JPH09311340A

JPH09311340A - 液晶表示装置の製造方法

Info

Publication number: JPH09311340A
Application number: JP12557996A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Yamada; 聡山田
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1996-05-21
Filing date: 1996-05-21
Publication date: 1997-12-02
Anticipated expiration: 2016-05-21
Also published as: JP3234496B2

Abstract

(57)【要約】【課題】均一なセルギャップが得られ表示品位の高い
液晶表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】配向処理を施した一対の電極付き基板２
１のうち少なくとも一方の基板２１に液晶２３を封止す
るためのシール材２２を形成する工程と、少なくとも一
方の基板にスペーサ材を配置する工程と、シール材２２
で囲まれた表示領域２５に液晶２３を滴下した供給する
工程と、一対の基板２１を減圧下で貼合わせる工程と、
シール材２２を硬化する工程とを含む液晶表示装置の製
造方法であって、表示領域２５をブロックに分割し、各
ブロック毎に決められた滴下パターンと滴下量の液晶２
３を滴下供給する。これにより、面内でのギャップが均
一となり、表示品位の高いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、多くの電子機器
の表示装置として用いることのできる液晶表示装置の製
造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、２枚の配向処理を施した基板間に
液晶を封じてなる液晶表示装置の製造方法として真空注
入工法が一般的に知られている。すなわち、少なくとも
一方の基板にスペーサー材を配置し、残り他方の基板に
シール材を形成し、前記２枚の基板を貼合わせ、所定の
セルギャップとなるように加圧し、シール材を硬化す
る。その後必要な端子部分が残るように切断を行い、液
晶セルを作成し、真空注入により液晶をセル内に供給
し、セルギャップを決定するのに、液晶を注入後エアー
等の加圧手段を用いて液晶を押し出し、その後注入口を
封口する。

【０００３】この製造方法では、注入するのに多量の液
晶を使用する、注入に時間がかかる、工程のライン化が
困難であるといった課題がある。こうした課題を解決す
るのに、シール材形成工程と基板貼合わせ工程との間
に、液晶を滴下供給する滴下工法がある。この滴下工法
は、配向処理を施した電極付き基板の内、少なくとも一
方の基板にスペーサー材を混入した紫外線硬化型のシー
ル材をスクリーン印刷等を用いて形成し、少なくとも一
方の基板にスペーサー材を散布配置し固着する。固着の
方法は、スペーサー材周囲に熱可塑性の樹脂をコーティ
ングし、散布後所定の温度にてスペーサー材を固着する
方法がとられている。その後、前記シール材を形成した
基板に所定量の液晶を液体吐出装置を使用して所定の位
置に配置し、１ｔｏｒｒ以下の減圧のもと前記スペーサ
ー材を配置した対向する基板と貼合わせる。そしてシー
ル材を紫外線硬化して液晶セルを作成する。

【０００４】ここで、使用する液体吐出装置は、シリン
ジをパルスモーター、エアー等で加圧するもので、特に
機械的制御が容易な点から、パルスモーターでシリンジ
を加圧する方法がとられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、滴下
工法は、真空注入工法に比べ液晶を供給する速度、安定
性という点で優れている。しかし、滴下工法は、任意の
パターンで配置した各滴下ポイントに液晶を滴下する。
その後真空中で基板の貼合わせを行う。従って基板の貼
合わせ後、液晶を滴下した位置とそうでない位置とにギ
ャップ差が生じるために作製した液晶パネルは、滴下パ
ターン状にむらが発生したものとなる。また、液晶の滴
下後、配向膜への液晶の吸着、展延時に起きる液晶のず
り応力等から滴下状の電圧閾値むらが発生するといった
課題もある。

【０００６】こうした滴下パターンに依存した面内のむ
らは、滴下ポイントを密に広い範囲にすることにより解
消できる。しかし基板を貼合わせた時にシール近傍に液
晶が滴下されていると、滴下された液晶の量にシールの
つぶれ具合いが影響され、確かなシールギャップを得る
ことができない。また、液晶の滴下量の影響がないよう
シールから距離をとって液晶を滴下すると、シールと滴
下した液晶との間の部分は、大気圧差が直接働くため、
ギャップが低くなる。そのため額縁状にギャップむらが
発生する。

