JPH09320497A - 電界放出型表示装置 - Google Patents

電界放出型表示装置

Info

Publication number
JPH09320497A
JPH09320497A JP13208396A JP13208396A JPH09320497A JP H09320497 A JPH09320497 A JP H09320497A JP 13208396 A JP13208396 A JP 13208396A JP 13208396 A JP13208396 A JP 13208396A JP H09320497 A JPH09320497 A JP H09320497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
electron emitter
cathode electrode
anode electrode
diamond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13208396A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Shirai
幹夫 白井
Kazuhide Ota
和秀 太田
Katsuhiro Shimanoe
克博 島ノ江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP13208396A priority Critical patent/JPH09320497A/ja
Publication of JPH09320497A publication Critical patent/JPH09320497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子放出体の電子放出効率を高めて、FEDに
おける消費電力の低下、発光輝度の向上及び長寿命化を
図る。 【解決手段】所定間隔で対向配設されたアノード電極4
及びカソード電極5と、アノード電極4のカソード電極
5との対向面に形成された蛍光体6と、カソード電極5
のアノード電極4との対向面に形成された負の電子親和
力をもつ電子放出体7とを備えている。電子放出体7
は、相対密度が50〜90%とされている。これによ
り、電子放出体7における電子放出面積が相対密度の高
いものと比べて大きくなっており、電子放出効率が向上
している。このため、低電圧で電子放出体から多くの電
子を放出することができ、FEDにおける消費電力の低
下、発光輝度の向上及び長寿命化を図ることが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出型表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バックライトがいらない自発光型
のディスプレイとして、電界放出型表示装置(以下、適
宜「FED」と称する。なお、FEDはField E
mission Displayの略である)が注目さ
れている。このFEDは、薄型で、消費電力を小さくで
き、しかも視野角が広くて応答速度が速く、動作温度範
囲も広いという特徴を有し、液晶ディスプレイ以上の性
能を期待できる。
【0003】上記FEDは、図5に示すように、表示面
となるフェースガラス80とバックガラス81とがスペ
ーサ82により所定間隔で対向配設され、フェースガラ
ス80、バックガラス81及びスペーサ82により形成
される内部空間が10-6Torr程度の真空とされてい
る。そして、フェースガラス80のバックガラス81と
の対向面にはアノード電極としての透明導電膜83が形
成され、この透明導電膜83の表面には蛍光体84が形
成されている。また、バックガラス81のフェースガラ
ス80との対向面にはカソード電極としての導電膜85
が形成され、この導電膜85の表面には負の電子親和力
をもつ電子放出体としてのダイヤモンド状炭素(以下、
「DLC」と称する。なお、DLCはDiamond
LikeCarbonの略である)膜86が形成されて
いる。
【0004】上記構成を有するFEDでは、DLC膜8
6のしきい値以上の電界を、アノード電極及びカソード
電極としての透明導電膜83及び導電膜85間に与える
ことにより、電子放出体としてのDLC膜86から電子
を放出せしめ、この放出電子が蛍光体84に衝突するこ
とを利用して該蛍光体84を発光させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記FEDにおいて、
DLC膜86の電子放出効率が低いとFEDの発光輝度
が低くなり、また電子放出効率の低いDLC膜86に過
大電圧を印加し続けるとDLC膜86が劣化しやすい。
このため、FEDにおける消費電力の低下、発光輝度の
