JPH09304468A - 平行2回線系統の故障点標定方法 - Google Patents

平行2回線系統の故障点標定方法

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JPH09304468A
JPH09304468A JP11668096A JP11668096A JPH09304468A JP H09304468 A JPH09304468 A JP H09304468A JP 11668096 A JP11668096 A JP 11668096A JP 11668096 A JP11668096 A JP 11668096A JP H09304468 A JPH09304468 A JP H09304468A
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JP11668096A
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Tokuo Emura
徳男 江村
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高抵抗平行2回線送電線の1回線の1地点1線
地絡故障の故障点を、零相非電源端T2 の電流、電圧デ
ータを用いて標定する。 【解決手段】零相非電源端T2 の各回線の零相電流に基
づき、両回線差電流ΔI02を算出し、零相非電源端T2
の零相電圧V0 を算出し、係数ρを、 ρ=V0n・|ΔI02|/I0n・|V0 | (V0nは定格零相電圧、I0nは1線完全地絡時の地絡電
流)により求め、式 x=d(1−ρ) (dは線路長) により非電源端T2 から故障点までの距離xを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高抵抗2端子系平
行2回線送電線及び高抵抗3端子系平行2回線送電線の
地絡故障点の標定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変電所間の送電は、電力供給の信頼度向
上のため、一般に平行2回線方式で行われている。送電
線は、建物内で管理されている配線と比較して、外部
(例えば落雷による絶縁破壊、動物や樹木の接触)に起
因する故障が生じるので、送電線路の保守のため、故障
発生時には故障点探索作業を伴う。
【0003】そこで、故障点を標定する方法が種々提案
されている。例えば、故障点に流入する各回線の零相電
流分流比が、零相電源端から故障点までの距離に比例す
ることを利用して、故障点までの距離を求める方法があ
る(特開昭63−200077号公報参照)。これを零
相電流分流比方式という。なお、この明細書において
は、記号I,V,Zは、特に断らない限り、ベクトルを
表すものとする。また、「零相非電源端」とは、零相回
路で、零相電流の流入又は流出がない端子のことをい
う。
【0004】図1は、零相電流分流比方式を説明するた
めの零相等価回路であり、2端子系平行2回線送電線の
零相電源端T1 と零相非電源端T2 との間を、長さdの
2回線1L,2Lで構成している。零相電源端T1 の回
線1L,2Lにそれぞれ零相電流I011 ,I012 が流
れ、零相非電源端T2 の回線1L,2Lにそれぞれ零相
電流I021 ,I022 が流れ、零相非電源端T2 から距離
xのところの回線1Lに地絡故障が発生し、零相故障電
流I0f1 が流出しているものとする。
【0005】この場合、零相電流I011 ,I012 を用い
て、下記式により、零相電源端T1から故障点までの距
離d−xを算出することができる。 d−x=2d|I012 |/(|I011 |+|I012 |) (1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記零相電流分流比方
式は、故障時に重畳される負荷電流成分の影響や故障点
抵抗の影響を受けないことから、高い標定精度を有して
いるが、零相電源端である端子T1 の零相電流I011
012 が分かっている必要があり、もし零相電源端T1
の零相電流I011 ,I012 が分からず、零相非電源端T
2 での零相電流I 021 ,I022 のみ分かっているとき
は、故障点までの距離xを算出することができないとい
う問題があった。
【0007】仮に、零相非電源端T2 での零相電流I
021 ,I022 を使って、前記(1) 式に類似した式 x=2d|I022 |/(|I021 |+|I022 |) を想定して故障点を標定することを試みると、零相非電
