JPH0932447A - 掘削工具および方法 - Google Patents

掘削工具および方法

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JPH0932447A
JPH0932447A JP22867095A JP22867095A JPH0932447A JP H0932447 A JPH0932447 A JP H0932447A JP 22867095 A JP22867095 A JP 22867095A JP 22867095 A JP22867095 A JP 22867095A JP H0932447 A JPH0932447 A JP H0932447A
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roller
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drilling tool
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 振動、騒音がなく、特別な附属装置や専
門のオペレーターを要せずに、十分に太く長いコンクリ
ート基礎杭を経済的に打立てることができる掘削工具と
方法を提供すること。 【解決手段】 自身の縦軸に沿って前進しかつ回転する
ことが可能なロッド(11)の下端にローラー(12)
を取付け、該ローラーは、該ロッドの軸(x)に対して
ある角度をもって傾斜している軸(y)を中心に回転自
在であり、かつローラー下部に土を掻き崩す先端部(1
5)を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地面の掘削工事、
とくに、基礎杭を打立てるための掘削工事の分野に属す
る。さらに詳細には、本発明は、地面を掘削し、つい
で、土砂を取り除くことを要せずに、掘削した穴の中に
コンクリートを充填できる工具及びその方法の分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】今日、建築現場において、地中に基礎杭
を打ち立てる工事は、おもにつぎの3つの工法によって
行われている。 (a)鋼管打込掘削法 (b)大形ドリル掘削法 (c)オーガ掘削法
【0003】(a)の鋼管打込掘削法は、鋼管を地中に
打込むことによって掘削をおこなう方法である。すなわ
ち鋼管の底部を一時的に塞いでおき、これに打撃や振動
を与えて地中に打込んでゆく。管を打込む操作によっ
て、周囲の土は緊密な状態になるので、土の力学的特
性、とりわけ保持強度が改善されることになる。つぎに
管内に補強材を挿入し、さらにコンクリートを注入す
る。このあと、コンクリートと土が十分に密着するよう
引き続き打撃や振動で揺すりながら、管を土中から引き
抜く。
【0004】(b)の大形ドリル掘削法は、回転する大
形の掘削刃をつかい、土を部分的に掬い取る方式であ
る。工事中、掘削刃は、穴から引き抜いては地表で土を
捨て、また穴へ戻すという操作を、何べんも繰り返す。
穴の周囲の土は緩んで崩れやすくなるので、掘った個所
を一時的に枠で囲ったり、あるいは、水や、特殊な不浸
透スラリーを入れて、その浮力を利用して掘った個所を
支えるなどの手段を取らなければならない。しかし、ス
ラリーを用いる方法にくらべて簡単であるという理由か
ら、それが可能でさえあれば、乾式の手段が通常は採用
される。このあと補強材を管内に挿入し、さらにホース
を使って、コンクリートを、スラリーとの混入を避ける
ため穴の最下部から注入する。
【0005】最後に(c)のオーガ掘削法は、掘削しよ
うとする穴と同じ程度の長さの螺旋状の掘削刃(オー
ガ)を地中にねじ込んで、土を堀り進みながら、掘った
土の一部を地上に掻き出す方法である。この手法では、
土が緊密になる場合もあるし、緩む場合もあり、一概に
言えない。しかし、刃の周囲の土の崩れは、刃の内側に
入り込む土によって概ね支えられる。一方、コンクリー
トは、この掘削刃の軸部をくり抜いて設けられる通路を
経由して供給されるのが普通であり、刃を穴から抜き出
すときに、同時に穴内へ送り込まれる。さらに補強材
も、同様にして逐次送り込まれる。
【0006】しかし、以上の3つの方法には、それぞれ
欠点がある。すなわち、まず(a)の方法は、非常に大
きな騒音と振動を発生させるので、市街地での使用に適
さない。また経済的な理由から、くいの直径は1メート
ル以内、長さは25メートル以内に限定される。しかし
この方法は、作業が非常に短時間ですむ上、機械装置も
それほど複雑でないため、工事費がわりあい安い。
【0007】つぎに(c)の方法は、性能的には(a)