【０００７】通常、基板サイズが３７５ｍｍ×３００ｍ
ｍ×０．７ｔｍｍで１０．４インチサイズの液晶パネル
を２丁取りする場合、その滴下点数は３００点から５０
０点で、滴下点の間隔は７ｍｍから２０ｍｍである。こ
のとき作成された液晶パネルは、電圧無印加の状態で滴
下パターン状にむらが見られる。また、シール近傍でも
滴下パターンのピッチに相当してギャップむらが見られ
る。

【０００８】こうしたギャップむらは、滴下工法では、
基板の貼合わせ工程を減圧下で行い、液晶パネルのギャ
ップ形成を大気圧差を利用しているために、液晶の存在
する所と、そうでない所でのギャップ差が生じることが
原因となっている。特にシール近傍では、シールを境界
にパネル面内、面外での大気圧差が直接かかることから
発生するシールの浮きや、液晶の展延具合いによる基板
のストレスによるギャップむらといったように、所定の
ギャップを得ることが困難である。

【０００９】このようにシール材の近傍では、滴下した
液晶の量、展延具合い、そしてパネル内圧と外圧の差の
影響から、基板へのストレスが集中しやすくギャップむ
らとなりやすいといった課題が生じる。特に、基板の薄
型、大型化に伴いギャップむらが発生しやすい傾向にな
る。また、単純マトリクスの場合では、コモン側電極の
終電側では、電極が形成されていないため、その他の部
分に比べ電極部分だけギャップが低くなっている。シー
ル部分のギャップの制御は、シール材中に混入するスペ
ーサー材によっているので、前記コモン側の終電部分の
ギャップ差を埋めることはできない。従って液晶パネル
の各辺によりギャップ差が生じるといった課題が生じ
る。

【００１０】こうした配線パターンによる表示むらは、
電極のダミーパターンを設けることにより解消できる
が、ダミーパターンを設けることにより電極の静電破壊
がおこり、歩留まりの低下となる。したがって、この発
明の目的は、均一なセルギャップが得られ表示品位の高
い液晶表示装置の製造方法を提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の液晶表示
装置の製造方法は、配向処理を施した一対の電極付き基
板のうち少なくとも一方の基板に液晶を封止するための
シール材を形成する工程と、少なくとも一方の基板にス
ペーサ材を配置する工程と、シール材で囲まれた表示領
域に液晶を滴下した供給する工程と、一対の基板を減圧
下で貼合わせる工程と、シール材を硬化する工程とを含
む液晶表示装置の製造方法であって、表示領域をブロッ
クに分割し、各ブロック毎に決められた滴下パターンと
滴下量の液晶を滴下供給することを特徴とするものであ
る。

【００１２】シール近傍に液晶が滴下されていると、滴
下された液晶の量にシールのつぶれ具合いが影響され、
確かなシールギャップを得ることができず、また液晶の
滴下量の影響がないようシールから距離をとって液晶を
滴下すると、シールと滴下した液晶との間の部分は、大
気圧差が直接働くためギャップが低くなり、ギャップむ
らが発生するが、シール材で囲まれた表示領域をブロッ
クに分割し、各ブロック毎に決められた滴下パターンと
滴下量の液晶を滴下供給するので、面内でのギャップが
均一となり、表示品位の高いものとなる。

【００１３】請求項２記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項１において、シール材の形成位置から少なく
とも３０ｍｍ以内の部分には、１点の滴下量が全滴下量
の０．０１％以内で液晶を滴下供給するものである。こ
のように、シール材の形成位置から少なくとも３０ｍｍ
以内の部分には、１点の滴下量が全滴下量の０．０１％
以内で液晶を滴下供給することにより、シール際が高め
になって見えることはなく、シール浮き、基板のうねり
等による、シール近傍でのギャップむらを効果的に抑え
ることができる。

