JPH09316784A - 透湿防水性布帛の製造方法 - Google Patents

透湿防水性布帛の製造方法

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JPH09316784A
JPH09316784A JP13467696A JP13467696A JPH09316784A JP H09316784 A JPH09316784 A JP H09316784A JP 13467696 A JP13467696 A JP 13467696A JP 13467696 A JP13467696 A JP 13467696A JP H09316784 A JPH09316784 A JP H09316784A
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moisture
water
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waterproof
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Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Shinichiro Soejima
信一郎 副島
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透湿性能と防水性能を兼ね備えたソフ
トな風合を有する透湿防水性布帛の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 繊維布帛を撥水加工する第1工程,浸透
剤を1〜30重量%含有する水中に布帛を浸漬し,マン
グルにて10%以下に絞液する第2工程,布帛に平均粒
径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミド
の吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機微
粉末を1〜40重量%含有するポリウレタン樹脂主体の
合成重合体溶液を塗布し,湿式凝固する第3工程により
ソフトな風合を有する透湿防水性布帛を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,優れた透湿性能と
防水性能を兼ね備えたソフトな風合を有する透湿防水性
布帛の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,透湿防水性布帛の製造方法と
して,ラミネート法による製造方法とコーティング法に
よる製造方法がよく知られている。そのうちコーティン
グ法により透湿防水性布帛を得る方法としては,湿式法
および乾式法があり,いずれの方法においても,ラミネ
ート法に比べれば比較的優れた透湿性能が得られるが,
乾式法では洗濯による耐水圧低下が大きく,湿式法で
は,コーティング用樹脂として通常N,N−ジメチルホ
ルムアミド等の極性アミド溶媒を主溶剤としているため
揮発性が低く,しかも布帛へコーティング樹脂溶液が浸
透しやすく,風合が硬くなったり,場合によっては,布
帛表面,すなわちコーティング裏面への樹脂洩れが生じ
たりする原因となっており,上記欠点の解消が望まれて
いる。
【0003】また,湿式あるいは乾式コーティング加工
法により得られるコーティング布帛には,樹脂層が有孔
のものと無孔のものがあり,一般に樹脂層が有孔のと
き,優れた透湿性能は得やすいが,防水性能は不十分と
なりやすく,逆に,樹脂層が無孔のときには,優れた防
水性能は得やすいが,透湿性能は不十分となりやすい。
例えば,ポリウレタン樹脂の湿式コーティング加工法に
より得られるコーティング布帛は,元来防水性能は優れ
ているが,透湿性能が不十分なので,透湿性能を向上さ
せるためにアニオン系界面活性剤,ノニオン系界面活性
剤,親水性高分子等を併用するのが常である。しかし,
得られるコーティング布帛の透湿性能は十分ではなく,
かつ防水性能をかなり低下させ,結果として両者ともに
十分な性能を満足させることができていない。
【0004】そこで,本発明者らは,先に特開平5−2
22677号公報において,繊維布帛上にポリウレタン
樹脂主体の合成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該
樹脂層中に実質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の無
機微粉末を1重量%以上含有させた高透湿,高耐水圧性
能を有する透湿防水性布帛を提案した。この布帛は,透
湿性,防水性については優れた性能を兼ね備えていた
が,無機微粉末を含有させているため,風合がやや硬く
なる欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上述の現状
に鑑みて行われたもので,優れた透湿性能と防水性能を
兼ね備えながら,ソフトな風合を有する透湿防水性布帛
をコーティング法で得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するもので,次の構成よりなるものである。すなわち本
発明は,繊維布帛を撥水加工する第1工程,浸透剤を1
