JPH09313482A - レーザーを利用した歯科x線規格撮影装置 - Google Patents

レーザーを利用した歯科x線規格撮影装置

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JPH09313482A
JPH09313482A JP8160708A JP16070896A JPH09313482A JP H09313482 A JPH09313482 A JP H09313482A JP 8160708 A JP8160708 A JP 8160708A JP 16070896 A JP16070896 A JP 16070896A JP H09313482 A JPH09313482 A JP H09313482A
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ray
holding device
irradiation
dental
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JP8160708A
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English (en)
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Riyuusuke Sakagami
竜資 坂上
Hiromu Kato
熈 加藤
Yasuyuki Tsuchida
泰之 土田
Ikuyo Kiroko
幾代 木呂子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科用X線写真を規格化して撮影し、日常臨
床において簡便かつ客観的に一定期間経過後の写真の比
較ができるようにし、さらに、コンピュータにX線画像
を取り込んで演算を行うX線サブトラクションを可能と
する高精度な規格撮影装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 レーザーなどのスポット光を発射する装置1
3を内蔵した照準装置15をX線照射筒17に接続す
る。照準装置内の反射板14で光を反射させて照射筒の
中央、つまり照射野の中心を通す。この光を患者が口腔
内で押さえる保持装置の標的7に当て、ここから反射し
た光をさらに、照射筒前面に設けたスクリーン10に投
影する。光がスクリーン10の中央部に来るように照射
筒を移動することによって常に、歯1、X線フィルム5
と、X線源が一定の位置関係となる。保持装置には歯の
咬合面を印象材8で印記し、保持装置を保管し再撮影の
際に再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は歯科臨床のX線写真撮影におい
て、同一部位を同一条件下で再撮影し、また現像条件の
違いをX線写真上で黒化度補正することで規格化しよう
とするものであり、本発明により患者の歯や歯周組織の
経時的変化を厳密に判定することが可能となる。本発明
にて撮影されたX線写真は、同一部位2枚の写真を並べ
て比較するのみでなく、歯科X線サブトラクション撮影
装置の一部としても機能する。すなわち、本装置によっ
て得られた同一部位2牧のX線写真をフィルムスキャナ
ーを用いてコンピュータに取り込み、黒化度の補正後に
2枚の写真の黒化度差を求めることで、骨の生成や吸収
を算出できる。また、X線受容部にはフィルムの代わり
にCCDセンサーなど 他のX線センサーを用いること
も可能であり、この場合は直に画像情報をコンピュータ
に取り込める。
【従来の技術】
【0002】X線写真は日常歯科臨床において欠かすこ
とのできない診査法のひとつである。X線写真撮影時に
は、指でフィルムを押さえるか、汎用の規格化ホルダー
が用いられてきたが、通常のこれらの方法では撮影毎に
位置付けが変化するので、治療効果の厳密な判定資料と
してあまり役立てることができなかった。
【0003】歯科X線サブトラクションの原理は、治療
の前後、または一定期間後の治療効果の判定を目的とし