【００１４】請求項３記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項２において、シール材の形成位置から少なく
とも３０ｍｍ以内で滴下する液晶の隣接間距離が５ｍｍ
以内である。このように、シール材の形成位置から少な
くとも３０ｍｍ以内で滴下する液晶の隣接間距離が５ｍ
ｍ以内とすることにより、シール際で液晶の存在しない
ところはなくなり、シール浮き、基板のうねり等によ
る、シール近傍でのギャップむらをさらに効果的に抑え
ることができる。

【００１５】請求項４記載の液晶表示装置製造方法は、
配向処理を施した一対の電極付き基板のうち少なくとも
一方の基板に液晶を封止するためシール材を形成する工
程と、少なくとも一方の基板にスペーサ材を配置する工
程と、シール材で囲まれた表示領域に液晶を滴下供給す
る工程と、一対の基板を減圧下で貼合わせる工程と、シ
ール材を硬化する工程とを含む液晶表示装置の製造方法
であって、シール材で囲まれた表示領域の各辺の外部に
箱形のダミーシールパターンを形成し、この内部にスペ
ーサ材を混入した液晶を滴下供給することを特徴とする
ものである。

【００１６】シールで封止された内部と外部との大気圧
差による影響から、シール材の近傍では、基板へのスト
レスが集中しやすくギャップむらとなりやすいが、シー
ル材で囲まれた表示領域の各辺の外部に箱形のダミーシ
ールパターンを形成し、この内部にスペーサ材を混入し
た液晶を滴下供給するので、基板内の大気圧差が抑えら
れるため、滴下した液晶の展延具合い、基板のストレス
等による、シール材の浮きやシール近傍での基板のうね
りを解消できる。

【００１７】請求項５記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項４において、箱形のダミーシールパターンに
滴下供給する液晶に混入するスペーサー材の平均粒径
が、表示領域に配置されたスペーサー材の平均粒径より
も０．３μｍから２．０μｍの範囲内で大きくしたもの
である。このように、箱形のダミーシールパターンに滴
下供給する液晶に混入するスペーサー材の平均粒径が、
表示領域に配置されたスペーサー材の平均粒径よりも
０．３μｍから２．０μｍの範囲内で大きくしたので、
シール際のギャップが低くなることはなく、均一なギャ
ップを形成することができる。

【００１８】請求項６記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項４または５において、箱形のダミーシールパ
ターンに滴下供給する液晶に混入するスペーサー材の配
合量が０．５ｗｔ％から３．０ｗｔ％の範囲である。ス
ペーサ材の粒径に標準偏差があり、ある量を越えると、
平均粒径の位置がずれてシール際のギャップが高くなる
ので、箱形のダミーシールパターンに滴下供給する液晶
に混入するスペーサー材の配合量が０．５ｗｔ％から
３．０ｗｔ％の範囲とすることにより、電極パターンに
依存したギャップむらが発生することを抑えることがで
きる。

【００１９】請求項７記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項４，５または６において、単純マトリクスの
液晶表示装置のコモン側電極の終電部分に対する箱形の
ダミーシールパターンに滴下供給する液晶に混入された
スペーサー材の平均粒径が、残り３辺に対する箱形のダ
ミーシールパターンに滴下供給するスペーサー材の平均
粒径よりも０．２μｍから０．５μｍの範囲で大きくし
たものである。

【００２０】単純マトリクスの液晶表示装置のコモン側
電極の終電部分は電極が形成されていないため、その他
の部分に比べ電極部分だけギャップが低くなっている
が、終電部分に対する箱形のダミーシールパターンに滴
下供給する液晶に混入されたスペーサー材の平均粒径
が、残り３辺に対する箱形のダミーシールパターンに滴
下供給するスペーサー材の平均粒径よりも０．２μｍか
ら０．５μｍの範囲で大きくしたので、この部分のギャ
ップが低くなることはなく、均一なギャップを形成する
ことができる。

