JPH0754277A - 透湿防水性コーティング布帛の製造方法 - Google Patents

透湿防水性コーティング布帛の製造方法

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JPH0754277A
JPH0754277A JP21910393A JP21910393A JPH0754277A JP H0754277 A JPH0754277 A JP H0754277A JP 21910393 A JP21910393 A JP 21910393A JP 21910393 A JP21910393 A JP 21910393A JP H0754277 A JPH0754277 A JP H0754277A
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water
fine powder
powder
coating
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JP21910393A
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Tsunekatsu Furuta
常勝 古田
Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Hideyuki Tsujimura
英之 辻村
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライタッチな感触を有し,透湿性,防水性
に優れた透湿防水性コーティング布帛の製造方法を提供
する。 【構成】 繊維布帛上に,羊毛や絹の微粉末と無機微粉
末を含有するポリウレタン樹脂溶液を湿式コーティング
法により塗布,製膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,優れた吸水性と,湿っ
た状態でもドライタッチな感触を有し,かつ7000g
/m2 ・24hrs 以上の透湿度と 0.5 kgf/cm2 以上の
耐水圧を有する透湿防水性コーティング布帛の製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】透湿性と防水性を併せもつ透湿防水布帛
は,身体からの発汗による水蒸気を衣服外に放出し,雨
が衣服内に入るのを防ぐ機能を有しており,これらの機
能を付与するために,ポリアミノ酸ウレタン樹脂,ポリ
ウレタン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を布
帛にコーティングまたはラミネートしたものがよく知ら
れている。これらはスポーツ衣料や防寒衣料等に使用さ
れ,その中でも特に激しい運動に伴う発汗量の比較的多
いスポーツ用の衣料分野に多く用いられており,スキー
やアスレチック分野では必要不可欠な素材となってい
る。このような従来の透湿防水布帛としては,樹脂層が
有孔のものと無孔のものが知られており,一般に樹脂層
が有孔のとき優れた透湿性能は得やすいが,防水性能は
高々0.2〜0.3kgf/cm2 程度しか得られず,一方,樹
脂層が無孔のときは優れた防水性能は得やすいが,透湿
性能はほとんどないか,多くても4000g/m2・2
4hrs 程度のものしか得られていない。
【0003】このような欠点を補うため,繊維布帛上に
まず有孔の高透湿樹脂層を形成し,その上に無孔の樹脂
層を薄く形成して,優れた透湿性能と防水性能を得る方
法が試みられているものの,この方法でも優れた防水性
能は得られるが,透湿性能は高々3000〜5000g
/m2・24hrs 程度のものしか得られていない。
【0004】さらに,透湿防水布帛はウィンドブレーカ
ー用途にもよく利用されており,裏地なしのウィンドブ
レーカーを着用して運動する場合,コーティング面また
はラミネート膜が直接肌に接する可能性が高く,従来の
透湿防水布帛は肌との滑りが悪く,発汗によるベトツキ
もあって,着用時の不快感が高まりやすかった。上記対
策として,ウィンドブレーカーの裏地にメッシュ等を使
用している場合も多いが,縫製が煩雑になる他,裏地が
必要とあってコストアップの要因ともなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,着用時に直接肌とコーテ
ィング面が接触しても違和感のない,すなわち,コーテ
ィング面が湿った状態や濡れた状態でもサラッとしたド
ライな感触を有し,かつ透湿度7000g/m2・24h
rs 以上,耐水圧0.5kgf/cm2 以上の性能を有する透湿
防水性コーティング布帛を得ることを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するもので,次の構成よりなるものである。すなわち本
発明は,「平均粒径が20μm以下の羊毛微粉末および
/または絹微粉末と,平均粒径が1μm以下で,かつ
