、このピックアップ16は固定導体18と対
向して両側に配置された2つの磁石16aとこの2つの
磁石16aの磁束の通路を確保するためのバックヨーク
16bにより磁気回路を構成している。17はアーム1
4の他端にピックアップ16と釣り合うように設けられ
たバランスウエイトである。尚、上記アーム14、基台
の支点15、ピックアップ16、バランスウエイト17
で調速機を構成している。19はアーム14を保持し、
バランスウエイト17に作用する力(抗力)を変位に変
えるためのばねである。20aはかご停止用スイッチで
あり、このかご停止用スイッチ20aはバランスウエイ
ト17の変位により、エレベータを昇降させる巻き上げ
機等(図示せず)の電源を遮断する。21は非常止め操
作棒であり、この非常止め操作棒21は非常止め装置
(制動装置(図示せず))を作動させる。
【0003】次に従来のエレベータの安全装置である調
速機の動作について説明する。ピックアップ16は磁石
16aとバックヨーク16bによって磁気回路を構成
し、2つの磁石16aの間に存在する固定導体18の面
に対して垂直な磁場を作る。かご12が昇降し、この磁
場が固定導体18中を移動すると、固定導体18中に磁
場の変化を打ち消すような渦電流が発生し、磁石16a
はかご12の速度に対応した大きさで、かご12の移動
に抗する向きの力(磁気抗力)が発生する。尚、かご1
2の速度Vと発生した磁気抗力F1との関係を図26に
示す。この磁気抗力F1は、図25に示すように、アー
ム14とばね19により、ピックアップ16及びバラン
スウエイト17の上下方向の変位に変換される。尚、ピ
ックアップ変位(バランスウエイト変位)Zとばね力F
2との関係を図27に、かご枠12の速度Vとピックア
ップ変位(バランスウエイト変位)Zとの関係を図28
に示す。
【0004】かご12の下降速度が所定値を越えた第一
過速度(通常は定格速度の1.3倍程度)になると、磁
石16aはこの速度に対応した上向きの磁気抗力を受
け、バランスウエイト17を下向きに変位させる。そし
て、この変位によりかご停止用スイッチ20aが働いて
エレベータ駆動装置の電源を遮断し、かご12を停止さ
せる。また何等かの原因で第二過速度(通常は定格速度
の1.4倍程度)に達した場合でも、この速度に対応し
てバランスウエイト17がさらに変位し、非常止め操作
棒21によってかご12に設けられた非常止め装置(図
示せず)が作動してかご12が急停止する。
【0005】尚、以上説明した従来技術の外にこの発明
に類似する技術として、特開平5―147852号公
報、特開平6―321454号公報などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のエレベータの安
全装置は以上のように構成されているので、以下のよう
な課題があった。 (a)従来のエレベータの安全装置では、渦電流により
発生する磁気抗力は、非常止めを動作させる力に比ベ小
さく、第二過速度に達してもピックアップの変位が小さ
いので、磁気抗力だけで非常止めを動作させるのが難し
く、動作安定性が悪くなるという課題があった。 (b)従来のエレベータの安全装置では、ピックアップ
と釣り合うようにバランスウエイトを設けているが、非
常止め操作棒などにより非常止め装置(制動装置)と連
結されているので、連結された装置全体としてのバラン
スが取れておらず、そのため、かご振動(乗客の乗り降
り)などのかごに加わる力により、ピックアップに変位
が生じるので、誤動作が発生しやすいという課題があっ
た。 (c)従来のエレベータの安全装置では、ピックアップ
をアームの一端に取り付け、バランスウエイトをアーム
の他端に取り付けることにより、バランスを取っている
ため、普通運転時から非常止めを解除するための下方向
への力を作用させておくことができず、また、非常止め
装置が動作した後、非常止め装置がガイドレールに食い
込んだ状態を解除しようとしても、簡単には初期状態に
復帰しないという課題があった。 (d)従来のエレベータの安全装置では、乗客の乗り降
り時やかご内の乗客の暴れにより、一時的に振動的にか
ご速度が大きく変動すると、ピックアップ部の変位が大
きくなり、安全装置が誤動作し易いという課題があっ
た。 (e)従来のエレベータの安全装置では、調速機と非常
止め装置がかご上とかご下に離れているので、安全装置
として全体が大きくなるという課題があった。 (f)従来のエレベータの安全装置では、現地据え付け
時・メインテナンス時の動作検査や保守点検を行う際に
は、実際にかごを動かして動作をチェックするしかない
ので、検査や点検が難しく、危険であるという課題があ
った。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、第二過速度時に達した時に発生す
る調速機の磁気抗力が小さくても確実に非常止め装置を
動作させることができるエレベーターの安全装置を得る
ことを目的する。
【0008】また、この発明は、かごに振動が発生して
も誤動作の少ないエレベータの安全装置を得ることを目
的とする。
【0009】さらに、この発明は、非常止めが動作した
後も簡単に非常止めを解除でき、初期状態に復帰できる
エレベータの安全装置を得ることを目的とする。
【0010】さらに、この発明は、乗客の乗り降り時や
かご内の乗客の暴れにより、一時的に振動的にかご速度
が大きく変動しても誤動作し難いエレベータの安全装置
を得ることを目的とする。
【0011】さらに、この発明は、小型で簡単な構造の
エレベータの安全装置を得ることを目的とする。
【0012】さらに、この発明は、簡単に検査や保守が
行えるエレベータの安全装置の検査装置を得ることを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るエレベータの安全装置は、エレベータの昇降路に沿っ
て配設固定された導体のガイドレールと、移動部に取り
付けられ、上記ガイドレールを把持し、摩擦力を発生さ
せて上記移動部を制動させる非常止め機構と、上記移動
部に取り付けられ、該移動部の速度が危険速度に達した
場合に変位し上記非常止め機構を作動させる調速機と、
該調速機の変位を非常止め機構に伝える非常止め動作機
構とを備えたものである。
【0014】請求項2記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、エレベータの昇降路に沿って配設固定された
導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上記ガ
イドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動部を
制動させる非常止め機構と、該非常止め機構を動作させ
る駆動部と、上記移動部に取り付けられ、該移動部の速
度が危険速度に達した場合に、抑止していた上記駆動部
の駆動力を解放させるカムラッチ機構と、上記移動部に
取り付けられ、該移動部の速度が危険速度に達した場合
に変位し上記カムラッチ機構を作動させる調速機とを備
えたものである。
【0015】請求項3記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、調速機は、ガイドレールと共に磁気回路を構
成する磁石及びバックヨークから成るピックアップと、
一端側に該ピックアップが取り付けられ他端側にバラン
スウエイトが取り付けられ、上記ピックアップの変位を
伝達する回動自在なアームと、該アームの支点に取付固
定され、上記アームの変位に応じて回転する主軸と、該
主軸を支持する基台とを備えた構成としたものである。
【0016】請求項4記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、カムラッチ機構は、移動部の速度に応じて回
動する調速機の主軸に取り付けられたカムと、ラッチピ
ンを介して該ラッチピンを支点に回動自在に上記調速機
に取り付けられ、一端が上記カムと接触し他端が駆動部
と連結されたラッチアームとを備え、上記移動部の速度
が危険速度に達した場合に上記カムの回動により、抑止
していた上記駆動部の駆動力を解放するようにしたもの
である。
【0017】請求項5記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、駆動部は、一端がカムラッチ機構と連結し、
他端が非常止め機構と連結した引き上げ棒と、移動部の
速度が危険速度に達した場合に上記引き上げ棒を上昇さ
せるばね部とを備えた構成としたものである。
【0018】請求項6記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、エレベータの昇降路に沿って配設固定された
導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上記ガ
イドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動部を
制動させる非常止め機構と、上記ガイドレールと楔嵌合
可能に構成され、上記非常止め機構の駆動力を発生させ
る引き上げ楔機構と、上記移動部に取り付けられ、該移
動部の速度が危険速度に達した場合に、上記引き上げ楔
機構と連動し、該引き上げ楔機構を作動させるカムラッ
チ機構と、上記移動部に取り付けられ、該移動部の速度
が危険速度に達した場合に変位し上記カムラッチ機構を
作動させる調速機と、上記カムラッチ機構と上記非常止
