JPH09316014A - 2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法 - Google Patents
2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法Info
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- JPH09316014A JPH09316014A JP8137796A JP13779696A JPH09316014A JP H09316014 A JPH09316014 A JP H09316014A JP 8137796 A JP8137796 A JP 8137796A JP 13779696 A JP13779696 A JP 13779696A JP H09316014 A JPH09316014 A JP H09316014A
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- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract
て生産する場合、それぞれ別々の吸着剤が必要であり、
経済的に不利であった。 【解決手段】DCT異性体混合物から、2,4−DCT
または2,6−DCTを、高純度で効率良く分離する方
法において、吸着剤として、銀およびプロトンを含むナ
トリウムタイプのX型フォージャサイトを用いることに
より、同一の吸着剤で2,4−DCTまたは2,6−D
CTを高純度で効率良く分離回収できる。
Description
異性体混合物から2、4−ジクロロトルエン(以下ジク
ロロトルエンをDCTと略す)または2,6−DCTを
分離回収する方法に関する。
中間体や農薬原料として産業界各方面で利用されている
有用な物質である。
素化してDCTを製造する際には、種々の異性体が生ず
る。すなわち、沸点約200℃の2,4−DCT、2,
6−DCT、2,5−DCTおよび、沸点約209℃の
2,3−DCT、3,4−DCTである。これら異性体
の混合物は沸点差が小さいため、蒸留により2,4−D
CT、2,6−DCTを高純度で回収することは困難で
あり、吸着分離による方法が適している。例えばDCT
異性体混合物からゼオライト吸着剤を用いて2,4−D
CTを吸着分離する方法が特公平2−36577号公
報、特開平5−70383公報に開示されており、2、
6−DCTを吸着分離する方法が特公平1−45457
公報に開示されているが、工業的な生産方法としては効
率が悪い。すなわち上記の方法はすべて、2,4−DC
T、2,6−DCTについてそれぞれ別々の吸着剤を必
要とするという点である。これらの方法で工業的に2,
4−DCT、2,6−DCTを生産する場合には、それ
ぞれ別々の吸着分離工程を持つプラントの必要性が生じ
る。しかしDCTの様なファインケミカル商品を生産す
る場合、ふたつの吸着工程を持つ方法よりも、ひとつの
吸着工程で需要に合わせて多品種を生産する方法のほう
が経済的メリットが大きい。そのため従来の技術で経済
的に2,4−DCTと2,6−DCTを生産しようと
し、ふたつの吸着工程を持つ方法を採用しない場合、生
産計画に合わせて吸着剤を詰め替える必要性が生じてい
た。
法は、ふたつの吸着工程を持つ方法より経済的に優れて
いるとは言え、詰め替え作業の省略による更なる経済性
の向上は長い間の課題であった。本発明は、この様な問
題点を解決し、DCT異性体混合物から同一の吸着剤に
より2,4−DCTと2,6−DCTを、高純度で効率
良く分離することができる方法を提供しようとするもの
である。
体混合物から、同一の吸着剤により2,4−DCTおよ
び2,6−DCTを、高純度で効率良く分離する方法に
関して鋭意検討を重ねた結果、特定の吸着剤を用いて吸
着分離を行う事により、同一の吸着剤で2,4−DCT
をラフィネート成分として、または2,6−DCTをエ
クストラクト成分として、高純度で効率良く分離回収で
きる事を見出し本発明に到達した。すなわち本発明は、
DCT異性体混合物から、2,4−DCTまたは2,6
−DCTを吸着分離するに際し、同一の吸着剤により
2,4−DCTをラフィネート成分として、および2,
6−DCTをエクストラクト成分として分離回収するこ
とができる吸着剤を使用する事を特徴とする、2,4−
DCTまたは2,6−DCTの分離方法である。
異性体混合物は、一般にはトルエンまたはモノクロロト
ルエンの塩素化によって得られるものであり、2、4−
DCT、2,6−DCT、2,5−DCT、2,3−D
CT、3,4−DCTを含有する。
ト型ゼオライトとは次式で示される結晶性アルミノシリ
ケートである。
SiO2 :yH2 O ここで、Mは金属カチオンまたはプロトンを示し、nは
その原子価を表す。フォージャサイト型ゼオライトはX
型とY型とに分類され、X型では上式のxは、2.5±
0.5であり、Y型では上式のxは3〜6である。ま
た、yは水和の程度により異なる。フォージャサイト型
ゼオライトは通常、カチオンとしてナトリウムを含む形
で得られるが、このカチオンはイオン交換により様々な
カチオンに置き換えることができる。
ゼオライトにおいて、カチオンMは銀、プロトン、ナト
リウムの3種で構成される。また、吸着剤は、ゼオライ
トのみを固めて造粒したものでも、アルミナや粘土等の
バインダーと共に造粒したものでも良い。一般にX型ゼ
オライトはカチオンMがナトリムであるタイプのものが
入手される。カチオンMはイオン交換により、他の金属
カチオンに交換することができる。カチオン交換の方法
は通常、目的のカチオンを含む化合物、例えば塩酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物などの水溶液にゼオ