向上及び長寿命化を図るためには、より低電圧でDLC
膜86から電子が効果的に放出されるように、同DLC
膜86の電子放出効率を高くすることが望ましい。
【0006】ここで、DLC膜86における電子放出効
率は、DLC膜86の電子放出面積が大きいほど、また
DLC膜86中のダイヤモンドへの電子供給能力が大き
いほど向上する。しかし、従来のDLC膜86は緻密な
膜であり、ダイヤモンドの度合いが進んでいるので、膜
としては絶縁膜の性質を強く帯びており、また表面形状
も結晶化が進みフラットな面形状となっている。このた
め、従来のDLC膜86は電子放出面積が小さく、また
ダイヤモンドへの電子供給能力も小さい。したがって、
DLC膜86の電子放出効率が低く、FEDにおける消
費電力の低下、発光輝度の向上及び長寿命化を図ること
が困難であった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、電子放出体の電子放出効率を高めて、FEDにお
ける消費電力の低下、発光輝度の向上及び長寿命化を図
ることを解決すべき技術課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の電界放出型表示装置は、所定間隔で対向配設
されたアノード電極及びカソード電極と、該アノード電
極の該カソード電極との対向面に形成された蛍光体と、
該カソード電極の該アノード電極との対向面に形成され
た負の電子親和力をもつ電子放出体とを備えた電界放出
型表示装置において、上記電子放出体の相対密度が50
〜90%とされていることを特徴とするものである。
【0009】この電界放出型表示装置では、電子放出体
の相対密度が50〜90%と低いため、電子放出体の電
子放出面積が相対密度の高いものと比べて大きくなって
いる。したがって、電子放出体における電子放出効率が
高くなり、その結果、低電圧で電子放出体から多くの電
子を放出することができ、FEDにおける消費電力の低
下、発光輝度の向上及び長寿命化を図ることが可能とな
る。
【0010】上記課題を解決する請求項2記載の電界放
出型表示装置は、所定間隔で対向配設されたアノード電
極及びカソード電極と、該アノード電極の該カソード電
極との対向面に形成された蛍光体と、該カソード電極の
該アノード電極との対向面に形成された負の電子親和力
をもつ電子放出体とを備えた電界放出型表示装置におい
て、上記電子放出体はダイヤモンドと高導電性炭素とか
らなり、上記蛍光体と対向する表面側でダイヤモンドの
占める割合が大きくなっていることを特徴とするもので
ある。
【0011】この電界放出型表示装置の電子放出体にお
いては、カソード電極と接する側に導電率の高い高導電
性炭素が多く存在し、蛍光体に対向する表面側に電子放
出能力の高いダイヤモンドが多く存在している。このた
め、カソード電極から電子放出体に多くの電子が供給さ
れ、この電子は高導電性炭素を介してダイヤモンドに良
好に供給されるので、電子放出体中のダイヤモンドへの
電子供給能力が大きくなる。そして、電子放出体の表面
側に多く存在するダイヤモンドから電子が良好に放出さ
れる。したがって、電子放出体における電子放出効率が
高くなり、その結果、低電圧で電子放出体から多くの電
子を放出することができ、FEDにおける消費電力の低
下、発光輝度の向上及び長寿命化を図ることが可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (実施形態1)本実施形態の電界放出型表示装置は、請
求項1記載の電界放出型表示装置に係るもので、所定間
隔で対向配設されたアノード電極及びカソード電極と、
該アノード電極の該カソード電極との対向面に形成され
た蛍光体と、該カソード電極の該アノード電極との対向
面に形成された負の電子親和力をもつ電子放出体とを備
えている。
【0013】この電界放出型表示装置は、例えば、表示
面となる透明フェース基板とバック基板とを対向配設
し、両基板の周囲にシリカ若しくは樹脂ビーズを混入し
た樹脂よりなるスペーサを配して両基板間のギャップを
5〜50μm程度に維持するとともに内部に空間を形成
し、この空間を10-6〜10-7Torr程度に真空引き
した構造とすることができる。そして、この透明フェー
ス基板のバック基板との対向面にアノード電極及びカソ
ード電極のうちの一方を形成するとともに、バック基板
の透明フェース基板との対向面にアノード電極及びカソ
ード電極のうちの他方を形成し、さらにアノード電極の
カソード電極との対向面に蛍光体を形成するとともに、
カソード電極のアノード電極との対向面に負の電子親和
力をもつ電子放出体を形成した構成とすることができ
る。なお、上記透明フェース基板及びバック基板の厚さ
は0.5〜3mm程度とすることができる。また、アノ