源端T2 では、零相電流I021 ,I022 は符号が逆にな
るが大きさが等しいので、xは常にdとなり、故障点は
求められないことか分かる。
【0008】このような問題は、零相電源端T1 の零相
電流測定装置に異常があって、零相電流の測定ができな
かったり、零相電源端T1 の零相電流データを中央処理
装置に送る通信回線が故障して中央処理装置が零相電流
データに基づいて故障点標定演算ができなかったりした
場合に、零相非電源端T2 の零相電流を用いて標定を行
おうとすると発生する。
【0009】そこで、本発明は、上述の技術的課題を解
決し、高抵抗平行2回線送電線の1回線の1地点1線地
絡故障の故障点を、零相非電源端の電流、電圧データを
用いて標定することができる故障点標定方法を実現する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の方法を解説す
る。 (a) 高抵抗2端子系平行2回線送電線の場合 図2は、高抵抗平行2回線送電線の零相差電流に基づい
た等価回路を示す。2回線送電線の零相電源端T1 と零
相非電源端T2 との間の長さをdとし、零相電源端T1
の回線間差電流I011 −I012 をΔI01、零相非電源端
2 の回線間差電流I021 −I022 をΔI02とする。
【0011】零相非電源端T2 から距離xのところの回
線1Lに地絡故障が発生しているものとし、故障差電流
をΔI0fとする。1回線の地絡を想定しているので、Δ
0f=I0f1 が成立することはもちろんである。以後、
ΔI0fを単にI0fと書くことにする。電圧降下則より、 (d−x)ΔI01−xΔI02=0, (2) 電流保存則より、 ΔI01+ΔI02=I0f (3) が成立する。
【0012】したがって、(2) (3) 式より、 ΔI01=xI0f/d, (4) ΔI02=(d−x)I0f/d (5) が導かれる。零相電源端T1 での零相電圧をV01、中性
点抵抗をRn とすると、故障電流は、電源端の中性点抵
抗Rn を通して電源に戻ってくるので、 |I0f|=|V01|/Rn (6) と書くことができる。ここで、完全1線地絡時の零相電
圧の大きさをV0nとすると、これは、定格相電圧Eに等
しい。
【0013】 E=V0n (7) 前記(6) 式は(7) 式を用いると、 |I0f|=(|V01|/Rn )×(E/V0n) =(E/Rn )×(|V01|/V0n) (8) が成立する。
【0014】ここで、1線地絡事故時の零相電圧は、各
端子でほとんど変わらないということを利用する。する
と、前記零相電源端T1 での零相電圧V01は、零相非電
源端T2 での零相電圧V02で置き換えることができ、
(8) 式は、 |I0f|=(E/Rn )×|V02|/V0n (9) となる。前記(9) 式右辺の(E/Rn )は、当該系統の
完全地絡時の零相電流であり、これをI0nと書く。する
と、 |I0f|=I0n・|V02|/V0n (10) となる。すなわち、故障電流I0fは、零相非電源端T2
での零相電圧V02と、当該系統の完全地絡時の零相電流
0nと、当該系統の完全地絡時の零相電圧V0nとから求
めることができる。ここで、ρを ρ=|ΔI02|/|I0f| (11) で定義すると、ρは、 ρ=V0n・|ΔI02|/I0n・|V02| (12) により求められる。
【0015】零相非電源端T2 から故障点までの距離x
は、このρと、(5) 式の関係を使って、 x=d(1−ρ) (13) で求められる。なお、零相電源端T1 から故障点までの
距離d−xは、(13)式を変形して d−x=ρd で求められる。
【0016】前記(12)式におけるV0n,I0nは、系統に
固有の定数である。したがって、零相非電源端T2 で|
ΔI02|,|V02|を測定すれば、ρを求めることがで
き、これから故障点の位置xを求めることができる。
(b) 高抵抗3端子系平行2回線送電線の場合図3は、高
抵抗3端子系平行2回線送電線の零相差電流に基づいた
等価回路を示す。零相電源端T1 と分岐点Sとの間の長
さをd1 とし、分岐点Sと零相非電源端T2 ,T3 との
間の長さをそれぞれd2 ,d3 とする。零相電源端T1
の回線間差電流I011 −I012 をΔI01、零相非電源端
2 の回線間差電流I021 −I022 をΔI02、零相非電
源端T3 の回線間差電流I031 −I032 をΔI03とす
る。
【0017】いま、区間ST2 で1回線1線地絡事故が
