JPH09303811A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】天吊型空気調和機において、露受皿からフロン
トパネル前面側への熱伝導をより少なくし、結露水を確
実に露受皿へ回収すること目的とする。 【解決手段】送風機、熱交換器９、露受皿８を内蔵した
空気調和機の本体１と、この空気調和機本体の吹出口近
傍に設けた略レール形状の係止レール６と、本体の正面
を覆うフロントパネル２の端部に設けられるとともに先
端が略鈎形状に形成され前記係止レール６と係合する係
止手段５とが相互に線接触構造で当接することにより、
熱の伝導は大幅に減少し、係止手段５を端部に持つフロ
ントパネル２は冷却による結露を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井吊下型空気調
和機の吹出口側である前面部の結露防止構造に関し、特
に天井吊下型空気調和機にその効果を発揮するパネル構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の空気調和機は、実開昭６
０−８９５２９号公報に記載されたものが知られてい
る。

【０００３】以下、その空気調和機について図６を参照
しながら説明する。図６示すように空気調和機本体１０
１はフロントパネル１０２とトップパネル１０３、吹出
グリル１０４、フロントパネル１０２を係止するための
係止レール１０５、および露受皿１０６からなり、係止
レール１０５に溶接等で固着された長手方向にある遮蔽
板１０７を備えることにより、冷房時、冷風による露受
皿１０６の前面側の曲部およびフロントパネル１０２の
前面側において垂直に立ち上げられており、吹出グリル
１０４の下方を形成する前面部の冷却が少ないため、長
時間冷房運転が行われても、吹出口側である前面部に比
較的結露しにくいものとなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の空気
調和機では熱交換器において凝縮された冷水が溜まる露
受皿からの伝熱によってフロントパネルの前面側の先端
部を冷却してしまうという課題は依然として残ってお
り、露受皿からフロントパネルの前面側への熱伝導をよ
り少なくすることが要求されている。

【０００５】さらに、構造面では係止レールに遮蔽板を
溶接等で固定する作業も必要とし、正確な位置決めが困
難といった課題もあり、前記係止レールと遮蔽版とを一
体構造とすることも要求されている。

【０００６】また、フロントパネルの吹出口近傍の隙間
部分より、トップパネルや吹出グリルに結露した場合に
はその結露水を確実には回収できない場合あり、上記結
露水をより確実に露受皿へ回収することが要求されてい
る。

【０００７】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、露受皿からフロントパネルの前面側への
熱伝導を軽減するとともに、トップパネルと吹出グリル
に結露した場合もその結露水を確実に露受皿へ回収する
ことができ、また係止レールと遮蔽板を一体構造とする
ことにより遮蔽効果を確実に得ることができる空気調和
機を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の空気調和機は上
記目的を達成するために、空気調和機本体の吹出口近傍
に設けた略レール形状の係止レールと、本体の正面を覆
うフロントパネルの端部に設けられるとともに先端が略
鈎形状に形成され前記係止レールと係合する係止手段と
が相互に線接触構造で当接するように構成したものであ
る。

【０００９】本発明によれば、露受皿他周辺の部品から
フロントパネル前面側への熱伝導を低減させることでフ
ロントパネルの前面側の結露を防止した空気調和機が得
られる。

【００１０】また、上記手段に加え、吹出グリルの近傍
に略Ｌ型形状の吹出グリルの最下段を遮蔽するように構
成した吹出遮蔽板を備えたものである。

【００１１】本発明によれば、冷風を直接フロントパネ
ルに当てないことでフロントパネルの前面側の結露を防
止した空気調和機が得られる。

【００１２】また、空気調和機本体の外郭を形成するト
ップパネルとフロントパネルの織りなす面より窪んだ位
置に吹出グリルを設け、吹出グリル近傍の係止レールに
排水用孔を設け、前記吹出グリルに隣接するトップパネ
ル面と前記吹出グリルの嵌合接触面の織りなす稜線をな
だらかな曲面にて形成したものである。

【００１３】本発明によればトップパネルと吹出グリル
に結露した水を確実に露受皿へ回収することができる空
気調和機が得られる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明は送風機、熱交換器、露受
皿を内蔵した空気調和機の本体と、前記空気調和機本体
の吹出口近傍に設けた略レール形状の係止レールと、本
体の正面を覆うフロントパネルの端部に設けられるとと
もに先端が略鈎形状に形成され前記係止レールと係合す
る係止手段とが相互に線接触構造で当接するように構成
したものであり、露受皿他周辺の部品からフロントパネ
ルの前面側への熱伝導を低減させることでフロントパネ
ル前面側の結露を防止するという作用を有する。