N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリ
ットル/100g以上の無機微粉末とを含有するポリウ
レタン樹脂主体の合成重合体の極性有機溶剤溶液を繊維
布帛上に塗布し,しかる後に水中に浸漬して樹脂分を凝
固せしめることを特徴とする透湿防水性コーティング布
帛の製造方法」を要旨とするものである。
【0007】以下,本発明について詳細に説明を行う。
【0008】本発明方法では,平均粒径が20μm以下
の羊毛微粉末および/または絹微粉末と,平均粒径が1
μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着
量が200ミリリットル/100g以上の無機微粉末と
を含有するポリウレタン樹脂主体の合成重合体の極性有
機溶剤(ジメチルホルムアミド等)溶液を用いる。
【0009】ここで,“および/または”なる語句は,
両者のうちのいずれか一方または双方を意味するものと
する。
【0010】本発明で用いる羊毛微粉末または絹微粉末
とは,羊毛繊維または絹繊維を微粒子状に粉砕したもの
である。羊毛繊維や絹繊維の微粒子化の方法としては,
例えば,繊維を構成しているフィブロインまたはケラチ
ンに酵素処理等を施すことにより分子を切断した後,粉
砕,微粒子化する方法で得ることができる。羊毛繊維や
絹繊維は,元来吸水性が大きいが,羊毛繊維においては
20重量%,絹繊維においては30重量%の水分を含ん
でいても湿っぽさを感じさせず,乾燥状態に見えるとい
う特徴を有しており,微粉末化後も上記特徴を有してい
る。更にこの特徴を強くもたせる方法として,例えば,
酵素分解率を低く抑えた後粉末化する方法がある。
【0011】本発明で使用する羊毛や絹の微粉末の大き
さは,平均粒径20μm以下であることが必要である。
平均粒径が20μm以上であると,コーティング樹脂膜
の厚さを粒径以上にしなければならず,透湿性能が低下
するだけでなく,樹脂膜から羊毛や絹の微粉末が脱落し
やすくなるので防水性能が低下しやすくなり,それを補
うために樹脂膜を厚くすれば,透湿性能が低下するため
好ましくない。
【0012】ここで用いる羊毛微粉末および/または絹
微粉末は,後述のポリウレタン樹脂主体の合成重合体に
対し5重量%以上用いることが必要であり,好ましくは
10重量%以上用いることが望ましい。5重量%未満で
は,湿った状態でサラッとしたドライな感触が得られな
くなるので好ましくない。
【0013】本発明で用いられる無機微粉末としては,
通常の湿式粉砕法やボールミル粉砕法等で微粉化された
無機微粉末や,ハロゲン化金属の気相酸化法,燃焼加水
分解法,電弧法等の乾式法によって得られる金属酸化物
微粉末を挙げることができ,中でもこれらの方法により
製造される二酸化ケイ素微粉末を代表として挙げること
ができる。これらの方法により得られた微粉末は,一般
的に粒径が0.05μm以下であると同時に,非常に多い
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量を有し,合成重合
体樹脂溶液中に添加せしめる無機微粉末として好適であ
る。さらに,該微粉末の表面を疎水性に改質したものを
用いれば,漏水性の面から見てより一層好適であり,ま
た,該微粉末は実質的に無孔である方が好ましい。
【0014】ここでいうN,N−ジメチルホルムアミド
吸着量とは,無機微粉末5gをガラス平板上に置き,
N,N−ジメチルホルムアミドを1滴滴下するごとにス
テンレス製のへらを用いて練り合わせる作業を繰り返
し,N,N−ジメチルホルムアミドの1滴で急激に軟ら
かくなる直前までに要したN,N−ジメチルホルムアミ
ドの体積(単位:ミリリットル)を意味しており,JI
S K−5101の煮あまに油の代わりにN,N−ジメ
チルホルムアミドを用いたものである。
【0015】本発明で用いられる無機微粉末は,その平
均粒径が1μm以下であることが必要で,かつN,N−
ジメチルホルムアミド吸着量が200ミリリットル/1
00g以上であることが必要であり,さらには,その平
均粒径が0.1μm以下で,かつ250ミリリットル/1
00g以上のN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量を
有するものであれば,本発明の効果の点でより一層好ま
しい。平均粒径が1μmを超えると,得られるコーティ
ング布帛の透湿膜の微細孔径が大きくなりすぎて防水性
能を低下させるので好ましくなく,また,N,N−ジメ
チルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/10
0g未満では,透湿膜の微細孔の数が少なくなり,高透
湿性能が得られないので好ましくない。
【0016】本発明に用いる無機微粉末は,後述のポリ
ウレタン樹脂主体の合成重合体に対し1重量%以上用い
ることが必要であり,好ましくは3重量%以上用いるの
がよい。1重量%未満では,得られるコーティング布帛