〜30重量%含有する水中に布帛を浸漬し,マングルで
10%以下に絞液する第2工程,布帛に平均粒径が1μ
m以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量
が200ミリリットル/100g以上の無機微粉末を1
〜40重量%含有するポリウレタン樹脂主体の合成重合
体溶液を塗布し,湿式凝固する第3工程よりなることを
特徴とするソフトな風合を有する透湿防水性布帛の製造
方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
を行う。本発明で用いる繊維布帛としては,ナイロン6
やナイロン66で代表されるポリアミド系合成繊維,ポ
リエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル系
合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維 , ポリビ
ニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の半合成
繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテレフタ
レート/木綿等の混紡繊維から構成された織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0008】本発明では,第1工程として,上述の繊維
布帛に撥水加工を行う。ここで用いる撥水剤は,フッ素
系撥水剤,ポリシロキサン系撥水剤等の公知のものでよ
く,その処理も,公知のパッド法やスプレー法等で行え
ばよい。この場合,布帛の撥水性は,JIS−1096
のスプレー法にて撥水度90以上であることが好まし
い。
【0009】本発明では,第2工程として,浸透剤を1
〜30重量%含有する水中に上述の布帛を浸漬し,マン
グルで10%以下に絞液する。ここでいう浸透剤とは,
撥水加工した繊維布帛への浸透力を有し,かつ水と完全
に混合するものをいい,このような浸透剤として一般の
界面活性剤も使用できるが,後工程で影響のないイソプ
ロピルアルコールに代表されるアルコール類がより一層
好ましく用いられる。
【0010】ここで用いる浸透剤の濃度が1重量%未満
であれば,浸透効果が得られにくくなり,撥水加工した
繊維布帛に水が浸透しにくいため好ましくなく,また,
30重量%を超えると,湿式コーティング後,凝固槽に
入るまでの間でポリウレタン樹脂が凝固しにくくなって
樹脂が繊維布帛の内部にまで浸透してしまい,ソフトな
風合が得られなくなるので好ましくない。
【0011】マングルの絞り率は,10%以下であるこ
とが必要である。絞り率が10%を超えると,湿式コー
ティングを行ったときにポリウレタン樹脂が早く凝固し
すぎるため,繊維布帛への浸透が少なくなりすぎ,コー
ティング樹脂層と繊維布帛との密着力が低下するので不
適当である。
【0012】本発明では,第3工程として,上述の繊維
布帛上に平均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチ
ルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/100
g以上の無機微粉末を1〜40重量%含有するポリウレ
タン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布し,湿式凝固す
る。本発明方法においては,ポリウレタン樹脂主体の合
成重合体の極性有機溶剤溶液中に無機微粉末を均一分散
させて塗布し,次いで,水中に浸漬して樹脂皮膜を形成
する,いわゆる湿式コーティング法により樹脂皮膜を形
成するが,本発明では,特に, 上記無機微粉末として平
均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムア
ミドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無
機微粉末を用い,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に
対して1〜40重量%用いる。
【0013】この微粉末は,上記性能を有する無機物で
あればいずれでも使用でき,また,無機物を微粉化する
には,通常の湿式粉砕法やボールミル粉砕法等の公知の
方法を用いればよい。特に,ハロゲン化金属の気相酸化
法あるいは燃焼加水分解法,電弧法等の乾式法によって
得られる金属酸化物の微粉末がよく知られており,中で
も,上記方法により製造される無機微粉末として二酸化
ケイ素微粉末が安価でかつ多量に生産されている。これ
らの方法により得られた微粉末は,一般的に粒径が0.0
5μm以下であると同時に,非常に多いN,N−ジメチ
ルホルムアミド吸着量を示し,合成重合体樹脂溶液中に
添加せしめる無機微粉末として好適である。さらに該微
粉末の表面を疎水性に改質したものを用いれば,コーテ
ィング膜の耐漏水性向上の面から見てより一層好適であ
り,また該微粉末は実質的に無孔である方が好ましい。
【0014】上述のN,N−ジメチルホルムアミド吸着
量とは,無機微粉末5gをガラス平板上に置き,N,N
−ジメチルホルムアミドを1滴滴下するごとにステンレ
ス製のへらを用いて練り合わせる作業を繰り返し,N,
N−ジメチルホルムアミドの1滴で急激に軟らかくなる