め機構を連結し、上記引き上げ楔機構が発生した駆動力
を上記非常止め機構に伝えるリンク部とを備えたもので
ある。
【0019】請求項7記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、エレベータの昇降路に沿って配設固定された
導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上記ガ
イドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動部を
制動させる非常止め機構と、上記移動部の速度が危険速
度に達した場合に変位する調速機と、該調速機上に設け
られ、上記ガイドレールと楔嵌合可能に構成され、上記
非常止め機構の駆動力を発生させる引き上げ楔機構と、
上記調速機と上記非常止め機構を連結し、上記引き上げ
楔機構が発生した駆動力を上記非常止め機構に伝えるリ
ンク部とを備えたものである。
【0020】請求項8記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、調速機の変位により可動する調速機、非常止
め動作機構、非常止め機構のいずれかに補助ウエイトを
設けたものである。
【0021】請求項9記載の発明に係るエレベータの安
全装置は、補助ウエイトを非常止めアームに設けたもの
である。
【0022】請求項10記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、調速機の変位により可動する調速機、非常
止め動作機構、非常止め機構のいずれかに解除アームを
設けたものである。
【0023】請求項11記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、エレベータの昇降路に解除アームと係合す
る解除カムを設けたものである。
【0024】請求項12記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、一端がカムラッチ機構と連結し、他端が非
常止め機構と連結した押さえ棒と、該押さえ棒が上方移
動すると駆動部を掛合拘束し、上記押さえ棒が下方移動
すると上記駆動部の掛合拘束を解除するフック部とから
構成された非常止め解除機構を備えたものである。
【0025】請求項13記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、フック部は、押さえ棒に取り付けられたフ
ックと、調速機に取り付けられ、上記押さえ棒が下方移
動すると引き上げ棒を解除するフック解除ピンとを設け
たものである。
【0026】請求項14記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、非常止め機構は、移動部に回動自在に取り
付けられた非常止めアームと、該非常止めアームの端部
に取り付けられた非常止めシューと、該非常止めシュー
及びガイドレールと楔嵌合可能に構成された非常止めく
わえ金とを備え、駆動部は、一端がカムラッチ機構と連
結し、他端が上記非常止めアームの回動軸近傍に長穴を
介して摺動自在に連結した引き上げ棒と、上記移動部の
速度が危険速度に達した場合に上記引き上げ棒を上昇さ
せるばね部とを備え、非常止め解除機構は、一端が上記
カムラッチ機構と長穴を介して摺動自在に連結し、他端
が上記非常止めアームの端部に連結した押さえ棒と、該
押さえ棒に取り付けられ、該押さえ棒が上方移動すると
上記引き上げ棒を掛合拘束し、上記押さえ棒が下方移動
すると上記引き上げ棒の掛合拘束を解除するフック部と
を備え、非常止め動作時には、上記非常止めアームの回
動内外変位差により上記押さえ棒が上記引き上げ棒より
長穴分上昇移動して、上記フック部が上記引き上げ棒を
掛合拘束し、非常止め解除動作時には、上記移動体が上
方に持ち上げられると、上記非常止めくわえ金が上記ガ
イドレールと楔嵌合しているため上記非常止めアームが
下方に下げられ、該非常止めアームと連結した上記押さ
え棒が下方移動し、上記フック部により掛合拘束された
上記引き上げ棒が上記押さえ棒と同変位量で下方移動し
て、上記駆動部が初期状態に戻った位置で掛合拘束を解
除するように構成したものである。
【0027】請求項15記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、調速機、非常止め動作機構又は非常止め機
構のいずれかに振動を吸収する振動吸収部を設けたもの
である。
【0028】請求項16記載の発明に係るエレベータの
安全装置は、エレベータの昇降路に沿って配設固定され
た導体のガイドレールと、移動部の速度が危険速度に達
した場合に変位する調速機と、上記調速機上に設けら
れ、該調速機の変位と直接連動し、上記ガイドレールを
把持し、摩擦力を発生させて移動部を制動させる非常止
め機構とを備えるように構成したものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.従来は渦電流による磁気抗力が小さく、
渦電流による磁気抗力だけでは引き上げ棒を引上げ、非
常止め装置を動作させることが難しかった。また、非常
止め装置が動作した後の解除方法も無かった。実施の形
態1では第二過速度での非常止め動作のトリガーを調速
機及びカムラッチ機構で行い、非常止め動作を行う駆動
力をばね等のばね部で発生させ、非常止め解除動作をフ
ック部により実現している。
【0030】図1はこの発明の実施の形態1によるエレ
ベータの安全装置の全体構成を示す斜視図であり、図に
おいて、12はエレベータのかごに覆設されるかご枠
(移動部)、21は引き上げ棒(駆動部、リンク部、非
常止め動作機構)、35は押さえ棒(非常止め解除機
構)、51は引き上げばね(ばね部、駆動部、非常止め
動作機構)である。円Aで囲んだ部分はエレベータの安
全装置の調速機を構成する部分、円Bで囲んだ部分はエ
レベータの安全装置の非常止め装置を構成する部分であ
る。尚、図1においては図26で示したガイドレール
(固定導体)18は省略している。
【0031】図2は調速機及びカムラッチ機構の構成を
示した斜視図(図1の円Aで囲んだ部分の拡大図)であ
り、図において、13はかご枠12上に設けられた調速
機の基台(調速機)であり、この基台13はコ字状に形
成されている。30はコ字状の基台13に両端を回動自
在に支持されている主軸(調速機)、14は主軸30に
連結固定され、主軸30を支点に回動自在な調速機アー
ム(アーム、調速機)であり、この調速機アーム14が
回動すると主軸30も回動するように構成されている。
16は調速機アーム14の一端に2点で連結されたピッ
クアップ(調速機)であり、このピックアップ16はガ
イドレール18(図2において省略している)と対向し
て両側に配置された磁石(ピックアップ、調速機)16
aと磁石16aの磁束の通路を確保するためのバックヨ
ーク16b,16c(ピックアップ、調速機)から構成
されており、バックヨーク16cが調速機アーム14と
連結している。17は調速機アーム14の他端にピック
アップ16と釣り合うように設けられたバランスウエイ
ト(調速機)である。
【0032】32は主軸30の一端に取り付けられたカ
ム(カムラッチ機構、非常止め動作機構)であり、この
カム32は主軸30の回動に応じて回動する。33はコ
字状の基台13(のカム32が取り付けてある側)に取
り付けられたラッチ軸、34はラッチ軸33を支点に回
動自在に連結されたラッチアーム(カムラッチ機構、非
常止め動作機構)であり、このラッチアーム34の一端
はカム32と接触し、ラッチアーム34の他端部には引
き上げ棒21と押さえ棒35がラッチピン(カムラッチ
機構、非常止め動作機構)36を介して回動自在に連結
されている。押さえ棒35には長穴(押さえ棒)35a
が設けられ、ラッチピン36とは上下方向移動自在にピ
ント結合されている。尚、ラッチアーム34の一端とカ
ム32との接触部分の摩擦を軽減するため、図3に示す
ように、ベアリングローラーやボール機構などの摩擦軽
減機構(カムラッチ機構)38を設けてもよい。55は
フック(フック部,非常止め解除機構)であり、このフ
ック55は押さえ棒35にフックピン56を介して連結
されている。57は基台13に取り付けられたフック解
除ピン(フック部,非常止め解除機構)である。尚、図
2においては、第一過速度で(エレベータを昇降させ
る)巻き上げ機等の電源を遮断するスイッチ(従来の技
術(図24)に示すかご停止用スイッチ20aに相当す
るスイッチ)は省略している。
【0033】図4は調速機のピックアップの詳細を説明
する構成図である。ピックアップ16は、磁石16a、
バックヨーク16b,16c及びガイドレール18によ
り磁気回路を構成している。磁石16aとガイドレール
18とは、近接しているが非接触である。磁気回路の構
成としては、例えば図4(a)に示すように、ガイドレ
ール18の片側にS極の磁石16a1を、もう一方側に
N極の磁石16a2を配置し、バックヨーク16b,1
6cを介して戻る磁路を形成したものが考えられる。ま
た、他の磁気回路の構成として、例えば図4(b)に示
すように、ガイドレール18の片側のバックヨーク16
bの上部にS極の磁石16a1を、その下部にN極の磁
石16a2を配置し、片側のバックヨーク16bの上下
の磁石16a1,16a2で(片側のバックヨーク16
bだけで)磁路を形成するものが考えられる(図4
(b)では両側のバックヨーク16bの上下の磁石16
a1,16a2で2つの磁路を形成している)。尚、磁