【００２１】請求項８記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項１または４において、シール材の粘度が３０
０Ｐａ・ｓから４００Ｐａ・ｓの範囲である。このよう
に、シール材の粘度が３００Ｐａ・ｓから４００Ｐａ・
ｓの範囲であるので、大気圧差によりシール自身が浮い
たり、またつぶれないといったことがなく使用すること
ができる。

【００２２】

【発明の実施の形態】この発明の第１の実施の形態の液
晶表示装置の製造方法を図１および図２に基づいて説明
する。図２は、滴下機を示す正面概略図である。液晶を
吐出するためのマイクロシリンジ１１がフレーム１５に
固定されている。シリンジ１１の容量は２５０μｌで、
３本並列に配置され、先端に針１２が付いている。針１
２の内径が大きいと少量での液晶の吐出が難しく、配向
処理を施した基板２１に針先を接触させねばならないた
め、場合により配向膜に傷をつける恐れがある。そのた
め、針の内径が０．７ｍｍのものを使用した。そしてフ
レーム１５上部には、ステッピングモータ１４があり、
シリンジ１１を押すための加圧板１３と連結されてい
る。これにより、ステッピングモータ１４に送られたパ
ルス数だけ加圧板１３がシリンジ１１を押し進め、シリ
ンジ１１内の液晶２３を針１２の先から吐出する。

【００２３】また、基板２１は通常の液晶用ソーダガラ
スでサイズが３７５ｍｍ×３００ｍｍ×０．７ｔｍｍで
電極のパターニングされていないもの、ギャップを形成
するためのスペーサー材は、平均粒径が６μｍで標準偏
差が０．２３μｍの樹脂ビーズで周囲を熱可塑性樹脂で
コーティングしたもので散布密度が１３０個／ｍｍ²、
液晶材料は２５℃での粘度が１８ｃｐｓのネマチック液
晶、シール材２２は紫外線硬化型のアクリル樹脂で２５
℃での粘度が３５０Ｐａ・ｓで、粒径が６．１μｍのガ
ラス繊維を１．５ｗｔ％混合したものを使用した。

【００２４】つぎに、この実施の形態の液晶表示装置の
製造方法について説明する。図１に示すように、配向処
理を施した一対の電極付き基板２１のうち少なくとも一
方の基板２１に液晶２３を封止するための紫外線硬化型
シール材２２を形成する。図１のシールパターンはパネ
ルサイズが１０．４インチ（２１９．２ｍｍ×８５．０
ｍｍ）で２丁取りの場合を示している。シール材２２の
ダミーパターン２２ａは、基板端面から７．５ｍｍ内側
の位置で、それぞれパネルの辺の長さに相当している。
つぎに、少なくとも一方の基板２１にスペーサ材を配置
し、シール材２２で囲まれた表示領域２５に液晶２３を
滴下する。このときステッピングモータ１４にてピスト
ンに印加されたパルス分だけ押すことにより液晶２３を
吐出する。液晶２３の吐出量は、印加されるパルス数で
決定する。

【００２５】また、液晶２３を滴下する際、表示領域２
５をブロックに分割し、各ブロック毎に決められた滴下
パターンと滴下量の液晶２３を滴下供給する。図１の滴
下パターンはシール近傍から３０ｍｍの領域内が、５ｍ
ｍピッチで滴下点数が長辺（２１９．２ｍｍ）側で１列
１２９点で５列、短辺（８５．０ｍｍ）側で１列１６点
で５列、パネル中央付近に２点滴下した場合を示してい
る。また、シール近傍の１点の滴下量は総量の０．０１
％に相当する２０パルスで行った。なお、１点の滴下量
が０．０５％に相当する１００パルスの場合も行った。