て、2枚のX線写真を正確に同一部位にて撮影し、コン
ピュータに画像を取り込んでX線写真の黒化度差を求め
るものである。従って、X線の線源、被写体、フィルム
の3次元的な位置関係を変えずに記録しておく必要があ
るが、サブトラクションを目的として開発された規格撮
影装置はなかった。このため、従来のX線撮影では、再
現性が乏しく、同一部位の治療効果の判定は不明確であ
った。また、X線フィルムを使用する時には、黒化度の
違いを補正するために、X線不透過性の基準となる物体
を同時に写し込む必要がある。このX線不透過性物体を
被写体と重なることなしに位置づけることができなかっ
た。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】従来のエックス線撮影装置としては、フィ
ルムの保持装置と照射筒を接続するものと接続しないも
のが種々考案されている。両者を接続する装置は主に研
究目的で使用され、より高い精度が要求された。両者を
接続しない装置は不正確ではあるが、ある程度の規格化
は期待できるので今日臨床的に広く用いられている。
【0005】照射筒と連結する保持装置には、様々な形
態のものが考案されている。フィルムと歯や歯周組織と
の位置的関係は、保持装置によって全顎や一部の歯の咬
合面を印記することによって記録される。しかし、この
保持装置と照射筒を連結しようとする際には、微妙なず
れが生じやすかった。これは特に照射筒の可動性が悪い
ときに見受けられ、位置決めの調整に時間がかかった。
無理に保持装置と照射筒を連結しようとすると、保持装
置が患者の口腔内で動いて歯肉に当たるので、患者にと
っては痛みを伴い苦痛となった。
【0006】この欠点を解消するために、保持装置と照
射筒を直接連結せずに使用する方法も考案されている。
しかし、保持装置に指示棒を取り付け、この指示棒に照
射筒を近づけるなどの方法では位置決めの際に誤差を生
じ易く正確ではなかった。
【0007】さらに、保持装置と照射筒を連結しない別
の方法として、複数のスポット光を用いる方法も考案さ
れている。しかし、位置決めのために複数のスポット光
にてフィルムホルダーの的を狙う方法では、術者が細心
の注意を払って撮影に当たらなければ、いずれかのスポ
ット光を患者の眼球に誤照射する可能性があり、術者の
熟練を要するものと考えられた。また、複数のスポット
光を使用すると、全てのスポット光の照射位置を合わせ
るので、単一のスポット光より位置決めが難しいと考え
られた。さらに、この方法の難点は、位置決め後にレー
ザー光の的となっているフィルムホルダーの一部を取り
外して撮影しなくてはならないことで、この操作が位置
ずれの原因となりえた。より簡単に正確に位置決めを行
え、撮影時に装置を取り外す必要のない新しい方法の出
現が望まれた。
【0008】さらに、2枚の写真を比較する際には正確
な位置付けのみならず、黒化度の補正も必要となる。こ
の黒化度の差は、撮影・現像条件の違いなどから生じ、
既知の基準となる物体を写し込むことによって対応す
る。従来は黒化度補正のために、咬合面に銅箔、アルミ
ニウム板などの金属階段を付与していたが、金属階段の
像と歯や咬合印記材の不透過像が重なってしまうので正
確な黒化度補正が不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】従来の問題を解決するため、より容易に短
時間で正確に位置決めの決定ができるX線規格撮影装置
を開発する。位置決めにはレーザー光などのスポット可
視光線を用いた照準装置を用いる。一本のレーザー光が
照射野の中心を通るように設定し、このレーザー光を患
者が口腔内で押さえる保持装置の標的に当て、この標的
からの反射光を照準装置の前面に設けたスクリーンに誘
導する、あるいは、保持装置にレーザー光の通過孔を設
けて標的に光を当てることで、常に照射筒が保持装置に
対して一定方向に向かう位置に誘導する。撮影部位の患
者の咬合面を保持装置上に咬合採得しておくことで、保
持装置を保存・再利用して簡単に規格撮影が可能とな
る。
【0010】現像条件の違いなどによって生じる黒化度