の透湿膜の微細孔数が少なくなり,高透湿性能が得られ
ない。
【0017】また,無機微粉末は,必ずしも高純度なも
のである必要はなく,不純物として他の無機物質,例え
ば,顔料,充填剤等が含有されていても何ら差し支えな
い。
【0018】本発明のポリウレタン樹脂主体の合成重合
体とは,ポリウレタン成分を50〜100重量%含むも
のをいい,その他の合成重合体としては,例えば,ポリ
アクリル酸,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリブタ
ジエン,ポリアミノ酸等やこれらの共重合体等を50重
量%未満の範囲で含んでいればよく,勿論,フッ素やシ
リコン等で変性した化合物も本発明で使用できる。
【0019】ポリウレタン樹脂自体は,ポリイソシアネ
ートとポリオールを反応せしめて得られる共重合体であ
り,イソシアネート成分として芳香族ジイソシアネー
ト,脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネ
ートの単独またはこれらの混合物を用い,例えば,トリ
レン2,4−ジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート,1,6−ヘキサンジイソシアネー
ト,1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等を用い,
また,ポリオール成分としては,ポリエーテルポリオー
ル,ポリエステルポリオールを用い,ポリエーテルポリ
オールは,ポリエチレングリコール,ポリプロピレング
リコール,ポリテトラメチレングリコール等を用い,ポ
リエステルポリオールは,エチレングリコール,プロピ
レングリコール等のジオールとアジピン酸,セバチン酸
等の2塩基酸との反応生成物やカプロラクトン等の開環
重合物を用いる。
【0020】本発明方法では,上述のごとき羊毛微粉末
および/または絹微粉末と無機微粉末とを含有するポリ
ウレタン樹脂主体の合成重合体の極性有機溶剤溶液を繊
維布帛上に塗布する。
【0021】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0022】本発明では,上記の繊維布帛に撥水剤処理
を施したものを用いてもよい。これは,製造時に樹脂溶
液の布帛内部への浸透を防ぐための一手段である。この
場合の撥水剤としては,パラフィン系撥水剤やポリシロ
キサン系撥水剤,フッ素系撥水剤等の公知のものでよ
く,その処理も,一般に行われているパディング法,ス
プレー法等の公知の方法で行えばよい。特に良好な撥水
性を必要とする場合にはフッ素系撥水剤を使用し,例え
ば,アサヒガード730(旭硝子株式会社製,フッ素系
撥水剤エマルジョン)を5%の水分散液でパディング
(絞り率35%)した後,160℃で1分間の熱処理を
行う方法等によって行えばよい。
【0023】前述のポリウレタン樹脂主体の合成重合体
溶液を繊維布帛に塗布するに際しては,通常のコーティ
ング法,例えば,ナイフコータ,コンマコータ,リバー
スコータ等を用いて適宜コーティングを行えばよいが,
目的とする0.5kgf/cm2 以上の耐水圧を得るために
は,繊維布帛のコーティング面の平滑性や通気度(JI
S L−1096法)により異なるが,一般的には樹脂
皮膜重量が5g/m2 以上,好ましくは10g/m2
上になるように塗布量を調節してコーティングを行うと
よい。
【0024】本発明では,樹脂層と繊維布帛間の耐剥離
性を向上させる目的で,樹脂や繊維布帛との親和性の高
い化合物を併用してもよく,その化合物としてイソシア
ネート化合物を併用するとよい。
【0025】イソシアネート化合物としては,2,4−ト
リレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシア
ネート,イソフォロンジイソシアネート,ヘキサメチレ
ンジイソシアネートまたはこれらのジイソシアネート類
3モルと活性水素を含有する化合物(例えば,トリメチ
ロールプロパン,グリセリン等)1モルとの付加反応に
よって得られるトリイソシアネート類が使用できる。上
記のイソシアネート類は,イソシアネート基が遊離した
形のものであっても,あるいはフェノール,メチルエチ
ルケトオキシム等を付加させることにより安定させ,そ
の後の熱処理によりブロックを解離させる形のものであ
ってもよく,作業性や用途等により適宜使い分ければよ
い。
【0026】イソシアネート化合物を使用する際の使用
量としては,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に対し
て0.1〜10重量%の割合で使用することが望ましい。
使用量が0.1重量%未満であれば,布帛に対する樹脂層
の接着力が低く,また,10重量%を超えると,風合が
硬化する傾向が認められるようになるので好ましくな
い。
【0027】上述のごときポリウレタン樹脂主体の合成