【００２６】この後、一対の基板２１を減圧下で貼合わ
せ、紫外線でシール材２２を硬化する。基板２１の貼合
わせ条件は０．８ｔｏｒｒで行い、その後のギャップ出
しは大気圧で行った。また、図３と図４は異なる滴下パ
ターンを示す。図３はシール近傍から２０ｍｍの領域内
が、５ｍｍピッチで滴下点数が長辺側で１列１２９点で
３列、短辺側で１列１６点で３列、パネル中央付近に２
点滴下した場合の滴下パターンを示す。シール近傍の１
点の滴下量は、図１の場合と同様に総量の０．０１％に
相当する２０パルスで行った。図４は１０ｍｍピッチで
滴下点数が４５０点の場合の滴下パターンを示す。

【００２７】このようにして作成された液晶パネルの外
観評価を行った結果、図１で示す滴下パターンでは、シ
ール近傍での１点の滴下量が２０パルスの場合ではシー
ル際ではギャップむらは見られないが、１点での滴下量
を１００パルスとした場合は、シール際がすべて高めに
なって見える。また、シール近傍での額縁むらも電圧無
印加の状態では見られない。しかし電圧を印加すると薄
く閾値電圧むらが見られる。

【００２８】これに対し、図４に示す滴下パターンで
は、シール近傍では、滴下ピッチに相当したギャップむ
らが発生し、面内でも所により滴下パターンに相当する
むらが発生している。次に、図３で示す滴下パターンで
は、シール際ではギャップむらは見られないが、シール
材２２から３０ｍｍから４０ｍｍ内側で額縁状にギャッ
プむらが発生している。

【００２９】このように、シール際から少なくとも３０
ｍｍ以内の領域で滴下間隔が５ｍｍ以下で、１点の滴下
量が総量の０．０１％以下であるなら、シール近傍での
ギャップむらを解消できる。面内のむらに関しても、こ
の実施の形態から、軽減していくことが可能である。例
えば、残されたパネル中央部の領域での滴下パターンと
滴下量を検討することにより十分均一なギャップのパネ
ルを作成することができる。このとき滴下パターンとし
ては、上下左右均等にすること、液晶２３の滴下量は、
シール材２２側程少な目にすることが必要である。

【００３０】第２の実施の形態の液晶表示装置の製造方
法を図５ないし図８に基づいて説明する。この実施の形
態では、単純マトリクスの電極をパターニングしてあ
る。図５は液晶パネルのコモン側電極３１ｂの給電側を
示す断面図であり、図６は終電側を示す断面図である。
通常使用される電極３１はＩＴＯで、その膜厚は０．２
μｍから０．３μｍである。電極３１の上に配向膜３２
が形成されている。また、シール際で均一なギャップを
出すためにシール材２２中に混入されるスペーサー材３
４の平均粒径は、面内に散布配置されているスペーサー
材３３の平均粒径よりも０．２μｍから０．３μｍ、つ
まりセグメント側電極３１ａの厚み分だけ大きいものを
使用する。しかし、図６からわかるようにコモン側電極
３１ｂの終電側では電極３１が全く形成されていない部
分にシール材２２を形成している。従ってこの部分だけ
ギャップが他の辺よりも低くなっている。

【００３１】また、滴下工法では、パネルの大型化、基
板３５の薄型化に伴い、基板３５内でシール材２２で封
止された部分とそうでない部分との大気圧差が顕著にな
り、シール材２２の浮き、基板３５にかかるストレスと
いった問題が生じる。こうした問題を解決するのに、各
辺の外側に箱形のダミーシールパターンを形成し、この
内部に液晶を滴下し、基板貼合わせ後の基板内での加圧
差をなくすことにより均一なギャップを形成する方法が
ある。この実施の形態では、箱形のダミーシールパター
ン４１に任意の平均粒径を有するスペーサー材を混入し
た液晶４２を滴下することにより電極パターンによるギ
ャップむらをなくしている。この場合、箱形のダミーシ
ールパターン４１は、それぞれ各辺の長さに対応した長
さで、セグメント、コモンとも電極端子から２ｍｍ離れ
た位置から、基板３５の端面から７．５ｍｍの位置にな
るように形成されている。またコモン、セグメントとも
電極端子がない場合は、シール材２２から３ｍｍ離れた
位置から形成している。