ライトを接触させることにより実施される。プロトンに
交換する場合は塩酸、硝酸、硫酸などの水溶液とゼオラ
イトを接触させる方法のほか、アンモニウムイオンを含
む化合物、例えば塩化アンモニウムや硝酸アンモニウム
の水溶液にゼオライトを接触させてアンモニウムカチオ
ンとした後、焼成によりアンモニアを脱離させプロトン
とする方法が有る。イオン交換量はカチオンの種類によ
り異なるが、水溶液の濃度、交換時の温度などにより任
意に設定することができる。イオン交換処理後には、十
分に水洗し、交換されて水溶液中に溶出したナトリウム
イオンや、例えば塩素イオン、硝酸イオンなどを除去す
る。
ウムタイプのX型ゼオライトのナトリウムの一部を、銀
およびプロトンでカチオン交換することにより得られ
る。
銀およびプロトンが、それぞれX型ゼオライトの交換前
のナトリウムに対し3当量%以上から20当量%以下の
範囲である。カチオン交換は同時に行っても良いし、順
番に行っても良い。順番に行う場合、間に焼成作業をは
さんでも構わない。
中の結晶水を除去する。通常は200〜600℃で焼成
することにより、結晶水をほとんど除去することができ
る。本発明の方法で2,4−DCTおよび2、6−DC
Tを吸着分離するための技術は、いわゆるクロマト分取
法であってもよいし、これを連続化した擬似移動床によ
る吸着分離方法でもよい。擬似移動床の場合、2,4−
DCTは最も吸着され難い物質としてラフィネート流れ
中に回収され、2,6−DCTは最も吸着されやすい物
質としてエクストラクト流れ中に回収される。
本的操作としては次に示す吸着操作、濃縮操作、脱着操
作を連続的に循環して実施される。
剤と接触し、弱吸着成分を選択的に残して強吸着成分が
吸着される。強吸着成分はエクストラクト成分としてあ
とで述べる脱着剤とともに回収される。
ィネートはさらに吸着剤と接触させられ強吸着成分が選
択的に吸着されて、ラフィーネート中の弱吸着成分が高
純化される。
ラフィネートとして回収され、一方、強吸着成分は脱着
剤によって吸着剤から追出され、脱着剤をともなってエ
クストラクト成分として回収される。
るいはクロマト分取に使用する展開剤は、吸着剤に吸着
したDCTを効率良く脱着できる事、および蒸留等によ
りDCTと容易に分離できること等の特性が要求され
る。このような特性を満足する吸着剤としては、種々の
アルキル置換ベンゼン誘導体が利用できる。具体的には
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼ
ンなどが挙げられる。特に好ましいのは、o−キシレン
とp−キシレンの混合物である。これらの化合物は、1
種でも2種以上混合しても良い。
温度は室温から350℃、好ましくは50〜250℃で
あり、圧力は大気圧から5MPa、好ましくは大気圧か
ら4MPaである。本発明による吸着分離は気相でも液
相でもよいが、操作温度を低くして原料供給物あるいは
脱着剤の好ましくない副反応を抑えるために液相で実施
するのが好ましい。
る。
式(1)の吸着選択率(α)をもって表す。
は吸着相を、Lは吸着相と平衡状態にある液相を示す。
上式の値が1より大のときA成分が選択的に吸着され、
1より小のときはB成分が選択的に吸着される。また、
上式のα値が1より大なる吸着剤(あるいは1より小さ
く0に近い吸着剤)ほどAとBの吸着分離が容易とな
る。
列は2,6−DCT>2,3−DCT>3,4−DCT
>2,5−DCT>2,4−DCTとなるため、2,6
−DCTの分離に関してはA=2,6−DCT、B=
2,3−DCTの時のα値、2,4−DCTの分離に関
してはA=2,5−DCT、B=2,4−DCTの時の
α値が、共に1より大で、かつ共に1より著しく大きく
離れた数値である事が必要である。
着序列は2,6−DCT>2,3−DCT>2,5−D
CT>3,4−DCT>2,4−DCTとなるため、
2,6−DCTの分離に関してはA=2,6−DCT、
B=2,3−DCTの時のα値が、1より大で、かつ1
より著しく大きく離れた数値である事が必要である。
2,4−DCTの分離に関してはA=3,4−DCT、
B=2,4−DCTの時のα値が、1より大で、かつ1
より著しく大きく離れた数値である事が必要であるが、
実際には工業的に入手しやすいDCT異性体混合物に含
まれる、3,4−DCTの濃度が数%以下と低いので、
2,4−DCTの分離に関しても実施例1と同じくA=
2,5−DCT、B=2,4−DCTの時のα値が、1
より大で、かつ1より著しく大きく離れた数値である事
が必要である。
サイト型ゼオライト(東ソー、ゼオラムF9)の造粒品
を500℃で約1時間焼成した後、Agカチオンを含む
水溶液で処理し、水洗後乾燥し、500℃で約1時間焼
成した。続いてアンモニウムイオンを含む水溶液で処理
し、水洗後乾燥し、500℃で約1時間焼成し0.10
H−0.05Ag−Na−X、0.20H−0.05A
g−Na−X、0.20H−0.1Ag−Na−Xの各
吸着剤を調製した。ここで表記した吸着剤のH,Agの
前にある数字は、例えば0.10H−0.05Ag−N
a−Xという場合、Na−X型ゼオライトに含まれるナ
トリウムカチオンの10当量%のアンモニウムイオンを
含む水溶液でイオン交換し、5当量%のAgカチオン含
む水溶液でイオン交換した事を示す。この吸着剤約2g
を、500℃で約1時間焼成した後、デシケーター中で
冷却し、DCT異性体と脱着剤の混合物約2.5mlと
共に6mlのオートクレーブ内に充填し、150℃で3
0分間、時々撹拌しながら放置した。仕込んだDCT異
性体と脱着剤の混合物の組成比は、2,5−DCT:
2,6−DCT:2,4−DCT:3,4−DCT:
2,3−DCT:脱着剤=10:10:10:10:1
0:50(重量比)であった。さらにガスクロマトグラ
フィー分析での基準物質として5重量%のn−ノナンを
同時に仕込んだ。n−ノナンは、上記実験条件下では実