ード電極及びカソード電極間のギャップは、電子放出体
のしきい値や本発明のFEDに電圧を印加する駆動IC
等のドライブ電圧の大きさに応じて適宜設定される。
【0014】上記透明フェース基板、バック基板及びス
ペーサにより囲まれた内部空間を真空にする方法として
は、例えば上記バック基板から真空引き用のガラス管を
引き出して、このガラス管から真空引きした後、ガラス
管を溶断する方法等を採用することができる。また必要
に応じて、真空構造体の内部にゲッタと呼ばれるリング
状等の金属(マグネシウムやバリウム等)を入れ、真空
引き中又は真空引きして封止後に、高周波加熱により金
属を蒸発させることにより、真空構造体内の真空度を高
めることもできる。
【0015】上記アノード電極及びカソード電極は、電
界放出型表示装置の表示面側に位置する方が透明電極と
され、表示面と反対側に位置する方は通常の金属電極又
は透明電極とすることができる。透明電極としてはIT
O薄膜、SnO2 薄膜、In 2 3 薄膜やIn2 3
SnO2 薄膜等を、金属電極としてはAl薄膜やCu、
Ti、Cr薄膜等を採用することができる。なお、アノ
ード電極及びカソード電極の厚さは0.1〜2μm程度
とすることができる。
【0016】上記アノード電極のカソード電極との対向
面に形成される蛍光体としては、緑色に発光するZn
O:Zn、アンバー(こはく)色に発光するZnS:M
n等を採用することができる。なお、蛍光体は沈降法等
により1〜10mg/cm2 の割合で均一に塗布するこ
とができる。本実施形態では、上記カソード電極のアノ
ード電極との対向面に形成される負の電子親和力をもつ
電子放出体の相対密度が50〜90%とされている。
【0017】この電子放出体を構成する材料としては、
DLCや結晶性ダイヤモンドを採用することができる。
但し、電子放出能力が高く駆動電圧を低くできるという
観点からは、DLCを用いることが好ましい。DLC又
は結晶性ダイヤモンドよりなる電子放出体は、プラズマ
CVD法やレーザ蒸着法等により形成することができ
る。なお、プラズマCVD法による製造条件は、例え
ば、置換ガス:N2 、及び供給原料:炭化水素ガスの混
合ガスの比率を変化させ、反応槽内圧力:30〜80m
Torr、バイアス電圧:0.4〜1.4kV、電子放
出体を成膜する基板の温度:室温〜200℃とすること
ができる。またレーザ蒸着法では、例えばNd:YAG
レーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板
に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積さ
せることにより形成することができる。なお、電子放出
体の厚さは1〜30μm程度とすることができる。
【0018】電子放出体の相対密度は、上記プラズマC
VD法で成膜する場合、反応槽内圧力、バイアス電圧や
基板温度等の条件を変更することにより、適宜設定する
ことができる。例えば、反応槽内の圧力と電子放出体の
相対密度との間には比例関係があり、圧力を高くするほ
ど電子放出体の相対密度を高くすることができる。ま
た、基板温度を変更する場合は、基板下部に設置したヒ
ータへの供電量を変化させることにより電子放出体の相
対密度を調整することができる。具体的には、反応槽内
の圧力を30〜80mTorrとしたり、あるいは基板
温度を室温〜200℃としたりすることにより、電子放
出体の相対密度を50〜90%に調整することができ
る。
【0019】電子放出体の相対密度を50〜90%とす
る理由は、以下の通りである。すなわち、電子放出面積
を大きくする観点からは電子放出体の相対密度が低けれ
ば低いほど好ましいが、この相対密度が50%より低い
と膜剥がれの原因になるため、その下限を50%とし
た。一方、電子放出体の相対密度が90%より高いと、
電子放出面積を大きくする効果が小さくなるため、その
上限を90%とした。このため、電子放出体の相対密度
の上限は60%とすることが好ましい。
【0020】また、上記電子放出体は、プラズマエッチ
ング又はイオンビーム成形加工により、その表面に凹凸
を形成して、表面粗さを0.1μmRmax程度とする
ことが好ましい。これにより、さらに電子放出面積を大
きくして、電子放出体における電子放出効率を向上させ
ることが可能となる。なお、上記電子放出体は、必要に
応じて、フォトレジストを用いて所定形状のマスクを形
成しドライエッチング法等により所定形状にパターニン
グすることができる。
【0021】したがって、本実施形態では、電子放出体
の相対密度が50〜90%と低いため、電子放出体の電
子放出面積が相対密度の高いものと比べて大きくなって
いる。このため、電子放出体における電子放出効率が高
くなり、その結果、低電圧で電子放出体から多くの電子
を放出することができ、FEDにおける消費電力の低