気回路の構成としては上記のようなものに限る必要はな
く、当然片側のバックヨーク16bだけで磁路を構成す
るものでもよく、また、磁極の方向もこの例だけでな
く、同極が向かい合ってもよいし異極でもよい。
【0034】図5はフック部の詳細を示す拡大構成図で
あり、図において、55はフックであり、このフック5
5はフックピン56を介して押さえ棒35に一方向(図
5中左回り、即ちガイドレール18側方向)へ回転自在
に連結されている。55aはフック55の上部であるテ
ーパ状のテーパ部、55bはテーパ部55aの下方(フ
ック55の中部)に設けられた切り欠き部である。55
cはフック55の下部に設けられた突出部であり、この
突出部55cは一方向(上方向)はロックされ、他方向
(下方向)は回転可能に構成されている。57は基台1
3に取付固定されたフック解除ピン(フック部、非常止
め解除機構)である。尚、図5において図2と同一符号
を付した同一の構成部分については重複説明を省略して
いる。
【0035】図6は非常止め機構(及び非常止め解除機
構の一部)の構成を示した斜視図(図1の円Bで囲んだ
部分の拡大図)であり、図において、40は非常止めア
ーム(非常止め機構)であり、この非常止めアーム40
の一端部が支持軸41(回動軸、非常止め機構)を支点
として回動自在にかご枠12(又はかご)に固定されて
いる。また、この非常止めアーム40には、引き上げ棒
21の端部に設けられた長穴(引き上げ棒)21aと掛
合する引き上げピン42が支持軸41近傍に設けられ、
非常止めアーム40の他端部(支持軸と逆の端部)に押
さえピン43を介して押さえ棒35が回動自在に連結さ
れている。44は非常止めアーム40の他端部に設けら
れた非常止めシュー(非常止め機構)、45は非常止め
シュー44の上方に設けられた非常止めくわえ金(非常
止め機構)であり、非常止めアーム40の他端部が上に
回動することにより、非常止めシュー44が非常止めく
わえ金45、ガイドレール18と接し、くさび効果によ
って非常止めくわえ金45とガイドレール18との間に
食い込み、摩擦効果により大きな制動力が発生し、非常
停止動作が行えるように構成されている。45aは非常
止めくわえ金45の非常止めシュー44との接合部、4
5bは非常止めくわえ金45の枠、45cは接合部45
aと枠45bとの間に設けられた非常止め押さえばねで
ある。
【0036】図7はばね部の構成を示した斜視図であ
り、図において、51は引き上げばね、52はエレベー
タのかご枠12に取付固定されたばねベース(ばね部、
駆動部、非常止め動作機構)であり、このばねベース5
2の上に引き上げばね51が載置される。また、このば
ねベース52には載置された引き上げばね51の中心位
置に穴が設けられ、引き上げ棒21がこの穴及び引き上
げばね51を挿通している。53は引き上げ棒21に固
定されたばね押さえ板(ばね部、駆動部、非常止め動作
機構)であり、このばね押さえ板53は引き上げばね5
1により上方へ付勢されている。上記ばね部は一例であ
り、これと異なる構成であってもよい。図8は図7のば
ね部とは異なる構成のばね部の説明図である。図8に示
すように、非常止めアーム40の支持軸41に、非常止
めアーム40の先端(押さえ棒35及び非常止めシュー
44が取り付けてある部分)を上方に上げる方向(図8
中右回りの方向)に回転力を加える非常止めアーム回転
ばね(ばね部、駆動部、非常止め動作機構)54を設け
る。この非常止めアーム回転ばね54のばね力(回転
力)によっても引き上げ棒21を上方へ付勢することが
できる。尚、このばね部(駆動部)は、上記カムラッチ
機構とともに非常止め動作機構を構成している。
【0037】次に動作について説明する。 (1)先ず、調速機及びカムラッチ機構の動作について
(図2及び図4に基づいて)説明する。ピックアップ1
6は磁石16aとバックヨーク16b,16cによって
磁気回路を構成し(図4)、2つの磁石16a1,16
a2の間に存在するガイドレール18の面に対して磁場
を作る。かご枠12が昇降し、この磁場がガイドレール
18中を移動すると、ガイドレール18中に磁場の変化
を打ち消すような渦電流が発生し、磁石16aはかご枠
12の速度に対応した大きさで、かご枠12の移動に抗
する向きの力(磁気抗力)が発生する。この磁気抗力が
調速機アーム14に伝わり、ピックアップ16及びバラ
ンスウエイト17の上下方向の変位に変換される。この
変位により主軸30が回転し、主軸30の一端に取り付
けられたカム32が回転する。尚、かご枠12の下降速
度が所定値(第一過速度)を越えると、従来のエレベー
タの安全装置と同様に、バランスウエイト17の下向き
の変位によりかご停止用スイッチ(図示せず)が働いて
エレベータ駆動装置の電源を遮断し、かご枠12を停止
させる。
【0038】(2)次に非常止め動作について説明す
る。何等かの原因である速度(第二過速度)に達した場
合、この速度に対応してバランスウエイト17がさらに
変位し、この変位に応じて主軸30が回転し、主軸30
の一端に取り付けられたカム32が回転すると、ラッチ
アーム34がカム32の切り欠き部に達する。ここで、
図9(a)に示すように、ラッチアーム34の他端部
(引き上げ棒21が取り付けてある部分)には、引き上
げばね51による上方向の不勢力が引き上げ棒21を介
して作用しているので、ラッチアーム34の一端部(カ
ム32と接している部分)はラッチピン36を支点とし
て下方向(カム32を押さえつける方向)に力が作用し
ている。従って、図9(b)に示すように、主軸30が
回転し、ラッチアーム34がカム32の切り欠き部に達
すると、抑止していたラッチアーム34の下方向の力が
解放され、引き上げ棒21が引き上げばね51の不勢力
により上に上がる。すると引き上げ棒21と連結した非
常止めアーム40も上に引き上げられ(図6)、非常止
めアーム40の端部に取り付けられた非常止めシュー4
4が非常止めくわえ金45とガイドレール18の間に食
い込み、摩擦効果により大きな制動力が発生し、非常停
止動作が行える。
【0039】上記のように、引き上げ棒21が上がるこ
とにより、非常止めアーム40も上に引き上げられる
が、同時に非常止めアーム40の端部に取り付けられた
押さえ棒35も上に押し上げられる。引き上げ棒21は
非常止めアーム40の支持軸41近傍に設けられている
が、押さえ棒35は非常止めアーム40の端部に設けら
れているので、引き上げ棒21の上への小さな変位によ
り押さえ棒35は大きく上へ変位することになる。例え
ば、図9に示すように、引き上げ棒21と支持軸41と
の距離をa、押さえ棒35と支持軸41との距離をbと
すると、押さえ棒35は引き上げ棒21のb/a倍上に
変位する。一方、引き上げ棒21と押さえ棒35とは、
ラッチピン36でほぼ同じ位置にラッチアーム34に取
り付けられている。ここで、押さえ棒35は長穴35a
にピンと結合されているので、長穴35aの長さ分だけ
上方向に移動することができる。従って、非常止め動作
後は、上述のように押さえ棒35の方が変位量が大きい
ので、図9(b)に示すように、押さえ棒35だけが上
に大きく飛び出す形になる。
【0040】次にフックの結合動作について説明する。
上述のように、非常止めが動作し押さえ棒35が引き上
げ棒21のb/a倍の変位で上に押し上げられると、押
さえ棒35とフックピン56を介して連結されたフック
55も上に押し上げられる(図5)。図10はフック5
5係合動作の説明図である。非常止め動作前においては
(図10(a))、引き上げ棒21も押さえ棒35もほ
ぼ同じ位置にあるが、非常止め動作中においては(図1
0(b))、押さえ棒35は引き上げ棒21のb/a倍
の変位で押し上げられ、押さえ棒35が引き上げ棒21
よりも突出する。ここで、押さえ棒35に連結されたフ
ック55も押さえ棒35と共に押し上げられるが、この
フック55の上部はテーパ状のテーパ部55aになって
いるので、フック55の上方にあるラッチピン36に引
っかかることはない。また、フック55の下部に設けら
れた突出部55cは、下方向に回転可能に構成されてい
るので、突出部55cの上方に設けられたフック解除ピ
ン57を回避することができる。そして、さらにフック
55が押し上げられると、フック55の切り欠き部55
bがラッチピン36と係合し、フックの結合動作が完了
する(図10(c))。以上により非常止め動作が完了
する。
【0041】(3)次に非常止め解除動作について説明
する。非常止めを解除するため、エレベータのかごを巻
き上げ機などにより上方に持ち上げる。すると非常止め
くわえ金45もエレベータのかご(又はかご枠)に取付
固定されているので、同時に持ち上げられる。非常止め
くわえ金45が持ち上げられると、圧縮している非常止
め押さえばね45cの復元力及びガイドレール18と非
常止めシュー44との摩擦力により、非常止めくわえ金
45と非常止めシュー44との食い込みが外れる。しか
し、非常止めくわえ金45と非常止めシュー44との食
い込みが外れるだけでは引き上げ棒21が初期状態(引
き上げばね51を圧縮させ、ラッチアーム34が上がっ
た状態)には戻らない。そこで、非常止め解除機構がそ
の役割を果たす。
【0042】非常止め解除機構の動作について説明す
る。非常止めシュー44は非常止めくわえ金45とガイ
ドレール18の間に食い込んでいる状態では摩擦力があ
るので、非常止めシュー44はそのまま止まろうとし、
相対的には下方向に移動し、非常止めアーム40が下方