【００３２】つぎに、この実施の形態の液晶表示装置の
製造方法について説明する。表示領域２５内に、図１に
示す滴下パターンで液晶２３を滴下し、図７に示すよう
に、箱形のダミーシールパターン４１の内部にスペーサ
材を混入した液晶４２を滴下供給する。この液晶４２に
混入したスペーサ材の平均粒径は、表示領域２５に配置
されたスペーサ材の平均粒径よりも０．３μｍから２．
０μｍの範囲で大きくしてある。また、液晶４２に混入
したスペーサ材の配合量は０．５ｗｔ％から３．０ｗｔ
％の範囲である。

【００３３】ここで、図８に示すように、コモン側電極
３１ｂの終電側にある箱形のダミーシールパターン４１
には、残り３辺に対する箱形のダミーシールパターン４
１に滴下供給するスペーサー材の平均粒径よりも０．２
μｍから０．５μｍの範囲で大きくし、かつ平均粒径が
それぞれ６．１μｍ、６．３μｍ、６．５μｍのスペー
サ材を０．５ｗｔ％、１．５ｗｔ％、３．０ｗｔ％、
４．５ｗｔ％と濃度を変えて混入した液晶４２を滴下間
隔５ｍｍで滴下する。

【００３４】また、表示領域２５内に、図１および図４
と同様の滴下パターンで液晶２３を滴下し、箱形のダミ
ーシールパターン４１には、図９および図１０に示すよ
うに、滴下間隔が５ｍｍでそれぞれの箱形のダミーシー
ルパターン４１内に液晶２３を滴下する。こうして作成
された液晶パネルの外観評価を行った結果、図８で示す
ように、コモン側電極の終電部分にスペーサー材を混入
した液晶４２を滴下した場合は、スペーサー混合濃度に
関係なく平均粒径が６．５μｍのものはシール際のギャ
ップが高くなっている。そして、平均粒径が６．１μｍ
のものは、シール際のギャップが低くなっている。それ
らに対し平均粒径が６．３μｍのもは、スペーサーの混
合濃度が４．５％のものでは、シール際のギャップが高
くなっている。これは、スペーサー材の粒径に標準偏差
があり、ある量を越えると、平均粒径の位置がずれるた
めと考えられる。こうして、コモン側電極の終電部分に
ある箱形のダミーシールパターン４１内に平均粒径が
６．３μｍで濃度が０．５ｗｔ％から３．０ｗｔ％の範
囲であれば、電極パターンに依存したギャップむらのな
い表示品位の高い液晶表示装置を提供できる。

【００３５】また、図１０の滴下パターンでは、面内の
所々に滴下パターン状のむらは見られるが、シール近傍
の基板３５のうねりや、シール材２２の浮きによるギャ
ップむらは見られない。次に、図９に示す滴下パターン
では、面内、及びシール際でのギャップむらは見られな
い。しかし、図９および図１０で示す滴下パターンで
は、コモン側電極３１ｂの終電部分でギャップが低い。
これは、シール材２２中に含まれているスペーサー材３
４の径が４辺とも同じだが、終電部分には、電極が無い
ためにギャップが低くなっている。

【００３６】なお、上記実施の形態では、電極の段差を
考慮したスペーサー径をあげたが、例えば、カラーフィ
ルター付きの基板等に対しては、そのカラーフィルター
部分の厚みを考慮してスペーサー材の平均粒径を検討す
れば問題ない。また、混合濃度もスペーサー材の標準偏
差、ダミーパターンの形成位置等により検討を行うこと
が好ましい。また、シール材２２は熱硬化型でもよい。