下、発光輝度の向上及び長寿命化を図ることが可能とな
る。
【0022】(実施形態2)本実施形態の電界放出型表
示装置は、請求項2記載の電界放出型表示装置に係るも
ので、電子放出体以外の構成は上記実施形態1と同様で
ある。本実施形態に係る電子放出体はダイヤモンドと高
導電性炭素とからなる。ダイヤモンドは、中心及び四隅
に炭素原子をもつ正四面体構造で、SP3 混成軌道を形
成するきわめて硬い立方晶系の結晶である。一方、高導
電性炭素とは、DLCより導電率の高い炭素をいう。な
お、ダイヤモンドの電気抵抗は1016Ω・cm程度であ
り、DLCの電気抵抗は0.1〜1000Ω程度である
ため、高導電性炭素の電気抵抗としては0.1〜500
Ω程度とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜
100Ω程度とすることである。このような高導電性炭
素としては、例えばグラファイトや無定形炭素を挙げる
ことができる。グラファイトは、sp2 混成の六角形の
網面がπ電子を介して層状に積み重なった構造をしてお
り、六方晶系の結晶である。無定形炭素は、はっきりし
た結晶構造を示さないものであるが、この無定形炭素に
は結晶の発達の程度の低い微晶質炭素も含まれる。ま
た、結晶の大小、その配列の度合いなどによって、無定
形炭素からグラファイトに至る間にいろいろの中間的な
構造が存在し、これらの間には明確な変態点が存在する
ものではない。このため、上記高導電性炭素とは、グラ
ファイト若しくは無定形炭素の単独よりなるもの、グラ
ファイトと無定形炭素とが混じり合ったもの、又はこれ
らに無定形炭素及びグラファイトの中間的構造を示すも
のが含まれたものをいう。
【0023】電子放出体は、蛍光体と対向する表面側で
ダイヤモンドの占める割合が大きくなっている。なお、
電子放出体中の高導電性炭素からダイヤモンドへの電子
供給効率を高めるとともに、ダイヤモンドからの電子放
出効率を高める観点から、電子放出体は、蛍光体と対向
する表面に近づくに連れて徐々にダイヤモンドの占める
割合が大きくなる傾斜構造を有することが好ましい。具
体的には、電子放出体において、カソード電極と接する
表面部分でダイヤモンド濃度が零であり、蛍光体と対向
する表面に近づくに連れて徐々にダイヤモンド濃度が高
くなり、蛍光体と対向する表面でダイヤモンド濃度が9
0〜100%となっていることが好ましい。
【0024】このような傾斜構造を有する電子放出体と
しては、単層のDLC薄膜の他に、0.5〜1μm程度
の極めて薄いダイヤモンド薄膜又はDLC薄膜と0.5
〜1μm程度の極めて薄い高導電性炭素薄膜とが交互に
積層され、蛍光体と対向する表面に近づくに連れて、ダ
イヤモンド薄膜又はDLC薄膜の膜厚が厚くされる一
方、高導電性炭素薄膜の膜厚が薄くされたものや、ある
いは0.05〜0.1μm程度の極めて薄いDLC薄膜
と0.05〜0.1μm程度の極めて薄い高導電性炭素
薄膜とが交互に積層され、蛍光体と対向する表面に近づ
くに連れて、DLC薄膜におけるダイヤモンド濃度が高
くされたものも含まれる。
【0025】上記DLC薄膜におけるダイヤモンド濃度
の調整は、例えばプラズマCVD法でDLC薄膜を成膜
する場合、置換ガスとしてのN2 ガスの供給量を調整す
ることにより、供給原料としての炭化水素ガスにおける
H/C比を変更することに行うことができる。すなわ
ち、N2 ガスの供給量を多くするとDLC膜中のH2
り込み量が多くなるので、DLCにおけるダイヤモンド
濃度を高くすることができ、一方N2 ガスの供給量を少
なくするとDLC膜中へのH2 取り込み量が少なくなる
ので、DLCにおけるダイヤモンド濃度が低くすること
ができる。なお、H/C比が小さくなるとDLCにおけ
るカーボン濃度が高くなるのは、アモルファスカーボン
ネットワークにおける構造変化若しくは組織変化に起因
すると推定される。また、図4に示すように、電子放出
体におけるH/C比と電子放出体の電気抵抗との間には
比例関係があり、H/C比が大きくなるに連れて電気抵
抗が大きくなる。
【0026】したがって、本実施形態の電界放出型表示
装置に係る電子放出体においては、カソード電極と接す
る側に導電率の高い高導電性炭素が多く存在し、蛍光体
に対向する表面側に電子放出能力の高いダイヤモンドが
多く存在している。このため、カソード電極から電子放
出体に多くの電子が供給され、この電子は高導電性炭素
を介してダイヤモンドに良好に供給されるので、電子放
出体中のダイヤモンドへの電子供給能力が大きくなる。
そして、電子放出体の表面側に多く存在するダイヤモン
ドから電子が良好に放出される。したがって、電子放出
体における電子放出効率が高くなり、その結果、低電圧
で電子放出体から多くの電子を放出することができ、F
