JPH09300998A - 4輪駆動車のセンタデフ装置 - Google Patents

4輪駆動車のセンタデフ装置

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JPH09300998A
JPH09300998A JP14808396A JP14808396A JPH09300998A JP H09300998 A JPH09300998 A JP H09300998A JP 14808396 A JP14808396 A JP 14808396A JP 14808396 A JP14808396 A JP 14808396A JP H09300998 A JPH09300998 A JP H09300998A
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JP
Japan
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case
differential
power transmission
transmission means
pinion
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JP14808396A
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English (en)
Inventor
Hisaaki Watase
久朗 渡瀬
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の発進時など、駆動装置から後、前車
輪に動力が伝達され始めようとするときに、後動力伝達
手段、もしくは前動力伝達手段における噛合面同士の当
接で生じる打音をより小さくさせて、運転者に不快感を
生じさせないようにする。 【解決手段】 デフケース21を、デフピニオン25と
第1デフサイドギヤ27とを支承し駆動装置6からの動
力を入力する第1ケース40と、第2デフサイドギヤ2
8を支承する第2ケース41とで構成する。上記第1ケ
ース40と第2ケース41とをケース軸心22回りで相
対回転自在にする。上記第1、第2ケース40,41が
相対回転したとき、上記デフピニオン25に向って上記
第2デフサイドギヤ28を伴い上記第2ケース41を往
動させるカム手段44を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン等の駆動
装置の動力を所定のトルク比率で後車輪と前車輪とに分
配する4輪駆動車のセンタデフ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車のトランスファにおけるデフ
装置(差動装置)であるセンタデフは、一般に、次のよ
うに構成されている。
【0003】即ち、車体フレーム側に支持されたトラン
スファケースに対し、駆動装置の動力を入力するデフケ
ースがこのデフケースのケース軸心回りに回転自在に支
承されている。このデフケースの内部に設けられるデフ
ピニオンが上記ケース軸心に直交するピニオン軸心回り
に回転自在となるよう上記デフケースに支承されてい
る。また、上記デフピニオンに噛合する第1、第2デフ
サイドギヤが上記ケース軸心上に設けられ、この第1デ
フサイドギヤに後動力伝達手段を介して後車輪が連動連
結される一方、第2デフサイドギヤに前動力伝達手段を
介して前車輪が連動連結されている。
【0004】そして、上記駆動装置の動力によりデフケ
ースが回転させられると、これと共に回転するデフピニ
オンから第1、第2デフサイドギヤに所定のトルク比率
(通常は1:1)で動力が分配され、ここから後、前動
力伝達手段を介して後、前車輪に動力伝達され、これに
より、4輪駆動状態で、自動車が円滑に走行させられる
こととなる。
【0005】上記の場合、動力伝達が円滑になされるよ
うにするため、後動力伝達手段や前動力伝達手段では、
それぞれ各構成部品が互いに噛合する両噛合面間に遊び
(機械のがたつき、バックラッシュ)が設定されてい
る。
【0006】このため、自動車の発進時など、駆動装置
から後、前車輪に動力が伝達され始めようとするときに
は、その動力伝達が始まるのに先立って、まず、両噛合
面のうち、駆動側となる一方の噛合面が、このとき従動
側となる他方の噛合面に接近して当接し、これが次々と
行われることにより、上記遊びが詰められてゆき、上記
遊びの詰めが完了すれば、上記駆動装置から前車輪や後
車輪に対し実質的な動力伝達が始められることとなって
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うに、遊びの詰めが完了するとき、そのときに互いに接