の方法と類似であるが、騒音がかなり小さく、振動もな
い。しかし補強材の長さは、コンクリート内にこれを深
く沈め挿入することが難しいため、16〜18メートル
が限度とされる。
【0008】また(b)の方法は、(a)や(c)の方
法では不可能な、テレスコープ方式の掘削ロッドを用い
ることにより、太さが2メートル以上、長さが80メー
トルに及ぶ杭を打ち立てることができる。しかし反面、
特別な機械装置と専門のオペレーターが必要である上、
最後にベントナイト・スラリーを使用しなければならな
い不便さがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来技術にお
ける上記欠点の多くを解消し、確実、簡便、かつ低コス
トの掘削工具とその方法を提供することが課題とされ
る。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明の一つの目的は、
垂直あるいは傾斜した穴を掘削すると同時に、周囲の土
を押し固め、かつ土壁とコンクリート等注入材とを良好
に密着させ、しかも上記の既存の方法(a)や(c)の
欠点とされる、掘削穴の径や深さに限界が付される問題
を解消することにある。本発明の別の一つの目的は、環
境への騒音と振動を防止することにある。本発明の更に
別の一つの目的は、少ない作業員と簡素な機械装置類の
使用を可能とすることにより、基礎杭打工事の費用と時
間を削減することにある。本発明の別の一つの目的は、
効率を高めた装置類を使用することにより、動力消費量
を削減することにある。
【0011】請求の範囲にかかげた本発明の一つの形態
に従えば、以上の諸目的は、自身の縦軸を中心に回転し
且つ該縦軸に沿って前進することが可能なロッドストリ
ングの下端に取付けられるように作られた、とくにコン
クリートの基礎杭打工事に使用するための掘削工具であ
って、該ロッドストリングに回転自由に取付けられ上記
縦軸に対してある角度をもって傾斜している軸を中心に
回転可能でありしかも該ローラーの2つの端が互いに前
記縦軸の両側に分かれて位置している少なくとも1個の
ローラーを有する掘削工具、を提供することにより達成
される。
【0012】本発明の別の一つの形態においては、前記
の掘削工具を用いておこなう、コンクリートの基礎杭を
打立てる工事方法が提供される。この工事方法は、穴の
底部の土をカッティング手段により切り崩し、ほぼ円筒
状に掘削穴を形成してゆくものであり、これに更につぎ
の2つの工程が含まれることを特徴とする。 i)掘削穴の土壁に掘削工具の側面を押し当ててローリ
ングすることにより、掘削穴の側壁を拡大する ii)掘削した穴の、掘削工具より上方の部分に、少量の
結合剤(バインダー)を継続的に注入しながら、穴の側
壁を掘削工具の腹で圧迫し、穴の壁に固い被膜を築く
【0013】本発明の更に別の形態においては、穴を掘
り進むあいだ、コンクリートを連続して穴内に投入し、
穴がつねにコンクリートで満たされている状態をつく
り、これにより工事中の穴の側壁の崩れを防ぐ。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態を、添
付の図面により詳しく説明する。図1において、符号1
0は、本発明による掘削工具を全体的に示す。掘削工具
10は、軸がほぼ垂直方向に向いている掘削用ロッド1
1の下端にしっかりと固定される。地上には、掘削工具
10の回転/前進の動きに合わせてロッドストリング
(図示せず)を駆動するための、駆動装置が設置されて
いる。ロッド11は、この駆動装置に結合されたロッド
ストリングのいちばん下の部分にあたる。これらの駆動
用機器やロッドストリングなどは、従来技術として公知
のものであるから、ここでは詳細な説明を省く。
【0015】掘削工具10は、中央の円筒状の軸13に
回転自在に取付けられたスピンドル形のローラー12を
有し、このローラーの幾何学軸yは、ロッド11の長手
方向の軸xに対し適切な角度で傾斜している。軸13
の、軸xに対する傾斜は、ロッド11の下端を軸13に
結合しているクランク部材14によって得られている。
ローラー12は樽形をしていて、中央12cの部分が太
く、上部12aと下部12bで細くすぼんでいる。ロー
ラー12の最下部は、円錐形の先端部15をなしてい
る。
【0016】すでに述べたように、ローラー12は軸x
と斜めに交差している。したがって、ロッド11が回る
とローラー12は自身の軸yを軸にして回転し、掘削穴
の側壁に接触しながら転がる。そしてこのときローラー
の軸yは、いわゆる「章動」と呼ばれる運動が起きるこ
とにより、頂点を互いに突合わせた2つの円錐の表面を
なぞるように動くことになる。
【0017】ローラー12の回転にともない先端部15