の補正は、X線写真をコンピュータに取り込んで処理す
る。すなわち、写真上に写された銅箔やアルミニウム階
段などを基準として、骨の密度を銅箔やアルミニウムの
厚さに換算する。黒化度補正によって初めて、前後2枚
のX線写真の黒化度差を計算するディジタルサブトラク
ションが可能となる。銅箔などの黒化度補正材料は咬合
印記材などが重なり合わない咬合面寄りの位置に設定す
る。
【作用】
【0011】本装置により、歯科治療、特に歯周治療、
歯内療法や、歯科インプラント治療を行った後の治療効
果の判定が可能になる。治療前後での効果判定が客観的
に可能であり、治療方針の決定に有益な情報を収集する
ことができる。また、一定期間後の変化を見ることで、
予後の判定、すなわち歯の寿命の予測がつき、患者への
病状の説明の一助となる。例えば、1年後の撮影で5%
の骨吸収を認めたとすると、今後の10年で50%の骨
吸収が予想されることを客観的に患者に説明でき、治療
の必要性や、病変の進行防止のための患者の口腔清掃を
動機づける一助となる。
【実施例】
【0012】レーザー光などのスポット光を用いたX線
規格撮影装置の模式図を図1に示す。レーザーなどのス
ポット光発生装置13と光源11を内蔵した照準装置1
5をX線照射筒17に接続する。X線照射筒17は既製
のものを使用してこれに、スポット光付きの照準装置1
5をネジ16などで止めて固定する。あるいは、この照
準装置はX線照射筒に予め組み込んでも良い。
【0013】照準装置内の反射板14でスポット光9を
反射させて照射筒の中央、すなわち照射野の中心を通る
ように設定する。この光を患者が口腔内で押さえる保持
装置の標的7に当て、ここから反射した光をさらに、照
射筒前面に設けたスクリーン10に投影する。投影され
た光がスクリーン10の中央部に来るように照射筒を移
動することによって常に、歯1、X線フィルム5と、X
線源が一定の位置関係となる。保持装置には歯の咬合面
を印象材8で印記するので、簡便に復位が可能で、保持
装置を再利用することによって、一定期間経過後に再現
性をもって再撮影が可能となる。さらに、銅箔やアルミ
ニウム階段6を歯1や印象材8よりも咬合面よりの位置
に置くことで、歯や印象材と重なることなく、X線フィ
ルム上に黒化度の基準となる銅箔やアルミニウムが写し
込まれる。
【0014】本発明による規格撮影の位置決めの方法を
図2及び図3を用いて再度説明する。図2(a)では照
準装置から発射された光は保持装置の標的に当たっては
いるが、中心に垂直に当たってはいない。このときのス
クリーン上の像19を図3(a)に示す。そこで、照射
筒の位置を修正し、スクリーン上に写された像19が図
3(b)に示すスクリーン中央の位置にくるように誘導
する。このような操作で、照射筒は図2(b)の正しい
位置へ誘導される。
【0015】図2に示すようにレーザーポインタなどの
スポット光を発生させる装置は照準装置の側面に位置
し、反射板14で光を反射させてX線照射野の中央部を
通す。この反射板は、アクリル板などのX線をある程度
透過する材料に鏡面加工を施したものとし、X線照射筒
の側面に取り付けたスポット光発射装置から出されたス
ポット光がX線照射筒中央部を通るが、スポット光照射
装置自体は撮影野に入らない様に設計される。
【0016】照射筒の中心線上をスポット光が通る構造
は、より単純に、予めレーザーポインタなどのスポット
光発射装置を照射筒の前面に置いておくことによっても
可能である。X線撮影時には単純にスポット光発射装置
自体を取り外す方法や、撮影時に照射野の外にスポット
光発射装置を移動する方法が可能である。移動の方法と
しては、図4に示すように横あるいは縦方向にスポット
光発射装置を静かにスライドさせる方法や、図5に示す
ように回転軸24を中心に回転移動させる方法、図6に
示すように照準装置の縁に蝶番25を設け、これを軸に
してスポット光発射装置を照射野外へ回転して出す方法
などが可能である。しかし、撮影直前にこれらの移動の
操作を行うことは位置ずれの原因を作りやすく、反射板
14で反射させる図2で示す方法と比べると操作も煩雑
なので好ましくない。