近した両噛合面は衝撃的に当接するため、これにより、
上記両噛合面間に打音が生じて運転者に不快感を生じせ
るという問題がある。
【0008】そこで、上記遊びを小さくさせるように、
両噛合面を互いにばねで圧接させるようにしたものが提
案されている(実公昭63‐23631号公報)。
【0009】しかし、これによれば、前記した自動車の
発進時等における打音は小さくなると考えられるが、走
行中等の動力伝達中では、遊びが小さくさせられた分、
両噛合面の互いの接合に機械的な無理が生じて、円滑な
動力伝達が得られないおそれがある。
【0010】一方、前記従来の技術における上記後、前
動力伝達手段とを対比すると、この前動力伝達手段の方
がより多くの構成部品を互いに噛合させることにより構
成されていて、後動力伝達手段における各部品の噛合面
間の全遊びよりも、前動力伝達手段における各部品の噛
合面間の全遊びの方が、より大きくなっている。
【0011】ここで、上記デフピニオンと第1デフサイ
ドギヤとの噛合面間の第1遊びに、上記後動力伝達手段
における全遊びを加算したものを「後側の全遊び」と
し、同上デフピニオンと第2デフサイドギヤとの噛合面
間の第2遊びに、上記前動力伝達手段における全遊びを
加算したものを「前側の全遊び」とすると、上記第1遊
びと第2遊びとは互いにほぼ同じであるため、「後側の
遊び」<「前側の遊び」の関係となっている。
【0012】そして、前記したと同じく、自動車の発進
時など、駆動装置から後、前車輪に動力が伝達され始め
ようとするときには、上記動力伝達が始まるのに先立っ
て、まず、両噛合面のうち、駆動側となる一方の噛合面
が、このとき従動側となる他方の噛合面に接近して当接
し、これが次々と行われることにより、「後側の全遊
び」と「前側の全遊び」とが詰められていくが、この
際、一般に、全遊びの小さい「後側の全遊び」の詰めが
先に完了して後車輪への動力伝達が始められ、次いで、
「前側の全遊び」の詰めが完了して前車輪への動力伝達
が始められる。
【0013】また、上記の場合、前記したと同じく、そ
れぞれ全遊びの詰めが完了するときには、そのとき互い
に接近した両噛合面は衝撃的に当接してそれぞれ打音が
生じるが、上記したように「前側の全遊び」が大きく
て、その詰めの完了時期は遅いため、この遅い分だけ、
駆動装置の出力する駆動トルクがより大きく上昇してい
て、この際生じる打音はより大きくなり、よって、運転
者により大きい不快感を生じさせるという問題がある。
【0014】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、自動車の発進時など、駆動装置から後、
前車輪に動力が伝達され始めようとするときに、後動力
伝達手段、もしくは前動力伝達手段における噛合面同士
の当接で生じる打音をより小さくさせて、運転者に不快
感を生じさせないようにし、かつ、このようにした場合
でも、動力伝達中における両噛合面の接合には機械的な
無理が生じないようにして、円滑な動力伝達が確保され
るようにすることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の4輪駆動車のセンタデフ装置は、次の如くで
ある。
【0016】請求項1の発明は、トランスファケース1
2に対し、駆動装置6の動力を入力するデフケース21
をこのデフケース21のケース軸心22回りに回転自在
に支承させ、デフピニオン25を上記ケース軸心22に
直交するピニオン軸心24回りに回転自在となるよう上
記デフケース21に支承させ、上記ケース軸心22上
で、上記デフピニオン25に噛合する第1、第2デフサ
イドギヤ27,28を設け、これら第1、第2デフサイ
ドギヤ27,28のうちいずれか一方のデフサイドギヤ
に後動力伝達手段29を連動連結させると共にこの後動
力伝達手段29に後車輪4を連動連結させる一方、他方
のデフサイドギヤに前動力伝達手段30を連動連結させ
ると共にこの前動力伝達手段30に前車輪2を連動連結
させた場合において、上記デフケース21を、上記デフ
ピニオン25と第1デフサイドギヤ27とを支承し上記
駆動装置6からの動力を入力する第1ケース40と、上
記第2デフサイドギヤ28を支承する第2ケース41と
で構成し、上記第1ケース40と第2ケース41とを上
記ケース軸心22回りで相対回転自在にすると共に、上
記デフピニオン25に向って第2ケース41がその軸方
向で上記第2デフサイドギヤ28を伴い往動可能で、か
つ、復動可能とし、上記第1、第2ケース40,41が
相対回転したとき、上記デフピニオン25に向って上記
第2デフサイドギヤ28を伴い上記第2ケース41を往