【００３７】

【発明の効果】この発明の請求項１記載の液晶表示装置
の製造方法によれば、シール近傍に液晶が滴下されてい
ると、滴下された液晶の量にシールのつぶれ具合いが影
響され確かなシールギャップを得ることができず、また
液晶の滴下量の影響がないようシールから距離をとって
液晶を滴下すると、シールと滴下した液晶との間の部分
は、大気圧差が直接働くためギャップが低くなりギャッ
プむらが発生するが、シール材で囲まれた表示領域をブ
ロックに分割し、各ブロック毎に決められた滴下パター
ンと滴下量の液晶を滴下供給するので、面内でのギャッ
プが均一となり、表示品位の高いものとなる。

【００３８】請求項２では、シール材の形成位置から少
なくとも３０ｍｍ以内の部分には、１点の滴下量が全滴
下量の０．０１％以内で液晶を滴下供給することによ
り、シール際が高めになって見えることはなく、シール
浮き、基板のうねり等による、シール近傍でのギャップ
むらを効果的に抑えることができる。請求項３では、シ
ール材の形成位置から少なくとも３０ｍｍ以内で滴下す
る液晶の隣接間距離が５ｍｍ以内とすることにより、シ
ール際で液晶の存在しないところはなくなり、シール浮
き、基板のうねり等による、シール近傍でのギャップむ
らをさらに効果的に抑えることができる。

【００３９】この発明の請求項４記載の液晶表示装置製
造方法によれば、シールで封止された内部と外部との大
気圧差による影響から、シール材の近傍では、基板への
ストレスが集中しやすくギャップむらとなりやすいが、
シール材で囲まれた表示領域の各辺の外部に箱形のダミ
ーシールパターンを形成し、この内部にスペーサ材を混
入した液晶を滴下供給するので、基板内の大気圧差が抑
えられるため、滴下した液晶の展延具合い、基板のスト
レス等による、シール材の浮きやシール近傍での基板の
うねりを解消できる。したがって、滴下工法において面
内でギャップの均一な表示品位の高い液晶表示装置を歩
留りよく製造できる。また、パネルサイズ、基板サイズ
の大型化、基板の薄型化に伴う影響を解消することがで
き、汎用性の高い液晶表示装置が得られる。

【００４０】請求項５では、箱形のダミーシールパター
ンに滴下供給する液晶に混入するスペーサー材の平均粒
径が、表示領域に配置されたスペーサー材の平均粒径よ
りも０．３μｍから２．０μｍの範囲内で大きくしたの
で、シール際のギャップが低くなることはなく、均一な
ギャップを形成することができる。請求項６では、スペ
ーサ材の粒径に標準偏差があり、ある量を越えると、平
均粒径の位置がずれてシール際のギャップが高くなるの
で、箱形のダミーシールパターンに滴下供給する液晶に
混入するスペーサー材の配合量が０．５ｗｔ％から３．
０ｗｔ％の範囲とすることにより、電極パターンに依存
したギャップむらが発生することを抑えることができ
る。

【００４１】請求項７では、単純マトリクスの液晶表示
装置のコモン側電極の終電部分は電極が形成されていな
いため、その他の部分に比べ電極部分だけギャップが低
くなっているが、終電部分に対する箱形のダミーシール
パターンに滴下供給する液晶に混入されたスペーサー材
の平均粒径が、残り３辺に対する箱形のダミーシールパ
ターンに滴下供給するスペーサー材の平均粒径よりも
０．２μｍから０．５μｍの範囲で大きくしたので、こ
の部分のギャップが低くなることはなく、均一なギャッ
プを形成することができる。

【００４２】請求項８では、紫外線硬化型シール材の粘
度が３００Ｐａ・ｓから４００Ｐａ・ｓの範囲であるの
で、大気圧差によりシール自身が浮いたり、またつぶれ
ないといったことがなく使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施の形態の液晶表示装置の
製造方法における滴下パターンとシールパターンを示す
正面図である。