【0017】図2で示すように反射板14にて進路を変
えられたスポット光9は、X線照射筒17の中心線上、
すなわち照射野の中心を通過することが望ましい。もし
偏心すると、照射筒7が回転した場合に位置ずれが起こ
るからである。例えば、スポット光を照射筒の中心線上
を通さない設計とするならば、図7に示すように、位置
決めのためには複数のスポット光9を発射しなくてはな
らない。このように、単一ではなく複数のスポット光を
保持装置の標的に当て、保持装置からの反射光を照準装
置に設けたスクリーン26上に投影して照射筒の位置決
めをする方法では位置決めが難しい。なぜならば、術者
が一つの焦点を合わせる操作に集中すると、他の焦点を
移動してしまうからである。
【0018】図8に保持装置にレーザー光を通る孔29
を設け、この孔にレーザー光を通過させて標的に当てる
ことで位置決めを可能にする装置の断面図を示す。この
保持装置も光を反射させる前述の図2に示す装置と同様
に、X線照射装置と保持装置を連結することなしに両者
の位置関係を一定に保つことができる。
【0019】距離の調整は、図9に示すようにスクリー
ンの前面に設けたスペーサー30によると可能である。
このスペーサーの端に保持装置がくるように位置合わせ
をすれば撮影距離は簡単に一定に保つことができる。ま
た、この距離測定はより単純にメジャーによって測る方
法を採ってもよい。さらに、スポット光の進路に凸レン
ズや凹面鏡などを挿入し、スポット光の拡散の仕方から
距離を一定に保つ方法も可能である。
【0020】いずれにしても、照射筒の中心線上を通る
スポット光をガイドにして位置を合わせる本発明の方法
を採用すれば、照射筒と保持装置との距離の誤差はX線
写真の再現性を得る上では大きな位置ずれの原因とはな
らない。特に長い照射筒を用いる撮影方法、すなわちロ
ングコーンテクニックを使用する場合、照射筒から保持
装置までの距離の差はX線写真上の拡大率のわずかな差
となって表れるだけである。
【0021】保持装置の咬合印記部は、図10のように
前歯部の咬翼法として、上下の歯を一緒に印記して撮影
する形態が可能である。その際は、アルミニウム階段6
を上顎と下顎の咬合印記部の間に挿入することで、歯や
咬合印記材がX線写真に重ねて写し込まれることを防ぐ
ことができる。また、図11に示す前歯部用の保持装置
のように前歯部を印記する形態や、図12に示す臼歯部
用の保持装置のように上顎あるいは下顎のうち一方の臼
歯部を印記する方法が可能である。もし、図11に示す
ような前歯部用の保持装置を臼歯部に用いると、頬粘膜
が障害となって標的7に直接光を当てることができな
い。そこで、臼歯部では頬粘膜を避ける目的で、鈎腕3
1を延ばして標的をその先に設定する必要がある。臼歯
部用の保持装置は左側用と右側用の2種類が必要であ
る。なお、右上臼歯部用と左下臼歯部用、左上臼歯部用
と右下臼歯部用は同じ物を使用できる。図には示してい
ないが、臼歯部用の咬翼法においては図10の装置にさ
らに図12に示す鈎腕31を付与する形態となる。これ
らの保持装置は、X線透過性の板の貼り合わせでも一体
成型によってでも製作できる。保持装置はアクリル板の
ようななるべくX線透過性の材質とし、数枚張り合わせ
てもよいし材料を型に流し込んで一体成型してもよい。
【0022】図13と図14は、図8に示したシステム
で使用する保持装置である。保持装置に設けた孔29を
通過した光は標的7に当たるように設計されている。図
13と図14の形態は、図11と図12のそれぞれの形
態に、レーザー通過孔へ延びた鈎腕28とレーザー光が
通る孔29を付加したものである。
【0023】保持装置の咬合印記部は、図11〜14の
ように一部の歯の咬合面のみを覆うようにしてもよい
し、図15のように多数の歯を覆うようにしてもよい。
咬合印記部の作り方は、図15のように歯列の石膏模型
33をあらかじめ制作しておき、模型上でステント32
を制作することでさらに精度の高いものとすることがで
きる。このステントは、レジンなどの変形の少ない材料
を使用し、歯列の全部を覆うようにしてもよいし一部を
覆うようにしてもよい。