直前の吸着量を意味している。その測定方法はJISK
−5101の吸油量測定法に準じて行うが,その際,煮
あまに油の代わりにN,N−ジメチルホルムアミドを用
いて行い,無機微粉末100g当たりのN,N−ジメチ
ルホルムアミドの吸着量(単位:ミリリットル)で表
す。
【0015】本発明で用いる無機微粉末は,その平均粒
径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミド
の吸着量が200ミリリットル/100g以上であるこ
とが必要であり,無機微粉末の平均粒径が0.1μm以下
で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が30
0ミリリットル/100g以上のものであれば,本発明
の効果の点でより一層好ましい。平均粒径が1μmを超
えると,得られるコーティング膜の微細孔の孔径が大き
くなりすぎ,防水性能を低下させるので好ましくなく,
また,N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200
ミリリットル/100g未満では,コーティング膜の微
細孔の数が少なくなり,透湿性能があまり向上しないの
で好ましくない。
【0016】本発明で用いる無機微粉末の量は,ポリウ
レタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,実
質的に均一に1〜40重量%含有されていることが必要
であり,さらに好ましくは,3〜30重量%含有してい
る方がよい。1重量%未満では,得られるコーティング
膜の微細孔の数が少なくなりすぎて透湿性能があまり向
上しない。また,40重量%を超えると,樹脂膜が弱く
なり,実用に耐えなくなる。無機微粉末は,必ずしも高
純度なものである必要はなく,不純物として他の無機物
質,例えば,顔料,充填剤等が含有されていても何ら差
し支えない。
【0017】本発明のポリウレタン樹脂主体の合成重合
体とは,ポリウレタン成分を50〜100重量%含むも
のをいい,その他の合成重合体としては,例えば,ポリ
アクリル酸,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリブタ
ジエン,ポリアミノ酸等やこれらの共重合体等を50重
量%未満の範囲で含んでいてもよく,勿論,フッ素やシ
リコン等で変性した化合物も本発明で使用できる。ポリ
ウレタン樹脂はイソシアネートとポリオールを反応せし
めて得られる共重合体であり,イソシアネート成分とし
て芳香族ジイソシアネート,脂肪族ジイソシアネートお
よび脂環族ジイソシアネートの単独またはこれらの混合
物を用い,例えば,トリレン2,4−ジイソシアネート,
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート,1,6−ヘ
キサンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソ
シアネート等を用い,また,ポリオール成分としては,
ポリエーテルポリオール,ポリエステルポリオールを用
い,ポリエーテルポリオールは,ポリエチレングリコー
ル,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレング
リコール等を用い,ポリエステルポリオールは,エチレ
ングリコール,プロピレングリコール等のジオールとア
ジピン酸,セバチン酸等の2塩基酸との反応生成物やカ
プロラクトン等の開環重合物を用いる。
【0018】本発明方法では,樹脂層と繊維布帛間の耐
剥離性を向上させる目的で,樹脂や繊維布帛との親和性
の高い化合物を併用してもよく,その化合物としてイソ
シアネート化合物を併用するとよい。イソシアネート化
合物としては,トリレン2,4−ジイソシアネート,ジフ
ェニルメタンジイソシアネート,イソフォロンジイソシ
アネート,ヘキサメチレンジイソシアネートまたはこれ
らのジイソシアネート類3モルと活性水素を含有する化
合物(例えば,トリメチロールプロパン,グリセリン
等)1モルとの付加反応によって得られるトリイソシア
ネート類が使用できる。上記のイソシアネート類は,イ
ソシアネート基が遊離した形のものであっても,あるい
はフェノール,メチルエチルケトオキシム等を付加させ
ることにより安定させ,その後の熱処理によりブロック
を解離させる形のものであってもいずれでも使用でき,
作業性や用途等により適宜使い分ければよい。
【0019】イソシアネート化合物を使用する際の使用
量としては,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に対し
て0.1〜10重量%の割合で使用することが望ましい。
使用量が0.1重量%未満であれば,布帛に対する樹脂層
の接着力が低く,また,10重量%を超えると,風合が
硬化する傾向が認められるようになるので好ましくな
い。
【0020】上記無機微粉末を含むポリウレタン樹脂主
体の合成重合体溶液は,通常のコーティング法,例え
ば,ナイフコータ,コンマコータ,リバースコータ等を
用いて適宜コーティングを行えばよい。コーティング塗
布量としては,目的とする耐水圧や繊維布帛のコーティ
ング面の平滑性や通気度(JIS L−1096法)に
より異なるが,一般的に乾燥樹脂皮膜重量が5g/m2