が土を掻き崩してゆき、その間、ローラーの樽形の表面
が穴の壁17に接触しながら転がる。したがって、掘削
穴はローラー12の腹によって進行的に広げられる。す
なわち、掘削ローラー12が下降するとき、まずその下
部12bの描く円によって掘削穴が広げられ、ついでよ
り太い中央部12cが土壁に当たることにより穴が更に
広げられる。そして、これらの結果として、穴の周囲の
土が固められてゆく。
【0018】クランク部材14は、その端部14a,1
4bがそれぞれ軸xと軸yの方向を向いている特殊形状
を有するが、これはつぎの2つのことを実現するためで
ある。 − ローラー12の回転軸yを所望の角度だけ傾斜させ
る − 軸13とローラー12のそれぞれの上部を軸xから
離し、ローラー12の両端部を互いに軸xの反対側に位
置させる 上記のように、ローラー12の両端部を互いに軸xの反
対側に位置させるのは、ローラーがたとえ1個であって
も、回転するローラーの動きとそれに対する土の反作用
が、それぞれ理想のバランスを獲得するからである。以
上で明らかなとおり、この掘削工具10はきわめて簡素
な構造である。
【0019】つぎに、別の実施形態である図2について
説明する。この実施形態では、クランク部材14’から
離隔して、ほぼ円筒形の第2のローラー16が、該クラ
ンク部材に回転自在に取り付けられている。図に示され
ているように、この離隔した第2ローラー16の軸z
は、掘削軸xにほぼ平行である。第2ローラー16の目
的は、掘削穴の壁17を更に押し固めて、穴の自己保持
力を一層高めることにある。図2により、この掘削工具
の、土に対する作用効果が理解されるであろう。すなわ
ち、ローラー12が回転し下降すると、先端部15が掘
削穴の底に円形溝18を穿ち、ついでこの円形溝18が
ローラー12の中央部と上部によって広げられ、そのあ
と第2ローラー16が作用して、掘削穴の径が最終的に
定まる。
【0020】図示されていないが、本発明のもう一つの
実施形態では、掘削ローラーの上部に第2ローラーを複
数個設置する。これらのローラーは、バランスを取るた
めに、掘削軸のまわりに互いに角度をずらして取付ける
のが好ましい。
【0021】つぎに図3は、ローラーに更に、掘削フィ
ン19、突起20など各種の附属手段を備え付けたもの
を示す。これらの装備は、穴の側壁へのコンクリートの
付着性を改善するとともに、穴底の土の掘削を能率的に
するためのものである。
【0022】図4および図5に示すのは、本発明の第4
の実施形態である。この実施形態では、円錐形の先端部
15が軸13と一体になっていて、ローラー12がこの
軸13を軸にして自由に回転する。ローラー12は、円
筒軸13に沿って、長さ方向にスライドできる構造にな
っている。ローラー12は中空のシェルであって、この
シェルの上部と下部にそれぞれ開口28と29があり、
両者はシェルの内腔を経由して互いに通じている。シェ
ル21は、中央のブッシング31に、結合部材30でし
っかり固定されている。ブッシング31は軸13に回転
自由に結合されており、そしてこの軸上の、上部停止機
構32と下部停止機構33の間を、随意にスライドでき
る。下部停止機構33は、円錐形の先端部15の上面で
与えられる。
【0023】シェル内には結合部材30によって複数の
通路が形成され、流動物は上部開口28からシェルに入
り、これら複数の通路をへてシェルを通過し、下部開口
29から外へ出る。結合部材30の構造は、単に概念的
に示したものである。結合部材30の合計断面積が、シ
ェル21全体の断面積に占める割合は小さい。
【0024】シェル21は軸x上をスライドすることが
できるから、掘削のために工具を押し下げたときは、シ
ェル21は図4の状態となり、ローラーは上方停止機構
32に突当たるところまで持ち上げられ、そしてこの状
態において、先端部15の上面により下部開口29が閉
塞される。
【0025】一方、掘削工具を引抜くときは、図5に示
すように先端部15はシェル内へ後退し、下部開口29
が開き、その結果、コンクリートなどの物質が、工具よ
り上の領域から工具より下の領域へと流動することがで
きる。
【0026】図6および図7に示すのは、本発明の別の
実施形態である。この実施形態では、先端部15がロー
ラー12と一体に構成されていて、ローラー12内に1
本または複数本の通路23が縦方向に穿たれている。各
通路の下端は、開口24によって外部に通じている。掘
削中は、これらの開口24は、先端部15の外側を覆う
円錐形キャップ22により閉塞される。掘削工具を引抜
くときは、図7に示すようにキャップ22が穴底に取り
残され、これによりコンクリートなどの流動物が通路2
3を通って工具より上の領域から工具より下の領域へと