向に回動する。非常止めアーム40が下方向に回動する
と、押さえ棒35も下方に下げられる。ここで、押さえ
棒35に連結されたフック55が上記図10(c)に示
すようにラッチピン36に掛かっているので(フック5
5係合状態)、引き上げ棒21は押さえ棒35に拘束さ
れており、引き上げ棒21と同じ変位で下方に下げられ
る(尚、引き上げ棒21が押さえ棒35と同じ変位で移
動可能なのは、引き上げ棒21の端部が長穴21aとな
っているからである)。従って、引き上げ棒21は押し
上げ(非常止め動作)時に比べb/a倍の変位で移動
し、押し上げ時よりも短い距離、即ち非常止めシュー4
4とガイドレール18との摩擦力が保たれる(非常止め
シュー44が非常止めくわえ金45とガイドレール18
の間に食い込んだ状態に保たれる)短い距離で初期位置
に戻る。引き上げ棒21が初期状態の位置に戻ると、ラ
ッチアーム34も上に上がる。この時、かご枠12は、
非常止めシュー44とガイドレール18との摩擦力が保
たれているため、低速運転しているので、調速機アーム
14は水平状態に戻ろうとする力が作用しており、ラッ
チアーム34が上に上がるとカム32が回転し初期状態
に戻る。
【0043】さらにかご枠12が上方向に移動すると、
押さえ棒35が下に下がり、フック55はフック解除ピ
ン57の位置に達し、フック解除ピン57がフック55
を回転させる(図11(b))。するとフック55とラ
ッチピン36の係合が外れ、引き上げ棒21の押さえ棒
35からの拘束も解除される。この時、ラッチアーム3
4は既に初期状態に戻っているので、引き上げ棒21が
解除されても引き上げばね51の不勢力により押し上げ
られることもない。
【0044】さらにかご枠12が上方向に移動し、非常
止めシュー44とガイドレール18が離れると摩擦力が
無くなり、非常止め押さえばね45cの戻る力により押
さえ棒35が最後まで引き下げられ、全て初期状態に戻
る(図11(c))。
【0045】このように、非常止めアーム40の回動時
の内外変位差と、フック55の動作により、非常止め動
作及び解除動作を行っている。即ち、非常止め動作にお
いては、引き上げ棒21が非常止めアーム40を押し上
げ、これに伴って押さえ棒35は引き上げ棒21のスト
ロークのb/a倍のストロークで押し上げられる。逆
に、非常止め解除操作においては、押さえ棒35が非常
止めアーム40が下がると共に引き下げられ、これに伴
って引き下げ棒21も押さえ棒35と同じストロークで
引き下げられる(フック55の作用)。
【0046】尚、この実施の形態1ではカム32を用い
たが、ピックアップ16の変位が非常止め動作のトリガ
ーであることを特徴としており、引き上げ予圧を開放す
る機構であれば他の機構を用いることも可能である。
【0047】尚、この実施の形態1に示したエレベータ
の安全装置では、調速機、カムラッチ機構、非常止め機
構、駆動部、非常止め解除機構などは、かご枠12に設
けられているが、これに限る必要はなく、エレベータの
かご、重錘などの移動部に取り付けるものであればよ
い。下記の実施の形態においても同様である。
【0048】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、非常止め動作のトリガーを調速機及びカムラッチ機
構で行い、非常止め動作を行う駆動力をばね等の弾性部
材で発生させ、非常止め解除動作をフック部により行っ
ているので、渦電流により発生する磁気抗力が弱く過速
度を検出した時の調速機の引き上げ力が弱くても、これ
をトリガーとして非常止め動作を確実に動作させること
ができ(誤動作が少なくなる)、且つかごを上げるだけ
で非常止め機構を簡単に初期状態に復帰させることがで
きる。
【0049】実施の形態2.図12はこの発明の実施の
形態2によるエレベータの安全装置の構成を示す図であ
り、図において、37はラッチアームであり、このラッ
チアーム37の一端部はカム32と接触し、他端部は直
接非常止めアーム40に回動自在に連結されている。5
9は非常止めアーム40の下方に配置され、非常止め調
速機アーム40を上方へ不勢する引き上げばね(ばね
部、駆動部、非常止め動作機構)である。図13は図1
2に示すエレベータの安全装置の非常止め解除動作の説
明図であり、図において、60はアーム14、カム3
2、ラッチアーム37及び(又は)非常止めアーム40
に設けられた解除アーム(非常止め解除機構)である。
尚、図12及び図13において、上記実施の形態1(図
2、図6)と同一符号を付してある部分は同一又は相当
する部分であり、重複説明を省略する。因みに、図12
及び図13においては動作を分かり易くするため、図1
に示すように本来ならば直交しているカム32の正面
(ラッチアーム37の方向)と非常止め面(非常止めア
ーム40の方向)を同一面に示している。後述する図1
4から図24においても同様にカム32の正面と非常止
め面を同一面にし、動作を分かり易くしている。
【0050】次に動作について説明する。非常止め動作
について説明する。上記実施の形態1においては、ラッ
チアーム34と非常止めアーム40とを引き上げ棒21
及び押さえ棒35により連動させていたが、この実施の
形態2では、ラッチアーム37と非常止めアーム40と
を直接回動自在に連結したものである。図12に示すよ
うに、ラッチアーム37は通常状態では引き上げばね5
9により非常止め動作方向(上方向)に不勢されている
(図12(a))。カム32と圧接したラッチアーム3
7が、カム32の回転により開放されると、ラッチアー
ム37が回転し、ラッチアーム37と連結された非常止
めアーム40が上方へ回動する。すると非常止めアーム
40の端部に設けられた非常止めシュー44が非常止め
くわえ金45とガイドレール18との間に食い込み、非
常止め動作が行われる。
【0051】次に非常止め解除動作について説明する。
図13はこの発明の実施の形態2によるエレベータの安
全装置の非常止め解除動作を説明するための図である。
非常止め動作終了後その動作を解除する場合、非常止め
シュー44の摩擦力(制動力)が無くなる方向(上方
向)に、巻き上げ機によりエレベータのかご枠12をゆ
っくり上げていく(尚、かご枠12は上方に移動できる
が、非常止めシュー44が接合したままであり、この時
点では非常止めは完全に解除されていない)。そして最
寄り階のところでドアを開け、乗り込み口側から解除ア
ーム60を動作させるためのアーム等を用いて、解除ア
ーム60を手動で動作することにより、非常止め動作を
完全に解除する。
【0052】図14は図13に示した非常止め解除動作
とは異なる非常止め解除動作を示す説明図であり、図に
おいて、61はエレベータの昇降路に配置された解除カ
ム(非常止め解除機構)であり、この解除カム61は上
記解除アーム60と係合させることにより、巻き上げ機
62によりかご枠12を持ち上げるだけで非常止め解除
動作を行うことができるように構成されている。
【0053】上記したようにかご枠12の下降速度が第
二過速度に達すると非常止め機構を動作する(図14
(a))。非常止め機構が動作すると、ラッチアーム3
7が傾き、ラッチアーム37に設けられた解除アーム6
0がかご枠12外に突出する(図14(b))。この状
態から、かご枠12を上方に上げると、解除アーム60
が昇降路に設けられた解除カム61と係合し(図14
(c))、さらに、かご枠12を上方に上げると、解除
アーム60がかご枠12内に押し込まれ、ラッチアーム
37も初期状態にもどり、非常止め解除機構も初期状態
に復帰する(図14(d))。
【0054】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、ラッチアーム37を非常止めアーム40に直接連結
したので、エレベータの安全装置全体の構成が簡単とな
る。非常止め解除動作は手動で行うが、この操作も簡単
に行うことができ、また、解除アーム60及び解除カム
61を設ければ、自動的に非常止め解除を行うこともで
きる。
【0055】実施の形態3.上記実施の形態1では第二
過速度での非常止め動作のトリガーを調速機及びカムラ
ッチ機構で行い、非常止め動作を行う駆動力をばね等の
ばね部で発生させ、非常止め解除動作をフック部により
実現していたが、この実施の形態3では第二過速度での
非常止め動作のトリガーを調速機及びカムラッチ機構に
より行い、非常止め動作を行う駆動力をピックアップ上
に設けた引き上げ楔機構で発生させ、非常止め解除動作
を引き下げばねにより実現している。
【0056】図15はこの発明の実施の形態3によるエ
レベータの安全装置の構成及び動作説明を示す図であ
り、図において、65はラッチアーム34の端部(カム
32と接している端部と反対側の端部)に設けられた引
き上げシュー(引き上げ楔機構)、66は引き上げシュ
ー65の上方に設けられた引き上げくわえ金(引き上げ
楔機構)であり、ラッチアーム34の端部が上に回動す
ることにより、引き上げシュー65が引き上げくわえ金
66、ガイドレール18と接し、くさび効果によって引
き上げくわえ金66とガイドレール18との間に食い込
み、摩擦効果により大きな制動力が発生し、非常停止動
作が行えるように構成されている。64は非常止めアー
ム40を下方へ引き下げる引き下げばね(非常止め解除
機構)である。21はラッチアーム34と非常止めアー
ム40を連結する引き上げ棒(リンク部)である。尚、
上記実施の形態1(図2、図6、図12)と同一符号を
付している部分は同一又は相当する部分であり、その重
複説明を省略する。