質的に吸着剤に対し不活性な物質である。吸着剤と接触
させた後の液相混合物の組成を分析し、上記式(1)を
用いて吸着選択率αを求めた。結果を表1に示す。
Na−X、2,4−DCTのみ分離可能な0.2Mg−
Na−Xを使用した他は、実施例1〜4と同様にして実
験を行った。吸着剤と接触させた後の液相混合物の組成
を分析し、上記式(1)を用いて吸着選択率αを求め
た。結果を表1に示す。
径4.75mmのステンレスカラムに充填し、150℃
のオイルバス中においてo−キシレンとp−キシレンの
混合物である脱着剤を約1.8ml/minの流量で流
した。脱着剤を流している状態で、分離原料であるDC
T異性体混合物を約1.6mlカラム入口に導入した。
導入したDCT異性体混合物の組成比は、2,5−DC
T:2,6−DCT:2,4−DCT:2,3−DC
T:=40.7:35.7:23.2:0.3(重量
比)である。続いてカラム出口から流出してくる液をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、導入後約
6.5分後に2,4−DCTが流出しはじめた。さらに
定期的に流出液を分析して得られた流出曲線を図1に示
す。図1から、2,4−DCTをラフィネート成分とし
て、または2,6−DCTをエクストラクト成分として
分離できることは明らかである。
体混合物から、2,4−ジクロロトルエンまたは2,6
−ジクロロトルエンを、効率良く、高純度で分離回収す
る事ができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 ジクロロトルエン異性体混合物から、同
一の吸着剤により2,4−ジクロロトルエンをラフィネ
ート成分として、および2,6−ジクロロトルエンをエ
クストラクト成分として分離回収できる吸着剤を用い
て、2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−ジクロロ
トルエンを吸着分離するに際し、吸着剤に含まれるゼオ
ライトが交換性カチオンとして銀およびプロトンを含む
ナトリウムタイプのX型フォージャサイトであることを
特徴とする、2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−
ジクロロトルエンの分離方法。 - 【請求項2】 ジクロロトルエン異性体混合物から、同
一の吸着剤により2,4−ジクロロトルエンまたは2,
6−ジクロロトルエンを吸着分離するに際し、脱着剤と
してアルキルベンゼン置換体化合物を使用することを特
徴とする請求項1記載の、2,4−ジクロロトルエンま
たは2,6−ジクロロトルエンの分離方法。 - 【請求項3】 吸着剤に含まれるゼオライトであるナト
リウムタイプのX型フォージャサイトの交換性カチオン
の銀およびプロトンが、それぞれ交換前のナトリウムに
対して3当量%以上、20当量%以下であることを特徴
とする、請求項1または2記載の2,4−ジクロロトル
エンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法。 - 【請求項4】 脱着剤として使用するアルキルベンゼン
置換体化合物が、2置換アルキルベンゼンであることを
特徴とする、請求項2または3記載の2,4−ジクロロ
トルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法。 - 【請求項5】 脱着剤として使用するアルキルベンゼン
置換体化合物が、o−キシレン、m−キシレン、p−キ
シレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する、請求項4記載の2,4−ジクロロトルエンまたは
2,6−ジクロロトルエンの分離方法。 - 【請求項6】 脱着剤として使用するアルキルベンゼン
置換体化合物が、o−キシレン、m−キシレン、p−キ
シレンの中から選ばれた少なくとも2種類からなる混合
物であることを特徴とする、請求項5記載の2,4−ジ
クロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離
方法。 - 【請求項7】 脱着剤として使用するアルキルベンゼン
置換体化合物が、o−キシレンとp−キシレンの混合物
であることを特徴とする、請求項6記載の2,4−ジク
ロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8137796A JPH09316014A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8137796A JPH09316014A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316014A true JPH09316014A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15207058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8137796A Pending JPH09316014A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 2,4−ジクロロトルエンまたは2,6−ジクロロトルエンの分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316014A (ja) |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP8137796A patent/JPH09316014A/ja active Pending
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