起こった場合、前記(4) (5) 式に相当する式は、 ΔI01=(d3 x/D)I0f (14) ΔI02=〔1−(d3 +d1 )x/D〕I0f (15) ΔI03=(d1 x/D)I0f (16) となる。ここで、D=d2 3 +d3 1 +d1 2
用い、(a) のケースと同様、故障差電流ΔI0fは故障電
流I0fに等しいので、ΔI0fをI0fと書いた。
【0018】ここで(a) のケースと同じように、1線地
絡事故時の零相電圧は、各端子でほとんど変わらないと
いうことを利用すると、各端の零相電圧は同じ値で近似
できる。これをV0 と書き、V0 を使って故障電流を表
現することを考えると、前記(10)式と同様の式、 |I
0f|=I0n・|V0 |/V0n(17) が成立する。すなわち、故障電流I0fは、事故時の零相
電圧V0 と、当該系統の完全地絡時の零相電流I0nと、
当該系統の完全地絡時の零相電圧V0nとから求めること
ができる。
【0019】零相非電源端T2 の電流電圧データを用い
て標定することを考える。ρを ρ=|ΔI02|/|I0f| (18) で定義すると、ρは、 ρ=V0n・|ΔI02|/I0n・|V0 | (19) により求められる。
【0020】故障点の零相非電源端T2 からの距離x
は、このρと(15)式から x=(1−ρ)D/(d1 +d3 ) (20) により求められる。ただし、故障点を区間ST2 と考え
ているためx≦d2 すなわちρ≧d1 3 /Dであるこ
とが必要である。以上により、零相非電源端T2 での電
流電圧データに基づいて、(19)式からρを計算し、(20)
式に当てはめることによって零相非電源端T2 からの故
障点までの距離xを求めることができる。
【0021】もし、ρ<d1 3 /Dとなれば、故障点
は区間ST2 の外の、区間T1 S又は区間ST3 に存在
することになる。区間T1 S又は区間ST3 のいずれで
あるかを特定しようとすれば、零相非電源端T3 の電流
電圧データを用いて、ρ′を ρ′=V0n・|ΔI03|/I0n・|V0 | (21) で求め、このρ′を用いて、零相非電源端T3 から故障
点までの距離y y=(1−ρ′)D/(d1 +d2 ) (22) を求めればよい(図4参照)。
【0022】求められたyが、y≦d3 であれば(すな
わちρ′≧d1 2 /Dであれば)、故障点は区間ST
3 に存在することが分かる(図4参照)。ρ′<d1
2 /Dであれば、故障点は区間T1 Sに存在する(図5
参照)。区間ST3 が特定された場合、(22)式を用いて
零相非電源端T3 から故障点までの距離yを求めればよ
いが、零相非電源端T2 の電流電圧データを用いて標定
することもできる。両標定結果を比較すればより確実な
結果が得られる。
【0023】零相非電源端T2 の電流電圧データを用い
て区間ST3 の故障点を標定する場合、図4の回線にお
いて、前記(4) (5) 式に相当する式は、 ΔI01=(d2 y/D)I0f (23) ΔI02=(d1 y/D)I0f (24) ΔI03=〔1−(d1 +d2 )y/D〕I0f (25) となる。ただし、yは、零相非電源端T3 からの距離で
ある。
【0024】そこで、前記(19)式のρと、この(24)式か
ら、故障点の零相非電源端T3 からの距離yを、 y=ρD/d1 (26) により求めることができる。ただしy≦d3 である。区
間T1 Sが特定された場合(図5参照)は、零相非電源
端T2 又は零相非電源端T3 のいずれの電流電圧データ
を用いて標定することもできる。対称性があるので、零
相非電源端T2 の電流電圧データを用いて標定する場合
のみを説明する。
【0025】図5の回線において、前記(4) (5) 式に相
当する式は、 ΔI01=〔1−(d2 +d3 )z/D〕I0f (27) ΔI02=(d3 z/D)I0f (28) ΔI03=(d2 z/D)I0f (29) となる。ただし、zは、零相電源端T1 からの距離であ
る。
【0026】そこで、前記(19)式のρと、この(28)式か
ら、故障点の零相電源端T1 からの距離zを、 z=ρD/d3 (30) により求めることができる。ただしz≦d1 である。以
上により、零相非電源端T2 又はT3 での電流電圧デー
タに基づいて、ρを計算し、式に当てはめることによっ
て各端T1 ,T2 ,T3 からの故障点までの距離z,
x,yを求めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(a) 以下、2端子平行2回線送電線に適用する場合の、