【0024】本X線規格撮影装置は、撮影予定の当該歯
のみの咬合状態が変化していなければ、他の歯の状態の
変化があったとしても正確に再撮影できるという長所を
有している。もし、当該歯に咬合状態の変化があるとき
には、保持装置の咬合印記部を削除して再度調整する必
要が生じる。しかし、術者は通常は咬合状態の変化を前
もって予想して治療計画を立案しているので大きな咬合
状態の変化は生じないであろう。
【0025】保持装置を口腔内で押さえる目的で図16
に示すように、保持用の棒34を保持装置に付けること
も可能である。棒を付与することによって手指に対する
X線被爆を軽減できる効果がある。また、図17に示す
ようにX線フィルムの代用として、CCDセンサー35
やイメージングプレートといった他のX線センサーを用
いてもよい。その際は感染防御の目的でこれらの器具を
プラスチックの袋やケースに入れて保持装置に組み込ん
で使用する。
【0026】以下に、例として、歯科用X線フィルムを
用いて図2で示した、スクリーンへ反射する方式を採用
した場合の撮影手順を詳しく紹介する。まず患者の口腔
内の撮影予定部位に、予め製作した保持装置を挿入して
口腔内で当たって痛い部位が無いかどうかを確認する。
次に撮影側の歯にワセリンを塗付し、保持装置の咬合印
記部の咬合面に即時重合レジンや歯科用印象材のような
即硬性で経時的変化の少ない材料で上、下顎のどちら
か、または両方の咬合面を印記する。もし歯科用印象材
を用いるのであれば、ラバー系印象材のように精度が高
くて経時的な変化が少ない材料が好ましい。
【0027】次に、一度口腔外に保持装置を取り出し、
保持装置にX線フィルムなどのX線受光体を組み込む。
X線フィルムの保持装置への付着はセロテープや両面テ
ープで簡便に貼り付けても良いし、保持装置部のフィル
ム付着面の上下端を折曲げてフィルムを保持できるよう
にしても良い。
【0028】次に濃度補正用の銅箔またはアルミニウム
階段6を取り付け、再び保持装置を口腔内に挿入する。
使用される銅箔やアルミニウム階段は、それ自体がX線
不透過度の基準となるので、被写体や咬合面印記のため
の印象材8などとX線像が重なり合わないように位置づ
けすることが必要である。本装置では、例えば下顎の歯
を撮影する場合は、銅箔やアルミニウム階段を保持用の
印象材よりも上の位置に置くので、歯や印象材とのX線
像の重なりはない。
【0029】位置決めに際しては、頭部を座椅子の安頭
台に固定して動かないようにと患者に対して指示する。
保持装置は、患者自らが指や棒34で保持する。その
後、撮影者はX線照射筒に取り付けたスポット光付きの
照準装置15を保持装置の近くの位置まで移動し、スポ
ット光のスイッチを入れる。まず、スポット光が保持装
置の標的7に当たるのを確認し、さらに照射筒17の角
度を合わせる。保持装置の標的から跳ね返った光が、照
準装置に設けられたスクリーン10の中央に入る位置が
求める照射筒の位置である。照射筒の位置が確定した
ら、今度は照射筒と保持装置の距離が合っているのを確
認する。スポット光のスイッチは切らずに、そのままの
状態でX線を照射する。撮影者は念のため、スポット光
の位置がずれていないのをX線照射後にも確認する。
【0030】位置合わせをより容易にするためには、照
準装置15の大部分は可能な限り透明にしたほうがよ
い。また、スクリーン10は半透明にすることによっ
て、照射筒の後面方向、つまりX線の線源方向からでも
スクリーン上に投影された光点の確認が可能となる。こ
のことにより、撮影者がいちいち照射筒の前方に移動す
ることなく後方から簡便に位置決めができるので、時間
的な無駄がない。
【0031】レーザー光を使用する際には、患者と撮影
者の眼に光が誤射されるのを防ぐために両者が防御用の
眼鏡をかけた方が良い。しかし、ある程度撮影者の技術
が上達すると、保持装置からの反射光は常にスクリーン
10上に投影されるので撮影者の眼に直接スポット光が
入ることはない。
【0032】撮影後に患者の口腔内から保持装置を取り
出し、フィルム5を現像する。この保持装置を次回の撮
影時まで保管しておく。保持装置には、後で確認できる