【0057】次に動作について説明する。先ず非常止め
動作について説明する。かご枠12が通常運転速度にあ
る場合は調速機アーム14は水平状態にあるが(図15
(a))、かご枠12の下降速度が上がると、調速機ア
ーム14が傾き、カム32が回転する(図15
(b))。かご枠12が第二過速度に達すると(越える
と)、カム32がさらに回転し、ラッチアーム34の一
端部(カム32と接している端部)がカム32の切り欠
き部に達する。するとラッチアーム34が傾き、ラッチ
アーム34の他端部に設けられた引き上げシュー65が
引き上げられ、引き上げシュー65が引き上げくわえ金
66に食い込み(図15(c))、摩擦効果により大き
な制動力が発生する。これにより、ラッチアーム34及
び引き上げ棒21は強い力で引き上げられ非常止め機構
を動作させる(図15(d))。尚、引き上げ棒21
は、動作時は第二過速度になるまで非常止め機構の下方
向への力の影響が無いようにピン掛合部が長穴21aに
なっており、第二過速度になった場合は引き上げシュー
65の方が楽に引き上げくわえ金66に食い込むように
構成している。
【0058】次に非常止め解除動作について説明する。
かご枠12を上に持ち上げると、非常止めアーム40が
引き下げばね64により非常止め機構を解除する方向
(下方向)に引き下げているので、非常止めシュー44
と非常止めくわえ金45との摩擦力が無くなり、非常止
め解除動作が行われる。また、引き上げ楔機構も同様に
解除される。ここで、カム32はかご枠12が低速度の
状態では水平位置に戻ろうとするので、カム32も初期
位置に復帰する。
【0059】図16は図15とは非常止め解除機構が異
なるエレベータの安全装置の構成図であり、図におい
て、67は引き上げ棒21の下端に設けられたフック
(フック部、非常止め解除機構)である。68はフック
解除ピン(非常止め解除機構)である。尚、図15と同
一符号を付してある部分は同一又は相当する部分であ
り、重複説明を省略する。
【0060】次に動作について説明する。非常止め動作
について説明する。先ず、かご枠12が通常運転速度に
ある場合は調速機アーム14は水平状態にあるが(図1
6(a))、かご枠12の下降速度が上がると、ピック
アップ16が上方向に変位し、ピックアップ16上に設
けられた引き上げシュー65が引き上げくわえ金66に
接近する。かご枠12が第二過速度に達すると(越える
と)、引き上げシュー65が引き上げくわえ金66に接
触し、摩擦により引き上げくわえ金66とガイドレール
18との間に引き上げシュー65が食い込む(図16
(b))。この際、調速機アーム14に取り付けられた
引き上げ棒21も上昇し、引き上げ棒21の下端に設け
られたフック67が引き上げピン42に掛合する(図1
6(b))。引き上げ棒21が長穴21aに達すると、
楔作用による強い引き上げ力により非常止めアーム40
を引き上げ、非常止め動作状態にし(図16(c))、
非常止めの楔作用により非常止め動作を完了する(図1
6(d))。尚、非常止め解除動作については、上記実
施の形態1で説明したフック55を用いた非常止め解除
動作と同様であり、その説明を省略する。
【0061】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、通常運転時にカム32にかかる力が少なくでき、ま
た非常止め動作の力も大きく、さらに非常止め解除動作
も簡単に行うことができる。即ち、上記実施の形態1と
比較すると、引き上げ力を引き上げばね51による付勢
力に頼っていたため、カム32にラッチアーム34から
の強い力が常に加わっていたが、この実施の形態2によ
れば、引き上げ力は引き上げ楔機構によるくさび作用で
行うため、カム32にはピックアップ16の磁気抗力を
回転方向の変位に変換するばね力しかかからず、カム3
2とラッチアーム34との摩擦が低減され、カムラッチ
機構の安定性も向上する。また、ピックアップ16の変
位により過速度を検出し、カムラッチ機構をトリガーと
して引き上げ楔機構を動作させているので、ピックアッ
プ16さえ正確であれば、正確な過速度検出を行うこと
ができ、機械精度が緩和できると共に、安定性も向上す
る。さらに、非常止め解除機構を引き下げばね64又は
フック67により構成したので、かごを上げるだけで簡
単且つ確実に非常止め解除動作を行うことができる。
【0062】実施の形態4.この実施の形態4では引き
上げ楔機構をピックアップ16上に設けることにより実
現している。図17はこの発明の実施の形態4によるエ
レベータの安全装置の構成及び動作説明を示す図であ
る。図17において、上記実施の形態1(図2、図6、
図12)及び実施の形態2(図15)と同一符号を付し
た部分は同一又は相当する部分であり、重複説明を省略
する。
【0063】上記実施の形態3においてラッチアーム3
4の端部に設けていた引き上げシュー65を設けていた
が、この実施の形態4ではピックアップ16の上に楔作
用により引き上げ力を引き出す引き上げシュー65を設
け、くわえ金基台(図示せず)によりかご枠12側に固
定された引き上げくわえ金66が引き上げシュー65上
方に配置している。また、ピックアップ16は引き上げ
棒21を介して非常止め機構と連結されている。さら
に、非常止めアーム40は引き下げばね64により、初
期状態の位置で引き下げ力を発生させている。
【0064】次に動作について説明する。非常止め動作
について説明する。先ず、かご枠12が通常運転速度に
ある場合は、調速機アーム14は水平状態にあるが(図
17(a))、かご枠12の下降速度が上がると、ピッ
クアップ16が上方向に変位し、ピックアップ16上に
設けられた引き上げシュー65が引き上げくわえ金66
に接近する(図17(b))。かご枠12が第二過速度
に達すると(越えると)、引き上げシュー65が引き上
げくわえ金66に接触し、摩擦により引き上げくわえ金
66とガイドレール18との間に引き上げシュー65が
食い込む(図17(c))。引き上げくわえ金66の引
き上げシュー65との当たり面は楔が広がる方向に、ほ
ぼ一定の例えばばね力が加わり、楔作用により強い引き
上げ力を一定の力に保つことができる。この時まで、引
き上げ棒21が長穴21aに達すると、楔作用による強
い引き上げ力により非常止めアーム40を引き上げ、非
常止め動作状態にし(図17(d))、非常止めの楔作
用により非常止め動作を完了する(図17(e))。
尚、非常止め解除動作については上記実施の形態3と同
様であるので、その説明を省略する。
【0065】図17に示したエレベータの安全装置は引
き下げばね64により非常止め解除動作を行っていた
が、これをフック部によりおこなうこともできる。図1
8及び図19はそのような図17におけるエレベータの
安全装置の非常止め解除機構をフック部により行う説明
図である。図18は非常止め動作、図19は非常止め解
除の動作を示すものである。尚、非常止め動作及び非常
止め解除動作については図17に示した非常止め動作及
び上記実施の形態3に示した非常止め解除動作と同様で
あるので、その説明を省略する。
【0066】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、ピックアップ16の上に引き上げ楔機構を設けたの
で、エレベータの安全装置全体として構成が簡単となる
と共に、引き上げ楔機構の楔作用により大きな引き上げ
力で非常止め機構を動作させることができ、またかごを
上げるだけで非常止め解除動作を簡単に行うことができ
る。
【0067】実施の形態5.図20はこの発明の実施の
形態5によるエレベータの安全装置の構成を示す図であ
り、47は非常止めくわえ金45を取り付ける非常止め
基台(非常止め機構)であり、この非常止め基台47は
ピックアップ16の上に設けられた非常止めシュー44
の上方に非常止めくわえ金45が配置されるように構成
されている。尚、上記実施の形態1(図1及び図2)及
び従来技術(図25)と同一符号を付してある部分は同
一又は相当する部分であり、その重複説明は省略する。
【0068】次に非常止め動作について説明する。かご
枠12の速度が第二過速度に達すると、ピックアップ1
6が上方に移動し、ピックアップ16の上に設けられた
非常止めシュー44も移動する。そして、非常止めシュ
ー44は、ピックアップ16の上方に非常止め基台47
を介して配置された非常止めくわえ金45とガイドレー
ル18の間に食い込み、大きな摩擦力が発生しエレベー
タの非常停止が行われる。
【0069】図21はピックアップ16の上下に非常止
め機構を設けたエレベータの安全装置の構成を示す図で
あり、図において、48は非常止めくわえ金(非常止め
機構)であり、この非常止めくわえ金48はピックアッ
プ16の上下に設けられた非常止めシュー44が食い込
むことができるように、ピックアップ16の上方及び下
方を覆うように構成されている。このようにピックアッ
プ16の上下方向に非常止め機構を設けることにより、
上下いずれの方向にもエレベータの非常停止が行えるよ
うになる。
【0070】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、非常止めシュー44をピックアップ16の上に設
け、非常止めくわえ金45を非常止め基台47を介して
ピックアップ16の上方に配置したので、引き下げ棒2
1、押さえ棒35、引き上げ楔機構などが不要となり、
ピックアップ16の変位で直接非常止め動作を行うこと
ができ、より小型で簡単な構成でエレベータの安全装置