本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説
明する。図6は、一般的な2端子平行2回線送電線1
に、本発明に係る故障点標定方法を使用する故障点算出
装置2を接続した図であり、零相非電源端T2 には、残
留回路から回線1Lの零相電流I021 を検出するために
3相に設けられた変流器CT1 と、回線2Lの零相電流
022 を検出するために3相に設けられた変流器CT2
と、母線の零相電圧V02を検出する計器用変圧器PTと
が備えられている。
【0028】故障点算出装置2は、変流器CT1 ,CT
2 の残留回路より検出された零相電流I021 ,I
022 と、計器用変圧器PTにより検出された零相電圧V
02を入力とし、これらを所定のレベルの電圧信号に変換
する入力部3と、所定の電気角でサンプリングするサン
プルホールド部4と、サンプルホールド部4からの電圧
信号をディジタルデータに変換するA/D変換部5と、
A/D変換部5により変換されたディジタルデータを格
納するデータメモリ6と、計器用変圧器PTにより検出
された零相電圧V02に基づいて平行2回線に地絡故障が
発生したことを検出する地絡故障検出部7と、地絡故障
検出部7から地絡故障検出信号の入力があれば、データ
メモリ6に格納されている回線1L,2Lの電流デー
タ、電圧データに基づいて零相非電源端T2 から故障点
までの距離を算出する故障点標定部8と、故障点標定部
8により算出された零相非電源端T2 から故障点までの
距離等の情報を表示する表示部9とを備えている。
【0029】前記構成の故障点算出装置2の動作を、図
1、図2の故障例に基づいて説明する。図1では、故障
は片回線の1地点で発生し、その地点は零相非電源端T
2 からxの距離とする。変流器CT1 ,CT2 の残留回
路より検出された回線1L,2Lの零相電流、零相電圧
は、入力部3において、所定のレベルの電圧信号に変換
される。この所定のレベルの電圧信号は、サンプルホー
ルド部4、A/D変換部5において、所定のサンプリン
グ周期でディジタルデータに変換され、データメモリ6
に取込まれる。
【0030】一方、地絡故障検出部7は、回線1L,2
Lの零相電流データ、零相電圧データに基づいて、周知
の方法(例えば零相電圧のレベルにより地絡故障発生を
検出し、零相電圧と各回線の零相電流の位相関係で故障
回線を判別する)により地絡故障の発生を検出する。故
障点標定部8は、故障が発生したことを知ると、データ
メモリ6に格納された電流データ、電圧データを読み出
し、回線間差電流ΔI02=I021 −I022 を求め、これ
と、零相電圧V02とを使って、 ρ=V0n・|ΔI02|/I0n・|V02| を求める。ここで、I0nは、当該系統の完全地絡時の零
相電流、V0nは、当該系統の零相定格電圧であり、とも
に系統固有の定数として与えられているものである。
【0031】故障点標定部8はさらに、このρを使っ
て、零相非電源端T2 から故障点までの距離xを、式 x=d(1−ρ) により求める。求められた標定結果は、表示部9により
表示される。 (b) 次に、3端子平行2回線送電線に適用する場合の、
本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説
明する。
【0032】図7は、3端子平行2回線送電線1aに、
本発明に係る故障点標定方法を使用する故障点算出装置
2を接続した図であり、零相非電源端T2 には、残留回
路から回線1Lの零相電流I021 を検出するため3相に
設けられた変流器CT1 と、回線2Lの零相電流I022
を検出するため3相に設けられた変流器CT2 と、母線
の零相電圧V02を検出する計器用変圧器PTとが備えら
れている。
【0033】故障点算出装置2は、変流器CT1 ,CT
2 の残留回路より検出された零相電流I021 ,I
022 と、計器用変圧器PTにより検出された零相電圧V
02を入力とし、これらを所定のレベルの電圧信号に変換
する入力部3と、所定の電気角でサンプリングするサン
プルホールド部4と、サンプルホールド部4からの電圧
信号をディジタルデータに変換するA/D変換部5と、
A/D変換部5により変換されたディジタルデータを格
納するデータメモリ6と、計器用変圧器PTにより検出
された零相電圧V02に基づいて平行2回線に地絡故障が
発生したことを検出する地絡故障検出部7と、地絡故障