動させるカム手段44を設けたものである。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記後動力伝達手段29と前動力伝達手段30のう
ち、遊びのより大きい動力伝達手段を上記第2デフサイ
ドギヤ28に連動連結させたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0019】図2において、符号1は自動車で、図中矢
印Frは自動車1の前方を示している。
【0020】上記自動車1は、左右一対の前車輪2,
2、これら両前車輪2,2の間に介設されるフロントデ
ィファレンシャル3、左右一対の後車輪4,4、これら
両後車輪4,4の間に介設されるリヤディファレンシャ
ル5、エンジン(内燃機関)と変速装置とで構成される
駆動装置6、および、この駆動装置6からの動力を上記
フロントディファレンシャル3とリヤディファレンシャ
ル5に伝達するトランスファ11を備えている。
【0021】図1〜3において、上記トランスファ11
は車体フレーム側に支持されるトランスファケース12
と、このトランスファケース12に軸受13により支承
される入力軸14を備え、この入力軸14は前後方向に
延びている。上記駆動装置6の動力は上記入力軸14の
前部に入力され、後部から出力される。
【0022】上記入力軸14と同じ軸心上に出力軸16
が設けられている。この出力軸16の前部内に上記入力
軸14の後端が嵌入され、これらは軸受17により互い
に相対回転自在となっている。また、同上出力軸16は
軸受18,19により上記トランスファケース12に支
承され、この出力軸16の後部は後車輪4,4側のリヤ
ディファレンシャル5に連結されている。
【0023】上記トランスファ11は差動装置であるセ
ンタデフ20を備えている。このセンタデフ20は上記
トランスファケース12に収容されるデフケース21を
有し、このデフケース21は上記入力軸14や出力軸1
6と同じ軸心であるケース軸心22回りに回転自在とな
るよう上記トランスファケース12に支承されている。
【0024】上記デフケース21の内部で上記ケース軸
心22の径方向外方にピニオン軸23,23が設けら
れ、これら各ピニオン軸23は上記ケース軸心22に直
交するピニオン軸心24上に設けられて上記デフケース
21に固定状に支持されている。上記各ピニオン軸23
には上記ピニオン軸心24回りに回転自在となるようデ
フピニオン25がそれぞれ支承されている。
【0025】上記ケース軸心22上で、かつ、このケー
ス軸心22の軸方向でみて、上記デフピニオン25を挟
むように位置する第1デフサイドギヤ27と第2デフサ
イドギヤ28が設けられ、これら第1デフサイドギヤ2
7と第2デフサイドギヤ28はそれぞれ上記デフピニオ
ン25にそれぞれ適正で互いに等しい寸法の遊びをもっ
て噛合している。
【0026】上記第1デフサイドギヤ27に後動力伝達
手段29を介して前記後車輪4が連動連結され、上記後
動力伝達手段29は前記リヤディファレンシャル5と出
力軸16とで構成されている。また、上記第2デフサイ
ドギヤ28に前動力伝達手段30を介して前記前車輪2
が連動連結され、上記前動力伝達手段30はチェーン巻
掛伝動手段32を有している。
【0027】上記チェーン巻掛伝動手段32は上記出力
軸16に遊転自在に支承される駆動鎖車33と、前記フ
ロントディファレンシャル3に連動連結される出力軸3
4に取り付けられる従動鎖車35と、これら駆動鎖車3
3と従動鎖車35とに巻き掛けられる伝動チェーン36
と、上記第2デフサイドギヤ28に上記駆動鎖車33を
係脱自在に係合させた係合手段37とで構成されてい
る。
【0028】そして、上記状態のトランスファ11によ
れば、駆動装置6の動力は、上記センタデフ20、後動
力伝達手段29、前動力伝達手段30を介し各後車輪4
と各前車輪2に伝達され、4輪駆動状態が得られる。
【0029】同上図1〜3において、上記デフケース2
1は、上記ケース軸心22上に位置して、上記ピニオン
軸23、デフピニオン25、および第1デフサイドギヤ
27を支承する第1ケース40を有している。この第1
ケース40は上記入力軸14にスプライン嵌合してお
り、この入力軸14を介して駆動装置6からの動力が入
力可能とされている。また、同上デフケース21は同上
ケース軸心22上に位置して、上記第2デフサイドギヤ
28を支承する第2ケース41を有している。
【0030】上記第1ケース40と第2ケース41とは
上記ケース軸心22回りで相対回転自在とされている。
上記第1ケース40は、ケース軸心22の軸方向で上記
入力軸14に固定され、つまり、ケース軸心22の軸方
向でトランスファケース12の所定位置に位置決めされ
ている。上記第2ケース41は、上記第1ケース40に