重合体からなる樹脂液を繊維布帛に塗布した後,本発明
では,0〜30℃の水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂
分の湿式凝固を行う。以下,40〜60℃の温水中で5
〜15分間の洗浄後,通常の方法で乾燥する。
【0028】本発明において,防水性をさらに向上させ
る目的で,湿式コーティング後にコーティング布帛に撥
水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,前述のよ
うな一般に実施されている公知の撥水処理方法を採用す
ればよい。また,さらに防水性能を向上させたいとき
は,本発明の湿式コーティング層の上に乾燥膜厚が0.5
〜2μm程度の無孔のポリウレタン樹脂層等を形成すれ
ばよい。湿式コーティング層が高耐水圧を有しているた
め,薄膜でも防水性能が相乗的に向上し,かつ透湿性能
の低下も少ない。
【0029】
【作 用】平均粒径1μm以下で,かつN,N−ジメチ
ルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/100
g以上の無機微粉末を均一に分散させたポリウレタン樹
脂主体の合成重合体溶液を布帛にコーティングして湿式
凝固を行うと,凝固液である水と樹脂溶媒であるN,N
−ジメチルホルムアミドが混和し,樹脂液から溶媒が速
やかに離脱していくことにより樹脂が凝固するが,その
際,平均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホ
ルムアミドの吸着量が200ミリリットル/100g以
上の無機微粉末が該樹脂溶液中に均一に分散している
と,無機微粉末の表面は他の部分に比べて樹脂溶液中に
おけるN,N−ジメチルホルムアミドの濃度が高く,言
い換えれば,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体の濃度
が低い状態にあり,このため湿式凝固過程において,凝
固液である水がまず無機微粉末表面のN,N−ジメチル
ホルムアミドと置き換わり,無機微粉末の周囲で速やか
に凝固がはじまり,その後に樹脂全体が凝固するので,
結果的に凝固速度が速くなり,ウレタン樹脂特有のハニ
カム構造の他に1μm以下の微細孔を無数に有する非常
にポーラスな形態となるものと推測している。
【0030】本発明では,形成された微細孔の微細性に
より優れた防水性が発揮されるとともに,無数に存在す
る微細な有孔により高透湿性能が発揮され,高透湿性防
水布帛に特有の,着用時に圧力が加わったとき問題が発
生しやすい漏水性に対しても非常に有効である。
【0031】このような透湿防水性コーティング布帛の
コーティング樹脂層の形成時に,コーティング樹脂溶液
中に平均粒径20μm以下の羊毛や絹の微粉末を含有せ
しめておくと,羊毛繊維や絹繊維は元々親水性であり,
水や汗等を吸着する能力があり,水や汗を吸着してもド
ライな感触を得る性質があるため,形成された樹脂層中
においても同様にその性能を発揮し,その結果,汗によ
るベトツキ感がなく,サラッとしたドライタッチな風合
の透湿防水性コーティング布帛となる。
【0032】
【実施例】以下,実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,実施例におけるコーティング布帛の性能の
測定および評価は,次の方法で行った。 (1)吸水性能(吸水率) 試料20cm×20cmのコーティング布帛について,絶乾
時の重量Aを測定後,水中に20分間浸漬し,次に,取
り出した試料の表面に付着している水滴を濾紙で拭き取
った後の試料の重量Bを測定し,次式によって吸水率を
算出した。 吸水率(%)=(B−A)/A×100 (2)コーティング面のドライ感 温度40℃,湿度90%の環境下にコーティング布帛を
1時間放置後のコーティング面の感触を,ハンドリング
により次の3段階で評価した。 ○───非常にドライタッチな感触 △───若干湿った感触 ×───ベトツキのある感触 (3)摩擦係数 ASTM D1894(ただし,湿条件は,試料および
金属板が完全に濡れる状態にして測定) (4)透湿度 JIS L−1099(A−1法) (5)耐水圧 JIS L−1096(低耐水圧法)
【0033】実施例1 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフィラメント7
0デニール68フィラメントを用いた経糸密度120本
/インチ,緯糸密度90本/インチの平織物を製織し,
通常の方法で精練および染色(三菱化成株式会社製,酸
性染料のDiacidFast Red 3BL 2%owf)を行った
後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード710
(旭硝子株式会社製)5%水溶液でパディング(絞り率
35%)して乾燥後,160℃で1分間の熱処理を行っ