検出部7から地絡故障検出信号の入力があれば、データ
メモリ6に格納されている回線1L,2Lの電流デー
タ、電圧データに基づいて零相非電源端T2 から故障点
までの距離を算出する故障点標定部8と、故障点標定部
8により算出された零相非電源端T2 から故障点までの
距離等の情報を表示する表示部9とを備えている。
【0034】前記構成の故障点算出装置2の動作を、図
3、図4又は図5の故障例に基づいて説明する。図3で
は、故障は片回線の1地点で発生し、その地点は零相非
電源端T2 からxの距離とする。図4では、故障は片回
線の1地点で発生し、その地点は零相非電源端T3 から
yの距離とする。図5では、故障は片回線の1地点で発
生し、その地点は零相電源端T1 からzの距離とする。
【0035】変流器CT1 ,CT2 の残留回路より検出
された回線1L,2Lの零相電流、零相電圧は、入力部
3において、所定のレベルの電圧信号に変換される。こ
の所定のレベルの電圧信号は、サンプルホールド部4、
A/D変換部5において、所定のサンプリング周期でデ
ィジタルデータに変換され、データメモリ6に取込まれ
る。
【0036】一方、地絡故障検出部7は、回線1L,2
Lの零相電流データ、零相電圧データに基づいて、周知
の方法により地絡故障の発生を検出する。故障点標定部
8は、故障が発生したことを知ると、データメモリ6に
格納された電流データ、電圧データを読み出し、回線間
差電流ΔI02=I021 −I022 を求め、これと、零相電
圧V02とを使って、 ρ=V0n・|ΔI02|/I0n・|V02| を求める。ここで、I0nは、当該系統の完全地絡時の零
相電流、V0nは、当該系統の零相定格電圧であり、とも
に系統固有の定数として与えられているものである。
【0037】故障点標定部8はさらに、このρを使っ
て、零相非電源端T2 から故障点までの距離xを、式 x=(1−ρ)D/(d1 +d3 ) により算出する。ただし、d2 ,d3 は零相非電源端T
2 ,T3 から分岐点までの線路長;d1 は電源端T1
ら分岐点までの線路長;D=d2 3 +d3 1+d1
2 である。
【0038】もし、x>d2 、すなわちρ<d1 3
Dであれば、零相非電源端T3 から故障点までの距離y
を、式 y=ρD/d1 により算出することができる。また、零相電源端T1
ら故障点までの距離zを、式 z=ρD/d3 により算出することができる。
【0039】求められた標定結果は、表示部9により表
示されるので、保守員は故障の起こった地点を知ること
ができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、高抵抗2端子系平行2回線送電線の1回線の1地点
1線地絡故障点を、零相非電源端の零相電流及び零相電
圧データに基づいて標定することができるので、零相電
源端の零相電流、零相電圧データが得られない場合に有
効である。
【0041】請求項2又は3記載の発明によれば、高抵
抗3端子系平行2回線送電線の1回線の1地点1線地絡
故障点を、零相非電源端の零相電流及び零相電圧データ
に基づいて標定することができるので、零相電源端の零
相電流、零相電圧データが得られない場合に有効であ
る。特に、請求項2の発明によれば、零相非電源端の当
該分岐に生じた故障点を標定することができ、請求項3
の発明によれば、零相非電源端の当該分岐以外の分岐
(零相電源端分岐,零相非電源端分岐のいずれであって
もよい)に生じた故障点を標定することができる。
【0042】また、請求項1から3のいずれの発明にお
いても、零相電源端で零相電流、零相電圧データが得ら
れる場合の零相電源端の零相電流、零相電圧データに基
づいて従来の方法で標定された結果と比較処理すること
により、標定結果の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2端子系平行2回線送電線の零相等価回路図で
ある。
【図2】同2端子系平行2回線送電線の零相差電流等価
回路図である。
【図3】故障点が区間ST2 に存在する場合の3端子系
平行2回線送電線の零相差電流に基づいた等価回路図で
ある。
【図4】故障点が区間ST3 に存在する場合の同3端子
系平行2回線送電線の零相差電流等価回路図である。
【図5】故障点が区間T1 Sに存在する場合の同3端子
系平行2回線送電線の零相差電流等価回路図である。
【図6】2端子平行2回線送電線に、本発明に係る故障
点標定方法を使用する故障点算出装置を接続した状態を
示す回路図である。