向って上記ケース軸心22の軸方向で上記第2デフサイ
ドギヤ28を伴って往動(図1、3中矢印A)可能とさ
れている。
【0031】また、上記第2デフサイドギヤ28を、図
3で示す元の位置に復動(図1、3中矢印B:矢印Aと
逆の方向)させるよう弾性的に付勢するばね42が設け
られている。このばね42は円環状をなして、ケース軸
心22上に位置し、その周方向に向って波形状をなし、
上記ケース軸心22の軸方向で、上記第1ケース40と
第2ケース41との間に介設されている。上記ばね42
の付勢力により、第2デフサイドギヤ28が元の位置に
まで復動させられたとき、上記第2デフサイドギヤ28
は上記トランスファケース12側に当接してそれ以上の
移動が阻止されている。
【0032】上記第1ケース40と第2ケース41のう
ち、いずれか一方のケースから他方のケースに動力が伝
達されるときで、この動力に基づく駆動トルクにより、
上記両ケース40,41がケース軸心22回りで相対回
転したとき、上記デフピニオン25に向って上記第2デ
フサイドギヤ28を伴い上記第2ケース41を往動(矢
印A)させるカム手段44が設けられている。この場
合、上記ばね42は第2ケース41を復動させるよう付
勢するものであって、上記した動力の伝達がされなくな
ると、上記付勢力と、上記カム手段44とにより、上記
相対回転とは逆に同上第1ケース40と第2ケース41
とが相対回転させられて、これら第1ケース40と第2
ケース41とは元の状態に戻される。
【0033】上記カム手段44は、ピニオン軸23の表
面に形成されたカム部45を有している。また、このカ
ム部45を形成した部分のピニオン軸23を貫通させる
よう上記第2ケース41に長孔46が形成され、この長
孔46は上記第2ケース41の周方向に長く延びてい
る。
【0034】上記長孔46の内面のうち、ケース軸心2
2の軸方向で対向する両対向面のうちの第1デフサイド
ギヤ27側の面がカム面47とされ、このカム面47は
ピニオン軸心24に沿った視線でみて(図1)、偏平な
山形状をなし、その頂部48に凹所が形成されて、通常
(元の状態)では、この頂部48と上記カム部45とが
上記ばね42の付勢力により弾性的に嵌合している。こ
の状態で、上記ピニオン軸心24から、第2ケース41
の第1デフサイドギヤ27側の端面に至る寸法はLとさ
れている。
【0035】上記構成において、上記後、前動力伝達手
段29,30とを対比すると、この前動力伝達手段30
の方が、より多くの構成部品を互いに噛合させることに
より構成されていて、後動力伝達手段29における各部
品の噛合面間の全遊びよりも、前動力伝達手段30にお
ける各部品の噛合面間の全遊びの方が、より大きくなっ
ている。
【0036】ここで、上記デフピニオン25と第1デフ
サイドギヤ27との噛合面間の第1遊びに、上記後動力
伝達手段29における全遊びを加算したものを「後側の
全遊び」とし、同上デフピニオン25と第2デフサイド
ギヤ28との噛合面間の第2遊びに、上記前動力伝達手
段30における全遊びを加算したものを「前側の全遊
び」とすると、上記第1遊びと第2遊びとは互いにほぼ
同じであるため、「後側の遊び」<「前側の遊び」の関
係となっている。
【0037】そして、自動車1の発進時など、駆動装置
6から後、前車輪4,2に動力が伝達され始めようとす
るときには、この動力は、まず、第1ケース40に入力
されて、この第1ケース40は第2ケース41に対し上
記ばね42の付勢力に抗してある角度、相対回転し、こ
の相対回転によりカム手段44が働くこととなる。
【0038】つまり、図4で示すように、上記動力を入
力した第1ケース40と共に回転するピニオン軸23に
対し第2ケース41がある角度だけ相対回転して、上記
カム部45に対しカム面47が上記ばね42の付勢力に
抗しながら摺動し、これにより、上記第2ケース41が
第2デフサイドギヤ28を伴いデフピニオン25に向っ
て往動(矢印A)させられる。このとき、上記ピニオン
軸心24から、第2ケース41の第1デフサイドギヤ2
7側の端面に至る寸法はL+eとされ、このeの寸法分
だけ、上記デフピニオン25と、第2デフサイドギヤ2
8との間の第2遊びが小さくなる。
【0039】よって、前記「前側の全遊び」が小さくさ
れることから、動力が伝達され始めようとする際の上記
「前側の全遊び」の詰めの完了時期がより早められ、即
ち、駆動装置6から出力される駆動トルクがあまり上昇
しないうちに、遊びの詰めが完了させられて、この遊び
の詰めの完了時に当接するフロントディファレンシャル
3やチェーン巻掛伝動手段32における噛合面同士の打
音が小さくなる。そして、上記遊びの詰めの完了で、動
力伝達が始められる。