ように、患者氏名、撮影年月日を記入し、印記された印
象材上で歯番が認識できるようにメモを記入しておく。
次回撮影時は、保持装置が口腔内に復位するのを確認し
た後に上記の手順を再度行う。
【0033】同一部位で撮影された2枚のX線写真は並
べて比較する事が可能である。しかし、より正確にその
差を比較するためにはディジタルサブトラクションテク
ニックを用いることができる。すなわち、コンピュータ
に画像を取り込んで基準となる金属階段の厚さに黒化度
を換算して補正し、1枚目の画像から2枚目の画像を差
し引く演算をコンピュータ上で行ってその変化を観察す
る。
【発明の効果】
【0034】本発明のX線規格撮影装置は、保持装置と
X線照射筒が分離しており、位置合わせ時に両者を連結
する必要がないので、撮影者・患者ともにストレス無く
短時間で撮影が可能である。さらに、保持装置の保管・
再利用で、容易に同一条件下での再撮影が可能となる。
【0035】これを日常歯科臨床に使用することによ
り、規格撮影を極めて容易に行えるという効果がある。
より詳細な情報が得たければ、X線写真の画像情報をコ
ンピュータに取り込んでディジタルサブトラクションを
行うことも可能であり、日常臨床において従来のX線撮
影では得ることのできなかった有益な情報をもたらす。
また、規格撮影を行うことにより、撮影時の位置合わせ
のミスが減るので被爆量の減少につながる効果もある。
さらに、この方法が普及することによって、歯科医師は
治療の効果を科学的に検討するためのデータを得ること
ができる。以上の理由によって、歯科診療の質の向上に
つながり歯科医師、患者ともに得るところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】レーザー光などのスポット光を用いた歯科X線
規格撮影装置の模式図である。
【図2】間違った位置関係(a)と正しい位置関係
(b)にある保持装置と照準装置の断面図である。
【図3】図2において保持装置と照準装置が間違った位
置関係(a)と正しい位置関係(b)にある時、照準装
置のスクリーンを後方から見た平面図である。
【図4】照射筒の前面に取り付け可能な照準装置で、位
置合わせ後にスポット光発生装置を平行移動して照射野
から外す装置の斜視図である。
【図5】照射筒の前面に取り付け可能な照準装置で、位
置合わせ後に回転軸を中心に回転移動してスポット光発
生装置を照射野から外す装置の斜視図である。
【図6】照射筒の前面に取り付け可能な照準装置で、位
置合わせ後に蝶番軸を中心に回転移動してスポット光発
生装置を照射野から外す装置の斜視図である。
【図7】複数のスポット光を使った規格撮影装置の模式
図である。
【図8】保持装置内にレーザー光が通過する孔を設けて
さらに標的に当てることにより位置決めをする、歯科X
線規格撮影装置の断面図である。
【図9】照射筒とスペーサーを分離した斜視図である。
【図10】前歯部用の咬翼法用の保持装置の斜視図であ
る。
【図11】前歯部用の保持装置の斜視図である。
【図12】臼歯部用の保持装置の斜視図である。
【図13】光を通過させて位置決めを行う前歯部用の保
持装置の斜視図である。
【図14】光を通過させて位置決めを行う臼歯部用の保
持装置の斜視図である。
【図15】模型を用いて制作する保持装置の斜視図であ
る。
【図16】保持装置に押さえ用の棒を取り付けた断面図
である。
【図17】保持装置にX線フィルムの代わりにX線CC
Dセンサーを組み込んだ断面図である。
【符号の説明】
1 歯 2 歯周組織 3 *** 4 保持装置のフィルム保持部 5 X線フィルム 6 黒化度補正用のステップウエッジ 7 保持装置の標的 8 咬合面印記のための印象材 9 レーザー光などのスポット光の軌跡 10 スクリーン 11 スポット光光源 12 スポット光発生装置に接続するコード 13 スポット光発生装置 14 照準装置内の反射板 15 X線照射筒に接続される照準装置 16 留め具 17 X線照射筒 18 X線発生装置 19 スクリーンに投影されたスポット光 20 スクリーンの中心孔 21 スポット光発生装置の平行移動のためのガイド板 22 ピンの挿入口 23 固定用のピン 24 回転軸 25 蝶番 26 側面に設けたスクリーン 27 レーザー光などのスポット光発射装置 28 レーザー光の通過孔へ延びた鈎腕 29 レーザー光の通過孔 30 スペーサー 31 レーザー光の標的へ伸びた鉤腕 32 模型の咬合面を型どったステント 33 石膏模型 34 保持用の棒 35 X線受光用のCCDセンサー 36 CCDセンサーに接続するコード 37 保持装置のCCDセンサー保持部 38 歯槽骨