以上,好ましくは10g/m2 以上になるように塗布量
を調節してコーティングを行うとよい。この後0〜30
℃の水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝固を
行う。以下,40〜60℃の温水中で5〜15分間の洗
浄後,通常の方法で乾燥する。
【0021】本発明において,防水性をさらに向上させ
る目的で,湿式コーティング後にコーティング布帛に撥
水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,前述のよ
うな一般に実施されている公知の撥水処理方法を採用す
ればよい。また,さらに防水性能を向上させたいとき
は,本発明の湿式コーティング層の上に乾燥膜厚が0.5
〜2μm程度の無孔のポリウレタン樹脂層等を形成させ
ればよい。湿式コーティング層が高耐水圧を有している
ため,薄膜でも防水性能が相乗的に向上し,かつ透湿性
能の低下も少ない。本発明は,以上の構成よりなるもの
であり,本発明によれば,優れた透湿性能と防水性能を
有し,しかもソフトな風合を兼ね備えた透湿防水性布帛
を得ることができる。
【0022】
【作用】本発明のごとく,撥水加工した繊維布帛を予め
浸透剤を含有した水で濡らした後,その繊維布帛表面に
ポリウレタン樹脂を塗布すると,布帛に存在している水
が凝固液として働き,湿式凝固槽に入る前からポリウレ
タン樹脂の凝固が始まるので,繊維布帛内部への樹脂の
浸透が少なくなり,それにより布帛組織の自由度が増し
て動きやすくなるため,組織体全体としての透湿防水性
布帛がソフトな風合を有するものとなる。
【0023】また,本発明のごとく,平均粒径1μm以
下で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が2
00ミリリットル/100g以上の無機微粉末を均一に
分散させたポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を布
帛にコーティングして湿式凝固を行うと,凝固液である
水と樹脂溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドが混
和し,樹脂液から溶媒が速やかに離脱していくことによ
り樹脂が凝固するが,その際に,平均粒径が1μm以下
で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が20
0ミリリットル/100g以上の無機微粉末が該樹脂溶
液中に均一に分散していると,無機微粉末の表面は他の
部分に比べて樹脂溶液中におけるN,N−ジメチルホル
ムアミドの濃度が高く,言い換えれば,ポリウレタン樹
脂主体の合成重合体の濃度が低い状態にあり,このため
に,湿式凝固過程において,凝固液である水がまず無機
微粉末の表面のN,N−ジメチルホルムアミドと置き換
わり,無機微粉末の周囲で速やかに凝固が始まり,その
後に樹脂全体が凝固するので,結果的に凝固速度が速く
なり,ポリウレタン樹脂特有のハニカム構造のほかに,
1μm以下の微細孔を無数に有する非常にポーラスな形
態となる。この形成された微細孔の微細性により優れた
防水性能が発揮されるとともに,無数に存在する微細な
有孔により高透湿性能が発揮されるようになる。
【0024】本発明では,無数に形成された微細孔によ
り透湿性能が向上しているので,高透湿防水性布帛に特
有の着用時に圧力が加わったとき問題が発生しやすい漏
水性に対しても,非常に有効である。さらに,本発明の
無機微粉末は,樹脂層の表層から下層まで全体に均一に
存在しているので,樹脂層表面はポリウレタン樹脂特有
のぬめり感を消し,ドライタッチにするとともに,樹脂
層全体の耐摩耗性と樹脂膜強度が向上する。
【0025】
【実施例】次に,実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,実施例におけるコーティング布帛の性能の
測定,評価は,下記の方法で行った。 (1)耐水圧 JIS L−1092(高水圧法)により測定 (2)透湿度 JIS L−1099(A−1法)により測定 (3)摩耗強力 JIS L−1084(A−1法)により測定
【0026】(4)剥離強力 JIS L−1089により測定 (5)撥水度 JIS L−1096(スプレー法)により測定 (6)風 合 KES法による曲げ剛性を測定した。 ハンドリングにより相対的に次の3段階評価を行っ
た。 ○ : 柔らかい △ : やや硬い × : 硬
【0027】実施例1 まず,基布として,経糸,緯糸の双方にナイロンマルチ
フィラメント70デニール/34フィラメントを用いた
経糸密度120本/インチ,緯糸密度90本/インチの
平織物(タフタ)を用意し,これに通常の方法で精練お
よび酸性染料による染色(三菱化成株式会社製,酸性染
料のDiacid Fast Red 3BL 2%owf)を行った後,第
1工程としてフッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガー
ド710(旭硝子株式会社製)2%水分散液でパディン
グ(絞り率35%)して乾燥後,160℃で1分間の熱
処理を行った。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工
機を用いて,温度160℃,圧力30kg/cm2 ,速度2