【図7】3端子平行2回線送電線に、本発明に係る故障
点標定方法を使用する故障点算出装置を接続した状態を
示す回路図である。
【符号の説明】
1 2端子平行2回線送電線 1a 3端子平行2回線送電線 2 故障点算出装置 3 入力部 4 サンプルホールド部 5 A/D変換部 6 データメモリ 7 地絡故障検出部 8 故障点標定部 9 表示部 PT 計器用変圧器 T1 零相電源端 T2 ,T3 零相非電源端 CT1 ,CT2 変流器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高抵抗2端子(i,j)系平行2回線送電
    線の1回線の1地点1線地絡故障点を、零相非電源端の
    零相電流を用いて標定する方法であって、 零相非電源端jの各回線の零相電流に基づき、両回線差
    電流ΔI0jを算出し、 零相非電源端jの零相電圧V0 を算出し、変数ρを、 ρ=V0n・|ΔI0j|/I0n・|V0 | (V0nは定格零相電圧、I0nは1線完全地絡時の地絡電
    流)により求め、式 x=d(1−ρ) (dは線路長) により非電源端jから故障点までの距離xを求めること
    を特徴とする故障点標定方法。
  2. 【請求項2】高抵抗3端子(i,j,k)系平行2回線
    送電線の1回線の1地点1線地絡故障点を、零相非電源
    端の零相電流を用いて標定する方法であって、 零相非電源端jの各回線の零相電流に基づき、両回線差
    電流ΔI0jを算出し、 零相非電源端jの零相電圧V0 を算出し、変数ρを、 ρ=V0n・|ΔI0j|/I0n・|V0 | (V0nは定格零相電圧、I0nは1線完全地絡時の地絡電
    流)により求め、式 x=(1−ρ)D/(di +dk ) (dj は当該零相非電源端jから分岐点までの線路長;
    i ,dk は当該零相非電源端以外の端子i,kから分
    岐点までの線路長;D=dj k +dk i +d
    i j )により当該非電源端jから故障点までの距離x
    を求めることを特徴とする故障点標定方法。
  3. 【請求項3】高抵抗3端子(i,j,k)系平行2回線
    送電線の1回線の1地点1線地絡故障点を、零相非電源
    端の零相電流を用いて標定する方法であって、 零相非電源端jの各回線の零相電流に基づき、両回線差
    電流ΔI0jを算出し、 零相非電源端jの零相電圧V0 を算出し、変数ρを、 ρ=V0n・|ΔI0j|/I0n・|V0 | (V0nは定格零相電圧、I0nは1線完全地絡時の地絡電
    流)により求め、式 y=ρD/di (dj は当該零相非電源端jから分岐点までの線路長;
    i ,dk は当該零相非電源端以外の端子i,kから分
    岐点までの線路長;D=dj k +dk i +d
    i j )により他端子kから故障点までの距離yを求め
    ることを特徴とする故障点標定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103197202A (zh) * 2013-03-29 2013-07-10 昆明理工大学 一种基于三相突变电流分量特征频带内小波系数相关分析的配网故障选线方法
CN103197203A (zh) * 2013-03-29 2013-07-10 昆明理工大学 一种基于三相电流突变量的时域波形相关分析的故障选线方法
RU2608889C1 (ru) * 2015-09-15 2017-01-26 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Иркутский национальный исследовательский технический университет" (ФГБОУ ВО "ИРНИТУ") Способ определения мест повреждения многоцепных воздушных линий электропередачи с учётом наведённого напряжения (варианты)

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CN103197202B (zh) * 2013-03-29 2015-07-22 昆明理工大学 一种基于三相突变电流分量特征频带内小波系数相关分析的配网故障选线方法
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