EDにおける消費電力の低下、発光輝度の向上及び長寿
命化を図ることが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明のFEDの実施例を、図面を参
照しつつ具体的に説明する。 (実施例1)図1の模式断面図に示す本実施例のFED
は、表示面となる透明フェースガラス基板1と、透明フ
ェースガラス基板1に対して所定の間隔で対向配設され
たバックガラス基板2と、透明フェースガラス基板1及
びバックガラス基板2の周囲を封止するシリカ若しくは
樹脂ビーズを混入した樹脂よりなるスペーサ3とによ
り、内部に真空空間が形成されている。なお、上記透明
フェースガラス基板1及びバックガラス基板2は、いず
れも厚さは1.1mmのソーダライムガラスよりなる。
また、このFEDは、バックガラス基板2から真空引き
用のガラス管を引き出して、このガラス管から真空引き
した後、ガラス管を溶断することにより、10-6Tor
rの真空度とされている。
【0028】上記透明フェースガラス基板1の内面には
透明アノード電極4が形成され、上記バックガラス基板
2の内面にはカソード電極5が形成されている。そし
て、透明アノード電極4のカソード電極5との対向面に
は蛍光体6が形成され、カソード電極5の透明アノード
電極4との対向面には負の電子親和力をもつ電子放出体
7が形成されている。なお、上記透明アノード電極4及
びカソード電極5間のギャップは10μmとされてい
る。
【0029】上記透明アノード電極4はスパッタリング
により形成された膜厚0.2μmのITO薄膜よりな
り、上記カソード電極5は蒸着により形成された膜厚
0.2μmのAl薄膜よりなる。また、上記蛍光体6
は、沈降法により形成された緑色に発光するZnO:Z
nよりなり、厚さは10μmである。上記電子放出体7
は、プラズマCVD法により形成された膜厚5μmのD
LC薄膜よりなる。そして、プラズマCVD法により成
膜条件は、置換ガス:N2 、及び供給原料:炭化水素ガ
スの混合ガスの比率を変化させ、反応槽内圧力:30m
Torr、バイアス電圧:1kV、電子放出体を成膜す
る基板の温度:90℃とした。また、プラズマCVD法
により成膜後、スパッタ法により、RF電力1kW、エ
ッチング時間3分の条件でプラズマエッチングした。
【0030】このようにして製造された電子放出体7に
おいては、相対密度が60%とされ、また表面粗さは
0.1μmRmaxとされていた。したがって、本実施
例のFEDでは、図示しない駆動電源から透明アノード
電極4及びカソード電極5間に所定の電界をかければ、
電子放出面積が大きくされた電子放出体7から効率よく
電子が放出され、この電子が蛍光体6に衝突し、これに
より蛍光体6が所定の色に発光し、この発光が透明アノ
ード電極4及び透明フェース基板1を透過して表示され
る。
【0031】(実施例2)本実施例のFEDは、電子放
出体7を傾斜構造を有する単層のDLC薄膜としたこと
以外は、上記実施例1と同様である。すなわち、本実施
例に係る電子放出体7は、単層の厚さ5μmのDLC薄
膜よりなり、蛍光体6と対向する表面に近づくに連れて
ダイヤモンドの占める割合が大きくされている。
【0032】この傾斜構造を有する単層のDLC薄膜よ
りなる電子放出体7は、プラズマCVD法により成膜条
件を、置換ガス:N2 及び供給原料:炭化水素ガスの比
率(N2 ガス/炭化水素ガス)を8〜0.01に変化さ
せ、反応槽内圧力:30mTorr、バイアス電圧:1
kV、電子放出体を成膜する基板の温度:90℃とし、
このプラズマCVD法による成膜中に、N2 置換ガス/
炭化水素ガス比率を成膜当初は8とし、それから0.0
1の割合で徐々に比率を減少させることにより製造し
た。
【0033】このようにして製造された電子放出体7に
おいては、カソード電極5と接する表面部分でダイヤモ
ンド濃度は零となり、蛍光体6と対向する表面に近づく
に連れて徐々にダイヤモンド濃度が高くなり、蛍光体6
と対向する表面で電気抵抗の観点からダイヤモンド濃度
がほぼ100%と推定される。したがって、本実施例の
FEDでは、図示しない駆動電源から透明アノード電極
4及びカソード電極5間に所定の電界をかければ、電子
供給効率が高くされた電子放出体7から効率よく電子が
放出され、この電子が蛍光体6に衝突し、これにより蛍
光体6が所定の色に発光し、この発光が透明アノード電
極4及び透明フェース基板1を透過して表示される。
【0034】(実施例3)本実施例のFEDは、電子放
出体7において、DLC薄膜とグラファイト薄膜とを交
互に積層することにより傾斜構造とするとしたこと以外
は、上記実施例2と同様である。すなわち、本実施例に
係る電子放出体7は、DLC薄膜71とグラファイト薄
膜72とを多数交互に積層してなる。なお、電子放出体
7のカソード電極5と接する面はグラファイト薄膜72