流動する。
【0027】本発明のさらに別の実施形態を図8に示
す。この実施形態においては、通路23の下方の開口2
4に、それぞれカバー25が付いている。そしてカバー
25の上端は、ローラー12の本体に蝶着されている。
掘削時には、図8左半分の断面図のとおり、カバー25
が通路23を閉塞する。掘削工具を引抜くときは、図8
の右半分の図に示されているように、カバー25が、そ
の上端のヒンジ27を軸に回動して開き、これにより材
料が穴内へ流動することが可能となる。
【0028】図4〜8に示す実施形態においても、工具
に通路が穿たれているために、掘削工具を穴から抜出す
操作が容易であることは明白であろう。
【0029】以上において、本発明にもとづく掘削工具
の概要を述べたが、これら工具はいくつかの望ましい方
式で使用することが可能なので、以下、それら方式につ
いて二三の例を説明する。
【0030】まず第1の方式は「ドライ・ボーリング
法」と呼ばれるものであり、工具10は、回転しなが
ら、土に対して直角に駆動される。工具は穴の底を穿つ
とともに、その周辺の土壁を転がり、そして工具が掘り
進んだあとに、円筒状の穴が形成されてゆく。土は押固
められて崩れにくくなるため、このドライ・ボーリング
法は、多くの土質に対し、有効かつ低コストの手法であ
るとされている。この方法では、補強材を掘削穴に差込
んで降ろしてゆくことが可能であり、またコンクリート
打ちは、まえに(b)大形ドリル掘削法の説明のところ
で述べたような仕方で実施することができる。
【0031】上記に代わる第2の方式として、「コーテ
ッド・ボーリング法」と呼ばれるものがある。これは、
少量の結合剤を継続的に投入してゆき、そしてローラー
によってそれを土壁に次々と押圧し、固着させる方式で
ある。穴の壁面には、したがって、コンクリートの被膜
が張られることになる。この際コンクリートに凝固促進
剤を混ぜたものを使用すれば、コンクリートを早急に固
まらせることができ、ドライ・ボーリング法の実用性が
それによって更に拡大する。
【0032】つぎに第3の方式として、とくに不安定な
土質に対して理想的とされる、「コンクリート・ボーリ
ング法」がある。これは、掘削が進められる間、掘削穴
にコンクリートを継続的に注入し、穴をつねにコンクリ
ートで満たしておく方法である。コンクリートの液圧が
かかるために、土壁の崩れが抑えられ、またその間に、
ローリングによりコンクリートの一部は土壁と結合す
る。補強材は、(c)オーガー掘削法の場合とおなじ
く、工具を引抜くときに穴内に差し込まれる。
【0033】従来から使用されている機械にくらべ、本
発明によるローラー式の掘削工具は、つぎに述べる長所
を有している。 イ)工具がスライドする方式のものに比較して、工具と
土の間の摩擦がいちじるしく減少し、したがって動力消
費量が削減され、効率が改善される ロ)ローラーが転がる方式であるため、穴の側壁が削り
落とされる度合いがすくない ハ)工具と土の相互の接触面積が小さいため、土を押圧
する単位面積あたりの力(圧力)が大きい
【0034】以上のことから、本発明の工具を使用する
場合には土の力学的特性は改善され、ドリル方式の工具
を使用するときのような、土質の軟化は生じない。前記
(a)鋼管打込掘削法を使用するときと同様に、土質は
緊密になる。しかも、鋼管打込掘削法では鋼管を打込む
ときの衝撃音が大きいが、本発明の工具を使用する場合
には振動と騒音が大幅に低下する。
【0035】(b)の大形ドリル掘削法にくらべると、
本発明の方法は遊び時間(地上への引上げ、投棄、穴底
への引降ろしに要する時間)を無くすることができるた
め、経済的に有利である。大形ドリル掘削法を使うこと
が可能な凝集性の土質の場合、上記の遊び時間は、作業
時間全体の50%をこえているのが現状である。
【0036】また副次的ではあるが、本発明の掘削工具
を使った場合は、現場が泥で汚れるという問題がなく、
清掃費用が削減される点も有利である。
【0037】つぎに(a)鋼管打込掘削法並びに(b)
オーガー掘削法との比較について言えば、この両方法と
も掘削できる深さは通常20〜30メートルを限度とす
るが、本発明ではテレスコープ方式の掘削ロッドを使う
ため、もし土質がそれを許すならば、掘削深さを50〜
60メートルにまで延ばすことが可能である。同サイズ
の機械をつかって螺旋状の掘削刃を地中にねじ込むオー
ガ掘削法にくらべて、本発明による方法は、3倍も深い
穴を掘ることができる。摺動摩擦が大きく低減している
うえ、土を削り取る肝心部分に駆動動力が集中的に使わ
れるため、与えるトルクが同じであっても、掘削できる
穴の径ははるかに大きくなる。そのうえ、「ドライ・ボ