【0040】上記第1ケース40と第2ケース41の相
対回転の角度が大きくなって、ピニオン軸23と、長孔
46の端部であるストッパ面とが当接すれば、それ以上
の上記相対回転が阻止され、このとき、第2ケース41
は第2デフサイドギヤ28を伴いデフピニオン25に向
って最大寸法分、往動させられる。このとき、デフピニ
オン25と第2デフサイドギヤ28との間の遊びは最小
となるが、この際、必要最小限の遊び量は確保されるこ
ととなっている。
【0041】上記したように遊びの詰めが完了して、動
力伝達が始められ、動力伝達中になったときで、自動車
1が一定走行する場合など加速が小さくなったときに
は、上記第1ケース40と第2ケース41との間で伝達
される動力の駆動トルクは小さくなる。
【0042】一方、上記動力伝達中は、両噛合面が圧接
するが、この圧接力は上記遊びをより大きくさせるよう
作用する。更に、上記ばね42の付勢力と、カム手段4
4とが上記遊びをより大きくさせるよう作用する。この
ため、上記したように相対回転した両ケース40,41
間に作用する駆動トルクが小さくなったときには、この
駆動トルクに勝って、上記両ケース40,41は上記相
対回転とは逆に回転させられ、同上第1ケース40と第
2ケース41とが元の状態に戻される。
【0043】すると、所定の大きさの「前側の全遊び」
が確保されて、自動車1の走行中において、円滑な動力
伝達が確保される。
【0044】なお、以上は図示の例によるが、第2デフ
サイドギヤ28に後動力伝達手段29を連動連結させる
と共にこの後動力伝達手段29に後車輪4を連動連結さ
せ、一方、第1デフサイドギヤ27に前動力伝達手段3
0を連動連結させると共にこの前動力伝達手段30に前
車輪2を連動連結させてもよい。
【0045】また、前動力伝達手段30に比べて後動力
伝達手段29の遊びがより大きい場合には、この後動力
伝達手段29を第2デフサイドギヤ28に連動連結させ
てもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0047】請求項1の発明は、トランスファケースに
対し、駆動装置の動力を入力するデフケースをこのデフ
ケースのケース軸心回りに回転自在に支承させ、デフピ
ニオンを上記ケース軸心に直交するピニオン軸心回りに
回転自在となるよう上記デフケースに支承させ、上記ケ
ース軸心上で、上記デフピニオンに噛合する第1、第2
デフサイドギヤを設け、これら第1、第2デフサイドギ
ヤのうちいずれか一方のデフサイドギヤに後動力伝達手
段を連動連結させると共にこの後動力伝達手段に後車輪
を連動連結させる一方、他方のデフサイドギヤに前動力
伝達手段を連動連結させると共にこの前動力伝達手段に
前車輪を連動連結させた4輪駆動車のセンタデフ装置に
おいて、上記デフケースを、上記デフピニオンと第1デ
フサイドギヤとを支承し上記駆動装置からの動力を入力
する第1ケースと、上記第2デフサイドギヤを支承する
第2ケースとで構成し、上記第1ケースと第2ケースと
を上記ケース軸心回りで相対回転自在にすると共に、上
記デフピニオンに向って第2ケースがその軸方向で上記
第2デフサイドギヤを伴い往動可能で、かつ、復動可能
とし、上記第1、第2ケースが相対回転したとき、上記
デフピニオンに向って上記第2デフサイドギヤを伴い上
記第2ケースを往動させるカム手段を設けてある。
【0048】即ち、自動車の発進時など、駆動装置から
後、前車輪に動力が伝達され始めようとするときには、
この動力は、まず、第1ケースに入力されて、この第1
ケースは第2ケースに対しある角度、相対回転し、この
相対回転によりカム手段が働いて、上記第1ケースが第
2デフサイドギヤを伴いデフピニオンに向って往動させ
られ、これにより、このデフピニオンと第2デフサイド
ギヤとの間の遊びが小さくされる。
【0049】よって、上記したように、遊びが小さくさ
れることから、動力が伝達され始めようとする際の上記
遊びの詰めの完了時期がより早められ、即ち、駆動装置
から出力される駆動トルクがあまり上昇しないうちに、
遊びの詰めが完了させられて、この遊びの詰めの完了時
に当接する噛合面同士の打音がより小さくされる。この
結果、打音により運転者に不快感を生じさせるというこ
とが防止される。
【0050】また、上記動力伝達が始められて、動力伝
達中となり、その後、上記第1ケースと第2ケースとの
間で伝達される動力の駆動トルクが小さくなったとす
る。一方、上記動力伝達中は、両噛合面が圧接するが、
この圧接力は通常上記遊びをより大きくさせようとする
方向に作用する。このため、上記したように、ある角度
だけ相対回転した両ケースは上記したように小さくなっ
た駆動トルクに勝って、上記相対回転とは逆に回転させ
られ、同上第1ケースと第2ケースとが元の状態に戻さ