よりなり、電子放出体7の蛍光体6と対向する表面はD
LC薄膜71よりなる。また、DLC薄膜71における
ダイヤモンド濃度はほぼ100%と推定される。そし
て、DLC薄膜71の膜厚は0.05〜0.1μmであ
り、グラファイト薄膜72の膜厚は0.05〜0.1μ
mであり、蛍光体6と対向する表面に近づくに連れて、
DLC薄膜71の膜厚が厚くされる一方、グラファイト
薄膜72の膜厚が薄くされている。
【0035】この傾斜構造を有する、交互に積層された
多数のDLC薄膜71及びグラファイト薄膜72よりな
る電子放出体7は、プラズマCVD法により成膜条件
を、置換ガス:N2 、及び供給原料:炭化水素ガスの比
率(N2 ガス/炭化水素ガス)を8〜0.01に変化さ
せ、反応槽内圧力:30mTorr、バイアス電圧:1
kV、電子放出体を成膜する基板の温度:90℃とし、
成膜中に、N2 置換ガス供給量をDLC薄膜71の成膜
時とグラファイト薄膜72の成膜時とで切り換えるとと
もに、DLC薄膜71の成膜時間を徐々に長くする一方
グラファイト薄膜72の成膜時間を徐々に短くすること
により製造した。なお、DLC薄膜71の成膜時のN2
置換ガス/炭化水素ガス比率は0.01とし、またグラ
ファイト薄膜72の成膜時のN2 置換ガス/炭化水素ガ
ス比率は8とした。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る電子放
出型表示装置は、電子放出体における電子放出効率が高
められているので、低電圧で電子放出体から多くの電子
を放出することができ、FEDにおける消費電力の低
下、発光輝度の向上及び長寿命化を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1のFEDの模式断面図である。
【図2】本実施例2のFEDの模式断面図である。
【図3】本実施例2のFEDの模式断面図である。
【図4】電子放出体におけるH/C比と電気抵抗との関
係を示す線図である。
【図5】従来のFEDの模式断面図である。
【符号の説明】
1は透明フェースガラス基板、2はバックガラス基板、
3はスペーサ、4は透明アノード電極、5はカソード電
極、6は蛍光体、7は電子放出体、71はDLC薄膜、
72はグラファイト薄膜である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔で対向配設されたアノード電極
    及びカソード電極と、該アノード電極の該カソード電極
    との対向面に形成された蛍光体と、該カソード電極の該
    アノード電極との対向面に形成された負の電子親和力を
    もつ電子放出体とを備えた電界放出型表示装置におい
    て、 上記電子放出体の相対密度が50〜90%とされている
    ことを特徴とする電界放出型表示装置。
  2. 【請求項2】 所定間隔で対向配設されたアノード電極
    及びカソード電極と、該アノード電極の該カソード電極
    との対向面に形成された蛍光体と、該カソード電極の該
    アノード電極との対向面に形成された負の電子親和力を
    もつ電子放出体とを備えた電界放出型表示装置におい
    て、 上記電子放出体はダイヤモンドと高導電性炭素とからな
    り、上記蛍光体と対向する表面側でダイヤモンドの占め
    る割合が大きくなっていることを特徴とする電界放出型
    表示装置。
JP13208396A 1996-05-27 1996-05-27 電界放出型表示装置 Pending JPH09320497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13208396A JPH09320497A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 電界放出型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13208396A JPH09320497A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 電界放出型表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09320497A true JPH09320497A (ja) 1997-12-12

Family