0m/分の条件でカレンダー加工を行い,コーティング
用の基布を得た。
【0028】次に,第2工程として,イソプロピルアル
コールを20重量%含有する15℃の水中に上記基布を
3分間浸漬し,マングルで絞り率3%にて絞液した。続
いて,第3工程として,下記処方1に示す樹脂固形分2
6%のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバーロール
コータを用いて上述の基布のカレンダー面に塗布量10
0g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中に40
秒間浸漬して樹脂分を凝固せしめ,引き続き,50℃の
温水中で10分間の洗浄を行い,乾燥し,無機微粉末を
9重量%含有する樹脂層を形成した。
【0029】処方1 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 25部 アエロジル R−972 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.016μm,
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量350ミリリット
ル/100gの疎水性二酸化ケイ素微粉末)
【0030】ここで,上記布帛に溶剤型フッ素系撥水剤
AG−570(旭硝子株式会社製)の5%ミネラルター
ペン溶液をパディング(絞り率40%)し,乾燥後,テ
ンターにて170℃で40秒間の仕上げセットを行い,
本発明の透湿防水性コーティング布帛を得た。
【0031】本発明との比較のため,本実施例1におい
て処方1のポリウレタン樹脂溶液をコーティングする前
に基布を水中に浸漬する第2工程を省くほかは,本実施
例とまったく同一の方法により比較用の透湿防水性コー
ティング布帛(比較例1とする。)を得た。また,本発
明との比較のため,本実施例1において第2工程で用い
る水中のイソプロピルアルコール濃度を0.5重量%に変
更する他は,本実施例と全く同一の方法により比較用の
透湿防水性コーティング布帛(比較例2とする。)を得
た。
【0032】さらに,本発明との比較のため,本実施例
1において第2工程で用いる水中のイソプロピルアルコ
ール濃度を40重量%に変更する他は,本実施例とまっ
たく同一の方法により比較用の透湿防水性コーティング
布帛(比較例3とする。)を得た。
【0033】本発明および比較用の透湿防水性布帛の性
能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1より明らかなように,本発明方法で製
造した透湿防水性布帛は,優れた耐水圧と透湿度を有す
るとともに,非常にソフトな風合を有していた。また,
撥水性,耐摩耗性,剥離強力も良好なものであった。
【0036】実施例2 上述の実施例1において,コーティング用基布を第2工
程で水中に浸漬した後のマングルによる絞り率を5%,
10%に変更する他は,実施例1とまったく同一の方法
により本発明の透湿防水性コーティング布帛を得た。本
発明との比較のため,本実施例において上記マングルに
よる絞り率を15%に変更する他は,本実施例とまった
く同一の方法により比較用の透湿防水性コーティング布
帛(比較例4とする。)を得た。
【0037】本発明および比較用の透湿防水性布帛の性
能を測定,評価し,その結果を合わせて表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】表2より明らかなように,本発明方法で製
造した透湿防水性布帛は,優れた耐水圧と透湿度を有す
るとともに,非常にソフトな風合を有していた。また,
撥水性,耐摩耗性,剥離強力も良好なものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明方法によれば,優れた透湿性能と
防水性能を兼ね備え,しかもソフトな風合を有する透湿
防水性布帛を製造することができる。本発明方法では,
湿式コーティング前に撥水性繊維布帛を水中に浸漬する
だけでソフトな風合が得られるため,安価なコストで製
造可能であり,産業上非常に有利である。本発明の透湿
防水性布帛は,その優れた性能から,特に雨衣,アウト
ドアスポーツウェア等の衣料に適した素材となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛を撥水加工する第1工程,浸透
    剤を1〜30重量%含有する水中に布帛を浸漬して,マ
    ングルで10%以下に絞液する第2工程,布帛に平均粒
    径が1μm以下で,かつ,N,N−ジメチルホルムアミ
    ドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機
    微粉末を1〜40重量%含有するポリウレタン樹脂主体
    の合成重合体溶液を塗布し,湿式凝固する第3工程より
    なることを特徴とするソフトな風合を有する透湿防水性
    布帛の製造方法。
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JP (1) JPH09316784A (ja)

Cited By (2)

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