【００１５】また、上記発明を具体的に実現するため、
係止レール断面が構成する曲げ角度とフロントパネルの
係止手段の断面が構成する曲げ角度とが相互に異なる角
度に成形することにより線接触状態を保つようにしたも
のであり、非常に簡単な構成によって露受皿他周辺の部
品からフロントパネルの前面側への熱伝導を低減させる
ことでフロントパネル前面側の結露を防止するという作
用を有する。

【００１６】また、吹出グリルの近傍に略Ｌ型形状の吹
出遮蔽板を備え、前記吹出遮蔽板は吹出グリルの最下段
を遮蔽するように構成したものであり、空気調和機から
の冷風を直接フロントパネルに当てないことでフロント
パネルの前面側の結露を防止するという作用を有する。

【００１７】また、送風機、熱交換器、露受皿を内蔵し
た空気調和機の本体と、前記空気調和機本体の外郭を形
成するトップパネルとフロントパネルの織りなす面より
窪んだ位置に吹出グリルを設けるとともに、吹出グリル
近傍の係止レールに排水用孔を設け、前記吹出グリルに
隣接するトップパネル面と前記吹出グリルの嵌合接触面
の織りなす稜線をなだらかな曲面にて形成したものであ
り、トップパネルと吹出グリルに結露した水を確実に露
受皿へ回収するという作用を有する。

【００１８】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。

【００１９】

【実施例】

（実施例１）図１に示すように、空気調和機の本体１
は、フロントパネル２、トップパネル３にて外郭を構成
しており、このトップパネル３には、その吹出グリル４
の側の端部で折り曲げられて構成された係止手段５を備
えている。

【００２０】一方、空気調和機の内部には上記係止手段
５と線接触状態で係合する係止レール６が備えられてお
り、その係止レール６の上方にねじ止めされたグリルレ
ール７とトップパネル３の折り曲げ端で構成された吹出
口には吹出グリル４を設けている。

【００２１】そして、上記係止レール６の下方には結露
水を回収する露受皿８を備えている。

【００２２】上記構成において、熱交換器９を通過した
冷却空気は吹出グリル４より吹出され、まず吹出グリル
４がその冷たい空気により冷却されるが、その吹出グリ
ル４からの熱伝導とともに直接的にも係止レール６は冷
却されてしまう。しかし、係止手段５との間は線接触状
態を保持しているため、これらが面接触の状況と比べて
熱の伝導は大幅に減少し、係止手段５を端部に持つフロ
ントパネル２は冷却による結露を防止することができ
る。

【００２３】（実施例２）図２に要部断面を示すよう
に、フロントパネル２の吹出口側立ち上がりの先端部に
設けた係止手段５の曲げ角度と、それを係止するための
係止レール６の曲げ角度とを相互に異なる角度に成形す
ることにより、これらの接触部において、線接触状態と
している。

【００２４】上記構成において、非常に簡単な構成で上
記実施例１と同様に面接触の状況と比べて熱の伝導は大
幅に減少し、係止手段５を端部に持つフロントパネル２
は冷却による結露を防止することができる。

【００２５】なお、実施例では線接触構造とするために
係止レール６の曲げ角度をフロントパネル２の係止部分
の曲げ角度と異なる角度と成るようにしたが、図３のよ
うな形状を用いて線接触状態を作ってもよく、その作用
効果に差異を生じない。

【００２６】（実施例３）図４に示すように、上記実施
例１の内容に加え、吹出グリル４の近傍に略Ｌ型形状の
吹出遮蔽板１０を係止レール６と一体加工し設けてい
る。

【００２７】上記構成により、熱交換器９を出た冷風は
吹出遮蔽板１０に沿って流れ、吹出グリル４の下方近傍
をわずかに遮蔽することとなり、フロントパネル２の吹
出口側立ち上がりの先端部に冷風が当たることを防止
し、熱の伝導は大幅に減少し、係止手段５を端部に持つ
フロントパネル２は冷却による結露を防止することがで
きる。