ID=15073112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13208396A Pending JPH09320497A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 電界放出型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09320497A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000090811A (ja) * 1998-09-16 2000-03-31 Agency Of Ind Science & Technol 冷電子放出素子とその製造方法
JP2001266736A (ja) * 2000-03-24 2001-09-28 Japan Fine Ceramics Center 電子放出素子
JP2002079522A (ja) * 2000-06-23 2002-03-19 Hitachi Maxell Ltd ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型
KR100741898B1 (ko) * 2000-12-22 2007-07-24 엘지.필립스 엘시디 주식회사 평판형 형광램프 및 그 제조방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000090811A (ja) * 1998-09-16 2000-03-31 Agency Of Ind Science & Technol 冷電子放出素子とその製造方法
JP2001266736A (ja) * 2000-03-24 2001-09-28 Japan Fine Ceramics Center 電子放出素子
JP2002079522A (ja) * 2000-06-23 2002-03-19 Hitachi Maxell Ltd ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型
KR100741898B1 (ko) * 2000-12-22 2007-07-24 엘지.필립스 엘시디 주식회사 평판형 형광램프 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5614353A (en) Methods for fabricating flat panel display systems and components
KR20020043952A (ko) 탄소 나노 튜브를 이용한 전계 방출 소자 및 그 제조 방법
JP4319664B2 (ja) 電界放出型ディスプレイ装置とその操作方法
JP3250719B2 (ja) 真空管用陰極及び電界放出型表示装置
KR100258714B1 (ko) 전계 방출용 음극을 갖는 평판 패널 디스플레이
JP3688102B2 (ja) フラットディスプレイパネル
JPH09320497A (ja) 電界放出型表示装置
JPH06163157A (ja) 薄膜el素子の製造方法
JPH0935670A (ja) フィールド・エミッション・ディスプレイ素子及びその製造方法
US20080278062A1 (en) Method of fabricating electron emission source, electron emission device, and electron emission display device including the electron emission device
JP2002280171A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JPH077713B2 (ja) 薄膜el素子
KR20030064028A (ko) 전계 발광 소자 및 그 제조 방법
KR20030081866A (ko) 액정표시장치용 백라이트
JPH11135023A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
KR20020091640A (ko) 카본함유 전자생성층을 구비한 전계 발광 소자 및 그 제조방법
JP3422266B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2008053172A (ja) 面発光素子
JPH09166782A (ja) 電界放出型表示素子のバックライトを持つ液晶表示装置
JPH09306393A (ja) 電界放出型表示装置
KR100300312B1 (ko) 전계방출용음극을갖는평판디스플레이와이의제조방법
KR19990052609A (ko) 전계 방출용 음극을 갖는 평판 패널 디스플레이와 이의 제조방법
KR100357348B1 (ko) 전계방출표시소자 및 그 제조방법
JP2716305B2 (ja) 電界放出型電子管
KR100258715B1 (ko) 전계 방출용 음극을 갖는 평판 패널 디스플레이