ーリング法」が可能であることにより、補強材を入れる
作業も容易である。
【0038】前記の「ドライ・ボーリング法」と「コー
テッド・ボーリング法」を用いることにより、本発明に
もとづく掘削工具のもつすべての利点が実現する。すな
わち、テレスコープ式掘削ロッドの使用による掘削深度
の増大、低摩擦による掘削径の拡大、さらに、掘削の高
速化、掘削スラリーの不要化および付帯装置と作業員の
削減によるコスト低減、などが達成される。
【0039】つぎに、「コンクリート・ボーリング法」
を実施した場合には、更に以下の3つの有利性が得られ
る。 1)掘削穴の土崩れが生じない 2)ホースによる注入を行わないので、そのための機械
装置や作業員を省くことができる 3)コンクリート注入を掘削と平行して行うため、注入
時間をことさら必要としない
【0040】また、ローラー上部の12aの部分にテー
パーが付いているので、掘削穴に結合剤を注入する作業
や、工具を穴から引抜く作業が容易である。
【0041】最後に、本発明にもとづく掘削工具は、今
日使用されている掘削用機械に、特別の変更を要せずに
装着することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の掘削工具はローラー12が掘削
穴の表面を転がる方式であるため、従来のスライド方式
と比較して、工具と土の間の摩擦がいちじるしく減少
し、エネルギー効率が改善される。また同じ理由によ
り、掘削穴の側壁が工具で削り落とされる度合いが少な
く、むしろ土壁はローラーで押し固められ、緊密化し、
土の力学的特性は改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく掘削工具の第1の実施形態
の、一部を断面で示した側面図である。
【図2】本発明にもとづく掘削工具の第2の実施形態
の、掘削時の状況を示す拡大側面図である。
【図3】本発明にもとづく第3の実施形態を示す側面図
である。
【図4】本発明もとづく第4の実施形態の、通路が閉塞
したときの状況を示す断面図である。
【図5】本発明にもとづく第4の実施形態の、通路が開
放されたときの状況を示す断面図である。
【図6】本発明にもとづく第5の実施形態の、キャップ
が装着されたときの状況を示す断面図である。
【図7】本発明にもとづく第5の実施形態の、キャップ
が外されたときの状況を示す側面図である。
【図8】本発明もとづく第6の実施形態の、一部を断面
図で示した側面図である。
【符号の説明】
10 掘削工具 11 ロッド 12 ローラー 13 軸 14 クランク部材 15 先端部 16 第2ローラー 17 掘削穴の壁 19 掘削フィン 21 シェル 22 キャップ 23 通路 24 開口 25 カバー(閉塞時) 26 カバー(開放時) 27 ヒンジ 28 上部開口 29 下部開口 30 結合部材 31 ブッシング 32 上部停止機構 33 下部停止機構

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 とくにコンクリート基礎杭打工事に用い
    る掘削工具であって、自身の縦軸(x)を中心に回転し
    かつ該縦軸に沿って前進するロッドストリング(11)
    の下端に取付けて使用され、該ロッドストリングに回転
    自在に装着された少なくとも1個のローラー(12)を
    有し、該ローラーは前記縦軸(x)を軸にして回転可能
    であり、かつその両端部(12a,12b)は互いに前
    記縦軸(x)に関し反対側に位置していることを特徴と
    する掘削工具(10)。
  2. 【請求項2】 ローラー(12)の下端に、土を掻き崩
    すための先端部(15,16)を備えている、請求項1
    記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 ローラー(12)が、少なくとも下部が
    細くすぼんでいる樽形の側面を有する、請求項1記載の
    掘削工具。
  4. 【請求項4】 ローラー(12)が、その中央部(12
    c)が最も太く、上部(12a)と下部(12b)が細
    くすぼんでいる樽形の側面を有する、請求項3記載の掘
    削工具。
  5. 【請求項5】 ローラー(12)の下端が、円錐形の先
    端部(15)である、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の掘削工具。
  6. 【請求項6】 ローラー(12)が、その軸(y)に一
    致する長手方向の軸を有する中央軸(13)に取付けら
    れ、該中央軸(13)はクランク部材(14,14’)
    によってロッド(11)に固定され、該クランク部材は