を構成することができる。また、これら非常止め機構を
かご枠12の上に配置することにより、据えつけ調整が
行いやすく、検査・保守も容易になる。
【0071】実施の形態6.図22はこの発明の実施の
形態6によるエレベータの安全装置の構成を示す図であ
り、図において、70はピックアップ16と調速機アー
ム14の間、引き上げ棒21の途中、又は(及び)非常
止めアーム40に設けられた振動吸収部である。尚、図
22において上記実施の形態4(図17)と同一符号を
付してある部分は同一又は相当する部分であり、その重
複説明は省略する。
【0072】かご移動時の振動、かごへの人の乗り降
り、かご内での乗客の暴れなどにより、かごが上下振動
すると、かご速度も振動的に大きく変化し、非常止めが
誤動作する危険性がある。そこで、図22に示すよう
に、振動吸収部70を設けることにより、かごの振動を
吸収し、誤動作を起こす可能性を少なくすることができ
る。この振動吸収部70は、ばね、ゴム等の弾性体から
なり、また振動吸収部70の取付位置は図22に示す以
外の場所でもよく、調速機、非常止め動作機構又は非常
止め機構のいずれの場所に設けてもよい。
【0073】尚、振動吸収部70は、吸収したい振動周
波数(例えばエレベータ内で人が暴れたときのかごの周
波数が5Hzとすると、弾性体(振動吸収部70)を加
えた時の安全装置の弾性体による1次共振周波数が、こ
の吸収したい振動周波数5Hzである)よりも低く(例
えば2Hz程度になるように)設定すると、この1次共
振周波数よりも低い周波数まではばねは物理的に固い剛
性体として作用する。従って、かごの落下や制御不能に
より危険速度に達するような異常状態は振動的でない、
即ち低い周波数で変動するので、危険速度に達するよう
な状態では弾性体が剛体に近い特性となり、時間遅れな
く確実に非常停止をさせることができ、また、かご内の
暴れ等の振動的な入力に対しては周波数が高いので吸収
することができる。
【0074】実施の形態7.従来の技術(図24)で
は、磁気回路を構成するピックアップ16とのバランス
が取れるようにカウンターウエイトを設けていたが、こ
れだけでは、非常止め機構(引き上げ棒21、非常止め
アーム40、非常止めシュー44など)を取り付ける
と、一方向に力が偏り、渦電流の引き上げ力のバランス
が崩れてしまい、正確な過速度検出ができない可能性が
あった。また動作機構部全体(調速機、カムラッチ機
構、非常止め機構、非常止め解除機構など)としてはバ
ランスが取れていないため、かご枠12に加わる振動な
どの影響により調速機が変位し、非常止めが誤動作する
可能性があった。そこで、この実施の形態7では動作機
構部全体でバランスを取ることにより、安定した動作を
行うようにしている。
【0075】図23はこの発明の実施の形態7によるエ
レベータの安全装置の構成及び動作説明を示す図であ
り、図において、49は動作機構部全体でバランスを取
るために、非常止めアーム40の支持軸41の後ろに設
けられた補助ウエイトである。この補助ウエイト49は
初期状態(非常止め動作前の状態)で動作機構部全体の
バランスが取れるように調節する。例えば、図22のエ
レベータの安全装置において、バランスウエイト17と
釣り合うようにした主な構成部分は、ピックアップ1
6、調速機アーム14、引き上げ棒21、非常止めアー
ム40及び非常止めシュー44であり、これらのバラン
スが釣り合うように補助ウエイト49の重さを調節す
る。尚、図23において、上記実施の形態1(図2、図
6)と同一符号を付した部分は同一又は相当する部分で
あり、重複説明を省略する。
【0076】次に動作について説明する。先ず、かご枠
12が通常運転速度にある場合は調速機アーム14は水
平状態にあるが(図23(a))、かご枠12の下降速
度が上がると、ピックアップ16が上方向に変位し、非
常止めアーム40が引き上げられる。ここで、上述した
ように、補助ウエイト49で動作機構部全体のバランス
を調節しているので、かごが第二過速度に達すると正確
に動作することとなる。かご枠12が第二過速度に達す
ると(越えると)、非常止めシュー44が非常止めくわ
え金45に接触し、摩擦により非常止めくわえ金45と
ガイドレール18との間に非常止めシュー44が食い込
む(図23(b))。尚、非常止めくわえ金45の非常
止めシュー44との当たり面は楔が広がる方向に、ほぼ
一定の例えばばね力が加わり、楔作用により強い引き上
げ力を一定の力に保つことができる。そして、楔作用に
よる強い引き上げ力により非常止めアーム40を引き上
げ、非常止め動作状態にし、非常止めの楔作用により非
常止め動作を完了する。尚、非常止め解除動作について
は上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略
する。
【0077】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、非常止めアーム40の端部に補助ウエイト49を取
り付けたので、動作機構部全体としてバランスが取れる
ように調節することができ、かご枠12に加わる振動な
どの影響により調速機が変位や非常止めが誤動作するこ
とも少なくなる。
【0078】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、エレベータの昇降路に沿って配設固定された導体
のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上記ガイド
レールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動部を制動
させる非常止め機構と、上記移動部に取り付けられ、該
移動部の速度が危険速度に達した場合に変位し上記非常
止め機構を作動させる調速機と、該調速機の変位を非常
止め機構に伝える非常止め動作機構とを備えるように構
成したので、確実にエレベータのかご(移動部)を停止
することができる効果がある。
【0079】請求項2記載の発明によれば、エレベータ
の昇降路に沿って配設固定された導体のガイドレール
と、移動部に取り付けられ、上記ガイドレールを把持
し、摩擦力を発生させて上記移動部を制動させる非常止
め機構と、該非常止め機構を動作させる駆動部と、上記
移動部に取り付けられ、該移動部の速度が危険速度に達
した場合に、抑止していた上記駆動部の駆動力を解放さ
せるカムラッチ機構と、上記移動部に取り付けられ、該
移動部の速度が危険速度に達した場合に変位し上記カム
ラッチ機構を作動させる調速機とを備えるように構成し
たので、渦電流により発生する磁気抗力が弱く過速度を
検出した時の調速機の引き上げ力が弱くても、これをト
リガーとして非常止め動作を確実に動作させることがで
き(誤動作が少なくなる)、且つかご(移動体)を上げ
るだけで非常止め機構を簡単に初期状態に復帰させるこ
とができる効果がある。
【0080】請求項3記載の発明によれば、調速機は、
ガイドレールと共に磁気回路を構成する磁石及びバック
ヨークから成るピックアップと、一端側に該ピックアッ
プが取り付けられ他端側にバランスウエイトが取り付け
られ、上記ピックアップの変位を伝達する回動自在なア
ームと、該アームの支点に取付固定され、上記アームの
変位に応じて回転する主軸と、該主軸を支持する基台と
を備えるように構成したので、かご(移動体)の速度を
直接検出することができ、速度の検出精度が向上し、こ
の検出速度に応じて非常止め動作を開始するので、非常
止め動作を確実に動作させることができる効果がある。
【0081】請求項4記載の発明によれば、カムラッチ
機構は、移動部の速度に応じて回動する調速機の主軸に
取り付けられたカムと、ラッチピンを介して該ラッチピ
ンを支点に回動自在に上記調速機に取り付けられ、一端
が上記カムと接触し他端が駆動部と連結されたラッチア
ームとを備え、上記移動部の速度が危険速度に達した場
合に上記カムの回動により、抑止していた上記駆動部の
駆動力を解放するように構成したので、非常止め機構を
駆動力を保持することができ、渦電流により発生する磁
気抗力が弱く調速機の引き上げ力が弱くても、これをト
リガーとして非常止め動作を確実に動作させることがで
きる効果がある。
【0082】請求項5記載の発明によれば、駆動部は、
一端がカムラッチ機構と連結し、他端が非常止め機構と
連結した引き上げ棒と、移動部の速度が危険速度に達し
た場合に上記引き上げ棒を上昇させるばね部とを備える
ように構成したので、非常止め機構に強い駆動力を働か
すことができ、非常止め動作を確実に行うことができる
効果がある。
【0083】請求項6記載の発明によれば、エレベータ
の昇降路に沿って配設固定された導体のガイドレール
と、移動部に取り付けられ、上記ガイドレールを把持
し、摩擦力を発生させて上記移動部を制動させる非常止
め機構と、上記ガイドレールと楔嵌合可能に構成され、
上記非常止め機構の駆動力を発生させる引き上げ楔機構
と、上記移動部に取り付けられ、該移動部の速度が危険
速度に達した場合に、上記引き上げ楔機構と連動し、該
引き上げ楔機構を作動させるカムラッチ機構と、上記移
動部に取り付けられ、該移動部の速度が危険速度に達し
た場合に変位し上記カムラッチ機構を作動させる調速機
と、上記カムラッチ機構と上記非常止め機構を連結し、
上記引き上げ楔機構が発生した駆動力を上記非常止め機
構に伝えるリンク部とを備えるように構成したので、通
常運転時にカムにかかる力が少なくでき、また非常止め