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯および歯周組織を再現性をもってX線撮
    影するための歯科X線規格撮影装置において、レーザー
    光などの可視光線がX線照射野の中心に投影されるよう
    に、スポット光発生装置をX線照射筒の前面に取り付け
    ておき、X線照射時にスポット光発生装置を取り外す、
    または蝶番、回転軸や、スライドさせるためのガイド板
    などによって照射野外へスポット光発生装置を移動する
    ことを特徴とする照準装置。
  2. 【請求項2】歯および歯周組織を再現性をもってX線撮
    影するための歯科X線規格撮影装置において、照準装置
    の側面にスポット光発生装置を設置し、ここから発せら
    れたレーザー光などのスポット可視光線の光軸の進行方
    向を、照準装置内に設けたアクリル板等のX線透過性材
    料に鏡面加工を施した反射板で変えることにより、一本
    のスポット光線がX線照射野の中心を通るが、スポット
    光の発生装置自体は撮影野に入らないことを特徴とす
    る、X線照射筒の前面に取り付け可能なスポット光付き
    の照準装置。
  3. 【請求項3】請求項1乃至請求項2のいずれかに記載さ
    れた照準装置から発するレーザー光などのスポット可視
    光線を、患者が口腔内で押さえる保持装置の標的に当
    て、さらに保持装置の標的からの反射光を照準装置に取
    り付けたスクリーン上に投影することによって、X線照
    射筒と保持装置を連結することなしに、照射野の中心に
    垂直方向に標的がくるように照射筒を誘導することを特
    徴とする、保持装置と照準装置からなる歯科X線規格撮
    影装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項2のいずれかに記載さ
    れた照準装置から発するレーザー光などのスポット可視
    光線を、保持装置上に設定した小孔を通過させてから保
    持装置の標的に当てることによって、X線照射筒と保持
    装置を連結することなしに、標的に対して一定の角度で
    X線を当て、照射野の中心に標的がくるように照射筒を
    誘導することを特徴とする、照準装置と保持装置とから
    なる歯科X線規格撮影装置。
  5. 【請求項5】X線フィルムやCCDセンサーなどのX線
    受光体の組み込み部、レジンや印象材などに歯型を記録
    する咬合の印記部、スポット光線を反射あるいは誘導す
    る標的部の3部から構成され、各患者の撮影部位毎に調
    整して同一部位での再撮影を可能とし、アクリル板など
    X線透過性材料で成型されることを特徴とする請求項3
    乃至請求項4いずれかに記載の保持装置を用いた歯科X
    線規格撮影装置。
  6. 【請求項6】銅箔を階段状に重ね合わせたものや、アル
    ミニウム階段などのX線不透過性材料を、被写体や咬合
    を印記する材料と重なり合わないように咬合面寄りにス
    ペースを求めて貼付してX線撮影することにより、被写
    体のX線不透過度を銅箔やアルミニウムの厚さに換算
    し、さらに、同一部位2枚の写真の黒化度差を求めるこ
    とを特徴とする請求項3乃至請求項4いずれかに記載の
    保持装置を用いた歯科X線規格撮影装置。
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