【００２８】なお、実施例では吹出遮蔽板１０は平面で
構成しているが、吹出グリル４の一番下方の口を遮蔽す
ることができれば形状は問わず、その作用効果にも差異
はない。

【００２９】（実施例４）図５に示すように、上記各実
施例と類似した空気調和機本体１の外郭を形成するトッ
プパネル３とフロントパネル２の織りなす面より少し熱
交換器９に近い、窪んだ位置に吹出グリル４の面位置を
設定する。また、さらに吹出グリル４の近傍の係止レー
ル６に排水用孔１１を設け、吹出グリル４に隣接するト
ップパネル３の面と吹出グリル４の嵌合接触面の織りな
す稜線１２をなだらかな曲面にて形成したものである。

【００３０】上記構成により、吹出グリル４に結露した
水はフロントパネル２に設けた係止手段５を伝わり、さ
らに係止レール６にあけた排水用孔１１を通じて露受皿
８へ回収できることとなる。また吹出グリル４に隣接す
るトップパネル３の面と吹出グリル４の嵌合接触面の織
りなす稜線１２をなだらかな曲面にて形成しているた
め、トップパネル３に結露した水は冷却風によって前面
に吹き飛ばされることなく、稜線１２に伝って吹出グリ
ル４に落ち、上記したように吹出グリル４に結露した水
は係止手段５から係止レール６にあけた排水用孔１１を
通じて露受皿８へ回収できることとなり、床面への水の
滴下を防ぐことができる。

【００３１】なお、実施例では稜線１２をなだらかな曲
面にて形成しているが、この部分にCカットを適用して
もよく、その作用効果に差異を生じない。

【００３２】

【発明の効果】以上の実施例から明かなように、本発明
によれば、簡単な構成で露受皿周辺の部品からフロント
パネル前面側への熱伝導を低減させ、フロントパネル前
面側の結露を防止した空気調和機を提供できる。

【００３３】また、本発明によれば、冷風を直接フロン
トパネルに当てないことでフロントパネル前面側の結露
を防止した空気調和機を提供できる。

【００３４】また、本発明によればトップパネルと吹出
グリルに結露した水を確実に露受皿へ回収することがで
きる空気調和機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の空気調和機の構造を示す断
面図

【図２】本発明の実施例２の係止レールと係止手段の関
係を示す要部断面図

【図３】本発明の係止レールと係止手段の別の実施例を
示す要部断面図

【図４】本発明の実施例３の空気調和機の構造を示す断
面図

【図５】本発明の実施例４の空気調和機の構造を示す断
面図

【図６】従来の空気調和機の構造を示す断面図

【符号の説明】

１ 本体 ２ フロントパネル ３ トップパネル ４ 吹出グリル ５ 係止手段 ６ 係止レール ７ グリルレール ８ 露受皿 ９ 熱交換器 １０ 吹出遮蔽版 １１ 排水用孔 １２ 稜線

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】送風機、熱交換器、露受皿を内蔵した空気
   調和機の本体と、前記空気調和機本体の吹出口近傍に設
   けた略レール形状の係止レールと、本体の正面を覆うフ
   ロントパネルの端部に設けられるとともに先端が略鈎形
   状に形成され前記係止レールと係合する係止手段とが相
   互に線接触構造で当接するように構成した空気調和機。
2. 【請求項２】係止レール断面が構成する曲げ角度とフロ
   ントパネルの係止手段の断面が構成する曲げ角度とが相
   互に異なる角度に成形することにより線接触状態を保つ
   ようにした請求項１記載の空気調和機。
3. 【請求項３】吹出グリルの近傍に略Ｌ型形状の吹出遮蔽
   板を備え、前記吹出遮蔽板は吹出グリルの最下段を遮蔽
   するように構成した請求項１または２記載の空気調和
   機。
4. 【請求項４】送風機、熱交換器、露受皿を内蔵した空気
   調和機の本体と、前記空気調和機本体の外郭を形成する
   トップパネルとフロントパネルの織りなす面より窪んだ
   位置に吹出グリルを設けるとともに、吹出グリル近傍の
   係止レールに排水用孔を設け、前記吹出グリルに隣接す
   るトップパネル面と前記吹出グリルの嵌合接触面の織り
   なす稜線をなだらかな曲面にて形成した空気調和機。