動作の力も大きく、さらに非常止め解除動作も簡単に行
うことができる効果がある。
【0084】請求項7記載の発明によれば、エレベータ
の昇降路に沿って配設固定された導体のガイドレール
と、移動部に取り付けられ、上記ガイドレールを把持
し、摩擦力を発生させて上記移動部を制動させる非常止
め機構と、上記移動部の速度が危険速度に達した場合に
変位する調速機と、該調速機上に設けられ、上記ガイド
レールと楔嵌合可能に構成され、上記非常止め機構の駆
動力を発生させる引き上げ楔機構と、上記調速機と上記
非常止め機構を連結し、上記引き上げ楔機構が発生した
駆動力を上記非常止め機構に伝えるリンク部とを備える
ように構成したので、非常止め動作の力も大きく、非常
止め解除動作も簡単に行うことができ、且つカムラッチ
機構がないので構成も簡単になる効果がある。
【0085】請求項8記載の発明によれば、調速機の変
位により可動する調速機、非常止め動作機構、非常止め
機構のいずれかに補助ウエイトを設けるように構成した
ので、動作機構部全体のバランスを保つことができ、調
速機の速度検出の精度も向上する効果がある。
【0086】請求項9記載の発明によれば、補助ウエイ
トを非常止めアームに設けるように構成したので、容易
に動作機構部全体のバランスを保つことができる効果が
ある。
【0087】請求項10記載の発明によれば、調速機の
変位により可動する調速機、非常止め動作機構、非常止
め機構のいずれかに解除アームを設けるように構成した
ので、非常止め解除動作を手動で行うことができ、従っ
て、非常止め解除機構を設けない簡単な構成にすること
ができる効果がある。
【0088】請求項11記載の発明によれば、エレベー
タの昇降路に解除アームと係合する解除カムを設けるよ
うに構成したので、エレベータを昇降させるだけで自動
的に非常止め解除動作を行うことができる効果がある。
【0089】請求項12記載の発明によれば、一端がカ
ムラッチ機構と連結し、他端が非常止め機構と連結した
押さえ棒と、該押さえ棒が上方移動すると駆動部を掛合
拘束し、上記押さえ棒が下方移動すると上記駆動部の掛
合拘束を解除するフック部とから構成された非常止め解
除機構を備えるように構成したので、かご(移動体)を
上に持ち上げただけで非常止め機構を簡単に初期状態に
復帰させることができる効果がある。
【0090】請求項13記載の発明によれば、フック部
は、押さえ棒に取り付けられたフックと、調速機に取り
付けられ、上記押さえ棒が下方移動すると引き上げ棒を
解除するフック解除ピンとを設けるように構成したの
で、簡単な構成で非常止め解除動作を行うことができる
効果がある。
【0091】請求項14記載の発明によれば、非常止め
機構は、移動部に回動自在に取り付けられた非常止めア
ームと、該非常止めアームの端部に取り付けられた非常
止めシューと、該非常止めシュー及びガイドレールと楔
嵌合可能に構成された非常止めくわえ金とを備え、駆動
部は、一端がカムラッチ機構と連結し、他端が上記非常
止めアームの回動軸近傍に長穴を介して摺動自在に連結
した引き上げ棒と、上記移動部の速度が危険速度に達し
た場合に上記引き上げ棒を上昇させるばね部とを備え、
非常止め解除機構は、一端が上記カムラッチ機構と長穴
を介して摺動自在に連結し、他端が上記非常止めアーム
の端部に連結した押さえ棒と、該押さえ棒に取り付けら
れ、該押さえ棒が上方移動すると上記引き上げ棒を掛合
拘束し、上記押さえ棒が下方移動すると上記引き上げ棒
の掛合拘束を解除するフック部とを備え、非常止め動作
時には、上記非常止めアームの回動内外変位差により上
記押さえ棒が上記引き上げ棒より長穴分上昇移動して、
上記フック部が上記引き上げ棒を掛合拘束し、非常止め
解除動作時には、上記移動体が上方に持ち上げられる
と、上記非常止めくわえ金が上記ガイドレールと楔嵌合
しているため上記非常止めアームが下方に下げられ、該
非常止めアームと連結した上記押さえ棒が下方移動し、
上記フック部により掛合拘束された上記引き上げ棒が上
記押さえ棒と同変位量で下方移動して、上記駆動部が初
期状態に戻った位置で掛合拘束を解除するように構成し
たので、非常止めシューとガイドレールとの摩擦力が保
たれる短い距離で非常止め機構を初期位置に復帰させる
ことができる効果がある。
【0092】請求項15記載の発明によれば、調速機、
非常止め動作機構又は非常止め機構のいずれかに振動を
吸収する振動吸収部を設けるように構成したので、乗客
の乗り降り時やかご(移動体)内の乗客の暴れにより、
一時的にかごが大きく振動しかご速度が変動しても、こ
の振動を吸収し非常止め機構の誤動作を防止することが
できる効果がある。
【0093】請求項16記載の発明によれば、エレベー
タの昇降路に沿って配設固定された導体のガイドレール
と、移動部の速度が危険速度に達した場合に変位する調
速機と、上記調速機上に設けられ、該調速機の変位と直
接連動し、上記ガイドレールを把持し、摩擦力を発生さ
せて移動部を制動させる非常止め機構とを備えるように
構成したので、引き上げ棒、押さえ棒、引き上げ楔機構
などが不要となり、ピックアップの変位で直接非常止め
動作を行うことができ、より小型で簡単な構成でエレベ
ータの安全装置を構成することができる効果がある。ま
た、これら非常止め機構をかご(かご枠)の上に配置す
ることにより、据えつけ調整が行いやすく、検査・保守
も容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエレベータの
安全装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】 調速機(及び非常止め解除機構の一部)の構
成を示した斜視図(図1の円Aで囲んだ部分の拡大図)
である。
【図3】 ラッチアームとカムとの接触部分の摩擦を軽
減するベアリングローラーやボール機構などの摩擦軽減
機構を示した図である。
【図4】 調速機のピックアップ部の詳細を説明する構
成図である。
【図5】 フック部の詳細を示す拡大構成図である。
【図6】 非常止め機構(及び非常止め解除機構の一
部)の構成を示した斜視図(図1の円Bで囲んだ部分の
拡大図)である。
【図7】 ばね部の構成を示した斜視図である。
【図8】 図7のばね部とは異なる構成のばね部の説明
図である。
【図9】 カムラッチ機構の動作説明をするための図で
ある。
【図10】 フック係合動作の説明図である。
【図11】 フック解除動作の説明図である。
【図12】 この発明の実施の形態2によるエレベータ
の安全装置の構成を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態2によるエレベータ
の安全装置の非常止め解除動作を説明するための図であ
る。
【図14】 図13に示した非常止め解除動作とは異な
る非常止め解除動作を示す説明図である。
【図15】 この発明の実施の形態3によるエレベータ
の安全装置の構成及び動作説明を示す図である。
【図16】 図15とは非常止め解除機構が異なるエレ
ベータの安全装置の構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態4によるエレベータ
の安全装置の構成及び動作説明を示す図である。
【図18】 図17におけるエレベータの安全装置の非
常止め解除機構をフック部により行う説明図である。
【図19】 図17におけるエレベータの安全装置の非
常止め解除機構をフック部により行う説明図である。
【図20】 この発明の実施の形態5によるエレベータ
の安全装置の非常止め動作を示す図である。
【図21】 ピックアップの上下に非常止め機構を設け
たエレベータの安全装置の構成を示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態6によるエレベータ
の安全装置の構成を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態7によるエレベータ
の安全装置の構成及び動作説明を示す図である。
【図24】 従来のエレベータの安全装置である調速機
の正面図および平面図である。
【図25】 従来のエレベータの安全装置である調速機
の動作後の正面図である。
【図26】 かごの速度Vと発生した磁気抗力F1との
関係を示す図である。
【図27】 ピックアップ変位(バランスウエイト変
位)Zとばね力F2との関係を示す図である。
【図28】 かご枠の速度Vとピックアップ変位(バラ
ンスウエイト変位)Zとの関係を示す図である。
【符号の説明】
12 かご枠(移動部)、13 基台(調速機)、14
調速機アーム(アーム、調速機)、16 ピックアッ
プ(調速機)、16a 磁石(ピックアップ、調速
機)、16b,16c バックヨーク(ピックアップ、
調速機)、17 バランスウエイト(調速機)、18
ガイドレール、21 引き上げ棒(駆動部、リンク部、
非常止め動作機構)、21a 長穴(引き上げ棒)、3
0 主軸(調速機)、32 カム(カムラッチ機構、非
常止め動作機構)、34,37 ラッチアーム(カムラ
ッチ機構、非常止め動作機構)、35 押さえ棒(非常
止め解除機構)、35a 長穴(押さえ棒)、36 ラ
ッチピン(カムラッチ機構、非常止め動作機構)、40
非常止めアーム(非常止め機構)、41 支持軸(回
動軸、非常止め機構)、44 非常止めシュー(非常止
め機構)、45,48非常止めくわえ金(非常止め機
構)、47 非常止め基台(非常止め機構)、49 補
助ウエイト、51 ばね(ばね部、駆動部、非常止め動