    ロッド(11)に結合される上端部(14a)と下端部
    (14b)を有し、該上端部(14a)はその向きが前
    記縦軸(x)と一致し、該下端部(14b)は前記縦軸
    (x)から離隔しかつその向きが前記傾斜軸(y)と一
    致することを特徴とする、請求項1記載の掘削工具。
  7. 【請求項7】 クランク部材(14’)に、ほぼ円筒形
    の少なくとも1個の第2のローラー(16)が取り付け
    られ、該ローラー(16)の長手方向の軸(z)は、前
    記縦軸(x)から離隔しかつそれに概ね平行であること
    を特徴とする請求項2記載の掘削工具。
  8. 【請求項8】 ローラー(12)内に、掘削工具(1
    0)より上の穴部分と掘削工具(10)より下の穴部分
    にそれぞれ通ずる1本または複数本の縦方向の通路(3
    4,23)が設けられ、該通路には、工具を掘削作動さ
    せる際は該通路を閉塞し、工具を穴から引抜くときには
    該通路を開放するように動作する、それぞれ少なくとも
    1個の閉塞手段(15,22,25)が備えられ、これ
    によりコンクリートなどの流動物が該通路を通って工具
    より上の穴領域から工具より下の穴領域へ流動しうるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の掘削工具。
  9. 【請求項9】 ローラーが、ロッド(11)に固定され
    た中央軸(13)にスライド可能に装着されたシェル
    (21)からなり、該中央軸(13)の軸が前記軸
    (y)と一致し、かつ前記閉塞手段が該中央軸(13)
    と一体の先端部(15)を有していることを特徴とす
    る、請求項8記載の掘削工具。
  10. 【請求項10】 通路(23)がその下方に、先端部
    (15)に穿たれた開口(24)を有し、閉塞手段が、
    上記と別体に、先端部(15)に合致した形状のキャッ
    プ(22)を備え、該キャップは、掘削時には前記開口
    (24)を下側から覆ってそれを閉塞し、一方、掘削工
    具を引抜くときは、該キャップが穴底に取り残されるこ
    とを特徴とする、請求項5または8に記載の掘削工具。
  11. 【請求項11】 通路(23)がその下方に、先端部
    (15)に穿たれた開口(24)を有し、閉塞手段が、
    ヒンジ(27)によってローラー(12)に蝶着された
    カバー(25)を有し、掘削時には該カバーが開口(2
    4)を閉塞する第1の位置を占め、掘削工具を引抜くと
    きには該カバーが開口(24)を開放する第2の位置を
    占めることを特徴とする、請求項5または8に記載の掘
    削工具。
  12. 【請求項12】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の掘削工具(10)を用いておこなうコンクリート基礎
    杭打工事の方法であって、掘削工具(10)を、自身の
    縦軸(x)を軸にして回転しかつ該縦軸に沿って前進す
    ることが可能なロッド(11)の下端に取付け、このロ
    ッドを作動させることにより、先端部(15,19)で
    穴底の土を掻き崩し、ほぼ円筒状に掘削穴を形成してゆ
    く方式の、下記2工程を含むことを特徴とする方法。 −掘削穴の側壁(17)にローラー(12)の側面を押
    し当ててローリングすることにより掘削穴を拡大し、ま
    たそれにより穴の周囲の土を固める。 −掘削した穴の、掘削工具より上の穴領域に、少量の結
    合剤(バインダー)を継続的に注入しながら、穴の側壁
    を掘削工具の腹で逐次圧迫し、穴の壁に固い被膜を築い
    てゆく。
  13. 【請求項13】 掘削時にコンクリートを掘削穴に継続
    的に投入してゆき、穴がつねにコンクリートで満たされ
    ている状態をつくることにより、工事中に穴の側壁が崩
    れるのを防止することを特徴とする、請求項12に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 掘削穴から工具を引抜く操作段階に、
    工具を貫通する少なくとも1本の通路(34,23)を
    開放する工程を挿入することにより、掘削工具より上の
    穴領域から掘削工具より下の穴領域へ結合剤を流動させ
    ることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
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