た。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を用い
て,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度20m/分
の条件でカレンダー加工を行い,コーティング用の基布
を得た。
【0034】ここで,上述の基布上に樹脂固形分濃度2
8%でポリウレタン樹脂100部に対して無機微粉末を
10部,粒径10μmの絹の微粉末を10部添加せしめ
た下記処方1の樹脂溶液をナイフオーバーロールコータ
を用いて塗布量20g/m2で塗布した後,直ちに15
℃の水中に60秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続い
て,50℃の温水中で10分間洗浄を行った後,乾燥
し,基布上に絹の微粉末を含有するコーティング樹脂層
を形成した。 処方1 レザミン CU−4550 100部 (エステル型ポリウレタン樹脂,大日精化工業株式会社
製品) レザミン X 1部 (イソシアネート化合物,大日精化工業株式会社製品) ジメチルホルムアミド 25部 アエロジル R−974 3部 (平均粒径0.012μmのSiO2 ,日本アエロジル株
式会社製品) 絹繊維微粉末 10部 (粒径10μm,トスコ株式会社製品)
【0035】続いて,コーティング面を撥水処理すべ
く,アサヒガード710(明成化学株式会社製,フッ素
系撥水剤)5%の水溶液でパディング(絞り率35%)
後,乾燥し,150℃で1分間の熱処理を行い,本発明
の透湿防水性コーティング布帛を得た。
【0036】本発明との比較のため,本実施例の処方1
から絹繊維微粉末を省く他は,本実施例とまったく同一
の方法により比較用の透湿防水性コーティング布帛を得
た。
【0037】本発明および比較用の透湿防水性コーティ
ング布帛の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表
1に示した。
【表1】
【0038】表1に示す結果から明らかなように,本発
明の透湿防水性コーティング布帛は優れた吸水性能を有
するとともに,絹繊維の微粉末を適用したことにより,
その感触は高湿度の環境下においてもドライタッチであ
り,コーティング面も乾いた感触を有し,摩擦係数にお
いてもコーティング面の滑りがよく,また,透湿性能も
9000g/m2・24hrs 以上,耐水圧0.5kgf /cm
2 以上と良好であることが分かる。
【0039】実施例2 前記実施例1において,処方1の絹繊維微粉末10部に
代えて粒径7μmの羊毛繊維微粉末(トスコ株式会社製
品)10部を用いる他は,実施例1とまったく同一の方
法により本発明の透湿防水性コーティング布帛を得た。
【0040】本発明との比較のため,本実施例において
上記処方から羊毛繊維微粉末を省く他は,本実施例とま
ったく同一の方法により比較用の透湿防水性コーティン
グ布帛を得た。
【0041】本発明および比較用の透湿防水性コーティ
ング布帛の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表
2に示した。
【表2】
【0042】表2より明らかなごとく,本発明の透湿防
水性コーティング布帛は,優れた吸水性能を有するとと
もに,羊毛繊維の微粉末を適用したことにより,その感
触は高湿度の環境下においてもドライタッチで,コーテ
ィング面も乾いた感触を有しており,摩擦係数において
もコーティング面の滑りがよく,さらに,透湿性能も9
000g/m2・24hrs 以上,耐水圧0.5kgf /cm2
以上と非常に良好であることが分かる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば,優れた吸水性能および
湿った状態でのコーティング面のサラサラしたドライな
感触を有し,透湿性も耐水圧も高性能の透湿防水性コー
ティング布帛を得ることができる。本発明の透湿防水性
コーティング布帛によるウィンドブレーカー等は,着用
時において肌とコーティング面のまつわりつきがないの
で,着心地が快適である。これらの特性により,本発明
の透湿防水性コーティング布帛は,特にスポーツ衣料や
雨衣,登山服に適した素材である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が20μm以下の羊毛微粉末お
    よび/または絹微粉末と,平均粒径が1μm以下で,か
    つN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリ
    リットル/100g以上の無機微粉末とを含有するポリ
    ウレタン樹脂主体の合成重合体の極性有機溶剤溶液を繊
    維布帛上に塗布し,しかる後に水中に浸漬して樹脂分を
    凝固せしめることを特徴とする透湿防水性コーティング
    布帛の製造方法。
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