作機構)、52ばねベース(ばね部、駆動部、非常止め
動作機構)、53 ばね押さえ板(ばね部、駆動部、非
常止め動作機構)、54 アーム回転ばね(ばね部、駆
動部、非常止め動作機構)、55,67 フック(フッ
ク部、非常止め解除機構)、57フック解除ピン(フッ
ク部、非常止め解除機構)、59 引き上げばね(ばね
部、駆動部、非常止め動作機構)、60 解除アーム
(非常止め解除機構)、61 解除カム(非常止め解除
機構)、64 引き下げばね(非常止め解除機構)、6
5 引き上げシュー(引き上げ楔機構)、66 引き上
げくわえ金(引き上げ楔機構)、70 振動吸収部。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータの昇降路に沿って配設固定さ
    れた導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上
    記ガイドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動
    部を制動させる非常止め機構と、上記移動部に取り付け
    られ、該移動部の速度が危険速度に達した場合に変位し
    上記非常止め機構を作動させる調速機と、該調速機の変
    位を非常止め機構に伝える非常止め動作機構とを備えた
    エレベータの安全装置。
  2. 【請求項2】 エレベータの昇降路に沿って配設固定さ
    れた導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上
    記ガイドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動
    部を制動させる非常止め機構と、該非常止め機構を動作
    させる駆動部と、上記移動部に取り付けられ、該移動部
    の速度が危険速度に達した場合に、抑止していた上記駆
    動部の駆動力を解放させるカムラッチ機構と、上記移動
    部に取り付けられ、該移動部の速度が危険速度に達した
    場合に変位し上記カムラッチ機構を作動させる調速機と
    を備えたエレベータの安全装置。
  3. 【請求項3】 調速機は、ガイドレールと共に磁気回路
    を構成する磁石及びバックヨークから成るピックアップ
    と、一端側に該ピックアップが取り付けられ、他端側に
    バランスウエイトが取り付けられ、上記ピックアップの
    変位を伝達する回動自在なアームと、該アームの支点に
    取付固定され、上記アームの変位に応じて回転する主軸
    と、該主軸を支持する基台とを備えたことを特徴とする
    請求項2記載のエレベータの安全装置。
  4. 【請求項4】 カムラッチ機構は、移動部の速度に応じ
    て回動する調速機の主軸に取り付けられたカムと、ラッ
    チピンを介して該ラッチピンを支点に回動自在に上記調
    速機に取り付けられ、一端が上記カムと接触し他端が駆
    動部と連結されたラッチアームとを備え、上記移動部の
    速度が危険速度に達した場合に上記カムの回動により、
    抑止していた上記駆動部の駆動力を解放することを特徴
    とする請求項2記載のエレベータの安全装置。
  5. 【請求項5】 駆動部は、一端がカムラッチ機構と連結
    し、他端が非常止め機構と連結した引き上げ棒と、移動
    部の速度が危険速度に達した場合に上記引き上げ棒を上
    昇させるばね部とを備えたことを特徴とする請求項2記
    載のエレベータの安全装置。
  6. 【請求項6】 エレベータの昇降路に沿って配設固定さ
    れた導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上
    記ガイドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動
    部を制動させる非常止め機構と、上記ガイドレールと楔
    嵌合可能に構成され、上記非常止め機構の駆動力を発生
    させる引き上げ楔機構と、上記移動部に取り付けられ、
    該移動部の速度が危険速度に達した場合に、上記引き上
    げ楔機構と連動し、該引き上げ楔機構を作動させるカム
    ラッチ機構と、上記移動部に取り付けられ、該移動部の
    速度が危険速度に達した場合に変位し上記カムラッチ機
    構を作動させる調速機と、上記カムラッチ機構と上記非
    常止め機構を連結し、上記引き上げ楔機構が発生した駆
    動力を上記非常止め機構に伝えるリンク部とを備えたエ
    レベータの安全装置。
  7. 【請求項7】 エレベータの昇降路に沿って配設固定さ
    れた導体のガイドレールと、移動部に取り付けられ、上
    記ガイドレールを把持し、摩擦力を発生させて上記移動
    部を制動させる非常止め機構と、上記移動部の速度が危
    険速度に達した場合に変位する調速機と、該調速機上に
    設けられ、上記ガイドレールと楔嵌合可能に構成され、
    上記非常止め機構の駆動力を発生させる引き上げ楔機構
    と、上記調速機と上記非常止め機構を連結し、上記引き
    上げ楔機構が発生した駆動力を上記非常止め機構に伝え
    るリンク部とを備えたエレベータの安全装置。
  8. 【請求項8】 調速機の変位により可動する調速機、非
    常止め動作機構、非常止め機構のいずれかに補助ウエイ
    トを設けたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ
    の安全装置。
  9. 【請求項9】 補助ウエイトを非常止めアームに設けた
    ことを特徴とする請求項8記載のエレベータの安全装
    置。
  10. 【請求項10】 調速機の変位により可動する調速機、
    非常止め動作機構、非常止め機構のいずれかに解除アー
    ムを設けたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ
    の安全装置。
  11. 【請求項11】 エレベータの昇降路に解除アームと係
    合する解除カムを設けたことを特徴とする請求項10記
    載のエレベータの安全装置。
  12. 【請求項12】 一端がカムラッチ機構と連結し、他端
    が非常止め機構と連結した押さえ棒と、該押さえ棒が上
    方移動すると駆動部を掛合拘束し、上記押さえ棒が下方
    移動すると上記駆動部の掛合拘束を解除するフック部と
    から構成された非常止め解除機構を備えたことを特徴と
    する請求項2記載のエレベータの安全装置。
  13. 【請求項13】 フック部は、押さえ棒に取り付けられ
    たフックと、調速機に取り付けられ、上記押さえ棒が下
    方移動すると引き上げ棒を解除するフック解除ピンとを
    設けたことを特徴とする請求項12記載のエレベータの
    安全装置。
  14. 【請求項14】 非常止め機構は、移動部に回動自在に
    取り付けられた非常止めアームと、該非常止めアームの
    端部に取り付けられた非常止めシューと、該非常止めシ
    ュー及びガイドレールと楔嵌合可能に構成された非常止
    めくわえ金とを備え、 駆動部は、一端がカムラッチ機構と連結し、他端が上記
    非常止めアームの回動軸近傍に長穴を介して摺動自在に
    連結した引き上げ棒と、上記移動部の速度が危険速度に
    達した場合に上記引き上げ棒を上昇させるばね部とを備
    え、 非常止め解除機構は、一端が上記カムラッチ機構と長穴
    を介して摺動自在に連結し、他端が上記非常止めアーム
    の端部に連結した押さえ棒と、該押さえ棒に取り付けら
    れ、該押さえ棒が上方移動すると上記引き上げ棒を掛合
    拘束し、上記押さえ棒が下方移動すると上記引き上げ棒
    の掛合拘束を解除するフック部とを備え、 非常止め動作時には、上記非常止めアームの回動内外変
    位差により上記押さえ棒が上記引き上げ棒より長穴分上
    昇移動して、上記フック部が上記引き上げ棒を掛合拘束
    し、非常止め解除動作時には、上記移動体が上方に持ち
    上げられると、上記非常止めくわえ金が上記ガイドレー
    ルと楔嵌合しているため上記非常止めアームが下方に下
    げられ、該非常止めアームと連結した上記押さえ棒が下
    方移動し、上記フック部により掛合拘束された上記引き
    上げ棒が上記押さえ棒と同変位量で下方移動して、上記
    駆動部が初期状態に戻った位置で掛合拘束を解除するこ
    とを特徴とする請求項12記載のエレベータの安全装
    置。
  15. 【請求項15】 調速機、非常止め動作機構又は非常止
    め機構のいずれかに振動を吸収する振動吸収部を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの安全装
    置。
  16. 【請求項16】 エレベータの昇降路に沿って配設固定
    された導体のガイドレールと、移動部の速度が危険速度
    に達した場合に変位する調速機と、上記調速機上に設け
    られ、該調速機の変位と直接連動し、上記ガイドレール
    を把持し、摩擦力を発生させて移動部を制動させる非常
    止め機構とを備えたエレベータの安全装置。
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