れる。すると、所定の大きさの遊びが確保されて、その
後は円滑な動力伝達が確保される。
【0051】請求項2の発明は、上記後動力伝達手段と
前動力伝達手段のうち、遊びのより大きい動力伝達手段
を上記第2デフサイドギヤに連動連結させてあり、次の
効果がある。
【0052】即ち、遊びがより大きい場合には、この遊
びの詰めの完了に時間がかかることから、駆動装置から
出力される駆動トルクがより大きくなったときに、遊び
の詰めが完了して、そのとき当接する噛合面同士の打音
がより大きくなるが、この請求項2の発明によれば、前
記請求項1の発明に基づく効果で示したように、動力が
伝達され始めようとするときに、遊びのより大きい動力
伝達手段における遊びが小さくされる。
【0053】よって、遊びがより大きい分、より大きい
打音が生じる、ということが防止されるため、打音によ
り運転者に不快感を生じさせることは、より効果的に防
止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の1‐1線矢視部分破断図である。
【図2】自動車の動力伝達系の全体線図である。
【図3】図2で示したセンタデフの側面断面図である。
【図4】図1に相当する図で作用説明図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 前車輪 4 後車輪 6 駆動装置 11 トランスファ 12 トランスファケース 20 センタデフ 21 デフケース 22 ケース軸心 23 ピニオン軸 24 ピニオン軸心 25 デフピニオン 27 第1デフサイドギヤ 28 第2デフサイドギヤ 29 後動力伝達手段 30 前動力伝達手段 40 第1ケース 41 第2ケース 42 ばね 44 カム手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスファケースに対し、駆動装置の
    動力を入力するデフケースをこのデフケースのケース軸
    心回りに回転自在に支承させ、デフピニオンを上記ケー
    ス軸心に直交するピニオン軸心回りに回転自在となるよ
    う上記デフケースに支承させ、上記ケース軸心上で、上
    記デフピニオンに噛合する第1、第2デフサイドギヤを
    設け、これら第1、第2デフサイドギヤのうちいずれか
    一方のデフサイドギヤに後動力伝達手段を連動連結させ
    ると共にこの後動力伝達手段に後車輪を連動連結させる
    一方、他方のデフサイドギヤに前動力伝達手段を連動連
    結させると共にこの前動力伝達手段に前車輪を連動連結
    させた4輪駆動車のセンタデフ装置において、 上記デフケースを、上記デフピニオンと第1デフサイド
    ギヤとを支承し上記駆動装置からの動力を入力する第1
    ケースと、上記第2デフサイドギヤを支承する第2ケー
    スとで構成し、上記第1ケースと第2ケースとを上記ケ
    ース軸心回りで相対回転自在にすると共に、上記デフピ
    ニオンに向って第2ケースがその軸方向で上記第2デフ
    サイドギヤを伴い往動可能で、かつ、復動可能とし、上
    記第1、第2ケースが相対回転したとき、上記デフピニ
    オンに向って上記第2デフサイドギヤを伴い上記第2ケ
    ースを往動させるカム手段を設けた4輪駆動車のセンタ
    デフ装置。
  2. 【請求項2】 上記後動力伝達手段と前動力伝達手段の
    うち、遊びのより大きい動力伝達手段を上記第2デフサ
    イドギヤに連動連結させた請求項1に記載の4輪駆動車
    のセンタデフ装置。
JP14808396A 1996-05-17 1996-05-17 4輪駆動車のセンタデフ装置 Pending JPH09300998A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6413184B1 (en) * 1999-04-05 2002-07-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Power transmission system for four-wheel drive vehicle
CN108506454A (zh) * 2018-07-05 2018-09-07 烟台成峰机械科技有限公司 一种安装在田园管理机内部带有换向装置的小型差速器
CN114347783A (zh) * 2021-11-30 2022-04-15 江苏汇智高端工程机械创新中心有限公司 一种带有下偏取力功能的桥箱一体总成及全地面起重机

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