【図２】この発明の第１の実施の形態における液晶の滴
下機構の正面概略図である。

【図３】この発明の第１の実施の形態の変形例の滴下パ
ターンとシールパターンを示す正面図である。

【図４】比較例の滴下パターンとシールパターンを示す
正面図である。

【図５】単純マトリクス型の液晶表示パネルのコモン側
電極の給電部分を示す断面図である。

【図６】単純マトリクス型の液晶表示パネルのコモン側
電極の終電部分を示す断面図である。

【図７】この発明の第２の実施の形態の液晶表示装置の
製造方法における箱形のダミーシールパターンを形成し
たシールパターンを示す正面図である。

【図８】この発明の第２の実施の形態における滴下パタ
ーンとシールパターンを示す正面図である。

【図９】この発明の第２の実施の形態の変形例の滴下パ
ターンとシールパターンを示す正面図である。

【図１０】この発明の第２の実施の形態の別の変形例の
滴下パターンとシールパターンを示す正面図である。

【符号の説明】１１シリンジ１２滴下用針１３加圧板１４ステッピングモーター１５フレーム２１配向処理を施した電極付き基板２２液晶用シール材２３液晶３１ａセグメント側電極３１ｂコモン側電極３２配向膜３３スペーサー材３４スペーサ材（ガラス繊維）３５ガラス基板４１箱形のダミーシールパターン４２スペーサー材混入液晶

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】配向処理を施した一対の電極付き基板の
うち少なくとも一方の基板に液晶を封止するためのシー
ル材を形成する工程と、少なくとも一方の基板にスペー
サ材を配置する工程と、前記シール材で囲まれた表示領
域に液晶を滴下供給する工程と、前記一対の基板を減圧
下で貼合わせる工程と、前記シール材を硬化する工程と
を含む液晶表示装置の製造方法であって、前記表示領域
をブロックに分割し、各ブロック毎に決められた滴下パ
ターンと滴下量の液晶を滴下供給することを特徴とする
液晶表示装置の製造方法。
【請求項２】シール材の形成位置から少なくとも３０
ｍｍ以内の部分には、１点の滴下量が全滴下量の０．０
１％以内で液晶を滴下供給する請求項１記載の液晶表示
装置の製造方法。
【請求項３】シール材の形成位置から少なくとも３０
ｍｍ以内で滴下する液晶の隣接間距離が５ｍｍ以内であ
る請求項２記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項４】配向処理を施した一対の電極付き基板の
うち少なくとも一方の基板に液晶を封止するためシール
材を形成する工程と、少なくとも一方の基板にスペーサ
材を配置する工程と、前記シール材で囲まれた表示領域
に液晶を滴下供給する工程と、前記一対の基板を減圧下
で貼合わせる工程と、前記シール材を硬化する工程とを
含む液晶表示装置の製造方法であって、前記シール材で
囲まれた表示領域の各辺の外部に箱形のダミーシールパ
ターンを形成し、この内部にスペーサ材を混入した液晶
を滴下供給することを特徴とする液晶表示装置の製造方
法。
【請求項５】箱形のダミーシールパターンに滴下供給
する液晶に混入するスペーサー材の平均粒径が、表示領
域に配置されたスペーサー材の平均粒径よりも０．３μ
ｍから２．０μｍの範囲内で大きくした請求項４記載の
液晶表示装置の製造方法。
【請求項６】箱形のダミーシールパターンに滴下供給
する液晶に混入するスペーサー材の配合量が０．５ｗｔ
％から３．０ｗｔ％の範囲である請求項４または５記載
の液晶表示装置の製造方法。
【請求項７】単純マトリクスの液晶表示装置のコモン
側電極の終電部分に対する箱形のダミーシールパターン
に滴下供給する液晶に混入されたスペーサー材の平均粒
径が、残り３辺に対する箱形のダミーシールパターンに
滴下供給するスペーサー材の平均粒径よりも０．２μｍ
から０．５μｍの範囲で大きくした請求項４，５または
６記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項８】シール材の粘度が３００Ｐａ・ｓから４
００Ｐａ・ｓの範囲である請求項１または４記載の液晶
表示装置の製造方法。